(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データが前記第1画像データから前記第2画像データへ更新された後、前記猶予期間が経過するまでの間に、前記公開用識別名が指定された閲覧要求が受信されると、前記公開用識別名に対応付けて記憶される前記公開画像データとして前記第1画像データを前記画像記憶部に再度記憶させるように前記公開者に通知する通知部を更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像管理サーバ。
前記削除部は、前記削除要求の送信元とは異なる送信元からの前記閲覧要求が前記猶予期間内に受信されなければ、前記公開用識別名に対応付けて前記記憶されている前記公開画像データを前記画像記憶部から削除する、
ことを特徴とする請求項1又2に記載の画像管理サーバ。
前記更新部は、前記第1画像データを前記第1解像度から前記第2解像度へ変換可能か否かを判別し、変換可能であると判別すれば、前記第1画像データを前記第1解像度から前記第2解像度へ変換することにより前記第2画像データを作成して前記画像記憶部に記憶させ、
前記削除部は、前記更新部によって変換不可能であると判別されれば、前記第1画像データを削除する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像管理サーバ。
前記更新部は、前記公開用識別名が指定された前記削除要求を受信すると、前記第1画像データを前記第2画像データに変換し、変換して得られた前記第2画像データを前記公開画像データとして前記画像記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像管理サーバ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ユーザがデータの保存のために利用可能なメモリ容量には制限が設けられることが多い。そのため、電子ショッピングモールのように扱うデータ量が多いシステムでは、サーバの利用可能なメモリ容量にすぐ達してしまうおそれがある。そこで、データの公開者は、利用可能なメモリ容量を常に気にしながらデータを保存する。多くの場合、公開者が手動でデータを選択し、手動で削除指示を入力することにより、データを削除する。そして、サイズが大きいデータは、画像データであることが多い。
【0007】
しかしながら、必要なデータを公開者が誤って削除してしまうことがある。特に電子ショッピングモールのように多くの閲覧者がデータを頻繁に閲覧する可能性があるシステムにおいて、データの公開者(商品の販売者)がメモリ容量を確保するために商品の画像を誤って削除すると、意図せず閲覧者が商品の画像を見られなくなってしまったり、関係ない他の商品の画像が削除されて電子ショッピングモールへの出店全体に悪影響を及ぼしたりするトラブルが起きかねない。
【0008】
また、データの数が多いと、公開者がどのデータを削除してよいのかを判断することが難しくなる。更には、ごみ箱フォルダ等に一旦待避させただけでは、メモリの使用量は変わらないため、完全に削除するためにはごみ箱フォルダからの削除を別途指示しなければならず、手間がかかる。そのため、公開者自身が行うべき手順が少ないことが望まれる。
【0009】
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、データの記憶領域を節約しつつ、データ削除に伴う閲覧者に与える影響を小さくするために好適な画像管理サーバ、画像管理方法、記録媒体、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る画像管理サーバは、
第1解像度で作成された第1画像データが、公開用識別名に対応付けて、公開者が公開する公開画像データとして記憶される画像記憶部、
前記公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データを閲覧者に提供する提供部、
前記公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶される前記公開画像データを、前記第1画像データから前記第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する更新部、
を備えることを特徴とする。
【0011】
前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データが前記第1画像データから前記第2画像データへ更新された後、猶予期間が経過するまでの間に、前記公開用識別名が指定された閲覧要求が受信されなければ、前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データを削除する削除部を更に備えてもよい。
【0012】
前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データが前記第1画像データから前記第2画像データへ更新された後、前記猶予期間が経過するまでの間に、前記公開用識別名が指定された閲覧要求が受信されると、前記公開用識別名に対応付けて記憶される前記公開画像データとして前記第1画像データを前記画像記憶部に再度記憶させるように前記公開者に通知する通知部を更に備えてもよい。
【0013】
前記削除部は、前記削除要求の送信元とは異なる送信元からの前記閲覧要求が前記猶予期間内に受信されなければ、前記公開用識別名に対応付けて前記記憶されている前記公開画像データを前記画像記憶部から削除してもよい。
【0014】
前記更新部は、前記第1画像データを前記第1解像度から前記第2解像度へ変換可能か否かを判別し、変換可能であると判別すれば、前記第1画像データを前記第1解像度から前記第2解像度へ変換することにより前記第2画像データを作成して前記画像記憶部に記憶させてもよい。
前記削除部は、前記更新部によって変換不可能であると判別されれば、前記第1画像データを削除してもよい。
【0015】
前記更新部は、前記第1画像データを前記第1解像度から前記第2解像度へ変換可能か否かを予め判別してもよい。
前記更新部によって変換不可能であると判別された第1画像データについての前記閲覧要求を受信すると、前記公開画像データとして前記第1解像度より高い第3解像度で作成された第3画像データを前記画像記憶部に記憶させるように前記公開者に通知する通知部を更に備えてもよい。
【0016】
前記更新部は、前記公開用識別名が指定された前記削除要求を受信すると、前記第1画像データを前記第2画像データに変換し、変換して得られた前記第2画像データを前記公開画像データとして前記画像記憶部に記憶させてもよい。
【0017】
本発明のその他の観点に係る画像管理方法は、
公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、第1解像度で作成された第1画像データが前記公開用識別名に対応付けて公開画像データとして記憶される画像記憶部から前記公開画像データを取得して閲覧者に提供する提供ステップと、
前記公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて前記画像記憶部に記憶される前記公開画像データを、前記第1画像データから前記第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する更新ステップと、
を備えることを特徴とする。
【0018】
本発明のその他の観点に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、
コンピュータを、
第1解像度で作成された第1画像データが、公開用識別名に対応付けて、公開者が公開する公開画像データとして記憶される画像記憶部、
前記公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データを閲覧者に提供する提供部、
前記公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶される前記公開画像データを、前記第1画像データから前記第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する更新部、
として機能させるプログラムを記憶する。
【0019】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
第1解像度で作成された第1画像データが、公開用識別名に対応付けて、公開者が公開する公開画像データとして記憶される画像記憶部、
前記公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶されている前記公開画像データを閲覧者に提供する提供部、
前記公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、前記公開用識別名に対応付けて記憶される前記公開画像データを、前記第1画像データから前記第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する更新部、
として機能させる。
【0020】
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記記録媒体は、非一時的な記録媒体であってよく、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、データの記憶領域を節約しつつ、データ削除に伴う閲覧者に与える影響を小さくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の実施形態を説明する。以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0024】
図1に、本実施形態における画像管理システム100の構成を示す。
【0025】
画像管理サーバ120は、一つ又は複数の店舗が参加する、インターネット上の仮想の電子市場を管理する。本実施形態の電子市場は、いわゆる電子ショッピングモールであり、例えば食品、衣服、電気製品、書籍、チケット等、様々な商品又は役務がインターネット上で売買される。電子ショッピングモールで売買される商品又は役務は、本発明によって限定されず、任意である。画像管理サーバ120は、電子ショッピングモールの管理者により管理される。電子ショッピングモールに参加する店舗の数は任意である。
【0026】
説明の簡略化のため、電子ショッピングモールにて売買される商品又は役務を、単に「商品」と呼ぶ。以下の説明において、商品には役務も含まれる。商品には、食品、衣料品、家電製品等の有形物のほか、例えばホテルの宿泊予約、オンラインチケット、ソフトウェアの使用ライセンスなどの無形物も含まれる。
【0027】
画像管理サーバ120は、商品の画像、商品を識別する商品コード、商品の名称、商品に関する説明、商品の在庫数、商品の単価、商品の大きさ、商品の重量、送料等を含む商品データを記憶する。商品データの内容は商品ごとに異なる。
【0028】
本実施形態の画像管理サーバ120は、予め決められた条件が満たされると、画像管理サーバ120に記憶されている商品データのうち、商品の画像を示す画像データの解像度を変換することにより、商品の画像を更新することがあるが、詳しくは後述する。
【0029】
閲覧者端末130は、電子ショッピングモールにおいて商品データを閲覧したり買い物をしたりするカスタマ(以下「閲覧者」という。)によって操作される。閲覧者は、閲覧者端末130を用いて画像管理サーバ120にアクセスし、商品を検索したり商品を購入したりする。例えば、閲覧者端末130は、電子ショッピングモールに参加する店舗によって作成された、商品を販売するための商品ページを表示し、商品の画像や商品についての詳しい説明等を表示させる指示が閲覧者から入力されると、商品データを送信する旨の要求(閲覧要求)を画像管理サーバ120へ送信する。画像管理サーバ120は、閲覧要求を受信すると、商品の画像を示す画像データを含む商品データを閲覧者端末130へ送信する。閲覧者端末130は、商品データを画像管理サーバ120から受信し、表示する。
【0030】
図1には三つの閲覧者端末130A,130B,130Cが記されているが、閲覧者端末130の数は任意である。
【0031】
公開者端末140は、電子ショッピングモールに参加する店舗の管理者(以下「公開者」という。)によって操作される。公開者端末140は、公開者からの指示に基づいて、電子ショッピングモールに出品される商品を示す商品データを画像管理サーバ120へ送信する。画像管理サーバ120は、商品データを公開者端末140から受信し、保存する。
【0032】
図1には二つの公開者端末140A,140Bが記されているが、公開者端末140の数は任意である。
【0033】
通信ネットワーク150は、画像管理サーバ120と閲覧者端末130、及び、画像管理サーバ120と公開者端末140を通信可能に接続する。本実施形態では、通信ネットワーク150はインターネットである。通信ネットワーク150は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話回線、専用回線等であってもよい。
【0034】
次に、画像管理サーバ120の構成について説明する。
図2に、画像管理サーバ120のハードウェア構成を示す。
【0035】
記憶部201は、ハードディスク等の記憶装置を備える。記憶部201には、商品データベース251が記憶される。商品データベース251には、電子ショッピングモールに出品されるすべての商品についての商品データが記憶される。
【0036】
図3に、商品データベース251に記憶される商品データの構成を示す。商品データベース251には、商品を識別する商品コードと対応付けて、商品名、在庫数、画像データ、画像データの公開用識別名等、商品の属性を示す様々な情報が記憶される。商品データは、商品を販売する店舗の担当者が操作する公開者端末140からの指示に基づいて、あるいは後述する画像管理処理により、更新される。
【0037】
通信部202は、NIC(Network Interface Card)を備え、画像管理サーバ120を通信ネットワーク150に接続し、閲覧者端末130及び公開者端末140と通信する。
【0038】
制御部203は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備え、画像管理サーバ120全体を制御する。
【0039】
次に、閲覧者端末130の構成について説明する。
図4に、閲覧者端末130のハードウェア構成を示す。
【0040】
通信部401は、NICを備え、閲覧者端末130を通信ネットワーク150に接続し、画像管理サーバ120と通信する。
【0041】
画像処理部402は、画像をディスプレイ451に表示する。例えば、画像処理部402は、上述の商品データを含むウェブページを構成するデータや、商品の購入を受け付けるウェブページを構成するデータ等を、通信部401を介して画像管理サーバ120から受信する。そして、画像処理部402は、商品を案内する商品ページや商品の購入を受け付ける購入ページ等をディスプレイ451に表示する。
【0042】
音声処理部403は、記憶部406もしくは画像管理サーバ120から音声データを取得し、再生し、音声をスピーカ452から出力する。
【0043】
I/O部404は、取り外し可能なメモリカードを閲覧者端末130に接続するインタフェースを備える。
【0044】
入力部405は、閲覧者からの入力を受け付けるインタフェースを備える。本実施形態では、入力部405は、キーボードとマウスを備える。
【0045】
記憶部406は、ハードディスク等の記憶装置を備え、閲覧者端末130を制御するオペレーティングシステム、各種のプログラム、画像データ、音声データ、テキストデータ等を記憶する。
【0046】
制御部407は、CPU、ROM、RAMを備え、閲覧者端末130全体を制御する。
【0047】
閲覧者端末130として、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯電話機、スマートフォン等が用いられる。
【0048】
次に、公開者端末140の構成について説明する。
図5に、公開者端末140のハードウェア構成を示す。
【0049】
通信部501は、NICを備え、公開者端末140を通信ネットワーク150に接続し、画像管理サーバ120と通信する。
【0050】
画像処理部502は、画像をディスプレイ551に表示する。例えば、画像処理部502は、上述の商品データを含むウェブページを構成するデータや、商品の購入を受け付けるウェブページを構成するデータ等を、通信部501を介して画像管理サーバ120へ送信し、画像管理サーバ120に保存させる。なお、データを画像管理サーバ120へ送信して画像管理サーバ120に保存させることをアップロードという。
【0051】
音声処理部503は、記憶部506もしくは画像管理サーバ120から音声データを取得し、再生し、音声をスピーカ552から出力する。
【0052】
I/O部504は、取り外し可能なメモリカードを公開者端末140に接続するインタフェースを備える。
【0053】
入力部505は、公開者からの入力を受け付けるインタフェースを備える。本実施形態では、入力部505は、キーボードとマウスを備える。
【0054】
記憶部506は、ハードディスク等の記憶装置を備え、公開者端末140を制御するオペレーティングシステム、各種のプログラム、画像データ、音声データ、テキストデータ等を記憶する。
【0055】
制御部507は、CPU、ROM、RAMを備え、公開者端末140全体を制御する。
【0056】
次に、本実施形態の画像管理システム100によって行われる画像管理処理について説明する。
【0057】
図6に、画像管理サーバ120の機能的な構成を示す。
【0058】
上述のように、記憶部201には、商品を表す画像データを含む商品データが記憶される。制御部203は、公開用識別名によって指定される画像データを送信する旨の閲覧要求を閲覧者端末130から受信すると、指定された公開用識別名が示す画像データを記憶部201から取得し、閲覧要求があった閲覧者端末130へ送信する。
【0059】
公開用識別名とは、画像データを識別するための識別子である。本実施形態では、公開用識別名として、電子ファイル名が用いられる。
【0060】
一般に、記憶領域にデータを保存可能な容量には上限がある。特に、電子ショッピングモールのように多くの商品が売買されるシステムでは、保存すべきデータ量が膨大になることが多い。また、電子ショッピングモールに参加する店舗は、画像管理サーバ120にデータを無制限に保存できるわけではなく、契約内容等により、画像管理サーバ120に保存できるデータ量に上限が設けられることがある。公開者が利用可能な残り容量が上限に近づくと、公開者は、更にデータを保存させたければ、既に保存したデータを削除する必要がでてくる。しかし、多くの場合、公開者が自らデータを削除する作業を行うため、本来削除してはならないデータや削除しなくてもよいデータを公開者が誤って削除してしまうことがある。そこで、本実施形態では、画像管理サーバ120にデータを保存するために必要な記憶領域の量を公開者の手をなるべく煩わせることなく減らしつつ、公開者による誤操作が起きても電子ショッピングモールへの影響を減らすことを可能にする。
【0061】
本実施形態では、画像管理処理の対象となるデータを、商品データのうちの画像データとしている。画像管理サーバ120は、予め決められた変換条件が満たされると商品を表す画像データの解像度を下げてサイズを小さくすることにより、容量を節約する。
【0062】
公開者は、自ら販売する商品に関する商品データを画像管理サーバ120に登録する必要がある。公開者端末140は、公開者からの指示に基づいて、第1解像度で作成された第1画像データを画像管理サーバ120にアップロードする。第1解像度は、公開者によって画像データが作成されたときのオリジナルの解像度であり、後述する画像管理処理によって変換される前の解像度である。第1解像度で作成された画像データを、第1画像データという。
【0063】
制御部203は、予め決められた、第1画像データを第1解像度から第1解像度よりも低い第2解像度に変換するための変換条件が満たされるか否かを判別する。変換条件が満たされると判別すると、制御部203は、第1解像度の第1画像データを、第1解像度より低い第2解像度の第2画像データに変換し、第2画像データを記憶部201に保存する。その後、制御部203は、第1画像データを記憶部201から削除する。この変換によって画像データのサイズが小さくなる。第1画像データが第2画像データに変換されると、それ以降、第1解像度で作成された第1画像データが再びアップロードされるまで、閲覧者端末130に提供される画像データは第2画像データとなる。
【0064】
閲覧者端末130からの閲覧要求に応じて閲覧者端末130に提供される画像データを、公開画像データと呼ぶ。第2画像データが作成される前では、第1画像データが公開画像データとなり、第2画像データが作成された後では、第2画像データが公開画像データとなる。
【0065】
記憶部201が、公開用識別名に対応付けて公開者が公開する公開画像データとして、第1解像度で作成された第1画像データ、又は、第2解像度で作成された第2画像データが記憶される画像記憶部601として機能する。
【0066】
画像データを含む商品ページを表示させる指示が閲覧者から閲覧者端末130に入力され、閲覧者端末130から画像データを含む商品データを送信する旨の閲覧要求を受信すると、制御部203は、指定された公開用識別名に対応する公開画像データ(第1画像データと第2画像データとのうちのいずれか)を記憶部201から取得して閲覧者端末130へ送信する。
【0067】
制御部203と通信部202が協働して、公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部601に記憶される公開画像データを閲覧者に提供する提供部602として機能する。
【0068】
図7に、第1画像データと第2画像データの構成例を示す。第1画像データは、横がX1個、縦がY1個、合計Z1(=X1*Y1)個の画素から構成される。一方、第2画像データは、横がX2個、縦がY2個、合計Z2(=X2*Y2)個の画素から構成される。X2<X1、且つ、Y2<Y1である。第2画像データは第1画像データよりも小さくディスプレイ451に表示される。
【0069】
あるいは、制御部203は、
図8に示すように、表示サイズを変更せず、各画素の大きさを変更して解像度を下げることにより、第1画像データを第2画像データに変換する。
【0070】
例えば、制御部203は、第1画像データと第2画像データの表示サイズを同じにする一方で、第2画像データの画素数を、第1画像データの画素数よりも少なくする。この場合、第1画像データと第2画像データは同じ大きさでディスプレイ451に表示されるものの、第1画像データよりも第2画像データの目が粗くなる。
【0071】
また、制御部203は、第1画像データと第2画像データの表示サイズを同じにする一方で、第2画像データに含まれる色数を、第1画像データに含まれる色数よりも少なくしてもよい。この場合、第1画像データと第2画像データは同じ大きさでディスプレイ451に表示されるものの、例えば第1画像データが24ビットカラーで第2画像データが8ビットカラーといったように、第1画像データよりも第2画像データの画質が劣化する。
【0072】
なお、制御部203は、表示サイズの変更と画素数の変更と色数の変更とを任意に組み合わせることができる。例えば、制御部203は、第1画像データの表示サイズを小さくし、且つ、画素数を少なくし、且つ、色数を少なくすることにより、第2画像データを作成してもよい。
【0073】
第1画像データを第2画像データに変換する際に用いられるアルゴリズムは本発明によって限定されないが、例えば、誤差拡散法、メディアンカット法、等によるディザリングの手法が用いられる。
【0074】
変換条件とは、具体的には例えば、「公開者から公開画像データを削除する旨の削除要求があったこと」である。制御部203は、認証処理により正しい公開者からのアクセスであると判別し、且つ、そのアクセスがあった公開者から公開画像データを削除する削除要求を公開者端末140から受信すると、変換条件が満たされたと判別し、第1画像データを第2画像データに変換する。そして、制御部203は、第1画像データを削除し、第2画像データを公開画像データに設定する。閲覧者に提供される公開画像データは、第1画像データから第2画像データに変更される。
【0075】
制御部203が、公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部601に記憶される公開画像データを、第1画像データから第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する更新部603として機能する。
【0076】
認証処理では、制御部203は、公開者端末140から受信したユーザ名及びパスワードが、画像管理サーバ120に予め登録されたユーザ名及びパスワードと合致すれば、正しい公開者であると判別し、合致しなければ、正しい公開者ではないと判別する。公開者端末140は、正しい公開者からの入力でなければ、公開画像データを画像管理サーバ120から削除する削除要求を送信することはできない。認証の方法は本発明によって限定されない。
【0077】
変換条件は、「公開者から公開画像データを削除する旨の削除要求があり、且つ、予め登録された公開者端末140からその削除要求が送信されたこと」でもよい。この場合、制御部203は、認証処理において、公開者端末140から受信したユーザ名及びパスワード及びコンピュータ識別子が、画像管理サーバ120に予め登録されたユーザ名及びパスワード及びコンピュータ識別子と合致すれば、削除権限を有する公開者端末140であると判別し、合致しなければ、削除権限を有する公開者端末140ではないと判別する。公開画像データの削除要求は、予め決められた公開者端末140から送信されなければならないので、不正アクセスの可能性が減り、安全性が増す。
【0078】
コンピュータ識別子は、例えば、コンピュータ名、IP(Internet Protocol)アドレス、MAC(Media Access Control)アドレス、オペレーティングシステムのACL(Access Control List)で用いられるセキュリティ識別子等であり、コンピュータを一意に特定可能な情報である。
【0079】
変換条件はこれらに限定されない。また、変換条件が満たされると第2画像データに変換される第1画像データと、変換条件にかかわらず変換されない第1画像データとが混在していてもよい。
【0080】
例えば、公開者端末140が、第1画像データを画像管理サーバ120へアップロードする際に画像管理処理の対象とするか否かの指定を公開者から受け付けて画像管理サーバ120に通知し、画像管理サーバ120が、通知された内容を記憶し、画像管理処理の対象に指定された第1画像データのみを第2画像データに変換するようにしてもよい。
【0081】
また、制御部203は、第1画像データが公開画像データに設定されてから予め決められた初期期間(例えば公開後3ヶ月間等)における第1画像データへの閲覧要求の数(アクセス数)に基づいて、第1画像データを変換対象にするか否かを決定してもよい。例えば、制御部203は、第1画像データの公開後の初期期間における閲覧要求の数が閾値未満であれば、その第1画像データを変換の対象とし、閾値以上であれば、その第1画像データを変換の対象としない。そして、制御部203は、変換条件が満たされると、閲覧要求の数が閾値未満の第1画像データを第2画像データに変換する。
【0082】
制御部203は、第1画像データを削除する削除要求を公開者端末140から受信すると、第1画像データを第2画像データに変換し、第2画像データを閲覧可能な状態で保存し、第1画像データを削除する。その後、予め決められた削除条件が更に満たされれば、第2画像データを削除する。つまり、公開画像データが削除されるためには、変換条件が満たされた後に、更に削除条件が満たされる必要がある。
【0083】
削除条件とは、具体的には例えば、「第1画像データが第2画像データに変換された後、予め決められた猶予期間が経過するまでの間に、公開用識別名が指定された閲覧要求を受信しないこと」である。例えば猶予期間を1ヶ月とするとき、ある商品ページに含まれる第1画像データが第2画像データに変換された後、1ヶ月以内に、どの閲覧者端末130からもその商品ページへのアクセスが無ければ、制御部203は、第2画像データを記憶部201から削除する。第2画像データが削除された分、記憶部201には空き領域が生じる。
【0084】
制御部203は、公開用識別名が指定された閲覧要求が1回もないことを削除条件とする代わりに、公開用識別名が指定された閲覧要求が任意の所定回数未満であることを削除条件としてもよい。例えば、猶予期間を1ヶ月とし且つ所定回数を10回とするとき、ある商品ページに含まれる第1画像データが第2画像データに変換された後、1ヶ月以内に、閲覧者端末130からのその商品ページへのアクセスが10回未満であれば、制御部203は、第2画像データを記憶部201から削除する。
【0085】
猶予期間の長さは任意であり、すべての公開画像データについて共通の期間長が設定されてもよいし、公開画像データごとに異なる期間長が設定されてもよい。
【0086】
例えば、制御部203は、公開画像データが初めてアップロードされてから、その公開画像データを削除する削除要求を受信するまで、の時間の長さに応じて、猶予期間の長さを設定してもよい。
【0087】
公開されている期間が長いほど、閲覧者の目に触れる機会が多かったわけであり、解像度が劣化されることにより閲覧者に与える影響はより大きいと推測される。そこで、制御部203は、公開画像データが初めてアップロードされた日時から、その公開画像データを削除する削除要求を受信した日時まで、の時間の長さが長いほど、猶予期間を長く設定してもよい。
【0088】
あるいは、制御部203は、公開画像データが初めてアップロードされた日時から、その公開画像データを削除する削除要求を受信した日時まで、の公開画像データへの閲覧要求の数(アクセス数)が多いほど、猶予期間を長く設定してもよい。
【0089】
なお、商品ページのURL(Uniform Resource Locator)が指定される代わりに、公開画像データの格納場所を示すURLが閲覧者によって直接指定される可能性があるので、閲覧要求は、公開画像データを含む商品ページへのアクセスに限らず、公開画像データへの直接的なアクセスであってもよい。
【0090】
制御部203が、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部601に記憶される公開画像データが第1画像データから第2画像データへ更新された後、猶予期間が経過するまでの間に、公開用識別名が指定された閲覧要求が受信されなければ、画像記憶部601から公開用識別名に対応付けられて記憶された公開画像データを削除する削除部604として機能する。
【0091】
なお、提供部602(提供部602として機能する制御部203)は、公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、その旨を削除部604に通知する。削除部604は、猶予期間が経過するまでに上記通知がなければ、猶予期間中に閲覧要求が受信されなかったと判別し、公開用識別名に対応付けられた公開画像データを削除する。一方、削除部604は、猶予期間が経過するまでに上記通知があれば、猶予期間中に閲覧要求が受信されたと判別する。この場合、削除部604は、上記公開画像データを削除しない。
【0092】
また、猶予期間中の閲覧要求が所定回数未満であることが公開画像データの削除条件である場合、削除部604は、提供部602から公開用識別名が指定された閲覧要求を受信した旨の通知があった回数を公開用識別名ごとに記憶し、猶予期間が経過したときに各公開用識別名について閲覧要求が所定回数未満であるか否かを判別する。そして、閲覧要求が所定回数未満である公開用識別名に対応付けられた公開画像データを削除する。
【0093】
なお、上記例では、閲覧要求があったときだけその旨を削除部604に通知したが、削除部604が閲覧要求の有無を判別可能であれば他の通知方法を採用してもよく、例えば、閲覧要求がなかったときだけその旨を削除部604に通知してもよい。また、閲覧要求の有無にかかわらず、いずれの場合であっても必ず通知を行うようにしても構わない。
【0094】
公開者が公開者端末140を用いて第1画像データの削除を画像管理サーバ120に要求した後(削除要求の送信後)に、その公開者自身が、例えば画像の品質を確認するために、あるいは商品データのメンテナンスのために、第2画像データを閲覧することがある。ここで、削除条件において考慮される閲覧要求に、閲覧者端末130からの閲覧要求だけでなく公開者端末140からの閲覧要求も含めてしまうと、削除条件はほとんどの場合に満たされなくなる可能性がある。そこで、制御部203は、閲覧要求を受信したとしても、その閲覧要求の送信元が削除要求の送信元と同じであれば、削除要件が満たされるか否かの判別において、その閲覧要求は無かったものとみなしてもよい。
【0095】
つまり、制御部203は、削除条件を「第1画像データが第2画像データに変換された後、猶予期間が経過するまでの間に、公開用識別名が指定された閲覧要求を、閲覧者端末130から受信しないこと」としてもよい。この場合、第1画像データが第2画像データに変換された後、猶予期間が経過するまでの間に、公開者端末140から閲覧要求を受信しても、削除条件が満たされるか否かの判別には影響しない。制御部203は、削除要求の送信元とは異なる送信元からの閲覧要求が猶予期間内に受信されなければ、第2画像データを記憶部201から削除する。
【0096】
制御部203は、第1画像データが第2画像データに変換された後、猶予期間が経過するまでの間に、公開用識別名が指定された閲覧要求があると、公開画像データとして再び第1画像データを画像管理サーバ120に保存するように公開者に通知してもよい。そして、公開者端末140から第1画像データが再び送信されると、制御部203は、第2画像データを削除し、第1画像データを公開画像データとして再び設定してもよい。この場合も、閲覧要求の送信元が削除要求の送信元と異なっていることを削除条件に加えることが望ましい。
【0097】
つまり、解像度が劣化された第2画像データへの閲覧要求があったということは、閲覧者のその商品への関心度が低くはないということであり、解像度を上げたほうが閲覧者の購買意欲をかき立てるかもしれない。そこで、削除要求があった後に閲覧要求があった商品の公開画像データについては、元の解像度に戻すことを公開者に提案するわけである。
【0098】
制御部203は、第1画像データが第2画像データに変換された後、猶予期間が経過するまでの間の閲覧要求の数(アクセス数)を、公開者に通知してもよい。アクセス数は、閲覧者の商品への関心の大きさを示す尺度となり得るので、公開者にとって公開画像データとして再び第1画像データを画像管理サーバ120に保存したほうが良いか否かの判断材料になる。
【0099】
制御部203と通信部202が協働して、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部601に記憶される公開画像データが第1画像データから第2画像データへ更新された後、猶予期間が経過するまでの間に、公開用識別名が指定された閲覧要求が受信されると、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部601に記憶される公開画像データとして第1画像データを画像記憶部601に再度記憶させるように公開者端末140に通知する通知部605として機能する。
【0100】
削除条件は、「第1画像データが第2画像データに変換された後、再び削除要求があったこと」でもよい。制御部203は、1回目の削除要求を受信して第1画像データを第2画像データに変換した後、2回目の削除要求を受信すると、第2画像データを記憶部201から削除する。この場合、公開者は、公開画像データを削除したければ、公開者端末140を用いて2回削除要求を出さねばならない。
【0101】
削除条件は、「第1画像データが第2画像データに変換された後、猶予期間が経過すること」でもよい。例えば、猶予期間を1ヶ月とすると、ある商品ページに含まれる第1画像データが第2画像データに変換された後、1ヶ月が経過すると、制御部203は、第2画像データを記憶部201から削除する。この場合、公開画像データの削除は猶予期間だけ保留され、猶予期間内に削除要求がキャンセルされなければ、アクセスがあったか無かったかにかかわらず、公開画像データは自動的に削除される。
【0102】
次に、画像管理処理の流れについて、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0103】
まず、制御部203は、第1解像度で作成された第1画像データを含む商品データを公開者端末140から受信すると、第1画像データを閲覧者端末130から閲覧可能な状態で記憶部201に保存する(ステップS901)。
【0104】
制御部203は、第1画像データを公開画像データに設定する(ステップS902)。
【0105】
第1画像データが公開画像データに設定されている間に、第1画像データに対応する商品データへの閲覧要求を受信すると、制御部203は第1画像データを含む商品データを閲覧者端末130へ送信し、閲覧者端末130は受信した第1画像データを含む商品データをディスプレイ451に表示することとなる。
【0106】
制御部203は、変換条件が満たされるか否かを判別する(ステップS903)。
【0107】
例えば、変換条件が「公開者から第1画像データを削除する旨の削除要求があったこと」とした場合、制御部203は、公開者端末140から削除要求を受信すると、変換条件が満たされたと判別し、削除要求が無い間は変換条件が満たされないと判別する。
【0108】
変換条件が満たされないと判別した場合(ステップS903;NO)、制御部203は画像管理処理を終了する。この場合、引き続き第1画像データが公開画像データに設定される。
【0109】
変換条件が満たされると判別した場合(ステップS903;YES)、制御部203は、予め決められたアルゴリズムを用いて第1画像データを第2画像データに変換し(ステップS904)、第2画像データを記憶部201に保存する(ステップS905)。
【0110】
制御部203は、第1画像データを記憶部201から削除する(ステップS906)。
【0111】
制御部203は、第2画像データを公開画像データに設定する(ステップS907)。
【0112】
つまり、制御部203は、公開者から公開画像データを削除する旨の削除要求があっても、直ちに公開画像データを記憶部201から削除するのではなく、解像度を下げてデータサイズを小さくした第2画像データを作成し、第1画像データの代わりに第2画像データを閲覧可能にする。
【0113】
第2画像データが公開画像データに設定されている間に、第2画像データに対応する商品データへの閲覧要求があると、制御部203は第2画像データを含む商品データを閲覧者端末130へ送信し、閲覧者端末130は受信した第2画像データを含む商品データをディスプレイ451に表示することとなる。
【0114】
もし、削除要求を受信した後に直ちに第1画像データを記憶部201から削除することとすると、削除後に閲覧要求があった場合に閲覧者端末130には商品を示す画像データが全く提供されなくなり、閲覧者は商品の画像を一切見られないことになってしまう。しかし、直ちに第1画像データを削除するのではなく、一旦画質を落としつつも第2画像データを閲覧可能とすることで、公開者の手を煩わせることなく、閲覧者には引き続き商品の画像を提供でき、且つ、データ容量を節約することができるようになる。
【0115】
制御部203は、削除条件が満たされたか否かを判別する(ステップS908)。
【0116】
削除条件が満たされないと判別した場合(ステップS908;NO)、画像管理処理を終了する。この場合、引き続き第2画像データが公開画像データに設定される。
【0117】
削除条件が満たされると判別した場合(ステップS908;YES)、制御部203は、第2画像データを記憶部201から削除する(ステップS909)。
【0118】
本実施形態によれば、画像管理システム100は、画像データを格納するために必要な記憶領域を節約しつつ、データの削除に伴って閲覧者に与える影響を小さくすることができる。
【0119】
例えば、公開者が商品データの入れ替えや商品データの追加・削除・更新を行うときに、公開画像データを誤って削除してしまう可能性がある。公開画像データが誤って削除され、公開者が気づかないまま放置されると、閲覧者は、商品の画像を一切見られないことになってしまう。しかし、本実施形態によれば、削除要求を出しても公開画像データが直ちに削除されるわけではなく、解像度が劣化しつつも引き続き閲覧可能であるので、データ容量を節約しつつ、閲覧者が商品の画像を全く見られないといった事態を回避することができる。
【0120】
また、閲覧者による需要があるにもかかわらず、公開者が公開画像データを削除する可能性がある。しかし、本実施形態によれば、第1画像データが第2画像データに変換され、第2画像データが公開画像データとなった後、閲覧者から閲覧要求があれば、解像度が低い第2画像データを解像度が高い第1画像データに戻すように公開者に通知するように構成することが可能なので、公開者は、需要の有無を判断した後に必要な分だけ公開画像データを元に戻すことができる。
【0121】
また、出品数が多い公開者は、多くの画像データを画像管理サーバ120に登録する必要があるが、使用できる記憶容量に制限があるため、登録できる画像データの数にも限りがある。しかし、本実施形態によれば、アクセス数が少ない画像データを劣化させることにより自動的にデータサイズを小さくすることで、既に登録した画像データを完全に削除することなく、新たに画像データを登録可能な記憶領域を確保することができる。
【0122】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0123】
公開者は、第1画像データのほかに、多数の画像データを一覧表示できるようにするために、本来の表示サイズより大幅に縮小させた画像データ、いわゆるサムネイルを使用することがある。サムネイルのデータサイズは、元の第1画像データよりも小さい。そこで、第2画像データとして、サムネイルを用いてもよい。すなわち、記憶部201は、第1解像度よりも低い第2解像度で作成され、且つ、第1画像データと同じ対象が描かれたサムネイル画像データを予め記憶し、制御部203は、変換条件が満たされると判別すると、第1解像度で作成された第1画像データを削除し、第1解像度よりも低い第2解像度で予め作成されたサムネイル画像データを、公開画像データに設定してもよい。
【0124】
第1画像データの中には、元々表示サイズが小さく、それ以上小さくすると視認性が大きく悪化するおそれがあるものがある。また、第1画像データの中には、元々色数が少なく、それ以上色数を減らすと視認性が大きく悪化するおそれがあるものがある。あるいは、2ビットカラーのようにそれ以上色数を減らせないことがある。そこで、制御部203は、解像度を劣化させることが可能か否かを判別してもよい。そして、制御部203は、変換条件が満たされると、解像度を劣化させることが可能であると判別すれば、第1画像データを第2画像データに変換し、解像度を劣化させることが不可能であると判別すれば、第1画像データを第2画像データに変換する代わりに、第1画像データを直ちに削除するようにしてもよい。
【0125】
なお、制御部203は、第1画像データを削除した後、第1画像データを記憶部201から削除した旨を公開者端末140に通知してもよい。
【0126】
あるいは、制御部203は、第1画像データを削除する前、第1画像データを記憶部201から削除する旨を公開者端末140に通知してもよい。そして、制御部203は、再び削除要求を受信すれば、第1画像データを記憶部201から削除し、削除要求がキャンセルされれば、第1画像データを記憶部201から削除しないようにしてもよい。
【0127】
また、制御部203は、解像度を劣化させることが可能か否かを、例えば定期的に、予め判別しておき、判別結果を記憶部201に記憶してもよい。そして、制御部203は、解像度を劣化させることが不可能であると判別した第1画像データへの閲覧要求があると、公開者端末140に、第1画像データよりも解像度を上げた第3画像データを公開画像データとしてアップロードし直すように通知してもよい。公開者は、この通知を見た後、解像度を上げた第3画像データを作成し、作成した第3画像データを、公開画像データとなるべき新たな第1画像データとして画像管理サーバ120にアップロードすることが望ましい。
【0128】
解像度を劣化可能か否かの判別基準は、画素数(ピクセル数)が所定の閾値未満か否か、色数が所定数未満か否か、等の条件によって予め定められる。例えば、制御部203は、第1画像データを構成する画素数が所定の閾値以上であれば、解像度を劣化可能であると判別し、第1画像データを構成する画素数が所定の閾値未満であれば、解像度を劣化不可能であると判別する。
【0129】
制御部203は、変換条件が満たされると第1画像データを第2画像データに変換して第2画像データを公開画像データに設定し、猶予期間が経過するまでの間に閲覧要求が無いと、第2画像データを削除する代わりに、第2画像データを第2解像度よりも更に低い第3解像度で作成された第3画像データに更新し、第3画像データを公開画像データに設定してもよい。
【0130】
同様にして、制御部203は、それ以上の解像度の劣化に耐えられないと推測されるまで、公開画像データの解像度を段階的に下げていってもよい。段階数は任意である。例えば、三段階であれば、制御部203は、削除要求を受信すると第1画像データの解像度を下げ、削除要求を受信してから第1の猶予期間が経過すると更に解像度を下げ、第1の猶予期間の経過後に第2の猶予期間が経過すると公開画像データを削除する。
【0131】
(変形例)
上記実施形態では、変換条件として削除要求の有無が考慮されている。しかし、削除要求の有無に因らない変換条件が定義されてもよい。
【0132】
例えば、変換条件は、「第1画像データが閲覧者に閲覧可能な状態に設定して保存されてから(公開されてから)、予め決められた判別期間が経過しても、その第1画像データへの閲覧要求が無かったこと」でもよい。例えば、判別期間を1ヶ月とすると、制御部203は、第1画像データが公開されてから1ヶ月が経過しても、その第1画像データへの閲覧要求が無い、もしくは、その第1画像データを含む商品ページへのアクセスが無いならば、変換条件が満たされたと判別し、第1画像データを第2画像データに変換する。
【0133】
この場合、第1画像データは、公開者端末140からの削除要求が無くても、判別期間が経過すれば自動的に、第2画像データに変換される。
【0134】
この判別期間は、変換条件が満たされるか否かの判別に用いられる期間であって、判別期間が過ぎた後に商品ページが閲覧不可能になるわけではない。判別期間が過ぎた後であっても、閲覧要求があれば、公開画像データは閲覧者端末130に提供される。判別期間の経過前後で、閲覧者に提供される画像の解像度が異なるだけである。
【0135】
判別期間の定義は任意であり、すべての商品について共通の期間長を設定してもよいし、商品ごとに異なる期間長を設定してもよい。
【0136】
なお、公開者は、公開画像データを画像管理サーバ120から削除したければ、公開者端末140を用いて削除要求を画像管理サーバ120に送信すればよい。
【0137】
画像管理システム100の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0138】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0139】
以上のように、本発明によれば、データの記憶領域を節約しつつ、データ削除に伴う閲覧者に与える影響を小さくすることができる。
画像管理サーバにおいて、画像記憶部(601)には、公開用識別名に対応付けて公開者が公開する公開画像データとして、第1解像度で作成された第1画像データが記憶される。提供部(602)は、公開用識別名が指定された閲覧要求を受信すると、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部(601)に記憶される公開画像データを閲覧者に提供する。更新部(603)は、公開用識別名が指定された削除要求を受信すると、公開用識別名に対応付けられて画像記憶部(601)に記憶される公開画像データを、第1画像データから第1解像度より低い第2解像度で作成された第2画像データに更新する。