特許第6122142号(P6122142)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6122142角膜組織を監視するための装置、接合ユニット、吸引リング、および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122142
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】角膜組織を監視するための装置、接合ユニット、吸引リング、および方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/008 20060101AFI20170417BHJP
   A61F 9/01 20060101ALI20170417BHJP
   A61F 9/009 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   A61F9/008 130
   A61F9/01
   A61F9/008 150
   A61F9/009
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-548224(P2015-548224)
(86)(22)【出願日】2012年12月20日
(65)【公表番号】特表2016-504095(P2016-504095A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2012076300
(87)【国際公開番号】WO2014094853
(87)【国際公開日】20140626
【審査請求日】2015年10月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】513146099
【氏名又は名称】バーフェリヒト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】アルミン ベルホーエファー
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−505705(JP,A)
【文献】 特表2012−522542(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/003431(WO,A1)
【文献】 特開2005−246047(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/008
A61F 9/009
A61F 9/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼の角膜組織を治療するための装置であって、
角膜組織の監視、切除、または焼灼のうちの少なくとも1つに好適なパルスレーザー放射を出射するように構成された光源(10)と、
前記角膜組織に対して、前記レーザー放射を誘導し、集束させるように構成された光学ユニット(14)と、
前記眼(18)に接続されるように適合された吸引リングユニット(22)と、
前記吸引リングユニット(22)に接続可能な接合ユニット(30)と、
前記眼(18)から出る電磁放射を検出するための検出器(36)と、
を備え、
前記接合ユニット(30)の少なくとも一部分(32)が、前記眼(18)から出る電磁放射に対して透過性であり、
前記接合ユニット(30)の前記少なくとも一部分(32)が、当該接合ユニット(30)の円錐壁を備え、当該円錐壁の内部には、前記検出器(36)への電磁放射を案内するためのビーム経路が存在する、装置。
【請求項2】
前記吸引リングユニット(22)の少なくとも一部分が、前記眼(18)から出る電磁放射に対して透過性である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記接合ユニット(30)または前記吸引リングユニット(22)が、前記パルスレーザー放射の波長よりも短い波長を有する電磁放射に対して透過性である、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記電磁放射が、前記レーザー放射の第二高調波である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電磁放射が、前記レーザー放射の第三高調波である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電磁放射が、前記レーザー放射によって引き起こされる蛍光放射である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
レーザー放射の前記光源が、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒、またはアット秒範囲でレーザーパルスを出射する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記検出器(36)が、前記眼から出る放射の時間依存的検出用に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
請求項2に記載の装置内で使用するための吸引リングユニット(22)であって、当該吸引リングユニットが、眼(18)に接続されるように適合され、当該吸引リングユニットが、前記眼から出る電磁放射に対して透過性または半透過性である少なくとも一部分を備える、吸引リングユニット(22)。
【請求項10】
前記眼から出る前記電磁放射が、紫外線放射である、請求項9に記載の吸引リングユニット(22)。
【請求項11】
請求項1に記載の装置内で使用するための接合ユニット(30)であって、前記眼から出る電磁放射に対して少なくとも部分的に透過性または半透過性である、接合ユニット(30)。
【請求項12】
前記眼から出る前記電磁放射が、紫外線放射である、請求項11に記載の接合ユニット(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して角膜手術に関し、より具体的に、患者の角膜のモデルを生成するために、第二高調波生成(SHG)、第三高調波生成(THG)、蛍光放射、および/またはプラズマ放射を監視することに関する。
【背景技術】
【0002】
LASIK(レーザー支援原位置角膜切開反転術)手術等の眼の手術において、眼に関する情報は、手術において使用するために集められ得る。例えば、手術前の角膜組織の形状もしくは厚さ、または手術中に行われる切除の深さが測定され得る。別の例として、以前の手術に起因する角膜組織内の任意の瘢痕の画像が撮影され得る。
【0003】
周知の技術に従って眼の角膜組織を切除するための装置は、例えば、国際公開第WO2011/003431 A1号に開示される。そのような装置は、典型的に、眼上に置くことができ、吸引リングと眼の前面との間に真空を生成することによって眼に取り付けられる、いわゆる吸引リングを備える。吸引リングユニットは、レーザー放射による眼の屈折矯正手術または任意の他の治療中、眼の望ましくない動きを防ぐのに役立つ。レーザー放射は、眼に対して、特に切除される眼の角膜組織に対して、レーザー放射を誘導し、集束させるためのいくつかの光学素子を典型的に備える、光学ユニットによって成形および誘導される。
【0004】
LASIK以外に、本発明を、ヒトの眼において、例えば、角膜移植(例えば、角膜移植における前方または後方表層角膜移植、全層角膜移植)において、屈折補正を目的とする水晶体摘出において、角膜の円錐角膜および突出を安定化させることを目的とする角膜間リングセグメントの切除において(例えば、intacs、すなわち、角膜の生化学的安定化を目的とする小さな埋込みリングセグメントの挿入のため)、白内障切開において、水晶体における老眼切開において、間質内象眼において、乱視のための角化層切開において、角膜切除等において、組織切開と関連して使用できることが理解される。
【0005】
国際公開第WO02/076355 A2号は、眼の組織の最小〜非侵襲性光学治療およびその診断のための方法を説明し、組織の3次元撮像は、角膜組織から再出射される放射線によって行われる。再出射は、焼灼にも使用されるレーザーシステムによって生成される。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、角膜組織の撮像を改善することである。
【0007】
本発明の実施形態は、角膜手術前、手術中、および/または手術後に、入射放射が角膜組織内で電磁放射を生成し、それを使用して、例えば、診断目的の角膜の3次元モデルを生成するか、または切開中の角膜組織の層ならびに間質の再形成を監視することができるという所見に基づく。
【0008】
角膜組織とパルスレーザー放射との相互作用に反応して眼から出るそのような電磁放射は、例えば、SHG、蛍光放射、ならびにTHGおよびプラズマ放射である。レーザービームの放射パルスは、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒、またはアット秒範囲のパルス期間を有する。
【0009】
本発明の実施形態は、眼から出るそのような放射が、屈折矯正手術前、手術中、および/または手術後の診断目的に関する関心対象であるという所見に基づく。眼から出るそのような電磁放射の強度は比較的低いが、特にその生成の非線形特性に起因して、光子計数器によって検出することができる。
【0010】
屈折矯正手術前、手術中、または手術後の短パルスレーザー放射に反応して眼から出る電磁放射が、角膜組織内で生成される場合、そのような放射は、角膜組織内の下部構造に関する情報を含む。下部構造は、3次元であり得る。本明細書において、「第二高調波放射」(SHR)という用語は、SHGによって生成される放射に使用される。類似して、「第三高調波放射」(THR)という用語は、屈折矯正手術中にTHGによって生成される放射に使用される。
【0011】
例えば、角膜組織を切除または焼灼する前述のレーザー放射の走査中、SHR、THR、蛍光、またはプラズマ放射が、例えば、光子計数器によって検出される場合、そのような検出された信号を処理して、例えば、治療に関するさらなる情報を引き出すことができる外科医に表示され得る、2次元または3次元画像を得ることができる。
【0012】
切除または焼灼レーザー放射の集束点の位置は周知であるため、前述の電磁放射(SHR、THR、蛍光、またはプラズマ放射)が出射される角膜組織の位置も周知であり、後者放射の2次元写真を、SHR、THR、蛍光、またはプラズマ放射の光子を数える、光子計数器によって生成された信号から得ることができる。角膜の異なる層で、すなわち、角膜内の異なる深さでこのステップを行うことによって、角膜の特定の特徴を表す3次元写真を生成することができる。
【0013】
眼から出る電磁放射は、フィルターによって、および/または空間識別によって、すなわち、主にSHR、THR、プラズマ、および/または蛍光放射が受信されるが、信号を妨害し得る他の放射は検出されないか、またはあまり検出されない場所に検出手段を位置付けることによって、他の望ましくない信号の影響を低減することによって検出され得る。
【0014】
眼から出る検出された放射に含まれる上述の情報は、例えば、実証的研究によって得ることができる。例えば、周知の下部構造を含む角膜組織を用いて、レーザー放射でその角膜組織を切除または焼灼し、例えば、上記のように検出されるSHR、THR、蛍光、および/またはプラズマ放射の特定の特性を測定して、検出された放射を処理して眼から出る放射の前述の画像を得ることによって、そのような実証的情報を生成することができる。そのような画像は、角膜下部構造の実証的「収集」を得るために、周知の下部構造(例えば、非生物の眼)を有する多くの角膜組織に対して実証的に生成され、後に、インビボ屈折矯正手術中、得られたSHR、THR、および蛍光放射の画像が、同様の画像を生成する角膜下部構造に関する結論を可能にするように、下部構造は、例えば、SHR、THR、蛍光、および/またはプラズマ放射の特定の画像を生成する。
【0015】
したがって、インビボ屈折矯正手術中、SHR、THR、プラズマ、および/または蛍光放射によって生成された前述の画像は、治療される角膜組織の特性に関する結論を、そのような画像から引き出すことができる外科医に表示され得る。
【0016】
本明細書において使用される場合、「切除」という用語は、特に、集束点において集束されたレーザー放射によって引き起こされる光子破壊またはレーザー誘起光学破過(LIOB)を含む。そのような「切除」に使用されるレーザーシステムは、信号を得るために、切除または切開に必要なレーザー出力と比較して、低減したレーザー出力で操作することができる。
【0017】
本発明の目的は、角膜組織の分析および/または診断(例えば、測定、検出、計算による)に関して強化された有用性を有する、屈折矯正手術前、手術中、または手術後に眼の角膜組織を監視するためのデバイスおよび方法を提供することである。
【0018】
この目的で、本発明の実施形態は、レーザー放射を出射する光源と、角膜組織に対して前述のレーザー放射を誘導し、集束させるための光学ユニットと、眼に接続されるように適合された吸引リングユニットと、吸引リングに接続されるように適合された接合ユニットと、を備える、眼の角膜組織を監視するための装置を提供し、前述の接合ユニットの少なくとも一部分および/または前述の吸引リングの少なくとも一部分は、眼から出る電磁放射に対して透過性または半透過性である。
【0019】
さらなる実施形態は、前述の接合ユニットに接続可能な連結ユニットも提供することができる。そのような連結ユニットは、接合ユニットと吸引リングとの間に接続され得るか、またはそのような連結ユニットは、接合ユニットと、レーザー放射がレーザーから接合ユニットに誘導される光学ユニットとの間に接続され得る。そのような光学連結ユニットは、例えば、特定の波長を有する放射を遮断するが、他の波長がレンズを透過するフィルター素子として機能し、この透過した放射が検出され得るように、特別なレンズを示し得る。
【0020】
本発明は、眼の角膜組織を切除または焼灼するための方法も提供し、以下のステップ:パルスレーザー放射を眼の上に配向することと、眼から出射され、前述のパルスレーザー放射によって引き起こされるSHG、THR、蛍光、またはプラズマを監視することと、を含む。
【0021】
「角膜組織を切除または焼灼するための」という上記表現において、「または」という語は、排他的ORを指さず、すなわち、装置および方法の両方は、角膜組織の切除および/または焼灼を行うことができる。切除は、典型的にFSレーザーによって行われる切開を意味することもできるが、焼灼は、典型的にエキシマレーザーによって行われる。SHGおよび蛍光放射は、本発明の実施形態に従って、切除または焼灼と比較して、レーザー放射よりも低い出力密度レベルで行われる。同じレーザーシステムを、一方は前述の適用、すなわち、SHGまたはTHGまたは蛍光またはプラズマ放射のため、もう一方は切除または焼灼のために、異なるレベルの出力密度で使用することができる。
【0022】
「眼から出る」という上記表現は、眼の前面または露出面から出る放射を含む。
【0023】
本発明の実施形態は、屈折矯正レーザー手術の上述の手順中に適用される高出力密度のレーザー放射が、適用される放射のSHGおよびTHGを生成するという所見を利用する。プラズマ放射または蛍光以外に、このSHGおよびTHGは、光媒体、例えば、角膜内で非線形に生成され、光破壊または光焼灼の地点でも発達することが理解される。さらに、蛍光およびSHGは、光破壊または光焼灼のない地点で発達することもできることが理解される。
【0024】
眼から出るそのような電磁放射を収集するために、接合ユニットの少なくとも一部分または吸引リングの少なくとも一部分は、例えば、吸引リングまたは接合ユニットの後ろの放射経路に配置された光子計数器によって検出され得るように、そのような放射に対して透過性または半透過性にされる。装置の設計に応じて、接合ユニットおよび吸引リングの両方は、前述の透過性区分、またはそれらのうちの1つのみを含み得る。眼から出る電磁放射は、その遠位端で前述の透過性部分に入り、その近位端で前記部分から出る。また1つ以上の光ファイバーを使用して、光子を光子計数器または他の種類の検出器に誘導することができる。本明細書の文脈において、吸引リングまたは接合ユニットの一部分が述べられ、前述の部分が透過性または半透過性である場合、この部分は、角膜に接触し、浮遊させるために先行技術において使用される周知の浮遊プレートではない。むしろ、本明細書の文脈において、前述の透過性または半透過性部分が述べられる場合、透過性でもあり、それを平坦化するために角膜に押し付けられる、前述の浮遊プレートとは異なる素子を指す。むしろ、本明細書の文脈において、接合ユニットおよび/または吸引リングの少なくとも一部分について言及され、前述の部分が半透過性または透過性である場合、これは、本発明の実施形態に従って、吸引リングおよび/または接合が、眼から出る放射線を収集し、その収集された放射線を検出器に誘導するように設計された透過性または半透過性の部分または素子を含むことを意味する。本発明の実施形態に従って、吸引リング全体および/または接合ユニット全体は、その吸引リングおよび/または接合ユニットの前述の意味または部分において、眼から出る放射線を収集し、誘導するように設計され得る。本発明の実施形態に従って、吸引リングおよび/または接合ユニット内またはそこに1つ以上のファイバーを配置して、眼から出る放射線を収集し、誘導して、収集された放射線を検出器に誘導することができる。検出器は、光子計数器であり得る。
【0025】
眼から出る放射は、SHR、THR、プラズマ放射、または蛍光放射を生成するレーザー放射パルスのタイミングに関して時間依存的に出現する。したがって、信号対雑音比(SNR)を改善するために、検出器(例えば、光子計数器)は、レーザーパルスから時間依存的に制御され、検出のための時間窓は、所望の信号光子がそれらの最大値およびその付近にあるときだけ開いている。
【0026】
またフィルターは、SHR、THR、プラズマ放射、または蛍光の波長を有しない光子が、検出器(光子計数器)に入るのを防ぐように、検出される放射の経路内で使用されてよい。
【0027】
本発明の例示的な実施形態は、図面に基づいて以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】眼の角膜組織を治療するための装置を概略的に示し、この装置を使用して、SHR、THR、プラズマ放射、および蛍光放射からなる群のうちの1つを生成するために短いレーザー放射パルスを生成することもできる。
図2図1に従う装置の吸引リングおよび接合ユニットを展開図で示す。
図3図1または2に従う装置内の検出器の配置を概略的に示す。
図4図1または2に従う装置内の検出器の配置の別の概略例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1に示されるように、眼の角膜組織を監視、切除、および/または焼灼するための装置は、例えば、LASIK手順に好適なレーザー放射12を出射するレーザー光源10を備える。レーザー光源10によって出射されるレーザー放射は、集束後、角膜組織を監視、切除、または焼灼するために好適な出力密度を含み得る。
【0030】
LASIKの技術分野における当業者に周知のように、光学ユニット14は、出射されたレーザー放射を形成し、集束させる。集束されたレーザー放射16は、例えば、フラップを監視、切除するため、または角膜組織の焼灼もしくは上述の他の屈折矯正手順を行うために、治療される眼18の領域にわたって走査される。放射は、眼の角膜20の上/中に集束される。
【0031】
吸引リング22は、角膜の前面に取り付けられる。吸引リングと角膜との間に真空を生成するために、吸引リング22のソケット22A内の真空パイプ22Bは、真空ポンプ(図示せず)に接続される。
【0032】
接合ユニット30も、真空によって吸引リング22に取り付けられ、真空ポンプ(図示せず)に接続された真空パイプ22Cを通じて生成される。
【0033】
接合ユニット30は、当該技術分野において時に「眼の錐状体」と呼ばれる。本明細書の文脈において、「接合ユニット」という用語は、吸引リング22に直接または間接的に接続される機械素子を含む。より具体的に、「接合ユニット」という用語は、いわゆる機械接合ユニットも含む。本発明の実施形態に従って、吸引リングおよび接合ユニットに加えて、図3および4に示される連結ユニット40が存在し得る。そのような連結ユニットは、吸引リング22と接合ユニット30との間にあり得るか(図3および4に示されるように)、または連結ユニットは、連結ユニット30と光学ユニット14との間に配置され得る。
【0034】
集束されたパルスレーザー放射16は、その集束点において、光破壊または光焼灼を生成するために十分な出力密度を含む。そのような光破壊または光焼灼は、非線形光学作用において、入射レーザー放射、すなわち、それぞれレーザー放射の波長の半分、およびレーザー放射の波長の3分の1の波長を有するレーザー放射に反応して眼から出る放射のSHGおよびTHGを生成するために好適なプラズマを含む。
【0035】
前述の波長を有する放射は、図1に矢印で表される。この放射は、眼18から出て、部分32、特に接合ユニット30の壁に入る。接合ユニット30のこの部分32は、眼18から出る電磁放射26に関して透過性および/または半透過性である。接合ユニット30の部分32を通る前述の放射の経路は、図1に矢印28で示される。示されるように、眼18から出る電磁放射は、窓34を通過して、検出器36、例えば、光子計数器に入る。追加のフィルター(図示せず)を、望ましくない波長を有する放射が検出器36に入るのを防ぐために、前述の放射の経路に位置付けることができる。
【0036】
図1に示される実施形態において、接合ユニット30の円錐壁の内側に、矢印で示されるビーム経路が放射に提供される。前述の壁の外面は、眼から出る放射26以外の任意の放射がビーム経路に入るのを防ぐようにコーティングされてもよい。また接合ユニット30の壁の内面は、眼から出る光子が、最小の強度喪失で検出器36に誘導されるように、反射面でコーティングされてもよい。
【0037】
コンピューター38は、特にレーザーパルスのタイミングおよび角膜20に対して集束されたレーザー点の走査に関して、レーザー光源10および光学ユニット14の両方を制御する。したがって、コンピューター38は、そのコンピューターが、監視するために検出器がどのように調整されるかに応じて、SHG、THG、プラズマ、または蛍光放射が生成される角膜内の位置に、検出器36によって数えられた光子が調整されるマップを生成することができるように、電磁放射26が生成される位置を「把握する」。
【0038】
角膜内の異なる層をマッピングすることによって、それぞれSHG、THG、プラズマ、および/または蛍光放射の3次元出射を表す3次元画像を生成することができる。前述の画像は、その画像を使用して、治療される角膜内の下部構造に関する結論を引き出すことができる外科医に表示され得る。
【0039】
図2は、吸引リング22および接合ユニットを展開図で示す。図面において、主題の同じまたは同様の性質は、繰り返しの説明が不要となるように、同一の参照番号によって示される。
【0040】
図3は、眼の角膜組織の診断および/または切除および/または焼灼のための装置の実施形態を示し、図1および2に示されるものに加えて、連結ユニット40は、吸引リング22と接合ユニット30との間に提供される。装置が、吸引リング22に加えて、連結ユニットを備えるかどうか、または接合ユニット30が、吸引リング22に直接連結されるかどうかは、装置の特定の設計に依存する。本発明の実施形態に従って、眼18から出る電磁放射26に対して透過性または半透過性の前述の部分は、吸引リング22および/もしくは連結ユニット40(存在する場合)、ならびに/または接合ユニット30の部分であり得る。
【0041】
図3に示される実施形態において、検出器36a(上記の検出器36に対応する)は、接合ユニット30の遠位端において、連結ユニット40の上に直接配置される。
【0042】
図3に示される実施形態において、連結ユニット40は、吸引リング22と接合ユニット30との間に配置される。代替として、装置の特定の設計に従って、連結ユニットは、接合ユニット30の他の側面上、すなわち、接合ユニット30と光学ユニット14との間に配置されてもよい。
【0043】
図4に示される実施形態において、検出器36Bは、接合ユニット30の近位端に配置される。光ファイバー42は、検出される光子を接合ユニット30の遠位端から検出器36Bまで誘導する。
図1
図2
図3
図4