(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ポリアミン化合物は、エトキシル化C2〜C3ポリアルキレンアミン、エトキシル化C2〜C3ポリアルキレンイミン、及びこれらの混合物から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
前記ポリアミン化合物は、内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを含むプロポキシル化ポリアミンを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
前記双性イオン性ポリアミンは、ポリアミン骨格を含み、前記骨格は、2つ以上のアミノ単位を含み、前記アミノ単位の少なくとも1つは、四級化されており、少なくとも1つのアミノ単位は、アニオン電荷を有することができる1つ又は2つ以上の部分で置換され、更にアニオン性部分を含むアミノ単位置換の数は、四級化骨格アミノ単位の数以下である、請求項9に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書では、全ての濃度及び比率は、特に指定しない限り、洗剤組成物の重量ベースである。窒素含有率(%N)など元素組成は、重量パーセントである。
【0010】
ポリマーの分子量は、特に指示がない限り、数平均分子量である。
【0011】
本明細書で使用するとき、請求項で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、請求又は記載されているもののうちの1つ又は2つ以上を意味すると理解される。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「包含する(include)」、「包含する(includes)」及び「包含している(including)」は、限定することを意図しない。
【0013】
本発明の組成物は、本開示の組成物を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。
【0014】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は、全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶剤又は副生成物は、除外される。
【0015】
本明細書全体を通して記載される全ての最大数値限定は、このようなより低い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように、全てのより低い数値限定を含むものと理解すべきである。本明細書全体を通して記載される全ての最小数値限定は、このようなより高い数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように、全てのより高い数値限定を含む。本明細書全体を通して記載される全ての数値範囲は、このようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明示的に記載されているかのように、このようなより広い数値範囲内の全てのより狭い数値範囲を含む。
【0016】
本明細書では、用語「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」が使用され得る。これは、指示される物質が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的に組成物に添加されない、又は、より典型的には、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。指示される物質が、意図的に含まれる他の物質の1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。
【0017】
洗剤組成物
本明細書に開示されている洗剤組成物は、硫酸化界面活性剤、有機酸、及びアルコキシル化ポリアミン化合物を含む、低pH洗剤組成物である。硫酸化界面活性剤は、例えば、硬質面及び/又は洗濯物を洗浄するのに好適な組成物において、洗浄効果をもたらす。特に洗濯物に対して効果的な洗浄を提供するため、硫酸化界面活性剤は、特定の鎖長、例えば、少なくとも10炭素、又は少なくとも12炭素、又は少なくとも14炭素のアルキル基を有することが望ましい。しかし、アルキル鎖が長いほど、硫酸化界面活性剤間に、より多くの界面が形成されることにつながりやすいと考えられている。このことは、安定性の課題を提起し得るが、理由は、界面活性剤間の界面が一因であると考えられている低pH系において、硫酸化界面活性剤が加水分解しやすいためである。意外にも、特定のアルコキシル化ポリアミン化合物は、加水分解率を下げ得ることが発見された。ポリアミンは、H
+の界面への接近を阻止することによって、かつ/又は硫酸化界面活性剤間の相互作用を阻止することによって、安定化効果をもたらすと考えられている。
【0018】
本明細書で使用するとき、表現「洗剤組成物」は、汚れた布地を洗浄するよう設計された組成物及び処方物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭(freshening)組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤(pretreat)、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地トリートメント、アイロン助剤、食器洗い組成物、硬質面洗浄組成物、単位分量処方物、遅延送達処方物(delayed delivery formulation)、多孔性基材又は不織布の上又は中に含有される洗剤、並びに、本明細書の教示を考慮すると当業者に明らかであろう他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物は、洗濯前トリートメント、洗濯後トリートメントとして、使用してもよく、あるいは、洗濯作業のすすぎ又は洗浄サイクル中に添加されてもよい。洗浄組成物は、液体、単相若しくは多相の単位分量、パウチ、ジェル、又はペーストから選択される形態を有してもよい。組成物が単位分量形態にあるとき、組成物は、水溶性フィルム又はパウチの中に封入されてもよく、水溶性フィルム又はパウチは、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、又はこれらの混合物を含んでもよい。単位分量形態は、少なくとも2つの区画、又は少なくとも3つの区画を含んでもよい。少なくとも1つの区画を他の区画の上に重ねてもよい。
【0019】
いくつかの態様では、組成物は、当該組成物の約50重量%〜約95重量%、又は約60重量%〜約90重量%、又は約65重量%〜約81重量%の水を含む。いくつかの態様では、組成物は、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%、又は少なくとも約70%、又は少なくとも約75%、又は少なくとも約80%、又は少なくとも約85%の水を含む。組成物が濃縮された形態又は単位分量形態にあるときは、組成物は、約50%未満の水、又は約30%未満の水、又は約20%未満の水、又は約10%未満の水、又は約5%未満の水を含んでもよい。
【0020】
いくつかの態様では、組成物は、単一の相で存在する。いくつかの態様では、開示されている組成物は、22℃で等方性である。本明細書で使用するとき、「等方性」は、染料及び/又は乳白剤がない状態で、Beckman DU分光光度計を用い、標準的な10mm光路長キュベットにより測定された、570nmの波長にて50%を超える透過率(%)を有する、透明な混合物を意味する。
【0021】
界面活性剤
本発明の洗剤組成物は、洗浄性界面活性剤を含む。洗剤組成物は、当該組成物の約1重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約20重量%、又は約8重量%〜約18重量%、又は約10重量%〜約15重量%の洗浄性界面活性剤を含んでもよい。洗浄性界面活性剤は、少なくとも1つの硫酸化界面活性剤を含む。典型的には、界面活性剤は、硫酸化界面活性剤及び非硫酸化界面活性剤を含む。非硫酸化界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、又はこれらの混合物から選択されてもよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤は、洗浄、染み除去、又は洗濯効果を汚れた布地にもたらす、任意の界面活性剤又は界面活性剤混合物を包含することを理解するであろう。
【0022】
硫酸化界面活性剤
本発明の洗剤組成物は、硫酸化界面活性剤を含む。硫酸化界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシレート化サルフェート、又はこれらの混合物から選択されてもよい。いくつかの態様では、本発明の洗剤組成物は、当該組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約35重量%、又は約8重量%〜約20重量%、又は約10重量%〜約15重量%、又は約0.5重量%〜約10重量%、又は約1重量%〜約8重量%の硫酸化界面活性剤を含む。
【0023】
いくつかの態様では、硫酸化界面活性剤は、アルキルアルコキシレート化サルフェートを含む。アルキルアルコキシレート化サルフェートは、エトキシル化されても、プロポキシル化されても、又はこれらの混合物であってもよい。いくつかの態様では、硫酸化界面活性剤は、アルキルエトキシル化サルフェート(「AES」)を含む。このような物質は、アルキルエーテルサルフェート又はアルキルポリエトキシレートサルフェートとしても既知であり、典型的には式:R’−O−(C
2H
4O)
n−SO
3Mに相当するものである。[式中、R’は、C
8〜C
20アルキル基であり、nは、約1〜約30であり、Mは、塩形成性カチオンである]。いくつかの態様では、R’は、C
10〜C
18アルキルであり、nは、約1〜約15であり、Mは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。いくつかの態様では、R’は、C
12〜C
16アルキルであり、nは、約1〜約6であり、Mは、ナトリウムである。いくつかの態様では、R’は、C
14〜C
20アルキル基である。いくつかの態様では、組成物は、14個未満の炭素原子、又は13個未満の炭素原子、又は11個未満の炭素原子のアルキル基を含むAES界面活性剤を実質的に含まない。
【0024】
いくつかの態様では、硫酸化界面活性剤は、アルキルサルフェート(「AS」)を含む。例えば、上記のアルキルエーテルサルフェートは、一般的に、変動するR’鎖長と、変動するエトキシル化度と、を含む、混合物の形態で使用可能である。しばしば、これらの混合物は、また、いくつかの非エトキシル化アルキルサルフェート物質、即ち、上記エトキシル化アルキルサルフェート式で、式中、n=0である界面活性剤も含有する。
【0025】
また、非エトキシル化アルキルサルフェート(AS)を、本発明の組成物に別個に追加してもよい。アルキル硫酸界面活性剤の具体例は、高級C
8〜C
20脂肪族アルコールの硫酸化により生成されるものである。従来の第一級アルキル硫酸界面活性剤は、一般式:ROSO
3−M
+を有する。[式中、Rは、C
8〜C
20アルキル基であり、このアルキル基は、直鎖であってもよく、また、Mは、水溶化カチオンである]。いくつかの態様では、Rは、C
10〜C
16アルキル基であり、Mは、アルカリ金属であり、より典型的には、Rは、C
12〜C
14アルキルであり、Mは、ナトリウムである。いくつかの態様では、組成物は、14個未満の炭素原子、又は13個未満の炭素原子、又は11個未満の炭素原子を有するアルキル基を含むAS界面活性剤を実質的に含まない。いくつかの態様では、硫酸化界面活性剤は、RがC
14〜C
20アルキル基であるAS界面活性剤を含む。
【0026】
硫酸化界面活性剤は、直鎖、分岐鎖、又はこれらの混合物であってもよい。分岐状界面活性剤は、以下でより詳細に説明される。
【0027】
非硫酸化界面活性剤
いくつかの態様では、洗剤組成物は、非硫酸化界面活性剤を含む。本開示で使用されるとき、「非硫酸化界面活性剤」は、例えばアルキルベンゼンスルホネートといったスルホン洗浄性界面活性剤のような非硫酸化アニオン性界面活性剤、並びに非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、又はこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの態様では、組成物は、当該組成物の約1重量%〜約50重量%、又は約5重量%〜約35重量%、又は約8重量%〜約20重量%、又は約10重量%〜約15重量%の非硫酸化界面活性剤を含んでもよい。いくつかの態様では、本組成物は、非硫酸化化合物を実質的に含まない。
【0028】
いくつかの態様では、非硫酸化界面活性剤は、非硫酸化アニオン性界面活性剤であってもよい。組成物は、当該組成物の約0.1重量%〜約20重量%、1重量%〜約15重量%の非硫酸化アニオン性界面活性剤を含んでもよい。有用な非硫酸化アニオン性界面活性剤は、例えば、米国特許第4,285,841号(Barrat et al.、1981年8月25日発行)、及び米国特許第3,919,678号(Laughlin et al.、1975年12月30日発行)に開示されている。
【0029】
好適な非硫酸化アニオン性界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸及びその塩が挙げられる。代表的なアニオン性界面活性剤は、C
10〜16アルキルベンゼンスルホン酸、特にC
11〜14アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ金属塩である。典型的には、アルキル基は、直鎖であり、このような直鎖アルキルベンゼンスルホネートは、「LAS」として知られている。アルキルベンゼンスルホネート、特にLASは、当該技術分野において周知である。このような界面活性剤及びそれらの調製については、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載されている。一態様では、アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤は、アルキル基内の炭素原子の平均数が約11〜約14(ナトリウムC
11〜C
14)である直鎖アルキルベンゼンスルホネートナトリウム及びカリウムから選択される。例えば、C
12のLASは、このような界面活性剤の具体例である。
【0030】
いくつかの態様では、非硫酸化界面活性剤としては、水溶性塩、特に約10個〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基及びスルホン酸基を分子構造の中に有する有機イオウ反応生成物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及びアルキロールアンモニウム(例えば、モノエタノールアンモニウム又はトリエタノールアンモニウム)塩が挙げられる。(用語「アルキル」には、アリール基のアルキル部分が含まれる)。本明細書で有用な他のアニオン性界面活性剤は、約8個〜約24個(典型的には、約12個〜約18個)の炭素原子を含有するパラフィンスルホネート及び第二級アルカンスルホネート、並びにアルキルグリセリルエーテルスルホネート、特にこれらのC
8〜18アルコールのエーテル(例えば、タロー及びココヤシ油由来のもの)の水溶性塩である。
【0031】
アルキルベンゼンスルホネートと上記のパラフィンスルホネート、第二級アルカンスルホネート、及びアルキルグリセリルエーテルスルホネートとの混合物も有用である。
【0032】
いくつかの態様では、非硫酸化アニオン性界面活性剤は、脂肪酸を含む。脂肪酸の例としては、約8個〜約28個、又は約12個〜約26個、又は約12個〜約22個の炭素原子、及びそれらの塩を有する、飽和カルボン酸、並びに一価及び多価不飽和カルボン酸が挙げられる。脂肪酸は、カプリル酸、ペラルゴン酸(perlargonic acid)、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸(myritic acid)、ペンタデカン酸(petadecanoic acid)、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸、パルミトレイン(palmitoelic)酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、リノレン酸、又はこれらの混合物から選択されてもよい。他の態様では、洗剤組成物は、脂肪酸を実質的に含まない。
【0033】
本明細書で有用な非硫酸化アニオン性界面活性剤の、具体的、非限定的な例としては、a)アルキル基が、少なくとも5%の生物由来含有量(bio-based content)を有するもの(Bio−LAS及び/又はBio−MLAS)を含む、C
10〜C
18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、b)1〜5のエトキシ単位を含む、一態様におけるC
10〜C
18アルキルアルコキシカルボン酸塩、c)国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号で述べられたような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、d)メチルエステルスルホネート(MES)、及びe)α−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0034】
いくつかの態様では、非硫酸化界面活性剤は、非イオン性界面活性剤であってもよい。非イオン性界面活性剤は、硫酸化界面活性剤組成物に対して、化学的安定性効果をもたらし得る。エトキシル化非イオン性界面活性剤は、洗剤組成物に物理的安定性効果を提供することができ、例えば、相分離及び沈殿を防ぐと考えられている。これは、高濃度の第四級アンモニウム剤及び/又は低濃度のアニオン性界面活性剤を含有する組成物に特に該当し得る。よって、いくつかの態様では、洗剤組成物は、当該洗剤組成物の少なくとも約0.1重量%、又は約1重量%〜約20重量%、又は約1.5重量%〜約15重量%、又は約2重量%〜約12重量%の非イオン性界面活性剤を含む。他の態様では、洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を実質的に含まない。
【0035】
本明細書で有用である好適な非イオン性界面活性剤は、洗剤製品で使用される従来の非イオン性界面活性剤のいずれを含んでもよい。これらとしては、アルコキシル化脂肪族アルコール及びアミンオキシド界面活性剤が挙げられる。概して、非イオン性界面活性剤は、液体である。
【0036】
本明細書に用いるのに好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコールアルコキシレート非イオン性界面活性剤が挙げられる。アルコールアルコキシレートは、一般式:R
1(C
mH
2mO)
nOHに相当する物質である。[式中、R
1は、C
8〜C
16アルキル基であり、mは、2〜4であり、nは、約2〜約12の範囲である]。典型的には、R
1は、第一級でも第二級でもよいアルキル基であり、約9個〜約18個の炭素原子、より典型的には約10個〜約14個の炭素原子を含有する。一態様では、アルコキシル化脂肪族アルコールは、分子当り約2個〜約12個の酸化エチレン部分、あるいは、分子当り約3個〜約10個の酸化エチレン部分を含有するエトキシル化物質である。本明細書において洗剤組成物中で有用なアルコキシル化脂肪族アルコール物質は、約3〜約17、又は約6〜約15、又は約8〜約15の範囲の親水性−親油性バランス(HLB)をしばしば有する。アルコキシル化脂肪族アルコール非イオン性界面活性剤は、Shell Chemical CompanyによってNEODOL及びDOBANOLという商品名で販売されている。
【0037】
非イオン性界面活性剤の別の好適な種類は、アミンオキシドである。アミンオキシドは、当該技術分野では多くの場合に「半極性」非イオン性物質と呼ばれる。アミンオキシドは、式:R(EO)
x(PO)
y(BO)
zN(O)(CH
2R’)
2.qH
2Oを有する。この式において、Rは、飽和又は不飽和、直鎖又は分岐鎖であり得る比較的長鎖のヒドロカルビル部分であり、8個〜20個、又は10個〜16個の炭素原子を含有してよく、あるいはC
12〜C
16第一級アルキルである。R’は、短鎖部分であり、水素、メチル、又は−CH
2OHから選択されてもよい。x+y+zが0とは異なる場合、EOは、エチレンオキシ、POは、プロピレンオキシ(propyleneneoxy)、BOは、ブチレンオキシである。アミンオキシド界面活性剤は、C
12〜14アルキルジメチルアミンオキシドで示される。
【0038】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤の非限定的な例としては、以下が挙げられる。a)Shell製のNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤などのC
12〜C
18アルキルエトキシレート、b)アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位及びプロピレンオキシ単位の混合物である、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート、c)BASF製のPluronic(登録商標)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーを含む、C
12〜C
18アルコール及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物、d)米国特許第4,565,647号(Llenado、1986年1月26日発行)で述べられたアルキル多糖類、詳細には、米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で述べられたアルキルポリグリコシド、e)米国特許第5,332,528号、国際公開第92/06162号、同第93/19146号、同第93/19038号、及び同第94/09099号で述べられたポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにf)米国特許第6,482,994号及び国際公開第01/42408号で述べられた、エーテルキャップ(ether capped)ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤。
【0039】
いくつかの態様では、組成物は、カチオン性界面活性剤を含む。カチオン性界面活性剤は、当該技術分野において周知であり、非限定的な例としては、第四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、それらは約26個以下の炭素原子を有することができる。追加の例としては、a)米国特許第6,136,769号で述べられたアルコキシレート第四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、b)米国特許第6,004,922号で述べられたジメチルヒドロキシエチル第四級アンモニウム、c)ラウリルトリメチル第四級アンモニウムなどのトリメチル第四級アンモニウム、d)国際公開第98/35002号、同第98/35003号、同第98/35004号、同第98/35005号、及び同第98/35006号で述べられたポリアミンカチオン性界面活性剤、e)米国特許第4,228,042号、同第4,239,660号、同第4,260,529号、及び同第6,022,844号で述べられたカチオン性エステル界面活性剤、並びにe)米国特許第6,221,825号及び国際公開第00/47708号で述べられたアミノ界面活性剤、具体的には、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。組成物(componsision)は、当該組成物の約0.1重量%〜約2重量%、又は約0.2重量%〜約1重量%のカチオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0040】
双性イオン性界面活性剤
双性イオン性界面活性剤の例としては、第二級及び第三級アミンの誘導体、複素環式第二級及び第三級アミンの誘導体、又は第四級アンモニウム化合物、第四級ホスホニウム化合物若しくは第三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双性イオン性界面活性剤の例である、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C
8〜C
18(例えば、C
12〜C
18)アミンオキシド、並びに、例えば、アルキル基がC
8〜C
18、及び特定の実施形態ではC
10〜C
14であり得るN−アルキル−N,N−ジメチルアミノ(dimethylammino)−1−プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインを含むベタインについては、米国特許第3,929,678号の19段38行〜22段48行を参照のこと。
【0041】
両性電解質界面活性剤
両性電解質界面活性剤の具体的、非限定的な例としては、第二級若しくは第三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得る複素環式第二級及び第三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基のうち1つは、少なくとも約8個の炭素原子、例えば約8個〜約18個の炭素原子を含有してもよく、少なくとも1つは、水溶化アニオン基、例えば、カルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基を含有する。両性電解質界面活性剤の好適な例については、米国特許第3,929,678号、19段18〜35行を参照のこと。
【0042】
両性界面活性剤
両性界面活性剤の例としては、第二級若しくは第三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖又は分岐鎖であり得る複素環式第二級及び第三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。脂肪族置換基の1つは、少なくとも約8個の炭素原子、典型的には約8個〜約18個の炭素原子を含有し、そして少なくとも1つが、アニオン性水溶化基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有する。この定義の範疇に入る化合物の例は、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロピオネート、ナトリウム3−(ドデシルアミノ)プロパン−1−スルホネート、ナトリウム2−(ドデシルアミノ)エチルサルフェート、ナトリウム2−(ジメチルアミノ)オクタデカノエート、二ナトリウム3−(N−カルボキシメチルドデシルアミノ)プロパン1−スルホネート、二ナトリウムオクタデシル−イミノジアセテート、ナトリウム1−カルボキシメチル−2−ウンデシルイミダゾール、及び、ナトリウムN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−スルファト−3−ドデコキシプロピルアミンである。両性界面活性剤の例については、米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)の19段18〜35行を参照のこと。
【0043】
分岐状界面活性剤
好適な分岐状洗浄性界面活性剤としては、分岐状サルフェート又は分岐状スルホネート界面活性剤、例えば、分岐状アルキルサルフェート、分岐状アルキルアルコキシル化サルフェート、及び分岐状アルキルベンゼンスルホネートから選択されるアニオン性分岐状界面活性剤が挙げられ、1つ又は2つ以上のランダムアルキル分岐、例えば、C
1〜4アルキル基、典型的にはメチル及び/又はエチル基を含む。
【0044】
いくつかの態様では、分岐状洗浄性界面活性剤は、中鎖分岐状洗浄性界面活性剤、典型的には、中鎖分岐状アルキルサルフェート及び/又は中鎖分岐状アルキルベンゼンスルホネート等の中鎖分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤である。いくつかの態様では、洗浄性界面活性剤は、中鎖分岐状アルキルサルフェートである。いくつかの態様では、中鎖分岐は、C
1〜4アルキル基、典型的にはメチル基及び/又はエチル基である。
【0045】
いくつかの態様では、分岐状界面活性剤は、式:
A
b−X−B
の、より長いアルキル鎖、中鎖分岐状界面活性剤の化合物を含む。
[式中、
(a)A
bは、疎水性C9〜C22(部分における全炭素)、典型的には約C12〜約C18の中鎖分岐状アルキル部分であり、(1)8個〜21個の炭素原子の範囲の−X−B部分に結合した最長直鎖炭素鎖と、(2)この最長直鎖炭素鎖から分岐している1つ又は2つ以上のC1〜C3アルキル部分と、を有し、(3)位置2の炭素(−X−B部分に結合している炭素#1から数えて)から、位置ω−2の炭素(末端の炭素マイナス2炭素、即ち、最長直鎖炭素鎖の端から3番目の炭素)の範囲内の位置において、分岐しているアルキル部分の少なくとも1つは、最長直鎖炭素鎖の炭素に直接結合しており、(4)界面活性剤組成物の、上記の式A
b−X部分における炭素原子の平均総数は、14.5超〜約17.5(典型的には約15〜約17)の範囲内であり、
b)Bは、硫酸塩、スルホネート、アミンオキシド、ポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンなどの)、アルコキシレート化サルフェート、ポリヒドロキシ部分、リン酸エステル、グリセロールスルホネート、ポリグルコン酸、ポリリン酸エステル、ホスホン酸塩、スルホサクシネート、スルホサッカミネート(sulfosuccaminates)、ポリアルコキシル化カルボン酸塩、グルカミド、タウリナート、サルコシネート、グリシネート、イセチオネート、ジアルカノールアミド、モノアルカノールアミド、ミド、モノアルカノールアミドサルフェート、ジグリコールアミド、ジグリコールアミドサルフェート、グリセロールエステル、グリセロールエステルサルフェート、グリセロールエーテル、グリセロールエーテルサルフェート、ポリグリセロールエーテル、ポリグリセロールエーテルサルフェート、ソルビタンエステル、ポリアルコキシル化ソルビタンエステル、アンモニオアルカンスルホネート、アミドプロピルベタイン、アルキル化第四級アンモニウム塩(quats)、アルキル化/ポリヒドロキシアルキル化第四級アンモニウム塩、アルキル化/ポリヒドロキシル化オキシプロピル第四級アンモニウム塩、イミダゾリン、2−イル−サクシネート、スルホン化アルキルエステル、及びスルホン化脂肪酸から選択される親水性部分であり(例えば、ジメチル第四級アンモニウム塩を付与する(A
b−X)
z−Bのように、2つ以上の疎水性部分がBに結合されてもよいことに留意されたい)、
(c)Xは、−CH2−及び−C(O)−から選択される]。
【0046】
概して、上記の式中、A
b部分は、第四級置換炭素原子(即ち、1個の炭素原子に直接結合された4炭素原子)を全く有しない。いずれの親水性部分(B)を選択するかによって、結果として生じる界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性、両性、又は両性電解質であってもよい。いくつかの態様では、Bは、サルフェートであり、結果として生じる界面活性剤は、アニオン性である。
【0047】
いくつかの態様では、分岐状界面活性剤は、上記式の、より長いアルキル鎖、中鎖分岐状界面活性剤の化合物を含み、式中、A
b部分は、以下の式を有する、分岐状第一級アルキル部分である。
【0048】
【化1】
[式中、R、R
1、及びR
2が全て水素というわけではなく、zが0であり、少なくともR又はR1が水素ではなく、wが0〜13の整数であり、xが0〜13の整数であり、yが0〜13の整数であり、zが0〜13の整数であり、w+x+y+zが7〜13である場合、この式の分岐状第一級アルキル部分における炭素原子の総数(R、R
1、及びR
2分岐を含む)は、13個〜19個であり、R、R1、及びR2は、それぞれ、水素及びC1〜C3アルキル(典型的にはメチル)から独立して選択される]。
【0049】
特定の態様では、分岐状界面活性剤は、上記式の、より長いアルキル鎖、中鎖分岐状界面活性剤の化合物を含む。[式中、A
b部分は、
【0050】
【化2】
又はこれらの混合物から選択される式を有する、分岐状第一級アルキル部分である。[式中、a、b、d、及びeは、整数であり、a+bは、10〜16であり、d+eは、8〜14であり、式中、更に
a+bが10のとき、aは、2〜9の整数であり、bは、1〜8の整数であり、
a+bが11のとき、aは、2〜10の整数であり、bは、1〜9の整数であり、
a+bが12のとき、aは、2〜11の整数であり、bは、1〜10の整数であり、
a+bが13のとき、aは、2〜12の整数であり、bは、1〜11の整数であり、
a+bが14のとき、aは、2〜13の整数であり、bは、1〜12の整数であり、
a+bが15のとき、aは、2〜14の整数であり、bは、1〜13の整数であり、
a+bが16のとき、aは、2〜15の整数であり、bは、1〜14の整数であり、
d+eが8のとき、dは、2〜7の整数であり、eは、1〜6の整数であり、
d+eが9のとき、dは、2〜8の整数であり、eは、1〜7の整数であり、
d+eが10のとき、dは、2〜9の整数であり、eは、1〜8の整数であり、
d+eが11のとき、dは、2〜10の整数であり、eは、1〜9の整数であり、
d+eが12のとき、dは、2〜11の整数であり、eは、1〜10の整数であり、
d+eが13のとき、dは、2〜12の整数であり、eは、1〜11の整数であり、
d+eが14のとき、dは、2〜13の整数であり、eは、1〜12の整数である]。
【0051】
上記の中鎖分岐状界面活性剤化合物では、分岐の特定の点(例えば、上記の式におけるR、R
1、及び/又はR
2部分の鎖に沿った場所)は、界面活性剤の骨格に沿った分岐の他の点よりも好ましい。下記の式は、モノメチル分岐状アルキルA
b部分の、中鎖分岐範囲(即ち、分岐の点が発生する所)、好ましい中鎖分岐範囲、より好ましい中鎖分岐範囲を示す。
【0053】
モノメチル置換界面活性剤について、これらの範囲は、鎖の2つの末端炭素原子、及び−X−B基のすぐ隣の炭素原子を除く。
【0054】
以下の式は、ジメチル置換アルキルA
b部分の、中鎖分岐範囲、好ましい中鎖分岐範囲、より好ましい中鎖分岐範囲を示す。
【0056】
更なる好適な分岐状界面活性剤は、米国特許第6008181号、同第6060443号、同第6020303号、同第6153577号、同第6093856号、同第6015781号、同第6133222号、同第6326348号、同第6482789号、同第6677289号、同第6903059号、同第6660711号、同第6335312、及び国際公開第9918929号に開示されている。更に他の好適な分岐状界面活性剤としては、国際公開第9738956号、同第9738957号、及び同第0102451号に記載のものが挙げられる。
【0057】
いくつかの態様では、分岐状アニオン性界面活性剤として、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に記載されるような分岐状変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)が挙げられる。
【0058】
いくつかの態様では、分岐状アニオン性界面活性剤は、疎水性鎖に沿ってランダムに分布したメチル分岐を含むC12/13アルコール系界面活性剤、例えば、Sasolから入手可能な、Safol(登録商標)、Marlipal(登録商標)を含む。
【0059】
更に好適な分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、オキソ法由来の、商品名Isalchem(登録商標)123、Isalchem(登録商標)125、Isalchem(登録商標)145、Isalchem(登録商標)167で市販されているものなどの、2−アルキル位で分岐したアルコール由来の界面活性剤が挙げられる。オキソ法により、分岐は、2−アルキル位に位置する。これらの2−アルキル分岐状アルコールは、典型的にはC11〜C14/C15の範囲の長さであり、2−アルキル位において全て分岐状である構造異性体を含む。これらの分岐状アルコール及び界面活性剤は、米国特許第20110033413号に記載されている。
【0060】
他の好適な分岐状界面活性剤としては、米国特許第6037313号(P&G)、国際公開第9521233号(P&G)、米国特許第3480556号(Atlantic Richfield)、同第6683224号(Cognis)、米国特許出願公開第20030225304(A1)号(Kao)、同第2004236158(A1)号(R&H)、米国特許第6818700号(Atofina)、米国特許出願公開第2004154640号(Smith et al)、欧州特許第1280746号(Shell)、同第1025839号(L’Oreal)、米国特許第6765119号(BASF)、欧州特許第1080084号(Dow)、米国特許第6723867号(Cognis)、欧州特許出願公開第1401792(A1)号(Shell)、同第1401797(A2)号(Degussa AG)、米国特許出願公開第2004048766号(Raths et al)、米国特許第6596675号(L’Oreal)、欧州特許第1136471号(Kao)、同第961765号(Albemarle)、米国特許第6580009号(BASF)、米国特許出願公開第2003105352号(Dado et al)、米国特許第6573345号(Cryovac)、独国特許第10155520号(BASF)、米国特許第6534691号(du Pont)、同第6407279号(ExxonMobil)、同第5831134号(Peroxid−Chemie)、同第5811617号(Amoco)、同第5463143号(Shell)、同第5304675号(Mobil)、同第5227544号(BASF)、同第5446213(A)号(MITSUBISHI KASEI CORPORATION)、欧州特許出願公開第1230200(A2)号(BASF)、欧州特許第1159237(B1)号(BASF)、米国特許出願公開第20040006250(A1)号(NONE)、欧州特許第1230200(B1)号(BASF)、国際公開第2004014826(A1)号(SHELL)、米国特許第6703535(B2)号(CHEVRON)、欧州特許第1140741(B1)号(BASF)、国際公開第2003095402(A1)号(OXENO)、米国特許第6765106(B2)号(SHELLl)、米国特許出願公開第20040167355(A1)号(NONE)、米国特許第6700027(B1)号(CHEVRON)、米国特許出願公開第20040242946(A1)号(NONE)、国際公開第2005037751(A2)号(Shell)、同第2005037752(A1)号(SHELL)、米国特許第6906230(B1)号(BASF)、国際公開第2005037747(A2)号(SHELL)OIL COMPANYに記載されているものが挙げられる。
【0061】
更なる好適な分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、米国特許出願公開第2010/0137649号に記載されているような、イソプレノイド系ポリ分岐状洗剤アルコールの界面活性剤誘導体が挙げられる。イソプレノイド系界面活性剤及びイソプレノイド誘導体は、「Comprehensive Natural Products Chemistry:Isoprenoids Including Carotenoids and Steroids(Vol.two)」(Barton and Nakanishi、(著作権)1999、Elsevier Science Ltd)というタイトルの本にも記載されており、構造Eに含まれ、参照することにより本明細書に援用される。
【0062】
更に好適な分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、アンテイソアルコール及びイソアルコール由来のものが挙げられる。このような界面活性剤は、国際公開第2012009525号に開示されている。
【0063】
更なる好適な分岐状アニオン性洗浄性界面活性剤としては、米国特許出願公開第2011/0171155(A1)号及び同第2011/0166370(A1)号に記載されているものが挙げられる。
【0064】
好適な分岐状アニオン性界面活性剤としては、ゲルベアルコール系界面活性剤も挙げられる。ゲルべアルコールは、分岐点が常に第2の炭素位置にある、2つの直鎖炭素鎖を有する、分岐状第一級1官能性アルコールである。ゲルべアルコールは、化学的に、2−アルキル−1−アルカノールと記載される。ゲルべアルコールは、概して、12個の炭素原子〜36個の炭素原子を有する。ゲルべアルコールは、次式により表され得る。(R1)(R2)CHCH
2OH[式中、R1は、直鎖アルキル基であり、R2は、直鎖アルキル基であり、R1及びR2中の炭素原子の合計は、10〜34であり、R1とR2のいずれも存在する]。ゲルべアルコールは、SasolからIsofol(登録商標)アルコールとして、CognisからGuerbetolとして、市販されている。
【0065】
本明細書に開示されている界面活性剤系は、以上で個々に記載されている分岐状界面活性剤のいずれを含んでもよく、あるいは、当該界面活性剤系は、上記の分岐状界面活性剤の混合物を含んでもよい。更に、上記の分岐状界面活性剤のそれぞれは、生物由来含有量を含んでもよい。いくつかの態様では、分岐状界面活性剤は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、又は約100%の生物由来含有量を有する。
【0066】
有機酸
本発明の洗剤組成物は、有機酸を含む。有機酸は、組成物に緩衝能を提供することにより、硫酸化界面活性剤の自己触媒加水分解を妨げる助けとなると考えられている。有機酸は、有機カルボン酸又はポリカルボン酸の形態にあってもよい。有機酸のpKa(又は、多塩基有機酸の場合、最小pKa)は、概ね約2.5以上又は約3以上である。本明細書で使用され得る有機酸の例としては、酢酸、アジピン酸、アスパラギン酸、カルボキシルメチルオキシマロン酸、カルボキシルメチルオキシコハク酸、クエン酸、ギ酸、グルタル酸、グリコール酸、ヒドロキシエチルイミノジアセチック酸、イミノジアセチック酸、イタコン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、オキシニ酢酸、オキシジコハク酸、コハク酸、スルファミン酸、酒石酸、酒石−ジコハク酸、酒石−モノコハク酸、又はこれらの混合物が挙げられる。特に好適であるのは、クエン酸など洗剤ビルダーとしても機能し得る酸である。いくつかの態様では、有機酸は、クエン酸、乳酸、マレイン酸、酢酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの態様では、有機酸は、水溶性又は水混和性有機酸である。
【0067】
いくつかの態様では、有機酸は、10個未満の炭素原子、又は7個未満の炭素原子、又は4個未満の炭素原子、又は2個未満の炭素原子を含む。有機酸は、約210以下の分子量を有してもよい。
【0068】
本開示の洗剤組成物は、当該組成物の約0.1重量%〜約25重量%、又は約0.2重量%〜約20重量%、又は約0.3重量%〜約15重量%の有機酸を含有する。いくつかの態様では、洗剤組成物は、当該組成物の約1重量%〜約12重量%、あるいは約5重量%〜約10重量%、又は約12重量%〜約15重量%の有機酸を含む。
【0069】
アルコキシル化ポリアミン化合物
本発明の洗剤組成物は、アルコキシル化ポリアミン化合物を含む。アルコキシル化ポリアミン化合物(又は、本明細書で使用するように、単に「ポリアミン」)は、洗浄効果及び/又は増白効果、例えば、再汚染防止効果を実現することが知られている。しかし、意外にも、アルコキシル化ポリアミン化合物は、また、酸性pHで硫酸化界面活性剤と相乗的に作用して、界面活性剤安定性効果をもたらすことが発見された。ポリアミンは、H
+の界面への接近を阻止することによって、かつ/又は硫酸化界面活性剤間の相互作用を阻止することによって、低pH系において、硫酸化界面活性剤加水分解の速度を抑制すると考えられている。また、一部のポリアミンは、消泡効果(suds collapsing benefits)をもたらし得る。本明細書で使用するとき、「ポリアミン」は、酵素のようなポリペプチド又はタンパク質を含むことを意図していない。
【0070】
本開示のポリアミンは、強力液体(heavy duty liquid)(HDL)洗濯組成物を含む液体及びジェル洗濯洗剤組成物における使用に好適である。本開示の洗剤組成物は、当該組成物の約0.01重量%、又は約0.05重量%、又は約0.1重量%、又は約0.5重量%、又は約0.8重量%、又は約1.0重量%、又は約1.5重量%から、約2重量%、又は約2.5重量%、又は約3重量%、又は約5重量%、又は約10重量%、又は約15重量%、又は約20重量%までの、アルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。いくつかの態様では、洗剤組成物は、当該組成物の約0.1重量%〜約2重量%、又は約0.2重量%〜約1.5重量%、又は約0.4重量%〜約1.2重量%、又は約0.5重量%〜約1重量%のアルコキシル化ポリアミンを含んでもよい。洗剤組成物は、アルコキシル化ポリアミン化合物の混合物を含んでもよい。
【0071】
アルコキシル化ポリアミン化合物の重量平均分子量は、約200から、約60,000、又は約20,000、又は約10,000までであってもよい。いくつかの態様では、重量平均分子量は、約350から、約5000、又は約2000、又は約1000までである。
【0072】
アルコキシル化ポリアミン化合物は、1つ又は2つ以上のアルコキシル化アミン基を含む。本明細書で使用するとき、特に指示がない限り、「アルコキシル化アミン基」は、アルコキシル化アミン、イミン、アミド、及び/又はイミド基を含む。アルコキシル化ポリアミン基は、典型的には、少なくとも2個、又は少なくとも4個、又は少なくとも7個、又は少なくとも10個、又は少なくとも16個のアルコキシル化アミン基を含む。
【0073】
それぞれのアルコキシル化アミン基は、1つ又は2つ以上のアルコキシレートを独立して有してもよい。アルコキシル化アミン基が2つ以上のアルコキシレートを有するとき、アルコキシレートの鎖が形成される。それぞれのアルコキシル化アミン基は、約5個以上、又は約8個以上、又は約12個以上のアルコキシレートを独立して有してもよく、それぞれのアルコキシル化アミン基は、約80個以下、又は約50個以下、又は約25個以下のアルコキシレートを独立して有してもよい。アルコキシレートは、エトキシレート(EO)基、プロポキシレート(PO)基、又はこれらの混合物から独立して選択されてもよい。
【0074】
典型的には、アルコキシル化ポリアミン化合物は、ポリマーである。ポリマーは、骨格を形成する2つ以上の反復モノマー単位を有する化合物である。本発明のアルコキシル化ポリアミンは、典型的には、アルコキシレート鎖がポリマーの骨格の一部ではないが、骨格を形成する単位におけるアミン、イミン、アミド、又はイミド基のアルコキシレート鎖であり、あるいは骨格に化学的に結合した他の側基のアルコキシレート鎖であるというものである。
【0075】
アルコキシル化ポリアミン化合物は、典型的には、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミン、又はポリイミン、又はこれらの組み合わせ、あるいは、より典型的には、ポリアミン又はポリイミン化合物であり、これにより、アミド、イミド、アミン、又はイミン単位は、反復単位の鎖を形成するポリマーの骨格として存在する。典型的には、これらのポリアミンは、少なくとも2つ、又は少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つの、アミド、イミド、アミン、又はイミン単位を有する。アミン、イミン、アミド、又はイミドの一部のみがアルコキシル化してもよい。骨格は、また、アミド、イミド、アミン、又はイミン基を含有する側鎖を有してもよく、これらは、アルコキシル化し得る。
【0076】
いくつかの態様では、ポリアミンは、ポリアルキルアミン骨格を含む。ポリアルキルアミンは、C2アルキル基、C3アルキル基、又はこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの態様では、ポリアミンは、ポリエチレンイミン(PEI)骨格を有する。いくつかの態様では、PEI骨格の重量平均分子量は、約200〜約1500、又は約400〜約1000、又は約500〜約800、又は約600である。本明細書に記載のポリアミンのPEI骨格は、アルコキシル化前、一般的な経験式:
【0077】
【化5】
を有してもよい。
[式中、Bは、分岐によるこの構造の連続を表す]。いくつかの態様では、n+mは、8、又は10、又は12、又は14、又は18、又は22以上である。
【0078】
好適なポリアミンは、参照することにより本明細書に援用される米国特許第5565145号に記載されているものなどの、低分子量、水溶性で、わずかにアルコキシル化、エトキシル化/プロポキシル化したポリアルキレンアミンポリマーを含む。「わずかにアルコキシル化した」は、本発明のポリマーが、平均して、窒素あたり約0.5〜約20、又は0.5〜約10のアルコキシル化を生じさせることを意味する。ポリアミンが「実質的に無帯電」であってもよいとは、pH 10、又はpH 7でポリアルキレンアミンポリマーの骨格中に存在する約40の窒素毎に約2以下の正電荷があることを意味するが、ポリマーの電荷密度は、pHによって変動し得ると認識されている。
【0079】
アルコキシル化ポリアミンは、エトキシル化ポリアルキレンアミン、エトキシル化ポリアルキレンイミン、又はこれらの混合物であってもよい。ポリアルキレンアミン又はポリアルキレンイミンのアルキル基は、C2基、C3基、又はこれらの混合物であってもよい。好適なポリアミンとしては、エトキシル化ポリエチレンアミン(PEA)及びエトキシル化ポリエチレンイミン(PEI)が挙げられる。ポリアルキレンイミン及びポリアルキレンアミン中で、それぞれの窒素原子に結合したそれぞれの水素原子は、可能な次のエトキシル化のための活性部位を表す。一部の好適な化合物を調製するのに使用されるPEIの重量平均分子量は、エトキシル化前で少なくとも約600であり得、これは、少なくとも約14のエチレンイミン単位を表す。ポリアミンは、エトキシル化ポリエチレンイミンであってもよく、典型的には、約15〜約25のエトキシル化鎖あたりの平均エトキシル化度を有し、約1000〜約2000の重量平均分子量を更に有し、例としては、PEI600 E20、及びPEI 182 E15である。ポリアミンは、また、エトキシル化テトラエチレンペンタイミンであってもよい。いくつかの態様では、エトキシル化PEA及び/又はエトキシル化PEIの分子平均分子量は、約8000g/mol〜約25,000g/mol、又は約10,000g/mol〜約20,000g/mol、又は約12,000g/mol〜約15,000g/mol、又は約14,000g/molである。
【0080】
アルコキシル化ポリアミン化合物は、以下の構造、
【0081】
【化6】
のエトキシル化ポリアミン化合物であってもよい。
【0082】
他のアルコキシル化ポリアミン化合物としては、参照することにより本明細書に援用される、米国特許第8097579号に記載されているもののような、両親媒性水溶性アルコキシル化ポリアルキレンイミン(polyalkylenimine)ポリマーが挙げられる。この種のアルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマーは、縮合した形態で、式(I)、(II)、(III)、及び(IV)
【0083】
【化7】
の反復単位を含む。[式中、#は、それぞれの場合において、窒素原子と式(I)、(II)、(III)、又は(IV)の2つの隣接する繰り返し単位のA
1基の遊離結合部位との間の結合の半分を示し、A
1は、直鎖又は分岐鎖のC
2〜C
6−アルキレンから独立して選択され、Eは、式(V)
【0084】
【化8】
のアルキレンオキシ単位から独立して選択され、式中、
*は、それぞれの場合において、式(I)、(II)又は(IV)の繰り返し単位の窒素原子への結合の半分を示し、A
2は、それぞれの場合において、1,2−プロピレン、1,2−ブチレン、及び1,2−イソブチレンから独立して選択され、A
3は、1,2−プロピレンであり、Rは、それぞれの場合において、水素及びC
1〜C
4−アルキルから独立して選択され、mは、0〜約2の範囲の平均値を有し、nは、約20〜約50の範囲の平均値を有し、pは、約10〜約50の範囲の平均値を有し、個々のアルコキシル化ポリアルキレンイミンは、式(I)の1繰り返し単位、式(II)のx繰り返し単位、式(III)のy繰り返し単位、及び式(IV)のy+1繰り返し単位からなり、x及びyは、それぞれの場合において、0〜約150の範囲の値を有し、このポリマーは、アルキレンオキシ単位Eを除いて式(I)、(II)、(III)及び(IV)の組み合わされた繰り返し単位を含む骨格を有し、ポリアルキレンイミン骨格の平均分子量Mwは、それぞれの場合において、約60g/mol〜約10,000g/mol、又は約100g/mol〜約8,000g/mol、又は約500g/mol〜約6,000g/molの範囲の値を有し、このポリマーは、0〜約50の範囲の四級化度を含む]。
【0085】
好適なアルコキシル化ポリアミン化合物としては、プロポキシル化ポリアミンであるアルコキシル化ポリアルキレンイミンポリマー(alkoxylated polyalkylenimine polymers are that are propoxylated polyamines)が挙げられる。いくつかの態様では、プロポキシル化ポリアミンもエトキシル化されている。いくつかの態様では、プロポキシル化ポリアミンは、内側ポリエチレンオキシドブロックと外側ポリプロピレンオキシドブロックとを有し、エトキシル化度及びプロポキシル化度は、特定の制限値を上回りも下回りもしない。いくつかの態様では、本発明によるプロポキシル化ポリアルキレンイミンは、ポリエチレンブロックのポリプロピレンブロックに対する比率(n/p)の最小値が約0.6であり、最大値が約1.5(x+2y+1)
1/2である。約0.8〜約1.2(x+2y+1)
1/2のn/p比率を有するプロポキシル化ポリアルキレンイミンは、特に有益な特性を有することが判明している。いくつかの態様では、ポリエチレンブロックのポリプロピレンブロックに対する比率(n/p)は、約0.6〜最大約10、又は最大約5、又は最大約3である。n/p比率は、約2であり得る。いくつかの態様では、プロポキシル化ポリアルキレンイミンは、分子量が約200g/mol〜約1200g/mol、又は約400g/mol〜約800g/mol、又は約600g/molであるPEI骨格を有する。いくつかの態様では、プロポキシル化ポリアルキレンイミンの分子量は、約8,000〜約20,000g/mol、又は約10,000〜約15,000g/mol、又は約12,000g/molである。
【0086】
好適なプロポキシル化ポリアミン化合物は、以下の構造
【0087】
【化9】
である。
[式中、EOは、エトキシレート基であり、POは、プロポキシレート基である]。
【0088】
他の好適なアルコキシル化ポリアミン化合物としては、参照することにより本明細書に援用される米国特許第6525012号に記載されているもののような双性イオン性ポリアミンが挙げられる。ポリアミン骨格の窒素のうちの少なくとも2つを四級化してもよい。
【0089】
本発明の目的において、「カチオン性単位」は、「正電荷を有することができる単位」と定義されている。本発明の双性イオン性ポリアミンの目的において、カチオン性単位は、ポリアミン骨格の第四級アンモニウム窒素である。本発明の目的において、「アニオン性単位」は、「負電荷を有することができる単位」と定義されている。本発明の双性イオン性ポリアミンの目的において、アニオン性単位は、「単独、又は別の単位の一部として、ポリアミン骨格に沿った骨格窒素の水素原子を置換する単位」であり、その非限定的な例は、窒素原子上で骨格水素に取って代わることができる−(CH
2CH
2O)
20SO
3Naである。
【0090】
本発明の用語「電荷比」の目的において、Q
rは、本明細書において、「対イオンを除く存在するアニオン性単位の数の合計を、第四級アンモニウム骨格単位の数の合計で割ることから導き出した商」と定義されている。電荷比は、式:
【0091】
【数1】
によって定義されている。[式中、本明細書において以下で定義されているように、q
アニオン性は、アニオン性単位であり、とりわけ、−SO
3Mであり、q
カチオン性は、四級化骨格窒素を表す]。
【0092】
当業者は、本発明のポリアミン骨格を含むアミン単位の数が大きいほど、その中に含有されるであろう潜在的カチオン性単位の数が大きくなることを、認識するであろう。本発明の目的において、用語「四級化度」は、本明細書において、「ポリアミン骨格を含む骨格単位の数で割った、四級化されている骨格単位の数」と定義されている。四級化度Q(+)は、式:
【0093】
【数2】
によって定義されている。[式中、四級化された四級化可能な骨格窒素の全てを有するポリアミンは、1に等しいQ(+)を有することになる]。本発明の目的において、用語「四級化可能な窒素」は、第四級アンモニウムイオンを形成することができるポリアミン骨格中の窒素原子を指す。これは、アミドなど、アンモニウムイオン形成ができない窒素を除く。
【0094】
本発明の目的において、用語「アニオン特性」ΔQは、本明細書において、「双性イオン性ポリマーを含むアニオン性単位の数の合計−第四級アンモニウム骨格単位の数」と定義されている。アニオン性単位の余剰の数が大きいほど、双性イオン性ポリマーのアニオン特性が大きくなる。一部のアニオン性単位が負電荷を有する2つ以上の単位を有してもよいことは、処方者によって認識されるであろう。本発明の目的において、−CH
2CH(SO
3M)CH
2SO
3Mのような、2つ以上の負帯電性部分を有する単位は、アニオン性単位の合計に加算される負電荷を有することができる、それぞれの部分を有するであろう。アニオン特性は、式:
【0095】
【数3】
によって定義されている。[式中、q
アニオン性及びq
カチオン性は、本明細書中、上記で定義されているのと同じである]。
【0096】
本発明の双性イオン性ポリアミンは、以下の式を有する。
[J−R]
n−J
[式中、[J−R]単位は、主骨格及び任意の分岐鎖を含むアミノ単位を表す]。修飾、例えば、アルキレンオキシ単位を有する骨格単位水素の四級化及び/又は置換の前の双性イオン性ポリアミンは、2〜約100のアミノ単位を含む骨格を有してもよい。存在する骨格単位の数を示す添え字nは、本明細書中、以下において更に説明される。
【0097】
J単位は、骨格アミノ単位であり、前記単位は、
i)式:
(R
1)
2N
を有する第一級アミノ単位と、
ii)式:
−R
1N
を有する第二級アミノ単位と、
iii)式:
【0098】
【化10】
を有する第三級アミノ単位と、
iv)式:
【0099】
【化11】
を有する第一級第四級アミノ単位と、
v)式:
【0100】
【化12】
を有する第二級第四級アミノ単位と、
vi)式:
【0101】
【化13】
を有する第三級第四級アミノ単位と、
vii)式:
【0102】
【化14】
を有する第一級N−オキシドアミノ単位と、
viii)式
【0103】
【化15】
を有する第二級N−オキシドアミノ単位と、ix)式:
【0104】
【化16】
を有する第三級N−オキシドアミノ単位と、
x)これらの混合物と、からなる群から選択される。
【0105】
式:
[J−R]−
を有するB単位は、分岐することにより、双性イオン性ポリアミン骨格の連続を表す。存在するB単位の数、並びに分岐を含む任意の更なるアミノ単位は、添え字nの合計値に反映される。
【0106】
双性イオン性ポリマーの骨格アミノ単位は、1つ又は2つ以上のR単位によって結合され、前記R単位は、以下からなる群から選択される。
i)C
2〜C
12直鎖アルキレン、C
3〜C
12分岐状アルキレン、又はこれらの混合物、より典型的には(moretypically)C
3〜C
6アルキレン。(ポリアミン骨格の2つの隣接する窒素がN−オキシドであるとき、典型的には前記単位を分離するアルキレン骨格単位は、C
4単位以上である)。
ii)式:
−(R
2O)
w(R
3)−
を有するアルキレンオキシアルキレン単位。[式中、R
2は、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R
3は、C
2〜C
8直鎖アルキレン、C
3〜C
8分岐状アルキレン、フェニレン、置換フェニレン、及びこれらの混合物であり、添え字wは、0〜約25である]。R
2及びR
3単位は、また、他の骨格単位を含んでもよい。アルキレンオキシアルキレン単位を含むとき、R
2及びR
3単位は、エチレン、プロピレン、ブチレンの混合物であってもよく、添え字wは、1、又は約2から、約10、又は約6である。
iii)式:
【0107】
【化17】
を有するヒドロキシアルキレン単位。[式中、R
4は、水素、C
1〜C
4アルキル、−(R
2O)
tY、及びこれらの混合物である]。R単位がヒドロキシアルキレン単位を含むとき、R
4は、水素又は−(R
2O)
tYであってもよい。[式中、添え字tは、0より大きく、あるいは約10〜約30であり、Yは、水素又はアニオン性単位であり、例えば−SO
3Mである]。添え字x、y、及びzは、それぞれ、独立して、1〜6であり、添え字は、それぞれ、1に等しく、R
4は、水素(2−ヒドロキシプロピレン単位)又は(R
2O)
tYであり、あるいは、ポリヒドロキシ単位yについては、好ましくは2又は3である。好適なヒドロキシアルキレン単位は、例えば、グリシジルエーテル形成試薬、例えば、エピハロヒドリンから好適に形成され得る、2−ヒドロキシプロピレン単位である)。
iv)式:
【0108】
【化18】
を有するヒドロキシアルキレン/オキシアルキレン単位。[式中、R
2、R
4、及び添え字w、x、y、及びzは、本明細書中、上記で定義されているのと同じである]。Xは、酸素又はアミノ単位−NR
4−であり、添え字rは、0又は1である。添え字j及びkは、それぞれ、独立して1〜20である。アルキレンオキシ単位が存在しないとき、添え字wは、0である。好ましいヒドロキシアルキレン/オキシアルキレン単位の非限定的な例は、式:
【0110】
【化20】
を有するカルボキシアルキレンオキシ単位。
[式中、R
2、R
3、X、r、及びwは、本明細書中、上記で定義されているのと同じである]。好ましいカルボキシアルキレンオキシ単位の非限定的な例としては、
【0111】
【化21】
が挙げられる。
vi)式:
【0112】
【化22】
を有する骨格分岐単位。[式中、R
4は、水素、C
1〜C
6アルキル、−(CH
2)
u(R
2O)
t(CH
2)
uY、及びこれらの混合物である]。R単位が骨格分岐単位を含むとき、R
4は、水素又は−(CH
2)
u(R
2O)
t−(CH
2)
uYであってもよい。[式中、添え字tは、0より大きく、あるいは約10〜約30であり、添え字uは、0〜6であり、Yは、水素、C
1〜C
4直鎖アルキル、−N(R
1)
2、アニオン性単位、及びこれらの混合物であり、Yは、水素又は−N(R
1)
2であってもよい]。骨格分岐単位の好ましい態様は、−(R
2O)
tHに等しいR
4を含む。添え字x、y、及びzは、それぞれ、独立して0〜6である。
vii)処方者は、上記のR単位のいずれかを好適に組み合わせて、より高い又は低い程度の親水性を有する双性イオン性ポリアミンを調製してもよい。
【0113】
R
1単位は、骨格窒素に結合している単位である。R
1単位は、以下からなる群から選択される。
i)典型的には任意の骨格修飾より前に存在する単位である、水素。
ii)C
1〜C
22アルキル、又はC
1〜C
4アルキル、又はメチル若しくはエチル、又はメチル。R
1単位が第四級単位(iv)又は(v)に結合すると、R
1は、四級化単位Qと同じ単位になり得る。例えば、J単位は、式:
【0114】
【化23】
を有する。
iii)C
7〜C
22アリールアルキル、又はベンジル。
iv)−[CH
2CH(OR
4)CH
2O]
s(R
2O)
tY[式中、R
2及びR
4は、本明細書中、上記で定義されているのと同じであり、いくつかの態様では、R
1単位がR
2単位を含むとき、R
2は、エチレンであってもよい]。添え字sの値は、0〜5である。本発明の目的において、添え字tは、平均値として表され、前記平均値は、約0.5〜約100である。処方者は、全ての窒素原子がアルキレンオキシ単位であるR
1単位を含むわけではない方式で、骨格窒素を、わずかにアルキレンオキシ化して、これにより、添え字tの値を1未満にしてもよい。
v)本明細書中、以下に記載のアニオン性単位。
vi)処方者は、本発明の双性イオン性ポリマー骨格を置換するとき、上記のR
1単位の1つ又は2つ以上を好適に組み合わせてもよい。
【0115】
Qは、C
1〜C
4直鎖アルキル、ベンジル、及びこれらの混合物からなる群から選択される四級化単位であってもよい。いくつかの態様では、Qは、メチルである。本明細書中、上記の通り、R
1がアルキル単位を含むとき、Qは、R
1と同じであってもよい。それぞれの骨格N
+単位(第四級窒素)について、電荷的中性をもたらすためのアニオンが存在することになる。本発明のアニオン基としては、ポリマーに共有結合している両方の単位、並びに、電荷的中性を達成するために存在する外部アニオンが挙げられる。使用するのに好適なアニオンの非限定的な例としては、ハロゲン、例えば、塩化物、硫酸メチル、硫酸水素塩、及び硫酸塩が挙げられる。処方者は、本明細書に記載の例によって、アニオンは、典型的には四級化試薬、例えば、塩化メチル、硫酸ジメチル、及び/又は臭化ベンジルの一部の単位であることを認識するであろう。
【0116】
Xは、酸素、−NR
4−、又はこれらの混合物であり、いくつかの態様では、Xは、酸素である。
【0117】
Yは、水素、又はアニオン性単位である。アニオン性単位は、本明細書において、「負電荷を有することができる単位又は部分」と定義されている。例えば、カルボン酸単位、−CO
2Hは、中性であるが、脱プロトン化で、単位は、アニオン性単位−CO
2−になり、よって、単位は、「負電荷を有することができる。アニオン性Y単位の非限定的な例としては、−(CH
2)
fCO
2M、−C(O)(CH
2)
fCO
2M、−(CH
2)
fPO
3M、−(CH
2)
fOPO
3M、−(CH
2)
fSO
3M、−(CH
2)
fOSO
3M、−CH
2(CHSO
3M)(CH
2)
fSO
3M、−CH
2(CHSO
2M)(CH
2)
fOSO
3M、−CH
2(CHOSO
3M)(CH
2)
fOSO
3M、−CH
2(CHSO
2M)(CH
2)
fSO
3M、−C(O)CH
2CH(SO
3M)−CO
2M、−C(O)CH
2CH(CO
2M)NHCH(CO
2M)CH
2CO
2M、−C(O)CH
2CH(CO
2M)NHCH
2CO
2M、−CH
2CH(OZ)CH
2O(R
1O)
tZ、−(CH
2)
fCH[O(R
2O)
tZ]−CH
fO(R
2O)
tZ、及びこれらの混合物が挙げられる。[式中、Zは、水素又はアニオン性単位であり、その非限定的な例としては、−(CH
2)
fCO
2M、−C(O)(CH
2)
fCO
2M、−(CH
2)
fPO
3M、−(CH
2)
fOPO
3M、−(CH
2)
fSO
3M、−CH
2(CHSO
3M)(CH
2)
fSO
3M、−CH
2(CHSO
2M)(CH
2)
fSO
3M、−C(O)CH
2CH(SO
3M)CO
2M、−(CH
2)
fOSO
3M、−CH
2(CHOSO
3M)(CH
2)
fOSO
3M、−CH
2(CHOSO
2M)(CH
2)
fOSO
3M、−C(O)CH
2CH(CO
2M)NHCH(CO
2M)CH
2CO
2M、及びこれらの混合物が挙げられ、Mは、電荷的中性をもたらすカチオンである]。
【0118】
Y単位は、また、オリゴマー又はポリマーの、例えば、式:
【0119】
【化24】
を有するアニオン性Y単位であってもよく、オリゴマー化又は重合して、一般式:
【0120】
【化25】
を有する単位を形成してもよい。[式中、添え字nは、1より大きい数を表す]。
【0121】
好適にオリゴマー化又は重合され得る、Y単位の更なる非限定的な例としては、
【0123】
本明細書で上述した通り、ポリマーの全体構造、処方の性質、洗浄条件、及び意図された目標の洗浄効果などの多様な要素は、全て、処方者のQ
r、ΔQ、及びQ(+)についての最適値に影響を与え得る。液体洗濯洗剤組成物について、前記Y単位の約90%未満、又は75%未満、又は50%未満、又は40%未満は、アニオン性部分、例えば、−SO
3Mを含む単位を含んでもよい。アニオン性単位を含むY単位の数は、態様によって異なってもよい。Mは、水素、水溶性カチオン、又はこれらの混合物であり、添え字fは、0〜6である。
【0124】
添え字nは、骨格中のアミノ単位の数がn+1に等しい骨格単位の数を表す。本発明の目的において、添え字nは、1〜約99である。分岐単位Bは、骨格単位の総数に含まれる。例えば、式:
【0125】
【化27】
を有する骨格は、4に等しい添え字nを有する。以下は、完全に四級化されているポリアミン骨格の非限定的な例である。
【0127】
以下は、本発明による双性イオン性ポリアミンの非限定的な例である。
【0129】
本発明の好適な双性イオン性ポリマーは、以下の式を有する。
【0130】
【化30】
[式中、R単位は、式−(R
2O)
wR
3−を有する。(式中、R
2及びR
3は、それぞれ、独立して、C
2〜C
8直鎖アルキレン、C
3〜C
8分岐状アルキレン、フェニレン、置換フェニレン、及びこれらの混合物からなる群から選択される)]。−(R
2O)
tY単位を含む、上記式のR
2単位は、それぞれ、エチレンであり、Yは、水素、−SO
3M、又はこれらの混合物であり、添え字tは、15〜25であり、添え字mは、0〜約20、又は0〜約10、又は0〜約4、又は0〜約3、又は0〜2であり、添え字wは、1又は約2から、約10又は約6までである。
【0131】
本発明の好適な双性イオン性ポリマーは、2種類の骨格単位の誘導体である以下のポリアミン骨格を含んでもよい。
i)種類(i)のR単位を含む通常オリゴマーであって、種類(i)のR単位は、式:
[H
2N−(CH
2)
x]
n+1−[NH−(CH
2)
x]
m−(NB−(CH
2)
x]
n−NH
2
[式中、Bは、分岐によるポリアミン鎖の連続であり、nは、0であってもよく、mは、0〜3であり、xは、2〜8、又は3〜6である。]を有するポリアミンであってもよい、通常オリゴマーと、
ii)種類(ii)のR単位を含む親水性オリゴマーであって、種類(ii)のR単位は、式:
H
2N−[(CH
2)
xO]
y(CH
2)
x]−[NH−[(CH
2)
xO
y(CH
2)
x]
m−NH
2
[式中、mは、0〜3であり、それぞれのxは、独立して2〜8、又は2〜6であり、yは、1〜8であってもよい]を有するポリアミンであってもよい、親水性オリゴマー。
【0132】
好適な骨格単位は、(i)からの単位である。更に好適な態様は、種類(iii)、(iv)、及び(v)のR単位と組み合わせた、(i)からの単位を含むポリアミンであり、その非限定的な例は、式:
【0133】
【化31】
を有するエピハロヒドリン縮合物を含む。
【0134】
本明細書で前述したように、処方者は、過剰な電荷又は同量の電荷の種類を有する、双性イオン性ポリマーを形成してもよい。過剰な骨格四級化単位を有する、本発明による好適な双性イオン性ポリアミンの例は、式:
【0135】
【化32】
を有する。[式中、Rは、1,5−ヘキサメチレンであり、wは、2であり、R
1は、−(R
2O)
tYである。(式中、R
2は、エチレンであり、Yは、水素又は−SO
3Mであり、Qは、メチルであり、mは、1であり、tは、20である)]。本発明の双性イオン性ポリアミンについて、全てのR
1単位が前記R
1単位をキャップする(capping)−SO
3部分を有するわけではないことを、処方者は、認識するであろう。上記の例について、最終的な双性イオン性ポリアミン混合物は、少なくとも約40%の、−SO
3−単位であるY単位を含む。
【0136】
他の好適な双性イオン性アルコキシル化ポリアミンとしては、平均エトキシル化度=24である、ヘキサメチレンジアミンジメチル第四級アンモニウム塩(dimethyquat)、及び平均エトキシル化度=24(ジスルホン化)である、ヘキサメチレンジアミンジメチル第四級アンモニウム塩などのエトキシル化ヘキサメチルジアミン化合物が挙げられる。エトキシル化ヘキサメチルジアミンは、以下の式:
【0137】
【化33】
を有してもよい。
[式中、EOは、エトキシレート基を表す]。
【0138】
pH
本開示の組成物は、酸性であり、20±2℃で組成物の無希釈溶液中で測定したとき、pHは、約7未満である。いくつかの態様では、組成物のpHは、約2〜約6.9、又は約2(froma bout 2)〜約6、又は約2〜約5、又は約2.1〜約4、又は約2.5である。いくつかの態様では、組成物の所望の無希釈pHを得るために、アルカリ化剤が組成物に加えられる。好適なアルカリ化剤としては、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、又はメタノールアミン(MEA)又はトリエタノールアミン(TEA)又はこれらの混合物などのアルカノールアミンが挙げられる。いくつかの態様では、組成物は、当該組成物の約0.25重量%、又は約0.3重量%、又は約0.35重量%、又は約0.4重量%から、約10重量%、又は約5重量%、又は約2重量%、又は約1重量%までの、アルカリ化剤、好ましくはアルカノールアミン。組成物に緩衝能を提供するアルカリ化剤は、硫酸化界面活性剤を安定化させる助けとなることにおいて、特に有用であり得る。しかし、組成物がアルカリ化剤を含むときでさえ、酸性pHは、最終製品において維持される必要がある。
【0139】
本明細書において、特に断らない限り、組成物のpHは、20±2℃で組成物の無希釈pHと定義されている。pHを±0.01pH単位まで測定できるいずれの計器も好適である。Orion meters(Thermo Scientific,Clintinpark−Keppekouter,Ninovesteenweg 198,9320 Erembodegem−Aalst,Belgium)又は均等物が、許容可能な器具である。pH計は、カロメル又は銀/塩化銀の基準を有する好適なガラス電極を備える必要がある。例としては、Mettler DB 115が挙げられる。電極は、メーカーが推奨する電解質溶液中で保管する必要がある。pHは、pH計メーカーの標準手順に従い測定される。更に、pHアセンブリを設定して較正するためのメーカーの指示に従う必要がある。
【0140】
いくつかの態様では、本発明の洗剤組成物のpH 7.00に対する予備酸性度(reserve acidity)は、少なくとも約1、又は少なくとも約3、又は少なくとも約5である。いくつかの態様では、本明細書の組成物のpH 7.00に対する予備酸性度は、約3〜約10、又は約4〜約7である。本明細書で使用するとき、「予備酸性度」は、7.00のpHを達成するのに必要な生成物100gあたりのNaOHのグラム数を指す。本明細書で使用する予備酸性度測定は、標準NaOH水溶液を使用した、pH 7.00の終点までの、蒸留水中の1%生成物溶液の(標準温度及び気圧における)滴定に基づく。理論に制限されるものではないが、予備酸性度測定は、純水又は蒸留水と対照的に、水道水に高希釈で加えられた時の、組成物の酸性化能(acidifying power)又は組成物が目標酸性洗浄pHを提供する機能の、最良の尺度であることが判明している。予備酸性度は、無希釈生成物pH、並びに、いくつかの態様では、アルカリ化剤などの他の緩衝剤、例えば、アルカノールアミンと共に、処方された有機酸のレベルによって調節される。
【0141】
漂白剤を含まない
漂白剤は、液体洗剤組成物において、処方上の問題となり得る。よって、いくつかの態様では、組成物は、漂白剤又は過酸化漂白剤を実質的に含まない。他の態様では、洗剤組成物は、当該組成物の約0重量%〜約0.01重量%の過酸化漂白剤を含む。
【0142】
用語の過酸化漂白剤としては、過酸化水素、過酸化物源、又はこれらの混合物が挙げられ得る。本明細書で使用するとき、過酸化物源とは、溶液中で過酸化物イオンを生成するかつ/又は発生させる化合物又は系を指す。過酸化物源としては、過炭酸塩、過ケイ酸塩、モノ過硫酸塩などの過硫酸塩、過ホウ酸塩(モノ水和物又はテトラ水和物を含む、過ホウ酸塩の任意の水和物を含む)、ジペルオキシドデカン二酸(DPDA)などの過酸、ペルフタル酸マグネシウム、過酸化ジアルキル、過酸化ジアシル、予備形成した過カルボン酸(モノ過カルボン酸を含む)、過安息香酸及びアルキル過安息香酸、有機及び無機の過酸化物、及び/若しくはヒドロ過酸化物、又はこれらの混合物が挙げられる。更に、過酸化水素源は、本明細書に援用されるKirk Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology,4th Ed(1992,John Wiley & Sons),Vol.4,pp.271〜300「Bleaching Agents(Survey)」に詳細に記載されており、また、様々な被覆された形態及び修飾された形態を含む過ホウ酸ナトリウム及び過炭酸ナトリウムの様々な形態を含む。
【0143】
いくつかの態様では、組成物は、非過酸化漂白剤を実質的に含まないか、又は0.1%未満含有する。非過酸化漂白剤の例としては、次亜ハロゲン酸塩漂白剤及びこれらの供給源が挙げられる。次亜ハロゲン酸塩漂白剤又はその供給源の非限定的な例としては、アルカリ又はアルカリ土類金属類などの次亜塩素酸単塩、又は有機N−クロロ化合物などの、加水分解して次亜塩素酸塩を生成する化合物が挙げられる。その他の次亜ハロゲン酸塩としては、臭化物塩からインサイチュ(in situ)で便利に提供され得る次亜臭素酸塩、及び次亜塩素酸塩などの好適な強酸化剤を挙げることができる。
【0144】
有機溶剤
いくつかの態様では、組成物は、有機溶剤を含む。組成物は、当該組成物の約0.05重量%〜約25重量%、又は約0.1重量%〜約15重量%、又は約1重量%〜約10重量%、又は約2重量%〜約5重量%の有機溶剤を含んでもよい。組成物は、約5%未満、又は約1%未満の有機溶剤を含んでもよい。他の態様では、組成物は、有機溶剤を実質的に含まない。
【0145】
有機溶剤は、存在する場合、1,2−プロパンジオール、メタノール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、メチルプロパンジオール、又はこれらの混合物から選択されてもよい。また、例えば、モノエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンといったC1〜C4アルカノールアミンなどの、他の低級アルコールを使用してもよい。いくつかの態様では、有機溶剤は、プロパンジオールを含む。
【0146】
添加剤
本発明の組成物は、ビルダー、染料、キレート剤、酵素、安定化剤、ラジカル捕捉剤、香料、蛍光増白剤、泡抑制剤、汚れ懸濁ポリマー、汚れ放出ポリマー、移染阻害剤、布地柔軟化添加剤、レオロジー変性剤、構造化剤、ハロゲン塩、及び/又は他の有益剤などの、1つ又は2つ以上の洗濯添加剤を含んでもよい。いくつかの態様では、本組成物は、約0.01%〜約50%の洗濯添加剤を含む。以下の開示に加えて、好適な添加剤の更なる記載は、参照することにより本明細書に援用される米国特許出願公開第20130072415(A1)号において見られる。
【0147】
ビルダー
本洗剤組成物は、ビルダーを含んでもよい。本明細書の好適なビルダーは、リン酸塩及びポリリン酸塩、とりわけナトリウム塩;アルミノケイ酸塩及びケイ酸塩;炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、及びナトリウム炭酸塩又はセスキ炭酸塩以外の炭酸塩鉱物;有機モノ−、ジ−、トリ−、及びテトラカルボン酸塩、とりわけ酸、ナトリウム、カリウム、又はアルカノールアンモニウム塩形態での水溶性非界面活性剤カルボン酸塩、並びに脂肪族及び芳香族タイプを含むオリゴマー又は水溶性低分子量ポリマーカルボン酸塩;並びにフィチン酸、からなる群から選択され得る。これらは、例えばpH緩衝化の目的のためのホウ酸塩によって、又は硫酸塩、特に硫酸ナトリウム及び安定した界面活性剤及び/又はビルダー含有洗剤組成物の工業技術に重要であり得る任意の他の充填剤又は担体によって補完され得る。
【0148】
染料
本開示の洗剤組成物は、特定の色を組成物自体にもたらす(非布地直接染料)か、又は布地に色相をもたらす(色相染料)いずれかの染料を含有してもよい。一態様では、本開示の組成物は、約0.0001%〜約0.01%の非布地直接染料及び/又は色相染料を含有してもよい。好適な色相染料の例としては、いずれもStandard Dyesから市販されているBasic Violet 3(Cl 42555)及びBasic Violet 4(Cl 42600)、並びにMilliken Companyから市販されているLiquitint Violet 200が挙げられる。好適な染料については、国際公開第2011/011799号、同第08/87497(A1)号、同第2011/98355号、同第2008/090091号、米国特許第8138222号、同第7686892(B2)号、同第7909890(B2)号、米国特許出願公開第2012/129752(A1)号、及び同第2012/0101018(A1)号にも記載されており(Suitable dyes may are also described in)、それぞれは、参照することにより本明細書に援用される。
【0149】
キレート剤
本開示の組成物は、キレート剤を含有してもよい。本明細書で有用なキレート剤としては、DTPA、HEDP、DTPMP、ジピコリン酸、(1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼン(Tiron)などの)多官能性置換芳香族キレート剤、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0150】
酵素
いくつかの態様では、組成物は、低pH環境において安定して有効である、約0.00001%〜約0.01%の活性酵素を含む。好適な酵素は、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ及びセルラーゼを含むカルボヒドラーゼを含んでもよい。
【0151】
香料
本開示の組成物は、香料を含んでもよい。香料は、酸安定性香料であってもよい。
【0152】
いくつかの態様では、本明細書に開示されている組成物は、香料送達系を含んでもよい。好適な香料送達系、特定の香料送達系の製造方法及びこのような香料送達系の使用が、米国特許出願公開第2007/0275866(A1)号に開示されている。こうした香料送達系は、香料マイクロカプセルであってもよい。香料マイクロカプセルは、香料及びシェルを含むコアを含んでもよく、シェルは、コアを封入する。シェルは、アミノ樹脂コポリマー、アクリル、アクリレート、及びこれらの混合物からなる群から選択される物質を含んでもよい。アミノ樹脂コポリマーは、メラミン−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、架橋メラミンホルムアルデヒド、又はこれらの混合物であってもよい。香料マイクロカプセルのシェルは、香料マイクロカプセルの沈着及び/又は定着に役立つ1つ又は2つ以上の物質、例えばポリマーで、本明細書に開示されている組成物を用いて処理される箇所をコーティングしてもよい。ポリマーは、多糖類、カチオン変性デンプン、カチオン変性グアー、ポリシロキサン、ポリジアリルジメチルアンモニウムハロゲン化物、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドとビニルピロリドンとのコポリマー、アクリルアミド、イミダゾール、イミダゾリニウムハロゲン化物、イミダゾリウムハロゲン化物、ポリビニルアミン、ポリビニルアミンとN−ビニルホルムアミドとのコポリマー、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性ポリマーであってもよい。香料マイクロカプセルは、砕けやすくてよく、かつ/又は約10マイクロメートル〜約500マイクロメートル、又は約20マイクロメートル〜約200マイクロメートルの平均粒径を有してもよい。いくつかの態様では、組成物は、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%〜約80重量%、又は約0.1重量%〜約50重量%、又は約1.0重量%〜約25重量%、又は約1.0重量%〜約10重量%の香料マイクロカプセルを含む。好適なカプセルは、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から入手可能である。ホルムアルデヒド捕捉剤は、こうした香料マイクロカプセルの中で用いることも、こうした香料マイクロカプセルと併せて用いることもできる。
【0153】
蛍光増白剤/増白剤
本開示の組成物は、蛍光増白剤又は増白剤を含有してもよい。本明細書で有用な蛍光増白剤としては、Tinopal CBS−Xなど酸性環境に適合するものが挙げられる。
【0154】
泡抑制剤
いくつかの態様では、本組成物は、泡抑制剤を本質的に含まない。いくつかの態様では、本組成物は、約0.02%以下の泡抑制剤を含む。本明細書で有用な泡抑制剤の例としては、シリカ/シリコーンタイプ、シリコーンオイル、分岐状アルコール、又はこれらの混合物が挙げられる。いくつかの態様では、組成物は、約0.05%、約1%、又は約0.1%から、約0.4%までの泡抑制剤を含む。
【0155】
汚れ懸濁ポリマー
本開示の組成物は、汚れ懸濁ポリマーを含有してもよく、上記のように、一部のポリアミン汚れ懸濁ポリマーは、洗浄効果を提供するのに加えて、組成物の化学的安定性又は泡立ち効果に寄与し得る。いくつかの態様では、汚れ懸濁ポリマーは、PEIエトキシレート、HMDAジ四級化エトキシレート、それらのスルホン化誘導体、疎水変性アニオン性コポリマー、両親媒性グラフトポリマー、又はこれらの混合物から選択される。本明細書で有用な疎水変性アニオン性コポリマーの例としては、Rohm and Haasから市販されているAcusol 480(登録商標)、並びにAlco Chemicalから市販されているAlcosperse(登録商標)725、747、及びAlcogum L520が挙げられる。好適なポリマーは、例えば、参照することにより本明細書に援用される米国特許第7951768号に記載されている。
【0156】
汚れ放出ポリマー
本開示の組成物は、汚れ放出ポリマーを含有してもよい。一態様では、汚れ放出ポリマーは、PETアルコキシレートショートブロックコポリマー、そのアニオン性誘導体、又はこれらの混合物である。
【0157】
移染阻害剤
本開示の組成物は、移染阻害剤及び/又は染料固着剤を含有してもよい。本明細書で有用な移染阻害剤の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリ−4−ビニルピリジン−N−酸化物、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニルイミダゾールのコポリマー、又はこれらの混合物が挙げられる。有用な染料固着剤は、米国特許第6,753,307号に開示されている。
【0158】
布地柔軟化添加剤
いくつかの態様では、本組成物は、布地柔軟化添加剤を実質的に含まない。いくつかの態様では、本開示の組成物は、布地柔軟化添加剤を含む。本明細書で有用な布地柔軟化添加剤の例としては、アルキル第四級アンモニウム化合物、エステル第四級アンモニウム化合物、シリコーン、カチオン性シリコーン、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0159】
レオロジー変性剤
本開示の組成物は、レオロジー変性剤を含有してもよい。本明細書で有用なレオロジー変性剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、ジェランガム、グアーガム及びヒドロキシプロピルグアーガム、サクシノグリカン、トリヒドロキシステアリン、又はこれらの混合物が挙げられる。好適な増粘剤としては、Dow ChemicalからMethocel(登録商標)という商品名で、また、Akzo NobelからAlcogum L520という商品名で、入手可能な、メチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロース増粘剤sが挙げられる。本開示の洗剤組成物は、当該組成物の約0.01重量%〜約3重量%、又は約0.02重量%〜約2重量%、又は約0.05重量%〜約1重量%、又は約0.1重量%〜約0.5重量%のレオロジー変性剤を含んでもよい。
【0160】
構造化剤
本開示のいくつかの態様では、液体洗濯洗剤組成物は、構造化剤を含む。好適な構造化剤としては、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に開示されるものが挙げられる。米国特許第6855680号は、好適なヒドロキシ官能性結晶物質を詳細に明示する。有用な構造化剤の非限定的な例としては、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、ミクロフィブリルセルロース、ヒドロキシ官能性結晶物質、長鎖脂肪族アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土、又はこれらの混合物から選択されるものが挙げられる。いくつかの態様では、構造化剤は、硬化ヒマシ油である。あるいは、いくつかの態様では、低分子量の有機ゲル化剤(organogellants)を使用してもよい。このような物質は、Molecular Gels,Materials with Self−Assembled Fibrillar Networks(Richard G.Weiss及びPierre Terech編)に明示されている。
【0161】
無機塩
組成物は、無機塩を含んでもよい。無機塩は、硫酸化界面活性剤組成物に安定性効果をもたらし得ることが判明した。特定の無機塩は、また、粘度を強める助けとなり得る。無機塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、又はこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの態様では、無機塩は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アンモニウム、又はこれらの混合物を含む。無機塩は、ハロゲン化物、硫酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、リン酸塩、硝酸塩、又はこれらの混合物を含んでもよい。いくつかの態様では、無機塩は、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、又はこれらの混合物であり、いくつかの態様では、無機塩は、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物である。組成物は、当該組成物の約0.1重量%又は約0.5重量%から、約5重量%、又は約3重量%、又は約2重量%、又は約1重量%までの無機塩を含んでもよい。
【0162】
炭水化物
いくつかの態様では、組成物は、炭水化物、又は糖類、又はオリゴ糖、又はマルトオリゴ糖を実質的に含まない。
【0163】
粘度
本明細書の洗剤組成物は、ジェル状又は液体状であってもよく、強力液体(HDL)洗濯洗剤を含んでもよい。いくつかの態様では、組成物の粘度は、20s
−1、21.1℃で測定して、約100cpsより大きい。いくつかの態様では、組成物の粘度は、20s
−1、21.1℃で測定して、約150cps〜約5000cps、又は約200cps〜約1500cps、又は約225cps〜約1200cps、又は約250cps〜約800cpsである。
【0164】
本明細書で使用するとき、特に反対の記載がない限り、全ての記述された粘度は、剪断速度20s
−1、温度21.1℃で測定されたものである。本明細書の粘度は、任意の好適な粘度測定器具、例えば、Carrimed CSL2 Rheometerによって、測定してもよい。
【0165】
安定性
本開示によると、アルコキシル化ポリアミン化合物は、洗剤組成物中の硫酸化界面活性剤の加水分解の速度を落とすと考えられている。よって、本開示の組成物は、概ね、化学的に安定しており、いくつかの態様では、55℃で6週間保管後、組成物の硫酸イオン(「硫酸塩」)の変化は、約10,000ppm未満、又は約7,500ppm未満、又は約5,000ppm未満、又は約2,500ppm未満、又は約1,000ppm未満であることを意味する。(硫酸イオンは、硫酸化界面活性剤の加水分解反応の副産物である)。いくつかの態様では、55℃で6週間保管した後、組成物の硫酸塩の変化は、硫酸塩の約25重量%未満、又は約20重量%未満、又は約15重量%未満、又は約10重量%未満、又は約5重量%未満、又は約2重量%未満である。本明細書で使用する硫酸塩の変化は、以下に記載した方法により、判定されてもよい。
【0166】
組成物は、また、物理的に安定し得る。組成物の物理的安定性/相分離を試験するために、組成物を、10mLのバイアル瓶に投入して、10℃、25℃、及び40℃で7日間保管する。様々な温度のそれぞれにおいて、7日後、バイアル瓶の相分離を検査する。(i)組成物が2つ以上の相に分かれることがないままであるか、又は(ii)組成物が層に分かれるが、主要な層は、当該組成物の少なくとも90重量%又は少なくとも95重量%を含む場合、組成物は、特定の温度で、相安定性であると判定される。
【0167】
製造方法
本開示の組成物は、従来の方法により、処方されてもよい。例えば、硫酸化界面活性剤をバッチで準備する。撹拌器を用いて、有機酸中で配合する。一旦配合したら、水の約80%を加える。所望のpHまで、塩基で滴定する。他の成分(例えば、ポリマー、非イオン性界面活性剤、キレート剤、染料、香料など)を加える。pHを測定し、必要に応じて塩基で調整する。残りの水と平衡させる。
【0168】
複数のアニオン性界面活性剤を含む処方物に対して、組成物の水の約80%をバッチタンクに加える。組成物の塩基の約80%を加える(例えば、NaOH又はMEA)。静かに撹拌する。キレート剤及び非イオン性界面活性剤を加える。混合する間、HLAS、C12TMAC、及びAESを、順次加えて、それぞれが、加えられる前に、確実に、十分、均質化されるようにする。界面活性剤が完全に配合されるまで、撹拌を続け、配合する間、撹拌を増やしてもよい。一旦、界面活性剤が完全に配合されれば、残りの添加剤を加える(例えば、ポリマー、染料、香料など)。有機酸を加え、残りの塩基の部分を加えることにより、所望の最終的無希釈pHまで、滴定する。残りの水と平衡させる。
【0169】
組成物は、また、連続ループ処理で調製されてもよく、ここで、全ての成分は、ループに組み合わされ、あるいは、2つ以上の成分は、ループに入る前に組み合わされる。次に、少量の組成物は、除去され、残りは、ループ反応槽中にあり続ける。ループ反応槽の再循環率(recirculation ratio)は、少なくとも1:10であってもよい。
【0170】
本組成物を調製するのに好適なプロセスの、他の非限定的な例は、米国特許第4,990,280号、米国特許出願公開第20030087791(A1)号、同第20030087790(A1)号、同第20050003983(A1)号、同第20040048764(A1)号、米国特許第4,762,636号、同第6,291,412号、米国特許出願公開第20050227891(A1)号、欧州特許出願公開第1070115(A2)号、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、及び同第5,486,303号に記載されており、これらは全て参照により本明細書に援用される。
【0171】
使用方法
本開示の洗剤組成物は、布地の洗浄、処理及び/又は前処理に使用することができる。いくつかの態様では、本開示は、表面を本発明の洗剤組成物に接触させる工程を含む、表面を処理する方法を提供する。典型的には、布地の少なくとも一部分を、前述の洗剤組成物に、無希釈の形態で、又は液体状に、例えば、洗浄溶液状に希釈した形態で、接触させ、次いで布地を所望により洗浄し、かつ/又はすすいでもよい。一態様では、布地を所望により洗浄し、かつ/又はすすぎ、上述の洗剤組成物に接触させ、続いて所望により洗浄かつ/又はすすぐ。別の態様では、布地を洗浄する前に、洗剤組成物を汚れた布地に付け、放置して布地に作用させる。組成物は、乾燥するまで若しくはそれよりも長い時間、又は約1分間〜約24時間、又は約1分間〜約1時間、又は約5分間〜約30分間、布地と接触したままにしてもよい。本開示の目的において、洗浄することは、こすり洗い、ブラッシング、及び機械的撹拌を含むが、これらに限定されない。典型的には、洗浄及び/又はすすぎの後に、布地を乾燥させる。布地は、洗濯又は処理できる、ほとんどあらゆる布地を含んでもよい。例えば、従来の布地洗濯の全自動洗濯機において、又は手洗い法により、洗浄が行われてもよい。有効量の洗剤組成物を水に加えて、約200〜約15,000ppm、又は更には約300〜約7,000pmの洗剤組成物を含み得る洗濯水溶液を形成してもよい。
【実施例】
【0172】
次の実施例は、例示目的で挙げられるものであり、限定を目的としない。全てのパーセントは、組成物の重量パーセントである。
【0173】
表1安定性データ
化学的安定性は、保管前後の硫酸イオン(「硫酸塩」)濃度の相対的変化によって判定される。250mLの広口プラスチックジャー(Nalgeneから入手可能)の3分の2を満たし、かつポリプロピレンのプラスチック蓋で厳重に密閉することにより、生成物の、無希釈の、希釈されていない試料を、保管のために調製する。満たされ、密閉されたジャーを、55℃で6週間、暗所にて撹拌せずに保管する。以下の方法に従い、硫酸塩濃度を硫酸イオンのppm(百万分率)で測定し、保管の前後で判定する。
【0174】
高性能アニオン交換液体クロマトグラフィーを使用して、硫酸イオン濃度を化学分析する。分離に使用される固定相は、メチルジエタノールアミン(methlydiethanolamine)で四級化されたグリシドキシスチレン(glycidoxystyrene)モノマーを用いて調製されたラテックスをベースにした、市販のアニオン交換カラムである。硫酸塩の検出は、サプレッサー電気伝導率検出器(suppressed conductivity detector)を使用して達成される。四級化は、5、10、20、40、80、及び160ppmの硫酸塩における既知の濃度の基準を化学分析することによって作製された外部直線検量線(external linear calibration curve)を使用して達成される。硫酸塩の特殊性は、分析されている生成物の硫酸塩を添加した対照試料を使用することによって、確認される。基準及び試料のための希釈剤として、濾過し、脱気したHPLC級脱イオン水を使用する。分析される生成物試料は、検量線濃度の範囲内に収まるように、必要に応じて希釈され、30分間、希釈水とよく混合した後、0.45μm孔径のナイロンシリンジフィルターで濾過される。
【0175】
化学分析条件の好適な組は、カラム温度30℃で動作する、Dionex IonPac AS11−HCの、4mm×25mmのカラム(Thermo Scientific,Bannockburn,Illinois)を備えた、Dionex ICS−5000 Ion Chromatography Instrument System(Thermo Scientific,Bannockburn,Illinois)、及び、1.0mL/分の流量で、30mM[OH−]の水酸化ナトリウム水溶液移動相を使用して、均一濃度で溶出された硫酸塩である。試料注入量は、10μLであり、サプレッサー電流は、100mAであり、実行時間は、15分間である。
【0176】
これらの化学分析条件に何らかの修正が必要な場合、(例えば、特定の生成物試料中で重なりピークを分散させるための勾配溶出の使用)、修正された条件は、生成物マトリックスの範囲内で硫酸塩についての特殊性を達成する必要がある。この特殊性は、修正された条件の下、硫酸塩添加実験を介して判定され、かつ実証される。
【0177】
【表1】
* PEI 600 E20(BASFから入手可能)
** 塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(Akzo−Nobel(Akso−Nobel)から入手可能)
*** 4,4’−ビス−(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウム(Ciba Specialty ChemicalsからBR49として入手可能)
【0178】
表1中、アルコキシル化ポリアミンを含まない実施例1と比較して、アルコキシル化ポリアミンを含む実施例2及び3は、硫酸塩のppmのより小さい変化を示す。
【0179】
【表2】
* アルコキシル化ポリアミン(2):国際公開第01/05874号に記載され、BASFから入手可能な、双性イオン性エトキシル化四級化硫酸化ヘキサメチレンジアミン
* アルコキシル化ポリアミン(3):BASFから入手可能な、−NHあたり24のエトキシレート基と、−NH(PEI 600 EO24 PO6)あたり16のプロポキシレート基と、を有する、分子量が600g/molのポリエチレンイミンコアを有するポリマー
【0180】
表2中、アルコキシル化ポリアミンを含む実施例5及び6は、アルコキシル化ポリアミンを含まない実施例4と比較して、硫酸塩のppmのより小さい変化を示す。
【0181】
本明細書に開示されている寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指定しない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものである。
【0182】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは出願を含む、本明細書に引用される文献は全て、明白に除外又は限定されている場合を除いて、参照することにより、本明細書中にその全容を援用するものである。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは特許請求の範囲に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、あるいはそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数若しくは複数)とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書での用語の任意の意味又は定義が、参照により援用される文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する限りにおいて、本文書中でその用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0183】
以上、本開示の特定の実施形態について図示、説明したが、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能である点は、当業者には明白であろう。したがって、本開示の範囲内に属する全てのこのような変更及び修正を、添付された特許請求の範囲に網羅するものとする。