(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122503
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】無線端末
(51)【国際特許分類】
H04B 1/3827 20150101AFI20170417BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20170417BHJP
H01Q 1/52 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
H04B1/3827
H01Q21/28
H01Q1/52
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-540994(P2015-540994)
(86)(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公表番号】特表2016-504796(P2016-504796A)
(43)【公表日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】CN2013080395
(87)【国際公開番号】WO2015013880
(87)【国際公開日】20150205
【審査請求日】2015年5月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】512165101
【氏名又は名称】▲華▼▲為▼終端有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI DEVICE CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼ 亮
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲漢▼▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】柳 青
(72)【発明者】
【氏名】徐 慧梁
(72)【発明者】
【氏名】範 穀
(72)【発明者】
【氏名】蘭 ▲堯▼
(72)【発明者】
【氏名】隆 仲▲瑩▼
(72)【発明者】
【氏名】屠 ▲東▼▲興▼
【審査官】
佐藤 敬介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−246560(JP,A)
【文献】
特表2011−512740(JP,A)
【文献】
特開2012−253641(JP,A)
【文献】
特開2009−033548(JP,A)
【文献】
特開2011−120071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/38−1/58
H01Q 1/52
H01Q 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアンテナと、第2のアンテナと、プリント回路基板と、ブラケットと、共振器とを有し、
前記第1のアンテナは、前記プリント回路基板の一方側に位置し、前記第2のアンテナは、前記プリント回路基板の他方側に位置し、前記プリント回路基板は、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの金属の接地として機能し、前記共振器は、前記ブラケット上に位置し、前記共振器の接地点は、前記プリント回路基板上に位置し、前記共振器と前記プリント回路基板との間に隙間が存在する無線端末。
【請求項2】
前記ブラケットは、前記プリント回路基板の表面に配置される、或いは、前記表面に対して垂直である前記プリント回路基板の側面に配置される、請求項1に記載の無線端末。
【請求項3】
前記無線端末は、筐体を更に含み、前記ブラケットは、前記無線端末の前記筐体上に配置される、請求項1に記載の無線端末。
【請求項4】
前記ブラケットは、前記無線端末の筐体である、請求項1に記載の無線端末。
【請求項5】
金属層が前記プリント回路基板の上面に配置される、或いは、金属層が前記プリント回路基板の下面に配置される、或いは、金属層が前記プリント回路基板内に配置される、請求項1ないし4のうちいずれか1項に記載の無線端末。
【請求項6】
前記第1のアンテナが前記プリント回路基板の一方側に位置し、前記第2のアンテナが前記プリント回路基板の他方側に位置することは、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが前記プリント回路基板の2つの反対側に別々に位置すること、又は、
前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナが前記プリント回路基板の2つの隣接する側に別々に位置することである、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の無線端末。
【請求項7】
前記共振器の接地点が前記プリント回路基板上に位置することは、
前記共振器の前記接地点が前記プリント回路基板上に前記第1のアンテナと前記第2のアンテナとの間に位置することである、請求項1ないし6のうちいずれか1項に記載の無線端末。
【請求項8】
前記共振器は、高及び低周波数の金属オープンスタブ、クローズド金属スタブ、モノポールアンテナの形式の金属スタブ、又はinverted-Fアンテナの形状の金属スタブの1つ又はいずれかの組み合わせである、請求項1ないし7のうちいずれか1項に記載の無線端末。
【請求項9】
前記共振器は、ひとまとまりの構成要素に電気的に接続され、前記ひとまとまりの構成要素は、前記プリント回路基板上に位置する、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の無線端末。
【請求項10】
前記共振器は、スイッチアセンブリを通じて前記ひとまとまりの構成要素に電気的に接続され、前記ひとまとまりの構成要素は、少なくとも2つのマッチング回路を含み、異なるマッチング回路は、異なる動作周波数に対応し、前記スイッチアセンブリは、前記共振器の共振点がマッチング回路に対応する動作周波数を切り替えることを可能にするために、前記少なくとも2つのマッチング回路を切り替えるように構成される、請求項9に記載の無線端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信の分野に関し、特に無線端末に関する。
【背景技術】
【0002】
マルチモード(GSM(Global System for Mobile Communications)/WCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)/CDMA(Code Division Multiple Access)/LTE(Long Term Evolution))及び受信ダイバーシチ技術を有する無線端末は、将来における業界の主要な開発方向になる。無線端末のサイズにより制限されるため、無線端末における複数のアンテナの間の間隔は互いに近くなる。複数のアンテナの動作周波数帯域が重なると、複数のアンテナの間で相互カップリング(mutual coupling)が生じ、アンテナの放射効率に影響を及ぼす。例えば、無線端末のダイバーシチアンテナシステムでは、電磁気波のカップリング効果が主アンテナとダイバーシチアンテナとの間に客観的に存在する。このカップリング効果は、低周波数のダイバーシチアンテナシステムで特に強い。主な理由の分析は以下の通りである。1つの側面では、主アンテナ及びダイバーシチアンテナは金属の接地を共有しており、金属の接地は、主アンテナ及びダイバーシチアンテナの主な放射体であり、主アンテナとダイバーシチアンテナとの間に比較的強い共通の接地カップリング(ground coupling)が存在する。他の側面では、主アンテナとダイバーシチアンテナとの間に空間カップリング(spatial coupling)が存在し、低周波数帯域の場合、前述の空間カップリングは、主アンテナとダイバーシチアンテナとの間の小さい空間のため比較的強くなる。主アンテナが送信状態で動作する場合、主アンテナとダイバーシチアンテナとの間のカップリング効果のため、ダイバーシチアンテナは、主アンテナから放射された電磁気波を“受信及び消費”する装置になる。このことは、主アンテナの放射効率を低減する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
現在、アンテナが動作状態になったときに金属の接地における電流分布を変化させるために、共振デバイスをアンテナ間の金属の接地に取り付け、これにより、アンテナ間の隔離を改善する方法がある。しかし、共振デバイスは全て金属により囲まれており、開放的でない構造であるため、アンテナの放射エネルギーの一部は、伝導及び誘電ロスのため共振器内の熱に変換され、アンテナの放射効率が低減される。
【0004】
アンテナの放射効率を改善するための無線端末が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の技術的課題を解決するため、本発明の実施例は、以下の技術的対策を開示する。
【0006】
第1の態様によれば、第1のアンテナと、第2のアンテナと、プリント回路基板と、ブラケットと、共振器とを含む無線端末が提供され、第1のアンテナは、プリント回路基板の一方側に位置し、第2のアンテナは、プリント回路基板の他方側に位置し、プリント回路基板は、第1のアンテナ及び第2のアンテナの金属の接地として機能し、共振器は、ブラケット上に位置し、共振器の接地点は、プリント回路基板上に位置し、共振器とプリント回路基板との間に隙間が存在する。
【0007】
前述の第1の態様を参照して、第1の可能な実装方法では、ブラケットは、プリント回路基板の表面に配置される、或いは、表面に対して垂直であるプリント回路基板の側面に配置される。
【0008】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法を参照して、第2の可能な実装方法では、無線端末は、筐体を更に含み、ブラケットは、無線端末の筐体上に配置される。
【0009】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法を参照して、第3の可能な実装方法では、ブラケットは、無線端末の筐体である。
【0010】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法を参照して、第4の可能な実装方法では、金属層がプリント回路基板の上面に配置される、或いは、金属層がプリント回路基板の下面に配置される、或いは、金属層がプリント回路基板内に配置される。
【0011】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法及び/又は第4の可能な実装方法を参照して、第5の可能な実装方法では、第1のアンテナがプリント回路基板の一方側に位置し、第2のアンテナがプリント回路基板の他方側に位置することは、特に、第1のアンテナ及び第2のアンテナがプリント回路基板の2つの反対側に別々に位置すること、又は、第1のアンテナ及び第2のアンテナがプリント回路基板の2つの隣接する側に別々に位置することである。
【0012】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法及び/又は第4の可能な実装方法及び/又は第5の可能な実装方法を参照して、第6の可能な実装方法では、共振器の接地点がプリント回路基板上に位置することは、特に、共振器の接地点がプリント回路基板上に第1のアンテナと第2のアンテナとの間に位置することである。
【0013】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法及び/又は第4の可能な実装方法及び/又は第5の可能な実装方法及び/又は第6の可能な実装方法を参照して、第7の可能な実装方法では、共振器は、特に、高及び低周波数の金属オープンスタブ、クローズド金属スタブ、モノポールアンテナの形式の金属スタブ、又はinverted-Fアンテナの形状の金属スタブの1つ又はいずれかの組み合わせである。
【0014】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法及び/又は第4の可能な実装方法及び/又は第5の可能な実装方法及び/又は第6の可能な実装方法及び/又は第7の可能な実装方法を参照して、第8の可能な実装方法では、共振器は、ひとまとまりの構成要素に電気的に接続され、ひとまとまりの構成要素は、プリント回路基板上に位置する。
【0015】
前述の第1の態様及び/又は第1の可能な実装方法及び/又は第2の可能な実装方法及び/又は第3の可能な実装方法及び/又は第4の可能な実装方法及び/又は第5の可能な実装方法及び/又は第6の可能な実装方法及び/又は第7の可能な実装方法及び/又は第9の可能な実装方法を参照して、第9の可能な実装方法では、共振器は、スイッチアセンブリを通じてひとまとまりの構成要素に電気的に接続され、ひとまとまりの構成要素は、少なくとも2つのマッチング回路を含み、異なるマッチング回路は、異なる動作周波数に対応し、スイッチアセンブリは、共振器の共振点がマッチング回路に対応する動作周波数を切り替えることを可能にするために、少なくとも2つのマッチング回路を切り替えるように構成される。
【0016】
本発明の実施例では、共振器は無線端末のブラケット上に配置され、複数のアンテナ間の隔離が改善されるだけでなく、共振器がアンテナのエネルギーを良好に放射することが可能になる。この理由は、共振器と金属プリント回路基板(PCB:Printed Circuit Board)との間に隙間が存在するからである。従って、共振器に流れるアンテナのエネルギーが共振器で浪費されることが回避され、これにより、アンテナのエネルギーの2次放射を実現し、アンテナの放射効率を改善する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1a】本発明の実施例による無線端末の概略構成図
【
図1b】本発明の実施例による無線端末の概略構成図
【
図1c】本発明の実施例による無線端末の概略構成図
【
図2b】本発明の実施例による他の共振器の概略構成図
【
図3】本発明の実施例による他の共振器の概略構成図
【
図4】本発明の実施例による他の共振器の概略構成図
【
図5】本発明の実施例による他の無線端末の概略構成図
【
図6】本発明の実施例による他の無線端末の共振器、スイッチアセンブリ及びひとまとまりの構成要素の概略構成図
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施
例の技術的対策を明瞭に説明するために、実施
例を説明するために必要な添付図面について以下に簡単に紹介する。明らかに、以下の説明において、添付図面は単なる本発明のいくつかの実施例を示しているに過ぎず、当業者は、創造的取り組みを行うことなく、依然としてこれらの添付図面から他の図面を導くことができる。
【0019】
当業者が本発明の実施例の技術的対策をより良く理解できるようにするため、及び、本発明の実施例の前述の目的、特徴及び利点をわかりやすくするために、以下に、本発明の実施例の技術的対策について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
図1a〜
図1cを参照すると、
図1a〜
図1cは、本発明の実施例による無線端末の概略構成図である。
【0021】
無線端末は、PCB10と、第1のアンテナ101と、第2のアンテナ102と、共振器103と、ブラケット(bracket)104とを含む。
【0022】
第1のアンテナ101は、PCB10の一方側に位置し、第2のアンテナ102は、PCB10の他方側に位置する。特に、
図1aに示すように、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102は、PCB10の2つの反対側に別々に位置してもよい。他の実施例では、
図1b(他の構成要素は図面に図示されていない)に示すように、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102は、更に、PCB10の2つの隣接する側に別々に位置してもよい。PCB10は、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102の金属の接地として機能し、金属層は、PCB10の上面に配置されてもよく、金属層は、PCB10の下面に配置されてもよく、金属層は、更に、PCB10内に配置されてもよい。金属層の金属は、銅等でもよい。
図1aに示すように、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102は、ブラケット104上に位置し、ブラケット104により支持されてもよい。明らかに、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102は、更に、他の独立したアンテナブラケット上に位置してもよく、この場合、アンテナブラケット及びブラケット104は別々であり、互いに独立している。更に、
図1cに示すように、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102はまた、PCB10上にホットメルト加工されてもよい。
【0023】
共振器103は、無線端末のブラケット104上に位置し、ブラケット104により支持される。共振器103の接地点は、PCB10上に位置する。特に、良好な隔離効果を実現するために、接地点は、第1のアンテナ101と第2のアンテナ102との間の位置に、PCB10の端の近くに位置してもよい。特定の大きさ(例えば、4mm以上)の隙間が、共振器103とPCB10との間に存在する。
【0024】
ブラケット104は、共振器103を支持するように構成され、更に、第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102を支持するように構成されてもよい。ブラケット104は、複数の実現方法を有してもよい。例えば、以下の通りである。
【0025】
方法1:
図1aに示すように、ブラケット104は、PCB10の表面に配置されてもよい。表面は、PCB10の最大の領域を有する表面又は回路部品等の半田付けのための基板表面を示す。ブラケット104の表面及びPCB10の表面は、同じ水平面に位置するか、ほとんど同じ水平面に位置する。特に、ブラケット104は、中空の矩形の枠組みでもよい。ブラケット104がPCB10にプレス又は留め金で固定された後に、PCB10は、矩形の枠組みの中空の位置に正確にはめ込まれる。ブラケット104の2つの反対側は、それぞれ第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102を支持するために使用されてもよく、ブラケット104の他の側面の端は、共振器103を支持するために使用されてもよい。
【0026】
方法2:
図1cに示すように、ブラケット104は、PCB10の前述の表面(又は基板表面)に垂直の側面に配置されてもよい。換言すると、ブラケット104は、PCB10の1つの側面の端に位置する。ブラケット104は、共振器103を支持するように構成される。
【0027】
方法3:ブラケット104はまた、PCB10に固定又は接続されるのではなく、PCB10から離れてもよい。ブラケット104は、無線端末の筐体(図面に図示せず)に固定又は接続されてもよい。筐体は、無線端末の複数の部分(PCB10、第1のアンテナ101、第2のアンテナ102、共振器103等)が封入される構成要素である。筐体は、囲まれた空間を形成するように留め金で一緒に固定され得る2つの構成要素により形成されてもよい。ブラケット104は、筐体に固定又は接続され、第1のアンテナ101、第2のアンテナ102及び共振器103を支持するように構成されてもよい。第1のアンテナ101及び第2のアンテナ102はまた、PCB10にホットメルト加工されてもよい。ブラケット104は、共振器103を支持するように構成される。
【0028】
方法4:無線端末の筐体はまた、直接的にブラケット104として機能してもよい。この場合、第1のアンテナ101、第2のアンテナ102及び共振器103の全てが、直接的に筐体内にプリントされてもよい。明らかに、第1のアンテナ及び第2のアンテナ102はまた、PCB10にホットメルト加工され、共振器103が筐体内にプリントされてもよい。
【0029】
前述のブラケット104は、全てプラスチックのブラケットでもよい。
【0030】
本発明の実施例では、共振器は無線端末上に配置され、PCB上で第1のアンテナ及び第2のアンテナの電流分布が変化することにより、複数のアンテナ間の隔離が改善するだけでなく、共振器がアンテナのエネルギーを良好に放射することが可能になる。この理由は、共振器とPCBとの間に隙間が存在するからである。従って、共振器に流れるアンテナのエネルギーが共振器で浪費されることが回避され、これにより、アンテナのエネルギーの2次放射を実現し、アンテナの放射効率を改善する。
【0031】
本発明の他の実施例では、共振器は、特に、高及び低周波数の金属オープンスタブ(metal open stub)、クローズド金属スタブ(closed metal stub)、モノポールアンテナ(monopole)の形式の金属スタブ、又はinverted-Fアンテナ(IFA:inverted-F antenna)の形状の金属スタブの1つ以上又はいずれかの組み合わせである。
【0032】
図2aに示すように、共振器は、高及び低周波数の金属オープンスタブ211であり、高及び低周波数の金属オープンスタブ211は、PCB21の端から伸びる2つの金属片により形成された構造であり、2つの金属片は、簡単なオープン構造を形成し、サイズがコンパクトであり、特定のサイズの隙間によりPCB21から離れている。2つの金属片のうち一方は長く、他方は短い。枝状の長い金属片は低周波数で共振し、枝状の短い金属片は高周波数で共振する。更に、共振構造は比較的オープンであるため、共振器は複数の周波数帯域で動作することができ、帯域幅は比較的広い。高及び低周波数の金属オープンスタブ211は、第1のアンテナ212と第2のアンテナ213との間に位置する。
【0033】
図2bに示すように、共振器は、他の高及び低周波数の金属オープンスタブ211であり、高及び低周波数の金属オープンスタブ221は、1つの金属片がPCB22の端から伸び、伸びた後に金属片が2つの金属片に分割される構造である。2つの金属片は平行に配置され、構造が簡単であり、オープン構造を形成し、サイズがコンパクトであり、特定のサイズの隙間によりPCB22から離れている。2つの金属片のうち一方は長く、他方は短い。枝状の長い金属片は低周波数で共振し、枝状の短い金属片は高周波数で共振する。更に、共振構造は比較的オープンであるため、共振器は複数の周波数帯域で動作することができ、帯域幅は比較的広い。高及び低周波数の金属オープンスタブ221は、第1のアンテナ222と第2のアンテナ223との間に位置する。
【0034】
図3に示すように、共振器は、クローズド金属スタブ311、すなわち、ループ型の金属スタブである。クローズド金属スタブ311は、PCB30の端から伸びる金属片により形成された構造であり、閉ループの形状であり、ループ型の形状の金属片はオープン構造を形成する。クローズド金属スタブ311の動作基本モード(1波長)の共振周波数は低周波数であり、これは低周波数で動作してもよい。共振器の高次モード(3/2波長)の共振点は高周波数であり、共振器の高次モードは高周波数で動作してもよい。金属片は簡単な構造であり、特定のサイズの隙間によりPCB30から離れており、音波放射効率(sound radiation efficiency)を特徴付ける。クローズド金属スタブ311は、第1のアンテナ312と第2のアンテナ313との間に位置する。
【0035】
図4に示すように、共振器は、モノポール形式の金属スタブ411であり、金属スタブ411は、PCB40の端から伸びるC形状の金属片の構造であり、C形状の金属片はオープン構造を形成する。金属スタブ411の共振点は、800Mhzの低周波数に近くてもよく、高次モード(2波長)の共振点は高周波数である。従って、金属スタブ411は、低周波数で動作することができ、共振器の高次モードは高周波数で動作することができる。金属片は簡単な構造であり、特定のサイズの隙間によりPCB40から離れており、音波放射効率を特徴付ける。金属スタブ411は、第1のアンテナ412と第2のアンテナ413との間に位置する。
【0036】
本発明の他の実施例では、共振器は、更に、ひとまとまりの構成要素(lump component)に電気的に接続されてもよく、ひとまとまりの構成要素は、特に、コンデンサ又はインダクタ等でもよい。ひとまとまりの構成要素の一端は、共振器とPCBとの間の接合部に電気的に接続されてもよく、特に、共振器の金属片の端点に電気的に接続されてもよい。他方の端は接地される。ひとまとまりの構成要素は、共振器の動作周波数が低周波数に近くなることを可能にしてもよく、これにより、共振器の構造サイズを低減する。
【0037】
本発明の他の実施例では、
図5に示すように、共振器51は、スイッチアセンブリ52を通じてひとまとまりの構成要素53に電気的に接続され、ひとまとまりの構成要素53は、PCB上に位置してもよい。ひとまとまりの構成要素53は、少なくとも2つのマッチング回路を含み、異なるマッチング回路は、異なる動作周波数に対応し、スイッチアセンブリ52は、オープン構造の共振器51の共振点がマッチング回路に対応する動作周波数を切り替えるができるように、複数のマッチング回路を切り替えてもよい。
【0038】
例えば、
図6に示すように、オープン構造の共振器61は、スイッチアセンブリ62を通じてひとまとまりの構成要素63に電気的に接続される。ひとまとまりの構成要素63は、2つのマッチング回路631及び632を含み、SMTインダクタは、マッチング回路631に直列に接続され、チップコンデンサは、マッチング回路632に直列に接続され、2つのマッチング回路は、異なる動作周波数に対応し、スイッチアセンブリ62は、オープン構造の共振器61の共振点がマッチング回路631及び632に対応する動作周波数を切り替えるができるように、マッチング回路631及び632を切り替えてもよい。
【0039】
本発明の実施例では、スイッチアセンブリは、共振器の共振点が異なる周波数を切り替えることができるように、異なるマッチング回路を切り替える。従って、異なる周波数のもとでのアンテナ間の隔離が改善可能になり、共振器の空間を増加させずに帯域幅が効率的に増加する。
【0040】
前述の
図2a〜
図6では、明瞭な図示のために、ブラケットは示されていない。前述の実施例のブラケットは、全て前述の実施例におけるブラケットの方法のいずれか1つを使用することにより実装されてもよい。
【0041】
本発明の実施例による無線端末は、移動電話、CPE又はゲートウェイのような移動端末でもよい。無線端末は、複数のアンテナ間の隔離及び複数の周波数帯域を改善することができ、また、アンテナの放射効率を改善することができ、SAR及びHAC性能を改善することができる。
【0042】
便宜的及び簡潔な説明の目的で、前述のシステム、装置及びユニットの詳細な動作処理は、前述の方法の実施例の対応する処理を参照し、詳細はここでは再び繰り返されないことが、当業者により明確に分かる。
【0043】
この出願で提供される複数の実施例において、開示のシステム、装置及び方法は、他の方法で実現されてもよいことが分かる。例えば、記載の装置の実施例は単に例示的なものである。例えば、ユニットの分割は単に論理的な機能分割であり、実際の実装では他の分割でもよい。例えば、複数のユニット又は構成要素は、組み合わされてもよく、他のシステムに統合されてもよく、又は、ある機能は無視されてもよく、実行されなくてもよい。更に、表示又は記載した相互結合若しくは直接結合又は通信接続は、いくつかのインタフェースを通じて実現されてもよい。装置又はユニットの間の間接結合又は通信接続は、電気的、機械的又は他の形式で実現されてもよい。
【0044】
別々の部分として記載されたユニットは、物理的に別々でもよく、物理的に別々でなくてもよい。ユニットとして表示された部分は、物理的ユニットでもよく、物理的ユニットでなくてもよく、1つの位置に配置されてもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。ユニットの一部又は全部は、実施例の対策の目的を実現するために実際のニーズに従って選択されてもよい。
【0045】
更に、本発明の実施例の機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、それぞれのユニットが物理的に単独で存在してもよく、2つ以上のユニットが1つのユニットに統合されてもよい。
【0046】
前述の説明は本発明の単に特定の実現方法に過ぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。本発明に開示された技術的範囲内で当業者により容易に認識されるいかなる変更又は置換も、本発明の保護範囲内に入るものとする。従って、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。