特許第6123341号(P6123341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特許6123341画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム
<>
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000002
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000003
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000004
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000005
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000006
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000007
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000008
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000009
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000010
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000011
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000012
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000013
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000014
  • 特許6123341-画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6123341
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20170424BHJP
   H04N 5/243 20060101ALI20170424BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20170424BHJP
   G06T 3/00 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H04N5/232 Z
   H04N5/243
   H04N5/225 Z
   G06T3/00
【請求項の数】9
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-30046(P2013-30046)
(22)【出願日】2013年2月19日
(65)【公開番号】特開2014-160912(P2014-160912A)
(43)【公開日】2014年9月4日
【審査請求日】2016年1月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】山本 量平
【審査官】 榎 一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−215073(JP,A)
【文献】 特開2008−182692(JP,A)
【文献】 特開2012−034340(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222〜257
G06T 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
を備える、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記削減手段は、前記合成比率が0である、又は、前記合成比率が前記所定の比率未満である画素を有する前記サブ画像の前記データ量を削減することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記削減手段により前記データ量が削減された前記複数のライトフィールド画像を記憶する記憶手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記削減手段は、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像について、前記サブ画像の画素の前記画素値を特定の値に変更し、変更後のサブ画像を含むライトフィールド画像を圧縮するものであり、
前記記憶手段は、圧縮された前記ライトフィールド画像を複数記憶することを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記削減手段は、前記サブ画像を構成する全ての画素が、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素である場合に、前記サブ画像を構成する全ての画素の前記画素値を前記特定の値に変更することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記削減手段は、前記複数のライトフィールド画像それぞれが含む何れかの前記サブ画像において、所定の閾値以上の面積を持つ領域を構成する全ての画素が、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素である場合、前記領域を削除して前記データ量を削減することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
被写体からの光を捉えるメインレンズと、前記メインレンズが捉えた光をさらに捉える複数の視点にそれぞれ対応する複数のマイクロレンズと、を用いて、それぞれ異なる前記視点から前記被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により露出を変えて撮影した複数の前記ライトフィールド画像をそれぞれ再構成して複数の再構成画像を生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
を備える、
ことを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成ステップと、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定ステップと、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定ステップと、
前記ライトフィールド画像において、前記特定ステップで特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減ステップと、
を含む、
ことを特徴とする画像処理方法。
【請求項9】
コンピュータを、
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成手段、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段、
として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、撮像装置、画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々なデジタルカメラが知られている。
例えば、撮影後にユーザがピント及び被写界深度を変更できるライトフィールドカメラが知られている。このライトフィールドカメラに関連する技術として、特許文献1には、複数のサブ画像を含むライトフィールド画像から、任意の焦点距離における被写体の画像を再構成する技術が開示されている。
【0003】
一方、白とびや黒つぶれがないハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range :HDR)画像が得られるHDRカメラが知られている。このHDRカメラに関連する技術として、特許文献2には、露出を変えて高速連写した複数の画像を適正な合成比率で合成することによりHDR画像を得る技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−515110号公報
【特許文献2】特開2012−034340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したライトフィールドカメラにて露出を変えて高速連写した複数のライトフィールド画像からそれぞれ再構成した複数の再構成画像を合成することでHDR画像を得ることができる。このHDR画像のピント及び被写界深度の調整を可能にするには、複数のライトフィールド画像を記憶しておく必要がある。このため、記憶するデータ量が大きくなるという問題があった。
【0006】
そこで、この発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、複数のライトフィールド画像を記憶する場合のデータ量を抑える装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明の画像処理装置の一態様は、
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明の撮像装置の一態様は、
被写体からの光を捉えるメインレンズと、前記メインレンズが捉えた光をさらに捉える複数の視点にそれぞれ対応する複数のマイクロレンズと、を用いて、それぞれ異なる前記視点から前記被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により露出を変えて撮影した複数の前記ライトフィールド画像をそれぞれ再構成して複数の再構成画像を生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
を備える、
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明の画像処理方法の一態様は、
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成ステップと、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定ステップと、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定ステップと、
前記ライトフィールド画像において、前記特定ステップで特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減ステップと、
を含む、
ことを特徴とする。
また、前記目的を達成するため、本発明のプログラムの一態様は、
コンピュータを、
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した複数の再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から生成する生成手段、
前記複数の再構成画像の合成比率を、前記複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうちの、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段、
前記ライトフィールド画像において、前記特定手段が特定した画素の何れにも対応しない画素を有する前記サブ画像のデータ量を削減する削減手段、
として機能させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、複数のライトフィールド画像を記憶する場合のデータ量を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】この発明の実施形態に係るデジタルカメラのハードウェア構成を示すブロック図である。
図2図1に示したデジタルカメラの光学系の構成例を示す模式図である。
図3】ライトフィールド画像の概念図である。
図4】ライトフィールド画像と再構成画像の一例を示す写真である。
図5】デジタルカメラの機能構成を示すブロック図である。
図6】実施形態に係る再構成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7】部分画像定義テーブルの一例を示す図である。
図8】配置間隔テーブルの一例を示す図である。
図9】ライトフィールド画像から再構成画像を生成する処理の概要を示す図である。
図10】画素対応テーブルの一例を示す図である。
図11】再構成画像の合成を説明するための図であり、(a)は露出の異なる再構成画像を、(b)は判定用画像を、(c)はHDR画像を、それぞれ示す。
図12】合成比率設定グラフの一例を示す図である。
図13】合成比率対応テーブルの一例を示す図である。
図14】実施形態に係るデータ量削減処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を参照しながらデジタルカメラ100のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、デジタルカメラ100は、撮影部110と画像処理部120と操作部130と表示部140とを備える撮像装置である。
撮影部110は、メインレンズ111とマイクロレンズアレイ112と撮像素子113とを備える。この撮影部110の詳細については後述する。
次に、画像処理部120は、CPU(Central Processing Unit)121とROM(Read Only Memory)122とRAM(Random Access Memory)123とSD(Secure Digital Memory Card)124とを備える。
【0011】
このうち、CPU121は、画像処理部120及びデジタルカメラ100を制御する中央演算装置である。
ROM122は、CPU121が実行するプログラムを格納している不揮発性メモリである。
RAM123は、CPU121が実行するプログラムを一時的に展開し、CPU121が各種処理を行う際の作業領域として使用する揮発性メモリである。
【0012】
SD124は、各種画像のデータ、各種テーブル及び各種設定情報を記憶する記憶手段である。各種画像のデータとしては、例えば後述するライトフィールド画像のデータ及びHDR画像のデータなどである。また、各種テーブルとしては、例えば後述する部分画像定義テーブル、配置間隔テーブル及び合成比率設定グラフなどである。また、各種設定情報としては、例えばメインレンズ111の焦点距離fML、絞り(F値)及びマイクロレンズアレイ112と撮像素子113との位置情報などである。
【0013】
次に、操作部130は、撮影部110による撮影処理のトリガとなるシャッターキー及びデジタルカメラ100の電源を入れるための電源スイッチなど複数のスイッチを備える。
表示部140は、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示手段である。この表示部140は、SD124に記憶された各種画像のデータに基づいて、その各種画像を表示する。
【0014】
ここで、図2を参照しながら、デジタルカメラ100の撮影部110の詳細について説明する。図2に示すように、デジタルカメラの光学系においては、被写体OBから見て、メインレンズ111と、マイクロレンズアレイ112と、撮像素子113と、がその順番で配置されている。
メインレンズ111は、一又は複数の凸レンズ、凹レンズ又は非球面レンズなどから構成される。このメインレンズ111は、被写体OB上の点から射出された光束を集光して結像面MAに結像させる。
【0015】
マイクロレンズアレイ112は、平面状に格子状に配置されたN×M個(N及びMは2以上の任意の整数値)のマイクロレンズ112−1乃至112−N×Mから構成される。図3には、縦一列(M個)のマイクロレンズが図示されている。なお、各マイクロレンズ112−i(iは、1乃至N×Mの範囲内の整数値)は、同じ大きさの径をもち、マイクロレンズアレイ112に同じ間隔で格子状に配列されている。
このマイクロレンズ112−iは、被写体OBからメインレンズ111を介して入射されてくる光束を入射方向毎に集光して、撮像素子113上にサブ画像として結像させる。
【0016】
撮像素子113は、各マイクロレンズ112−iにより結像された複数のサブ画像を含むライトフィールド画像(Light Field Image :LFI)を生成するイメージセンサである。
このライトフィールド画像は、被写体OBを同時に複数の視点から見た複数のサブ画像を含む。このライトフィールド画像の概念図を図3に示す。この図3は、ブロック状の被写体OBを撮影したライトフィールド画像の一例である。
このライトフィールド画像は、格子状に配置されたN×M個のマイクロレンズ112−iのそれぞれに対応するサブ画像(S11〜SMN)から構成される。例えば、左上のサブ画像S11は、被写体OBを左上から撮影した画像に相当し、右下のサブ画像SMNは、被写体OBを右下から撮影した画像に相当する。
【0017】
このライトフィールド画像の写真の一例を図4(a)に示す。ライトフィールド画像は、被写体OBを同時に複数の視点から見た複数のサブ画像を含むので、デジタルカメラ100の画像処理部120が各サブ画像を適切に合成することで、メインレンズ111から所定の距離だけ前方に離れた面に焦点を合わせた画像を再構成することができる(図4(b))。ライトフィールド画像から図4(b)に示すような再構成画像(Reconstructed Image :RI)を生成する処理である再構成処理については後述する。
なお、この実施形態では各サブ画像はグレースケール画像であり、サブ画像を構成する各画素は画素値を持つ。
【0018】
ここで、CPU121は、ROM122内の各種プログラムを読み出し、RAM123に展開した後、その各種プログラムに従って画像処理部120を制御することで、図5に示すような各部の機能を発揮することができる。機能としては、図5に示すように、再構成部150、HDR合成部160、特定部170、削減部180及び保存部190を備える。なお、各部の機能の実行主体はCPU121であるが、説明の便宜上、各部の機能を実行主体として説明する。
【0019】
まず、再構成部150は、それぞれ異なる視点から被写体OBを撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像から再構成画像を生成する生成手段である。
具体的には、再構成部150は、ライトフィールド画像に含まれる各サブ画像の画像ズレ係数に基づいて、各サブ画像から部分画像を切り取る際の大きさと、再構成面に部分画像を配置する際の配置間隔と、を特定する。ここで、サブ画像から部分画像を切り取るとは、部分領域の境界を決定した上でサブ画像の画像データを全て残したままサブ画像から部分画像を抽出することをいう。
【0020】
次に、その特定した大きさの部分画像を配置間隔に従って再構成面に順次配置して再構成画像を生成する。なお、再構成面とは、再構成が可能な再構成距離範囲内のうち、所定の再構成距離における仮想的な面である。この再構成距離範囲は、メインレンズ111などの光学系の性能等により定まるものである。この再構成距離範囲は、具体的には、サブ画像間の被写体の画素ずれ(視差)が最も大きくなるメインレンズ111から最も近い距離と、視差が最も小さくなるメインレンズ111から最も遠い距離と、の間の範囲となる。この実施形態においては、一例として、再構成が可能な再構成距離範囲はメインレンズ111の手前20cmから10mの範囲内であり、所定の再構成距離は2mであるものとする。以下、再構成処理について図6のフローチャートを参照しながら詳述する。
【0021】
再構成部150は、撮像素子113により生成されたライトフィールド画像を取得してRAM123の所定領域に設定されたバッファメモリに一時的に保存すると図6の再構成処理を開始する。
まず、再構成部150は、k1をカウンタ変数として、ライトフィールド画像のk1番目のサブ画像に注目する(ステップS11)。次に、再構成部150は、ステップS11で注目したサブ画像である注目サブ画像の画像ズレ係数を算出する(ステップS12)。具体的には、再構成部150は、注目サブ画像に写る被写体が、その注目サブ画像を中心とした所定範囲の周囲のサブ画像においてどの程度ずれて映っているかを示す係数である画像ズレ係数を算出する。画像ズレ係数は、例えば以下の方法で算出する。
【0022】
注目サブ画像の中心の所定領域(例えば、中心の10×10の画素の領域)を中心領域とし、その中心領域に対応する部分が右隣(無い場合は、左隣)のサブ画像のどこにあるのかを求める。具体的には、右隣の中心の10×10の画素の領域を算出対象領域とする。そして、中心領域と算出対象領域の各画素値の差分絶対値和をとる。次に、右に1画素ずらした算出対象領域について同様に差分絶対値和をとる。これを起こりうる画素ずれ(視差)の範囲について繰り返す。得られた差分絶対値和が最小である算出対象領域が中心領域と対応する領域である。また、その最小の差分絶対値和が得られた画素ずれの数を画像ズレ係数とする。
【0023】
次に、再構成部150は、部分画像の大きさを特定する(ステップS13)。具体的には、再構成部150は、SD124に記憶された図7に示す部分画像定義テーブルを参照して、算出した画像ズレ係数と対応する部分画像の大きさを特定する。例えば、画像ズレ係数が8画素である場合、部分画像の大きさは注目サブ画像の中心6×6画素の領域である。なお、この部分画像定義テーブルは、予めSD124に記憶されているものとする。また、この部分画像定義テーブルの部分画像の大きさは、画像ズレ係数が大きい程大きくなる。これは画像ズレ係数が大きいと被写体OBの位置がサブ画像間で大きくずれていることを意味し、隣接するサブ画像の部分画像を繋げて再構成画像を生成するにあたって情報の抜けを作らないためには部分画像の大きさが大きい方が好ましいからである。一方で、画像ズレ係数が小さい画像については部分画像を小さくして、隣同士のサブ画像間に現れる情報の重複が、再構成画像上に過度に現れないようにしている。
【0024】
次に、再構成部150は、配置間隔を特定する(ステップS14)。具体的には、再構成部150は、再構成距離と画像ズレ係数とメインレンズ111の焦点距離と配置間隔とを対応付けた図8に示す配置間隔テーブルを参照して、部分画像の配置間隔を特定する。この配置間隔テーブルでは、予め実験により求められた好適な配置間隔が設定されている。また、この配置間隔テーブルは、予めSD124に記憶されているものとする。再構成部150は、例えば再構成距離が2m、算出した画像ズレ係数が3画素、設定情報であるメインレンズ111の焦点距離が5mである場合、配置間隔として2画素を特定する。
【0025】
次に、再構成部150は、部分画像を再構成面に重ね合わせ配置する(ステップS15)。具体的には、再構成部150は、特定した大きさの部分画像を注目サブ画像から切り出して、その切り出した部分画像を配置間隔に従って構成面に配置する。この際、部分画像の一辺の大きさは配置間隔よりも大きいので、再構成面に配置した部分画像同士には重なりが生ずる。重なった部分については、画素の画素値を加算平均して再構成画像の画素値とする。
【0026】
次に、再構成部150は、全サブ画像処理済か否か判断し(ステップS16)、処理済でない場合(ステップS16;No)、カウンタをインクリメントして(ステップS17)、全サブ画像を処理するまでステップS11乃至S15の処理を繰り返す。再構成部150は、全サブ画像処理済であると判断すると(ステップS16;Yes)、生成した再構成画像をSD124に記憶して処理を終了する。また、再構成部150は、RAM123に一時的に記憶しているライトフィールド画像を消去する。
【0027】
ここで、図9を参照しながらライトフィールド画像から再構成画像を生成する処理の概要について説明する。なお、説明の便宜上、特定した部分画像の大きさの一辺が配置間隔の2倍である場合を例にとって説明する。なお、この例では再構成面の端の部分を除いて、部分画像が4枚ずつ重なる。
まず、再構成部150は、ライトフィールド画像の左上のサブ画像S11をサブ画像として注目する(ステップS11)。そして、再構成部150は、ステップS12乃至14の処理の後、注目サブ画像S11から部分画像PI11を切り出し、その切り出した部分画像PI11を再構成面の左上に配置する(ステップS15)。
【0028】
ステップS11に戻って、再構成部150は、次に右隣のサブ画像S12に注目する(ステップS11)。再構成部150は、注目サブ画像S12から部分画像PI12を切り出して、その切り出した部分画像PI12を先ほど再構成面に配置した部分画像PI11の右隣に配置する(ステップS15)。切り出した部分画像PI12の一辺が配置間隔の2倍であるので、水平方向に重なりをもって配置される。再構成部150は、同様に、サブ画像S12の右隣のサブ画像S13から部分画像PI13を切り出し、水平方向に重なりをもって配置する(図9(a)参照)。
【0029】
再構成部150は、この処理をライトフィールド画像の右端まで繰り返す。再構成部150は、右端のサブ画像S1Nの処理が済んだら、ライトフィールド画像の左端に戻る。そして、再構成部150は、上から2段目のサブ画像S21に注目し(ステップS11)、注目したサブ画像S21から切り出した部分画像PI21を最初に再構成面に配置した部分画像P11の下側に配置する(ステップS15)。再構成部150は、切り出した部分画像PI21の一辺が配置間隔の2倍であるので垂直方向に重なりをもって配置する(図9(b)参照)。
【0030】
再構成部150は、2段目の全てのサブ画像S21〜S2Nの処理が済んだら、ライトフィールド画像の次の段のサブ画像を処理する。再構成部150は、ライトフィールド画像の右下のサブ画像SMNまで処理すると(ステップS16;Yes)、生成した再構成画像をSD124に記憶して再構成処理を終了する。
【0031】
なお、再構成部150は、図6乃至9を参照して説明した再構成処理の後、後述するデータ削減処理用に、生成した再構成画像を構成する各画素を示す座標と、サブ画像を構成する各画素を示す座標と、を対応付けた図10に示す画素対応テーブルを作成してSD124に記憶する。
この画素対応テーブルにおいて再構成画像の各画素の座標は、再構成面の左上を座標原点(0,0)とし、水平方向をx座標、垂直方向をy座標で表したものである。また、サブ画像の各画素の座標は、ライトフィールド画像を構成する左上のサブ画像S11から右下のサブ画像SMNの各画素の座標のうち、再構成画像の各画素の座標と対応する座標を示している。例えば、再構成画像の画素の座標(0,0)と対応するのは、ライトフィールド画像を構成する左上のサブ画像S11の画素の座標(x,y)である。一方、再構成画像の画素の座標(1,1)と対応するのは、S11(x,y)、S12(x,y)、S21(x,y)及びS22(x,y)である。このことは、座標(1,1)の再構成画像の画素は、S11、S12、S21及びS22の各座標における部分画像の画素が重ね合っていることを示す。
【0032】
図5に戻って、HDR合成部160は、再構成部150によって露出が異なる複数のライトフィールド画像から生成した複数の再構成画像を、画素毎に所定の合成比率を用いて合成する合成手段である。
具体的には、HDR合成部160は、露出を変えて高速3連写した3枚のライトフィールド画像から再構成部150により再構成された3枚の再構成画像をSD124から取得する。次に、HDR合成部160は、取得した3枚の再構成画像を画素毎に所定の合成比率を用いて合成しHDR画像を生成し、SD124に記憶する。以下、HDR画像を生成するためのHDR合成処理について図11を参照しながら詳述する。
【0033】
まず、HDR合成部160は、再構成部150により再構成された3枚の再構成画像(図11(a)参照)をSD124から取得する。図11(a)に示す3枚の再構成画像は左から順に、露出アンダーのライトフィールド画像から再構成された再構成画像(以下、「露出アンダー再構成画像」という)、適正露出のライトフィールド画像から再構成された再構成画像(以下、「適正露出再構成画像」という)、露出オーバーのライトフィールド画像から再構成された再構成画像(以下、「露出オーバー再構成画像」という)である。なお、露出アンダーは適正露出未満の露出を意味し、露出オーバーは適正露出を超える露出を意味する。図示するように、露出アンダー再構成画像は適正露出未満の露出であるため画像全体に渡って暗く、露出オーバー再構成画像は適正露出を超える露出であるため画像全体に渡って明るい。
【0034】
次に、HDR合成部160は、露出アンダー再構成画像と適正露出再構成画像と露出オーバー再構成画像とを構成する各画素の画素値を平均化し、平均化後の画像を平滑化して判定用画像を作成する(図11(b))。これにより3枚の再構成画像の画素値(0:黒〜255:白)が平均化されるので明るさが平均化されるとともに、平滑化によりランダムなノイズが除去された判定用画像が得られる。なお、平滑化は公知の手法により(例えば、平均化後の画像に対してεフィルタをかけることにより)行うことができる。
【0035】
次に、HDR合成部160は、SD124に記憶された図12に示す合成比率設定グラフを参照して、判定用画像の画素値に基づいて画素毎に露出アンダー用合成比率Ru、適正露出用合成比率Rm、及び露出オーバー用合成比率Roをそれぞれ決定する。なお、判定用画像の各画素の画素値は、上述したように3枚の再構成画像の各画素の画素値が平均化されて平滑化されたものである。このため、判定用画像の各画素の画素値に基づいて定まるRu、Rm及びRoそれぞれの合成比率は、3枚の再構成画像の各画素の画素値に応じて定まるともいえる。すなわち、HDR合成部160は、複数の再構成画像の合成比率を、その複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段ともいえる。
図12に示した合成比率設定グラフは、判定用画像の画素値が低い場合(暗い場合)、明るい露出オーバー再構成画像の画素の合成比率が高くなるようにRoが高く設定されている。一方、合成比率設定グラフは、判定用画像の画素値が高い場合(明るい場合)、暗い露出アンダー再構成画像の画素の合成比率が高くなるようにRuが高く設定されている。
【0036】
例えば、判定用画像の画素値が高い場合(図11(b)の判定用画像の右上を注目画素とするような場合)、合成比率設定グラフに基づいてRu、Rm及びRoの合成比率がそれぞれ概ね70%、30%及び0%となる。
ここで、適正露出再構成画像の注目画素の画素値を「RIm」とし、露出アンダー再構成画像の注目画素の画素値を「RIu」とし、露出オーバー再構成画像の注目画素の画素値を「RIo」とする。この場合、HDR画像の画素の画素値を「HDRmix」とすると、HDRmixは次の(1)の式で表される。
HDRmix=Ru×RIu+Rm×RIm+Ro×RIo・・・・(1)
【0037】
HDR合成部160は、露出アンダー再構成画像、適正露出再構成画像及び露出オーバー再構成画像それぞれの同一座標の画素を注目画素に設定し、その注目画素と同一座標にある判定用画像の画素の画素値に基づいてRu、Rm、Roをそれぞれ決定する。そして、HDR合成部160は、上記(1)の式に基づいてHDR画像の画素の画素値であるHDRmixを算出する。HDR合成部160は、露出アンダー再構成画像、適正露出再構成画像及び露出オーバー再構成画像の画素全てについてHDRmixを算出して、図11(c)に示すHDR画像を生成し、SD124に記憶する。
【0038】
なお、HDR画像、露出アンダー再構成画像、適正露出再構成画像及び露出オーバー再構成画像それぞれの各画素を示す座標位置は同じである。HDR合成部160は、後述するデータ量削減処理用に、HDR画像の各画素を示す座標と合成比率Ru、Rm及びRoとを対応付けた図13に示す合成比率対応テーブルを作成してSD124に記憶する。
この合成比率対応テーブルにおいてHDR画像の各画素の座標は、HDR画像の左上を座標原点(0,0)とし、水平方向をx座標、垂直方向をy座標で表したものである。また、合成比率は、HDR画像の各画素を示す座標と同じ座標位置にある露出アンダー再構成画像、適正露出再構成画像及び露出オーバー再構成画像それぞれの各画素をどれだけの合成比率(Ru、Rm及びRo)で合成したかを示している。図中に示すA乃至Iは、図12の合成比率設定グラフに基づいて決定した各合成比率を示している。
【0039】
図5に戻って、特定部170は、複数の再構成画像を構成する画素のうち、HDR合成部160により決定した合成比率が0よりも大きい画素を特定する特定手段である。
具体的には、特定部170は、図13の合成比率対応テーブルを参照して、露出アンダー再構成画像、適正露出再構成画像及び露出オーバー再構成画像それぞれについて合成比率が0よりも大きい画素を複数特定する。これは、HDR画像と各再構成画像とは各画素を示す座標位置が同じであるため、図13の合成比率対応テーブルを参照すればHDR画像の画素の座標から各再構成画像の合成比率が0よりも大きい画素を特定できるからである。なお、特定部170の具体的な特定方法については後述する。
【0040】
次に、削減部180は、特定部170により特定した複数の画素(合成比率が0よりも大きい複数の画素)と何れにも対応しない画素を含むサブ画像のデータ量を削減する削減手段である。
具体的には、削減部180は、特定部170により特定した複数の画素と何れにも対応しない画素を含むサブ画像について、そのサブ画像の画素の画素値を特定の値に変更し、その変更後のサブ画像を含むライトフィールド画像を圧縮してデータ量を削減する。なお、削減部180による具体的なデータ量の削減方法については後述する。
【0041】
次に、保存部190は、削減部180によりデータ量が削減された複数のライトフィールド画像をSD124に保存する手段である。
以上、図1乃至図11を参照しながら説明したデジタルカメラ100の一つの特徴的な点は、HDR画像の生成にあたり合成に用いなかった合成比率が0の再構成画像の画素と対応する画素を含むサブ画像のデータ量を削減してライトフィールド画像をSD124に保存する点である。そこで、以下この点に関連するデータ量削減処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
なお、この図14のフローチャートは、CPU121が、ROM122に記憶された各種プログラムを実行して図5に示した各部の機能を発揮することにより実施する。また、この図14のフローチャートの処理開始にあたって、CPU121は各ライトフィールド画像のサブ画像の画素の座標には、予め合成に用いないことを示すフラグ0を設定する初期設定処理を実行する。
CPU121は、露出を変えて高速3連写して得られた3枚のライトフィールド画像(LFI)を撮像素子113から取得してRAM123の所定領域に設定されたバッファメモリに一時的に保存するとデータ量削減処理を開始する。
【0043】
まず、CPU121は、露出の異なる3枚のライトフィールド画像をそれぞれ再構成して3枚の再構成画像を取得する(ステップS21)。具体的には、CPU121は、所定の再構成距離(この実施形態においては2m)において図6に示した再構成処理をライトフィールド画像それぞれに行って再構成画像を3枚取得する。また、CPU121は、図10の画素対応テーブルを作成してSD124に記憶する。
【0044】
次に、CPU121は、3枚の再構成画像をHDR合成してHDR画像を取得する(ステップS22)。具体的には、CPU121は、図11を参照しながら説明したHDR合成処理を行って、3枚の再構成画像を画素毎に所定の合成比率を用いて合成してHDR画像を取得する。また、CPU121は、図13の合成比率対応テーブルを作成してSD124に記憶する。
【0045】
次に、CPU121は、k2をカウンタ変数として、HDR画像のk2番目の画素に注目する(ステップS23)。次に、CPU121は、k3をカウンタ変数として、注目画素の座標と対応するサブ画像の画素の座標をk3番目のライトフィールド画像について特定する(ステップS24)。具体的には、CPU121は、HDR画像の注目画素の座標がHDR(X,Y)であった場合、座標HDR(X,Y)と3枚の再構成画像の座標は同一であることを利用してサブ画像の画素の座標を特定する。
【0046】
まず、CPU121は、3枚の再構成画像の中から1枚を選択する。そして、CPU121は、選択した再構成画像の生成元となったライトフィールド画像(k3=1)において、HDR(X,Y)と対応するサブ画像の画素の座標を、図10の画素対応テーブルを参照して特定する。例えば、選択した露出オーバー再構成画像の画素の座標HDR(X,Y)が(1,1)の場合、4つのサブ画像S11、S12、S21及びS22から切り出した部分画像の重ね合わせであり、4つのサブ画像の座標はそれぞれS11(x,y)、S12(x,y)、S21(x,y)及びS22(x,y)である。
ここで、説明の便宜上、座標HDR(X,Y)と対応する4つのサブ画像の座標をそれぞれSb1(x,y)、Sb2(x+α,y)、Sb3(x,y+α)及びSb4(x+α,y+α)として説明する。サブ画像Sb1乃至Sb4は、再構成画像の座標HDR(X,Y)位置にある画素と対応する画素を含むサブ画像である。また、サブ画像Sb2乃至Sb4の各座標は、座標HDR(X,Y)と対応するサブ画像Sb1の座標(x,y)を基準として、その基準座標(x,y)からどれだけずれているかを係数αを用いて表している。ここで、αは再構成距離によって変化する係数である。この実施形態では、再構成距離は2mであるので、Sb1を基準とした場合に再構成距離2mで生じる画素ずれ(視差)分がαとなる。
【0047】
次に、CPU121は、注目画素の合成比率のうち、k3番目のライトフィールド画像から生成した再構成画像の合成比率が0か否か判断する(ステップS25)。具体的には、CPU121は、図13の合成比率対応テーブルを参照してHDR画像の注目画素の座標HDR(X,Y)と対応する合成比率Ru、Rm及びRoを特定する。次に、CPU121は、注目画素の合成比率Ru、Rm及びRoのうち、1番目(k3=1)のライトフィールド画像から生成した再構成画像の合成比率が0か否か判断する。例えば、1番目のライトフィールド画像が露出オーバーのライトフィールド画像である場合、露出オーバー再構成画像の合成比率Roを参照して、注目画素におけるRoの合成比率が0か否か判断する。
【0048】
次に、CPU121は、注目画素の合成比率のうち、k3番目のライトフィールド画像から生成した再構成画像の合成比率が0でない(合成に用いる)場合(ステップS25;No)、ステップS24で特定したk3番目のライトフィールド画像のサブ画像の画素の座標にフラグ1をたてる(ステップS26)。すなわち、合成に用いないことを示すフラグ0がたっているサブ画像の画素の座標をフラグ1に上書きする。ここでは、CPU121は、例えば露出オーバー再構成画像の合成比率Roが0でない場合、ステップS24で特定した4つのサブ画像の画素の座標Sb1(x,y)、Sb2(x+α,y)、Sb3(x,y+α)及びSb4(x+α,y+α)それぞれにフラグ1をたてる。
【0049】
一方で、CPU121は、注目画素の合成比率のうち、k3番目のライトフィールド画像から生成した再構成画像の合成比率が0である(合成に用いない)場合(ステップS25;Yes)、ステップS27に進む。
【0050】
次に、CPU121は、全ライトフィールド画像のサブ画像の座標を特定済か否かについて判断する(ステップS27)。ここで、CPU121は、全ライトフィールド画像のサブ画像の座標を特定済でない場合(ステップS27;No)、残りのライトフィールド画像についてステップS24乃至S26の処理を行うために、カウンタk3をインクリメントして(ステップS28)、ステップS24に戻る。上述の例の場合、1番目のライトフィールド画像は露出オーバーのライトフィールド画像であったため、2番目のライトフィールド画像は適正露出又は露出アンダーのライトフィールド画像から選択される。
【0051】
全てのライトフィールド画像についてステップS24乃至S26の処理を終了すると、CPU121は、全ライトフィールド画像のサブ画像の座標を特定済であるとして(ステップS27;Yes)、HDR画像の全画素注目済か否か判断する(ステップS29)。CPU121は、HDR画像の全画素注目済でない場合(ステップS29;No)、カウンタk2をインクリメントして(ステップS30)、ステップS23に戻り、HDR画像の全画素が注目済となるまでステップS23乃至S27の処理を繰り返す。
【0052】
次に、CPU121は、HDR画像の全画素を注目済であると判断すると(ステップS29;Yes)、HDR画像の全画素の座標とそれぞれ対応するサブ画像の画素の座標のうち、合成に用いる画素の座標について全てフラグ1がたったものとして(フラグが0のままのサブ画像の画素については、HDR合成に用いられることがないものとして)、ステップS31に進む。ステップS31では、CPU121は、各ライトフィールド画像に含まれるサブ画像の中から、サブ画像内の画素の座標のフラグが全て0の(フラグ1がたてられなかった)サブ画像を特定する。次に、CPU121は、その特定したサブ画像内の画素値を全て0に設定する(ステップS32)。
【0053】
このステップS31及びS32の処理では、CPU121は、各ライトフィールド画像それぞれに含まれる複数のサブ画像のうち、HDR合成に用いないサブ画像を全て特定し、その特定したサブ画像内の画素値を全て特定の画素値である0に変更するようにしている。
【0054】
次に、CPU121は、各ライトフィールド画像を圧縮保存する。具体的には、CPU121は、画素値を全て0に変更したサブ画像を含むライトフィールド画像を複数圧縮してSD124に保存する(ステップS33)。例えば、ビットマップ形式で記憶する場合はLZH等のランレングス圧縮を実行する。また、JPEGの符号化形式で記憶する場合でも、DCT係数を量子化した後の係数圧縮にラングレンス符号化(2次元ハフマン符号化)を用いているので、サブ画像の画素値を0にしておけば符号化後のデータ量を削減することができる。これにより、SD124は、データ量が削減された複数のライトフィールド画像を記憶することになる。なお、CPU121は、各ライトフィールド画像を圧縮保存した後、RAM123に一時的に記憶している各ライトフィールド画像を削除する。
【0055】
また、図14においてCPU121が実施した各処理のうち、ステップS21は再構成部150の機能に、ステップS22はHDR合成部160の機能に、ステップS23乃至S30は特定部170の機能に、ステップS31及びS32は削減部180の機能に、ステップS33は保存部190の機能に、それぞれ対応する。
【0056】
以上、図14の処理では、デジタルカメラ100は、再構成部150、HDR合成部160、特定部170、削減部180及び保存部190の機能を備えることにより、HDR合成に用いる再構成画像の画素を複数特定して、その特定した複数の画素と何れにも対応しない画素(合成に用いられない画素)がサブ画像を構成する全ての画素である場合に、サブ画像全ての画素値を特定の画素値である0に変更する。その後、そのサブ画像を含むライトフィールド画像を複数圧縮保存する。このことにより、圧縮効率を高めることができるので、HDR画像用に複数のライトフィールド画像をSD124に記憶する場合であってもデータ量を抑えることができる。
【0057】
なお、圧縮効率が高まるのは、例えばビットマップ形式のライトフィールド画像をZIP又はLHA形式のライトフィールド画像に可逆圧縮する際には一般的に、ランレングス圧縮が用いられるので画素値が全て0のサブ画像については圧縮により大きくデータ量を削減できるからである。また、例えばビットマップ形式のライトフィールド画像をJPEG形式のライトフィールド画像に非可逆圧縮する場合には、少なくとも一部のサブ画像について画素値を全て0とすることでライトフィールド画像の高周波成分を低減できるので、画質を確保しながら圧縮率を上げることができる。さらに、少なくとも画素値を0としたサブ画像を含むブロックで、量子化率を低く設定してもよい。これにより、画素値が全て0のサブ画像については圧縮により大きくデータ量を削減できるので、圧縮効率が高まる。
【0058】
また、ユーザは、図14の処理の後、SD124に記憶された各ライトフィールド画像に基づいて、再構成距離を変化させたHDR画像を得ることができる。この場合、CPU121は、ユーザの設定した再構成距離で再構成画像を生成して(例えば、再構成距離1.5mの場合、メインレンズ111から1.5mの距離にピントを合わせた再構成画像を生成して)HDR合成を行うが、このHDR合成の際の各画素の合成比率は再構成距離2mの場合と同じ合成比率を用いる。これは、合成比率は各再構成画像を平均化して平滑化した判定用画像の明るさに応じて変化するが、この明るさは再構成距離を変化させても(例えば2mから1.5mにしても)極端に変化することはないからである。このため、ユーザが後からピント調整を行う場合であっても、所定の再構成距離において1度図14の処理を行っておけば足り、予め全ての再構成距離に渡って図14の処理を繰り返し行っておく必要がないので計算量を大幅に削減することができる。ただし、予め全ての再構成距離に渡って図14の処理を繰り返し行ってもよく、例えば再構成距離範囲内において所定間隔で所定回数図14の処理を行って、再構成距離が変化した場合に用いる合成比率の精度をあげてもよい。
【0059】
以上で実施形態の説明を終了するが、デジタルカメラ100の具体的な構成や図14に示した処理の内容等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、上述した実施形態では、図1のCPU121が画像処理部120及びデジタルカメラ100を制御したが、デジタルカメラ100に別途CPUを設けてもよい。この場合、画像処理部120のCPU121は、画像処理部120の制御に特化し、表示部140への表示制御や操作部130の操作検知等は行わない。
【0060】
また、画像処理部120のSD124に代えて、他のリムーバブルな記録媒体(例えば、CD、DVD等)を用いてもよい。この場合、このリムーバルな記録媒体に上述した各種画像のデータが記録される。
【0061】
また、図5に示した再構成部150が行う図6の再構成処理において、サブ画像間の被写体OBの画素ずれに基づいて、メインレンズ111から被写体OBまでの距離推定を行って、その推定した距離と再構成距離との差分に応じて被写体OBにボケを付加した再構成画像を生成するようにしてもよい。なお、被写体OBまでの距離推定は、画素ずれとメインレンズ111からの距離とを対応付けたテーブルを用いて行う。例えば、このテーブルを用いて画素ずれの値が示す被写体の距離を画素毎に推定する。そして、推定した被写体の距離と再構成距離との差が大きいほど、強いガウシアンフィルタによりボケ付加を行えばよい。このとき、画素値に適用するフィルタを合成比率にも適用し、フィルタ後の合成比率を用いてステップS25〜S26の処理を行うことで、フィルタを適用した場合のHDR画像を生成する場合に参照される画素の座標にフラグ1を立てることが出来る。
【0062】
また、この実施形態において行う再構成処理は、図6に示した再構成処理に限られない。すなわち、再構成画像の各画素の座標とライトフィールド画像のサブ画像の各画素の座標を対応付けることができる再構成処理であれば、図6の部分画像を重ね合わせて再構成画像を生成する手法でなくてもよい。例えば別の手法として、特許文献1の光線追跡の手法を用いて再構成画像を生成してもよい。
【0063】
また、図5に示したHDR合成部160が行うHDR合成処理は、再構成画像の各画素の座標と合成比率とを対応付けることができる手法であれば別の手法でもよい。例えば、トーンマッピングによる合成又は細部強調やトーン圧縮による露出合成により合成してもよい。さらに、この実施形態においては、露出が異なる複数のライトフィールド画像からそれぞれ生成した再構成画像をHDR合成する場合を例にとって説明したが、合成はHDR合成に限られない。例えば、透明度が異なる複数のライトフィールド画像からそれぞれ生成した再構成画像を合成してもよい。この場合は、図14のステップS22の再構成処理において、複数の再構成画像から目的に応じた合成画像を生成し、この合成画像を用いてステップS22以下の処理を実行すればよい。
また、図14の処理では、ステップS25及びS26において、HDR画像の注目画素の合成比率が0より大きい(合成に用いる)の場合、注目画素の座標と対応するサブ画像の画素の座標にフラグ1をたてるようにしたが、これに限られない。例えば、合成比率が所定の比率以上(例えば5%以上)の再構成画像の画素について、上記同様にフラグをたてるようにしてもよい。
【0064】
また、図14の処理では、ステップS26において、注目画素と対応するサブ画像の画素の座標にフラグをたてるようにしたが、これに限られない。例えば、特定したサブ画像の画素の座標が、Sb1(x,y)、Sb2(x+α,y)、Sb3(x,y+α)及びSb4(x+α,y+α)である場合、αを再構成距離の変化に応じて起こりうる画素ずれ(視差)の範囲分変化させて、その変化させたαによって決定される座標全てにフラグをたてるようにしてもよい。このことにより、ユーザが後から再構成距離を変化させた場合であっても、合成処理にあたり必要な画素が抜けてしまう事態を防ぐことができる。
【0065】
また、図14に示したデータ量削減処理では、ステップS24乃至S27において、HDR画像の注目画素の座標と対応するサブ画像の座標をライトフィールド画像毎にそれぞれ別々に特定してフラグをたてる処理を行ったが、別の手法でもよい。例えば、注目画素の座標と対応するサブ画像の座標は各ライトフィールド画像において同じであるため、1つライトフィールド画像のサブ画像の座標を特定した後、合成比率に応じてそれぞれのライトフィールド画像のサブ画像の座標にフラグをたてる処理を同時に行ってもよい。このことにより、ステップS27及びS28の処理を省略できるのでデータ量削減処理の計算量を抑えることができる。
【0066】
また、図14の処理では、ステップS31及びS32において、各ライトフィールド画像に含まれるサブ画像の中から、サブ画像内の画素の座標のフラグが全て0のサブ画像(フラグ1をたてなかったサブ画像)を特定し、その特定したサブ画像内の画素値を全て0に設定した。言い換えると、サブ画像内の画素の座標に一つでもフラグ1をたてるとサブ画像の各画素の画素値の値を変えない。これは、所定の再構成距離において合成に用いる画素がサブ画像内で1つだけである場合に、全ての画素値を特定の値に変更してしまうと、異なる再構成距離において合成に用いる他の画素の画素値まで変更されてしまうからである。すなわち、たとえサブ画素内で合成に用いる画素が1つだけであってもサブ画像内全ての画素値を変更しないことで、再構成距離が変わった場合に用いるおそれがある他の画素の画素値を確保しておくことができる。
ただし、上述したサブ画像内の画素の座標のフラグが全て0でなくても画素値を変更してもよい。例えば、サブ画像内のある領域に含まれる画素の座標のフラグが全て0であれば、その領域の画素値を全て0にしてもよい。その領域については高圧縮が期待できるからである。また、画素値0を別の特定の画素値にしてもよい。同じ画素値が連続すればサブ画像の圧縮率が高まるからである。
【0067】
また、この実施形態では、ライトフィールド画像のデータ量を削減する手法として、サブ画像内の画素値を特定の画素値に変更して連続する同じ画素値にして、圧縮率を高めた上で圧縮することによりデータ量を削減したが、別の手法でもよい。例えば、サブ画像内の画素の座標のフラグが全て0又は所定の合成比率未満のサブ画像についてはサブ画像のデータを削除して、ライトフィールド画像のデータ量を削減してもよい。
あるいは、サブ画像内の所定の閾値以上の面積を持つ領域に含まれる画素の座標のフラグが全て0又は所定の合成比率未満であれば、その領域を削除してライトフィールド画像のデータ量を削減してもよい。また、ライトフィールド画像においてサブ画像を構成しない領域は合成に用いることがないので、この領域を削除してもよい。これらのことは、ライトフィールド画像において、所定の閾値以上の面積を持つ領域を構成する全ての画素が合成に用いられない場合、その領域を削除してデータ量を削減することを意味する。
【0068】
また、この実施形態では、各種画像がグレースケール画像であることを前提に説明したが、各種画像はカラー画像でもよい。この場合、例えばRGB又はYUV等の任意の色空間を用いることができる。
【0069】
また、この発明の画像処理部120の各処理(再構成処理、HDR合成処理及びデータ量削減処理)は、通常のPC等のコンピュータによっても実施することができる。
具体的には、上記実施形態では、各処理に係る機能を発揮するためのプログラムが、ROM122に予め記憶されているものとして説明した。しかし、図5の各部の機能を実行させるためのプログラムを、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD及びMO等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをコンピュータにインストールすることにより、上述の各部の機能を発揮することができるコンピュータを構成してもよい。
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、コンピュータがダウンロード等することができるようにしてもよい。
【0070】
以上、本発明の実施形態について説明したが、この実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態をとることが可能であり、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0071】
(付記1)
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から複数生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、該複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうち、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定した画素との関係が所定条件を満たす画素を含むサブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
前記削減手段により前記データ量が削減された複数のライトフィールド画像を記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【0072】
(付記2)
前記削減手段は、前記特定した画素と何れにも対応しない画素を、前記所定条件を満たす画素とすることを特徴とする付記1に記載の画像処理装置。
【0073】
(付記3)
前記削減手段は、前記所定条件を満たす画素を含むサブ画像について、該サブ画像の画素の画素値を特定の値に変更し、該変更後のサブ画像を含むライトフィールド画像を圧縮するものであり、
前記記憶手段は、前記圧縮されたライトフィールド画像を複数記憶することを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
【0074】
(付記4)
前記削減手段は、前記サブ画像を構成する全ての画素が前記所定条件を満たす画素である場合に、該サブ画素を構成する全ての画素の画素値を特定の画素値に変更することを特徴とする付記3に記載の画像処理装置。
【0075】
(付記5)
前記削減手段は、前記複数のライトフィールド画像それぞれが含む何れかのサブ画像において、所定の閾値以上の面積を持つ領域を構成する全ての画素が前記所定条件を満たす画素である場合、該領域を削除してデータ量を削減することを特徴とする付記1又は2に記載の画像処理装置。
【0076】
(付記6)
被写体からの光りを捉えるメインレンズと、該メインレンズが捉えた光りをさらに捉える複数の視点にそれぞれ対応する複数のマイクロレンズと、を用いて、それぞれ異なる視点から前記被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を撮影する撮影手段と、
前記撮影手段により露出を変えて撮影した複数の前記ライトフィールド画像をそれぞれ再構成して複数の再構成画像を生成する生成手段と、
前記複数の再構成画像の合成比率を、該複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段と、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうち、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段と、
前記ライトフィールド画像において、前記特定した画素との関係が所定条件を満たす画素を含むサブ画像のデータ量を削減する削減手段と、
前記削減手段により前記データ量が削減された複数のライトフィールド画像を記憶する記憶手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【0077】
(付記7)
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から複数生成する生成ステップと、
前記複数の再構成画像の合成比率を、該複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定ステップと、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうち、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定ステップと、
前記ライトフィールド画像において、前記特定した画素との関係が所定条件を満たす画素を含むサブ画像のデータ量を削減する削減ステップと、
前記削減ステップにより前記データ量が削減された複数のライトフィールド画像を記憶する記憶ステップと、を含むことを特徴とする画像処理方法。
【0078】
(付記8)
コンピュータを、
それぞれ異なる視点から被写体を撮影した複数のサブ画像を含むライトフィールド画像を再構成した再構成画像を、露出が異なる複数の前記ライトフィールド画像から複数生成する生成手段、
前記複数の再構成画像の合成比率を、該複数の再構成画像において対応する各画素の画素値に応じて画素毎に決定する決定手段、
前記複数の再構成画像を構成する画素のうち、前記合成比率が所定の比率以上である画素を特定する特定手段、
前記ライトフィールド画像において、前記特定した画素との関係が所定条件を満たす画素を含むサブ画像のデータ量を削減する削減手段、
前記削減手段により前記データ量が削減された複数のライトフィールド画像を記憶する記憶手段、として機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0079】
100…デジタルカメラ、110…撮影部、111…メインレンズ、112…マイクロレンズアレイ、113…撮像素子、120…画像処理部、121…CPU、ROM…122、RAM…123、SD…124、130…操作部、140…表示部、150…再構成部、160…HDR合成部、170…特定部、180…削減部、190…保存部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14