【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的上のために、本発明は、第1のリザーバからの成分及び第2のリザーバからの成分の2種の成分を混合して、現場で溶液を作成するように構成される流体用指向性制御バルブを提供するものであって、当該バルブは、軸方向チャンバを画定し、前記第1のリザーバ及び供給ポンプに接続するよう設計される半径方向の第1及び第2の入口/出口(I/O)ポートと、前記溶液を出水可能とするように構成される半径方向の投与ポートとが設けられる本体であって、前記第1及び第2のI/Oポートと投与ポートとは前記チャンバに連通する、本体と;前記チャンバに収納され、各リンクチャンネルが通過する回転スプールであって、前記第2のリザーバに接続するように設計され、かつ前記リンクチャンネルに連通する軸方向の第3及び第4のI/Oポートが設けられる回転スプールと、を備え;前記リンクチャンネルは、第1の角度位置では、前記供給ポンプによって前記第1のリザーバと前記第2のリザーバとの間に前記成分を移送可能とするように、前記第1のI/Oポートを前記第3のI/Oポートに接続させ、前記第2のI/Oポートと前記第4のI/Oポートとを閉成するように、前記本体に相対するスプールの角度位置に依存して、第1、第2、第3及び第4のI/Oポートと前記投与ポートとを、選択的に及び流体流のために、前記リンクチャンネルは相互接続するように配置され;
・第2の角度位置では、前記供給ポンプにより前記第1及び第2のリザーバの間に混合液を移送かつ混合可能とするように、前記各リンクチャンネルは、前記前記第1のI/Oポートを前記第3のI/Oポートに接続し、前記第2のI/Oポートを前記第4のI/Oポートに接続する;
・第3の角度位置では、前記供給ポンプにより、結果として得られた溶液を投与可能とするように、前記各リンクチャンネルは、前記前記第1のI/Oポートを前記投与ポートに接続し、かつ前記第2のI/Oポート、前記第3のI/Oポート及び前記第4のI/Oポートを閉成する;
ように前記リンクチャンネルが配置される流体用指向性制御バルブを提供することにある。
【0010】
本明細書では、用語「第1」、「第2」及び「第3」は、類似要素をそれぞれ識別するために、非制限的に用いられる。
【0011】
本発明の背後に存する基本理念は、5/3タイプ、すなわち、5ポートと3つのポジションとを持つ簡易な設計でかつ扱いが容易である指向性制御バルブを得ることを可能とする、リンクチャンネル用の特別な構成を提供することである。
【0012】
本発明のバルブの第1の実施の形態では、前記リンクチャンネルは以下の3つのリンクチャンネルを備え;
・前記第1のリンクチャンネルは逆T字状であって、前記第3のI/Oポートが設けられる中央分枝、第1の半径方向開口部が設けられる第1の半径方向分枝、及び第2の半径方向開口部が設けられる第2の半径方向分枝を有し、
前記第1のリンクチャンネルは、
−前記第1の角度位置では、前記第1の半径方向開口部は前記第1のI/Oポートと一致して位置付けられ、第2の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
−前記第2の角度位置では、前記第2の半径方向開口部は前記第1のI/Oポートと一致して位置付けられ、第1の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
−前記第3の角度位置では、前記第1及び第2の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
ように配置され;
・第2のリンクチャンネルは逆L字形状であって、前記第4のI/Oポートが設けられる長手状バー、及び半径方向開口部が設けられた短手状バーを有し、
前記第2のリンクチャンネルは、
−前記第1及び第3の角度位置では、前記第1の半径方向開口部はチャンバの壁により閉成される;
−前記第2の角度位置では、前記半径方向開口部は、前記第2のI/Oポートと一致して位置付けられる;
ように前記第2のリンクチャンネルは配置され;
・第3のリンクチャンネルは、前記スプールを半径方向に通過し、第1の半径方向開口部及び第2の半径方向開口部が設けられ、
前記第3のリンクチャンネルは、
−前記第1及び第2の角度位置では、前記第1及び第2の半径方向開口部はチャンバの壁により閉成される;
−前記第3の角度位置では、前記第1の半径方向開口部は前記第1のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第2の半径方向開口部は前記投与ポートと一致して位置付けられる;
ように配置される。
【0013】
本発明のバルブの第1の実施の形態は以下の特徴を有してよい:
・前記第1のリンクチャンネルの前記第1及び第2の半径方向開口部の各軸と、前記第3のリンクチャンネルの前記第1の半径方向開口部の軸と、前記第1のI/Oポートとは、第1の半径方向平面に位置し;
・前記第2のリンクチャンネルの前記半径方向開口部の軸と前記第2のI/Oポートとは、第1の半径方向平面と異なる第2の半径方向平面に位置し;
・前記第3のリンクチャンネルの第2の半径方向開口部の軸と投与ポートとは、第1及び第2の半径方向平面と異なる第3の半径方向平面に位置する。
【0014】
本発明のバルブの第1の実施の形態は以下の特徴を有してよい:
前記第1及び第2の角度位置間の移行は前記本体での2分の1の旋回を介した前記スプールの旋回によって得られ、また、前記第1及び第3の角度位置間の移行並びに前記第2及び第3の角度位置間の移行が、それぞれ前記本体での4分の1の旋回を介した前記スプールの旋回によって得られように;
・前記第1のI/Oポート、前記第2のI/Oポート及び前記投与ポートは、前記本体の同一の中間平面に位置付けられ、また、前記第1及び第2のリンクチャンネルは、前記スプールの同一の第1の軸方向平面に位置付けられ;及び
前記第3のリンクチャンネルは、前記第1の軸方向平面に対して角度的に90度偏っている前記スプールの第2の軸方向平面に位置付けられる。
【0015】
本発明のバルブの第2及び第3の実施の形態では、前記リンクチャンネルは下記の2つのリンクチャンネルを備えるもので:
・第1のリンクチャンネルは逆L字状であって、複数の短手状バーが設けられ、前記第4のI/Oポートが設けられるその長手状バーを有し、第1の半径方向開口部が設けられるその各短手状バーのうちの第1のバーを有し、第2の半径方向開口部が設けられるその各短手状バーのうちの第2のバーを有し、第3の半径方向開口部が設けられるその各短手状バーのうちの第3のバーを有し;
−前記第1の角度位置では、前記第1、第2及び第3の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
−前記第2の角度位置では、前記第2の半径方向開口部は前記第1のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第1及び第3の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;また
−前記第3の角度位置では、前記第3の半径方向開口部は、前記第1のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第1半径方向開口部は前記投与ポートと一致して位置づけられ、前記第2半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
ように前記第1のリンクチャンネルは配置され、更に、
・第2のリンクチャンネルは逆T字状であって、複数の半径方向分枝が設けられ、前記第3のI/Oポートが設けられるその中央分枝を有し、第1の半径方向開口部が設けられるその各半径方向分枝の第1の分枝を有し、第2の半径方向開口部が設けられるその各半径方向分枝の第2の分枝を有し、また第3の半径方向開口部が設けられるその各半径方向分枝の第3の分枝を有し;
−前記第1の角度位置では、前記第1の半径方向開口部は前記第2のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第2及び第3の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
−前記第2の角度位置では、前記第2の半径方向開口部は前記第2のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第1及び第3の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
−前記第3の角度位置では、前記第3の半径方向開口部は前記第2のI/Oポートと一致して位置付けられ、前記第2及び第3の半径方向開口部は前記チャンバの壁により閉成される;
ように前記第2のリンクチャンネルが配置される。
【0016】
第2の実施の形態では、流体用指向性制御バルブは以下の特徴の全てを有してよい:
・前記第1のリンクチャンネルの前記第2及び第3の半径方向開口部の各軸と前記第1のI/Oポートとは第1の半径方向平面に位置し;
・前記第2リンクチャンネルの前記第1、第2及び第3の半径方向開口部の各軸と前記第2のI/Oポートとは第2の半径方向平面に位置し;また
・前記第1のリンクチャンネルの前記第1の半径方向開口部の軸と前記投与ポートとは、前記第1及び第2の半径方向平面とは異なる第3の半径方向平面に位置する。
【0017】
第2の実施の形態では、流体用指向性制御バルブは以下の特徴を有してよい:
・前記第1及び第2のI/Oポートと前記投与ポートとは、実質的に前記本体の同一の中間平面に位置付けられ、前記第1のリンクチャンネルは、前記第1及び第2の角度位置間の移行が前記本体での2分の1の旋回を介した前記スプールの旋回によって獲得されるように、前記スプールの第1の軸方向平面に位置付けられ;
・前記第2のリンクチャンネルの前記第1及び第3の半径方向開口部は前記スプールの第2の軸方向平面に位置付けられ、前記第2の半径方向開口部は、前記第1及び第3の位置の間の移行と前記第2及び第3の位置の間の移行とがそれぞれ前記本体での4分の1の旋回を介した前記スプールの旋回によって獲得されるように、前記第2の軸方向平面に対して角度的に約90度偏った、前記スプールの第3の軸方向平面に位置付けられる。
【0018】
第3に実施の形態では、流体用指向性制御バルブは、以下の特徴の全てを有してよい:
・前記第1のリンクチャンネルの前記第1及び第3の半径方向開口部の各軸と前記第1のI/Oポートとは第1の半径方向平面に位置し;
・前記第2のリンクチャンネルの前記第1、第2及び第3の半径方向開口部の各軸と前記第2のI/Oポートとは第2の半径方向平面に位置し;また
・前記第1のリンクチャンネルの前記第2の半径方向開口部の軸と前記投与ポートとは、前記第1及び第2の半径方向平面とは異なる第3の半径方向平面に位置する。
【0019】
利益的な様態では、指向性制御バルブは、前記スプールと前記本体との間に設けられる環状シールを更に備えるものであって、前記環状シールは、前記第1のリンクチャンネルの前記第1の半径方向開口部、前記第2の半径方向開口部及び前記第3の半径方向開口部と、前記第2のリンクチャンネルの前記第1の半径方向開口部、前記第2の半径方向開口部及び前記第3の半径方向開口部と、前記第3のリンクチャンネルの前記第1の半径方向開口部及び前記第2の半径方向開口部と一致するように設計される孔が貫通する中実部であって、前記各リンクチャンネル間で選択的な封止を提供するように配置される中実部を有する。
【0020】
本発明は、第1及び第2のリザーバからの2種の成分を混合することで得られる溶液を現場で作製し投与するための現場作製投与装置を提供し、前記現場作製投与装置は、本体及び前記本体内で回転移動するために搭載されるスプールを備える流体用指向性制御バルブと、前記スプールを駆動するモータ駆動手段と、前記第1及び第2のI/Oポートを相互接続するように配置される流体流回路要素と、を含み、前記現場作製投与装置は、上記に記載の指向性制御バルブと、前記スプールを駆動するためのモータ駆動手段と、前記第1及び第2のI/Oポートと前記第1のリザーバとを相互接続するように配置される前記流体流回路要素と、前記流体流回路要素に接続される供給ポンプと、を含むことを特徴とする。