特許第6122616号(P6122616)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6122616ジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122616
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】ジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20170417BHJP
   H01L 23/34 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   H05K7/20 B
   H01L23/34 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-245806(P2012-245806)
(22)【出願日】2012年11月7日
(65)【公開番号】特開2014-13873(P2014-13873A)
(43)【公開日】2014年1月23日
【審査請求日】2015年10月30日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0072587
(32)【優先日】2012年7月4日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA MOTORS CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】512288787
【氏名又は名称】ユラ コーポレーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 英 宗
(72)【発明者】
【氏名】姜 秉 官
(72)【発明者】
【氏名】李 種 猿
【審査官】 佐久 聖子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−256668(JP,A)
【文献】 特開2011−071344(JP,A)
【文献】 特開2000−332472(JP,A)
【文献】 特開2012−049329(JP,A)
【文献】 特開2008−166587(JP,A)
【文献】 実開昭62−196391(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/29、23/34−23/473、
H05K 5/00− 5/06、 7/12、 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部印刷回路基板12が搭載される熱放出及び保護用金属ケース10と、
下部印刷回路基板12上に熱伝達可能に積層される熱吸収及び放出用金属ボード20と、
前記下部印刷回路基板12と導電可能に二つ折りになって熱吸収及び放出用金属ボード20上に搭載される上部印刷回路基板22と、
前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24及び底板26に設けられ、下部印刷回路基板12からの熱を吸収して放出する熱吸収及び放出手段30と、
を含んで構成され
前記熱吸収及び放出手段30は、
熱吸収及び放出用金属ボード20の底板26に複数の上下方向スロット32、左右方向スロット34、及び対角方向スロット36が形成され、各スロット32,34,36内に下部印刷回路基板12に熱伝達可能に接触する熱伝達ボス38が位置移動可能に挿入されることを特徴とするジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【請求項2】
前記熱伝達ボス38の上面には締め付けねじ溝が形成され、この締め付けねじ溝にはワッシャ42が嵌められ、締め付けねじ40が挿入締結されることを特徴とする請求項に記載のジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【請求項3】
前記スロット32,34,36の内壁にはその長手方向に沿ってスライド用突出端46が一体に形成され、前記熱伝達ボス38の外径面にはスライド用突出端46が挿入されるスライド溝48が形成されることを特徴とする請求項に記載のジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【請求項4】
前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24の外表面には複数の放熱リブ50が等間隔で突出形成されることを特徴とする請求項1に記載のジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【請求項5】
前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24の各角位置には熱放出及び保護用金属ケース10との結合のために組み立て孔52を有する組み立て端54が一体にさらに形成されることを特徴とする請求項1に記載のジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【請求項6】
前記熱伝達ボス38の下端と下部印刷回路基板12が接触する部分に熱伝達効果を高めるためにサーマルグリース56が塗布されることを特徴とする請求項に記載のジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置に係り、より詳しくは、次世代インテリジェントジャンクションボックスの印刷回路基板を2層構造に製作可能にし、熱放出効果を極大化できるようにしたジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、車両用ジャンクションボックスは、各電装品に対する電源供給及び分配、ワイヤー(Wire)保護などの機能を主に行うが、それ以外にもその内部に搭載される各デバイス(ヒューズ、リレーなど)に対する収納及び保護、そして迅速な放熱による作動効率の維持などの機能をする。
【0003】
このようなジャンクションボックスを構成するリレー及びヒューズなどが損傷される場合、損傷された該当素子部品を交換しなければならないが、頻繁な交換による煩わしさを解消し、さらに各素子部品の故障診断機能を行うことができるように、リレーとヒューズなどの代わりに半導体素子のIPSを使用して半永久的に使用できる次世代インテリジェントジャンクションボックスが開発されつつある。
【0004】
しかし、次世代インテリジェントジャンクションボックスは、大電流のためのIPS(inteilgent power switching device)半導体素子が搭載された印刷回路基板を採択しなければならないため、次のような問題がある。
【0005】
次世代インテリジェントジャンクションボックスは、単に電源供給及び分配の役割だけでなく、各素子部品に対する故障診断機能などをさらに行うため、IPS半導体素子が最適の配列で搭載された大面積の印刷回路基板(PCB:Printed Circuit Board)を採択しなければならないが、大面積の印刷回路基板を車両内の限られた狭小空間に配置して装着することは限界がある。(例えば参照特許文献1。)
【0006】
また、図7に示すように、IPS半導体素子が搭載された大面積印刷回路基板70の放熱手段として、印刷回路基板70が載置されるアルミニウムケース72が使用されるが、発熱温度の高いIPS半導体素子の放熱効果を低下させる問題がある。
【0007】
具体的には、従来のアルミニウムケースは、大面積の印刷回路基板が載置される保護ケースの機能以外に、大面積の印刷回路基板のIPS半導体素子から発生する高熱を外部に放出させる熱放出及び冷却機能を行うが、大電流のために半導体素子のIPSの発熱温度が高いため、従来の単純な構造からなるアルミニウムケースは、IPSの作動中に発生する高熱を効果的に放出させることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−223489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前記のような点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、IPS半導体素子が搭載された印刷回路基板を二つ折りすることによる2層構造に装着して車両内の限られた狭小空間に容易に設置でき、2層構造に装着された印刷回路基板からの熱を非常に効果的に放出させるための熱吸収及び熱放出経路が形成されたジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するための本発明は、下部印刷回路基板が搭載される熱放出及び保護用金属ケースと、下部印刷回路基板上に熱伝達可能に積層される熱吸収及び放出用金属ボードと、前記下部印刷回路基板と導電可能に二つ折りになって熱吸収及び放出用金属ボード上に搭載される上部印刷回路基板と、前記熱吸収及び放出用ボードの四方の側板及び底板に設けられ、上部印刷回路基板及び下部印刷回路基板からの熱を吸収して放出する熱吸収及び放出手段と、を含んで構成され、前記熱吸収及び放出手段は、熱吸収及び放出用金属ボードの底板に複数の上下方向スロット、左右方向スロット、及び対角方向スロットが形成され、各スロット内に下部印刷回路基板に熱伝達可能に接触する熱伝達ボスが位置移動可能に挿入されることを特徴とするジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置を提供することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記熱伝達ボスの上面には締め付けねじ溝が形成され、この締め付けねじ溝にはワッシャが嵌められ、締め付けねじが挿入締結されることを特徴とする。
【0013】
さらに好ましくは、前記スロットの内壁にはその長手方向に沿ってスライド用突出端が一体に形成され、前記熱伝達ボスの外径面にはスライド用突出端が挿入されるスライド溝が形成されることを特徴とする。
【0014】
また、前記熱吸収及び放出用金属ボードの四方の側板の外表面には複数の放熱リブが等間隔で突出形成されることを特徴とする。
【0015】
また、前記熱吸収及び放出用金属ボードの四方の側板の各角位置には熱放出及び保護用金属ケースとの結合のために組み立て孔を有する組み立て端が一体にさらに形成されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記熱伝達ボスの下端と下部印刷回路基板12が接触する部分に熱伝達効果を高めるためにサーマルグリースが塗布されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、次のような効果を提供する。
【0018】
本発明によれば、自動車のジャンクションボックス用としてIPS半導体素子が搭載された印刷回路基板を適用する場合、IPS半導体素子が搭載された大面積の印刷回路基板を二つ折り可能な上部及び下部印刷回路基板に分けて2層構造に装着することにより、車両内の限られた狭小空間に容易に設置することができる。
【0019】
特に、下部印刷回路基板が搭載された熱放出及び保護用金属ケース上に上部印刷回路基板が搭載された熱吸収及び放出用金属ボードを積層して組み立てることにより、2層構造の印刷回路基板のIPS素子などから発生する高熱を熱放出及び保護用金属ケースだけでなく、上部印刷回路基板が搭載された熱吸収及び放出用金属ボードを介して非常に効果的に放出して熱放出効果を極大化することができる。
【0020】
また、熱吸収及び放出用金属ボードに熱伝達ボスを位置移動可能に装着して印刷回路基板の全領域で高熱を発生させるIPS素子の隣接位置に熱伝達ボスを移動させることにより、IPS素子からの熱をより迅速に外部に放出させることができる。
【0021】
結果的に、車両内の狭い空間に適切に装着されることにより、電装負荷が大きく作動してIPSなどのような電子素子などの温度が急激に上昇する時、迅速に放熱してサーマルシャットダウンを防止できる次世代インテリジェントジャンクションボックスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置を示す斜視図。
図2】本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置を示す斜視図。
図3】本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置の熱伝達ボスが下部印刷回路基板に密着して組み立てられた状態を示す要部拡大斜視図。
図4】本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置が組み立てられた外観を示す斜視図。
図5】本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置の熱放出の流れを説明する側面図。
図6】本発明による熱放出装置に搭載されるジャンクションボックス用印刷回路基板が二つ折り可能な上部及び下部印刷回路基板で構成されることを説明する概略的断面図。
図7】従来のジャンクションボックス用印刷回路基板がアルミニウムケースに組み立てられた状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
本発明は、次世代インテリジェントジャンクションボックス用印刷回路基板、すなわち、大電流のためのIPS半導体素子などが搭載された大面積の印刷回路基板を熱吸収及び放出用ボードを用いて二つ折り可能な構造に搭載すると共に熱放出効果を極大化できるようにした点に主眼点がある。
【0025】
このために、図1から図4に示すように、下部印刷回路基板12が搭載されるアルミニウム材質の熱放出及び保護用金属ケース10だけでなく、上部印刷回路基板22が搭載される熱吸収及び放出用金属ボード20もアルミニウム材質で成形される。
【0026】
前記熱放出及び保護用金属ケース10は、下部印刷回路基板12が載置されて組み立てられるものであって、下部印刷回路基板12を保護する機能をすると共に下部印刷回路基板12からの熱を外部に放出する機能をするが、下部印刷回路基板にIPSなどのように高熱を発生する半導体素子が搭載されることにより、熱放出性能をさらに極大化させる必要があり、それによって、熱放出及び保護用金属ケース10と下部印刷回路基板12上に熱吸収及び放出用金属ボード20が積層されて組み立てられる。
【0027】
前記熱吸収及び放出用金属ボード20は、上部印刷回路基板22が載置されて組み立てられるものであり、下部印刷回路基板12からの熱を吸収して放出する役割も行う。
【0028】
この時、前記下部印刷回路基板12と上部印刷回路基板22は、互いに導電可能に二つ折りになって熱放出及び保護用金属ケース10と熱吸収及び放出用金属ボード20にそれぞれ搭載されるが、その二つ折りになる部分は、図6に示すように導電性金属パターン58(例えば、銅箔)がパターニングされたフレキシブル材質のフィルム絶縁体60で構成されて二つ折り可能に形成される。
【0029】
ここで、前記熱吸収及び放出用金属ボード20の構造を図1から図3を参照して詳細に説明する。
【0030】
前記熱吸収及び放出用金属ボード20は、熱放出及び保護用金属ケース10に比べて小さい面積をもって製作されたもので、四方の側板24及び底板26が一体に成形される。
【0031】
前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24及び底板26には、下部印刷回路基板12から熱を吸収して外部に放出する熱吸収及び放出手段30が形成される。
【0032】
より詳細には、前記熱吸収及び放出手段の一構成として、熱吸収及び放出用金属ボード20の底板26に多数の孔が貫通形成され、孔と孔との間には上下方向スロット32、左右方向スロット34、及び対角方向スロット36が自由に貫通形成され、各スロット32,34,36内には下部印刷回路基板12に熱伝達可能に接触する熱伝達ボス38が位置移動可能に挿入締結される。
【0033】
この時、前記底板26に形成された各スロット32,34,36の内壁には、その長手方向に沿ってスライド用突出端46が一体に形成され、前記熱伝達ボス38の外径面にはスライド用突出端46が挿入されてスライド接触するスライド溝48が形成されることにより、熱伝達ボス38を用いて各スロット32,34,36に沿って所望する位置まで移動させることができる。
【0034】
また、前記熱伝達ボス38を所望する位置、好ましくは下部印刷回路基板12に付着された半導体素子のうち熱が多く発生するIPS半導体素子の隣接位置まで移動させ、熱伝達ボス38を固定させるために熱伝達ボス38の上面には締め付けねじ溝が形成され、この締め付けねじ溝にはワッシャ42が嵌められて締め付けねじ40が挿入締結される。
【0035】
さらに詳細には、前記熱伝達ボス38をIPS半導体素子の隣接位置まで移動させた後、熱伝達ボス38の締め付けねじ溝内に締め付けねじ40を挿入して引き締めることにより、熱伝達ボス38の下端面が下部印刷回路基板12の表面に堅固に密着される。
【0036】
この時、前記熱伝達ボス38の下端と下部印刷回路基板12が接触する部分にサーマルグリース56を塗布して下部印刷回路基板12からの熱が熱伝達ボス38側に容易に伝達するようにする。
【0037】
本発明の好ましい実施例として、前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24の各角位置には熱放出及び保護用金属ケース10との結合のために組み立て孔52を有する組み立て端54が一体にさらに形成される。
【0038】
したがって、前記組み立て端54の組み立て孔52内に金属ボルトを締結することにより、同じ金属材からなる熱吸収及び放出用金属ボード20と熱放出及び保護用金属ケース10が互いに熱伝達可能に接触する状態となる。
【0039】
一方、前記熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24の外表面には、上部印刷回路基板22からの熱だけでなく、熱伝達ボス38を介して伝達された下部印刷回路基板12からの熱も外部に放出させるために、上下に長い複数の放熱リブ50が等間隔で突出形成されるが、好ましくは複数の放熱リブ50と空気との間の接触面積を極大化するために、四方の側板24の外表面に放熱リブ50を幅2mm、厚さ1.6mmにして密に配列する。
【0040】
ここで、前記構成からなる本発明によるジャンクションボックス用印刷回路基板の熱放出装置に対する熱吸収及び放出の流れを図4及び図5を参照して説明する。
【0041】
先ず、次世代インテリジェントジャンクションボックスを製造するために、大電流のためのIPS半導体素子を含む下部印刷回路基板12が熱放出及び保護用金属ケース10に載置されて組み立てられた後、前記熱吸収及び放出用金属ボード20の組み立て端54の組み立て孔52内に金属ボルトを締結することにより、熱吸収及び放出用金属ボード20と熱放出及び保護用金属ケース10が互いに熱伝達可能に接触する状態になる。
【0042】
次に、前記熱吸収及び放出用金属ボード20上に上部印刷回路基板22を載置して組み立てる前に、熱吸収及び放出用金属ボード20の底板26に形成された上下方向スロット32、左右方向スロット34、及び対角方向スロット36に沿って熱伝達ボス38を所望する位置に移動する。
【0043】
具体的には、下部印刷回路基板12に付着された半導体素子のうち熱が多く発生するIPS半導体素子の隣接位置まで熱伝達ボス38を移動させた後、熱伝達ボス38の締め付けねじ溝内に締め付けねじ40を挿入して引き締めると共に熱伝達ボス38の下端と下部印刷回路基板12が接触する部分にサーマルグリース56を塗布して下部印刷回路基板12からの熱が熱伝達ボス38側に容易に伝達されるようにする。
【0044】
次に、前記下部印刷回路基板12から上部印刷回路基板22を二つ折りにして熱吸収及び放出用金属ボード20上に載置して組み立てる。
【0045】
したがって、下部印刷回路基板12に付着されたIPS半導体素子などで発生した熱の一部が熱放出及び保護用金属ケース10を介して放出されるが、大部分の熱はIPS半導体素子と隣接した熱伝達ボス38を介して熱吸収及び放出用金属ボード20に迅速に伝達して外部に放出され、特に、熱吸収及び放出用金属ボード20の四方の側板24の外面に形成された放熱リブ50を介して外部に放出される。
【0046】
このように車両内の狭い空間にジャンクションボックスを適切に配置して装着できるだけでなく、熱吸収及び放出用金属ボード20の底板26に形成された各スロット32,34,36に沿って熱伝達ボス38を高熱が発生するIPS半導体素子の隣接位置に移動させて迅速な放熱を誘導することにより、ジャンクションボックスのサーマルシャットダウンを防止できる次世代インテリジェントジャンクションボックスを提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、車両内に配置されるジャンクションボックスの分野に適用できる。
【符号の説明】
【0048】
10 熱放出及び保護用金属ケース
12 下部印刷回路基板
20 熱吸収及び放出用金属ボード
22 上部印刷回路基板
24 側板
26 底板
30 熱吸収及び放出手段
32 上下方向スロット
34 左右方向スロット
36 対角方向スロット
38 熱伝達ボス
40 締め付けねじ
42 ワッシャ
46 スライド用突出端
48 スライド溝
50 放熱リブ
52 組み立て孔
54 組み立て端
56 サーマルグリース
58 導電性金属パターン
60 フィルム絶縁体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7