特許第6122723号(P6122723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122723
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】加振試験装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 7/02 20060101AFI20170417BHJP
【FI】
   G01M7/00 C
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-152853(P2013-152853)
(22)【出願日】2013年7月23日
(65)【公開番号】特開2015-21941(P2015-21941A)
(43)【公開日】2015年2月2日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】304039065
【氏名又は名称】カヤバ システム マシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100075513
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 政喜
(74)【代理人】
【識別番号】100120260
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅昭
(74)【代理人】
【識別番号】100137604
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100157473
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 啓
(72)【発明者】
【氏名】南 和広
【審査官】 田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−148140(JP,A)
【文献】 特公昭49−007171(JP,B1)
【文献】 特開2014−169950(JP,A)
【文献】 特開2009−090407(JP,A)
【文献】 特開平09−138193(JP,A)
【文献】 特開2001−208640(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体に振動を加える試験を行うための加振試験装置であって、
被験体が設置される可動部材と、
伸縮自在な直動部材を有し、前記直動部材の伸縮によって前記可動部材を平面上で振動させる直動アクチュエータと、
前記可動部材を支持するベース部材と、
前記可動部材を前記ベース部材に対して自由に移動可能に支持する支持部材と、
前記直動部材と前記可動部材との間に挟持され、前記直動アクチュエータと前記可動部材との間に作用する荷重を検出するロードセルと、
前記直動部材と前記可動部材とを相対移動不能に固定可能な固定部材と、を備えることを特徴とする加振試験装置。
【請求項2】
前記固定部材は、前記可動部材から前記直動部材に作用する曲げモーメントを受けることを特徴とする請求項1に記載の加振試験装置。
【請求項3】
一端が前記ロードセルに固定されて他端が前記可動部材に固定され、前記ベース部材に対する前記可動部材の横方向への移動を弾性変形によって許容するフレクチャを更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の加振試験装置。
【請求項4】
前記直動部材の先端には、前記ロードセルの外径よりも大径に形成されて外周に平面部を有する大径部が設けられ、
前記フレクチャの前記一端には、前記ロードセルの外径よりも大径に形成されて外周に平面部を有する大径部が設けられ、
前記固定部材は、前記直動部材の大径部と前記フレクチャの大径部とを互いの平面部を介して連結するプレートであることを特徴とする請求項3に記載の加振試験装置。
【請求項5】
前記直動部材の先端には、前記ロードセルの外径よりも大径に形成されて外周に螺合部を有する大径部が設けられ、
前記フレクチャの前記一端には、前記直動部材の大径部よりも大径に形成される大径部が設けられ、
前記固定部材は、前記直動部材の前記螺合部に螺合して先端が前記フレクチャの大径部に当接する筒状体であることを特徴とする請求項3に記載の加振試験装置。
【請求項6】
前記直動アクチュエータによって前記被験体に付与される加速度を検出する加速度検出器を更に備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の加振試験装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被験体に振動を加える試験を行うための加振試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、被験体に振動を加えてその挙動を調べるための試験装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、シリンダによって銅管を軸方向に移動させ、移動時の荷重をロードセルによって検出する試験装置が開示されている。この試験装置は、ロードセルが検出した荷重に基づいて、銅管を保持する測定子に対する銅管の滑り性を評価するのに用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−138193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のようにシリンダとロードセルとを用いる試験装置では、例えば、加速度センサ等の他のセンサを被験体に取り付けて、ロードセルを使用しない試験を行う場合がある。また、試験装置を用いて行われる試験の内容によっては、被験体が軸方向だけでなく横方向にも振れて、ロードセルに軸方向の力だけでなく横方向の力が作用するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、被験体が直動アクチュエータの軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセルを保護することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、被験体に振動を加える試験を行うための加振試験装置であって、被験体が設置される可動部材と、伸縮自在な直動部材を有し、前記直動部材の伸縮によって前記可動部材を平面上で振動させる直動アクチュエータと、前記可動部材を支持するベース部材と、前記可動部材を前記ベース部材に対して自由に移動可能に支持する支持部材と、前記直動部材と前記可動部材との間に挟持され、前記直動アクチュエータと前記可動部材との間に作用する荷重を検出するロードセルと、前記直動部材と前記可動部材とを相対移動不能に固定可能な固定部材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、被験体が直動アクチュエータの軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合には、固定部材によって直動部材と可動部材とを相対移動不能に固定することができる。したがって、被験体が直動アクチュエータの軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセルを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一の実施の形態に係る振動試験装置の正面図である。
図2図1における平面図である。
図3】本発明の第一の実施の形態に係る振動試験装置の正面図であり、ロードセル近傍の拡大図である。
図4図3における平面図である。
図5】本発明の第二の実施の形態に係る振動試験装置の正面図であり、ロードセル近傍の拡大図である。
図6図5における平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0011】
(第一の実施の形態)
以下、図1から図4を参照して、本発明の第一の実施の形態に係る振動試験装置100について説明する。
【0012】
振動試験装置100は、被験体1に振動を加える実験を行うためのものである。振動試験装置100は、振動が加えられた場合の被験体1の挙動や状態の変化を観察したり、被験体1にかかる力や加速度等のデータを各種センサによって収集すること等に用いられる。
【0013】
振動試験装置100は、図1及び図2に示すように、被験体1が設置される可動部材としての加振テーブル20と、直動部材としてのロッド45の伸縮によって加振テーブル20を平面上で振動させる直動アクチュエータとしてのシリンダ40と、加振テーブル20を支持するベース部材10と、加振テーブル20をベース部材10に対して自由に移動可能に支持する支持部材としての複数の静圧軸受30と、シリンダ40と加振テーブル20との間に作用する荷重を検出するロードセル50と、ベース部材10に対する加振テーブル20の横方向への移動を弾性変形によって許容するフレクチャ60と、ロッド45と加振テーブル20とを相対移動不能に固定可能な固定部材としての一対のプレート70とを備える。
【0014】
ベース部材10は、水平に設置された定盤の上に固定される平板である。ベース部材10の上面11は、静圧軸受30が摺動可能なように、高い平面度に形成される。ベース部材10の上面11には、シリンダ40を取り付けるためのブラケット42が固定される。ベース部材10の上面11には、加振テーブル20の移動に合わせて伸縮して、加振テーブル20の移動可能範囲を覆う蛇腹状のダストカバー13が設けられる。
【0015】
加振テーブル20は、ベース部材10の上方に設けられる。加振テーブル20は、ベース部材10と平行に設けられる。加振テーブル20の上面21には、被験体1が固定される。加振テーブル20の下面22には、静圧軸受30が取り付けられる。加振テーブル20の上面21には、静圧軸受30を固定するための後述するボルト31及びナット32が収容される複数の座繰り穴23が形成される。
【0016】
加振テーブル20の下面22には、シリンダ40によって被験体1に付与される加速度を検出する加速度検出器としての加速度センサ25が設けられる。これにより、振動試験装置100では、例えば、ロードセル50を使用せずに、加速度センサ25のみを使用した振動試験を行うことも可能である。加速度センサ25は、被験体1に作用する加速度を検出可能な位置に取り付けられる。そのため、例えば、加振テーブル20に加速度センサ25を取り付けるのに代えて、被験体1に加速度センサ25を取り付けてもよい。
【0017】
静圧軸受30は、加振テーブル20の下面に四個設けられる。静圧軸受30は、加振テーブル20を貫通するボルト31と、加振テーブル20の上下からボルト31に締結される一対のナット32とによって加振テーブル20に固定される。ボルト31の下端には、ボールジョイント33が設けられる。これにより、静圧軸受30は、常にベース部材10に対して平行な姿勢を維持できる。
【0018】
静圧軸受30は、加振テーブル20に対する上下の位置を調整可能に設けられる。そのため、振動試験装置100では、加振テーブル20がベース部材10に対して平行な状態での振動試験だけでなく、加振テーブル20が傾斜した状態での振動試験を行うことも可能である。
【0019】
静圧軸受30は、配管(図示省略)から供給される圧縮空気を下面に吹き出すことによって加振テーブル20を浮遊支持するエアベアリングである。静圧軸受30は、加振テーブル20がベース部材10上を水平を維持したまま自由に移動可能なように支持する。このように、加振テーブル20は、静圧軸受30によって支持されるため、シリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも移動することが可能である。静圧軸受30に代えて、全方向車輪やXYテーブル等を用いてもよい。
【0020】
シリンダ40は、供給される作動油によって駆動される油圧サーボアクチュエータである。シリンダ40では、加振テーブル20を所定の周期で繰り返し振動させる振動試験だけでなく、加振テーブル20を一回だけ押す又は引くだけの振動試験を行うことも可能である。シリンダ40は、ブラケット42を介して前面がベース部材10に固定されるシリンダ本体41と、シリンダ本体41に対して伸縮自在なロッド45とを有する。
【0021】
シリンダ本体41の内部には、ピストン(図示省略)が収装されて、ロッド側室(図示省略)とピストン側室(図示省略)とが画成される。ロッド側室とピストン側室とには、切換弁41aを介して作動油が給排される。
【0022】
ロッド45は、切換弁41aが切り換えられ、ロッド側室とピストン側室との作動油が給排されることによって進退する。ロッド45の先端には、図3及び図4に示すように、ロードセル50の外径よりも大径に形成される大径部46と、後述するスタッドボルト49の一端49aが嵌入される嵌入部45aとが設けられる。
【0023】
大径部46は、略円板状に形成され、外周に一対の対向する平面部46aを有する。平面部46aは、大径部46の左右に各々形成される。各々の平面部46aには、プレート70が取り付けられる。大径部46は、一対の平面部46aの間の二面幅がロードセル50の外径と比較して大きくなるように形成される。
【0024】
ロードセル50は、加振テーブル20と一体に設けられるフレクチャ60を介して、ロッド45と加振テーブル20との間に挟持される。ロードセル50は、ロッド45の軸方向に中心軸が位置する略円柱状に形成される。
【0025】
ロードセル50は、中央部52がスタッドボルト49を介してロッド45に連結され、外周部53が複数のボルト54によってフレクチャ60の大径部66に締結される。ロードセル50は、ロッド45とフレクチャ60との間に作用する荷重を、中央部52と外周部53との間のせん断歪みに基づいて検出可能である。
【0026】
ロードセル50は、内部に設けられた歪みゲージ(図示省略)に電源を供給し、歪みゲージからの出力電圧を出力する配線51aが接続される端子51を有する。ロードセル50は、シリンダ40が加振テーブル20を押したときの荷重と、シリンダ40が加振テーブル20を引いたときの荷重とを検出可能である。
【0027】
スタッドボルト49は、ロッド45とロードセル50とを連結する円柱状のボルトである。スタッドボルト49の一端49aは、ロッド45に嵌入され、他端49bは、ロードセル50に嵌入される。スタッドボルト49の外周には、一対のスパイラルワッシャ48が螺合する。
【0028】
具体的には、ロッド45とは別部材に形成される大径部46を治具(図示省略)等を用いて外部から固定した状態でシリンダ40を駆動し、ロッド45を退出させる方向の推力を発生させる。この状態で、スパイラルワッシャ48をスタッドボルト49に螺合させて、大径部46をロードセル50に対して締結する。そして、シリンダ40の駆動を止めると、大径部46とロードセル50との間に予圧がかかった状態で、ロッド45とロードセル50とが一体となる。
【0029】
フレクチャ60は、略円柱状に形成される。フレクチャ60は、図1に示すように、一端61がロードセル50に固定されて他端62が加振テーブル20に固定される。フレクチャ60の一端61には、図4に示すように、ロードセル50の外径よりも大径に形成されて外周に平面部66aを有する大径部66が設けられる。
【0030】
フレクチャ60は、加振テーブル20が横方向に振れた場合に、所定の範囲内で左右方向に変形することが可能である。よって、振動試験装置100では、シリンダ40が加振テーブル20を振動させると、加振テーブル20がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れるような振動試験を行うことが可能である。
【0031】
大径部66は、略円板状に形成され、外周に一対の対向する平面部66aを有する。平面部66aは、大径部66の左右に各々形成される。各々の平面部66aには、プレート70が取り付けられる。大径部66は、ロッド45の大径部46と同一形状に形成される。
【0032】
プレート70は、矩形に形成される。プレート70は、ボルト71によって、ロッド45の平面部46aとフレクチャ60の平面部66aとに各々締結される。プレート70は、ロッド45の大径部46とフレクチャ60の大径部66との左右を、互いの平面部46a,66aを介して各々連結する。
【0033】
これにより、プレート70が取り付けられた状態では、ロッド45の大径部46とフレクチャ60の大径部66との間に曲げモーメントが作用しても、その曲げモーメントがロードセル50に作用することはない。このように、プレート70は、加振テーブル20からロッド45に作用する曲げモーメントを受ける。
【0034】
次に、振動試験装置100を使用した振動試験について説明する。
【0035】
被験体1がシリンダ40の軸方向のみに振れる振動試験を行う場合には、一対のプレート70を取り外した状態でシリンダ40を駆動してロッド45を進退させる。このとき、ロードセル50によってシリンダ40と加振テーブル20との間に作用する荷重を検出することが可能である。よって、加振テーブル20を介して被験体1に作用する荷重を検出しながら、被験体1の挙動を観察することができる。また、ロードセル50と加速度センサ25とを併用した振動試験を行うことも可能である。
【0036】
一方、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合には、一対のプレート70をロッド45の大径部46とフレクチャ60の大径部66との左右に各々取り付ける。これにより、ロッド45と加振テーブル20とが相対移動不能に固定される。
【0037】
このとき、フレクチャ60が所定の範囲内で左右方向に変形することによって、加振テーブル20が左右方向に振れることが可能であるが、フレクチャ60を介して伝達される曲げモーメントは、プレート70が受けるため、ロードセル50に作用することはない。したがって、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセル50を保護することができる。このとき、加速度センサ25によって被験体1に作用する加速度を検出しながら、被験体1の挙動を観察することができる。
【0038】
以上のように、振動試験装置100を使用してどのような振動試験を行うかによって、プレート70を着脱可能である。これにより、振動試験装置100では、様々な振動試験を行うことが可能である。
【0039】
以上の第一の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0040】
被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合には、プレート70によってロッド45と加振テーブル20とを相対移動不能に固定することができる。したがって、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセル50を保護することができる。
【0041】
(第二の実施の形態)
以下、図5及び図6を参照して、本発明の第二の実施の形態に係る振動試験装置200について説明する。なお、第二の実施の形態では、上述した第一の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
【0042】
第二の実施の形態は、プレート70に代えてロッド45と加振テーブル20とを相対移動不能に固定可能な固定部材として筒状体170を用いる点で、上述した第一の実施の形態とは相違する。
【0043】
ロッド45の先端に設けられる大径部146は、略円板状に形成され、外周に螺合部としての雄ねじ部146aを有する。雄ねじ部146aには、筒状体170が螺合して取り付けられる。大径部146は、端子51を含めたロードセル50全体の外径よりも大径に形成される。大径部146の平板部には、端子51に接続される配線51aが挿通する貫通孔146bが形成される。
【0044】
フレクチャ160は、一端61がロードセル50に固定されて他端62が加振テーブル20に固定される。フレクチャ160の一端61には、ロッド45の大径部146よりも大径に形成される円板状の大径部166が設けられる。フレクチャ160は、加振テーブル20が横方向に振れた場合に、所定の範囲内で左右方向に変形することが可能である。よって、振動試験装置100では、シリンダ40が加振テーブル20を振動させると、加振テーブル20がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れるような振動試験を行うことが可能である。
【0045】
筒状体170は、内周に雌ねじ部170aが形成される。筒状体170は、ロッド45の雄ねじ部146aに螺合して先端171がフレクチャ160の大径部166に当接する。これにより、筒状体170が取り付けられた状態では、ロッド45の大径部146とフレクチャ160の大径部166との間に曲げモーメントが作用しても、その曲げモーメントがロードセル50に作用することはない。このように、筒状体170は、加振テーブル20からロッド45に作用する曲げモーメントを受ける。
【0046】
筒状体170は、ロッド45の雄ねじ部146aに螺合している。そのため、筒状体170を回転させるだけで、ロッド45と加振テーブル20との相対移動が可能な状態と不能な状態とを切り換えることができる。よって、第一の実施の形態のように一対のプレート70を取り付ける場合と比較すると、切り換え作業が容易である。
【0047】
被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合には、筒状体170をロッド45の大径部146に螺合させて、フレクチャ160の大径部166に先端171を押し当てる。これにより、ロッド45と加振テーブル20とが相対移動不能に固定される。
【0048】
このとき、フレクチャ160が所定の範囲内で左右方向に変形することによって、加振テーブル20が左右方向に振れることが可能であるが、フレクチャ160を介して伝達される曲げモーメントは、筒状体170が受けるため、ロードセル50に作用することはない。したがって、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセル50を保護することができる。
【0049】
以上の第二の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0050】
第一の実施の形態と同様に、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合には、筒状体170によってロッド45と加振テーブル20とを相対移動不能に固定することができる。したがって、被験体1がシリンダ40の軸方向だけでなく横方向にも振れる振動試験を行う場合に、ロードセル50を保護することができる。
【0051】
また、筒状体170を回転させるだけでロッド45と加振テーブル20との相対移動が可能な状態と不能な状態とに切り換えることができる。よって、第一の実施の形態のように一対のプレート70を取り付ける場合と比較すると、切り換え作業が容易である。
【0052】
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
【0053】
例えば、上記の実施の形態では、直動アクチュエータがシリンダ40である場合について説明したが、これに代えて、電動モータの駆動によって伸縮するロッドを有するリニアアクチュエータや、直動部材としてのねじ軸を有するボールねじ等を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
100 振動試験装置
200 振動試験装置
1 被験体
10 ベース部材
20 加振テーブル(可動部材)
25 加速度センサ(加速度検出器)
30 静圧軸受(支持部材)
40 シリンダ(直動アクチュエータ)
45 ロッド(直動部材)
46 大径部
46a 平面部
50 ロードセル
60 フレクチャ
66 大径部
66a 平面部
70 プレート(固定部材)
146 大径部
146a 雄ねじ部(螺合部)
160 フレクチャ
166 大径部
170 筒状体(固定部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6