(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る好適な実施の形態を、添付の図面を参照して詳しく説明する。添付の図面と共に以下に開示される詳細な説明は、本発明の例示的な実施の形態を説明するためのもので、本発明を実施できる唯一の実施の形態を示すためのものではない。以下の詳細な説明は、本発明の完全な理解を提供するために具体的な細部事項を含む。しかし、当業者にとっては、本発明がそのような具体的な細部事項なしにも実施されうることが理解される。
【0025】
また、以下に説明される技法(technique)、装置、及びシステムは、様々な無線多重接続システムに適用可能である。説明の便宜のために、以下では、本発明が3GPP LTE(−A)に適用される場合を仮定して説明するが、本発明の技術的特徴がこれに制限されるものではない。例えば、以下の詳細な説明が、移動通信システムが3GPP LTE(−A)システムに対応する移動通信システムに基づいて説明されても、3GPP LTE(−A)に限る事項以外は、他の任意の移動通信システムにも適用可能である。
【0026】
場合によって、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置が省略されることもあり、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で示されることもある。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素については、同一の図面符号を付して説明する。
【0027】
本発明において、ユーザ機器(UE:User Equipment)は、固定していても移動性を有してもよく、BSと通信してユーザデータ及び/又は各種の制御情報を送受信する各種機器を含む。UEは、端末(Terminal Equipment)、MS(Mobile Station)、MT(Mobile Terminal)、UT(User Terminal)、SS(Subscribe Station)、無線機器(wireless device)、PDA(Personal Digital Assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)などと呼ぶことができる。また、本発明において、基地局(Base Station、BS)は一般に、UE及び/又は他のBSと通信する固定した地点(fixed station)のことをいい、UE及び他のBSと通信して各種のデータ及び制御情報を交換する。BSは、ABS(Advanced Base Station)、NB(Node−B)、eNB(evolved−NodeB)、BTS(Base Transceiver System)、アクセスポイント(Access Point)、PS(Processing Server)、ポイント(Point)、送信ポイント(Transmission Point;TP)、受信ポイント(Receipt Point;RP)、DLポイント及びULポイント、セル(cell)などの用語と呼ぶこともできる。
【0028】
本発明で、PDCCH(Physical Downlink Control CHannel)/PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)/PHICH((Physical Hybrid automatic retransmit request Indicator CHannel)/PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)はそれぞれ、DCI(Downlink Control Information)/CFI(Control Format Indicator)/下りリンクACK/NACK(ACKnowlegement/NegativeACK)/下りリンクデータを運ぶ時間−周波数リソースの集合(set)或いはリソース要素の集合を意味する。また、PUCCH(Physical Uplink Control CHannel)/PUSCH(Physical Uplink Shared CHannel)はそれぞれ、UCI(Uplink Control Information)/上りリンクデータを運ぶ時間−周波数リソースの集合或いはリソース要素の集合を意味する。本発明では、特に、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCHに割り当てられたり、それに属した時間−周波数リソース或いはリソース要素(Resource Element、RE)をそれぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCH RE又はPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH/PUCCH/PUSCHリソースと称する。したがって、本発明でユーザ機器がPUCCH/PUSCHを送信するという表現は、それぞれ、PUSCH/PUCCH上で上りリンク制御情報/上りリンクデータ/ランダムアクセス信号を送信するということと同じ意味で使われる。また、本発明でBSがPDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCHを送信するという表現は、それぞれ、PDCCH/PCFICH/PHICH/PDSCH上で下りリンクデータ/制御情報を送信するということと同じ意味で使われる。
【0029】
また、本発明でCRS(Cell−specific Reference Signal)/DMRS(Demodulation Reference Signal)/CSI−RS(Channel State Information Reference Signal)時間−周波数リソース(或いは、RE)はそれぞれ、CRS/DMRS/CSI−RSに割当或いは利用可能なRE、或いはCRS/DMRS/CSI−RSを運ぶ時間−周波数リソース(或いは、RE)を意味する。また、CRS/DMRS/CSI−RS REを含む副搬送波をCRS/DMRS/CSI−RS副搬送波と称し、CRS/DMRS/CSI−RS REを含むOFDMシンボルをCRS/DMRS/CSI−RSシンボルだと称する。また、本発明でいうSRS時間−周波数リソース(或いは、RE)は、UEからBSに送信され、BSが自身と当該UEとの間に形成された上りリンクチャネル状態の測定に用いるサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal、SRS)を運ぶ時間−周波数リソース(或いは、RE)を意味する。参照信号(reference signal、RS)とは、UEとBSが互いに知っている既に定義された、特別な波形の信号を意味し、パイロットと呼ぶこともできる。
【0030】
一方、本発明でいうセルは、一つのBS、ノード、或いはアンテナポートが通信サービスを提供する一定の地理的領域を指す。したがって、本発明で、「特定セルと通信する」ということは、当該特定セルに通信サービスを提供するBS、ノード或いはアンテナポートと通信するということ意味できる。また、特定セルの下りリンク/上りリンク信号は、当該特定セルに通信サービスを提供するBS、ノード或いはアンテナポートからの/への下りリンク/上りリンク信号を意味する。また、特定セルのチャネル状態/品質は、当該特定セルに通信サービスを提供するBS、ノード或いはアンテナポートとUEとの間に形成されたチャネル或いは通信リンクのチャネル状態/品質を意味する。
【0031】
図1は、無線通信システムで用いられる無線フレーム構造の一例を示す図である。特に、
図1(a)は、3GPP LTE(−A)でFDDに利用可能な無線フレーム構造を例示し、
図1(b)は、3GPP LTE(−A)でTDDに利用可能な無線フレーム構造を例示している。
【0032】
図1を参照すると、3GPP LTE(−A)で用いられる無線フレームは、10ms(307200Ts)の長さを有し、10個の均等なサイズのサブフレームで構成される。一つの無線フレーム内の10個のサブフレームにはそれぞれ番号が与えることができる。ここで、Tsはサンプリング時間を表し、Ts=1/(2048*15kHz)で表示される。それぞれのサブフレームは1msの長さを有し、2個のスロットで構成される。一つの無線フレーム内で20個のスロットは0から19まで順次にナンバリングできる。それぞれのスロットは、0.5msの長さを有する。一つのサブフレームを送信するための時間は、送信時間間隔(TTI:transmission time interval)と定義される。時間リソースは、無線フレーム番号(或いは、無線フレームインデックスともいう)、サブフレーム番号(或いは、サブフレーム番号ともいう)、スロット番号(或いは、スロットインデックス)などによって区別可能である。
【0033】
無線フレームは、デュプレックス(duplex)モードによって異なる構成を有することができる。例えば、FDDモードで、下りリンク(DL)送信及び上りリンク(UL)送信は周波数によって区別されるため、無線フレームは、所定搬送波周波数で動作する所定周波数帯域に対して下りリンクサブフレーム又はULサブフレームのいずれか一つのみを含む。TDDモードでDL送信及びUL送信は時間によって区別されるため、所定搬送波周波数で動作する所定周波数帯域に対して、無線フレームは下りリンクサブフレームとULサブフレームの両方を含む。
【0034】
表1は、TDDモードで、無線フレーム内のサブフレームのDL−UL構成を例示するものである。
【0036】
表1で、Dは下りリンクサブフレームを、UはULサブフレームを、Sは特異(special)サブフレームを表す。特異サブフレームは、DwPTS(Downlink Pilot TimeSlot)、GP(Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot TimeSlot)の3つのフィールドを含む。DwPTSはDL送信用に留保される時間区間であり、UpPTSはUL送信用に留保される時間区間である。
【0037】
図2は、無線通信システムにおいて下りリンク/上りリンク(DL/UL)スロット構造の一例を示す図である。特に、
図2は、3GPP LTE(−A)システムのリソース格子(resource grid)の構造を示している。アンテナポート当たりに1個のリソース格子がある。
【0038】
スロットは、時間ドメインで複数のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含み、周波数ドメインで複数のリソースブロック(resource block、RB)を含む。OFDMシンボルは、1シンボル区間を意味することもある。
図2を参照すると、各スロットで送信される信号は、
【0040】
の副搬送波(subcarrier)及び
【0042】
のOFDMシンボルで構成されるリソース格子で表現することができる。ここで、
【0044】
は、下りリンクスロットにおけるリソースブロック(RB)の個数を表し、
【0046】
は、ULスロットにおけるRBの個数を表す。
【0048】
は、DL送信帯域幅とUL送信帯域幅にそれぞれ依存する。
【0050】
は、下りリンクスロットにおけるOFDMシンボルの個数を表し、
【0052】
は、ULスロットにおけるOFDMシンボルの個数を表す。
【0054】
は、一つのRBを構成する副搬送波の個数を表す。
【0055】
OFDMシンボルは、多重接続方式によってOFDMシンボル、SC−FDMシンボルなどと呼ぶことができる。一つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、チャネル帯域幅、CPの長さによって様々に変更可能である。例えば、標準(normal)CPの場合には、一つのスロットが7個のOFDMシンボルを含むが、拡張(extended)CPの場合には、一つのスロットが6個のOFDMシンボルを含む。
図2では、説明の便宜のために、1スロットが7 OFDMシンボルで構成されるサブフレームを例示したが、本発明の実施例は、他の個数のOFDMシンボルを有するサブフレームにも同様の方式で適用可能である。
図2を参照すると、各OFDMシンボルは、周波数ドメインで、
【0057】
の副搬送波を含む。副搬送波の類型は、データ送信のためのデータ副搬送波、参照信号の送信のための参照信号副搬送波、ガードバンド(guard band)及びDC成分のためのヌル副搬送波に分類できる。DC成分のためのヌル副搬送波は、未使用のままに残される副搬送波で、OFDM信号生成過程或いは周波数アップ変換過程で搬送波周波数(carrier freqeuncy、f0)にマップされる。搬送波周波数は中心周波数(center frequency)ともいう。
【0060】
(例えば、7個)の連続したOFDMシンボルと定義され、周波数ドメインで
【0062】
(例えば、12個)の連続した副搬送波と定義される。参考として、一つのOFDMシンボル及び一つの副搬送波で構成されたリソースをリソース要素(resource element、RE)或いはトーン(tone)という。したがって、一つのRBは、
【0064】
のリソース要素で構成される。リソース格子における各リソース要素は、一つのスロットにおけるインデックス対(k,1)によって固有に定義できる。kは、周波数ドメインで0から
【0066】
まで与えられるインデックスであり、lは、時間ドメインで0から
【0071】
の連続した同一の副搬送波を占有しながら、そのサブフレームの2個のスロットのそれぞれに1個ずつ位置する2個のRBを、物理リソースブロック(physical resource block、PRB)対と称する。PRB対を構成する2個のRBは、同一のPRB番号(或いは、、PRBインデックスともいう)を有する。VRBは、リソース割当のために導入された一種の論理的リソース割当単位である。VRBは、PRBと同一のサイズを有する。VRBをPRBにマップする方式によって、VRBは、局部(localized)タイプのVRBと分散(distributed)タイプのVRBとに区別される。局部タイプのVRBは、PRBに直接マップされ、VRB番号(VRBインデックスともいう)がPRB番号に対応する。すなわち、n
PRB=n
VRBとなる。局部タイプのVRBには0からN
DLVRB−1の順に番号が与えられ、N
DLVRB=N
DLRBである。したがって、局部マッピング方式によれば、同一のVRB番号を有するVRBが第1のスロットと第2のスロットで同一PRB番号のPRBにマップされる。一方、分散タイプのVRBは、インターリービングを経てPRBにマップされる。したがって、同一のVRB番号を有する分散タイプのVRBは、第1のスロットと第2のスロットで異なった番号のPRBにマップされうる。サブフレームの2個のスロットに1個ずつ位置し、同一のVRB番号を有する2個のPRBをVRB対と称する。
【0072】
図3は、3GPP LTE(−A)システムで用いられる下りリンクサブフレーム構造を例示する図である。
【0073】
DLサブフレームは、時間ドメインで制御領域とデータ領域とに区別される。
図3を参照すると、サブフレームの第1のスロットで先頭部に位置している最大3(或いは、4)個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域(control region)に対応する。以下、DLサブフレームでPDCCH送信に利用可能なリソース領域をPDCCH領域と称する。制御領域に用いられるOFDMシンボル以外のOFDMシンボルは、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)が割り当てられるデータ領域(data region)に該当する。以下、DLサブフレームでPDSCH送信に利用可能なリソース領域をPDSCH領域と称する。3GPP LTEで用いられるDL制御チャネルの例は、PCFICH、PDCCH、PHICHなどを含む。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内で制御チャネルの送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PHICHは、UL送信の応答としてHARQ ACK/NACK(acknowledgment/negative−acknowledgment)信号を運ぶ。
【0074】
PDCCHを介して送信される制御情報をDCI(Downlink Control Information)と称する。DCIは、UE又はUEグループのためのリソース割当情報及び他の制御情報を含む。例えば、DCIは、DL共有チャネル(downlink shared channel、DL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割当情報、UL共有チャネル(uplink shared channel、UL−SCH)の送信フォーマット及びリソース割当情報、ページングチャネル(paging channel、PCH)上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信されるランダム接続応答のような上位層制御メッセージのリソース割当情報、UEグループ内の個別UEに対するTx電力制御命令セット、Tx電力制御命令、VoIP(Voice over IP)の活性化指示情報などを含む。一つのPDCCHが運ぶDCIは、DCIフォーマットによってそのサイズと用途が異なり、符号化率によってそのサイズが異なることがある。
【0075】
複数のPDCCHがDLサブフレームのPDCCH領域内で送信されてもよく、UEは複数のPDCCHをモニタすることができる。BSは、UEに送信されるDCIによってDCIフォーマットを決定し、DCIにCRC(cyclic redundancy check)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は使用目的によって識別子(例、RNTI(radio network temporary identifier))でマスク(又は、スクランブル)される。例えば、PDCCHが特定UEのためのものであれば、当該UEの識別子(例、cell−RNTI(C−RNTI))をCRCにマスクできる。PDCCHがページングメッセージのためのものであれば、ページング識別子(例、paging−RNTI(P−RNTI))をCRCにマスクできる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(system information block、SIB))のためのものであれば、SI−RNTI(system information RNTI)をCRCにマスクできる。PDCCHがランダムアクセス応答のためのものであれば、RA−RNTI(random access−RNTI)をCRCにマスクできる。CRCマスキング(又は、スクランブリング)は、例えば、ビットレベルでCRCとRNTIをXOR演算することを含む。
【0076】
PDCCHは、一つ又は複数の連続した制御チャネル要素(control channel element、CCE)の集約(aggregation)上で送信される。CCEは、PDCCHに無線チャネル状態に基づくコーディングレートを提供するために用いられる論理的割当ユニットである。CCEは、複数のリソース要素グループ(resource element group、REG)に対応する。例えば、一つのCCEは9個のREGに対応し、一つのREGは4個のREに対応する。4個のQPSKシンボルがそれぞれのREGにマップされる。参照信号(RS)によって占有されたリソース要素(RE)はREGに含まれない。そのため、与えられたOFDMシンボル内でREGの個数はRSの有無によって変わる。REG概念は他のDL制御チャネル(すなわち、PCFICH及びPHICH)にも用いられる。DCIフォーマット及びDCIビットの個数は、CCEの個数によって決定される。
【0077】
CCEは、番号が与えられて連続して用いられ、復号プロセスを簡単にするために、n個のCCEで構成されたフォーマットを有するPDCCHは、nの倍数に該当する番号を有するCCEからのみ始まるようにすることができる。特定PDCCHの送信に用いられるCCEの個数、すなわち、CCE集約レベルは、チャネル状態によってBSで決定される。例えば、良好なDLチャネルを有するUE(例、BSに近接している)のためのPDCCHの場合、一つのCCEだけでも十分であろう。しかし、劣悪なチャネルを有するUE(例、セル境界に近接している)のためのPDCCHの場合、十分なロバスト性(robustness)を得るためには8個のCCEが要求されうる。
【0078】
図4は、3GPP LTE(−A)システムで用いられる上りリンクサブフレーム構造の一例を示す図である。
【0079】
図4を参照すると、ULサブフレームは、周波数ドメインで制御領域とデータ領域とに区別できる。一つ又は複数のPUCCHを、UCIを運ぶために上記制御領域に割り当てることができる。一つ又は複数のPUSCHがユーザデータを運ぶために、ULサブフレームのデータ領域に割り当てられてもよい。ULサブフレームにおける制御領域及びデータ領域をPUCCH領域及びPUSCH領域とそれぞれ呼ぶこともできる。データ領域には、サウンディング参照信号(sounding reference signal、SRS)が割り当てられてもよい。SRSは、時間ドメインではULサブフレームの末尾に位置するOFDMシンボル、周波数ドメインではULサブフレームのデータ送信帯域、すなわち、データ領域上で送信される。同一サブフレームの末尾のOFDMシンボルで送信/受信される複数UEのSRSは、周波数位置/シーケンスによって区別可能である。
【0080】
UEがUL送信にSC−FDMA方式を採択する場合、単一搬送波特性を維持するために、3GPP LTEリリース(release)8或いはリリース9システムでは、一つの搬送波上ではPUCCHとPUSCHを同時に送信することができない。3GPP LTEリリース10システムでは、PUCCHとPUSCHの同時送信を支援するか否かを上位層で指示することができる。
【0081】
ULサブフレームではDC(Direct Current)副搬送波を基準に、遠い距離の副搬送波が制御領域に活用される。言い換えると、UL送信帯域幅の両端部に位置する副搬送波が上りリンク制御情報の送信に割り当てられる。DC副搬送波は、信号送信に用いられずに残される成分で、周波数アップ変換過程で搬送波周波数f0にマップされる。一つのUEに対したPUCCHは、一つのサブフレームで、一つの搬送波周波数で動作するリソースに属したRB対に割り当てられ、このRB対に属したRBは、二つのスロットでそれぞれ異なる副搬送波を占有する。このように割り当てられるPUCCHを、PUCCHに割り当てられたRB対がスロット境界で周波数ホッピングすると表現する。ただし、周波数ホッピングが適用されない場合には、RB対が同一の副搬送波を占有する。
【0082】
一つのPUCCHが運ぶUCIは、PUCCHフォーマットによってそのサイズと用途が異なり、符号化率によってそのサイズが異なることがある。例えば、次のようなPUCCHフォーマットを定義できる。
【0084】
表2を参照すると、PUCCHフォーマット1系列とPUCCHフォーマット3系列は主に、ACK/NACK情報を送信するために用いられ、PUCCHフォーマット2系列は主に、CQI(channel quality indicator)/PMI(precoding matrix index)/RI(rank index)などのチャネル状態情報を運ぶために用いられる。
【0085】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
【0086】
図5(a)に示すように、送信アンテナの数をN
T個に、受信アンテナの数をN
R個に増やすと、送信機又は受信機のいずれか一方でのみ複数のアンテナを使用する場合と違い、アンテナ数に比例して理論的なチャネル送信容量が増加する。したがって、送信レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル送信容量が増加することから、送信レートは理論的に、単一アンテナ利用時の最大送信レート(R
o)にレート増加率(R
i)が掛けられた分だけ増加可能である。
【0088】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上4倍の送信レートを得ることができる。
【0089】
多重アンテナシステムにおける通信方法を、数学的モデリングを用いてより詳しく説明する。このシステムにはN
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0090】
送信信号を説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報は、N
T個である。送信情報は、次のように表現できる。
【0094】
は、送信電力が異なることがある。それぞれの送信電力を
【0096】
とすれば、送信電力が調整された送信情報は、次のように表現できる。
【0108】
が適用され、実際送信されるN
T個の送信信号
【0110】
が構成される場合を考慮してみる。重み付け行列
【0112】
は、送信情報を送信チャネル状況などによって各アンテナに適切に分配する役割を持つ。
【0120】
は、i番目の送信アンテナとj番目の情報間の重み付け値を意味する。
【0122】
はプリコーディング行列とも呼ぶ。
受信信号は、N
R個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号
【0124】
は、ベクトルを用いて次のように表現できる。
【0126】
多重アンテナ無線通信システムにおいてチャネルをモデリングする場合、チャネルは、送受信アンテナインデックスによって区別できる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルを
【0130】
において、インデックスの順序は、受信アンテナインデックスが前に位置し、送信アンテナのインデックスが後ろに位置することに留意されたい。
【0131】
一方、
図5(b)は、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す図である。上記チャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示することができる。
図5(b)で、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、次のように表現できる。
【0133】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、次のように表現できる。
【0137】
を経た後に白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音
【0141】
上述した数学式モデリングから、受信信号は次のように表現できる。
【0143】
一方、チャネル状態を表すチャネル行列
【0145】
の行と列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列
【0147】
において、行の数は受信アンテナの数N
Rと同一であり、列の数は、送信アンテナの数N
Tと同一である。すなわち、チャネル行列
【0149】
は、行列がN
R×N
Tとなる。
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行又は列の個数のうち、最小個数と定義される。したがって、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列
【0155】
ランクの他の定義は、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したとき、0以外の固有値の個数と定義できる。同様に、ランクのさらに他の定義は、特異値分解(singular value decomposition)したとき、0以外の特異値の個数と定義できる。したがって、チャネル行列においてランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送り得る最大数といえる。
【0156】
現在、我々の周辺には様々な無線機器が広く用いられており、これによってサービスの種類も多様化しつつある。過去の無線データ送信はオーディオ、特に、音声を中心になされたが、現在は、オーディオに加えて、ビデオ、写真、文書などの様々な形態に発展しており、これに伴って要求されるデータ送信率も幾何級数的に増加しつつある。一例として、将来セルラー通信の代表走者として議論されているLTE(−A)の場合、最大1Gb/sの送信速度を目標としており、核心技術であるOFDMとMIMOを用いてHSDPAに比べて12倍以上も速い速度で通信することができる。しかし、高速のデータ送信が可能なこれらの無線通信規格は、一般に、速度、チャネル環境、時間/周波数割当リソースなどの様々な考慮される環境的な要因に対して理想的な環境を仮定したときに達成できるものであって、実際にユーザの体験可能なデータ送信率はそれを大きく下回っている。特に、無線チャネル環境を考慮する無線通信機器の性能は、信号を送受信する機器間のチャネル環境に大きく影響を受けるが、その代表例には、空間上の障害物の有無及びその分布、機器の移動速度などがある。その上、データ送信率を向上させるための重要な技術の一つであるMIMO技術を適用する際、アンテナ設計及び配置などによる機器自体の制約事項が影響を与えることもある。
【0157】
このように様々な環境的、物理的制約がある状況で、無線機器の性能劣化を補償するための一方案として、無線機器の信号を増幅させる信号増幅器(repeater)がある。一般のRF信号増幅器は、無線機器のRF放射信号を受信し、雑音及び干渉を含む信号自体をそのまま増幅させて再送出する方式を用いる。
図6に、一般のRF信号増幅器を示す。
【0158】
RF増幅器は、一般に、
図7に示すように、第1無線機器と第2無線機器との間に存在し、第1無線機器の送信信号を信号増幅器が受信後に増幅させて第2無線機器に伝達する。同時に/又は、第2無線機器の送信信号を信号増幅器が受信後に増幅させて第1無線機器に伝達する。ここで、無線機器とは、前述したBS、端末及びそれらの等価物をいずれも含む概念として用いられる。RF増幅器の送受信アンテナは、RF増幅器に内蔵されてもよいが、第1機器と第2機器との間に信号伝達を妨害する物質(例えば、建物の外壁)が存在する場合、その影響を無力化するために、一部のアンテナは無線信号増幅器の外部に設置され、有線でRF増幅器に接続されてもよい。
【0159】
図7を参照すると、第1無線機器に隣接したRF増幅器の機能は、大きく、第1無線機器の送信信号を増幅して第2無線機器に伝達する機能(送信信号増幅機能)と、第2無線機器からの送信信号を受信及び増幅して第1無線機器に伝達する機能(受信信号増幅機能)とに分けられる。本発明では、機器隣接型無線信号増幅器において受信信号増幅機能を最適化するためのRF増幅器のアンテナ構成及びリンク形成方式を提案する。
【0160】
多重アンテナベースの無線信号増幅器システムを数学的にモデリングする。一般に、周波数フラットフェーディング(flat fading)を仮定できる周波数領域内で、N
tx個の送信アンテナとN
rx個の受信アンテナからなるMIMOチャネルは、N
rx by N
tx行列にモデリングできる。周波数選択的広帯域チャネルに拡張しても、MIMOチャネルはサブキャリアごとにN
rx by N
tx行列にモデリングでき、MIMO−OFDMシステムでは各サブキャリア別に独立したMIMO送受信方式を適用することができる。したがって、以下では、便宜上、狭帯域チャネルモデリングに従う。下記の結果を広帯域に拡張することについては後述する。
【0161】
図8を参照して、第2無線機器の送信アンテナ数をN
tx、第1無線機器の受信アンテナ数をN
rx、そして無線信号増幅器の受信アンテナ数と送信アンテナ数をそれぞれN
rx,REP、N
tx,REPとする。このとき、第2無線機器と無線信号増幅器間のチャネルは、N
rx,REP by N
tx行列H
1、無線信号増幅器と第1無線機器間のチャネルは、N
rx by N
tx,REP行列H
2にモデリングできる。無線信号増幅器がN
rx,REP個のアンテナで受信した信号をN
tx,REP個のアンテナに連結及び増幅する線形システムとするとき、これをN
tx,REP by N
rx,REP行列Fにモデリングできる。したがって、第2無線機器のアンテナから送信した信号をN
tx by 1ベクトルxとするとき、第1無線機器のアンテナで受信したN
rx by 1ベクトルyは、次のように表現される。
【0163】
ここで、z
1は、無線信号増幅器の受信アンテナに混入する雑音及び干渉を表し、z
2は、第1無線機器の受信アンテナに混入する雑音及び干渉を表す。
【0164】
第1無線機器と無線信号増幅器が隣接している場合、それぞれの第1無線機器の受信アンテナとそれぞれの無線信号増幅器の送信アンテナ間の距離、ビームパターンの方向などが異なってくる。したがって、チャネルH
1の各元素は、一般のMIMOチャネルとは違い、その平均的大きさが元素ごとに異なる。一例として、
図9のように第1無線機器の受信アンテナと無線信号増幅器の送信アンテナが構成されたとしよう。もし、第1無線機器が無線信号増幅器に載せられる形態で動作すると(すなわち、第1無線機器が無線信号増幅器の上に置かれる形態で動作すると)、第1無線機器の第1受信アンテナ(Ant
1)では相対的に無線信号増幅器Aの第1送信アンテナ(Ant
1,A)から強い信号を受信するはずであり、第2受信アンテナ(Ant
2)では相対的に無線信号増幅器Aの第2送信アンテナ(Ant
2,A)から強い信号を受信するはずである。
【0165】
このような隣接チャネルH
2の特性上、無線信号増幅器のアンテナ位置は無線信号増幅器の性能を大きく左右する。一例として、
図9で、無線増幅器Bが第1無線機器との通信に用いられると、第1無線機器の第1受信アンテナ(Ant
1)の信号受信感度が第2受信アンテナ(Ant
2)よりも高いだろう。これは有効チャネル(上記の式12でH
2FH
1に該当)を歪曲して第1無線機器のMIMO受信性能を低下させることがある。さらにいうと、無線増幅器Bを使用時に、第1無線機器が二つの受信アンテナを有するにもかかわらず、あたかも一つの送信アンテナのみを使用するかのような有効チャネルを形成し、空間ダイバーシティ(spatial diversity)利得を十分に得られないことがある。
【0166】
無線信号増幅器のアンテナ位置がよく設計されると、第1無線機器の多重アンテナの空間的相関度(correlation)特性がよくない場合にも、それを克服してMIMO性能を最大化できる。例えば、第1無線機器の受信アンテナ同士の相関度が非常に高いとしても、無線信号増幅器の送信アンテナが第1無線機器の受信アンテナと一対一で隣接しており、無線信号増幅器の受信アンテナ同士の相関度が低いと、あたかも第1無線機器の劣悪な相関度特性を有する受信アンテナを無線信号増幅器の高性能相関度特性の送信アンテナに代替する効果を得ることができる。すなわち、式12で、有効チャネルに該当するH
2FH
1の受信相関度は、無線信号増幅器の信号伝達(チャネル)特性に該当するFをよく設計したり、無線信号増幅器の送信アンテナの物理的位置を第1無線機器の受信アンテナとよくマッチングして隣接チャネルH
2を対角化することによって下げることができる。したがって、第1無線機器の受信アンテナと無線信号増幅器の送信アンテナとが物理的或いはアルゴリズム的に一対一でマッピング(mapping)されてリンクを形成することが非常に重要である。無線信号増幅器が汎用されると仮定するとき、あらゆる種類の第1無線機器に対して物理的アンテナ位置をマッチングさせることは難しい。そこで、本発明では次を提案する。
【0167】
提案:無線信号増幅器は受信アンテナよりも多数の送信アンテナを有し(N
rx,REP<N
tx,REP)、これらの無線信号増幅器の受信アンテナでそれぞれ受信した信号と各送信アンテナに伝達する信号の連結方式を別にすることができる。無線信号増幅器は、複数の送信アンテナのうちM個(M≦N
tx,REP)を選択して各受信アンテナからの信号を連結及び増幅する特徴を有する。このとき、正の整数Mは、次の一つと決定することができる。
− 第1無線機器の受信アンテナ数(N
rx)、
− 無線信号増幅器の送信アンテナ数(N
tx,REP)、
− 無線信号増幅器の受信アンテナ数(N
rx,REP)、
− 1以上N
tx,REP未満の任意の整数
受信リンク形成時にMがN
tx,REPよりも小さい場合、無線信号増幅器の送信アンテナ選択の基準として次の一つ以上を活用できる。
− 第1基準:第1無線機器の送信信号に対する無線信号増幅器の複数の受信アンテナでの受信品質
− 第2基準:無線信号増幅器の第1無線機器への送信信号に対する第1無線機器の各受信アンテナの受信品質(第1無線機器のフィードバックが必要)
− 第3基準:あらかじめ選択された送信アンテナとのアンテナ組合せ特性(例えば、アンテナ間距離、アンテナ間相関度、第1無線機器のアンテナ構成の統計的特性)
第1基準は、無線信号増幅器が第1無線機器の受信信号増幅機能に加えて送信信号増幅機能も持つ場合に有用である。無線信号増幅器が第1無線機器の送信信号増幅機能も兼ねる場合、第1無線機器の送信アンテナの位置を、無線信号増幅器の複数の受信アンテナの受信品質を測定して推定することができる。大部分の無線機器の送信アンテナは、受信アンテナの役割を兼ねる場合が多いという事実から、第1機器の送信信号に対する信号増幅器の様々な位置での受信品質から類推した第1機器の送信アンテナの位置を第1無線機器の受信アンテナの位置と類推することができる。したがって、第1無線機器の送信に対する無線信号増幅器の受信品質が高い位置に該当する送信アンテナを選択することができる。
【0168】
第1基準は、無線信号増幅器が送受信信号増幅機能を兼ねる場合に有用な方法であるが、この方法だけでは足りない場合がある。特に、現在販売されている大部分のLTE Rel−8端末は、一つの送受信兼用アンテナと一つの受信専用アンテナで構成される。したがって、第1基準をLTE Rel−8端末に対する信号増幅器に適用すると、当該端末の送受信兼用アンテナの位置は上りリンクを通じて類推可能であるが、受信専用アンテナの位置は知らないという限界がある。
【0169】
第2基準は、上述した第1基準の限界を克服するための確実な方法を提示する。第2基準は、無線信号増幅器の各送信アンテナの送信信号に対する第1無線機器の受信品質を用いることができる。すなわち、第1無線機器が無線信号増幅器の各送信アンテナの送信信号の品質を測定して信号増幅器に知らせることができる。第2基準は、第1無線機器の受信アンテナ位置を把握するための最も確実な方法である。
【0170】
他のアンテナ選択方法として、第3基準は、選択するM個のアンテナの一部は第1基準或いは他の基準を用いて選択し、残りのアンテナは、あらかじめ選択されたアンテナとの関係を用いて選択することができる。例えば、LTE Rel−8端末に対してN
tx,REP=9、M=N
rx=2と設計された場合、次のような過程を行うことができる。
【0171】
第1段階:第1無線機器の送信信号に対する無線信号増幅器の受信品質を測定して一つの無線信号増幅器の送信アンテナを選択
第2段階:第1段階で選択した送信アンテナとの関係(例えば、距離、相関度、アンテナ構成の統計的特性)を考慮して残り8個の送信アンテナから一つを選択
すなわち、第3基準は任意の基準であり、M個のうち一部の送信アンテナが選択されたとき、残りアンテナをあらかじめ選択された送信アンテナとの関係を考慮して選択する方法である。関係の例には、送信アンテナ間距離、送信アンテナ間相関度、そして第1無線機器アンテナ構成の統計的特性がある。例えば、あらかじめ選択された送信アンテナと一定距離以上離れており、空間的相関度が一定レベル以下であるアンテナの中から残りアンテナを選択することができる。他の例として、あらかじめ選択された送信アンテナの位置から第1無線機器のアンテナ構成の統計的特性を考慮するとき、第1無線機器の残りの受信アンテナが存在する確率が最も高い所に隣接したアンテナを優先的に選択することができる。
【0172】
本発明で提案する受信リンク形成方式は、一応最適の受信リンク形成方式が決定されると、第1無線機器の位置が変更されたり第1無線機器が他の機器に取り替えられるイベントが発生しない限り、その方式が維持される特徴を有する。
【0173】
図10には、提案する様々なリンク決定方式を例示する。提案する無線信号増幅器の送信/受信アンテナ数は、第1無線機器の受信アンテナ数よりも大きくい場合(すなわち、N
rx,REP>N
rx、及びN
tx,REP>N
rx)に性能が極大化する特性がある。したがって、
図10では、N
tx=2、N
rx=2、N
tx,REP=9、N
rx,REP=4と仮定した。本明細書でいうリンク決定方式は、無線信号増幅器の立場で、受信アンテナで受信された複数個の受信信号を複数個の送信アンテナにマップすることを指し、リンク分配とリンク結合とに大別される。
【0174】
図10の(a)は、M=N
rx,REPの場合を示す。同図のように、N
tx,REP>Mの場合、“送信アンテナ選択”が必要である。すなわち、第1無線機器の特性によって、N
tx,REP個の送信アンテナからM個の送信アンテナのみを選択してそれぞれの受信アンテナに接続する。すなわち、リンクが形成される。
【0175】
図10の(b)は、M=N
tx,REPである場合を示す。同図に示すように、M>N
rx,REPの場合、一つの同一アンテナ受信信号が複数の送信アンテナから送信される“リンク分配”を行うことができる。本明細書でいうリンクとは、受信アンテナ(又は、アンテナポート)で受信された信号が送信アンテナ(又は、アンテナポート)に送信される接続を指す。したがって、本明細書ではリンクと受信信号が同じ意味で使われてもよい。
【0176】
無線信号増幅器のリンク分配方式は、第1無線機器の特性と無関係に構成してもよく、第1無線機器のアンテナ特性によって適応的に構成してもよい。特に、後者の場合、第1無線機器のアンテナ特性によって、信号増幅器は、いかなる受信信号をより多数の信号に分配するか(リンク順序付け(ordering))、及びいかなる送信アンテナをグルーピングするか(リンクグルーピング)を決定する。例えば、
図10の(b)で、3個の受信信号はそれぞれ2個の送信アンテナに接続されたが、1個の受信信号は3個の送信アンテナに接続されている。この場合、4個の受信信号のうち、3個に分配されるリンクを“どの基準”によって選択するかによって、そして9個の送信アンテナをどのように4個にグルーピングしてリンクを形成するかによって、第1無線機器のMIMO性能が変わることがある。したがって、後者の方式は、このようなリンク分配方式において、各無線信号増幅器の送信アンテナと第1無線機器の受信アンテナ(或いは、送受信兼用アンテナ)とのチャネル品質そして/又は選好度を考慮することができる。
【0177】
無線信号増幅器の各送信アンテナと第1無線機器受信アンテナ間の選好度を例にして説明すると、
図10の(b)で、無線信号増幅器の第1乃至第5送信アンテナは、第1無線機器の第2受信アンテナよりは第1受信アンテナに隣接していて第1受信アンテナを好み、無線信号増幅器の第6乃至第9送信アンテナは第1無線機器の第1受信アンテナよりは第2受信アンテナに隣接していて第2受信アンテナを好むだろう。このような受信アンテナ選好度を考慮してリンクグルーピングを行うことができる。
【0178】
例えば、受信アンテナ間の相関度(correlation)を下げるために、a同一の選好される受信アンテナを有する送信アンテナを一つのグループにまとめることができる。逆に、外部チャネル(H
1)の瞬時的なチャネル不均衡を安定化させるために(空間多重化を追求)、b同一の選好される受信アンテナを有する送信アンテナがそれぞれ異なるグループに属するようにグルーピングすることもできる。
【0179】
第1無線機器のアンテナ選好度に加え、送受信アンテナ間の無線チャネル品質も、リンク分配方式を決定する上で重要な要素となりうる。この品質の例には、信号の強度、SNR、SINRなどがある。この品質は、一般に、各無線信号増幅器の送信アンテナから第1無線機器の全受信アンテナへの品質を示すか、第1無線機器のそれぞれの受信アンテナへの品質も含むことができる。後者の場合、第1無線機器の受信アンテナ間の物理的特性の差によってアンテナ利得が互いに異なる場合は、その差も含まれてもよい。
【0180】
前者の場合を挙げて説明すると、
図10の(b)で、無線信号増幅器の9個の送信アンテナの一部は、第1無線機器の全ての受信アンテナと相対的に遠く位置しているためチャネル品質が悪いことがある。このような送/受信アンテナ間の無線チャネル品質の差を、アンテナ順序付け及びグルーピングに用いることができる。一例として、第1無線機器の受信ダイバーシティ(diversity)を最大化するために、各送信アンテナグループの送/受信品質が均一となるようにグルーピングを行うことができる。この場合、品質の高い送信アンテナは少ない数で一つのグループをなすようにするか、品質の高い送信アンテナがそれぞれ異なるグループに属するようにグルーピングすることができる。
【0181】
逆に、信号受信感度が低い地域で、第1無線機器の安定した信号受信のために、意図的に各送信アンテナグループの送/受信品質が不均一となるようにグルーピングを行うこともできる。例えば、第1無線機器に1個のプライマリ(primary)受信アンテナと1個のセカンダリ(secondary)受信アンテナが存在するとき、プライマリ受信アンテナを好む送信アンテナのうち、相対的に高いチャネル品質に該当するいくつかの送信アンテナをグルーピングして、安定した無線接続を保障することができる。
【0182】
図10の(c)は、M=N
rxの場合を示す。この場合、同図のように、N
rx,REP>Mであれば、“送信アンテナ選択”過程に加えて、複数の受信信号が一つにまとめられて一つの送信アンテナに接続する“リンク結合”過程が行われる。リンク結合は、第1無線機器の特性と無関係に構成してもよく、第1無線機器のアンテナ特性によって適応的に構成してもよい。後者の場合、無線信号増幅器の各送信アンテナと第1無線機器のアンテナ(受信アンテナ又は送受信兼用アンテナ)間のチャネル品質によってリンク結合方法が異なることがある。例えば、N
rx,REP=3、M=N
rx=2であれば、3個のうち2個の受信信号が結合されて一つの送信アンテナにリンクされ、残り一つの受信信号は余り残り一つの送信アンテナにリンクされるだろう。このとき、3個の受信信号のうちいずれの2個を結合するかによって性能が変わるだろう。上記の例で、複数の送信アンテナから2個の送信アンテナを既に選択したとすれば、2個の送信アンテナのいずれか一つには2個の受信信号が結合して接続され、残り一つには1個の受信信号のみが接続される。無線信号増幅器から第1無線機器へ送信時に2個の電力増幅器の利得が同一であるとすれば、結合されたリンクは結局として、2つのリンクの品質が平均化する効果がある。すなわち、多数が結合された信号であるほど、より高いダイバーシティによってチャネル硬化(harden)現象(チャネル品質の瞬時的変動性が小さくなる現象)が現れる。このような現象をリンク結合方法に活用すると、選択された2個の送信アンテナのうち、第1機器にとってより良い受信品質を有するアンテナに、より多い数の或いはより少ない数のリンク結合がなされるように制御することができる。
【0183】
図10には示していないが、前述したように、ハードウェア設計などの理由から、選択する送信アンテナの数Mを1以上N
tx,REP未満の任意の整数と固定してもよい。この場合、無線信号増幅器の受信アンテナ数N
rx,REPとMの大きさとの関係によって、“送信アンテナ選択”過程とともに“リンク結合”或いは“リンク分配”を行うことができる。
【0184】
本発明で提案する信号増幅器のアンテナ構成及び受信信号リンク形成方式を広帯域システムに拡張する場合、周波数帯域(バンド、サブバンド、リソースブロック、搬送波、副搬送波などの様々な周波数単位ユニットに代替可能)ごとに異なった受信信号リンク形成方式及び/又はアンテナ構成を有するように設計することができる。しかし、具現複雑度及びそれによる性能利得のトレード−オフを考慮する時、全帯域にわたって同一のリンク形成方式を適用することも良い方法の一つである。
【0185】
図11は、提案する信号増幅方式を適用した信号増幅器の構造の一例を示す。
図11で、第1無線機器は、セルラー端末、第2無線機器は基地局を仮定し、N
tx,REP=4、N
rx,REP=2と仮定した。
【0186】
図11の無線信号増幅器は、第1無線機器に対する送信信号増幅機能と受信信号増幅機能の両方を行い、このうち、本発明で提案するリンク形成方式は、受信信号増幅機能に該当する下りリンクに対するリンク形成モジュールを制御する方法に該当する。
図11の例で、第1無線機器の送信信号増幅機能の立場における無線信号増幅器の受信アンテナは、第1無線機器の受信信号増幅の立場における無線信号増幅器の送信アンテナと同一である。したがって、送信信号増幅機能のために選択した信号増幅器受信アンテナは、受信信号増幅機能のために選択した送信アンテナと一致できる。
【0187】
[シミュレーション]
本発明の実施例の技術的効果を証明するために、シミュレーション結果を説明する。
【0188】
[1.1 シミュレーションセットアップ]
− 各リンクに対して2個のアンテナ(又は、アンテナポート)が用いられる環境を仮定した。すなわち、N
tx=N
rx,REP=N
tx,REP=N
rx=2
− 第1無線機器(ユーザ機器)の受信アンテナを除いては空間的相関度がないと仮定した。
− 無線信号増幅器は単純A/Fと仮定する(すなわち、F=I)。
このA/Fは、増幅−及び−伝達(amplify and forward)方式を指す。
【0189】
[1.2 シミュレーション1]
第1無線機器と無線信号増幅器間のチャネル(H
1)が次第に対角化形態を有するようにしながら、有効チャネル(H
2FH
1)の受信アンテナ間の相関度を観察した。
図12に、上記観察の結果を示す。ここで、ブーストファクタ(boost factor;BF)は、H
2の対角元素が非対角元素に比べて平均的にどれくらい大きいかを示し、例えば、BF=3dBなら、対角元素の大きさが非対角元素に比べて平均的に2倍大きいということを意味する。すなわち、BFが大きくなるほど、H
2の対角化程度が大きくなる。
図12の結果を解析すると、第1無線機器と無線信号増幅器間のチャネル(H
2)が対角化されるほど、有効チャネルの受信アンテナ間の相関度は低くなることが確認できる。ここで、第1無線機器と無線信号増幅器間のチャネル(H
2)が次第に対角化されるということは、第1無線機器の受信アンテナと無線信号増幅器の送信アンテナとが一対一でマップされることを意味する。また、受信アンテナ間の相関度が大きい環境であるほど、チャネル(H
2)の対角化から得る利得が大きくなる。また、
図12で、Rは、第1無線機器の受信アンテナの相関度を意味する。もし、チャネル(H
2)がBFでブーストされないと、すなわち、仮に、第1無線機器と無線信号増幅器間の距離が十分遠いと、Rはチャネル(H
2)の受信相関度と同一である。
図12を参照すると、チャネル(H
2FH
1)の受信チャネル相関度は、BFが零(0)である場合のRの値と同一である。仮にチャネル(H
2)がBFでブーストされると、より高いBFが適用され、より低いチャネル(H
2FH
1)の受信チャネル相関度が得られる。
【0190】
モバイルフォンのような第1無線機器が車両の内部のような小領域無線通信環境で使用されると、第1無線機器の受信アンテナの相関度は、大領域無線通信環境で使用される場合に比べてより高い。したがって、データスループットを向上させるために、第1無線機器の受信アンテナの相関度を下げる必要、すなわち、ブーストする必要がある。言い換えると、本出願の実施例によって、仮に、無線信号増幅器が小領域無線通信環境で使用される場合、チャネル(H
2)を
図12に示すようにブーストすることができる。
【0191】
また、チャネル(H
1)のBFによる、そしてSNRによるチャネル容量を実験した。上記の式12を参照して説明すると、チャネル(H
1)のSNRが高いと、すなわち、第1無線機器と無線信号増幅器間に混入する雑音及び干渉(すなわち、z
2)が無視できれば、上記の式12は次のように表現することができる。
【0193】
すなわち、第1無線機器で受信される信号yにおいて、第2無線機器の送信信号だけでなく、雑音及び干渉にも、隣接チャネルであるチャネル(H
1)の対角化効果が反映された値である。したがって、チャネル(H
1)のSNRが高くなるほど、本発明の実施例に係るリンク形成方式による利得は消え、単に、無線信号増幅器の受信アンテナによる利得のみを得ることができる。これを
図13に示す。
【0194】
[1.3 隣接チャネル(H
1)に対するモデリング方案]
第1無線機器(ユーザ機器)の受信アンテナと無線信号増幅器の送信アンテナ間の距離(d)による相対的な経路損失(pathloss)でモデリングした。第1無線機器と無線信号増幅器のアンテナの位置が互いに一致する場合、d=0と仮定し、d=0のとき、相対的な経路損失は0dBと仮定する。相対的な経路損失は、実際物理アンテナを用いた実験から、次のように仮定できる。
【0196】
また、一般的なLoS(Line of Sight)環境のMIMOチャネルを生成し、第1無線機器の受信アンテナと無線信号増幅器の送信アンテナ間の距離(d)による相対的な経路損失値を反映してMIMOチャネルを生成した。
【0197】
また、無線信号増幅器の電力増幅と第1無線機器に比べて向上した無線信号増幅器の受信アンテナ−送信アンテナによる信号増幅利得を5dBと仮定し、平均的な第1無線機器と無線信号増幅器間の経路損失を15dBと仮定し、無線信号増幅器と第2無線機器間のSNRを2dBと仮定した。また、第1無線機器と無線信号増幅器間の基準SNRを、これら両機器間の経路損失がないことを仮定した時のSNRと可変的に設定した。また、第1無線機器と第2無線機器の送受信アンテナはそれぞれ2個、無線信号増幅器の外部アンテナ、すなわち、第2無線機器との通信を行うための送受信兼用アンテナは2個と仮定した。また、本シミュレーションで用いられるリンク形成技法は、同等な利得分配方式(
図15乃至
図17で示される“Equal Gain Distributer”)、最上の2個のリンク選択方式(
図15乃至
図17で示される“Best Link Selector(ideal)”)、上りリンクベースの単一リンク選択と他のリンクのための無作為選択方式(
図15乃至
図17で示される“Best Link Selector(tx+random)”)とした。
【0198】
[1.4 シミュレーション2]
図14に、本発明の実施例を効果を実験するための無線信号増幅器と第1無線機器(ユーザ機器)のモデルを示す。
図14の(a)、(b)及び(c)は、無線信号増幅器のアンテナ位置を示し、
図14の(d)、(e)及び(f)は、第1無線機器のアンテナ位置を示している。それぞれのアンテナの位置を直交座標で表示すると、(a)(0,0)(b)(−5,0)、(5,0)(c)(0,0)、(−5,0)、(5,0)、(0,−5)、(0,5)、(−5,5)、(5,5)、(5、−5)、(−5,−5)、(d)(−4,4)、(4,−4)、(e)(0,4)、(0,−4)、(f)(4,0)、(−4,0)となる。また、本シミュレーションで、無線信号増幅器と第1無線機器の大きさは同一であるとした。
【0199】
図14に示す無線信号増幅器−第1無線機器の組合せ、(a)−(d)、(b)−(e)、そして(c)−(f)でシミュレーションした結果を、それぞれ、
図15乃至
図17に示す。
【0200】
図14の(a)−(d)の組合せのシミュレーション結果である
図15についてまず説明する。チャネル容量及び有効SNRは、第1無線機器−無線信号増幅器間の基準SNRが高くなると略同一になる。
図15の(a)を参照すると、無線信号増幅器を活用して得た利得は明らかに現れる。低い基準SNRの場合は、“Best Link Selector”に該当するリンク形成方式が最も良好な結果を有することが確認できる。
図15の(b)に示す有効SNRに対するシミュレーション結果は、
図15の(a)と類似の傾向を示すが、その改善される度合はチャネル容量に比べて少ない。
【0201】
図16には、
図14の(b)−(e)の組合せのシミュレーション結果を示す。
図15の結果と異なる点は、無線信号増幅器のアンテナ配置の差によって、単一リンク(“Fixed Single Antennas”)がデュアルリンク(“Fixed Dual Antennas”)に比べて有効SNRの側面でより良好な結果を有する。デュアルリンクは単一リンクに比べて、アンテナ間遠い距離によって有効SNR性能は劣るが、空間ディメンション確保によってチャネル容量には優れる。それ以外は
図15の結果と同様である。
【0202】
図17には、
図14の(c)−(f)の組合せのシミュレーション結果を示す。
図17では、デュアルリンク(
図17の(a)、(b)で、“Fixed Dual Antennas”で表示した線)の性能が、最も良いリンクを選択したもの(
図17の(a)、(b)で、“Best Link Selector(ideal)”で表示した線)と略同一である。これら両方とも、同一の無線信号増幅器の受信アンテナが選択されたわけである。
【0203】
[1.5 シミュレーション3]
N
rx,REP=2からN
rx,REP=4に変更して行ったシミュレーションを、
図18乃至
図20を参照して説明する。シミュレーション3が行われる4の方式について、
図18を参照して説明する。
【0204】
図18の(a)は、同一利得(gain)分配方式であって、無線信号増幅器の全ての受信アンテナで受信された信号に同一の利得を付加してM個の無線信号増幅器の送信アンテナにマップする方式である。後述される
図19では“Equal Gain Distributer”で示される。
図18の(b)は、無線信号増幅器の全ての受信アンテナで受信された信号の中から最も受信品質の良いN
rx,REP=4個の信号(リンク)を選択して無線信号増幅器の送信アンテナにマップする方式である。後述される
図19では、“Best N
rx,REP Link Selector”で示される。
図18の(c)は、無線信号増幅器の全ての受信アンテナで受信された信号の中から最も受信品質の良いN
rx(
図18の(c)でN
rx=2)個の信号(リンク)を選択して無線信号増幅器の送信アンテナにマップする方式である。後述される
図19では、“Best N
rx Link Selector”で示される。
図18の(d)及び(e)は、ULチャネルの品質に基づいてMを選択する方式であって、ULチャネルの品質は、第1無線機器から無線信号増幅器への上りリンク信号に基づいて測定できる。
図18の(d)及び(e)を参照すると、無線信号増幅器のDLに対する送信アンテナは、ULにおいて受信アンテナとして動作できる。したがって、
図18の(d)で、UL時の受信品質が最も良い受信アンテナn個を、DL用送信アンテナとして選択し、残りのN
rx,REP−n個の送信アンテナは無作為で選択することができる。後述される
図19では、“UL based Best N
rx,REP Link Selector”で示される。また、
図18の(e)で、UL時の受信品質が最も良い受信アンテナn個をDL用送信アンテナとして選択し、残りのN
rx−n個の送信アンテナは無作為で選択できる。後述される
図19では“UL based Best N
rx Link Selector”で示される。
【0205】
図19に、
図18で説明したリンク選択方式によるシミュレーション結果を示す。
図19の(a)、(b)及び(c)はそれぞれ、
図14の(a)−(d)、(b)−(e)、(c)−(f)の組合せを用いた場合のシミュレーション結果である。結果を分析すると、チャネル容量は、Best N
rx Link Selector、Best N
rx,REP Link Selector、UL based Best N
rx,REP Link Selector、Equal Gain Distributor、UL based Best N
rx Link Selectorの順に良好である。すなわち、無線信号増幅器が第1無線機器の受信アンテナの位置を正確に知っている場合には、第1無線機器の受信アンテナの数に合わせて受信リンクを選択することが好ましい。第1無線機器の受信アンテナの一部の位置を知っている場合には、位置の知っていない受信アンテナのためにある程度ダイバーシティ利得を追求することが好ましい。
【0206】
図20は、本発明の一実施例に係る下りリンク送信に関する動作を実行するように構成された装置のブロック図である。送信装置10及び受信装置20は、情報及び/又はデータ、信号、メッセージなどを運ぶ無線信号を送信又は受信できるRF(Radio Frequency)ユニット13,23と、無線通信システムにおける通信と関連した各種情報を記憶するメモリー12,22と、RFユニット13,23及びメモリー12,22などの構成要素と動作的に連結され、前述した本発明の実施例の少なくとも一つを当該装置が実行するようにメモリー12,22及び/又はRFユニット13,23を制御するように構成されたプロセッサ11,21と、をそれぞれ備える。
【0207】
メモリー12,22は、プロセッサ11,21の処理及び制御のためのプログラムを格納することができ、入/出力される情報を臨時記憶することができる。メモリー12,22がバッファとして活用されてもよい。
【0208】
プロセッサ11,21は、通常、送信装置又は受信装置内の各種モジュールの動作全般を制御する。特に、プロセッサ11,21は、本発明を実行するための各種の制御機能を持つことがきる。プロセッサ11,21は、コントローラ(controller)、マイクロコントローラ(microcontroller)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコンピュータ(microcomputer)などと呼ぶこともできる。プロセッサ11,21は、ハードウェア(hardware)、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア、又はこれらの結合によって具現することができる。ハードウェアを用いて本発明を実現する場合には、本発明を実行するように構成された、ASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、又はFPGAs(field programmable gate arrays)などをプロセッサ11,21に備えることができる。一方、ファームウェアやソフトウェアを用いて本発明を実現する場合には、本発明の機能又は動作を実行するモジュール、手順又は関数などを含むようにファームウェアやソフトウェアを構成することができ、本発明を実行可能に構成されたファームウェア又はソフトウェアは、プロセッサ11,21内に設けられてもよく、メモリー12,22に格納されてプロセッサ11,21によって駆動されてもよい。
【0209】
送信装置10におけるプロセッサ11は、プロセッサ11又はプロセッサ11に接続しているスケジューラからスケジューリングされて外部に送信される信号及び/又はデータに対して所定の符号化(coding)及び変調(modulation)を行った後にRFユニット13に送信する。例えば、プロセッサ11は、送信しようとするデータ列を逆多重化、チャネル符号化、スクランブリング、及び変調過程などを経てK個のレイヤに変換する。符号化されたデータ列はコードワードと呼ぶこともでき、MAC(Medium Access Control)層が提供するデータブロックである伝送ブロックと等価である。一伝送ブロック(transport block、TB)は一コードワードに符号化され、各コードワードは一つ以上のレイヤの形態で受信装置に送信される。周波数アップ変換のためにRFユニット13はオシレータ(oscillator)を含むことができる。RFユニット13はN
t個(N
tは1以上の正の整数)の送信アンテナを含むことができる。
【0210】
受信装置20の信号処理過程は、送信装置10の信号処理過程の逆となる。プロセッサ21の制御下に、受信装置20のRFユニット23は、送信装置10から送信された無線信号を受信する。RFユニット23は、N
r(N
rは正の整数)個の受信アンテナを含むことができ、RFユニット23は受信アンテナから受信した信号のそれぞれを周波数ダウン変換(frequency down−convert)して基底帯域信号に復元する。RFユニット23は、周波数ダウン変換のためにオシレータを含むことができる。プロセッサ21は、受信アンテナから受信した無線信号に対する復号(decoding)及び復調(demodulation)を行い、送信装置10が本来送信しようとしたデータとして復元することができる。
【0211】
RFユニット13,23は一つ以上のアンテナを具備する。アンテナは、プロセッサ11,21の制御下に、本発明の一実施例によって、RFユニット13,23で処理された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信してRFユニット13,23に伝達する機能を果たす。アンテナはアンテナポートと呼ぶこともできる。各アンテナは一つの物理アンテナに該当したり、2以上の物理アンテナ要素(element)の組合せによって構成されてもよい。各アンテナから送信された信号は受信装置20によってそれ以上分解されることはない。当該アンテナに対応して送信された参照信号(reference signal、RS)は、受信装置20の観点で見たアンテナを定義し、チャネルが一物理アンテナからの単一(single)無線チャネルであるか、或いは当該アンテナを含む複数の物理アンテナ要素(element)からの合成(composite)チャネルであるかに関係なく、受信装置20にとっての当該アンテナに対するチャネル推定を可能にする。すなわち、アンテナは、該アンテナ上のシンボルを伝達するチャネルが同一アンテナ上の他のシンボルが伝達される上記チャネルから導出されるように定義される。複数のアンテナを用いてデータを送受信する多重入出力(Multi−Input Multi−Output、MIMO)機能を支援するRFユニットの場合は、2個以上のアンテナに接続されてもよい。
【0212】
本発明の実施例において、UE又はリレーが上りリンクでは送信装置10として動作し、下りリンクでは受信装置20として動作する。本発明の実施例において、BSが上りリンクでは受信装置20として動作し、下りリンクでは送信装置10として動作する。また、本発明の実施例において、無線信号増幅器は、上りリンクで送信装置10、及び下りリンクで受信装置20として動作できる。なお、RFユニット13,23は、
図18に示したような送受信アンテナを含み、プロセッサ11,21は、前述したリンク生成/リンク選択などのような本発明の実施例を実行又は具現することができる。
【0213】
より具体的には、送信装置10又は受信装置20は、無線通信システムにおいて基地局(BS)から下りリンク(DL)信号を受信し、受信したDL信号をユーザ機器(UE)に送信するための装置であってもよい。この装置は、基地局からDL信号を受信するように構成された複数個の受信アンテナと、該受信したDL信号をユーザ機器に送信するように構成された複数個の送信アンテナを含むRFユニット13又は23を含むことができる。この装置は、上記の受信したDL信号を少なくとも一つの送信アンテナにマッピング(mapping)するように構成されたプロセッサ11又は21を含むことができる。このプロセッサは、複数個(N
tx,REP)の送信アンテナの中からM個の送信アンテナを選択し、M個の送信アンテナに上記受信したDL信号をマップするように構成することができる。
【0214】
ここで、送信アンテナの数(N
tx,REP)は受信アンテナの数(N
rx,REP)より大きくてもよい。Mは、受信したDL信号を送信するために用いられる送信アンテナの数であってもよい。
【0215】
追加として又は代案として、プロセッサは、Mが受信アンテナの数(N
rx,REP)よりも大きい場合、受信したDL信号の少なくとも一つのDL信号を分配し、分配された信号を含む上記受信したDL信号をM個の送信アンテナにマップするように構成することができる。
【0216】
追加として又は代案として、プロセッサは、Mが受信アンテナの数(N
rx,REP)よりも小さい場合、該受信アンテナから受信されたDL信号の少なくとも2つのDL信号を結合し、該結合した信号を含む上記受信されたDL信号を、M個の送信アンテナにマップするように構成することができる。複数個の送信アンテナのそれぞれとユーザ機器の複数個の受信アンテナのそれぞれ間のチャネル品質に基づいて、少なくとも2つの受信されたDL信号を結合したり、少なくとも一つの受信されたDL信号を分配したりできる。
【0217】
追加として又は代案として、Mは、ユーザ機器の受信アンテナの数(N
rx)、受信装置の受信アンテナの数(N
rx,REP)、受信装置の送信アンテナの数(N
tx,REP)、及び1以上送信アンテナの数(N
tx,REP)未満の任意の整数のうち一つと決定できる。
【0218】
追加として又は代案として、Mは、(a)受信装置でユーザ機器からの送信された信号の品質、(b)ユーザ機器で受信装置から受信された信号の品質、及び(c)上記の(a)又は(b)に基づいてあらかじめ選択された送信アンテナとの関係、のうち一つに基づいて決定できる。
【0219】
追加として又は代案として、上記あらかじめ選択された送信アンテナとの関係は、上記あらかじめ選択された送信アンテナと選択されるM個の送信アンテナ間の距離、上記あらかじめ選択された送信アンテナと選択されるM個の送信アンテナ間の相関度(correlation)、ユーザ機器のアンテナ構成の統計的特性のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0220】
追加として又は代案として、プロセッサは、複数個の送信アンテナとユーザ機器の複数個の受信アンテナ間のチャネル品質に関する情報を受信するように構成することができる。
【0221】
このような、受信装置又は送信装置として機能するUE又はBSの具体的な構成は、図面を参照して前述した本発明の様々な実施例で説明した事項が独立して適用されてもよく、又は2つ以上の実施例が同時に適用されるように具現されてもよい。
【0222】
上述したように開示された本発明の好適な実施例に関する詳細な説明は、当業者が本発明を具現して実施し得るように提供された。以上では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における熟練した者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明を様々に修正及び変更できるということが理解できる。したがって、本発明はここに示した実施の形態に制限されるものではなく、ここに開示された原理及び新規な特徴と一致する最も広い範囲を付与するためのものである。
[実施例]
【0223】
様々な実施例が、本発明を実行するために、上記の発明を実施するための形態で説明された。