特許第6122871号(P6122871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6122871多環式化合物誘導体、それらの製造方法および医薬用途
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6122871
(24)【登録日】2017年4月7日
(45)【発行日】2017年4月26日
(54)【発明の名称】多環式化合物誘導体、それらの製造方法および医薬用途
(51)【国際特許分類】
   C07D 307/80 20060101AFI20170417BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170417BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170417BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20170417BHJP
   A61K 31/343 20060101ALI20170417BHJP
   A61K 31/4525 20060101ALI20170417BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20170417BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20170417BHJP
   A61K 31/397 20060101ALI20170417BHJP
   A61K 31/443 20060101ALI20170417BHJP
【FI】
   C07D307/80CSP
   A61P3/10
   A61P43/00 111
   A61P3/00
   A61K31/343
   A61K31/4525
   C07D405/12
   A61K31/4025
   A61K31/397
   A61K31/443
【請求項の数】16
【全頁数】79
(21)【出願番号】特願2014-551505(P2014-551505)
(86)(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公表番号】特表2015-503595(P2015-503595A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】CN2012087606
(87)【国際公開番号】WO2013104257
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2015年12月3日
(31)【優先権主張番号】201210008286.9
(32)【優先日】2012年1月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510166892
【氏名又は名称】ジエンス ヘンルイ メデイシンカンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU HENGRUI MEDICINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】508209602
【氏名又は名称】シャンハイ ヘンルイ ファーマスーティカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI HENGRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100153394
【弁理士】
【氏名又は名称】謝 卓峰
(74)【代理人】
【識別番号】100116311
【弁理士】
【氏名又は名称】元山 忠行
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ファンロン
(72)【発明者】
【氏名】ドン、チン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジホェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チュァンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、リン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ヤン
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−083154(JP,A)
【文献】 特表2009−542580(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/123016(WO,A1)
【文献】 国際公開第2004/106276(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/087710(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/143733(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0313003(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/048207(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/080537(WO,A1)
【文献】 特表2009−530281(JP,A)
【文献】 特表2008−500358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 307/80
C07D 405/12
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩:
【化1】
式中、Aは−O−であり;
Lは−O−であり;
環Bはフェニルであり;
,RおよびRは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され、該アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る下記の群から選択され、
該シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
mは0、1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0、1、2、3または4であり;そして
qは0、1、2、3または4である。
【請求項2】
式(II)の化合物およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩:
【化2】
式中、A,L,R〜R,n,pおよびqは請求項1で定義した通りである。
【請求項3】
は、アルキル、ハロゲンおよびヒドロキシアルキルから成る群から選択される、請求項1〜2のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
pは0であり、またはpは0でない場合、Rがアルキルまたはハロゲンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
nは0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
式(III)の化合物およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項2に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩:
【化3】
式中、環Eはシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る下記の群から選択され;
【化4】
はハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され;
mは0、1または2であり;
qは0、1、2、3または4であり;そして
sは0、1、2または3である。
【請求項7】
式(IV)の化合物およびその薬学的に許容される塩から選択される、請求項6に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩:
【化5】
式中、環E,R,R,sおよびqは請求項6で定義した通りである。
【請求項8】
化合物が:
【化6】
から成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
式(IA)の化合物:
【化7】
式中、環B,L,R、R,pおよびqは、請求項1で定義した通りであり;
は、シクロアルキルおよびヘテロシクリルから成る下記の群から選択され、
該シクロアルキルまたはヘテロシクリルはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;R5、R6 、R7およびmは、請求項1で定義した通りである。
【請求項10】
工程:
【化8】
式(IA)の化合物をヒドロキシル置換のベンゾ‐環式化合物と溶媒中で縮合させて式(I’)の化合物を得る(式中、B,A,L,R,n,pおよびqは、請求項1で定義した通りであり、Rは、請求項9で定義した通りである。)工程を含む、式(I’)の化合物およびその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項11】
式(IB)の化合物:
【化9】
式中、環B,A,L,R〜R,nおよびqは、請求項1で定義した通りであり、pは2,3または4である。
【請求項12】
工程:
【化10】
式(IB)の化合物とR−置換アルキルスルホン酸エステルを溶媒中で反応させて式(I)の化合物を得る(式中、環B,A,L,R〜R,n,pおよびqは、請求項1で定義した通りであり、Rはアルキルである)工程を含む、請求項1に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩の製造方法。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩の治療上の有効量、および薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
【請求項14】
糖尿病およびメタボリック症候群の疾患の予防および治療のための薬物の製造における、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩、または請求項13に記載の医薬組成物の使用。
【請求項15】
糖尿病はII型糖尿病である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
糖尿病およびメタボリック症候群の疾患の予防および治療用薬物としての使用のための、請求項1〜8のいずれか1項に記載の式(I)の化合物およびその薬学的に許容される塩、または請求項13に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、新規の多環式化合物誘導体、製造方法、それを含有する医薬組成物、およびそれらの治療剤としての、特にGPR40アゴニストとしておよび糖尿病、メタボリック症候群等の治療薬の製造における用途に関する。
【背景技術】
【0002】
II型糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病としてまたは成人発症型糖尿病としても知られているが、患者ではインスリン分泌が非常に少ないか、または体がインスリンを効率よく使えない(即ち、インスリン抵抗性)ことが見られる。現在では約1億8500万人の糖尿病患者が世界中におり、その内II型糖尿病は全糖尿病患者の90〜95%にのぼっていて、毎年6%増加している。2010年においては, II型糖尿病の罹患率は20歳以上の中国人成人で約9.7%に達している。
【0003】
現在では、II型糖尿病の治療法としては:膵臓β細胞を活性化してより多くのインスリンを産生させる、スルホニルウレアなどのインスリン分泌促進物質;肝臓でのグルコースの生成を減少させる、メトホルミンなどの抗糖尿病剤;インスリン感受性を改善してインスリンのバイオアベイラビリティを高める、チアゾリジンジオンなどのペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(PPAR−γ)の活性化剤;および腸におけるグルコース産生を妨げる、αグルコシダーゼ阻害剤が挙げられる。しかしながら、現在の既存治療法にはある種の不足がある。例えば、スルホニルウレア系薬剤とインスリン注射は低血糖発作および体重増加を伴う。さらに、患者は徐々にスルホニルウレアに対する応答をしばしば失くし、耐性を得る。メトホルミンとαグルコシダーゼ阻害剤はしばしば胃腸の問題を起こし、そしてPPAR−γアゴニストは体重増加と浮腫を引き起こす傾向がある。
【0004】
市場に新しくてより効果のある抗糖尿病薬をもたらすために幾つかの分野に亘る研究が行われている。例えば、本発明者らは過剰の肝グルコース産生を減らし、インスリン誘発グルコース取り込みのシグナル経路の伝達を高め、膵臓β細胞におけるグルコースで刺激されたインスリン分泌(GSIS)を改善する方法を探索しており、肥満と脂質代謝、蓄積異常等を研究している。
【0005】
フリーの脂肪酸(FFA)は代謝の幾つかの局面でキーとなる役割を果たし、例えば、それらは絶食状態でグルコースに応答する膵臓β細胞のインスリンを高める「初回刺激」であり、そしてそれらは脂質生合成の出発点である。最初に、GPR40はヒトゲノムからのオーファン受容体の形で見つけられた。GPR40は膵臓β細胞およびインスリン分泌細胞株で高度に発現する。GPR40は、また脂肪酸受容体1(FFAR1)としても知られているが、Gタンパク質共役受容体(「GPCRs」)の遺伝子スーパーファミリーの一員である。GPCRsは7つの膜貫通ドメインを持つ膜タンパクであって、種々の分子に応答でき、それにより細胞内シグナル伝達経路を活性化し、そして種々の生理的機能を達成するのに重大な意味を持っている。GPR40の活性化は、細胞内シグナル伝達タンパク質のGファミリーの調節とリンクしていて、カルシウムイオン濃度の増加の誘発を伴う。GPR40は細胞表面で確認される最初の脂肪酸受容体で、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸などの血漿中で最も一般的な脂肪酸と結合することができる。GPR40は「栄養素を感じる」受容体と考えることができ、グルコース利用および/または脂質代謝全体に影響する幾つかの組織依存性の役割を果たしている。例えば、長鎖のFFAsはGPR40の活性化を通して膵臓β細胞におけるGSISを増幅する。
【0006】
GPR40レギュレーターはGSISを促進するインクレチンの作用を果たし、さらにそれらはまた種々の抗糖尿病薬と組み合わせることができる。上記より、GPR40アゴニストは、糖尿病とそれに伴う状況、特にII型糖尿病、肥満、グルコース不耐性、インスリン抵抗性、代謝性シンドロームX、高脂血症、高コレステロール血症、アテローム性動脈硬化症、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、および脳卒中などの他の兆候の治療に用いることができる。有力な治療ターゲットとしてGPR40を取り上げ、化合物を見つけ、GPR40を修飾することは非常に重要な研究価値と応用の見通しを有している。
【0007】
これまでに、一連のGPR40アゴニストが、特許文献1〜3などの幾つかの特許出願により開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2005087710
【特許文献2】WO2005051890
【特許文献3】WO2004106276
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、糖尿病や代謝性シンドロームX等の疾患を治療するための一連のGPR40アゴニストは現在開示されているが、より効果的な活性を有する新しい化合物を開発することはまだ必要である。研究を継続した結果、本発明は式(I)の化合物を提供し、そのような構造を持つこれらの化合物がより優れた効果と機能を持つことを見い出した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は式(I)の化合物および/またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、ならびにそれらの代謝物、代謝性前駆体またはプロドラッグの提供を対象にする。
【化1】
式中、Aは−O−,−CH−および−CHCH−から成る群から選ばれ;
LはO−および−NH−から成る群から選ばれ;
環Bはアリールおよびヘテロアリールから成る群から選ばれ;
,RおよびRは、それぞれ独立してハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され、該アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
mは0、1または2であり;
nは0、1、2または3であり;
pは0、1、2、3または4であり;そして
qは0、1、2、3または4である;
ただし:pとnが0のとき、qは2であり、Rはメチル、Aは−O−、およびRはヘテロシクリルであり、該ヘテロシクリルはS原子を含まない。
【0011】
本発明の実施態様において、式(I)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、環Bはアリール、好ましくはフェニルである。
【0012】
本発明の他の実施態様において、式(I)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩は、式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩から選択され:
【化2】
式中、A,L,R〜R,n,pおよびqは式(I)で定義した通りである。
【0013】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Lは−O−である。
【0014】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Rは、アルキル、ハロゲンおよびヒドロキシアルキルから成る群から選択される。
【0015】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Rは、水素、アルキルおよびハロゲンから成る群から選択される。
【0016】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Rは、水素である。
【0017】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Rは、シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該シクロアルキルまたはヘテロシクリルはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく、そしてR,R,Rおよびmは式(I)で定義した通りである。
【0018】
本発明の他の実施態様において、式(I)または式(II)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、Rは、次のシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る群から選択され:
【化3】
式中、該シクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;そしてR,R,Rおよびmは式(I)で定義した通りである。
【0019】
さらに、本発明の他の実施態様において、式(II)の化合物/またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩は、式(III)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩から選択され:
【化4】
式中、環Eはシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る群から選択され;
はハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立して水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから成る群から選択され、該アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、カルボキシルおよびアルコキシカルボニルから成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;
は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択され;
mは0、1または2であり;
qは0、1、2、3または4であり;そして
sは0、1、2または3である;
ただし:qが2のとき、Rはメチル、Eはヘテロシクリルであり、該ヘテロシクリルはS原子を含まない。
【0020】
本発明の他の実施態様において、式(III)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩で、環Eは、次のシクロアルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロアリールから成る群から選択され:
【化5】
式中、該シクロアルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロアリールはそれぞれ任意にハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および-S(O)mR5から成る群から選択される1以上の基で置換されていてもよく;そしてR,R,Rおよびmは式(III)で定義した通りである。
【0021】
さらに、本発明の他の実施態様において、式(III)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩は、式(IV)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩から選択され:
【化6】
式中、E,R,R,sおよびqは式(III)で定義した通りである。
【0022】
本発明の式(I)の化合物としては、好ましくは,これらに限定されないが:
またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩が挙げられる。
【0023】
本発明は式(I)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩の合成における中間体としての式(IA)の化合物に関する:
【化7】
式中、環B,L,R、R,R,pおよびqは、式(I)で定義した通りである。
【0024】
本発明は式(I)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩の製造方法に関し、工程:
【化8】
を含み、式(IA)の化合物を溶媒中でヒドロキシル置換のベンゾ‐環式化合物と縮合させ;場合によりさらに塩基条件でエステル加水分解を行って式(I)の化合物を得る;該アルカリ条件はアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによって供給する;また式中、B,A,L,R〜R,n,pおよびqは、式(I)で定義した通りである。
【0025】
本発明は式(IB)の化合物に関し:
【化9】
式中、環B,A,L,R〜R,n,pおよびqは、式(I)で定義した通りである。
【0026】
本発明は式(I)の化合物またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩の製造方法に関し、工程:
【化10】
を含み、式(IB)の化合物とR−置換アルキルスルホン酸エステルを溶媒中で反応させ;場合によりさらに塩基条件でエステル加水分解を行って式(I)の化合物を得る;該アルカリ条件はアルカリ金属水酸化物、好ましくは水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムによって供給する;また式中、B,A,L,R〜R,n,pおよびqは、式(I)で定義した通りであり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
【0027】
さらに、他の態様において、本発明は式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらのプロドラッグの治療上の有効量、および薬学的に許容される担体または賦形剤を含有する医薬組成物に関する。
【0028】
さらに、他の態様において、本発明はまた、GPR40受容体レギュレーターとしての薬物の製造における、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0029】
さらに、他の態様において、本発明はGPR40受容体レギュレーターとして使用するための、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0030】
さらに他の態様において、本発明は式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の治療上の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、GPR40受容体を調節する方法に関する。
【0031】
本発明は、GPR40アゴニストとしての薬物の製造における、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0032】
さらに他の態様において、本発明はGPR40アゴニストとして使用するための、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0033】
さらに他の態様において、本発明は式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の治療上の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、GPR40受容体を扇動する方法に関する。
【0034】
本発明はまた、糖尿病およびメタボリック症候群の、好ましくは糖尿病はII型糖尿病であるが、疾患を治療するための薬物の製造における、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0035】
さらに他の態様において、本発明は式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物の治療上の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、糖尿病およびメタボリック症候群の疾患を予防および治療する方法に関し、好ましくは、糖尿病はII型糖尿病である。
【0036】
さらに他の態様において、本発明は糖尿病およびメタボリック症候群の疾患を予防および治療するための薬物として使用するための、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物に関し、好ましくは、糖尿病はII型糖尿病である。
【0037】
さらに他の態様において、本発明は式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらを含有する薬学的に許容される塩の治療上の有効量を、それを必要とする患者に投与する工程を含む、インスリンを調節する方法に関する。
【0038】
さらに他の態様において、本発明はインスリンを調節するための薬物として使用するための、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩、またはそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0039】
本発明はインスリンを調節するための薬物の製造における、式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、メソマー、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩またはそれらを含有する医薬組成物の使用に関する。
【0040】
発明の詳細な説明
特に断らない限り、明細書および特許請求の範囲で用いた用語は以下の意味を有する。
「アルキル」は、C−C20の直鎖または分岐鎖基を含む飽和脂肪族炭化水素基をいう。好ましくはアルキル基は1〜10の炭素原子、より好ましくは1〜6個の炭素原子を有するアルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n−ペンチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、4−メチルヘキシル、5−メチルヘキシル、2,3−ジメチルペンチル、2,4−ジメチルペンチル、2,2−ジメチルペンチル、3,3−ジメチルペンチル、2−エチルペンチル、3−エチルペンチル、n−オクチル、2,3−ジメチルヘキシル、2,4−ジメチルヘキシル、2,5−ジメチルヘキシル、2,2−ジメチルヘキシル、3,3−ジメチルヘキシル、4,4−ジメチルヘキシル、2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、4−エチルヘキシル、2−メチル−2−エチルペンチル、2−メチル−3−エチルペンチル、n−ノニル、2−メチル−2−エチルヘキシル、2−メチル−3−エチルヘキシル、2,2−ジエチルペンチル、n−デシル、3,3−ジエチルヘキシル、2,2−ジエチルヘキシル、およびそれらの分岐鎖の異性体が挙げられる。より好ましくは、アルキル基は1〜6個の炭素原子を持つ低級アルキルである。代表例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、n−ペンチル、1,1‐ジメチルプロピル、1,2‐ジメチルプロピル、2,2‐ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、n−ヘキシル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2,3−ジメチルブチル等が挙げられる。アルキル基は置換されていても無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は結合可能なポイントで置換してよいが、好ましくは置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、ヘテロ環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、カルボニル、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0041】
「シクロアルキル」は、3〜20個の炭素原子、好ましくは3〜12個の炭素原子、より好ましくは3〜10個の炭素原子、そして最も好ましくは3〜6個の炭素原子を有する、飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素基をいう。単環式シクロアルキルの代表例としては、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクチル等が挙げられる。多環式シクロアルキルとしては、スピロ環、縮合環および架橋環を有するシクロアルキルが挙げられる。
【0042】
「スピロシクロアルキル」は、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結びついた環を持つ5〜20員の多環式炭化水素基をいい、1以上の環は1以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たない。好ましくはスピロシクロアルキルは、6〜14員、より好ましくは7〜10員である。共通のスピロ原子の数により、スピロシクロアルキルはモノ−スピロシクロアルキル、ジ−スピロシクロアルキルまたはポリ−スピロシクロアルキルに分けられ、好ましくはモノ−スピロシクロアルキルまたはジ−スピロシクロアルキルをいい、より好ましくは、4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員モノ−スピロシクロアルキルである。スピロシクロアルキルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化11】
【0043】
「縮合シクロアルキル」は、5〜20員の多環式炭化水素基をいい、系内の各環は他の環と隣り合った炭素原子対を共有していて、1以上の環は1以上の二重結合を有していてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たない。好ましくは縮合シクロアルキル基は6〜14員、より好ましくは7〜10員である。構成環の数により、縮合シクロアルキルは二環式、三環式、四環式または多環式縮合シクロアルキルに分けられ、好ましくは二環式または三環式縮合シクロアルキル、より好ましくは5員/5員、または5員/6員二環式縮合シクロアルキルである。縮合シクロアルキルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化12】
【0044】
「架橋シクロアルキル」は、5〜20員の多環式炭化水素基をいい、系内の各々2つの環が2つの離た炭素原子を共有している。該環は1以上の二重結合を有していてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たない。好ましくは架橋シクロアルキルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。構成環の数により、架橋シクロアルキルは二環式、三環式、四環式または多環式架橋シクロアルキルに分けられ、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋シクロアルキル、より好ましくは二環式または三環式架橋シクロアルキルである。架橋シクロアルキルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化13】
【0045】
該シクロアルキルはアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキルの環に縮合してもよく、親構造に結合する環はシクロアルキルである。代表例としては、限定されるわけではないが、インダニル酢酸、テトラヒドロナフタレン、ベンゾシクロヘプチルなどが挙げられる。該シクロアルキルは任意に置換されていてもよいし、無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、カルボニル、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0046】
「ヘテロシクリル」は、環原子としてN、O、およびS(O)m(式中、mは0〜2の整数である)から成る群から選ばれる1以上のヘテロ原子を有するが、環中の-O-O-、-O-S- または -S-S-は除かれ、残りの環原子はCである3〜20員の飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素基をいう。好ましくは、ヘテロシクリルは1〜4個の該ヘテロ原子を有する3~12員であり;より好ましくは3〜10員であり;最も好ましくは4〜6員である。単環式ヘテロシクリルの代表例としては、限定されるわけではないが、ピロリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、スルホ−モルホリニル、ホモピペラジニル、フリル、アゼチジニルなどが挙げられる。多環式ヘテロシクリルとしてはスピロ環、縮合環および架橋環を有するヘテロシクリルが挙げられる。
【0047】
「スピロヘテロシクリル」は、1つの共通の炭素原子(スピロ原子と呼ばれる)を通じて結合する環を持つ5〜20員の多環式ヘテロシクリル基をいい、該環は環原子としてN、O、およびS(O)m(式中、mは0〜2の整数である)から成る群から選ばれる1以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子はCであって、1以上の環は1以上の二重結合を含んでいてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たない。好ましくはスピロヘテロシクリルは6〜14員;より好ましくは7〜10員である。共通のスピロ原子の数により、スピロヘテロシクリルはモノ−スピロヘテロシクリル、ジ−スピロヘテロシクリルまたはポリ−スピロヘテロシクリルに分けられ、好ましくはモノ−スピロヘテロシクリルまたはジ−スピロヘテロシクリルをいい、より好ましくは4員/4員、4員/5員、4員/6員、5員/5員、または5員/6員モノ−スピロヘテロシクロアルキルである。スピロヘテロシクリルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化14】
【0048】
「縮合ヘテロシクリル」は、5〜20員の多環式ヘテロシクリル基をいい、系内の各環は他の環と隣り合った炭素原子対を共有しており、1以上の環は1以上の二重結合を有していてもよいが、環のどれも完全に共役したπ電子系は持たず、そして該環は環原子としてN、O、およびS(O)m(式中、mは0〜2の整数である)から成る群から選ばれる1以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子はCである。好ましくは縮合ヘテロシクリルは6〜14員;より好ましくは7〜10員である。構成する環の数により、縮合ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式または多環式縮合ヘテロシクリルに分けられ、好ましくは二環式または三環式縮合ヘテロシクリル、より好ましくは5員/5員、または5員/6員二環式縮合ヘテロシクリルである。縮合ヘテロシクリルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化15】
【0049】
「架橋ヘテロシクリル」は、5〜14員の多環式ヘテロシクリル基をいい、系内のそれぞれ2つの環は2つの離れた炭素原子を共有しており、該環は1以上の二重結合を有していてもよいが、完全に共役したπ電子系は持たず、そして該環は環原子としてN、O、およびS(O)m(式中、mは0〜2の整数である)から成る群から選ばれる1以上のヘテロ原子を有し、残りの環原子はCである。好ましくは、架橋ヘテロシクリルは6〜14員、より好ましくは7〜10員である。構成する環の数により、架橋ヘテロシクリルは二環式、三環式、四環式または多環式架橋ヘテロシクリルに分けられ、好ましくは二環式、三環式または四環式架橋ヘテロシクリル、より好ましくは二環式または三環式架橋ヘテロシクリルである。架橋ヘテロシクリルの代表例としては、限定されるわけではないが、以下の基が挙げられる:
【化16】
【0050】
ヘテロシクリルの該環は、アリール、ヘテロアリールまたはシクロアルキルに縮合してもよく、親構造に結合した環がヘテロシクリルである。代表例としては、これらに限定されないが、以下の基が挙げられる:
【化17】
【0051】
ヘテロシクリルは、任意に置換されていてもよいし、無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、カルボニル、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0052】
「シクロアルキリデン」は、形態的には飽和または部分的に不飽和の単環式または多環式炭化水素から2つの水素を取り除いたものをいい、3〜20個の炭素原子、好ましくは3~12個の炭素原子を有し、より好ましくは3〜10個の炭素、もっとも好ましくは3〜6個の炭素を有する単環式シクロアルキリデンである。単環式シクロアルキリデンの代表例としては、限定されるわけではないが、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロへプチリデン、シクロオクチリデン、1,2−シクロプロピリデン、1,3−シクロブチリデン、1,4−シクロヘキシリデン等が挙げられ、多環式シクロアルキリデンとしては、スピロ環式、縮合環式および架橋環式シクロアルキリデンが挙げられる。
【0053】
「アリール」は、6〜14員の全て炭素の単環式環または多環式縮合環基(「縮合」環系は、系内の各環が隣り合った炭素原子対を系内の他の環と共有していることを意味する)をいい、完全に共役したπ電子系を有している。好ましくは、アリールはフェニルおよびナフチルなどの6〜10員であり、最も好ましくはフェニルである。該アリールはヘテロアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルに縮合してもよく、親構造に結合した環がアリールである。代表例としては、これらに限定されないが、以下の基が挙げられる:
【化18】
【0054】
アリール基は、置換されていてもよいし、無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0055】
「ヘテロアリール」は、環原子としてN、OおよびSから成る群から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を有するヘテロアリールをいい、5〜14個の環原子を有し、好ましくは5〜10員環、より好ましくは5または6員環である。例えば、フリル、チエニル、ピリジル、ピロリル、N-アルキルピロリル、ピリミジニル、ピラジニル、イミダゾリル、テトラゾリルなどが挙げられる。該ヘテロアリールはアリール、ヘテロシクリルまたはシクロアルキルの環と縮合してもよく、親構造に結合した該環がヘテロアリール環である。代表例としては、これらに限定されないが、以下の基が挙げられる:
【化19】
【0056】
ヘテロアリール基は、任意に置換されていてもよいし、無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0057】
「アルコキシ」は、−O−(アルキル)および−O−(無置換シクロアルキル)基の両者をいい、アルキルは上記で定義した通りである。代表例としては、これらに限定されないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。該アルコキシは任意に置換されていてもよく、無置換であってもよい。置換されている場合、置換基は、好ましくはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルスルホ、アルキルアミノ、ハロゲン、チオール、ヒドロキシル、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルコキシ、複素環アルコキシ、シクロアルキルチオ、複素環アルキルチオ、-C(O)OR5、-OC(O)R5、-C(O)R5、-NHC(O)R5、-NR6R7 および -S(O)mR5から成る群から独立して選ばれる1以上の基である。
【0058】
「ハロアルキル」は、1以上のハロゲンで置換されたアルキルをいい、該アルキルは上記で定義した通りである。
「ヒドロキシ」は、−OH基をいう。
「ヒドロキシアルキル」は、ヒドロキシル基で置換されたアルキル基をいい、該アルキルは上記で定義した通りである。
「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素をいう。
「アミノ」は、−NH基をいう。
「シアノ」は、−CN基をいう。
「ニトロ」は、−NO基をいう。
「ベンジル」は、−CH2−(フェニル)基をいう。
「カルボニル」は、=O基をいう。
「カルボキシル」は、−C(O)OH基をいう。
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)O(アルキル)または(シクロアルキル)基をいい、アルキルおよびシクロアルキルは上記で定義した通りである。
【0059】
「任意の」または「任意に」は、続いて記載した出来事や状況が生じても、生じなくてもよいことを意味し、その記載は出来事や状況の事例が生じても、生じなくてもよいことを含んでいる。例えば、「アルキルで任意に置換された複素環基」は、アルキル基が存在しても、しなくてもよいことを意味し、その記載はアルキルで置換された複素環基およびアルキルで置換されていない複素環基の場合を含んでいる。
「置換された」は、基内の1以上の水素原子、好ましくは5まで、より好ましくは1〜3の水素原子が、相当する数の置換基で独立して置換されていることをいう。置換基は化学的に可能な位置に存在することは言うまでもない。当業者は経験や理論により過剰な努力を払うことなく置換が可能かどうか判断することができる。例えば、フリーの水素を持つアミノまたはヒドロキシル基と不飽和結合を持つ炭素原子(オレフィンなど)の組合せは不安定である。
「医薬組成物」は、本発明記載の化合物またはその生理学的/薬学的に許容される塩またはプロドラッグおよび生理学的/薬学的に許容される担体や賦形剤などの他の化学成分の1以上の混合物をいう。医薬組成物の目的は、生体への化合物の投与を容易にすることであり、これが活性成分の吸収に貢献して、生物活性を示すことになる。
「薬学的に許容される塩」は、塩が哺乳類に用いたときに安全で有効であって、対応する生物活性を持っているような、本発明化合物の塩をいう。
N、m、およびR15〜R17は、式(I)の化合物で定義した通りである。
【0060】
本発明化合物の合成方法
本発明の目的を達成するため、本発明は以下の技術的解決法を適用する。
本発明の式(I)の化合物、またはそれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像異性体、ジアステレオマー、およびそれらの混合物、およびそれらの薬学的に許容される塩の製造方法は、以下のスキームからなる:
スキーム1:
【化20】
【0061】
置換されたヒドロキシ化合物をアルカリ条件下アルキルスルホニルハライド(好ましくは塩化メタンスルホニル)と反応させてR置換アルキルスルホン酸エステルを得;R置換アルキルスルホン酸エステルを溶媒中で炭酸セシウムの存在下でヒドロキシルが置換したフェニル化合物と加熱して式(IA)の化合物を得;式(IA)の化合物を溶媒中でトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下でヒドロキシル置換ベンゾ環式化合物と縮合させて式(I)の化合物を得る;
式中、環B、L、A、R〜R、n、pおよびqは式(I)で定義した通りであり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
【0062】
アルカリ条件としては、有機アルカリと無機アルカリが挙げられ、該有機アルカリとしては、限定されるわけではないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、n−ブチルリチウム、カリウム tert-ブトキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、好ましくはトリエチルアミンが挙げられ、該無機アルカリとしては、これらに限定されないが、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸セシウムが挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
溶媒としては、限定されるわけではないが、酢酸、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、水またはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0063】
スキーム2:
【化21】
アルキルシロキシ置換されたフェニル化合物を溶媒中でトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下でヒドロキシル置換ベンゾ環式化合物と縮合させたのち、脱保護を行って式(IB)の化合物を得て;式(IB)の化合物を溶媒中、炭酸セシウムの存在下でR置換アルキルスルホン酸エステル(好ましくはR置換メタンスルホン酸エステル)と加熱して式(I)の化合物を得る;
式中、環B、L、A、R〜R、n、pおよびqは式(I)で定義した通りであり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
【0064】
アルカリ条件としては、有機アルカリと無機アルカリが挙げられ、該有機アルカリとしては、限定されるわけではないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、n−ブチルリチウム、カリウム tert-ブトキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、好ましくはトリエチルアミンが挙げられ、該無機アルカリとしては、これらに限定されないが、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸セシウムが挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
溶媒としては;限定されるわけではないが、酢酸、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、水またはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0065】
スキーム3:
【化22】
環Eで置換されたヒドロキシ化合物を溶媒中でアルカリ条件下アルキルスルホニルハライド(好ましくは塩化メタンスルホニル)と反応させて環E置換アルキルスルホン酸エステルを得;環E置換アルキルスルホン酸エステルを溶媒中で炭酸セシウムの存在下ヒドロキシルが置換したビフェニルアルコール化合物と加熱して式(III‐A)の化合物を得;式(III‐A)の化合物を溶媒中でトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下にヒドロキシル置換ジヒドロベンゾフラン化合物と縮合させて式(III)の化合物を得る;
式中、環E、R、R、sおよびqは式(III)で定義した通りであり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
【0066】
スキーム4:
【化23】
アルキルシリルオキシが置換したビフェニルアルコール化合物をヒドロキシルが置換したジヒドロベンゾフラン化合物と溶媒中でトリフェニルホスフィンおよびアゾジカルボン酸ジイソプロピルの存在下に縮合させたのち、脱保護を行って式(III‐B)の化合物を得;式(III‐B)の化合物を溶媒中で炭酸セシウムの存在下に環Eで置換されたアルキルスルホン酸エステル(好ましくは環E置換メタンスルホン酸エステル)と加熱して式(III)の化合物を得る;
がヒドロキシルの場合、該ヒドロキシルは任意にさらに保護基により保護されていてもよく、次いで該保護基を脱保護して式(III)の化合物を得る;
式中、環E、R、R、sおよびqは式(III)で定義した通りであり、Rはアルキル、好ましくはメチルである。
【0067】
アルカリ条件としては、有機アルカリと無機アルカリが挙げられ、該有機アルカリとしては、限定されるわけではないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、n−ブチルリチウム、カリウム tert-ブトキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、好ましくはトリエチルアミンが挙げられ、該無機アルカリとしては、これらに限定されないが、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸セシウムが挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
溶媒としては;限定されるわけではないが、酢酸、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、水またはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
【0068】
スキーム5:
【化24】
式(III‐B)の化合物および環Eで置換されたアルキルスルホン酸エステル(好ましくは環E置換メタンスルホン酸エステル)を溶媒中で炭酸セシウムの存在下に加熱して式(III‐C)の化合物を得;式(III‐C)の化合物を置換されたR(好ましくは塩化スルホニルまたはスルホン酸無水物)と反応させて(III)の化合物を得る;
式中、環E、R、R、sおよびqは式(III)で定義した通りである。
【0069】
アルカリ条件としては、有機アルカリと無機アルカリが挙げられ、該有機アルカリとしては、限定されるわけではないが、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、N,N-ジメチルホルムアミド、n−ブチルリチウム、カリウム tert-ブトキシド、テトラブチルアンモニウムブロミド、好ましくはトリエチルアミンが挙げられ、該無機アルカリとしては、これらに限定されないが、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウムおよび炭酸セシウムが挙げられ、好ましくは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。
溶媒としては;限定されるわけではないが、酢酸、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、水またはN,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
好ましい実施態様
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0070】
化合物の構造は、NMRまたはMSで同定した。NMRはBruker AVANCE-400で測定した。溶媒は重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)、重水素化クロロホルム(CDCl)および重水素化メタノール(CDOD)であり、内部標準としてテトラメチルシラン(TMS)を用いた。NMRケミカルシフト(δ)は10−6(ppm)で示した。
MSはFINNIGAN LCQAd (ESI) 質量分析計で測定した(製造:テルモ、型:Finnigan LCQ advantage MAX)。
HPLCはAgilent 1200DAD高圧液体クロマトグラフィー分光計(Sunfire C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)およびWaters 2695-2996高圧液体クロマトグラフィー分光計(Gimini C18 150×4.6 mmクロマトグラフィーカラム)で行った。
キナーゼの平均阻害率およびIC50値はNovoStar ELIASA(BMG社、ドイツ)で測定した。
薄層シリカゲルは、Yantai Huanghai HSGF254 または Qingdao GF254シリカゲルプレートを使用した。TLCで使用したプレートの寸法は0.15mm−0.2mmで、生成物の精製用の薄層クロマトグラフィーで使用したプレートの寸法は0.4mm−0.5mmであった。
カラムクロマトグラフィーは、一般に担体としてYantai Huanghai 200−300メッシュシリカゲルを用いた。
本発明の公知の出発物質は、先行技術における慣用的な合成法により製造するか、ABCR GmbH & Co. KG、 Acros Organics、 Aldrich Chemical Company、Accela ChemBio Inc または Dari chemical Companyなどから購入できる。
実施例で特に明記しない限り、以下の反応は、窒素雰囲気下またはアルゴン雰囲気下に置いた。
用語「窒素雰囲気」または「アルゴン雰囲気」は、反応フラスコが1Lの窒素またはアルゴンが入った風船を備えていることをいう。
用語「水素雰囲気」は、反応フラスコが1Lの水素が入った風船を備えていることをいう。
加圧水素添加反応は、Parr 3916EKX水素添加分光器およびQL-500 水素発生器を用いて行った。
水素添加反応において、反応系は一般に真空にして水素で満たし、この操作を3回繰り返す。
マイクロ波反応は、CEM Discover-S 908860マイクロ波反応器で行った。
実施例で特に明記しない限り、以下の反応で用いた溶液は水溶液をいう。
実施例で特に明記しない限り、以下の反応における反応温度は室温であり、温度範囲は20℃−30℃である。
反応のプロセスは薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターし、展開溶媒の系としては:A:ジクロロメタンおよびメタノール、B:n−ヘキサンおよび酢酸エチル、C:石油エーテルおよび酢酸エチル、D:アセトンが挙げられる。溶媒の容積比は化合物の極性により調節した。
カラムクロマトグラフィーおよび薄層クロマトグラフィーによる化合物精製の溶出系としては、:A:ジクロロメタンおよびメタノール系、B:n−ヘキサンおよび酢酸エチル系、C:n−ヘキサンおよびアセトン、D:n−ヘキサン、E:酢酸エチルが挙げられる。溶媒の容積は化合物の極性により調節し、そして時々、少量のトリエチルアミンなどのアルカリ試薬または酸性試薬も添加した。
実施例1
【0071】
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化25】
【化26】
工程1
(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル
(R)-テトラヒドロフラン-3-オール1a(300mg,3.40mmol)およびトリエチルアミン(687mg,6.80mmol)を氷冷下、ジクロロメタン20mLに溶解し、塩化メタンスルホニル(468mg,4.10mmol)を添加した。反応溶液は室温まで温め、2時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタン10mLを添加し、水で洗浄し(30mL×3)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、表題化合物(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル1b(520mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0072】
工程2
(S)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
粗(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル1b(520mg,3.13mmol)、3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール(714mg,3.13mmol,特許出願CN101616913に開示の方法で調製)および炭酸セシウム(3.10g,9.39mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド30mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、7時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣は溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(S)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール1c(500mg、収率54.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 299.3 [M+1]
【0073】
工程3
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール1c(143mg,0.48mmol)、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(100mg,0.48mmol,特許出願CN101616913に開示の方法で調製)。HPLC法を用いてラセミ体をキラールHPLCにより分割した。分離条件:キラールカラムChiralpak IA、移動相:n−ヘキサン:テトラヒドロフラン=80:20、流速:1.0mL/分。相当する成分を集め、ロータリーエバポレーターで溶媒を除いて、トリフェニルホスフィン(189mg,0.72mmol)をジクロロメタン20mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷やし、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(146mg,0.72mmol)を添加し、次いで室温まで温めて、2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣は溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート1d(220mg、収率94.0%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 489.4 [M+1]
【0074】
工程4
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート1d(220mg,0.45mmol)をメタノール15mLに溶解し、3M水酸化ナトリウム水溶液(1.5mL,4.50mmol)を添加した。反応混合液は3時間反応させた。反応混合液は減圧下に濃縮して、水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpHを2に調節した。得られた溶液は酢酸エチルで抽出した(20mL×2)。有機抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、表題化合物2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸1(210mg、収率100%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 473.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.45 (dt, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.11 (dd, 2H), 6.66 (s, 2H), 6.58-6.46 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 5.04-4.94 (m, 1H), 4.80 (t, 1H), 4.33 (dd, 1H), 4.11-4.01 (m, 3H), 4.01-3.92 (m, 1H), 3.85 (ddd, 1H), 2.85 (dd, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.30-2.19 (m, 2H), 2.03 (s, 6H).
実施例2
【0075】
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化27】
【化28】
工程1
(S)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル
(S)-テトラヒドロフラン-3-オール2a(300mg,3.40mmol)およびトリエチルアミン(687mg,6.80mmol)を氷冷下、ジクロロメタン20mLに溶解し、塩化メタンスルホニル(908mg,7.93mmol)を添加した。反応溶液は室温まで温め、2時間撹拌した。反応溶液にジクロロメタン10mLを添加し、水で洗浄し(30mL×2)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、粗表題化合物(S)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル2b(522mg、収率92.5%)を黄色オイルとして得た。
【0076】
工程2
(R)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
粗(S)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル2b(522mg,3.14mmol)、3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール(714mg,3.13mmol,特許出願CN101616913に開示の方法で調製)および炭酸セシウム(3.10g,9.39mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド30mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣は溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール2c(540mg、収率58.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 299.2 [M+1]
【0077】
工程3
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(R)-(2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール2c(143mg,0.48mmol)、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(100mg,0.48mmol)およびトリフェニルホスフィン(189mg,0.72mmol)をジクロロメタン20mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷やし、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(146mg,0.72mmol)を添加した。反応溶液を室温まで温めて、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2d(201mg、収率85.9%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 489.4 [M+1]
【0078】
工程4
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2d(201mg,0.41mmol)をメタノール15mLに溶解した。反応溶液に2M水酸化ナトリウム水溶液(2mL,4.10mmol)を添加し、3時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpHを2〜3に調節した。溶液は酢酸エチルで抽出した(20mL×2)。有機抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸2(150mg、収率77.1%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 473.4 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.45 (dt, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.11 (dd, 2H), 6.66 (s, 2H), 6.58-6.48 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 5.04-4.94 (m, 1H), 4.80 (t, 1H), 4.33 (dd, 1H), 4.11-4.01 (m, 3H), 4.00-3.91 (m, 1H), 3.86 (dd, 1H), 2.85 (dd, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.33-2.16 (m, 2H), 2.03 (s, 6H).
実施例3
【0079】
(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化29】
【化30】
工程1
tert-ブチル4-ヒドロキシピぺリジン-1-カルボキシレート
4-ヒドロキシピぺリジン3a(1.01g,10mmol)およびトリエチルアミン(2.02g,20mmol)を氷冷下、ジクロロメタン20mLに溶解し、ジ- tert-ブチルジカーボネート(2.18g,10mmol)を添加した。反応混合液は室温まで温め、3時間撹拌した。反応溶液を水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物tert-ブチル4-ヒドロキシピぺリジン-1-カルボキシレート3b(2g)を無色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0080】
工程2
tert-ブチル4-((メチルスルホニル)オキシ)ピぺリジン-1-カルボキシレート
粗tert-ブチル4-ヒドロキシピぺリジン-1-カルボキシレート3b(2.01g,10mmol)を氷冷下、ジクロロメタン30mLに溶解し、トリエチルアミン(2.02g,20mmol)および塩化メタンスルホニル(1.26g,11mmol)を添加した。反応溶液は室温まで温め、3時間撹拌した。得られた反応溶液を水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、粗表題化合物tert-ブチル4-((メチルスルホニル)オキシ)ピぺリジン-1-カルボキシレート3c(2.20g)を淡黄色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0081】
工程3
4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド
4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド3d(7.20g,31.80mmol,特許出願CN101616913に開示の方法で調製)、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(5.27g,34.90mmol)およびイミダゾール(2.60g,38.10mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド60mLに溶解した。反応溶液を60℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド3e(10g、収率92.0%)を褐色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 341.2 [M+1]
【0082】
工程4
(4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール
4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド3e(2.60g,38.10mmol)をメタノール80mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(1.66g,43.95mmol)を添加した。反応混合液は3時間撹拌した。得られた混合液にアセトン50mLを加え、減圧下に濃縮した。残渣に酢酸エチル200mLを加え、水で洗浄し(60mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール3f(9.80g、収率98.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 343.2 [M+1]
【0083】
工程5
(S)-メチル2-(6-((4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール3f(1.19g,3.48mmol)およびトリフェニルホスフィン(1.34g,4.75mmol)をジクロロメタン10mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(960mg,4.75mmol)を添加し、次いで室温まで温めて、4時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3g(1.28g、収率76.0%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 533.3 [M+1]
【0084】
工程6
(S)-メチル2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-メチル2-(6-((4'-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3g(1.28g,2.40mmol)をテトラヒドロフラン50mLに溶解し、6M塩酸10mLを添加した。反応溶液は室温で12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣に酢酸エチル100mLを加えた。有機相は水(20mL×2)および飽和食塩水(20mL)で続けて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣にメタノール60mLおよび濃硫酸1mLを加えた。得られた溶液を70℃に加熱し、1.5時間撹拌した。溶液を減圧下に濃縮し、酢酸エチル100mLを加えて、水で洗浄し(20mL×2)、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bで精製して、表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(670mg、収率67.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 419.2 [M+1]
【0085】
工程7
メチル(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-メチル2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(200mg,0.48mmol)および炭酸セシウム(470mg,1.43mmol))をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液に酢酸エチル30mLを加えた。有機相を水(20mL×2)および飽和食塩水(20mL)で続けて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bで精製して、表題化合物メチル(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3j(101mg、収率35.0%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 502.3 [M-99]
【0086】
工程8
(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3j(26mg,0.04mmol)をメタノール5mLに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,0.43mmol)を添加した。反応溶液は1.5時間反応させた。反応溶液を減圧下濃縮し、水3mLを加え、1Mクエン酸を滴下してpH4〜5に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸3(12mg、収率47.4%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 586.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.51-7.38 (m, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.11 (dd, 2H), 6.70 (s, 2H), 6.51-6.54 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.80 (t, 1H), 4.52 (s, 1H), 4.33 (t, 1H), 3.76-3.85 (m, 3H), 3.41 (s, 2H), 2.85 (d, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.03 (s, 6H), 1.90 (d, 4H), 1.52 (s, 9H).
実施例4
【0087】
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化31】
【化32】
工程1
(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
メチル(S)-2-(6-((4'-((1-(tert-ブトキシカルボニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチル- ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3(75mg,0.13mmol)を塩酸のジオキサン溶液15mLに溶解した。反応溶液は1時間反応させた。得られた反応溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート4a(75mg)を白色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0088】
工程2
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート4a(31mg,0.06mmol)をメタノール5mLに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.6mL,0.62mmol)を添加した。反応溶液は2時間反応させた。得られた溶液を減圧下濃縮し、水3mLを加え、1Mクエン酸を滴下してpH5に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸4(31mg、収率100%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 486.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.51-7.38 (m, 2H), 7.21 (s, 1H), 7.11 (dd, 2H), 6.70 (s, 2H), 6.51-6.54 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.80 (t, 1H), 4.52 (s, 1H), 4.33 (t, 1H), 3.81-3.86 (m, 1H), 3.15 (s, 2H), 2.81 (s, 2H), 2.85 (d, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.03 (s, 6H), 1.90 (d, 4H).
実施例5
【0089】
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化33】
【化34】
工程1
(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート4a(26mg,0.05mmol)をジクロロメタン5mLに溶解し、塩化メタンスルホニル(6mg,0.05mmol)およびトリエチルアミン(15mg,0.15mmmol)を添加した。反応溶液は1時間反応させた。得られた溶液に水10mLを加え、減圧下濃縮して、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート5a(40mg)を白色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 578.3 [M-1]
【0090】
工程2
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート5a(28mg,0.05mmol)をエタノール5mLに溶解し、1M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,0.50mmol)を添加した。反応溶液は1時間反応させた。得られた溶液に1M塩酸を滴下してpH5に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を分取用分離法を用いて精製して表題化合物(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-(メチルスルホニル)ピぺリジン-4-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸5(12mg、収率44.0%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 564.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.45 (m, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.05-7.10 (m, 2H), 6.67 (s, 2H), 6.47-6.51 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.77 (t, 1H), 4.57 (s, 1H), 4.30 (t, 1H), 3.82 (t, 1H), 3.36-3.41 (m, 4H), 2.79-2.84 (m, 4H), 2.59-2.66 (m, 1H) , 2.00-2.04 (m, 10H).
実施例6
【0091】
(S)-2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化35】
【化36】
工程1
(S)-メチル2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-(ピぺリジン-4-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート4a(20mg,0.04mmol)をジクロロメタン2mLに溶解し、無水酢酸(5mg,0.05mmol)およびトリエチルアミン(12mg,0.12mmmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣は溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート6a(10mg、収率47.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 544.3 [M+1]
【0092】
工程2
(S)-2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
(S)-メチル2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート6a(10mg,0.02mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)2mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.2mL,0.20mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、1M塩酸を滴下してpH5に調整して、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮して、表題化合物(S)-2-(6-((4'-((1-アセチルピぺリジン-4-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸6(8mg、収率84.2%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 530.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.45 (m, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.05-7.10 (m, 2H), 6.67 (s, 2H), 6.47-6.51 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.75-4.79 (m, 1H), 4.57 (s, 1H), 4.28-4.31 (m, 1H), 3.73-3.83 (m, 4H), 2.78-2.83 (m, 1H), 2.58-2.64 (m, 1H), 2.22-2.26 (m, 1H), 2.15 (m, 3H), 1.94-2.06 (m, 10H).
実施例7
【0093】
2-((S)-6-((4'-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化37】
【化38】
工程1
(R)-tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート
(R)- ピロリジン-3-オール7a(348mg,4mmol)およびトリエチルアミン(808mg,8mmol)をジクロロメタン20mLに溶解し、氷冷下ジ- tert-ブチルジカーボネート(959mg,4.40mmol)を添加した。反応溶液は室温まで温め、3時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン50mLを加え、飽和食塩水で洗浄し(5mL×3)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣は溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(R)-tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート7b(400mg、収率53.4%)を無色オイルとして得た。
【0094】
工程2
(R)-tert-ブチル3-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート
(R)-tert-ブチル3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート7b(375mg,2mmol)を氷冷下ジクロロメタン10mLに溶解し、トリエチルアミン(404mg,4mmol)および塩化メタンスルホニル(274mg,2.40mmol)を添加した。反応溶液は室温まで温め、3時間撹拌した。得られた溶液に水5mLを加え、ジクロロメタンで抽出した(20mL×3)。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下濃縮して、粗表題化合物(R)-tert-ブチル3-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート7c(530mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0095】
工程3
メチル2-(((S)-6-((4'-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(R)-tert-ブチル3-((メチルスルホニル)オキシ)ピロリジン-1-カルボキシレート7c(190mg,0.72mmol)、メチル (S)-2-(6-((4'-ヒドロキシル-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(200mg,0.48mmol)および炭酸セシウム(310mg,0.96mmol))をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液に水5mLおよび酢酸エチル50mLを加えた。有機相を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bで精製して、表題化合物メチル2-(((S)-6-((4'-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート7d(130mg、収率46.4%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 488.2 [M-99]
【0096】
工程4
2-((S)-6-((4'-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-(((S)-6-((4'-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート7d(30mg,0.05mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)4mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.1mL,0.10mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、1M塩酸を滴下してpH5に調整して、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物2-((S)-6-((4'-(((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸7(10mg、収率34.4%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 572.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.37-7.45 (m, 2H), 7.18(s, 1H), 7.05-7.10 (m, 2H), 6.63 (s, 2H), 6.47-6.51 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.91 (s, 1H), 4.75-4.79 (m, 1H), 4.28-4.32 (m, 1H), 3.80-3.86 (m, 1H), 3.52-3.67 (m, 3H), 2.78-2.84 (m, 1H), 2.59-2.65 (m, 1H), 2.59-2.66 (m, 1H), 2.22-2.24 (m, 1H), 2.00-2.03 (m, 7H), 1.49 (s, 9H).
実施例8
【0097】
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化39】
【化40】
工程1
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-((S)-ピロリジン-3-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
メチル2-(((S)-6-((4'-((S)-1-(tert-ブトキシカルボニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート7d(100mg,0.17mmol)をジクロロメタン3mLに溶解し、氷冷下トリフルオロ酢酸2mLを添加した。反応溶液は1時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-((S)-ピロリジン-3-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート8a(90mg)を無色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0098】
工程2
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル- 4'-(((S)-1-(メチルスルホニル) ピロリジン-3-イル) オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
粗メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-((S)-ピロリジン-3-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート8a(45mg,0.09mmol)をジクロロメタン3mLに溶解し、塩化メタンスルホニル(13mg,0.11mmol)およびトリエチルアミン(18mg,0.18mmmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液に酢酸エチル30mLを加えた。有機相は飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル- 4'-(((S)-1-(メチルスルホニル) ピロリジン-3-イル) オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート8b(40mg、収率77.0%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 583.4 [M+18]
【0099】
工程3
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル- 4'-(((S)-1-(メチルスルホニル) ピロリジン-3-イル) オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート8b(30mg,0.05mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)2mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.1mL,0.10mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、1M塩酸を滴下してpH5に調整して、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸8(28mg、収率94.2%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 550.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.46 (m, 2H), 7.17 (s, 1H), 7.05-7.09 (m, 2H), 6.59 (s, 2H), 6.47-6.52 (m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.96 (s, 1H), 4.75-4.79 (m, 1H), 4.28-4.32 (m, 1H), 3.80-3.86 (m, 1H), 3.61-3.67 (m, 3H), 3.45-3.52 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.79-2.84 (m, 1H), 2.59-2.66 (m, 1H), 2.33-2.38 (m, 1H), 2.17-2.25 (m, 1H), 1.99 (s, 6H)
実施例9
【0100】
2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化41】
【化42】
工程1
メチル2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
粗メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-((S)-ピロリジン-3-イルオキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート8a(45mg,0.09mmol)をジクロロメタン3mLに溶解し、無水酢酸(13mg,0.11mmol)およびトリエチルアミン(18mg,0.18mmmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン20mLを加えた。有機相は飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メチル2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート9a(45mg、収率92.5%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 530.4 [M+1]
【0101】
工程2
2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗メチル2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート9a(40mg,0.08mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)2mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.4mL,0.40mmol)を添加した。反応溶液は3時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物2-((S)-6-((4'-(((S)-1-アセチルピロリジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸9(20mg、収率51.3%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 514.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41 (dd, 2H), 7.15 (d, 1H), 7.05 (d, 2H), 6.61 (d, 2H), 6.52-6.42 (m, 2H), 5.06 (s, 2H), 4.97 (d, 1H), 4.76 (dd, 1H), 4.28 (dd, 1H), 3.93-3.56 (m, 5H), 2.79 (dd, 1H), 2.60 (dd, 1H), 2.40-2.17 (m, 2H), 2.16-2.07 (m, 3H), 2.02-1.92 (m, 6H).
実施例10
【0102】
(S)-2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化43】
【化44】
工程1
シクロペンタノール
シクロペンタノン10a(1g,0.01mol)をメタノール10mLに溶解し、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム(542mg,0.01mmol)を添加した。反応溶液を室温まで温め、2時間撹拌した。得られた溶液に水10mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮して、粗表題化合物シクロペンタノール10b(1g)を無色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0103】
工程2
メタンスルホン酸シクロペンチル
粗シクロペンタノール10b(50mg,0.58mmol)、塩化メタンスルホニル(80mg,0.70mmol)およびトリエチルアミン(117mg,1.16mmol)をジクロロメタン10mLに溶解した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液に水10mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メタンスルホン酸シクロペンチル10c(90mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0104】
工程3
(S)-メチル2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
メタンスルホン酸シクロペンチル10c(50mg,0.28mmol)、(S)-メチル 2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(60mg,0.14mmol)および炭酸セシウム(100mg,0.30mmol))をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた混合液に水10mLを加えて、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を水(20mL×2)および飽和食塩水(20mL)で続けて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bで精製して、表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート10d(40mg、収率30.0%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 487.3 [M+1]
【0105】
工程4
(S)-2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
(S)-メチル2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート10d(40mg,0.08mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=2:5)7mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.8mL,0.80mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH4〜5に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物(S)-2-(6-((4'-(シクロペンチルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸10(30mg、収率80.0%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 471.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.38-7.42 (m, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.05-7.11 (m, 2H), 6.63 (s, 2H), 6.47-6.51(m, 2H), 5.07 (s, 2H), 4.74-4.79 (m, 2H), 4.27-4.31 (m, 1H), 3.75-4.90 (m, 1H), 2.79-2.81 (m, 1H), 2.63-2.66 (m, 2H), 1.99 (s, 6H), 1.89-1.92(m, 6H), 1.62-1.82(m, 2H).
実施例11
【0106】
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化45】
【化46】
工程1
(S)-3-ヒドロキシル-ピロリジン塩酸塩
(S)-tert-ブチル 3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシレート11a(1.87g,10mmol)を塩酸のジオキサン溶液20mLに溶解した。反応溶液は0.5時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-3-ヒドロキシル-ピロリジン塩酸塩11b(0.98g)を白色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0107】
工程2
メタンスルホン酸(S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル
粗(S)-3-ヒドロキシル-ピロリジン塩酸塩11b(124mg,1mmol)をジクロロメタン15mLに溶解し、トリエチルアミン(303mg,3mmol)を添加した。反応溶液を0℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(264mg,2,30mmol)を添加し、次いで室温まで温めてさらに2.5時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン10mLを加え、1Mクエン酸を滴下してpH4〜5に調整し、有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メタンスルホン酸(S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル11c(153mg)を黄色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0108】
工程3
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
メタンスルホン酸(S)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル11c(41mg,0.17mmol)、(S)-メチル 2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(70mg,0.17mmol)および炭酸セシウム(165mg,0.50mmol))をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート11d(71mg、収率75.1%)を淡黄色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 583.3 [M+18]
【0109】
工程4
2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ) ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート11d(71mg,0.13mmol)をメタノール10mLに溶解し、2M水酸化ナトリウム水溶液(0.5mL,1mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液に1Mクエン酸を滴下してpH4〜5に調整した。有機相は無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、表題化合物2-((S)-6-((2',6'-ジメチル-4'-(((R)-1-(メチルスルホニル)ピロリジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸11(70mg、収率100%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 550.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.53-7.37 (m, 2H), 7.20 (s, 1H), 7.11 (t, 2H), 6.62 (s, 2H), 6.58-6.47 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.99 (s, 1H), 4.81 (t, 1H), 4.33 (dd, 1H), 3.85 (dt, 1H), 3.75-3.61 (m, 3H), 3.58-3.45 (m, 1H), 2.92 (s, 3H), 2.85 (dd, 1H), 2.66 (dd, 1H), 2.39 (dd, 1H), 2.32-2.15 (m, 1H), 2.02 (d, 6H).
実施例12
【0110】
2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化47】
【化48】
工程1
(4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルフェニル)ボロン酸
5-(ベンジルオキシ)-2-ブロモ-1,3-ジメチルベンゼン12a(2.91g,10mmol,特許出願WO2005019151に開示の方法で調製)をドライアイスバス冷却下、テトラヒドロフラン35mLに溶解し、n−ブチルリチウム(4.8mL,12mmol)を添加した。反応溶液を1.5時間撹拌し、ホウ酸トリプロピル(5.64g,30mmol)を添加し、次いで30℃に加熱して、12時間撹拌した。得られた溶液に2M塩酸10mLを滴下し、次いで室温に冷やして、さらに2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下濃縮し、ろ過した。ろ過ケーキを水(10mL)およびn−ヘキサン(10mL)で続けて洗浄し、表題化合物(4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルフェニル)ボロン酸12b(1.54g、収率60.2%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 257.2 [M+1]
【0111】
工程2
(4'-(ベンジルオキシ)-2,2',6'-トリメチルビフェニル-3-イル)メタノール
2-メチル-3-ブロモ-フェニルメタノール(201mg,1mmol,特許出願WO2010143733に開示の方法で調製)、(4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルフェニル)ボロン酸12b(300mg,1.20mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液1mL、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシ-1,1'-ビフェニル(33mg,0.08mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(18mg,0.02mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド1mLに溶解した。反応混合液はマイクロ波条件下120℃で1時間反応させた。得られた混合液に水10mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物 (4'-(ベンジルオキシ)-2,2',6'-トリメチルビフェニル-3-イル)メタノール12c(190mg、収率57.2%)を赤色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 333.3 [M+1]
【0112】
工程3
3'-(ヒドロキシメチル)-2,2',6-トリメチルビフェニル-4-オール
(4'-(ベンジルオキシ)-2,2',6'-トリメチルビフェニル-3-イル)メタノール12c(190mg,0.57mmol)をメタノール5mLに溶解し、水素雰囲気下にPd/C(20mg、10%)を添加した。反応溶液は12時間撹拌した。得られた溶液をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物3'-(ヒドロキシメチル)-2,2',6-トリメチルビフェニル-4-オール12d(128mg)を黄色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 241.2 [M-1]
【0113】
工程4
(S)-(2,2',6'-トリメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
粗(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル1b(69mg,0.41mmol)、、粗3'-(ヒドロキシメチル)-2,2',6-トリメチルビフェニル-4-オール12d(100mg,3.13mmol)および炭酸セシウム(403mg,1.24mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド315mLに溶解した。反応混合液は80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(S)-(2,2',6'-トリメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール12e(110mg、収率86.0%)をオフホワイトの固体として得た。
MS m/z (ESI): 313.2 [M+1]
【0114】
工程5
メチル 2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-(2,2',6'-トリメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール12e(75mg,0.24mmol)、メチル(S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(50mg,0.24mmol)およびトリフェニルホスフィン(94mg,0.36mmol)をジクロロメタン20mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(73mg,0.36mmol)を添加し、次いで室温まで温めて、2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル 2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート12f (100mg、収率83.0%)を白色固体として得た。
【0115】
工程6
2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル 2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート12f (100mg,0.20mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)4mLに溶解し、2M水酸化リチウム水溶液(1mL,2mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH1〜2に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣は分取用の分離法を用いて精製し、表題化合物2-((S)-6-((2,2',6'-トリメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸12(80mg、収率83.0%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 487.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.43 (d, 1H), 7.24-7.26 (d, 1H), 7.08-7.10 (d, 1H), 7.02-7.04 (d, 1H), 6.64 (s, 2H), 6.51-6.56 (m, 2H), 5.05 (s, 2H), 4.96-4.4.97 (m, 1H), 4.77-4.81 (m, 1H), 4.30-4.31 (m, 1H), 4.03-4.07 (m, 3H), 3.92-3.97 (m, 1H), 3.83-3.85 (m, 1H), 2.81-2.87 (m, 1H), 2.61-2.68 (m, 1H), 2.20-2.25 (m, 2H), 1.97 (s, 3H), 1.93 (s, 6H), 1.27-1.30 (m, 1H).
実施例13
【0116】
2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化49】
【化50】
工程1
4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド
4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド3d(226mg,1mmol)、3,4‐エポキシテトラヒドロフラン13a(600mg,6.97mmol)および炭酸カリウム(180mg,1.30mmol)をエタノール1mLに溶解した。反応混合液はマイクロ波条件下100℃で90分間反応させた。得られた混合液に酢酸エチル10mLを加え、ろ過して、酢酸エチル(10mL×3)で洗浄した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド13b(312mg、収率100%)を黄色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 313.1 [M+1]
【0117】
工程2
(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ) テトラヒドロフラン-3-イルアセテート
4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド13b(312mg,1mmol)を氷冷下ジクロロメタン5mLに溶解し、トリエチルアミン(0.3mL,2mmol)および塩化アセチル(0.1mL,1.50mmol)を続けて添加した。反応溶液を室温に暖め、30分間撹拌した。得られた溶液に水10mLを加え、ジクロロメタン(10mL×3)で抽出した。有機相を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート13c(280mg、収率79.1%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 372.3 [M+18]
【0118】
工程3
(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート
(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート13c(280mg,0.79mmol)をメタノール5mLに溶解した。反応混合液は0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(45mg,1.20mmol)を添加し、次いで室温まで温めて、30分間撹拌した。得られた混合液にアセトン5mLを加え、減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、分離して、水相を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(10mL×3)、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート13d(200mg、収率70.9%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 357.2 [M+1]
【0119】
工程4
メチル2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-アセトキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(3R,4R)/(3S,4S)-4-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)テトラヒドロフラン-3-イルアセテート13d(200mg,0.56mmol)、メチル(S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(117mg,0.56mmol)およびトリフェニルホスフィン(221mg,0.84mmol)をジクロロメタン5mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷却して、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(170mg,0.84mmol)を添加した。反応溶液を室温まで温め、3時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-アセトキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート13e(200mg、収率65.1%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 564.3 [M+18]
【0120】
工程5
2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-アセトキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート13e(200mg,0.37mmol)をジクロロメタンとメタノール(V:V=1:3)の混合溶媒4mLに溶解し、3M水酸化リチウム水溶液(0.5mL,1.50mmol)を添加した。反応溶液は12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH2〜3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物2-((S)-6-((4'-(((3R,4R)/(3S,4S)-4-ヒドロキシテトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸13(110mg、収率61.4%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 508.3 [M+18]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40(m, 2H), 7.16(s, 1H), 7.06(m, 2H), 6.66(s ,2H), 6.48(m, 2H), 5.06(s, 2H), 4.76(m, 2H), 4.47(d, 1H), 4.29(m, 2H), 4.07(dd, 1H), 3.95(dd, 1H), 3.86(d, 1H), 3.80(m, 1H), 2.80(dd, 1H), 2.61(dd, 1H), 1.99(s, 6H).
実施例14
【0121】
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化51】
【化52】
工程1
(S)-tert-ブチル3-((3'-(((3-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)オキシ)メチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート
tert-ブチル3-(メチルスルホニル)オキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート14a (100mg、0.40mmol,特許出願WO2011097958に開示の方法で調製)、(S)-メチル 2-(6-((4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート3h(80mg,0.19mmol)および炭酸セシウム(130mg,0.40mmol))をN,N-ジメチルホルムアミド10mLに溶解した。反応溶液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液に水10mLを加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(S)-tert-ブチル3-((3'-(((3-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)オキシ)メチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート14b(60mg、収率50.0%)を無色オイルとして得た。
【0122】
工程2
(S)-メチル2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)- 2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2,2,2-トリフルオロアセテート
(S)-tert-ブチル3-((3'-(((3-(2-メトキシ-2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-6-イル)オキシ)メチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)アゼチジン-1-カルボキシレート14b(100mg,0.17mmol)をジクロロメタン5mLに溶解し、トリフルオロ酢酸1mLを添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)- 2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2,2,2-トリフルオロアセテート14c(80mg)を褐色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 474.2 [M+1]
【0123】
工程3
(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
粗(S)-メチル2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)- 2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2,2,2-トリフルオロアセテート14c(40mg,0.09mmol)をジクロロメタン3mLに溶解し、トリエチルアミン(0.1mL,0.26mmol)および塩化プロピオニル(11mL,0.13mmol)を続けて添加した。反応溶液は12時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン10mLを加え、飽和食塩水で洗浄し(5mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート14d(45mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 474.2 [M+1]
【0124】
工程4
(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗(S)-メチル2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート14d(45mg,0.09mmol)をメタノール3mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.5mL,0.50mmol)を添加した。反応溶液は3時間撹拌した。得られた溶液に1M塩酸を滴下してpH3に調整し、水3mLを加えて減圧下に濃縮し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、表題化合物(S)-2-(6-((2',6'-ジメチル-4'-((1-プロピオニルアゼチジン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸14(20mg、収率43.0%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 514.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.43-7.34 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.08-7.05 (m, 2H), 6.50-6.46 (m, 4H), 5.05 (s, 2H), 5.06-5.03 (m, 1H), 4.82-4.70 (m,1H), 4.65-4.38 (m, 2H), 4.28-4.16 (m, 3H); 3.87-3.77 (m, 1H); 2.79-2.78 (m, 1H), 2.65-2.62 (m, 1H), 2.19-2.17 (q, 2H), 1.99 (s, 6H), 1.16 (t, 3H).
実施例15
【0125】
(S)-2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化53】
【化54】
工程1
(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
粗(S)-メチル2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)- 2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2,2,2-トリフルオロアセテート14c(40mg,0.09mmol)をジクロロメタン3mLに溶解し、トリエチルアミン(0.1mL,0.26mmol)および塩化シクロプロパンカルボニル15a(14mg,0.13mmol)を添加した。反応溶液は12時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン10mLを加え、飽和食塩水で洗浄し(5mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート15b(46mg)を赤色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 542.2 [M+1]
【0126】
工程2
(S)-2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート15b(46mg,0.09mmol)をメタノール3mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(0.5mL,0.50mmol)を添加した。反応溶液は3時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮し、1M塩酸を滴下してpH3に調整し、水3mLを加えて、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、表題化合物(S)-2-(6-((4'-((1-(シクロプロパンカルボニル)アゼチジン-3-イル)オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸15((20mg、収率44.0%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 526.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.43-7.34 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.08-7.05 (m, 2H), 6.50-6.46 (m, 4H), 5.05 (s, 2H), 5.06-5.03 (m, 1H), 4.82-4.70 (m, 1H), 4.65-4.38 (m, 2H), 4.28-4.16 (m, 3H), 3.87-3.77 (m, 1H), 2.79-2.78 (m, 1H), 2.65-2.62 (m, 1H), 1.99 (s, 6H), 1.16 (m, 1H), 0.89 (m, 2H), 0.64 (m, 2H).
実施例16
【0127】
(S)-2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化55】
【化56】
工程1
塩化2−シアノアセチル
2−シアノ酢酸16a(25mg,0.30mmol)をジクロロメタン10mLに溶解し、塩化オキサリル(47mg,0.45mmol)およびN,N-ジメチルホルムアミド1滴を添加した。反応溶液は30分間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物塩化2−シアノアセチル16b(30mg)を赤色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0128】
工程2
(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(2-シアノアセチル)アゼチジン-3-イル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-メチル2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)- 2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート2,2,2-トリフルオロアセテート14c(150mg,0.32mmol)をジクロロメタン10mLに溶解し、トリエチルアミン(65mg,0.64mmol)および粗塩化2−シアノアセチル16b(49mg,0.48mmol)を添加した。反応溶液は16時間撹拌した。得られた溶液に水10mLを加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(5mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、粗表題化合物(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(2-シアノアセチル)アゼチジン-3-イル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート16c(80mg、収率46.2%)を黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 558.3 [M+18]
【0129】
工程3
(S)-2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
(S)-メチル2-(6-((4'-((1-(2-シアノアセチル)アゼチジン-3-イル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート16c(80mg,0.15mmol)をテトラヒドロフランとメタノールの混合溶媒(V/V=1:1)2mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(1mL,1mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(S)-2-(6-((4'-(アゼチジン-3-イルオキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸16(65mg、収率95.6%)を淡黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 458.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7.47-7.43 (m, 1H), 7.41-7.37 (m, 1H), 7.15-7.09 (m, 2H), 7.05 (d, 1H), 6.63 (s, 2H), 6.50-6.43 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 5.07-5.03 (m, 1H), 4.73-4.65(m, 1H), 4.50-4.41 (m, 2H), 4.22-4.15 (m, 1H), 4.01-3.96 (m, 2H), 3.74-3.62 (m, 1H), 2.75-2.65 (m, 1H), 2.50-2.43 (m, 1H), 1.93 (s, 6H).
実施例17
【0130】
2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル)) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化57】
【化58】
工程1
4'-((1R,2R) /(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド
4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド3d(113mg,0.50mmol)、1,2‐エポキシシクロペンタン17a(300mg,3.57mmol)および炭酸カリウム(90mg,0.65mmol)をエタノール0.5mLに溶解した。反応混合液はマイクロ波条件下100℃で75分間反応させた。得られた混合液に酢酸エチル15mLを加え、ろ過した。ろ液は水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮して、粗表題化合物4'-((1R,2R) /(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド17b(180mg)を黄色粘液として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 311.3 [M+1]
【0131】
工程2
(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート
粗4'-((1R,2R) /(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド17b(155mg,0.50mmol)をジクロロメタン15mLに溶解した。反応溶液にトリエチルアミン(0.1mL,1mmol)および塩化アセチル(61mg,0.60mmol)を続けて添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液にジクロロメタン10mLを加え、水(10mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bで精製して、表題化合物(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート17c(71mg、収率40.3%)を白色固体として得た。
【0132】
工程3
(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート
(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-ホルミル-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート17c(71mg,0.20mmol)をメタノール10mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(15mg,0.40mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた混合液にアセトン6mLを加え、減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表題化合物(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート17d(61mg、収率85.2%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 355.3 [M+1]
【0133】
工程4
2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル)) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸メチル
(1R,2R)/(1S,2S)-2-((3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-イル)オキシ)シクロペンチルアセテート17d(61mg,0.17mmol)、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(36mg,0.17mmol)およびトリフェニルホスフィン(68mg,0.26mmol)をジクロロメタン10mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷やし、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(53mg,0.26mmol)を添加した。反応溶液を室温まで温めて、1.5時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル)) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸メチル17e(64mg、収率69.0%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 520.4 [M+18]
【0134】
工程5
2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル)) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸メチル17e(54mg,0.10mmol)をメタノール10mLに溶解し、2M水酸化リチウム水溶液(0.5mL,1mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮した。残渣に水3mLを加えて、1Mクエン酸を滴下してpH2〜3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、表題化合物2-((S)-6-((4'-((1R,2R)/(1S,2S)-2-ヒドロキシシクロペンチル)) オキシ)-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸17(21mg、収率43.0%)を淡黄色固体として得た。
MS m/z (ESI): 506.4 [M+18]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.41-7.48 (m, 2H), 7.22 (s, 1H), 7.04-7.14 (m, 2H), 6.66 (s, 2H), 6.51-6.55 (m, 2H), 5.10 (s, 2H), 4.78-4.83 (s, 1H), 3.96-3.99 (m, 1H), 3.72-3.86 (m, 1H), 2.83-2.88 (m, 1H), 2.63-2.69 (m, 1H), 2.24-2.76 (m, 2H), 2.03 (s, 6H), 1.96-2.06 (m, 2H), 1.61-1.86 (m, 2H), 1.46-1.56 (m, 2H).
【0135】
2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化59】
【化60】
工程1
4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド
(4-(ベンジルオキシ)-2,6-ジメチルフェニル)ボロン酸12b(256mg,1mmol)、2-フルオロ-5-ブロモ-ベンズアルデヒド(203mg,1mmol)、2M炭酸ナトリウム水溶液(1mL,2mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',6'-ジメトキシビフェニル(37mg,0.08mmol)およびトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(18mg,0.02mmol)をエチレングリコールジメチルエーテルとトルエン(V/V=1:2)の混合溶媒3mLに溶解した。反応混合液は100℃で2時間、次いでマイクロ波条件下120℃で0.5時間加熱した。得られた混合液に水10mLを加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド18a(390mg、収率58.4%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 335.2 [M+1]
【0136】
工程2
(4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール
4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド18a(390mg,1.17mmol)をメタノール5mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(66mg,1.75mmol)を添加した。反応溶液は30分間撹拌した。得られた混合液にアセトン10mLを加え、減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール18b(370mg)を無色粘液として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0137】
工程3
4'-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール
粗(4'-(ベンジルオキシ)-4-フルオロ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-イル)メタノール18b(370mg,1.10mmol)をメタノール5mLに溶解し、水素雰囲気下Pd/C(40mg,10%)を添加した。反応混合液は12時間撹拌した。得られた混合液はろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物4'-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール18c(225mg、収率83.3%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 245.2 [M-1]
【0138】
工程4
(S)-(4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
粗(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル1b(83mg,0.5mmol)、4'-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール18c(110mg,0.45mmol)および炭酸セシウム(293mg,0.90mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド2mLに溶解した。反応混合液を90℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた混合液は減圧下に濃縮し、水10mLを加えて、酢酸エチル(10mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物(S)-(4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール18d(150mg)を無色粘液として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 317.1 [M+1]
【0139】
工程5
メチル2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
粗(S)-(4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール18d(150mg,0.45mmol)、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(94mg,0.45mmol)およびトリフェニルホスフィン(177mg,0.68mmol)をジクロロメタン5mLに溶解した。反応溶液を0℃に冷やし、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(136mg,0.68mmol)を添加した。反応溶液を室温まで温めて、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート18e(150mg、収率65.8%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 507.2 [M+1]
【0140】
工程6
2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート18e(150mg,0.30mmol)をテトラヒドロフラン、メタノールおよび水(V/V=1:3:0.5)の混合溶媒4.5mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(1mL,1mmol)を添加した。反応溶液は12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、2M塩酸を滴下してpH2〜3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物2-((S)-6-((4-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸18(100mg、収率66.7%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 491.3 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.23 (dd, 1H), 7.14-7.04 (m, 3H), 6.60 (s, 2H), 6.50-6.45 (m, 2H), 5.13 (s, 2H), 4.94 (m, 1H), 4.76 (t, 1H), 4.28 (dd, 1H), 4.02-3.89 (m, 4H), 3.80 (m, 1H), 2.80 (dd, 1H), 2.61 (dd, 1H), 2.20 (m, 2H), 1.96 (s, 6H).
実施例19
【0141】
2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化61】
【化62】
工程1
3-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール
3'-フルオロ-4'-ヒドロキシ-2',6'-ジメチルビフェニル-3-カルバルデヒド19a(700mg,2.87mmol,特許出願WO2008001931に開示の方法で調製)をメタノール10mLに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(130mg,3.44mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水10mLを加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物3-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール19b(700mg)を白色固体として得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 247.1 [M+1]
【0142】
工程2
(S)-(3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
粗(R)-テトラヒドロフラン-3-イル メタンスルホン酸エステル1b(202mg,1.22mmol)、粗3-フルオロ-3'-(ヒドロキシメチル)-2,6-ジメチルビフェニル-4-オール19b(200mg,0.81mmol)および炭酸セシウム(527mg,1.62mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド5mLに溶解した。反応混合液を80℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた混合液に水20mLを加えて、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を合わせて、水(30mL)、飽和食塩水(30mL)で続けて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(S)-(3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール19c(130mg、収率50.8%)を無色粘液として得た。
MS m/z (ESI): 334.2 [M+18]
【0143】
工程3
メチル2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(S)-(3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール19c(130mg,0.41mmol)、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(85mg,0.41mmol)およびトリフェニルホスフィン(161mg,0.62mmol)をジクロロメタン10mLに溶解し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(125mg,0.62mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物メチル2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート19d(150mg、収率72.5%)を無色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 507.2 [M+1]
【0144】
工程4
2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
メチル2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート19d(150mg,0.30mmol)をメタノールとテトラヒドロフラン(V/V=1:1)の混合溶媒4mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(1.5mL,1.50mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣に水10mLを加え、1M塩酸を滴下してpH2〜3に調整し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物2-((S)-6-((3'-フルオロ-2',6'-ジメチル-4'-(((S)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸19(85mg、収率57.8%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 491.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.52-7.41 (m, 2H), 7.19 (s, 1H), 7.10 (d, 2H), 6.70 (d, 1H), 6.58-6.52 (m, 1H), 6.51 (s, 1H), 5.10 (s, 2H), 5.07-4.96 (m, 2H), 4.83-4.78 (m, 1H), 4.38-4.29 (m, 1H), 4.14-4.05 (m, 3H), 4.02-3.95 (m, 1H), 2.90-2.79 (m, 1H), 2.70-2.60 (m, 1H), 2.31-2.20 (m, 2H), 2.00 (s, 3H), 1.96 (d, 3H).
【0145】
実施例20〜24の化合物は実施例3および5の方法に従って適当な試薬を用いて調製した。
実施例番号、構造および特性データを以下に示す:
【0146】
実施例25〜34の化合物は実施例1および18の方法に従って適当な試薬を用いて調製した。
実施例番号、構造および特性データを以下に示す:
実施例35
【0147】
2-((S)-6-((2'-(ヒドロキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化63】
【化64】
工程1
(R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノキシ)テトラヒドロフラン
(S)-テトラヒドロフラン-3-オール2a(1g,11.35mmol)をジクロロメタン30mLに溶解し、4‐ブロモ‐3,5‐ジメチルフェノール(2.28g,11.35mmol)を添加した。反応溶液は0℃に冷却し、トリフェニルホスフィン(3.57g,13.62mmol)およびアゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.75g,13.62mmol)を続けて添加した。反応溶液は室温まで温めて、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノキシ)テトラヒドロフラン35a(2.27g、収率73.9%)を無色オイルとして得た。
【0148】
工程2
(R)-3-(4-ブロモ-3-(ブロモメチル)-5-メチルフェノキシ)テトラヒドロフラン
(R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノキシ)テトラヒドロフラン35a(2.27g,8.37mmol)、N−ブロモスクシンイミド(1.79g,10.04mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(64mg,0.42mmol)を四塩化炭素50mLに溶解した。反応溶液は60℃に加熱し、12時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮しtert-ブチルメチルエーテル50mLを加えて、10分間撹拌し、ろ過して、tert-ブチルメチルエーテル(20mL×2)で洗浄した。ろ液を合わせて減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)-3-(4-ブロモ-3-(ブロモメチル)-5-メチルフェノキシ)テトラヒドロフラン35b(707mg、収率24.2%)を淡黄色固体として得た。
【0149】
工程3
(R)-2-ブロモ-3-メチル-5-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル アセテート
(R)-3-(4-ブロモ-3-(ブロモメチル)-5-メチルフェノキシ)テトラヒドロフラン35b(700mg,2mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド15mLに溶解し、酢酸カリウム(197mg,2mmol)を添加した。反応溶液は50℃に加熱し、1時間撹拌した。得られた溶液を室温まで冷やし、水100mLを加えて、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮し、粗表題化合物(R)-2-ブロモ-3-メチル-5-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル アセテート35c(658mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 346.3 [M+18]
【0150】
工程4
(R)-(3'-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-2-イル)メチルアセテート
粗(R)-2-ブロモ-3-メチル-5-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ベンジル アセテート35c(658mg,2mmol)をジオキサン50mLに溶解し、3−ヒドロキシメチルフェニルボロン酸(608mg,4mmol)および炭酸カリウム水溶液6mL(636mg,4mmol)、次いで[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム (II)(74mg,0.10mmol)を添加した。反応溶液は70℃に加熱し、4時間撹拌した。得られた溶液は冷却して、1M塩酸水溶液100mLに注いで、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)-(3'-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-2-イル)メチルアセテート35d(476mg、収率66.8%)を黄色オイルとして得た。
MS m/z (ESI): 374.4 [M+18]
【0151】
工程5
メチル2-((S)-6-((2'-(アセトキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(R)-(3'-(ヒドロキシメチル)-6-メチル-4-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-2-イル)メチルアセテート35d(127mg,0.36mmol)をジクロロメタン10mLに溶解し、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(89mg,0.43mmol)およびトリフェニルホスフィン(112mg,0.43mmol)を添加した。反応溶液を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(87mg,0.43mmol)を添加した。反応溶液は室温に暖め、12時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メチル2-((S)-6-((2'-(アセトキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート35e(189mg)を黄色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0152】
工程6
2-((S)-6-((2'-(ヒドロキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗メチル2-((S)-6-((2'-(アセトキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)- テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート35e(189mg,0.36mmol)をメタノールとテトラヒドロフラン(V/V=1:4)の混合溶媒10mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(4mL,4mmol)を添加した。反応溶液は3時間撹拌した。得られた溶液に水50mLおよび2M水酸化ナトリウム水溶液5mLを加えた。水相は酢酸エチル(30mL)で洗浄し、次いで1M塩酸を滴下してpH2〜3に調整して、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、表題化合物2-((S)-6-((2'-(ヒドロキシメチル)-6'-メチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸35(15mg、収率8.6%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 489.2 [M-1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.35 - 7.48 (m, 2H), 7.03 - 7.19 (m, 3H), 6.93 (br, 1H), 6.73 (br, 1H), 6.42 - 6.52 (m, 2H), 5.08 (s, 2H), 5.03 (br, 1H), 4.68 (t, 1H), 4.14 - 4.24 (m, 1H), 4.07 (s, 2H), 3.91 (dd, 1H), 3.73 - 3.88 (m, 3H), 3.61 - 3.73 (m, 1H), 2.64 - 2.77 (m, 1H), 2.46 (d, 1H), 2.16 - 2.30 (m, 1H), 1.95 - 2.06 (m, 1H), 1.91 (s, 3H) .
実施例36
【0153】
2-((S)-6-((4-ヒドロキシ-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
【化65】
【化66】
工程1
(R)-(4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール
(R)-3-(4-ブロモ-3,5-ジメチルフェノキシ)テトラヒドロフラン35a(731mg,2.69mmol)をジオキサン20mLに溶解し、(2-(ベンジルオキシ)-5-(4,4,5,5-テトラメチル-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)メタノール(1.28g,3.76mmol,特許出願US2011275797に開示の方法で調製)および炭酸水素ナトリウム水溶液4mL(855mg,8.07mmol)および[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム (II)(98mg,0.14mmol)を添加した。反応溶液は70℃に加熱し、4時間撹拌した。得られた溶液は冷却して、水100mLに注ぎ、1M塩酸を滴下してpH2〜3に調整して、酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液は減圧下に濃縮した。残渣を溶出系Bを用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、表題化合物(R)-(4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール36a(637mg、収率63.7%)を黄色オイルとして得た。
【0154】
工程2
メチル2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート
(R)-(4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メタノール36a(637mg,1.69mmol)をジクロロメタン20mLに溶解し、メチル (S)-2-(6-ヒドロキシル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート(423mg,2.03mmol)およびトリフェニルホスフィン(532mg,2.03mmol)を添加した。反応溶液を0℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(411mg,2.03mmol)を添加して、室温まで暖め、12時間撹拌した。得られた溶液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物メチル2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート36b(1g)を褐色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
【0155】
工程3
2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
粗メチル2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-((テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)アセテート36b(1g,1.69mmol)をメタノールとテトラヒドロフラン(V/V=1:4)の混合溶媒50mLに溶解し、1M水酸化リチウム水溶液(20mL,20mmol)を添加した。反応溶液は2時間撹拌した。得られた溶液は減圧下に濃縮した。残渣に水150mLおよび酢酸エチル30mLを加え、1M塩酸を滴下してpH2〜3に調整して、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機抽出液を合わせて、飽和食塩水で洗浄し(30mL)、無水硫酸マグネシウムで乾燥して、ろ過した。ろ液を減圧下に濃縮して、粗表題化合物2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸36c(152mg、収率8.6%)を褐色オイルとして得たが、さらに精製することなく次の工程に直接使用した。
MS m/z (ESI): 579.4 [M-1]
【0156】
工程4
2-((S)-6-((4-ヒドロキシ-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸
2-((S)-6-((4-(ベンジルオキシ)-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸36c(152mg,0.26mmol)を酢酸エチル5mLに溶解し、Pd/C(30mg、10%)を加えた。反応溶液は水素雰囲気下12時間撹拌した。得られた溶液はろ過した。ろ液は減圧下に濃縮し、残渣を溶出系Aを用いてTLCで精製し、粗表題化合物2-((S)-6-((4-ヒドロキシ-2',6'-ジメチル-4'-(((R)-テトラヒドロフラン-3-イル)オキシ)ビフェニル-3-イル)メトキシ)-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-イル)酢酸36(18mg、収率14.1%)を白色固体として得た。
MS m/z (ESI): 491.4 [M+1]
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 12.34 (br, 1H), 9.68 (s, 1H), 7.08 (d, 1H), 6.96 (s, 1H), 6.82 - 6.93 (m, 2H), 6.63 (s, 2H), 6.37 - 6.49 (m, 2H), 5.00 (s, 3H), 4.67 (t, 1H), 4.12 - 4.22 (m, 1H), 3.89 (dd, 1H), 3.71 - 3.85 (m, 3H), 3.66 (t, 1H), 2.68 (dd, 1H), 2.45 (d, 1H), 2.19 (dd, 1H), 1.96 (dd, 1H), 1.89 (s, 6H).
【0157】
試験例
生物学的試験
試験例1:CHO-K1/GPR40細胞に対する本発明化合物のアゴニスト活性
次の方法をGPR40に対する本発明化合物のアゴニスト活性の測定に用いた。実験方法を以下に記載する:
CHO-K1/GPR40細胞(GPR40を発現するCHO-K1細胞株はレトロウイルス感染法を用いて作成され、CHO-K1/GPR40細胞は略して、CHO-K1細胞はChinese Academy of SciencesのCell bankから購入した、(カタログ番号GNHa 7);GPR40 cDNAはGuangzhou FulenGen Co., Ltdから購入(カタログ番号EX-U0270-M02)した。)は96穴プレートに播種密度25000/ウェルで播種した。セルプレートは37℃および5%COで24時間培養した。実験を通して細胞培養液は廃棄し、細胞を緩衝液(1x HBSS + 20mM HEPES pH 7.4)で一度洗浄して、Fluo-4カルシウムイオン蛍光色素100μLを各ウェルに素早く加えて、暗所で37℃で30分間、次いで室温でさらに30分間培養した。測定中、各ウェルのベースライン値を先ず読み取り、次いで異なる濃度の薬物をウェルに添加(50μL/ウェル)して、蛍光値を読み取った。蛍光の励起波長は494nmで、発光波長は516nmであった。蛍光強度の増加は細胞中のカルシウムイオン濃度に比例した。各細胞の細胞応答率=(最大蛍光値−最少蛍光値)/最少蛍光値、化合物のEC50値を計算した。
結論:本発明の化合物はをGPR40に対して有意なアゴニスト活性を有していた。
【0158】
薬物動態試験
1.目的
異なる時点での薬物血漿濃度を測定するために本発明化合物を胃内に投与した。本発明化合物の薬物動態挙動をラットで研究、評価した。
2.プロトコール
2.1サンプル
実施例1、実施例2、実施例13および実施例30の化合物
2.2試験動物
16匹の健康な成体ラット、各群4匹、雄と雌半々、4グループに分割、SINO-BRITSH SIPPR/BK LAB. ANIMAL LTD., COから購入、License number: SCXK (Shanghai) 2008-0016
2.3試験化合物の調製
試験化合物の正確な量を量り、0.5%カルボキシメチルセルロースナトリウムを加え、マイクロ波を用いて0.5mg/mL懸濁液を調製した。
2.4投与およびサンプル採取
一晩の絶食の後、ラットの胃内に5.0mg/kgの投与量および10mL/kgの投与容量で投与した。血液サンプルは抗凝血剤としてヘパリンを用い、投与前と投与後24時間以内のの異なる時点で採取した。分離した血漿サンプルは−20℃で保存した。ラットは投与後2時間で餌を与えた。
3.分析方法
血液サンプル(0.1mL)は投与前と投与後1.0、2.0、3.0、4.0、6.0、8.0、11.0、24.0および48.0時間に採取し、ヘパリン処理したチューブに保存して5分間3,500rpm、4℃で遠心分離を行い、血漿を分離した。血漿サンプルは−20℃で保存した。ラットは投与後2時間で餌を与えた。
胃内投与後のラット血漿中の異なる試験化合物の含有量はLC/MS/MS法で測定した。この方法の直線性は1.00〜2000ng/mlである。血液サンプルはメタノールの添加によりタンパクの沈殿が完了した後に分析した。
【0159】
4.薬物動態パラメータの結果
本発明化合物の薬物動態パラメータを以下に示した。
結論:本発明化合物はラットへの胃内投与後、高い血漿濃度と曝露、長い半減期、及び良好な薬物動態プロフィールを有していた。
【0160】
薬物動力学試験
1.目的
高脂肪食で飼育したマウスを試験動物に使用した。糖負荷マウスの経口グルコース耐性試験(OGTT)について単一用量の本発明化合物の経口投与の効果を調べた。
2.試験化合物
実施例1、実施例2、実施例13、実施例16、実施例18、実施例19および実施例26の化合物
3.試験動物
健康なICRマウス、雄、をSINO-BRITSH SIPPR/BK LAB. ANIMAL LTD., CO,License number: SCXK (Shanghai) 2008-0016から購入
4.試験化合物の調製
試験化合物を0.5%CMC−Na水溶液に添加し、マイクロ波を用いて相当する濃度の懸濁液を調製した。
5.試験方法
5.1グループ分け
16時間の終夜絶食の後、高脂肪食で飼育した雄マウスの体重を量り、基礎血糖を測定した。マウスはランダムにブランクグループと血糖濃度に従って本発明の各試験化合物のグループに分割した。
5.2投与量の設定
投与量は20mg/kgまたは40mg/kgで、ブランクグループは0.5%CMC−Na水溶液を投与した。
5.3投与
胃内投与15分後に20%グルコース溶液を投与した(各マウスに0.4mL投与)。
5.4血糖値の測定
血糖値を測定するために前述の用量に従って化合物を投与した(−15分)。
投与15分後、20%グルコース溶液を2g/kgの用量で投与し、各マウスにおける0,15,30,45,60および120分での血糖値をRoche Accu-Chek blood glucose monitoring meterで測定した。
5.5データ統計
Excelの統計ソフトを用い:平均値はavgで計算;SD値はSTDEVで計算;グループ間の差のP値はTTESTで計算した。
AUC計算式:
AUC=(t15min+t0min)x0.25/2+(t30min+t15min)x0.25/2+(t45min+t30min)x0.25/2+(t60min+t45min)x0.25/2+(t120min+t60min)x1/2
式中、t0min,t15min,t30min,t45min,t60min,t120minは異なる時点で測定した血糖値である。
【0161】
6.実験結果
結論:20 mg/kgまたは40 mg/kgの経口用量で、本発明化合物は高脂肪食で飼育したマウスにおいてグルコース投与により誘起された血糖の増加を有意に減少させた。