特許第6122219号(P6122219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6122219ベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122219
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】ベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20170417BHJP
   G06K 7/08 20060101ALI20170417BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   G06K19/06 206
   G06K7/08 040
   G07G1/00 311D
【請求項の数】12
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-524421(P2016-524421)
(86)(22)【出願日】2015年7月7日
(65)【公表番号】特表2017-500626(P2017-500626A)
(43)【公表日】2017年1月5日
(86)【国際出願番号】US2015039327
(87)【国際公開番号】WO2016007475
(87)【国際公開日】20160114
【審査請求日】2016年4月18日
(31)【優先権主張番号】14/329,130
(32)【優先日】2014年7月11日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515234749
【氏名又は名称】サムスン ペイ、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウォールナー、ジョージ
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第8814046(US,B1)
【文献】 米国特許第8690059(US,B1)
【文献】 米国特許第8628012(US,B1)
【文献】 米国特許第7357319(US,B1)
【文献】 特表2003−515228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00−19/18
G06K 7/00− 7/14
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステムにおいて、
支払いお財布アプリケーションを含み、ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを送信するように構成される携帯電話と、
ドライバ及びインダクタを含み、前記携帯電話から前記パルスのストリームを受信し、前記受信したパルスのストリームを増幅して成形し、且つ前記ペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成された磁気ストライプ送信(MST)装置であって、前記インダクタは、一連のタイミングが調節された電流パルスによって駆動されて、移動している磁気ストライプによって生成される変動磁場と似ている一連の高エネルギー磁気パルスがもたらされることになる、MST装置と、
前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンとを含み、
前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンを起動すると、前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む前記高エネルギー磁気パルスの送出が開始される、システム。
【請求項2】
前記携帯電話中に位置するペイメント・ボタンを更に含み、前記携帯電話中に位置するペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、前記携帯電話中に位置するペイメント・ボタンを起動すると、前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む前記高エネルギー磁気パルスの送出が開始される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記携帯電話は、前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンが起動されたことを示す通知信号を送信するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記携帯電話中に位置するペイメント・ボタンは、無線接続を介して遠隔で起動されるように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
前記送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記MST装置は、前記受信したパルスのストリームを成形して、前記磁気読み出しヘッドのシールディング、渦電流損及び限られたインダクタンス値を補償する、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記磁気読み出しヘッドは、磁気読み出しヘッドのインダクタを含み、
前記MST装置の前記インダクタは、1.27cm(0.5インチ)より長い距離離れた前記磁気読み出しヘッドのインダクタと疎結合型トランスを形成するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記MST装置の前記インダクタは、鉄又はフェライトのコアを含み、
前記コアは、前記インダクタを通じて流れる高電流の下で飽和しないように設計される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
ベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステムにおいて、
ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを送信するように構成される携帯電話と、
ドライバ及びインダクタを含み、前記携帯電話から前記パルスのストリームを受信し、前記受信したパルスのストリームを増幅して成形し、且つ前記ペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成された磁気ストライプ送信(MST)装置であって、前記送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成され、前記インダクタは、1つ又は複数の巻線を含み、前記1つ又は複数の巻線は、前記磁気読み出しヘッドの検知開口部を含むように寸法付けられた広い十分な領域にわたって広がる磁束線を発生し、且つ適切にタイミングが調節された電流パルスをその最大値に到達させ、それによって前記磁気読み出しヘッド中に最大誘導電圧を生じさせるように構成されるインダクタンス値を発生するように構成される、MST装置と、
前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンとを含み、
前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンを起動すると、前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む前記高エネルギー磁気パルスの送出が開始される、システム。
【請求項10】
磁気ストライプ送信(MST)装置において、
ドライバと、
インダクタを含み、
前記MST装置は、ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを受信し、前記受信したパルスのストリームを成形して増幅し、且つ前記ペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成され、前記送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成され、
前記MST装置は、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされる、前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンを更に含み、
前記MST装置中に位置するペイメント・ボタンを起動すると、前記MST装置に、前記事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを受信させ、前記受信したパルスのストリームを成形させ増幅させ、且つ前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生させて送出させる、MST装置。
【請求項11】
前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データは、前記MST装置のメモリ中に格納される、請求項10に記載のMST装置。
【請求項12】
前記事前に選択したペイメント・カードの前記磁気ストライプ・データは、携帯電話のメモリ中に格納される、請求項10に記載のMST装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年1月20日出願の米国仮特許出願第61/754,608号に基づき優先権を主張している2013年3月14日出願の米国特許出願第13/826,101号の一部継続出願である2014年2月17日出願の米国特許出願第14/181,947号の一部継続出願である2014年7月11日出願の米国特許出願第14/329,130号に基づき優先権を主張し、これらのすべてが参照により本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、ベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステム及び方法に関し、詳細には、スマートフォン上、又は磁気ストライプ・データ送信機上のペイメント・ボタンを押すことによって、スマートフォン又は他の電子装置からペイメント・カードのデータを販売時点情報管理システム(POS:Point of Sale)トランザクション端末中に送信する磁気ストライプ・データ送信機に関する。
【背景技術】
【0003】
磁気ストライプ・ペイメント・カードは、ペイメント・カードのデータを含む磁気ストライプを担持する。磁気ストライプ・ペイメント・カードは、とりわけクレジット・カード、デビット・カード、ギフト・カード及びクーポン・カードを含む。データは、ストライプ中に埋め込まれた磁性粒子の配向を交互にすることによって、磁気ストライプ上に「書き込まれる」。カード・データは、カードを磁気ストライプ・リーダに通すことによって、販売時点情報管理システム(POS:Point of Sale)で磁気ストライプから読み出される。リーダは、リーダ・ヘッド及びその関連復号回路構成を含む。リーダにカードを通したとき、磁気ストライプは、リーダ・ヘッドの前を移動する。交互に代わる極性磁区を含む磁気ストライプが移動すると、リーダ・ヘッドの狭い検知開口部内で変動磁場が生じる。リーダ・ヘッドは、この変動磁場を等価の電気信号に変換する。復号回路構成は、この電気信号を増幅し、デジタル化して、当初磁気ストライプ上に書き込まれたのと同じデータ・ストリームを再現する。磁気ストライプのコード化は、国際規格ISO7811及び7813に述べられている。
【0004】
スマートフォンの普及と能力が高まるにつれて、お財布携帯としてそれらを使用し、その財布を使用して販売時点情報管理システムで支払いを済ましたいという要求が、ますます強くなっている。その採用に対する主な障害は、携帯電話と販売時点情報管理システム端末の間にデータ送信チャネルがなかったことである。いくつかの代替案が提案されている。これらは、携帯電話のスクリーン上に表示されたデータのPOS端末中への手動によるキー入力、携帯電話のスクリーン上に表示され、2次元バーコードリーダによって読み出される2次元バーコード、携帯電話に付随する無線周波数(RF)のIDタグ、及び携帯電話中のアプリケーションによって駆動される、内蔵の近距離無線通信(NFC:Near Field Communications)ハードウェアを含む。これらの方法の中で、2次元バーコード及びNFCは、最も期待できる。しかし、それらの広範な採用は、販売時点情報管理システムにおいて適切な読み出し装置の欠落によって妨げられており、また、NFCの場合、標準化されたNFC能力が多くのスマートフォンにないことによって妨げられている。
【0005】
したがって、スマートフォン又は他の電子装置から遠隔で販売時点情報管理システム・トランザクション端末中にペイメント・カードのデータ又は他の情報を送信するための改善された装置及び方法が必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7、954、716号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】国際規格ISO7811及び7813
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、スマートフォン上、又は磁気ストライプ・データ送信機上のペイメント・ボタンを押すことによって、スマートフォン又は他の電子装置からペイメント・カードのデータ又は他の情報を販売時点情報管理システム・トランザクション端末中に遠隔で送信するベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステム及び方法を述べる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一般に、一態様では、本発明は、携帯電話、磁気ストライプ送信(MST:magnetic stripe transmission)装置及びペイメント・ボタンを含むベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステムを提供する。携帯電話は、支払いお財布アプリケーションを含み、ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを送信するように構成される。磁気ストライプ送信(MST)装置は、ドライバ及びインダクタを含み、MST装置は、携帯電話からパルスのストリームを受信し、受信したパルスのストリームを増幅して成形し、且つペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成される。インダクタは、一連のタイミングが調節された電流パルスによって駆動されて、移動している磁気ストライプによって生成される変動磁場と似ている一連の高エネルギー磁気パルスがもたらされることになる。ペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、ペイメント・ボタンを起動すると、事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスの送出が開始される。
【0010】
本発明のこの態様の実施は、次の事項を含む。ペイメント・ボタンは、MST装置中に、又は携帯電話中に位置する。携帯電話は、ペイメント・ボタンが起動されたとき、通知信号を受信するように構成される。ペイメント・ボタンは、無線接続を介して遠隔で起動されるように構成される。送信されたカードのデータは、携帯電話のメモリ又はMST装置中に収納されたメモリのいずれかから読み出すことができる。送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成される。MST装置は、受信したパルスのストリームを成形して、磁気読み出しヘッドのシールディング、渦電流損及び限られたインダクタンス値を補償する。磁気読み出しヘッドは、磁気読み出しヘッドのインダクタを含み、MSTのインダクタは、1.27cm(0.5インチ)より長い距離離れた磁気読み出しヘッドのインダクタと疎結合型トランスを形成するように構成される。MSTのインダクタは、鉄又はフェライトのコアを含み、コアは、インダクタを通じて流れる高電流の下で飽和しないように設計される。
【0011】
一般に、別の態様では、本発明は、携帯電話、磁気ストライプ送信(MST)装置及びペイメント・ボタンを含むベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステムを提供する。携帯電話は、ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを送信するように構成される。磁気ストライプ送信(MST)装置は、ドライバ及びインダクタを含み、MST装置は、携帯電話からパルスのストリームを受信し、受信したパルスのストリームを増幅して成形し、且つペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成される。送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成される。インダクタは、1つ又は複数の巻線を含み、この1つ又は複数の巻線は、磁気読み出しヘッドの検知開口部を含むように寸法付けられた広い十分な領域にわたって広がる磁束線を発生し、且つ適切にタイミングが調節された電流パルスをその最大値に達するようにさせ、それによって最大誘導電圧が磁気読み出しヘッド中に生じるように構成されるインダクタンス値を発生するように構成される。ペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、ペイメント・ボタンを起動すると、事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスの送出が開始されることになる。
【0012】
一般に、別の態様では、本発明は、ドライバ、インダクタ及びペイメント・ボタンを含む磁気ストライプ送信(MST)装置を提供する。MST装置は、ペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを受信し、受信したパルスのストリームを成形して増幅し、且つペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生して送出するように構成される。送出された高エネルギー磁気パルスは、磁気読み出しヘッドによって遠隔で検出するように構成される。ペイメント・ボタンは、事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされる。ペイメント・ボタンを起動すると、MST装置に、事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームを受信させ、受信したパルスのストリームを成形させて増幅させ、且つ事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データを含む高エネルギー磁気パルスを発生させて送出させる。事前に選択したペイメント・カードの磁気ストライプ・データは、MSTのメモリ中に、又は携帯電話のメモリ中に格納される。
【0013】
図を参照すると、同様の数字は、いくつかの図にわたって同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明によるベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機システムの概観図である。
図2】本発明による必要な磁場を発生するために使用される代表的なインダクタの概略図である。
図3】本発明によるベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機システムの別の実施例の概観図である。
図4】本発明によるベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機システムの別の実施例の概観図である。
図5図4の実施例に関するインダクタ電流対時間及び磁気リーダ・ヘッドの出力電圧対時間を表すグラフである。
図6】2つのインダクタのアレイを描く図である。
図7】インダクタ磁場を描く図である。
図8】本発明によるベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機システムの別の実施例の概観図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、スマートフォン上、又は磁気ストライプ・データ送信機上のペイメント・ボタンを押すことによって、スマートフォン又は他の電子装置からペイメント・カードのデータを販売時点情報管理システム・トランザクション端末中に送信するベースバンド近距離磁気ストライプ・データ送信機のためのシステム及び方法を述べる。
【0016】
ベースバンド近距離磁気ストライプ送信(MST)、すなわち本発明の主題は、パルス変調磁場を使用して、スマートフォンからPOS端末中に、所定の距離からデータを送信する。システムは、カードがリーダ・ヘッドに接触することも近接(1mmより近い)することもなく、又はカード・リーダ・スロット中に挿入する必要もなく、カード・データをPOS端末のリーダ中に送信することができる。さらに、システムは、磁気ストライプ・カード、又はNarenda等による米国特許第7、954、716号に記載されているような先行技術による磁気ストライプのエミュレーション若しくは電子磁気ストライプに必要とされる機械に通す動作の必要性を解消する。
【0017】
磁場が、高出力ドライバ回路によって駆動される、特別設計のインダクタによって生成される。インダクタの独特な構造により、所定の距離からPOS端末中に位置する磁気ストライプ・リーダ・ヘッドに入り込むことができる、複雑な無指向性の磁場がもたらされる。
【0018】
図2を参照すると、インダクタ124は、外形寸法が約40×30mm、束厚さが3mmである、1つ又は複数の矩形のワイヤ束(複数可)125を含む。インダクタ124は、適正にタイミングを合わされた電流パルスが各パルスの終了時にその最大値に到達するような値のインダクタンスを有する。また、磁気ストライプ・カードが磁気リーダ・ヘッドの前を通されたとき磁気リーダ・ヘッドによって理解される磁気信号に非常に似ている磁場をもたらすようにドライバ回路からの電流を成形するうえで、インダクタンス値と巻線抵抗値の比は決定的な事項である。一実例では、巻線抵抗に対するインダクタンスの比は、80μH/オームである。
【0019】
インダクタの物理的な形状によって、磁束線が、リーダ・ヘッドの検知開口部を含むのに十分に広い領域にわたって広がることが保証される。インダクタ巻線は、エナメル絶縁磁気ワイヤとすることができ、又は代替えとして、インダクタは、剛性又は可撓性のプリント回路基板上にレイアウトされたコンダクタ・トレースによって形成されたスパイラル・インダクタとして実現することができる。
【0020】
インダクタは静止しているが、インダクタは一連のタイミングを合わされた電流パルスによって駆動され、移動している磁気ストライプによって生成される変動磁場に似ている一連の磁気パルスをもたらすことになる。標準の磁気ストライプのコード化の後に磁場変調が続き、次いで、それによってリーダの出力において、磁気ストライプから得られるはずのものに同一である電気パルスのストリームがもたらされることになる。
【0021】
MSTの重要な利点は、MSTが販売時点情報管理システム・カード支払い端末の既存のインフラと共に働くということである。NFC又は2次元バーコードとは異なり、外部リーダ又は新しい端末を設置する必要がない。
【0022】
図1を参照すると、本発明の一実施例100では、適切なドライバ122及びインダクタ124が小さなカプセル120中に収容され、カプセル120は、携帯電話110のオーディオ・ジャック112に接続される。スマートフォン110には、お財布ソフトウェア・アプリケーション102がロードされている。電話110は、そのオーディオ・ジャック112を介して磁気ストライプ送信機120に接続される。標準のISO/ABA磁気ストライプ・カード140を読むことが可能な通常のカード支払い端末を備えた販売時点の場所で支払いをするために、顧客は、そのスマートフォン110上でお財布アプリケーション102を選択し、支払いに使用したい組み込み済のペイメント・カード(すなわち、Visa、MasterCard、Amex)の1つを選択する。顧客は、販売時点情報管理システム端末140に携帯電話を近づけて(2.54〜5.08cm(1〜2インチ))保持し、電話110上の支払いアイコン/キー104を押す。電話110中のお財布アプリケーション102によって、選択されたカードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームが、オーディオ・ジャック112を介してMST120に送られる。MST120は、そのパルスを増幅し、適切に変調された高エネルギーの磁気インパルス130に成形し、それを送出する。磁気インパルス130は、販売時点情報管理システム支払い端末140中に位置する磁気ストライプ・リーダ・ヘッド142によって検出され、電気パルスに変換される。その結果得られた電気パルスは、復号器144によって復号され、その中央処理装置(CPU)146が、そのリーダ・スロットを通された標準の磁気ストライプ・カードを処理することになるのと同様に、中央処理装置(CPU)146によって処理される。小売商人が支払い金額を入力し、そのトランザクションが、POS端末140によってネットワーク150を介して支払いトランザクション・プロセッサ160に送られる。トランザクション・プロセッサ160は、トランザクション認証を返し、POS端末140は、レシートをプリントする。カード入力方法を除き、全トランザクションは、標準の磁気ストライプ・カードの場合と同様の方法で完結する。
【0023】
MST120の別の実施例では、セキュリティが、支払い端末を通じて送信されるトランザクションを、別個のセキュア無線メッセージをプロセッサに送ることによって補完するスマートフォンによって向上され、2つのトランザクションは、認証目的のために組み合わされる。
【0024】
図3を参照すると、別の実施例では、MST120は、磁気ストライプ・リーダ(MSR)ヘッド142aと一体化されて、磁気ストライプ情報の読み出しと送信の両方を実施することができる単一装置が生成される。電子お財布102と連結したMSTとMSRの組み合わせは、ペイメント・カードを電子お財布中にロードし、ペイメント・カードのデータをPOSシステム140にその後で送信する好都合なセキュア手段をもたらす。さらに、この実施例は、各個人がMSTを備えており、カードリーダがその人のMSTに含まれている状態で自分のカード情報を他の人の携帯電話に送信することができる場合、クレジット又はデビットのカードを使用して個人対個人の間の好都合な支払いを可能にする。
【0025】
別の実施例では、磁気ストライプの送信は、トークン化されたカード・データを販売時点情報管理システム端末に送信するために使用される。この実施例では、実際のペイメント・カード番号又はその一部が、暗号化して生成されたトークンと置き換えられ、トークンは、標準の会員番号(PAN:Primary Account Number)に似たものとなるようにフォーマットされるトークン・データを含むトラック・データとしてフォーマットされる。PANは、有効な銀行識別コード(BIN:Bank Identification Number)を含むことができる。そのようなトークンは、カード発行者からか、又は別のオンラインのソースからダウンロードされる、或いはローカルに生成される。トークンのMSTによる送信は、1つのトランザクションに関してのみ有効である、暗号化して生成されたトークンを送信することによって、有効なカード番号の送信に取って代わり、したがって、既存の販売時点情報管理システム・ハードウェアを変更する必要がなく、標準の磁気ストライプに固有なセキュリティのリスクがすべて解消される。他の実施例では、既存の販売時点情報管理システムのハードウェア及びソフトウェアとの互換性を高めるために、2つ以上のトラック・データが送信される。これらの実施例では、トラック1データの送信の後にトラック2データの送信が続くことができる、或いはトラック2データの後にトラック1データが続くことができる。
【0026】
さらなる実施例では、また、MST120は、カード・データのセキュア・ローカル記憶を形成し、インダクタ・ドライバ回路122を直接駆動するセキュア・マイクロコントローラ126を含む。この実施例は、MSTが電話から取り外されて記憶送信モードで作動することを可能にする。いくつかの実施例では、MSTは、カード・データ及び他の個人情報の安全確実な記憶のために、揮発性及び不揮発性のメモリをさらに含む。
【0027】
また別の可能な実施例は、電話110とMST120の間のブルートゥース(登録商標)通信を使用し、両方向通信が、MSTのセキュア・マイクロコントローラ126によって形成されたセキュア要素中に記憶されたカード・データの電話による検索を含む、セキュリティ及びフレキシビリティを高めるために、使用される。
【0028】
また別の可能な実装形態では、MST120は、その内蔵のセキュア・マイクロコントローラ126を使用して、カード・データの一部又は全部を暗号化し、磁場を介してそれを販売時点情報管理システム・カードリーダに送信する。
【0029】
また別の可能な実装形態では、ペイメント・カードのデータは、動的に変化させるカード照合値(CVV:card verification value)データを含む。この場合、トランザクションのセキュリティは、CVVデータの動的な変化によって高められる。
【0030】
図4を参照すると、本発明の別の実施例100では、磁気ストライプ送信機(MST:Magstripe Transmitter)120は、波形成形器121、バイポーラ・ドライバ123及びループ・インダクタ124を含む。スマートフォン110は、お財布ソフトウェア・アプリケーション102がロードされ、そのオーディオ・ジャック112を介して磁気ストライプ送信機120に接続される。標準のISO/ABA磁気ストライプ・カードを読むことが可能な通常のカード支払い端末140を備えた販売時点の場所で支払いを済ますために、顧客は、そのスマートフォン110でお財布アプリケーション102を選択し、支払いに使用したい組み込み済のペイメント・カード(すなわち、Visa、MasterCard、Amex)の1つを選択する。顧客は、販売時点情報管理システム端末140に携帯電話を近づけて(2.54〜5.08cm(1〜2インチ))保持し、電話110上の支払いアイコン/キー104を押す。電話110中のお財布アプリケーション102によって、選択されたカードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームが、オーディオ・ジャックを介してMST120に送られる。MST120は、適切に変調された高エネルギーの磁気インパルス130の形態にそのパルスを増幅し、成形し、送出する。磁気インパルス130は、販売時点情報管理システム支払い端末140中に位置する磁気ストライプ・リーダ・ヘッド142によって検出され、電気パルスに変換される。その結果得られた電気パルスは、復号器144によって復号され、中央処理装置(CPU:central processing unit)146によって、それが、そのリーダ・スロットを通された標準の磁気ストライプ・カードを処理することになるのと同様に、処理される。小売商人が支払い金額を入力し、そのトランザクションが、POS端末140によってネットワーク150を介して支払いトランザクション・プロセッサ160に送られる。トランザクション・プロセッサ160は、トランザクション認証を返し、POS端末140は、レシートをプリントする。カード入力方法を除き、全トランザクションは、標準の磁気ストライプ・カードの場合と同様の方法で完了する。
【0031】
販売時点情報管理システム端末中で使用される磁気ストライプ・リーダ・ヘッドは、ヘッドのすぐ前に位置するその検知開口部の近くで、及びその内で生じる磁場に対してだけ感受性があるように設計される。ヘッドは、この検知開口部の外側の外部磁場を無視するように設計される。意図する検出距離は、2.54cm(1インチ)の分数であり、感受する場の広がりは、数度である。さらに、リーダ・ヘッドは、金属シールド141によって囲繞されて、図4に示すヘッドの対象とする検知開口部の外側の変化する磁場が大いに減衰される。さらに、シールド141は、端末のフレーム・グラウンドに接続され、それは、外部で生じる結合されたコモン・モード信号を接地するように分路する。これらの設計の特徴は、ヘッドが、すぐ近くにある電気機器、送信機又はセル方式携帯電話からノイズを検出しないことを確実にすることを目的とする。また、これらの同じ設計の特徴によって、通常のインダクタ及び移動している磁気ストライプによって生成されるパルスと似ているパルスが使用されるとき、カードのデータの遠隔における誘導が防止される。
【0032】
したがって、1.27cm(0.5インチ)より長い距離から、且つほとんどの角度からリーダ・ヘッドのシールディング141を貫通するためには特別の技法が必要になり、それが本発明の主題である。これらの技法によって、ヘッドの内部インダクタに到達する信号が、ひずみがなく、形状及びタイミングが正しいことが保証される。これらの要件を満たすために、MST120は、波形成形器121を用いて波形を事前に成形して、リーダ・ヘッド142のシールディング、渦電流及び限られたインダクタンスの作用を補償する。図5を参照すると、磁場がヘッド142のシールドされたエンクロージャ141の内部で迅速に崩壊すること、及びリーダ・ヘッド巻線の比較的低いインダクタンスによる作用を補償するために、大きいDC成分81がインダクタ電流80に加えられる。さらに、リーダ・ヘッド増幅器は、帯域幅が限られている。誘導される信号の十分な振幅を得るために、パルス立ち上がり時間82が、10と60ミリ秒の間になるように制御される。これによって、パルス立ち上がり時間がリーダ・ヘッド増幅器の帯域幅の範囲内に入るが、しかし復号器回路のタイミングの制約事項外にならないことが保証される。
【0033】
さらにまた、1.27cm(0.5インチ)より長い距離から必要な貫通を達成するために、適切なドライバ123によって、ピークが1アンペアを超える大きい十分な電流を有する磁気パルスを送達しなければならない。さらに、リーダ・ヘッド上で正しい出力を生成するために、電流は、バイポーラでなければならず、且つ大きいDC成分を含まなければならず、それは、ピーク電流の40%を超える。
【0034】
MSTの誘導装置124は、1.27cm(0.5インチ)より長い距離離れたカード・リーダ・ヘッド142と疎結合型トランスを形成するように特別に設計され、そこではMSTのインダクタ124が一次側であり、リーダ・ヘッドのインダクタが二次側である。この一次側と二次側の間の結合が極めて疎であるので、且つヘッドのシールディング141によって高い損失が引き起こされ、さらにまた渦電流によって損失が引き起こされるので、インダクタを駆動する電流は、特別のレベル及び形状のものでなければならない。そのように発生される磁場は、これらの損失が補償され、十分な信号がリーダ・ヘッドのインダクタ夕中で誘導されるように十分強いものでなければならない。
【0035】
したがって、インダクタ124は、送信機能に適切なものにするために、極めて特有のセットの特性を有するように設計される。インダクタは、巻線抵抗が、非常に強い磁場を生成するのに必要な大きい電流をもたらすように十分に低い。同時に、このインダクタは、電流パルスの立ち上がり時間を制御するのに十分なインダクタンスを有する。必要なインダクタンスを得るのに、3オームを超えるまで巻線抵抗を増加させずに、巻き数が大きい(20を超える)ことが要求される。それと同時に、インダクタは、図7に示すように、ゼロがほとんどなく、十分にうまく分布させた磁場を提供するように形作られる。そのようなインダクタは、図2に示す、広い領域(600と1700平方mmの間)を取り囲む単一のインダクタ、又は図6に示す、同じ領域を覆う空間的に分布された2つ以上のインダクタ182a、182bのアレイ180のいずれかである。インダクタ(又は複数のインダクタ)は、鉄又はフェライトのいずれかのコア(複数可)を有することができ、それは、インダクタ(複数可)を通じて駆動される高電流の下で飽和しないように設計される。一実例では、インダクタ124は、長さ92が15mmと50mmの間の範囲にある。別の一実例では、MST120は、15mm〜50mmの範囲の距離で隔てられた2つのインダクタ182a、182bのアレイ180を含む。
【0036】
従来の磁気ストライプ・データのフォーマットは、データがコピーされないように防止する特徴を含まない。MSTが磁気ストライプのフォーマットでカードのデータを送信するが、送信される実際のデータは、物理的なカードの磁気ストライプ中に含まれるデータと同一である必要はない。
【0037】
MSTの発明は、任意のデータ・フィールドの一部を暗号法によって発生された動的な要素に置き換えることによって、カードのデータが適切に変更される安全な送信オプションを含む。携帯電話中、又はMSTのハードウェア中のいずれかで発生されるこの安全保障のデータ要素は、カードのデータ、MSTのID、及び送信毎にインクリメントされるシーケンス番号を使用して発生され、カード発行者又は別の第三者のいずれかによって提供されるキーによって暗号化されるセキュア・ハッシュを含む。キーの発行者は、キーを使用してこのセキュア・ハッシュを計算することができ、それゆえトランザクションが、正当なカードのデータを使用して正当な装置から生じていることを確認することができる。セキュア・ハッシュが、トランザクション毎に予測不可能な方法で変わるので、(キーを知らない)詐欺師は、新しいトランザクションに対する有効なハッシュを計算することができない。各トランザクションがシーケンス番号を含むので、受取人は、再現(replay)を識別することができる。また、セキュア・ハッシュが、元の任意のデータ・フィールドの極めて重要な部分を置き換えるので、MSTトランザクションから捕えられたデータは、有効な偽造カードを生成するのに適していない。
【0038】
小売業者及び購入者が使用しないカードのデータの一部だけを変更することによって、このスキームは、既存の小売店のPOS及び購入者の処理システムとの適合性を失わない。
【0039】
図8を参照すると、本発明の別の実施例100では、磁気ストライプ送信機(MST)120は、ペイメント・ボタン(ボタン支払い:Button Pay)170をさらに含む。ボタン支払い170は、電子お財布中に格納された特定の事前に選択したペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされる。電子お財布102又は102’は、図8に示すように、携帯電話110又はMST120中に位置することができる。ボタン支払い170を押すと、特定の事前に選択したペイメント・カードのデータが販売時点情報管理システム支払い端末140に送信される。それゆえ、標準のISO/ABA磁気ストライプ・カード140を読むことが可能な通常のカード支払い端末を備えた販売時点の場所で支払いを済ますために、顧客は、MST120上のボタン支払い170を押し、システムが、ボタン支払い170と関連付けられた、予めプログラムされ事前に選択した特定のペイメント・カードを自動的に選択する。これによって携帯電話110が、事前に選択したカードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームをMST120に送る。事前に選択したカードの磁気ストライプ・データを含むパルスのストリームは、適切に変調された高エネルギー磁気インパルス130の形態に、MSTによって増幅され、成形され、送出される。磁気インパルス130は、販売時点情報管理システム支払い端末140中に位置する磁気ストライプ・リーダ・ヘッド142によって検出され、電気パルスに変換される。その結果得られた電気パルスは、復号器144によって復号され、その中央処理装置(CPU)146によって処理される。小売商人が支払い金額を入力し、そのトランザクションが、POS端末140によってネットワーク150を介して支払いトランザクション・プロセッサ160に送られる。トランザクション・プロセッサ160は、トランザクション認証を返し、POS端末140は、レシートをプリントする。他の実施例は、次の事項の1つ又は複数を含む。携帯電話110中のキー104は、特定のペイメント・カードと関連付けられるようにプログラムされ、ボタン支払い(Button Pay)として機能する。ユーザは、ボタン支払いが起動されたことを携帯電話によって通知される。MST装置は、携帯電話から引き離され、ボタン支払いは、携帯電話のブルートゥース・ネットワークを介して遠隔で起動される。
【0040】
ボタン支払いは、使用するのに非常に都合がよい、というのは顧客が電子お財布を開きカードを選択する必要がない、又は物理的なお財布及びカードを取り出して、店のレジ係に見せる必要がないからである。この都合よさによって、顧客の行動様式が変わることに繋がり、そのことは、カード発行者にとって極めて重要なことになり得る。通常、物理的な又は電子的なお財布の場合、顧客は、通常何らかの「戦略」(娯楽にはAmex、買い物にはVisa、食料雑貨物にはVisaデビットなど)に基づき、そのお財布中にあるいくつかのカードの1つを取り出す、又は選択する比較的容易な選択権を有する。ボタン支払いによって、1つのカードに対する非常に好都合なアクセスがもたらされ、したがってそのカードは、すべてに使用される。ボタン支払いは、1つの特定のカードに有利になる、従来の又は電子お財布によって提供される比較的に公平な土俵を変える。ボタン支払いを用いた支払いのための平均時間は、3〜4秒であるのに対し、物理的なカードを用いた支払いのための平均時間は、17〜22秒であり、電子お財布中に格納されたカードを用いた支払いのための平均時間は、14〜17秒である。
【0041】
本発明のいくつかの実施例を述べてきた。しかしながら、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに、様々な修正を行うことができることを理解されたい。したがって、他の実施例は、次の請求項の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8