(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122744
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】ボイラ制振用のサイスミックタイおよびこれを用いたボイラ耐震構造体
(51)【国際特許分類】
F22B 37/24 20060101AFI20170417BHJP
F16F 15/02 20060101ALI20170417BHJP
F16F 7/12 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
F22B37/24 E
F16F15/02 Z
F16F7/12
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-193154(P2013-193154)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-59685(P2015-59685A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2016年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】特許業務法人 武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相田 清
(72)【発明者】
【氏名】河村 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】樋吉 佑一
【審査官】
礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】
特許第2572403(JP,B2)
【文献】
特開平06−002804(JP,A)
【文献】
特開平05−157206(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0271686(US,A1)
【文献】
特開平05−149361(JP,A)
【文献】
特開2012−251744(JP,A)
【文献】
特開2013−224730(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/141210(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 37/00 − 37/78
F16F 7/00 − 7/14
F16F 15/00 − 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直方向に複数本配置される柱と水平方向に複数本配置される梁との組み合わせからなる支持架構と、その支持架構の上部梁から吊り下げられるボイラ本体の間に配置されて、一端が前記支持架構側に接続され、他端が前記ボイラ本体側に接続されて、前記支持架構とボイラ本体の地震時の相対変位を利用して地震の振動エネルギーを吸収するボイラ制振用のサイスミックタイであって、
前記サイスミックタイは、前記相対変位の発生する方向に対して水平方向に配置された剛性のある2本のリンク部材と、前記相対変位の発生する方向に対して垂直方向に配置された前記リンク部材よりも柔軟な2本のピン部材を備え、前記リンク部材と前記ピン部材の両端部を互いにヒンジ結合した構造を有し、
前記ピン部材は、そのピン部材の軸方向の中央部に、断面形状が円形であって前記支持架構および前記ボイラ本体の連結部となる支圧部と、前記支圧部からヒンジ結合部に向かって外径を徐々に小さくした略紡錘形状のピン部を有し、
前記ピン部は、外周部に凹状のウエブ部と、そのウエブ部の外縁側にフランジ部を残存形成した形状をしており、
前記ピン部材の軸方向と略直交する方向の前記フランジ部の厚さt(X)を、前記支圧部から前記ヒンジ結合部に向かって徐々に薄くし、
前記フランジ部の厚さt(X)は、下式によって算出されることを特徴とするボイラ制振用のサイスミックタイ。
t(X)=t0・(X/L)α
式中
t(X):ヒンジ結合部の中心点から支圧部側にXmm離れた位置でのフランジ部の厚さ、
t0:支圧部の反力が作用する軸線上におけるフランジ部の厚さ、
X:ヒンジ結合部の中心点からフランジ部の厚さを算出しようとしている位置までの長さ、
L:ヒンジ結合部の中心点から支圧部の反力が作用する軸線上までの長さ、
α:0.3〜0.4の範囲から選択される数値。
【請求項2】
請求項1に記載のボイラ制振用のサイスミックタイにおいて、
地震時の相対変位に対する前記支圧部への反力が作用するピン部材の軸に対して両側部の断面形状を対称形としたことを特徴とするボイラ制振用のサイスミックタイ。
【請求項3】
請求項2に記載のボイラ制振用のサイスミックタイにおいて、
前記ピン部材の軸が前記支圧部への反力の方向と一致するように、当該サイスミックタイが前記ボイラ本体と前記支持架構の間に設置されることを特徴とするボイラ制振用のサイスミックタイ。
【請求項4】
垂直方向に複数本配置される柱と上下方向に複数本配置される梁との組み合わせからなる支持架構と、
その支持架構の上部梁から吊り下げられるボイラ本体と、
前記支持架構と前記ボイラ本体の間に配置されて、一端が前記支持架構に接続され、他端が前記ボイラ本体に接続されて、前記支持架構とボイラ本体の地震時の振動エネルギーを吸収するサイスミックタイを備えたボイラ耐震構造体において、
前記サイスミックタイが請求項1ないし3のいずれか1項に記載のサイスミックタイであって、
前記サイスミックタイを、少なくとも前記ボイラ耐震構造体の重心位置に相当する層に設けたことを特徴とするボイラ耐震構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に火力発電プラント用大型ボイラの耐震構造体に係り、特にボイラプラントに設置される振動吸収装置であるボイラ制振用のサイスミックタイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主に火力発電プラントに用いられる大型ボイラは、通常、垂直方向に複数本配置される鉄骨柱と水平方向に複数本配置される主梁との組合せにより構成される支持架構(ボイラ建屋)の上部から、ボイラ本体が吊下げられた構造になっている。
【0003】
従来から採用されており、且つ本発明の実施形態にも関わるボイラの耐震構造について、
図11ならびに
図12を用いて説明する。
図11はボイラ耐震構造の側面図、
図12は支持架構の各層でのサイスミックタイの配置関係を示す図である。
【0004】
図11に示すように、支持架構7は垂直方向に複数本配置される鉄骨柱1と、水平方向に複数本配置される主梁2との組合せにより構成される。ボイラ本体4は運転中に上下方向に熱伸びするため、この熱伸びを拘束しないようにするために、ボイラ本体4は吊りボルト3により支持架構7の上部から吊下げられている。
【0005】
ここで主梁2とは、水平方向に配置する耐震用の梁を意味する。主梁2は、地面32からの高さ方向に沿って複数段に配置される。下方から順に支持架構7の基礎部分から最下部の主梁2までを第1層、最下部の主梁2から次の上の主梁2までを第2層として、ボイラ本体4を吊下げる最上部の主梁2まで複数の層構造を成し、
図11の例では第7層まで形成されている。
【0006】
図12(1)は
図11A−A線上から見た断面図、
図12(2)は
図11B−B線上から見た断面図、
図12(3)は
図11C−C線上から見た断面図、
図12(4)は
図11D−D線上から見た断面図、
図12(5)は
図11E−E線上から見た断面図、
図12(6)は
図11F−F線上から見た断面図、
図12(7)は
図11G−G線上から見た断面図である。
【0007】
図11ならびに
図12に示すボイラ耐震構造において、ボイラ本体4と支持架構7の間には、複数個のサイスミックタイ6が設置されており、このサイスミックタイ6で地震荷重5(
図11参照)による振動エネルギーを吸収して、支持架構7を制振する。
【0008】
具体的には
図11に示すように、第1層の上部、第2層の上部、第4層の上部、第5層の上部、第6層の上部にそれぞれサイスミックタイ6が設置されている。本例の場合
図12に示すように、合計で14個のサイスミックタイ6が用いられている。
【0009】
図11に示すように各サイスミックタイ6は主梁2の裏側に隠れた状態で配置され、各サイスミックタイ6の両端部は
図12に示すように支持架構7(鉄骨柱1)とボイラ本体4に連結されている。
【0010】
図13は、サイスミックタイ6の構成とそれの取り付け状態を示す一部斜視図である。この図に示す従来のサイスミックタイ6は、例えば特許第2572403号公報(特許文献1)に開示されている。
【0011】
このサイスミックタイ6は、支持架構7とボイラ本体4が地震時に相対変位する方向に対して水平方向に配置された剛な鋼材からなる2本のリンク部材16Aと、前記相対変位の発生する方向に対して垂直方向に配置された柔な鋼材からなる2本のピン部材16Bから構成されている。
【0012】
リンク部材16Aとピン部材16Bの両端部は互いにヒンジ結合されており、符号16Cはヒンジ結合部で、ヒンジ孔と、それに挿入されるヒンジピンから構成されている。
【0013】
図14は従来のピン部材16Bを示す図であり、
図14(1)はピン部材16Bの正面図、
図14(2)は
図14(1)A−A線上から見た断面図、
図14(3)は
図14(1)B−B線上から見た断面図である。
【0014】
図14(1)に示すようにピン部材16Bは、それの軸方向の中央部に配置された支圧部16B−1と、その支圧部16B−1の上下面からヒンジ結合部16Cに向かって外径を徐々に小さくした略紡錘形状(ラグビーボール形状)をしたピン部16B−2から構成されている。
【0015】
図14(2)に示すように支圧部16B−1の断面形状は円形をしており、
図14(3)に示すようにピン部16B−2の断面形状も円形をしている。
【0016】
そして
図13に示すように、2本ある内の一方(図面に向かって左側)のピン部材16Bの支圧部16B−1が間接的にボイラ本体4に連結され、他方(図面に向かって右側)のピン部材16Bの支圧部16B−1が直接支持架構7に連結されている。
【0017】
図15は、サイスミックタイによるエネルギー吸収の原理を説明する図であり、
図14に示した従来構造におけるサイスミックタイの反力Fiと変位δiの関係を
図15の実線で表す。この実線で囲まれる面積が、振動エネルギー吸収量に相当する。なお、
図15において座標の原点を通る実線は後述する第1勾配を説明するための線である。
【0018】
ボイラ構造物の場合、ボイラ本体4と支持架構7の相対変位がサイスミックタイ6に作用する変位δiとなり、この変位δiによってサイスミックタイ6に反力Fiが発生する。地震時に配管など に損傷が生じないようにするため、実際のボイラ構造物におけるサイスミックタイ6の変位δiを最大値以下に抑える必要があり、
図15ではその最大変位δi,maxを15cmに設定している。
【0019】
図14に示した従来構造におけるサイスミックタイの課題を、別の面から見て説明する。
図14に示すようにピン部材16Bは断面形状が丸型をしており、このピン部材16Bは比較的、中規模レベルの地震が起こった場合のエネルギーを吸収するために発明されたものであり、
図15中の荷重変位曲線における従来構造(実線)に相当する。
ところがこの構造では、図中の第1勾配に対する第2勾配の比が大きいので、弾性的な変形をするためにエネルギー吸収が少ないことが課題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
【特許文献1】特許第2572403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
ここで、サイスミックタイによるエネルギー吸収の原理について
図15を用いて説明する。実線で示す従来構造(
図14参照)における最大変位δi,max(=15cm)、最大反力Fi,maxを超えない条件下で、振動エネルギー吸収量を最大にするのが、図中の点線(図中で目標と記載)で示す矩形の面積である。
【0022】
この矩形面積に極力近づけるように、実線で示す従来構造による振動吸収エネルギー面積をさらに広げるようにしたのが、本出願人が先に提案した構造である(特願2012−195298号)。
【0023】
図16はその先に提案した構造におるピン部材16Bの正面図、
図17はそのピン部材16Bの斜視図、
図18(1)は
図16A−A線上から見た断面図、
図18(2)は
図16B−B線上から見た断面図、
図18(3)は
図16C−C線上から見た断面図、
図18(4)は
図16D−D線上から見た断面図である。
【0024】
この先に提案した構造において前記従来構造と相違する点は、ピン部16B−2の構造である。すなわち、ピン部16B−2の部分を、それの軸方向にその軸を対称中心線として両側面を部分的に凹状のウエブ部16B−3を形成し、そのウエブ部16B−3の両側にフランジ部16B−4を残存形成した形状になっている。
【0025】
図18(1)は支圧部16B−1の断面形状を示しており、支圧部16B−1は円形をしている。一方、
図18(2)〜(4)はピン部16B−2の断面形状を示しており、ウエブ部16B−3とフランジ部16B−4の形成により、断面形状が略H形をしている。
【0026】
図16と
図18には、サイスミックタイの反力Fiが作用する軸1001を示している。支圧部16B−1ならびにピン部16B−2の断面形状は、サイスミックタイ反力Fiが作用する軸1001に対して対称形となっている。そして、前記軸1001がサイスミックタイ反力Fiの方向と一致するようにサイスミックタイが、ボイラ本体と支持架構の間に設置される。
【0027】
図19は変形前の先に提案した構造におるピン部材16Bの正面図、
図20は
図19A−A線上から見た断面図、
図21は繰り返し変形後の先に提案した構造におるピン部材16Bの正面図、
図22は
図21B−B線上から見た断面図である。
【0028】
先に提案した構造では、
図18(2)〜(4)ならびに
図19に示すようにピン部材16Bの軸方向と略直交する方向のフランジ部16B−4の厚さt(x)がピン部材16Bの軸方向のどこでも一定であった。この例の場合、フランジ部16Eの厚さt(x)は一様に40mmである(
図18(2)〜(4)参照)。
【0029】
そのため、ピン部材16B(サイスミックタイ6)を繰り返して使用していると、
図22に示すように、支圧部16B−1の近傍のフランジ部16B−4に亀裂17が発生し、その亀裂17がウエブ部16B−3に進展し、ひいてはウエブ部16B−3が破断18に至り、サイスミックタイの寿命が短いという課題があった。
【0030】
この寿命を表すパラメータである累積塑性変形量比と荷重比との関係を
図23に示す。累積塑性変形量比とは、
図15に示す反力Fi(荷重Fi)と変位δi(変形量δi)の関係における変形量の絶対値を累積して、規定値で無次元化した値である。また荷重比とは、荷重の絶対値を累積して、規定値で無次元化した値である。
【0031】
図23に示すように、累積塑性変形量比と荷重比の関係曲線は鋸波形となる。先に提案した構造では、累積塑性変形量比が1.1程度で亀裂が発生している。将来的には、持続時間の長い地震波(長周期地震波)に耐える必要があり、この累積塑性変形量比を倍増させて、長寿命化することが課題であった。
【0032】
先に提案した構造の別の面から見た課題を説明する。
この先に提案した構造は、前述の特許文献1に開示されている構造(
図14参照)の課題を解決すべく、ピン部材16Bの形状、構造を
図16〜
図18に示すように根本的に変えたものである。
【0033】
このピン部材16Bは、大規模レベルの地震が起こった場合のエネルギーを吸収するために発明されたものであり、その断面形状は
図18に示すように略I(略H)型であり、
図14に示すように断面形状が丸型のものとは根本的に異なるのが特徴である。
【0034】
この略I(略H)型の構造では、地震が起こったときに極限的な力が作用することになり、それが故に変形が弾塑性的となり、その荷重変位曲線が
図15中の目標に近づくのが利点である。しかしながら、この利点の反面、本構造独特の課題として、フランジ部16B−4において局所的な応力集中が発生するため、この課題を解決する必要があった。
【0035】
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、長周期地震などの比較的継続時間の長い地震波に対してもサイスミクタイが十分に機能し、長寿命のサイスミックタイならびにそれを備えたボイラ耐震構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0036】
前記目的を達成するため、本発明の第1の手段は、
垂直方向に複数本配置される柱と水平方向に複数本配置される梁との組み合わせからなる支持架構と、その支持架構の上部梁から吊り下げられるボイラ本体の間に配置されて、一端が前記支持架構側に接続され、他端が前記ボイラ本体側に接続されて、前記支持架構とボイラ本体の地震時の相対変位を利用して地震の振動エネルギーを吸収するボイラ制振用のサイスミックタイであって、
前記サイスミックタイは、前記相対変位の発生する方向に対して水平方向に配置された剛性のある2本のリンク部材と、前記相対変位の発生する方向に対して垂直方向に配置された前記リンク部材よりも柔軟な2本のピン部材を備え、前記リンク部材と前記ピン部材の両端部を互いにヒンジ結合した構造を有し、
前記ピン部材は、そのピン部材の軸方向の中央部に、断面形状が円形であって前記支持架構および前記ボイラ本体の連結部となる支圧部と、前記支圧部からヒンジ結合部に向かって外径を徐々に小さくした略紡錘形状のピン部を有し、
前記ピン部は、外周部に凹状のウエブ部と、そのウエブ部の外縁側にフランジ部を残存形成した形状をしており、
前記ピン部材の軸方向と略直交する方向の前記フランジ部の厚さt(X)を、前記支圧部から前記ヒンジ結合部に向かって徐々に薄くし、
前記フランジ部の厚さt(X)は、下式によって算出されることを特徴とするものである。
【0037】
t(X)=t
0・(X/L)
α
式中
t(X):ヒンジ結合部の中心点から支圧部側にXmm離れた位置でのフランジ部の厚さ、
t
0:支圧部の反力が作用する軸線上におけるフランジ部の厚さ、
X:ヒンジ結合部の中心点からフランジ部の厚さを算出しようとしている位置までの長さ、
L:ヒンジ結合部の中心点から支圧部の反力が作用する軸線上までの長さ、
α:0.3 〜0.4の範囲から選択される数値。
本発明の第2の手段は前記第1の手段において、
地震時の相対変位に対する前記支圧部への反力が作用するピン部材の軸に対して両側部の断面形状を対称形としたことを特徴とするものである。
【0038】
本発明の第3の手段は前記第2の手段において、
前記ピン部材の軸が前記支圧部への反力の方向と一致するように、当該サイスミックタイが前記ボイラ本体と前記支持架構の間に設置されることを特徴とするものである。
【0039】
本発明の第4の手段は、
垂直方向に複数本配置される柱と上下方向に複数本配置される梁との組み合わせからなる支持架構と、
その支持架構の上部梁から吊り下げられるボイラ本体と、
前記支持架構と前記ボイラ本体の間に配置されて、一端が前記支持架構に接続され、他端が前記ボイラ本体に接続されて、前記支持架構とボイラ本体の地震時の振動エネルギーを吸収するサイスミックタイを備えたボイラ耐震構造体において、
前記サイスミックタイが前記第1ないし第3の手段サイスミックタイであって、
前記サイスミックタイを、少なくとも前記ボイラ耐震構造体の重心位置に相当する層に設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0040】
本発明は前述のような構成になっており、長周期地震などの比較的継続時間の長い地震波に対してもサイスミクタイが十分に機能し、長寿命のサイスミックタイを提供することにある。
【0041】
そのため、新設ボイラ装置の場合は耐震性を向上するとともに支持架構に要する鉄骨使用量を低減し、また、既設ボイラ装置の場合は耐震性を向上するボイラ耐震構造体の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明の実施形態に係るサイスミックタイに用いるピン部材の正面図である。
【
図2】そのピン部材におけるフランジ部の厚さの変化を説明するための図である。
【
図4】そのピン部材の繰り返し変形後の正面図である。
【
図6】本出願人が先に検討したピン部材の正面図である。
【
図7】ピン部材におけるαの値を変化させた場合の、αの値と応力均一度との関係を検討した結果を示す図である。
【
図8】先に提案したサイスミックタイに対する本発明によるエネルギー吸収量の増加率を示した特性図である。
【
図9】本発明の実施形態に係るサイスミックタイの累積塑性変形量比と荷重比との関係を示す特性図である。
【
図10】ボイラ本体、ボイラ建屋、タービン建屋、ボイラ建屋とタービン建屋の間に配設される主配管の全体構成を示す概略図である。
【
図13】サイスミックタイの構成とそれの取り付け状態を示す一部斜視図である。
【
図14】従来のピン部材を示す図であり、
図14(1)はピン部材の正面図、
図14(2)は
図14(1)A−A線上から見た断面図、
図14(3)は
図14(1)B−B線上から見た断面図である。
【
図15】サイスミックタイによるエネルギー吸収の原理を説明する図である。
【
図16】本出願人が先に提案した構造におるピン部材の正面図である。
【
図23】先に提案したサイスミックタイの累積塑性変形量比と荷重比との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
まず、本実施形態に係るサイスミックタイ6について、鉄骨柱1と主梁2からなるボイラ建屋7と、そのボイラ建屋7に吊り下げられたボイラ本体4と、ボイラ本体4からタービン建屋30へ配設された主配管24を含めた全体構造からみて、地震時対応としてのサイスミックタイ6の必要性について説明する。
【0044】
図10は、火炉20、側壁部21、後部壁部22及びペントハウス部23からなるボイラ本体4と、支持架構であるボイラ建屋7と、タービン建屋30と、ボイラ建屋7とタービン建屋30の間に配設される主配管24の全体構成を示す概略図である。なお、
図11〜
図13は、従来技術を説明するための構成を示す図ではあるが、本実施形態においても適用される基盤的な技術である。
【0045】
図10において、火力発電プラントに用いられる大型ボイラは、そのボイラ本体4が通常、複数本の鉄骨柱1と複数本の主梁2との組合せにより構成される鉄骨構造であるボイラ建屋7(支持架構体7とも称する)の最上部の主梁2から吊下げられている。
【0046】
ボイラ本体4は周囲を伝熱壁(周壁とも称する)で囲まれた筐体構造を成しており、前記伝熱壁に設けたバーナ等により化石燃料等の燃料と共に燃焼用空気を供給して燃焼させる火炉20と、その火炉20の上部に連通して水平方向に設けられ、燃焼により生じた燃焼排ガスが流れる側壁部21と、その側壁部21に連通して設けられ燃焼排ガスが下降流となって流れる後部壁部22とから構成されている。
【0047】
火炉20の上部には吊下げ型の過熱器や再熱器が燃焼排ガス流路内に設けられており、火炉20からの例えば約1400℃〜1500℃の高温の燃焼排ガスと過熱器、再熱器および周壁の内部を流通する水蒸気または水との間で熱交換を行う。側壁部21においても燃焼排ガスは周壁の内部を流通する水蒸気または水との間で熱交換を行い、例えば約1000℃〜1100℃の燃焼排ガスとなり後部壁部22に流入する。
【0048】
後部壁部22においては横置き型の過熱器、再熱器、節炭器が同じく燃焼排ガス流路内に設けられており、側壁部21からの燃焼排ガスは過熱器、再熱器、節炭器および周壁の内部を流通する水蒸気または水との間で熱交換を行い、例えば約300℃〜400℃の燃焼排ガスとなる。
【0049】
ボイラ本体4の最上部には、天井壁およびシール構造により火炉20、側壁部21および後部壁部22の内部とは断熱遮断されたペントハウス部23があり、過熱器や再熱器の管寄せが設けられている。過熱器や再熱器で高温となった蒸気は、ペントハウス部23内の管寄せを経由して管寄せに連通して設けられた主蒸気管や再熱蒸気管(これらをまとめて主配管24と称する)を介して、ボイラ建屋7とは別に独立して設けられたタービン建屋30へ送られる。
【0050】
また、後部壁部22の下部または後方からボイラ建屋7の外部に連通して排ガスダクトが設けられている。排ガスダクトの経路内には脱硝装置、除塵装置および脱硫装置などの環境装置や熱交換器が設けられており、後部壁部22からの燃焼排ガスは脱硫装置出口で約50℃となった後、最終的に煙突から大気へ放出される。
【0051】
この他、
図10には図示していないが、ボイラ本体4からボイラ建屋7を経てタービン建屋30近傍に連通しているものとしては、ボイラ本体4への給水を供給する主給水管などがある。主蒸気管や再熱蒸気管はボイラ本体4からボイラ建屋7を経由してタービン建屋30に至る経路において、ボイラ建屋7内、タービン建屋30内および両者間の鉄骨構造物に設けられたスプリングハンガなどの支持サポートに吊下げられており、各構造物における配管の熱伸びに対応できるようにしている。また、排ガスダクトはボイラ建屋7からの出口部などにエクスパンション構造が設けられており、ボイラ本体4の熱伸びに対応できるようにしている。
【0052】
これらの配管やダクトは少なくともボイラ本体4の熱伸びには対応可能に設計されているが、振幅の大きな地震時の対応には限界がある。特に、ボイラ本体4とボイラ建屋7間においては、地震時のボイラ本体4とボイラ建屋7との干渉を防止するためボイラ本体4とボイラ建屋7との相対変位量には制限があり、仮に制限を越えた変位が生じた場合には主配管24等の破損が生じるため、地震後の復旧に多大の時間を要することになる。
【0053】
このためボイラ本体4とボイラ建屋7間には弾性変形に加えて塑性変形により振動エネルギーを吸収するサイスミックタイ6を用いて対応している。
【0054】
図11で説明したように、ボイラ本体4は吊りボルト3を介して最上部の主梁2に吊下げ支持されており、ボイラ運転中に吊下げ支持部を起点として上下方向を下向きに非拘束で熱伸びする。
【0055】
複数の層構造からなるボイラ建屋7では、複数層において鉄骨柱1または主梁2のいずれかとボイラ本体4とを接続して、ボイラ本体4の地震時の振動エネルギーを吸収するためのサイスミックタイ6が設けられている。なお、サイスミックタイ6の一方は、通常は主鉄骨柱1に接続されているが、剛性が高ければ主梁2に接続することも可能である。また、サイスミックタイ6の他方は、通常、ボイラ本体4の火炉を取り囲むようにバックステと称する周壁を拘束する構造体が設けてあり、そのバックステを介してボイラ本体4と接続される。
【0056】
サイスミックタイ6は、それの一方が主梁2と同じ高さ位置で主鉄骨柱1に接続されている。このようにサイスミックタイ6の主鉄骨柱1への接続位置を主梁2と同じレベルにしたのは、両者が設けられていることによりボイラ建屋7側の剛性が最も高い部分となることによる。
【0057】
図11に示す例ではサイスミックタイ6は、第1層の上部、第2層の上部、第4層の上部、第5層の上部、第6層の上部に、合計で14個設置されている。また、各サイスミックタイ6の鉄骨柱1への取り付け角度は例えば30度〜45度としており(
図12に示す長尺状のサイスミックタイ6が鉄骨柱1に当接する角度)、ボイラ本体の平面上のあらゆる変位方向に対応できるようにしている。また、ボイラ本体の熱伸び(上下移動)に対しても対応できる構造になっている。このように、サイスミックタイ6により地震荷重5による振動エネルギーを吸収してボイラ本体4とボイラ建屋7とのボイラ構造物を制振する。
【0058】
図11ならびに
図12において点線で囲まれた部分8は、ボイラ本体4と支持架構7からなるボイラ耐震構造体の重心位置に相当する層を示す。この重心位置の相当層8に本実施形態に係るサイスミックタイ6を設けることにより耐震性を向上したボイラ構造体とすることができる。
【0059】
また、
図11と
図10において、ボイラ本体が火炉20と後部壁部22とを有する層に対しては、本実施形態に係るサイスミックタイ6を、火炉20と支持架構7の間、及び、後部壁部22と支持架構7の間の両方に設けることにより、耐震性の向上が図れる。
【0060】
本実施形態のサイスミックタイ6も
図13に示した従来技術と同じように、サイスミックタイ6の全体の構成は、鋼板などの剛な鋼材2枚を1組として長さ方向の端部を溶接して1枚の板状にしたリンク部材16Aをボイラ本体4の高さ方向に上下1組ずつ平行に配置する。
【0061】
このリンク部材16Aの上下の両端部に、紡錘型の柔な2本の鋼材からなるピン部材16Bを垂直方向に配置し、リンク部材16Aを構成している前記鋼材2枚の間に、ピン部材16Bの上下両端部をそれぞれ差し込む。そしてリンク部材16Aの両端部とピン部材16Bの両端部を丸鋼(ヒンジピン)によりヒンジ接続している。すなわち、サイスミックタイ6は、剛性のある鋼材から構成された2本のリンク部材16Aと、そのリンク部材16Aよりも柔軟な鋼材からなる2本のピン部材16Bのリンク構造体となっている。
【0062】
このように剛性のあるリンク部材16Aと、それよりも柔軟なピン部材16Bを組み合わせて用いることにより、サイスミックタイ6の主たる変形箇所をピン部材16Bに特定することができる。
【0063】
また、2本のピン材16Bの中央部に設けた支圧部16B−1にそれぞれ接続部材を設け、一方のピン材16Bは支圧部6Cを介して支持架構7の鉄骨柱1に連結され、他方のピン材16Bはバックステを介してボイラ本体4に連結される。
【0064】
図15の実線は、地震時のサイスミックタイが変位に対して作用する反力の状態を示したものである。変位開始前は原点(図面中央の変位方向と反力方向が交差した点)にあり、右側の変位に応じて右上がりに増加する。この勾配を第1勾配と称し、弾性変形により反力が増加する。変位が進むと弾性変形から塑性変形へとなり、ここからの勾配を第2勾配と称する。この第2勾配は、変位が最大変位(15cm)に達するまで続く。
【0065】
次に、変位が右から左に方向を変えると反力の方向が逆になり、弾性変形により前記最大変位から連続して第1勾配と平行に逆進し、原点まで戻らない位置で塑性変形となり、左側の変位に対して第2勾配と平行に最大変位(−15cm)に達するまで進む。
【0066】
さらに変位が左から右に方向を変えると反力の方向がまた逆、すなわち最初の方向と同じになり、弾性変形により第1勾配と平行に塑性変形に変わるまで進み、塑性変形後は第2勾配で最大変位(15cm)まで進むことになる。
【0067】
このように、断面2次モーメントを増加することと塑性応力面積部分を広げることには相反関係にあるため、両者を両立させる構造を見出すことには非常に困難な課題が伴うものであった。
【0068】
本発明の実施形態に係るサイスミックタイ6では、このような課題を解決することができた。なお、
図16〜
図18に示す先に提案したサイスミックタイ6でも、前述の課題を解決することができるが、ピン部材16Bの軸方向と略直交する方向のフランジ部16B−4の厚さtがピン部材16Bの軸方向のどこでも同じであったため、繰り返し変形時において、支圧部16B−1近傍のフランジ部16B−4に応力が集中して、
図21ならびに
図22に示したように亀裂17が発生するという問題がある。
【0069】
そこでこの解決策として、
図6に示すように、支圧部16B−1近傍のフランジ部16B−4の厚さt(x)を大きくした構造を検討した。しかし、この構造では、フランジ部16B−4上の応力集中位置が移動するだけであって、亀裂発生の可能性があった。
【0070】
本発明は、ピン部材16Bの中間部に設けられている支圧部16B−1からピン部材16Bの両端部に設けられているヒンジ結合部16Cに至る方向において、ピン部材16Bの軸方向と直交するフランジ部16B−4の厚さt(X)を、後述する式に従って順次薄くすることにより、フランジ部16B−4上での応力の分布を均等にして、亀裂の発生を抑制したものである。
【0071】
図1は本発明の実施形態に係るサイスミックタイ6に用いるピン部材16Bの正面図、
図2はそのピン部材16Bにおけるフランジ部16B−4の厚さt(X)の変化を説明するための図、
図3は
図1A−A線上から見た断面図、
図4は繰り返し変形後のピン部材16Bの正面図、
図5は
図4B−B線上から見た断面図である。
【0072】
図1に示すようにピン部材16Bは、それの軸方向の中央部に配置された支圧部16B−1と、その支圧部16B−1の両面からヒンジ結合部16Cに向かって外径を徐々に小さくした略紡錘形状(ラグビーボール形状)をしたピン部16B−2から構成されている。
【0073】
ボイラ本体4の熱膨張時に、ボイラ本体4と支持架構7に対してサイスミックタイ6を回転自由に連結するため、支圧部16B−1の断面形状は円形をしており(図示せず)、前述の接続部材に対して相対的に摺動する構造になっている。
【0074】
ピン部材16Bの軸方向にその軸を対称中心線としてその両側面を部分的に凹状のウエブ部16B−3を形成し、且つそのウエブ部16B−3の両端部にフランジ部16B−4を残存形成している。
【0075】
図1には、サイスミックタイ6の反力Fiが作用する軸1001を示している。支圧部16B−1ならびにピン部16B−2の断面形状は、サイスミックタイ反力Fiが作用する軸1001に対して対称形となっている。そして、前記軸1001がサイスミックタイ反力Fiの方向と一致するようにサイスミックタイ6が、ボイラ本体4と支持架構7の間に設置される。
【0076】
前述のように本発明の特徴は、ピン部材16Bの中間部に設けられている支圧部16B−1からピン部材16Bの両端部に設けられているヒンジ結合部16Cに至る方向(
図2中の−X方向)において、フランジ部16B−4の厚さt(X)を、
図2中に記載されている式t(X)=t
0・(X/L)
αに従って、順次薄くしたことにある。
【0077】
前記式は、地震発生時、フランジ部16B−4の内部で発生する応力を均一にするように、式中のα値を解析検討により適正化して求めた式であり、その結果、α値は0.3〜0.4の範囲から選択される数値が適正値であることを、後述の検討結果から解明した。
【0078】
なお、前記式中
t(X):ヒンジ結合部16Cの中心点Oから支圧部16B−1側にXmm離れた位置でのフランジ部16B−4の厚さ(例えば図中のt(X
1),t(X
2)参照)、
t
0:支圧部16B−1の中央部(サイスミックタイ6の反力Fiが作用する軸1001線上)におけるフランジ部16B−4の厚さ、
X:ヒンジ結合部16Cの中心点Oからフランジ部16B−4の厚さを算出しようとしている位置までの長さ、
L:ヒンジ結合部16Cの中心点Oから支圧部16B−1の中央部(サイスミックタイの反力Fiが作用する軸1001線上)までの長さ、
α:0.3〜0.4の範囲から選択される数値
をそれぞれ示している。
【0079】
図1に示すピン部材16Bにおけるαの値を変化させた場合の、αの値と応力均一度との関係を検討した結果を
図7に示した。同図の横軸にαの値を、縦軸に応力均一度を、それぞれとっている。
【0080】
この図から明らかなように、αの値が0.3を超えると応力均一度は60%超えて更に増える傾向にあり、一方、αの値が0.4を超えると応力均一度は60%より更に下がる傾向にある。
【0081】
従って、αの値を0.3〜0.4の範囲内に特定することにより、フランジ部16B−4内部での応力均一度を極端に大きくすることができる。なお、先に検討した
図6に示すピン部材16Bでは、支圧部16B−1近傍のフランジ部16B−4の厚さt(x)が極端に厚いため、αの値は0.3〜0.4の範囲から外れており、応力均一度は低い。
【0082】
図8は、先に提案したサイスミックタイに対する本発明によるエネルギー吸収量の増加率を示した特性図である。前述のようにαの値を0.3〜0.4の範囲内に特定することにより、応力均一度を大きくすることができ、その影響で
図8に示すように、α=0.3〜0.4の領域において、先に提案したサイスミックタイよりもエネルギー吸収率を増加することができる。
【0083】
図7に示す応力均一度が高いα値の領域と、
図8に示すエネルギー吸収量が増加するα値の領域は、同じ領域であり、このことからα=0.3〜0.4が最適値と判断した。
【0084】
このように支圧部16B−1からヒンジ結合部16Cに至る方向において、フランジ部16B−4の厚さt(X)の変化に緩やかな勾配を持たせることにより、
図4に示すようにサイスミックタイ6が繰り返し変形した場合においても、フランジ部16B−4での応力集中を防ぎ、それによりフランジ部16B−4に割れが発生し難くなり、結果的にはサイスミックタイ6の長寿命化に寄与することになる。
【0085】
図9は、本発明の実施形態に係るサイスミックタイ6の累積塑性変形量比と荷重比との関係を示す特性図である。この試験は、前記式においてL=167mm、t
0=10mm
2、X
1=75mm、t(X
1)=7mm、X
2=122mm、t(X
2)=9mm、α=0.33で設計された、実際のピン部材16Bの1/3の縮小モデルピン部材を作製して行った。
【0086】
従って、実際の大きさのピン部材16Bに換算すると、X
1は75×3=225mm、t(X
1)は7×3=21mm、X
2は122×3=366mm、t(X
2)は9×3=27mmとなる。従って
図2に示す位置X
2と位置X
1の間(366−225=)141mmで、フランジ部16B−4の厚さt(X)は(27−21=)6mmと僅かに薄くなっていることになる。
【0087】
図9に示すように、本発明の実施形態に係るサイスミックタイ6は、累積塑性変形量比が2.0程度で破断するが、これは
図23に示す先に提案したサイスミックタイの累積塑性変形量比1.1の約2倍であり、サイスミックタイの耐用寿命を約2倍に延長することが可能となる。
【0088】
詳細な構造は図示していないが、本発明の実施形態に係るサイスミックタイ6は、所定の形状に成形された複数枚の鋼板を組み合わせて接合することにより構成することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 鉄骨柱、
2 主梁、
4 ボイラ本体、
5 地震荷重、
6 サイスミックタイ
7 支持架構(ボイラ建屋)、
8 ボイラ耐震構造の重心位置に相当する層、
16A リンク部材、
16B ピン部材、
16B−1 支圧部、
16B−2 ピン部、
16B−3 ウエブ部、
16B−4 フランジ部、
16C ヒンジ結合部、
δi 変位、
Fi 支圧部へ作用する反力、
1001 反力Fiが作用する軸。