(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122686
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】農業機械用のタイヤの製造方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/06 20060101AFI20170417BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20170417BHJP
B29C 35/02 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
B29D30/06
B29C33/02
B29C35/02
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-96356(P2013-96356)
(22)【出願日】2013年5月1日
(65)【公開番号】特開2014-217956(P2014-217956A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100097238
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 治
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】入江 皓平
【審査官】
増田 亮子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平02−227243(JP,A)
【文献】
特開平07−032814(JP,A)
【文献】
特開昭63−264333(JP,A)
【文献】
特開2006−321080(JP,A)
【文献】
特開2011−031452(JP,A)
【文献】
特開昭52−105983(JP,A)
【文献】
特公昭44−032291(JP,B1)
【文献】
特開平06−278227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00−30/72
B29C 33/02
B29C 35/02
B29C 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッド部に陸部として複数のラグを備える農業機械用のタイヤを製造するに当たり、加硫金型を用いて加硫成形を行う、農業機械用のタイヤの製造方法であって、
前記加硫金型は、
タイヤ本体部となるケース部材が配置されるとともに前記タイヤの外面形状を規定するタイヤ成形部と、
前記トレッド部を形成する未加硫ゴム部材を配置可能な押出準備部と、
前記タイヤ成形部と前記押出準備部とを連通するゴム流入通路と、
タイヤ周方向に沿って配列され、それぞれ前記押出準備部内の前記未加硫ゴム部材に向けて移動されることにより前記未加硫ゴム部材の押し出しを行う、複数の押圧部材と、
を備えており、
前記加硫成形は、
前記ケース部材を前記タイヤ成形部に装填するとともに前記未加硫ゴム部材を前記押出準備部に装填する、充填ステップと、
次いで、前記複数の押圧部材により、該未加硫ゴム部材を、前記タイヤ成形部に形成された前記陸部の外面形状を規定するトレッド成形部分に対して、前記ゴム流入通路を介して押し出す、押出ステップと、
しかる後、押し出された前記未加硫ゴム部材と前記ケース部材とをともに加硫する、加硫ステップと、
を含み、
前記押出ステップでは、前記複数の押圧部材のうち一部の押圧部材のみを前記未加硫ゴム部材に向けて移動させた後、順次、前記複数の押圧部材のうち残りの押圧部材を前記未加硫ゴム部材に向けて移動させる、農業機械用のタイヤの製造方法。
【請求項2】
前記加硫金型の内側に、前記タイヤの径方向内外に移動可能に設けられる複数のコアセグメントを備えた剛体コアを設け、該コアセグメントを径方向外側へ移動させて前記ケース部材を拡径した後、前記未加硫ゴム部材の押し出しを行う請求項1に記載の農業機械用のタイヤの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレッド部に陸部を備えるタイヤにつき、特に、加硫金型を用いて加硫成形を行うタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トレッド部に陸部(ブロック、ラグ等)を備えるタイヤを形成するに当たっては、ブロックやラグに対応させて凹部や凸部を内周面に形成した加硫金型と、生ケース上に生トレッドを貼着した生タイヤを準備しておき、この金型内に生タイヤを装填して加硫成形を行い、生トレッドのゴムを金型の凸部で押圧しつつこれを凹部へ流動させる製造方法が一般的である。
【0003】
ところで生ケースの内部には、タイヤの骨格構造をなすカーカスや補強用のベルトが、所期する位置に配置されているものの、金型の凸部によって局所的に押圧されたり凹部へ流動するゴムとともに移動したりすることによって、ベルト等が当初の位置からずれてしまい、歪みが生じるおそれがあった。特に、湿田や軟弱地等で使用される農業用車両や不整地を走行する建設車両に取り付けられるタイヤでは、高いトラクションを得るためにタイヤ本体部の外表面から立ち上がるラグの高さが高く、金型の凹部に生トレッドのゴムが多量に流動することになることから、カーカスやベルトの歪みが顕著となって、タイヤの性能に影響を及ぼす懸念があった。
【0004】
このような課題に対応する技術としては、例えば特許文献1に示されているように、ラグに相当する複数の加硫済みラグ部材を予め加硫金型に配置し、次いでタイヤ本体部となる生ケースを加硫金型に装填したのち、ラグ部材を生ケースとともに加硫して相互に結合させる方法がある。この方法によれば、ゴムが金型のラグに対応する部分へ流動することが無くなるので、カーカスやベルトの歪みを抑制することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−45917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、特許文献1に示された方法では、所要の形状となるラグ部材を、対応する金型部分に位置合わせした状態で嵌め込む作業が必要であることから、作業に比較的長い時間がかかりがちであった。また、ラグ部材の押し込みが不十分であると、嵌め込んだラグ部材が金型から抜け落ちたり位置ずれしたりして再度嵌め直しが必要になる場合もあった。このため、製造に要する時間をより短縮することができ、また作業性にも優れたタイヤの製造方法が求められていた。
【0007】
本発明の課題は、トレッド部に陸部を備えるタイヤを製造するに当たり、加硫によって引き起こされるカーカスやベルトの歪みを抑制するとともに、製造に要する時間を短縮しつつ作業性の効率化を図った新たなタイヤの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の
農業機械用のタイヤの製造方法は、
トレッド部に陸部として複数のラグを備える農業機械用のタイヤを製造するに当たり、加硫金型を用いて加硫成形を行う、農業機械用のタイヤの製造方法であって、
前記加硫金型は、
タイヤ本体部となるケース部材が配置されるとともに前記タイヤの外面形状を規定するタイヤ成形部と、
前記トレッド部を形成する未加硫ゴム部材を配置可能な押出準備部と、
前記タイヤ成形部と前記押出準備部とを連通するゴム流入通路と、
タイヤ周方向に沿って配列され、それぞれ前記押出準備部内の前記未加硫ゴム部材に向けて移動されることにより前記未加硫ゴム部材の押し出しを行う、複数の押圧部材と、
を備えており、
前記加硫成形は、
前記ケース部材を前記タイヤ成形部に装填するとともに前記未加硫ゴム部材を前記押出準備部に装填する、充填ステップと、
次いで、前記複数の押圧部材により、該未加硫ゴム部材を、前記タイヤ成形部に形成された前記陸部の外面形状を規定するトレッド成形部分に対して、前記ゴム流入通路を介して押し出す、押出ステップと、
しかる後、押し出された前記未加硫ゴム部材と前記ケース部材とをともに加硫する、加硫ステップと、
を含み、
前記押出ステップでは、前記複数の押圧部材のうち一部の押圧部材のみを前記未加硫ゴム部材に向けて移動させた後、順次、前記複数の押圧部材のうち残りの押圧部材を前記未加硫ゴム部材に向けて移動させる。
【0009】
この製造方法によれば、ケース部材のゴムがトレッド成形部分に流動することが抑制されるので、カーカスやベルトの歪みを抑えることができる。また陸部は、未加硫ゴム部材がトレッド成形部分に押し出されることによって所要の形状に形成されることから、未加硫ゴム部材を陸部に対応させた形状にしておく必要がない。このため、未加硫ゴム部材を金型へ装填する際の位置合わせが簡単になり、更に、従来のように複数のラグ部材をそれぞれ金型に嵌め込んだり嵌め直したりする作業も無くなるので、製造に要する時間の短縮化と作業の効率化を図ることが可能となる。加えて、押し出される未加硫ゴム部材は、流動する際に生じる周囲の部材との摩擦やゴム自身のせん断発熱等によって温度が上昇するので、加硫に要する時間も短くて済む。
【0011】
未加硫ゴム部材を金型内に押し出すに当たっては、通常、ゴム射出成形機(インジェクション)が用いられるが、この製造方法によれば、加硫金型に設けた押圧部材にて押し出すことができるので、タイヤ製造設備に要するコストを抑えることができる。
【0012】
また本発明の
農業機械用のタイヤ
の製造方法
においては
、前記加硫金型の内側に、
前記タイヤの径方向内外に移動可能に設けられる複数のコアセグメントを備えた剛体コアを設け、該コアセグメントを径方向外側へ移動させて前記ケース部材を拡径した後、前記未加硫ゴム部材の押し出しを行う
ようにしてもよい。
【0013】
未加硫ゴム部材が高い圧力で流動する際には、ケース部材が径方向内側に凹んで変形してしまうおそれがあるものの、この製造方法によれば、ケース部材は剛体コアにて径方向内側から支持されるので、ケース部材の変形を確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、トレッド部に陸部を備えるタイヤを製造するに当たり、加硫によって引き起こされるカーカスやベルトの歪みを抑制するとともに、製造に要する時間を短縮しつつ作業性の効率化を図ることが可能となるタイヤの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明で製造されるタイヤの一例である農業機械用のタイヤの斜視図である。
【
図2】本発明で用いられる未加硫ゴム部材につき、押出機から押し出された長尺の未加硫ゴム部材を、所定の長さでカットする状況を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態を示す図であって、開いた加硫金型に未加硫ゴム部材及びケース部材を装填する状況を示す断面図である。
【
図4】
図3の状態から加硫金型を閉じた状態を示す断面図である。
【
図5】
図4の状態から、未加硫ゴム部材をトレッド成形部分に対して押し出す状況を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
まず、本発明の製造方法により形成されるタイヤについて、
図1に示す農業機械用のタイヤ1を例にして説明する。タイヤ1は概略、陸部として複数のラグ2aを備えるトレッド部2と、タイヤ1においてトレッド部2を除いた部分となる、円環状のタイヤ本体部3とからなる。またこのタイヤ1は、
図3に示す、タイヤ本体部3となるケース部材4と、トレッド部2を形成する未加硫ゴム部材5とを予め別々に準備しておき、これらを加硫金型20に装填して加硫成形を行うことで、相互に結合させたものである。
【0017】
ケース部材4は、例えば、一対のビードコア間に跨がってトロイド状に延在しタイヤの骨格を形成するカーカスと、カーカスのクラウン域の外周側に位置するベルトとを備える慣例に従った構造となるものである。ケース部材4の外周面には基本的にトレッドゴムを設けていないが、必要に応じて薄いトレッドゴムを設けることもできる。またケース部材4は、加硫を施していない未加硫状態のものの他、タイヤの種類によっては、加硫金型20に装填する前に別途加硫を途中まで行った半加硫状態のものや、加硫を完全に行った加硫済み状態のものを用いることも可能である。
【0018】
未加硫ゴム部材5はトレッドゴムで形成されるものであり、所期するタイヤの性能に応じて種々のゴムが選択される。また、本実施形態における未加硫ゴム部材5は、
図2に示すように押出機10で所定の断面形状で押し出されたものを、図では簡素化して示した切断機11にて所定の長さに切断して所定の形状としたものである。
【0019】
次に、本発明の製造方法で用いる加硫金型20の一実施形態について、
図3を参照して説明する。加硫金型20は、ケース部材4が配置されるとともにタイヤ1の外面形状を規定するタイヤ成形部21と、所定の形状に形成された未加硫ゴム部材5を配置可能な押出準備部22と、タイヤ成形部21と押出準備部22とを連通するゴム流入通路23とを備えるものである。
【0020】
本実施形態において加硫金型20は、上下2つに分割した構造となるものであって、下型20aと上型20bとからなる。下型20aと上型20bの内側にはそれぞれ、タイヤ成形部21を2つに分割した下型タイヤ成形部21aと上型タイヤ成形部21bが形成されている。また、押出準備部22を下型タイヤ成形部21aの径方向外側に設けている。なお、押出準備部22は、ラグ2aに対応した形状にする必要がなく、例えば図示した長方形断面形状のように簡単な形状にすることができるので、未加硫ゴム部材5を押出準備部22に取り付けるに当たり位置合わせがより簡単になる。また、押出準備部22を複数設ける場合は、全て同一形状にすることで共通の未加硫ゴム部材5を用いることができるので、作業の効率化を図ることができる。
【0021】
そして本実施形態におけるゴム流入通路23は、押出準備部22と、タイヤ成形部21のラグ2aに対応する部分(トレッド成形部分)とを繋いでいて、図示するように下型タイヤ成形部21aのそれぞれのラグ2aに対応する部分(下型トレッド成形部分21c)に繋がる他、図示は省略するが、加硫金型20が型閉めされた際に上型タイヤ成形部21bのそれぞれのラグ2aに対応する部分(上型トレッド成形部分21d)とも繋がるように設けられている。
【0022】
更に上型20bには、下型20aに設けた押出準備部22に対応する位置に、押出準備部22に向けて移動可能に設けられる押圧部材24を設けている。これにより、押出準備部22内に装填された未加硫ゴム部材5を、ゴム流入通路23を介して下型トレッド成形部分21c及び上型トレッド成形部分21d内に流動させることができる。このように、加硫金型20内に押出準備部22及び押圧部材24を設けているので、通常、未加硫ゴム部材を金型内に押し出す際に用いられるゴム射出成形機は不要となる。
【0023】
また加硫金型20には、ケース部材4の径方向内側に位置する部位に、ケース部材4をタイヤ成形部21の側面壁に向けて拡径する拡径手段を設けている。本実施形態では、下型20aに、径方向外側に向けて膨出するブラダ25を設けている。なお、拡径手段としては、図示は省略するが、ケース部材4の内側に高圧の気体を噴出させてケース部材4を直接膨出させる構造や、径方向内外に移動可能に設けられる複数のコアセグメントを有する剛体コア等、各種のものが適用できる。
【0024】
次に、本発明に従うタイヤの製造方法の一実施形態について説明する。タイヤ1を製造するに当たっては、まずケース部材4と、例えば押出機10及び切断機11にて、所定の形状に形成された未加硫ゴム部材5とを準備する。そして
図3に示すように、下型20aに設けた押出準備部22に前述の未加硫ゴム部材5を装填し、また下型タイヤ成形部21aにケース部材4を装填する。その後、
図4に示すように上型20bを下型20aに向けて相対移動させて加硫金型20の型閉めを行い、ブラダ25を作動させてケース部材4をタイヤ成形部21の側面壁に向けて拡径させる。しかる後、
図5に示すように押圧部材24を作動させて未加硫ゴム部材5に向けて移動させる。これにより、押出準備部22内の未加硫ゴム部材5を、ゴム流入通路23を介して下型トレッド成形部分21c及び上型トレッド成形部分21dに流動させることができる。ここで、未加硫ゴム部材5が流動する際の圧力が、ブラダ25を膨出させる圧力よりも大きくなる場合には、拡径したケース部材4が径方向内側に凹んでしまうおそれがある。この場合は、拡径手段として前述の剛体コアを用いることで、ケース部材4の凹みを防止することができる。その後は、所要の条件(温度、時間、圧力)下で加硫を行うことで、ケース部材4と未加硫ゴム部材5とを相互に結合させることができる。なお、未加硫ゴム部材5は流動する際、周囲の部材との摩擦やゴム自身のせん断発熱等によって温度が上昇するので、加硫がより速く進むことになり、加硫に要する時間を短縮することができる。特に本実施形態のようにラグ2aを備えるタイヤ1においては、下型トレッド成形部分21c及び上型トレッド成形部分21dに未加硫ゴム部材5が流動した際、ゴムの厚さが最も厚くなるラグ2aの温度が既に高められた状態となっているので、加硫成形時間の短縮がより顕著となる。
【0025】
このように、未加硫ゴム部材5にてラグ2aが形成されるので、ケース部材4のゴムが下型トレッド成形部分21c及び上型トレッド成型部分21dに流動することが抑制され、カーカスやベルトの歪みを抑えることができる。また、下型20aに押出準備部22を設けているので、押出準備部22内に装填された未加硫ゴム部材5が脱落するおそれが無く、従来発生するおそれがあった複数のラグ部材の嵌め直し作業が不要となるので、作業の効率化がより図られることになる。
【0026】
押圧部材24を未加硫ゴム部材5に移動させるに当たっては、製造に要する時間を短縮するべく全て一度に移動させることが好ましいが、本実施形態のラグ2aのように陸部の容積が大きくなると、押圧部材24の移動に要する力も増すこととなり、設備の大型化を招いてかえって生産性を落とす場合がある。このような状況では、押圧部材24をタイヤの周方向に複数設け、これら複数の一部だけを未加硫ゴム部材5に向けて移動するようにし、順次残りを移動するように構成することで、設備の大型化を避けることができる。
【0027】
また、ケース部材4の最外周のゴムとトレッド部2を形成する未加硫ゴム部材5のゴムは、それぞれ異なる材質のものを採用することでタイヤの性能を高めることができる。例えば本実施形態のように農業機械用のタイヤ1を製造するに当たっては、ケース部材4の最外周のゴムとして発泡ゴムを用いることで、泥等の水分の多い場所を走行する際でも泥中の水分が発泡部分に吸収されるので、タイヤ1への泥の付着を有効に低下させることが可能となり、併せて未加硫ゴム部材5には硬度の高いゴム(JISK6253のジュロメータ硬さ試験(Aタイプ)による硬さが60°〜90°)を採用することで、ラグ2aの耐摩耗性能を高めることができる。また、ケース部材4の最外周に、前述の未加硫ゴム部材5と同等の硬度となる硬度の高いゴムを採用することもでき、その場合は、トレッド部2の溝底に生じるクラックの発生を抑制することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明によれば、タイヤを製造する際の加硫によって引き起こされるタイヤ内部に発生するカーカスやベルトの歪みを抑制でき、また、製造に要する時間を短縮しつつ作業性の効率化を図ることができる新たなタイヤを安定的に供給することができる。また本発明は、本実施形態で説明した農業機械用のタイヤに限られず、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、オフザロード用タイヤ、二輪車用タイヤ等、各種タイヤの製造に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0029】
1 タイヤ
2 トレッド部
2a ラグ(陸部)
3 タイヤ本体部
4 ケース部材
5 未加硫ゴム部材
10 押出機
11 切断機
20 加硫金型
20a 下型
20b 上型
21 タイヤ成形部
21a 下型タイヤ成形部
21b 上型タイヤ成形部
21c 下型トレッド成形部分(トレッド成形部分)
21d 上型トレッド成形部分(トレッド成形部分)
22 押出準備部
23 ゴム流入通路
24 押圧部材
25 ブラダ(拡径手段)