特許第6122215号(P6122215)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122215
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】ネットワーク容量の制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 28/10 20090101AFI20170417BHJP
   H04W 28/24 20090101ALI20170417BHJP
   H04W 4/24 20090101ALI20170417BHJP
   H04W 92/02 20090101ALI20170417BHJP
【FI】
   H04W28/10
   H04W28/24
   H04W4/24
   H04W92/02
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-516089(P2016-516089)
(86)(22)【出願日】2014年7月28日
(65)【公表番号】特表2016-530746(P2016-530746A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】CN2014083163
(87)【国際公開番号】WO2015021856
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年2月15日
(31)【優先権主張番号】201310358923.X
(32)【優先日】2013年8月16日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510065207
【氏名又は名称】大唐移▲動▼通信▲設▼▲備▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】段 江海
【審査官】 齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/050435(WO,A1)
【文献】 特表2013−502786(JP,A)
【文献】 特開2011−015021(JP,A)
【文献】 3GPP TS23.203 V12.1.0,2013年 6月,pp.24,45-85,97-100,104-112,URL,http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/23_series/23.203/23203-c10.zip
【文献】 Resolving ten MVNO issues with EPS architecture, VoLTE and advanced policy server,IEEE,2011年11月18日,pp.29-34,URL,http://ieeexplore.org/stamp/stamp.jsp?arnumber=6081093
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24−7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク容量の制御方法であって、
前記方法は、
ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージからユーザ識別子を取得し、さらに前記ユーザ識別子に基づいて前記ユーザ識別子に対応するUEの属する仮想モバイルネットワーク事業者(MVNO)を確定するステップと、
前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVN−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送するステップと、
前記MVNO−PCRFが送信した前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信するステップと、
前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを返信するステップと
を含み、
前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを返信するステップは、
モバイルネットワーク事業者(MNO)のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)が前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信するステップであり、
前記MNO−PCRFが前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断するステップは、
前記UEのPCCルールに基づいて前記UEのクオリティオブサービス(QoS)情報を取得し、前記QoS情報を予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記MNO−PCRFは前記UEのQoS情報に含まれている前記UEの属するMVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅との合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合には、前記MNO−MBCFからフィードバックされる前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合には、前記MNO−MBCFからフィードバックされる前記UEのためのIP−CANセッション確立の条件を満す旨の通知を受信することを含む
ことを特徴とするネットワーク容量の制御方法。
【請求項2】
前記UEのPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたと確定された場合には、前記MVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を送信するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のネットワーク容量の制御方法。
【請求項3】
前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を前記MVNO−PCRFに送信した後に、前記方法は、
予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動するステップと、
もし待機可能タイマー(Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、再び前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断するステップと、
もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立の失敗メッセージを返信するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御方法。
【請求項4】
前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信し、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、超えたと判断する場合、MVNO−PCRFに前記UEの新しいPCCルールを再び申請し、超えていないと判断する場合、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更するステップ
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のネットワーク容量の制御方法。
【請求項5】
前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信するステップと、
前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを前記MVNO−PCRFに転送するステップと、
前記MVNO−PCRFから返信された前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを受信した際に、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のネットワーク容量の制御方法。
【請求項6】
前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップは、
前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記予め設定されたMNO−MBCFを介して、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップ
を含むことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御方法。
【請求項7】
ネットワーク容量の制御装置であって、
前記装置は、
ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージからユーザ識別子を取得し、前記ユーザ識別子に基づいて前記ユーザ識別子に対応するUEの属する仮想モバイルネットワーク事業者(MVNO)を確定するMVO確定部と、
前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVN−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送するメッセージ転送部と、
前記MVNO−PCRFから送信された前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信するメッセージ受信部と、
前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する判断処理部と
を含み、
前記判断処理部が、前記UEのPCCルールに基づいて前記UEのクオリティオブサービス(QoS)情報を取得し、前記QoS情報を予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記MNO−MBCFを介して、前記UEのQoS情報に含まれている前記UEの属するMVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅との合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合、前記MNO−MBCFからフィードバックされた前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、前記MNO−MBCFからフィードバックされた前記UEのためのIP−CANセッション確立条件を満す旨の通知を受信する
ことを特徴とするネットワーク容量の制御装置。
【請求項8】
前記判断処理部は、前記UEのPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたと確定した際に、前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を前記MVNO−PCRFに送信するように、前記メッセージ転送部をトリガーする
ことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御装置。
【請求項9】
前記メッセージ転送部がMVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量を超えた旨の通知を送信した後に、予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動し、もし待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記メッセージ転送部から転送された前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量値を再び超えたか否かを判断するように、判断処理部をトリガーし、もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立の失敗メッセージを返信する処理待機部
をさらに含むことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御装置。
【請求項10】
前記判断処理部は、
前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信し、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、超えたと判断する場合、MVNO−PCRFに前記UEの新しいPCCルールを再び申請し、超えていないと判断する場合、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更する
ことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御装置。
【請求項11】
前記メッセージ受信部は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを受信し、
前記メッセージ転送部はさらに前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを前記MVNO−PCRFに転送し、
前記メッセージ受信部が前記MVNO−PCRFから返信された前記UEのために確立したIP−CANセッション終了の確認メッセージを受信した際に、前記判断処理部はさらに前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する
ことを特徴とする請求項記載のネットワーク容量の制御装置。
【請求項12】
前記判断処理部が前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する際に、予め設定されたMNO−MBCFに前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了メッセージを送信するように、前記メッセージ転送部をトリガーし、前記予め設定されたMNO−MBCFを介して、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する
ことを特徴とする請求項1記載のネットワーク容量の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術分野に関し、特にネットワーク容量の制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願は、2013年8月16日に中国特許局に提出し、出願番号が201310358923.Xであり、発明名称が「ネットワーク容量の制御方法及び装置」との中国特許出願を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。
【0003】
仮想モバイルネットワーク事業者(Mobile Virtual Network Operator, MVNO)とは、主に他のモバイルネットワーク事業者(Mobile Network Operator, MNO)のネットワークを介し自分のユーザのためにモバイルサービスを提供する事業者のことである。MVNOは、ネットワーク共有技術に基づき提出されたネットワーク事業モデルであり、これを導入することにより、たくさんの事業者たちが共同出資し共有ネットワークを建設することができ、または他の事業者のネットワークをレンタルすることができるようになるため、投資リスクが低減され、及びネットワーク建設・運用のスピード向上等のメリットがある。
【0004】
モバイル卸売サービスは業界におけるMVNO応用の主な形態である。これはモバイルネットワークの基本電気通信サービス事業者(すなわちMNO)からモバイル通信サービスを購入し、改めて独自のブランドにパッケージし、エンドユーザに販売するモバイル通信サービスを言う。モバイル卸売企業(すなわちMVNO)は一般的には自ら無線ネットワーク、コアネットワーク、送信ネットワーク等のモバイル通信ネットワークの基礎設備を建設しないが、必ずユーザサービスシステムを建設すると共に、サービス支持システム及びサービスプラットフォームを持たなければならない。各MVNOは独自にユーザを発展させるため、MVNOの間及びMVNOとMNOの間に潜在的なユーザ競争関係が存在する可能性があることを勘案し、そのため、MVNO運用の安全性、すなわちMVNOのユーザ情報を外部に漏洩しないために、MVNOは通常自分のホーム加入者サーバ(Home Subscriber Server、HSS)設備を設置する必要がある。また、MVNOは自分のポリシー及びチャージングルールを定める必要があるため、通常、MVNOはそれぞれポリシーチャージング制御部(Policy Charging Rule Function、PCRF)装置も持つ。
【0005】
図1に示すように、MNOが提供するネットワークリソースは進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network、E−UTRAN)、モビリティマネジメントエンティティ(Mobility Management Entity、MME)、サービングゲートウェイ(Serving Gateway、S−GW)、パケットデータネットワークゲートウェイ(パケットデータネットワーク(Packet Data Network、PDN)Gateway、P−GW)、チャージングゲートウェイ(Charging Gateway、CG)等の装置を含む。MNOのネットワークリソースは複数のMVNO(1≦I≦N)により共有される。各MNVOはそれぞれのサービス運用支持システム(Business and Operation Support System、BOSS)、アプリケーション機能(Application Function、AF)、HSS、PCRF等の装置を持ち、MNOに許可されたネットワークリソースを用いサービスを提供する。MVNOはそれぞれユーザを発展させ、そのうち、MVNOのユーザグループはUE1k(1≦k≦K)であり、MVNOのユーザグループはUE2l(1≦l≦L)等である。
【0006】
MVNOがMNOのネットワークリソースをレンタルする際には、自分が発展させたユーザ規模、展開しようとするサービス種類、自分の資金注入予算等の実際状況によりMNOにネットワーク容量及びソフトウェア機能を購入すべきである。異なるMVNOが購入するネットワーク容量は通常は同じでなく、必要とするオプションソフトウェア機能も違う。ネットワークリソースの提供側としてのMNOは、MVNOへ提供するネットワーク容量を許可し、MVNOのネットワークリソースの利用状況に対し制限をしなければならず、例えばアクセスを許可するユーザ数、開設を許可する進化型パケットシステム(Evolved Packet System、EPS)の伝送量等に対して制限する必要がである。他の一方、MVNOが購入したソフト機能の状況により、MVNOのソフトウェアへの許可を制御すべきである。MVNOが利用するネットワーク容量の制限及びソフトウェア機能への許可に対する制御はMMEにより実現する。このような制御は、例えば、MNOのネットワークリソースが3社のMVNOにより共有されるとする。MVNO1に対しては、MMEによりアクセスを許可するユーザ数を100万にし、開設を許可するEPS伝送量を150万にし、基本ソフトウェア機能のほか、同時にネットワーク支援のセル変更(Network Assisted Cell Change、NACC)及び回線交換フォールバック(Circuit Switched Fallback、CSFB)の2つのオプションソフトウェア機能を起動する。MVNO2に対しては、MMEによりアクセスを許可するユーザ数を10万にし、開設を許可するEPS搬送数を20万にし、基本ソフトウェア機能のみを備え、いかなるオプションソフトウェア機能を起動しない。MVNO3に対しては、MMEによりアクセスを許可するユーザ数を50万にし、開設を許可するEPS搬送数を80万にし、基本ソフトウェア機能のほか、アイドルモードによるシグナリング節約(Idle mode Signalling Reduction、ISR)のオプションソフトウェア機能のみを起動する。
【0007】
要するには、従来の技術において、以下の原因で、MVNOに利用されているネットワーク容量を制御する際にMVNOに利用できるデータトラフィックに対する制御は、考えていない。
(1)MME装置はコントロール プレーンの装置であり、データトラフィックを制御することができない。
(2)P−GW/S−GW装置のサービス面については、通常はリソースプールの仕様を用いて実施するため、MVNOのユーザのデータを集中して処理できなくなってしまい、あるMVNOに対しトラフィック制御が行いにくくなる。
(3)MVNOのユーザ情報は、MNOに対し開示せず、MNOとしてはMVNO中のあるユーザの契約情報(例えばユーザグレード)が分からないため、MVNOに対しトラフィック制御することができるとしても、ランダムにそのうちのユーザを選んで処理することしかできず、ユーザの多様化に応ずる処理要求を満たすことができない。
【0008】
MNO装置の処理能力には限界がある。そのため、もしMVNOに対しデータトラフィック制御を行わないと、いったんMVNOに利用されたトラフィックが購入したトラフィックを超えた場合、必ず他のMVNOのサービスに影響を及ぼす。
【0009】
MVNOに対するトラフィック制御の問題については、ネットワーキングする際にMVNOの物理ポートへのアクセス数を制限する仕様で解決することができるが、このような方法の場合、粒度が大きすぎ、制御精度が低すぎ、同時に、MVNOのユーザの多様化に応ずる処理要求を満たすこともできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の実施例によれば、MNにレンタルした許可容量Oが自分が許可したMVNOにレンタルした容量に従ってMVNOのMNOネットワーク利用に対する正確な制御を実現するネットワーク容量の制御方法及び装置を提供することにより、MVNOの運用におけるMNOのネットワークリソースの過剰利用が原因となったMNOのネットワークへの影響を防止することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御方法は、ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージからユーザ識別子を取得し、さらに前記ユーザ識別子に基づいて前記ユーザ識別子に対応するUEの属する仮想モバイルネットワーク事業者(MVNO)を確定するステップと、前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVN0−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送するステップと、前記MVNO−PCRFからの前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信するステップと、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを返信するステップとを含む。
【0012】
上記案から分かるように、MNOはMVNOにレンタルした許可容量に従いMVNOのMNOネットワーク利用を正確かつ簡単に制御することができるため、MVNO運用におけるMNOのネットワークリソースの過剰利用によるMNOのネットワークへの影響を防止することができる。
【0013】
好ましくは、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを返信するステップは、モバイルネットワーク事業者(MNO)のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)が前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信するステップを含む。
【0014】
好ましくは、前記MNO−PCRFが前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断するステップは、前記UEのPCCルールに基づいて前記UEのクオリティオブサービス(QoS)情報を取得し、さらに前記QoS情報を予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記MNO−PCRFは前記UEのQoS情報に含まれている前記UEの属するMVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅との合計をカウントし、さらにカウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合には、前記MNO−MBCFからフィードバックされる前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくないと、前記MNO−MBCFからフィードバックされる前記UEのためのIP−CANセッション確立の条件を満す旨の通知を受信するステップを含む。
【0015】
ここから分かるように、すべてのUEの許可帯域幅がMNO−PCRFではなく、MVNO−PCRFにより提供されることから、MVNOの運用は、MNOと別、独立運用している。
【0016】
好ましくは、前記方法は、前記UEのPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたと確定された場合には、前記MVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を送信するステップをさらに含む。
これにより、前記UEの属するMVNOのネットワーク利用容量が許可されたネットワーク容量を超えたか否かを正確に判断することができるため、MVNOが利用したネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超えた後の、他のMVNOのサービスへの影響防ぐことができる。
【0017】
好ましくは、前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を前記MVNO−PCRFに送信した後に、前記方法は、予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動するステップと、もし待機可能タイマー(Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、再び前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断するステップと、もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立の失敗メッセージを返信するステップとをさらに含む。
【0018】
タイマーを起動する目的は、MVNO−PCRFから応答がない際に、前記UEの新しいPCCルールをずっと待つのではなく、MNO−PCRFが次の処理を進めるようにするためである。
【0019】
好ましくは、前記方法は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信し、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えた場合、MVNO−PCRFに前記UEの新しいPCCルールを再び申請し、前記MVNOの許可容量を超えていない場合、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更するステップをさらに含む。
【0020】
このように、MVNO−PCRFからの前記UEの新しいPCCルールに基づいて、再び前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断するため、MNOがMVNOに対する容量の制御がより正確になる。
【0021】
好ましくは、前記方法は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信するステップと、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを前記MVNO−PCRFに転送するステップと、前記MVNO−PCRFから返信された前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを受信した際に、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップとをさらに含む。
【0022】
このように、MNO−MBCFは新しいMVNOの許可容量に基づいて、MVNOが利用したネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超えたか否かを判断することができる。
【0023】
好ましくは、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップは、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記予め設定されたMNO−MBCFを介して、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新するステップを含む。
【0024】
このように、ユーザがIP−CANセッションを終了する際に、MVNOのユーザがその占有した占有した帯域幅を解放するため、その他のユーザが利用できるようになる。
【0025】
本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを提供する方法は、モバイルネットワーク事業者のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)から送信されたユーザ装置(UE)のためのIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッション確立の指示メッセージを受信するステップと、前記指示メッセージに基づいて前記UEのPCCルールを確定し、前記UEのPCCルールを含むIP−CANセッション確立の確認メッセージを前記MNO−PCRFに送信するステップとを含む。
【0026】
上記案から分かるように、PCCルールはMVNO−PCRFが提供するため、MVNOと別、独立に運用している。
【0027】
好ましくは、前記方法は、前記MNO−PCRFから送信された前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信するステップと、前記通知に基づいて、前記UEのために再び新しいPCCルールを割り当て、前記新しいPCCルールを前記MNO−PCRFに送信するステップとをさらに含む。
【0028】
このように、MVNOはPCCポリシーを1回だけではなく、何回も割り当てることを試すことができるため、IP−CANプロセスの成功率が増加する。
【0029】
好ましくは、前記方法は、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、前記UEのために再び新しいPCCルールを割り当て、前記新しいPCCルールを前記MNOーPCRFに送信するステップをさらに含む。
【0030】
このように、前記UEのために新しいPCCルールを再び割り当てるため、MNO−PCRFは再び前記UEの属するMVNOに対し許可リソースを照合することができる。
【0031】
好ましくは、前記方法は、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記MNO−PCRFから送信された前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージに基づき前記UEに対応するPCCルールを確定するステップと、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを前記MNO−PCRFに送信するステップとをさらに含む。
【0032】
このように、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了することができる。
【0033】
本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御装置は、ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージからユーザ識別子を取得し、前記ユーザ識別子に基づいて前記ユーザ識別子に対応するUEの属する仮想モバイルネットワーク事業者(MVNO)を確定するMVMO確定部と、前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVN0−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送するメッセージ転送部と、前記MVNO−PCRFから送信された前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信するメッセージ受信部と、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する判断処理部とを含む。
【0034】
好ましくは、前記判断処理部は前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断する。このように、論理エンティティであるMNO−MBCFのネットワーク構成における位置は全般的なものであるため、簡単にMVNOに対するトラフィック制御を実現することができる。
【0035】
好ましくは、前記判断処理部は、前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティ(MNO−MBCF)を介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断する際に、前記UEのPCCルールに基づいて前記UEのクオリティオブサービス(QoS)情報を取得し、前記QoS情報を予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記MNO−MBCFを介して、前記UEのQoS情報に含まれている前記UEの属するMVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅との合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合、前記MNO−MBCFからフィードバックされた前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、前記MNO−MBCFからフィードバックされた前記UEのためのIP−CANセッション確立条件を満す旨の通知を受信する。
【0036】
このように、前記UEの属するMVNOのネットワーク利用容量が許可されたネットワーク容量を超えたか否かを正確に判断することができるため、MVNOが利用したネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超える場合の他のMVNOのサービスへの影響を防ぐことができる。
【0037】
好ましくは、前記判断処理部はさらに、前記UEのPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたと確定した際に、前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を前記MVNO−PCRFに送信するように、前記メッセージ転送部をトリガーする。このように、前記UEの属するMVNOのネットワーク利用容量が許可されたネットワーク容量を超えたか否かを正確に判断することができるため、MVNOが利用したネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超え場合の他のMVNOのサービスへの影響を防ぐことができる。
【0038】
好ましくは、前記メッセージ転送部がMVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量を超えた旨の通知を送信した後に、前記装置は、予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動し、もし待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記メッセージ転送部から転送された前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量値を再び超えたか否かを判断するように、判断処理部をトリガーし、もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立の失敗メッセージを返信する処理待機部をさらに含む。
【0039】
タイマーを起動する目的は、MVNO−PCRFから応答がない際に、ずっと待つためではなく、MNO−PCRFが次の処理を進めるようにするためである。
【0040】
好ましくは、前記判断処理部は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信し、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えた場合、MVNO−PCRFに前記UEの新しいPCCルールを再び申請し、前記MVNOの許可容量を超えていない場合、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更する。このように、MVNO−PCRFからの前記UEの新しいPCCルールに基づき前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを再び判断することができるため、MNOのMVNOに対する容量の制御がより正確になる。
【0041】
好ましくは、前記メッセージ受信部は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを受信する。
【0042】
前記メッセージ転送部は、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを前記MVNO−PCRFに転送する。
前記メッセージ受信部が前記MVNO−PCRFから返信された前記UEのために確立したIP−CANセッション終了の確認メッセージを受信した際に、前記判断処理部は、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する。
【0043】
このように、MNO−MBCFは新しいMVNOの許可容量に基づいて、MVNOが利用したネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超えたか否かを判断することができる。
【0044】
好ましくは、前記判断処理部は、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する際に、予め設定されたMNO−MBCFに前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了メッセージを送信するように、前記メッセージ転送部をトリガーし、前記予め設定されたMNO−MBCFを介して、前記UEの属するMVNOにおけるすべてのUEの許可帯域幅の合計を更新する。
【0045】
さらに、本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールの提供装置は、モバイルネットワーク事業者のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)から送信されたユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信するメッセージ受信部と、前記指示メッセージに基づいて前記UEのPCCルールを確定し、前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッション確立の確認メッセージを前記MNO−PCRFに送信するPCC確定部とを含む。
【0046】
好ましくは、前記メッセージ受信部は前記MNO−PCRFから送信された前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、前記PCC確定部は前記通知に基づいて、前記UEのために再び新しいPCCルールを割り当て、前記新しいPCCルールを前記MNO−PCRFに送信する。
【0047】
このように、異なるUEに基づき異なるPCCルールを割り当てるため、MVNOノユーザに対する差異化処理の要求を満たすことができる。
【0048】
好ましくは、前記PCC確定部はさらに、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、前記UEのために再び新しいPCCルールを割り当て、前記新しいPCCルールを前記MNOーPCRFに送信する。このように、前記UEのために新しいPCCルールを割り当てる再びため、MNO−PCRFは前記UEの属するMVNOに対し再び許可リソースの照合を行うことができる。
【0049】
好ましくは、前記メッセージ受信部は、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、MNO−PCRFから送信された前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信し、前記PCC確定部は前記指示メッセージに基づき前記UEに対応するPCCルールを確定し、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを前記MNO−PCRFに送信する。
【発明の効果】
【0050】
このように、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1】仮想モバイルネットワーク事業者のネットワークの構成図である。
図2】本発明の実施例に係るネットワークアーキテクチャを示す図である。
図3】本発明の実施例に係るIP−CANセッションの確立のプロセスを示す図である。
図4】本発明の実施例に係るIP−CANセッションの変更のプロセスを示す図である。
図5】本発明の実施例に係るIP−CANセッションの終了のプロセスを示す図である。
図6】本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御方法のフローを示す図である。
図7】本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを提供する方法のフローを示す図である。
図8】本発明に実施例に係るネットワーク容量の制御装置の構成を示す図である。
図9】本発明の実施例に係るもう1つのネットワーク容量の制御装置の構成を示す図である。
図10】本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを提供する装置の構成を示す図である。
図11】本発明の実施例に係るもう1つのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを提供する装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本発明の実施例は、MNOが自分が許可したMVNOにレンタルした容量に従ってMVNOのMNOネットワーク利用に対する正確な制御を実現するネットワーク容量制御方法及び装置を提供し、それによって、MVNOが運用の際にMNOのネットワークリソースの過剰利用によるMNOのネットワークへの影響防ぐことができる。
【0053】
図2に示すように、本発明の実施例は従来の仮想事業者のネットワークアーキテクチャを基に、MNO共有ネットワークリソースにおいてPCRF装置(MNO−PCRFと記す)を加え、前記装置は各MVNOのPCRF装置(MVNO−PCRFと記す)とつながると共に、MNOのP−GW装置(MVNO−P−GWと記す)ともつながる。また、仮想モバイル事業者帯域制御機能論理エンティティ(MVNO Bandwidth Control Function、MBCF)(MNO−MBCFと記す)を導入し、前記論理エンティティは単独に配置しても良く、MNO−PCRF装置と統合しても良く、かつ前記論理エンティティとMNO−PCRF装置の間には論理的な接続関係を有する。
【0054】
図2において、MBCF論理エンティティの主な機能は、各MVNOにおけるMNOのネットワークリソースの利用状況をリアルタイムに保守し(動作前に初期化が必要となる)、現行MVNOにより利用されているネットワーク容量がその許可されたネットワーク容量を超えたか否かを判断する。
MNO−PCRFの主な機能は、ユーザの識別子によりユーザの属するMVNOを判断し、MVNO−PCRFのために、ポリシー及びチャージング制御(Policy Charging Control、PCC)メッセージを請求し、および、PCCメッセージをP−GWに提供する。また、MNO−PCRFはさらにMVNO−PCRFのPCCルールからクオリティオブサービス(Quality of Service、QoS)メッセージを抽出し、MBCF論理エンティティとのインタラクションにより、MBCF論理エンティティと共にMVNOに対するトラフィック制御を完成する。具体的には、IP接続アクセスネットワーク(IP Connectivity Access Network、IP−CAN)セッションの確立、変更、終了等のプロセスにおいてMVNOトラフィックの制御を具現する。
【0055】
以下は具体的な実施例を以て本発明の方法を詳細に説明し、図3に示すように、本発明の具体的な実施例に係るIP−CANセッションを確立のフローは、具体的に下記のステップS301からS311を含む。
【0056】
ステップS301において、モバイルネットワークオ事業者のパケットデータネットワークゲートウェイ(MNO−P−GW)は、ユーザ装置(UE)のためのIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションの確立に用いられる指示メッセージをMNO−PCRFに送信する。
【0057】
ステップS302において、MNO−PCRFは、前記指示メッセージから取得したユーザ識別子に基づいて、前記ユーザ識別子に対応するユーザ装置(UE)が属する仮想モバイル事業者(MVNO)を確定する。
【0058】
ステップS303において、MNO−PCRFは、前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVNO−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送する。
【0059】
ステップS304において、MVNO−PCRFは、契約ユーザの情報及びサービス情報に基づいて、前記ユーザ装置(UE)のPCCルールを決める。
【0060】
ステップS305において、MVNO−PCRFは、MNO−PCRFにIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する。前記メッセージには、前記UEのポリシーチャージング制御(PCC)ルールが含まれる。
【0061】
ステップS306において、MNO−PCRFは、MVNO−PCRFにより提供されたPCCルールから、クオリティオブサービス(Quality of Service、QoS)情報を取得する。
【0062】
S307において、MNO−PCRFは、MNO−MBCFに、前記ユーザ装置(UE)のQoS情報を提供する。
【0063】
ステップS308−S309において、MNO−MBCFは、前記UEのQoS情報に含まれている前記MVNOから、前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅の合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合、MNO−PCRFは、MNO−MBCFからフィードバックした前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信し、ウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、MNO−MBCFは、MNO−PCRFに、前記UEの属するMVNOの許可容量が前記UEのためにIP−CANセッションを確立する条件を満す旨の通知をフィードバックする。
【0064】
前記UEの許可帯域幅は、MVNO PCRFが前記UEのために割り当てた帯域幅値である。
【0065】
ステップS310a―S310dにおいて、もし照合が成功すれば、S311に遷移し、照合が成功していなければ、MNO−PCRFはMVNO−PCRFに照合が失敗したと通知する。また、この待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、もし前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを再び判断し、すなわちS316に遷移する。もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したモバイルネットワーク事業者のパケットデータネットワークゲートウェイ(MNO−P−GW)に前記UEのためのIP−CANセッション確立が失敗したことを示すメッセージを返信する。
【0066】
ステップS311において、MNO−PCRFは、IP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する。
【0067】
上記方法に基づいて、具体的に例を挙げ説明すると、もしあるMVNOがMNOから1Gの帯域幅を購入したなら、すなわちMNOが前記MVNOにレンタルした許可容量が1Gであるなら、前記MVNOでの全てのアクティブなユーザが同時に占用するネットワークの帯域幅の合計が1Gを超えてはいけない。
【0068】
図4に示すように、本発明の実施例に係るIP−CANセッションの変更のフローは具体的には下記のステップを含む。
【0069】
ステップS401において、MVNO−PCRFは、契約ユーザの情報及びサービス情報に基づいて前記ユーザ装置(UE)のPCCルールを決め、IP−CANセッションの変更を起動する。
【0070】
ステップS402において、MVNO−PCRFは、MNO−PCRFに、PCCルール提供メッセージを送信する。前記PCCルール提供メッセージには、新しいPCCルールが含まれる。
【0071】
ステップS403において、MNO−PCRFは、MVNO−PCRFから提供された新しいPCCルールからQoS情報を取得する。
【0072】
ステップS404において、MNO−PCRFは、MNO−MBCFに、前記ユーザ装置(UE)のQoS情報を提出する。
【0073】
ステップS405において、MNO−MBCFは、前記UEのQoS情報に含まれている前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅の合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合、MNO−PCRFは、MNO−MBCFからフィードバックした前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、MNO−MBCFは、MNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量が前記UEのためにIP−CANセッションを変更する条件を満す旨の通知をフィードバックする。
【0074】
ステップS406において、MNO−MBCFは、MNO−PCRFに、照合結果をフィードバックする。
【0075】
S407a―dにおいて、もし照合が成功すれば、S408に遷移し、照合が成功していなければ、MNO−PCRFは、MVNO−PCRFに、PCCルール提供確認メッセージを送信して、照合が失敗したと通知し、タイマーを起動する。もしタイマーがタイムアウトする前に、MVNO−PCRFから提供された新しいPCCルールを受信した場合には、タイマーを停止し、その後S403に遷移する。もしタイマーがタイムアウトしたなら、S408に遷移する。もしMVNO−PCRFが照合失敗を示すメッセージを受信した場合、処理しなくても良く、またはポリシーを再び確定してMNO−PCRFに新しいPCCルールを提供しても良いが、MVNO−PCRFの実施ポリシーにより決められる。
【0076】
ステップS408において、MVNO−PCRFは、P−GWに、PCCルール提供メッセージを転送する。
【0077】
ステップS409において、P−GWは、MNO−PCRFに、PCCルール提供確認メッセージを送信する。
【0078】
ステップS410において、MNO−PCRFは、MVNO−PCRFに、PCCルール提供確認メッセージを転送する。
【0079】
図5に示すように、本発明の具体的な実施例に係るIP−CANセッション終了のフローは、具体的には下記のステップを含む。
【0080】
ステップS501において、MNO−P−GWは、MNO−PCRFに、IP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを送信する。
【0081】
ステップS502において、MNO−PCRFは、MNO−P−GWから送信されたIP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを受信し、前記指示メッセージから取得したユーザ識別子に基づいて、前記ユーザ識別子に対応するユーザ装置(UE)が属する仮想モバイル事業者(MVNO)を確定する。
【0082】
ステップS503において、MNO−PCRFは、UEの属するMVNO−PCRFに、IP−CANセッションを終了する旨を示す指示メッセージを転送する。
【0083】
S504において、MVNO−PCRFは、影響を受けるPCCルールを確定する。
【0084】
ステップS505において、MVNO−PCRFは、MNO−PCRFにIP−CANセッション終了の確認メッセージを送信する。
【0085】
ステップS506において、MNO−PCRFは、MNO−P−GWに、IP−CANセッション終了の確認メッセージを転送する。
【0086】
ステップS507において、MNO−PCRFは、MNO−MBCFにIP−CANセッション終了の通知メッセージを送信する。
【0087】
ステップS508において、MNO−MBCFがユーザの属するネットワークリソースの利用状況を更新する具体的な方法としては、MNO−MBCFは、前記UEのQoS情報に含まれている前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅の合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合には、MNO−PCRFは、MBCFがフィードバックした前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、MNO−MBCFは前記UEの属するMVNOの許可容量が前記UEのためにIP−CANセッション確立の条件を満す旨の通知をMNO−PCRFにフィードバックすることである。
【0088】
ステップS504において、MVNO−PCRFが影響を受けるPCCルールを確定した後、PCRFは更なる動作をする可能性があり、例えば、IP−CAN終了後、P−GWはユーザの利用トラフィックを報告し、PCRFはSPRに通知し、SPRは過去のトラフィックを記録して累加などをする。前記技術は従来技術であり、ここでは贅言を省略する。
【0089】
要するには、MNO−PCRF側において、本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御方法は、図6に示すように、下記のステップを含む。
【0090】
ステップS101において、MNO−PCRFは、ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージ情報を受信し、さらに指示メッセージから取得したユーザ識別子に基づいて、前記ユーザ識別子に対応するユーザ装置(UE)の属する仮想モバイル事業者MVNOを確定する。
【0091】
ステップS102において、MNO−PCRFは前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVNO−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送する。
【0092】
ステップS103において、MNO−PCRFはMVNO−PCRFから送信されたIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信する。前記メッセージは前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含む。
【0093】
ステップS104において、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないことが確定された場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに、前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する。
【0094】
本発明に係る前記案に従うと、MNOはMVNOにレンタルした許可容量によりMVNOのMNOでのネットワーク利用に対し正確に制御することができ、それによってMVNOが運用の際にMNOのネットワークリソースの過剰利用によるMNOのネットワークへの影響防ぐことができる。
【0095】
MNO−PCRF側において、本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールの提供方法は、図7に示すように、下記のステップを含む。
【0096】
ステップS201において、MVNO−PCRFは、モバイルネットワーク事業者のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)から送信されたユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信する。
【0097】
ステップS202において、MVNO−PCRFは前記指示メッセージに基づいて前記UEのPCCルールを確定し、さらに前記UEのPCCルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージをMNO−PCRFに送信する。
【0098】
本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御装置は、図8に示すように、下記の構成を含む。
【0099】
MVNO確定部11は、ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、指示メッセージから取得したユーザ識別子に基づいて、前記ユーザ識別子に対応するユーザ装置(UE)の属する仮想モバイル事業者MVNOを確定する。
【0100】
メッセージ転送部12は、前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVNO−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送する。
【0101】
メッセージ受信部13は、MVNO−PCRFから送信された前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信する。
【0102】
判断処理部14は、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないと確定した場合、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する。
【0103】
好ましくは、前記装置はさらに以下の構成を含む。
【0104】
処理待機部15は、前記メッセージ転送部12がすでに前記MVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量を超えた旨の通知を送信した後に、予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動し、もし待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記メッセージ転送部12から転送された前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、判断処理部14をトリガーし前記UEの新しいPCCルールに基づいて、再び前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断し、もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立失敗のメッセージを返信する。
【0105】
前記ネットワーク容量の制御装置はMNO−PCRFであっても良い。そのうちMVNOの確定部11、判断処理部14及び処理待機部15はプロセッサ等の装置であっても良く、メッセージ転送部12及びメッセージ受信部13はメッセージを送受信する機能を有する送信モジュールで実現することができ、例えばカップリング送信等を用いる。
【0106】
本発明の実施例に係るもう1つのネットワーク容量の制御装置は、図9に示すように、メモリ31及びプロセッサ32を含む。そのうち、プロセッサ32には上記本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御方法のフローを実行するコンピュータープログラム等が設定され、それによってMNOが簡単にMVNOにレンタルした許可容量に従いMVNOのMNOネットワーク利用を正確に制御することができる。これにより、MVNO運用中のMNOのネットワークリソース過剰利用によるMNOのネットワークへの影響を防ぐことができるようになった。メモリ31は、前記コンピュータープログラムのコードを記憶、前記プロセッサ32の設定に用いられる。プロセッサ32は関連情報の伝送に用いられることができ、実際の必要に応じて、ベースバンド処理ユニット、無線周波処理ユニット等を含むことができる。具体的には以下の通りである。
【0107】
プロセッサ32は、ユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信し、指示メッセージから取得したユーザ識別子に基づいて、前記ユーザ識別子に対応するユーザ装置(UE)の属する仮想モバイル事業者MVNOを確定する。
【0108】
プロセッサ32は、前記UEの属するMVNOのポリシーチャージング制御部(MVNO−PCRF)にIP−CANセッションを確立する旨を示す指示メッセージを転送する。
【0109】
プロセッサ32は、MVNO−PCRFから送信されたIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを受信する。前記確認するメッセージには、前記UEのポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールがふくまれる。
【0110】
プロセッサ32は、前記UEのPCCルールに基づいて、もし前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えていないことを確定した場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに、前記UEのためのIP−CANセッションの確立を確認するメッセージを送信する。
【0111】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティであるMNO−MBCFを介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断する。
【0112】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEのPCCルールに基づいて、予め設定されたモバイルネットワーク事業者帯域幅制御機能エンティティであるMNO−MBCFを介し、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを判断する際、具体的には以下の通りである。
【0113】
プロセッサ32は、前記UEのPCCルールから前記UEのクオリティオブサービス(QoS)情報を取得し、さらに前記QoS情報を予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記MNO−MBCFが前記UEのQoS情報に含まれている前記UEの属するMVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅に基づいて、前記UEの属するMVNOのすでに利用した帯域幅と今回前記MVNOから前記UEへ割り当てた許可帯域幅との合計をカウントし、カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きいか否かを判断する。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きい場合には、MNO−MBCFが前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知をMNO−PCRFにフィードバックする。カウント結果が前記UEの属するMVNOの許可容量より大きくない場合、前記UEの属するMVNOの許可容量が前記UEのためのIP−CANセッション確立の条件を満す旨の通知をMNO−PCRFにフィードバックする。
【0114】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEのPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOがMVNOの許可容量を超えたと確定した際に、前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を前記MVNO−PCRFに送信するように、前記メッセージ転送部をトリガーする。
【0115】
好ましくは、プロセッサ32は、前記MVNO−PCRFに前記UEの属するMVNOの許可容量を超えた旨の通知を送信した後に、予め設定された待機可能タイマー (Waitable Timer)を起動し、もし待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に、前記UEの新しいPCCルールを受信した場合には、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かを再び判断し、もし前記待機可能タイマー (Waitable Timer)がタイムアウトする前に前記MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信していなかった場合には、前記指示メッセージを送信したネットワークエレメントに前記UEのためのIP−CANセッション確立の失敗メッセージを送信する。
【0116】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、MVNO−PCRFから前記UEの新しいPCCルールを受信し、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEの属するMVNOにおいて、前記MVNOの許可容量を超えたか否かをさらに判断し、超えたと判断すれば、MVNO−PCRFに前記UEの新しいPCCルールを再び申請し、超えていないと判断すれば、前記UEの新しいPCCルールに基づいて、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更する。
【0117】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEのためにIP−CANセッションを確立し、かつ前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信し、前記MVNO−PCRFに前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを転送し、前記MVNO−PCRFから返信された前記UEのために確立されたたIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを受信した際に、前記UEの属するMVNO全体のUEの許可帯域幅の合計を更新する。
【0118】
好ましくは、プロセッサ32は、前記UEの属するMVNO全体のUEの許可帯域幅の合計を更新する際に、前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了メッセージを予め設定されたMNO−MBCFに送信し、前記予め設定されたMNO−MBCFにより前記UEの属するMVNO全体のUEの許可帯域幅の合計を更新する。
【0119】
本発明の実施例に係るポリシー及びチャージング制御(PCC)ルールの提供装置は、図10に示すように、メッセージ受信部21と、PCC確定部22とを含む。
【0120】
メッセージ受信部21は、モバイルネットワーク事業者のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)から送信されたユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信する。
PCC確定部22は、前記指示メッセージに基づいて前記UEのPCCルールを確定し、IP−CANセッションの確立を確認するメッセージをMNO−PCRFに送信する。前記確認メッセージは。前記UEのポリシー及びチャージング(PCC)ルールを含む。
【0121】
前記PCCルールの提供装置はMVNO−PCRFであっても良い。そのうち、メッセージ受信部21は、情報を送受信する機能を有する送信モジュールにて実施することができ、例えばカップリング送信等を用いる。PCC確定部22はプロセッサ等の装置であっても良い。
【0122】
本発明の実施例に係るもう1つのポリシー及びチャージング制御(PCC)の提供装置は、図11に示すように、メモリ41及びプロセッサ42を含む。そのうち、プロセッサ42には上記本発明の実施例に係るネットワーク容量の制御方法のフローを実行するためのコンピュータープログラム等が設定され、メモリ41は、前記コンピュータープログラムのコードを記憶するために用いられ、前記プロセッサ42を配置する際に用いられる。プロセッサ42には、実際の必要に応じベースバンド処理ユニット、無線周波処理ユニット等の装置を含み、関連情報を送信しても良い。具体的にはいかの通りである。
【0123】
プロセッサ42は、モバイルネットワーク事業者のポリシーチャージング制御部(MNO−PCRF)から送信されたユーザ装置(UE)のためにIP接続アクセスネットワーク(IP−CAN)セッションを確立する旨を示す指示メッセージを受信する。
【0124】
プロセッサ42は、前記指示メッセージに基づいて前記UEのPCCルールを確定し、さらに前記UEのポリシー及びチャージング(PCC)ルールを含むIP−CANセッションの確立を確認するメッセージをMNO−PCRFに送信する。
【0125】
好ましくは、プロセッサ42は、前記MNO−PCRFから送信された前記UEの属するMVNOの許可容量をすでに超えた旨の通知を受信する。
【0126】
プロセッサ42は、前記通知に基づいて、前記UEのために再び新しいPCCルールを割り当て、前記新しいPCCルールを前記MNO−PCRFに送信する。
【0127】
好ましくは、プロセッサ42は、前記UEのために確立したIP−CANセッションを変更すべきである際に、前記UEのために新しいPCCルールを再び割り当て、さらに前記新しいPCCルールを前記MNOーPCRFに送信する。
【0128】
好ましくは、プロセッサ42はさらに、前記UEのために確立したIP−CANセッションを終了すべきである際に、MNO−PCRFから送信された前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を示す指示メッセージを受信し、前記のPCC確定部はさらに前記指示メッセージに基づき前記UEに対応するPCCルールを確定し、さらに前記UEのために確立したIP−CANセッションの終了を確認するメッセージを前記MNO−PCRFに送信する。
【0129】
本分野の技術者として分かるべきは、本発明の実施例は方法、システム、又はコンピュータープログラムの製品を提供することができる。そのため、本発明は完全なハードウェア実施例、完全なソフトウェア実施例、又はソフトウェアおよびハードウェアの方面を結合した実施例の形態を採用することができる。なお、本発明はコンピューターの使用可能のプログラムコードが含まれている1つ又は複数のコンピューター使用可能記憶媒体(ディスクメモリ及び光学メモリなどを含み、ただしこれらに限らない)において実施されるコンピュータープログラムの製品の形態を採用することができる。
【0130】
本発明は本発明の実施例に係る方法、装置(システム)、及びコンピュータープログラムの製品のフロー図及び/又はブロック図を参照し説明を行っている。理解すべきはコンピュータープログラムコマンドによりフロー図及び/又はブロック図の中の各フロー及び/又はブロック、及びフロー図及び/又はブロック図の中のフロー及び/又はブロックの結合を実現しても良い。これらのコンピュータープログラムのコマンドを汎用コンピューター、専用コンピューター、組み込み式のプロセッサ又はその他のプログラマブルのデータ処理装置のプロセッサに提供し1つの機器を生成することができ、すなわちコンピューター又はその他のプログラマブルのデータ処理装置のプロセッサが実行するコマンドによりフロー図の中の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の中の1つのブロック又は複数のブロックにより指定された機能を実現するための装置を生成させる。
【0131】
これらのコンピュータープログラムのコマンドはコンピューター又はその他のプログラマブルのデータ処理装置が特定形態で作動するように導けるコンピューター記憶装置に保存することもでき、前記コンピューター記憶装置に保存されたコマンドによりコマンド装置を含んだ製造品を生成させ、前記コマンド装置はフロー図の中の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の中の1つのブロック又は複数のブロックにより指定された機能を実現する。
【0132】
これらのコンピュータープログラムのコマンドはコンピューター又はその他のプログラマブルのデータ処理装置に搭載することもでき、コンピューター又はその他のプログラマブルの装置において一連の操作ステップを実行させコンピューターの実現の処理を生成し、それによってコンピューター又はその他のプログラマブルの装置において実行されるコマンドによりフロー図の中の1つのフロー又は複数のフロー及び/又はブロック図の中の1つのブロック又は複数のブロックにより指定された機能を実現するステップを提供する。
【0133】
本分野の技術者は本発明の精神及び範囲を逸脱せずに本発明に対しいろんな変更及び変形をしても良い。このように、もし本発明のこれらの修正及び変更が本発明の特許の請求及びその均等な技術の範囲内であれば、本発明はこれらの修正及び変更を含める。
図1
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図10
図11