(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の吸気装置では、隣り合う吸気ポート間の隔壁部分に凹状(切り欠き状)の軸受装着部を形成して軸受部材を嵌め込むため、軸受装着部に対応する隔壁部分に十分な厚みが必要となる。また、吸気ポートの入口(サージタンクとの接続部分)には、吸入効率を向上させるためにファンネル構造(吸気ポートの入口側が拡大する漏斗状の吸気路構造)を設ける場合があり、この場合にはファンネル構造を設ける分だけ隔壁部分の厚みに余裕が必要となるため、吸気ポートの入口側の隔壁部分も厚肉にする必要がある。したがって、隣り合う吸気ポート間の隔壁は、軸受装着部からサージタンク(吸気ポートの入口部分)までの範囲に渡って厚肉になることになる。このように厚肉の隔壁部分が存在すると、吸気装置本体の樹脂成形時に、厚肉部分でいわゆるソリ、ヒケ、フクレなどの成形不良が発生しやすくなるので、吸気装置本体の厚肉部分(隔壁部分)での寸法精度を確保することが困難となるという問題点がある。ここで、軸受装着部(軸受部材)は、弁体によりシールされるシール部が位置する開口部近傍に配置されるため、開口部近傍の隔壁部分の寸法精度が低いと、弁体による開口部のシール性に悪影響を及ぼすことから、弁体によるシール部近傍の寸法精度を確保することは非常に重要である。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ファンネル構造を設けながら、弁体によるシール部近傍の寸法精度を確保することが可能な吸気装置および吸気制御弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の
一の局面における吸気装置は、サージタンクとサージタンクの下流側に配置された複数の吸気ポートとを有する吸気装置本体と、サージタンクと吸気ポートとの間に設けられた開口部を開閉するように回動可能に設けられた弁体と、弁体とともに回動する回動軸と、隣り合う吸気ポート間に設けられ、弁体の回動軸を回動可能に支持する第1軸受部材と、を備え、吸気装置本体は、
隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿って延びるように設けられた第1溶着部を含む樹脂製の第1吸気装置本体部と、第1吸気装置本体部の第1溶着部と溶着されるとともに吸気ポート間の隔壁に沿って延びるように設けられた第2溶着部を有し、第1吸気装置本体部とともに吸気ポートを構成する樹脂製の第2吸気装置本体部と、隣り合う吸気ポート間
の隔壁を第1溶着部から前記開口部を通りサージタンクまで
分断するように設けられるとともに、第1軸受部材が装着される軸受装着部
とを含み、第1軸受部材は、
隣り合う吸気ポート間の隔壁を第1溶着部から前記開口部を通りサージタンクまで分断するように設けられる軸受装着部に装着された状態で、サージタンク側の一端に、サージタンク内に露出するファンネル形状部
と、吸気装置本体の隔壁と連続する外壁部とを含
み、
第1軸受部材のファンネル形状部が設けられた一端とは反対の他端には、第1吸気装置本体部の第1溶着部と面一になるように配置され、第2溶着部と溶着される軸受溶着部が設けられている。
【0008】
この発明の第1の局面による吸気装置では、上記のように、第1軸受部材が装着される軸受装着部を、隣り合う吸気ポート間において
第1溶着部から開口部を通りサージタンクまで延びるように設けるとともに、軸受装着部に第1軸受部材が装着された状態で、第1軸受部材のサージタンク側の一端に、サージタンク内に露出するファンネル形状部を設けることによって、従来厚肉となっていた軸受装着部から吸気ポートの入口部分(サージタンク)までの隔壁部分に代えて、ファンネル形状部を有する第1軸受部材を設けることができる。また、第1軸受部材は、複数の吸気ポートが設けられる吸気装置本体と比較して小型で単純な形状にすることができるので、たとえば内部を中空にして薄肉化を図ることも容易に行うことができる。その結果、本発明によれば、寸法精度を確保しやすい第1軸受部材を設けることができるとともに、第1軸受部材にファンネル形状部(ファンネル構造)を設けることができるので、ファンネル構造を設けながら、第1軸受部材の開口部近傍の部分により、弁体によるシール部近傍の寸法精度を確保することができる。
また、吸気装置本体の軸受装着部は、隣り合う吸気ポート間の隔壁をサージタンクまで分断するように設けられ、第1軸受部材は、隔壁をサージタンクまで分断する軸受装着部に第1軸受部材が装着された状態で、吸気装置本体の隔壁と連続する外壁部を有する。このように構成すれば、吸気装置本体の隔壁から第1軸受部材の配置位置(軸受装着部)に対応する隔壁部分が分断(除去)されるので、第1軸受部材の配置位置において隔壁の厚肉部分に代えて薄肉とすることが可能な第1軸受部材をサージタンクまで延びるように配置することができる。また、サージタンクまで延びる第1軸受部材に、分断された隔壁と連続する外壁部を設けることにより、第1軸受部材の外壁部を隔壁として機能させて吸気ポート間を仕切ることができる。
また、吸気装置本体は、隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿って延びるように設けられた第1溶着部を含む樹脂製の第1吸気装置本体部と、第1吸気装置本体部の第1溶着部と溶着されるとともに吸気ポート間の隔壁に沿って延びるように設けられた第2溶着部を有し、第1吸気装置本体部とともに吸気ポートを構成する樹脂製の第2吸気装置本体部とを含み、第1軸受部材のファンネル形状部が設けられた一端とは反対の他端には、第1吸気装置本体部の第1溶着部と面一になるように配置され、第2溶着部と溶着される軸受溶着部が設けられている。このように構成すれば、第1軸受部材のサージタンク側の一端にファンネル形状部を設けてサージタンク内に露出させる構造でも、ファンネル形状部とは反対側の軸受溶着部で第2吸気装置本体部と溶着して第1軸受部材を強固に固定することができる。
【0009】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、第1軸受部材は、ファンネル形状部が形成された外壁部と、外壁部の内側に設けられた中空部とを有している。このように構成すれば、内部を中空にした薄肉の外壁部を有する第1軸受部材を設けることができるので、第1軸受部材の寸法精度を向上させることができる。これにより、容易に、弁体によるシール部近傍の寸法精度を確保することができる。また、第1軸受部材の薄肉化によって材料使用量を低減することができる。
【0012】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、第1軸受部材は、隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿った方向の長さが隔壁に沿った方向の開口部の長さの1/2以上である幅広形状を有する。このように構成すれば、開口部近傍において広い範囲で第1軸受部材を設けることができる。上記のように、弁体による開口部のシール性を確保するためには、開口部近傍における吸気装置本体の寸法精度が重要となるので、この開口部近傍の広い範囲で隔壁の厚肉部分に代えて寸法精度を確保しやすい第1軸受部材を設けることにより、開口部近傍(シール部近傍)の広い範囲で吸気装置本体の寸法精度を確保することができる。
【0013】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、第1軸受部材の外壁部には、弁体が閉位置において当接するシール部が設けられている。このように構成すれば、隔壁の厚肉部分に代えて第1軸受部材を設ける構成においても、寸法精度を確保しやすい第1軸受部材の外壁部に設けられたシール部によって、弁体が開口部を閉じた状態での高いシール性を確保することができる。
【0014】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、第1軸受部材における、隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿った方向の長さは、サージタンク側の一端のファンネル形状部側またはファンネル部とは反対の他端側に向かうにつれて小さくなるテーパ形状を有する。このように構成すれば、テーパ方向(先細りする先端側の方向)によって第1軸受部材の装着方向が特定されるので、第1軸受部材を装着する際に、第1軸受部材が誤った方向に装着されるのを防ぐことができる。また、テーパ形状の第1軸受部材を軸受装着部(吸気装置本体)に装着する際に、第1軸受部材を圧入して固定することができる。
【0015】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、吸気装置本体は、隔壁のサージタンク側の端部に設けられた本体側ファンネル部を含み、第1軸受部材のファンネル形状部は、吸気装置本体の隔壁の本体側ファンネル部と連続するように設けられている。このように構成すれば、隔壁の本体側ファンネル部と連続する第1軸受部材のファンネル形状部によって、厚肉の本体側ファンネル部を第1軸受部材のファンネル形状部の分だけ減少させながら、本体側ファンネル部およびファンネル形状部により、吸気ポートの吸入効率を向上させることができる。
【0016】
上記第1の局面による吸気装置において、好ましくは、複数の吸気ポートの両端に設けられ、それぞれ弁体の回動軸の端部を回動可能に支持する第2軸受部材をさらに備え、隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿った方向における第1軸受部材の長さは、隣り合う吸気ポート間の隔壁に沿った方向における第2軸受部材の長さよりも大きい。このように構成すれば、吸気ポートが片側にのみ隣接する両端部(外壁部)に設けられる第2軸受部材の長さよりも、吸気ポート間の隔壁に設けられる第1軸受部材の長さが大きくなるので、寸法精度を確保しにくい吸気ポート間の隔壁の厚肉部分を、より広い範囲で寸法精度を確保しやすい第1軸受部材に置き換えることができる。その結果、吸気ポート間の部分で、より広い範囲での寸法精度の確保を容易にすることができる。
【0019】
なお、本出願では、上記第1の局面による吸気装置および第2の局面による吸気制御弁とは別に、以下のような他の構成も考えられる。
【0020】
(付記項)
すなわち、本出願の他の構成による吸気装置は、サージタンクとサージタンクの下流側に配置された複数の吸気ポートとを有する吸気装置本体と、サージタンクと吸気ポートとの間に設けられた開口部を開閉するように回動可能に設けられた弁体と、弁体とともに回動する回動軸と、隣り合う吸気ポート間に設けられ、弁体の回動軸を回動可能に支持する軸受部材と、を備え、吸気装置本体は、隣り合う吸気ポート間において、開口部からサージタンクまでの隔壁を分断するように設けられた軸受装着部を含み、軸受部材は、軸受装着部に装着されることにより分断された隔壁と連続する外壁部と、外壁部の内側に設けられた中空部とを含む。このように構成すれば、吸気装置本体の隣り合う吸気ポート間の隔壁を開口部からサージタンクまで分断するとともに、中空の軸受部材の外壁部を分断された隔壁と連続する隔壁部分として機能させることによって、厚肉になり易い隔壁部分を、中空構造により薄肉化した軸受部材に置き換えることができる。その結果、薄肉化により軸受部材側の寸法精度を確保しつつ、吸気装置本体の厚肉部分を減少させることができるので、材料使用量を低減しながら、弁体によるシール部の寸法精度を確保することができる。
【発明の効果】
【0021】
上記第1および第2の局面による本発明によれば、上記のように、ファンネル構造を設けながら、弁体によるシール部近傍の寸法精度を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
(第1実施形態)
図1〜
図11を参照して、本発明の第1実施形態による吸気装置100の構成について説明する。
【0025】
吸気装置100は、
図1および
図2に示すように、自動車用の直列4気筒エンジン(図示せず)に設けられる吸気装置である。吸気装置100は、サージタンク1と、サージタンク1から分岐して、サージタンク1の下流に配置された4本の吸気ポート2と、4本の吸気ポート2の内部にそれぞれ設けられた吸気制御弁3(
図3参照)とを備えている。また、
図2に示すように、構造的には、吸気装置100は、サージタンク1と4本の吸気ポート2とを一体的に含む吸気装置本体101を含んでいる。吸気装置本体101は、樹脂材料からなり、たとえばナイロン6(PA6)からなる。そして、
図2および
図3に示すように、吸気装置本体101の内部に吸気制御弁3が設けられている。吸気装置100は、
図2に示すように、シリンダヘッド90に接続されており、4本の吸気ポート2はシリンダヘッド90を介してエンジンの各気筒とそれぞれ接続されている。
【0026】
図4に示すように、吸気装置本体101は、5つの本体部分4a〜4eを含み、本体部分4aに吸気制御弁3が装着された状態(
図2参照)で各本体部分4a〜4eがそれぞれ振動溶着により互いに一体的に接合されている。なお、本体部分4aおよび本体部分4bは、それぞれ、本発明の「第1吸気装置本体部」および「第2吸気装置本体部」の一例である。
【0027】
具体的には、本体部分4aには、4本の吸気ポート2間の隔壁11および外壁12に沿って延びるライン状の第1溶着部13が隔壁11および外壁12の上端面に形成されている。また、本体部分4aの上側の本体部分4bには、第1溶着部13と溶着されるとともに吸気ポート2間の隔壁11および外壁12に沿って延びるように設けられたライン状の第2溶着部14が、隔壁11および外壁12の下端面に形成されている。これらの本体部分4a(第1溶着部13)と本体部分4b(第2溶着部14)とが接合されることにより、4本の吸気ポート2のうちの本体部分4aと本体部分4bとの間の部分が構成される。他の本体部分も同様であり、それぞれ対応する溶着部同士が接合されることにより、吸気装置本体101が構成されている。なお、説明のため便宜的に、
図4に図示されたように本体部分4b側のZ1方向を上方、本体部分4e側のZ2方向を下方とする。
【0028】
図1に示すように、サージタンク1には、図示しないエアクリーナおよびスロットルを介して到達する吸気が流入される。4本の吸気ポート2は、横方向に並ぶように配置されている。
図2に示すように、4本の吸気ポート2の各々は、第1ポート部21および第2ポート部22と、第1ポート部21および第2ポート部22の下流側でエンジンの気筒に接続される出口ポート部23とを含む。第1ポート部21は、サージタンク1から迂回するように延びて下流側の出口ポート部23に接続されている。第2ポート部22は、サージタンク1と出口ポート部23とを吸気制御弁3を介して接続するように設けられている。
【0029】
また、吸気制御弁3は、第2ポート部22と出口ポート部23との接続部分に位置する開口部24を開閉するように構成されている。吸気制御弁3が閉じた状態では、第1ポート部21および出口ポート部23により吸気経路長の大きいロングポートが形成され、吸気制御弁3が開いた状態では、第2ポート部22および出口ポート部23により吸気経路長の小さいショートポートが形成されることによって、吸気制御弁3は、吸気経路長を変更することが可能なように構成されている。すなわち、吸気制御弁3は、開口部24を開閉することにより、エンジンの各気筒への吸気経路長を変更する可変吸気用の吸気制御弁として機能する。これにより、エンジン回転数やエンジン負荷等に応じて吸気経路長を変更して、より適切な量の吸気をエンジンに供給することが可能である。
【0030】
吸気制御弁3は、
図3に示すように、弁体32とともに回動する回動軸31と、第2ポート部22(開口部24)を開閉する4つの弁体32と、回動軸31を回動させるアクチュエータ33とを備えている。アクチュエータ33は、負圧の供給によって直線方向に駆動力を発生させる負圧アクチュエータである。
【0031】
回動軸31は、吸気ポート2と直交する横方向(4本の吸気ポート2が並ぶ方向)に延び、4本の第2ポート部22を貫通する金属製の角型シャフトからなる。回動軸31は、外壁12の第2軸受装着部80(
図5参照)に配置される2つの第2軸受部材60により、両端を回動可能に支持されているとともに、隔壁11の第1軸受装着部70(
図4参照)に配置される3つの第1軸受部材50により、中央部を回動可能に支持されている。なお、第1軸受装着部70は、本発明の「軸受装着部」の一例である。また、以下では、回動軸31の延びる軸方向をX方向という。
【0032】
弁体32は、4つの吸気ポート2にそれぞれ(合計4つ)設けられている。弁体32は、開口部24に対応した略矩形状の外形形状を有する樹脂製の板状部材である。弁体32は、長手方向の中央部を横切る軸挿入部32aに回動軸31が挿入されることにより、4つの弁体32が回動軸31と一体で回動するように回動軸31に装着されている。軸挿入部32aの両端は、軸方向(X方向)の外側に突出しており、それぞれ、弁体32の両側に配置された第1軸受部材50または第2軸受部材60により回動可能に支持されている。これにより、個々の弁体32は、軸受部材(第1軸受部材50および第2軸受部材60)によって回動可能に支持されており、回動軸31も個々の弁体32を介して支持されている。弁体32の周縁部にはゴム製のシールリップ32bが設けられ、閉状態での開口部24の気密性を向上させている。吸気制御弁3は、回動軸31を回動させて4つの弁体32を一括して回動させることにより、4つの吸気ポート2全てで開口部24の開閉動作を同時に行うように構成されている。
【0033】
第1実施形態では、合計3つの第1軸受部材50が、隣り合う吸気ポート2間(弁体32間)にそれぞれ設けられている。
図4に示すように、3つの第1軸受部材50は、それぞれ、隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間の隔壁11を分断する第1軸受装着部70に挿入(圧入)されることにより固定的に装着されるように構成されている。なお、回動軸31の両端の2つの第2軸受部材60は、それぞれ、吸気装置本体101の外壁12に形成された第2軸受装着部80に挿入されることにより固定されている。なお、第1軸受部材50は、本発明の「軸受部材」の一例である。
【0034】
具体的には、
図4および
図5に示すように、第1軸受部材50が装着される第1軸受装着部70は、吸気装置本体101(本体部分4a)において、4本の吸気ポート2の間に配置された3つの隔壁11にそれぞれ設けられている。また、第2軸受部材60が装着される凹状(切り欠き状)の第2軸受装着部80は、4本の吸気ポート2の両外側に配置された外壁12にそれぞれ設けられている。
【0035】
第1軸受装着部70は、
図4〜
図8に示すように、吸気装置本体101(本体部分4a)の隣り合う吸気ポート2間において、隔壁11の第1溶着部13からサージタンク1(
図7参照)まで延びるように形成されている。より具体的には、
図5および
図7に示すように、第1軸受装着部70は、第2ポート部22のサージタンク1側の端部である入口部25から、開口部24を通り、隔壁11の上端の第1溶着部13に達する範囲に渡って、吸気ポート2間の隔壁11を分断(除去)するように形成されている。このため、
図4に示すように、本体部分4aは、第1軸受装着部70によって第2ポート部22間の隔壁部分が上端の第1溶着部13から下端の入口部25まで除去(分断)され、4つの第2ポート部22がそれぞれの開口部24も含んで横方向(X方向)に連続するように貫通している。また、第1軸受装着部70は、第1軸受部材50に対応した形状で、分断部分に第1軸受部材50が嵌り合うように隔壁11を分断している。
【0036】
ここで、第1実施形態では、
図5〜
図8に示すように、第1軸受部材50は、隔壁11を分断する第1軸受装着部70に装着された状態で、吸気装置本体101の隔壁11と連続する外壁部51を有する。これにより、第1軸受部材50は、隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間を仕切るように構成されている。したがって、第1軸受部材50が第1軸受装着部70に装着されることにより、第1軸受装着部70においてX方向に貫通していた隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間が、第1軸受部材50の外壁部51によって個別の吸気ポート2(第2ポート部22)毎に仕切られる。
【0037】
第1軸受部材50は、
図9〜
図11に示すように、ファンネル形状部52と、軸受溶着部53とが一体形成された略平板状の外壁部51を有する。また、外壁部51は、一対の外側面54および一対の側端面55を有する。また、外壁部51には、回動軸31および弁体32の軸挿入部32aの端部が挿入される軸挿入孔56と、シール部57とが形成されているとともに、外壁部51の内側には、中空部58が設けられている。第1軸受部材50は、樹脂成形によって形成された樹脂製部材であり、吸気装置本体101と同種の材料(たとえばナイロン6(PA6))からなる。
【0038】
ファンネル形状部52は、外壁部51の下端においてA方向に直線状に延びるように設けられ、先端(下端)に向かうにつれて厚みが小さくなるように外表面がU字状に湾曲した部分である。
図7および
図8に示すように、ファンネル形状部52は、第1軸受部材50が第1軸受装着部70に装着された状態で、サージタンク1側の端部に配置され、サージタンク1内に露出するように設けられている。つまり、第1軸受部材50は、サージタンク1側の端部でU字状に厚みが減少していく。このため、第2ポート部22の入口部25では、ファンネル形状部52によって、隣り合う外壁部51間の間隔(第2ポート部22のX方向の長さ)がサージタンク1側に向かって大きくなるファンネル構造が構成されている。なお、第2ポート部22で第1軸受部材50と連続する隔壁11のサージタンク1側の端部には、本体側ファンネル部11aが一体形成されている。第1軸受部材50のファンネル形状部52は、吸気装置本体101の隔壁11の本体側ファンネル部11aと面一で連続するように形成されている。そして、第2ポート部22の入口部25には、第1軸受部材50のファンネル形状部52および本体側ファンネル部11aも含んで、入口部25の全周に渡って周状のファンネル構造が設けられている。
【0039】
図9〜
図11に示すように、軸受溶着部53は、外壁部51の上端面に設けられた傾斜面部分である。軸受溶着部53は、
図5および
図6に示すように、第1軸受部材50が第1軸受装着部70に装着された状態で、本体部分4aの隔壁11の第1溶着部13と面一になるように配置されている。このため、軸受溶着部53は、隔壁11の第1溶着部13とともに本体部分4bの第2溶着部14(
図4参照)に溶着され、本体部分4bに固定されるように形成されている。これにより、第1軸受部材50は、軸受溶着部53で本体部分4bに接合され本体部分4bと一体化する。
【0040】
図9〜
図11に示すように、シール部57は、第1軸受部材50の厚み方向に突出するようにして、外壁部51の一対の外側面54にそれぞれ形成されている。シール部57は、
図5および
図6に示すように、第2ポート部22の開口部24の縁部に沿って延びるように設けられており、弁体32のシールリップ32b(
図3参照)が閉位置においてシール部57と当接するように形成されている。これにより、シール部57は、第1軸受部材50の外側面54での開口部24の吸気漏れを防止するように構成されている。なお、シール部57は、第1軸受部材50が第1軸受装着部70に装着された状態で、隔壁11の壁面に設けられたシール部11bと連続するように形成されている。
【0041】
図10に示すように、中空部58は、外壁部51の内部を上下に延びる内壁15によって、隔壁11に沿ったA方向の中央部を境に両側にそれぞれ設けられた空間部分である。なお、軸挿入孔56は第1軸受部材50(外壁部51)を厚み方向に貫通する円形孔であり、内壁15は、軸挿入孔56を取り囲むように形成されている。内壁15は、弁体32の軸受面(軸挿入孔56の内周面)を構成している。このように、外壁部51の内部に2つの中空部58が形成される(つまり、肉抜きされる)ことにより、第1軸受部材50(外壁部51)は厚肉部分がないように薄肉化されている。詳細には、隔壁11の肉厚はt1(
図6参照)であり、
図11に示すように、シール部57を除いた第1軸受部材50の総厚みは、隔壁11の肉厚t1と略等しい。これに対し、第1軸受部材50(外壁部51)の肉厚t2は、隔壁11の肉厚t1よりも小さく(t2<t1)、中空部58の厚み方向の幅W1分だけ第1軸受部材50が薄肉化されている。
【0042】
また、
図10に示すように、第1軸受部材50は、隔壁11に沿ったA方向の長さが、下端(一端)のファンネル形状部52から、ファンネル形状部52とは反対の上端(他端)の軸受溶着部53側に向かうにつれて小さくなるテーパ形状を有する。すなわち、側端面55間の長さが、下端(ファンネル形状部52)でL1であり、上端(軸受溶着部53)でL2(L2<L1)となるように外壁部51が形成されている。このため、
図4に示すように、第1軸受部材50は、テーパの先端である軸受溶着部53側を、本体部分4aの下方(Z2方向側)から第1軸受装着部70に挿入されるように構成されている。また、第1軸受装着部70側も隔壁11の端面が第1軸受部材50に合わせて上方(Z1方向)に向けて狭くなるテーパ形状となっており、第1軸受部材50は下方から上方(Z1方向)に向けて第1軸受装着部70に圧入されることにより装着される。
【0043】
また、
図6に示すように、第1軸受部材50は、隔壁11に沿ったA方向の長さL2が、隔壁11に沿ったA方向の開口部24の長さL3の1/2以上である幅広形状を有する。このため、第1軸受部材50は、隔壁11に沿ったA方向における開口部24の両端部を除く広い範囲に渡る隔壁部分を構成している。なお、第1実施形態では、第1軸受部材50のA方向の長さL2は、長さL3の1/2よりも大きく、長さL3よりは小さい。また、第1軸受部材50と第2軸受部材60とを比較すると、隔壁11に沿ったA方向における第1軸受部材50の上端の長さL2は、第2軸受部材60の上端の長さL4(第2軸受装着部80の内寸L4と一致する)よりも長くなっている。
【0044】
第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50が装着される第1軸受装着部70を、隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間においてサージタンク1まで延びるように設けるとともに、第1軸受装着部70に第1軸受部材50が装着された状態で、第1軸受部材50のサージタンク1側の一端に、サージタンク1内に露出するファンネル形状部52を設けることによって、従来厚肉となっていた第1軸受装着部70から吸気ポート2の入口部25(サージタンク1)までの隔壁部分に代えて、ファンネル形状部52を有する第1軸受部材50を設けることができる。また、第1軸受部材50は、複数の吸気ポート2が設けられる吸気装置本体101と比較して小型で単純な形状にすることができるので、たとえば内部を中空にして薄肉化を図ることも容易に行うことができる。その結果、第1実施形態では、寸法精度を確保しやすい第1軸受部材50を設けることができるとともに、第1軸受部材50にファンネル形状部52(ファンネル構造)を設けることができるので、ファンネル構造を設けながら、第1軸受部材50の開口部24近傍の部分により、弁体32によるシール部近傍の寸法精度を確保することができる。
【0045】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50に、ファンネル形状部52が形成された外壁部51と、外壁部51の内側に設けられた中空部58とを設ける。これにより、内部を中空にした薄肉の外壁部51を有する第1軸受部材50を設けることができるので、第1軸受部材50の寸法精度を向上させることができる。これにより、容易に、弁体32によるシール部近傍の寸法精度を確保することができる。また、第1軸受部材50の薄肉化によって材料使用量を低減することができる。
【0046】
また、第1実施形態では、上記のように、吸気装置本体101の第1軸受装着部70を、隣り合う吸気ポート2間の隔壁11をサージタンク1まで分断するように設ける。そして、第1軸受部材50を、隔壁11をサージタンク1まで分断する第1軸受装着部70に第1軸受部材50が装着された状態で、吸気装置本体101の隔壁11と連続する外壁部51を設ける。これにより、吸気装置本体101の隔壁11から第1軸受部材50の配置位置(第1軸受装着部70)に対応する隔壁部分が分断(除去)されるので、第1軸受部材50の配置位置において、隔壁11の厚肉部分に代えて薄肉とすることが可能な第1軸受部材50をサージタンク1まで延びるように配置することができる。また、サージタンク1まで延びる第1軸受部材50に、分断された隔壁11と連続する外壁部51を設けることにより、第1軸受部材50の外壁部51を隔壁として機能させて吸気ポート2(第2ポート部22)間を仕切ることができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50のファンネル形状部52が設けられた一端(下端)とは反対の他端(上端面)に、本体部分4aの第1溶着部13と面一になるように、本体部分4bの第2溶着部14と溶着される軸受溶着部53を設ける。これにより、第1軸受部材50のサージタンク1側の一端にファンネル形状部52を設けてサージタンク1内に露出させる構造でも、ファンネル形状部52とは反対側の軸受溶着部53で本体部分4bと溶着して第1軸受部材50を強固に固定することができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50を、隔壁11に沿ったA方向の長さL2がA方向の開口部24の長さL3の1/2以上である幅広形状に形成する。これにより、開口部24近傍において広い範囲で第1軸受部材50を設けることができる。弁体32による開口部24のシール性を確保するためには、開口部24近傍における吸気装置本体101の寸法精度が重要となるので、この開口部24近傍の広い範囲で寸法精度を確保しやすい第1軸受部材50(第1軸受装着部70)を設けることにより、開口部24近傍(シール部近傍)の広い範囲で吸気装置本体101の寸法精度を確保することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50の外壁部51に、弁体32が閉位置において当接するシール部57を設ける。これにより、隔壁11の厚肉部分に代えて第1軸受部材50を設ける構成においても、寸法精度を確保しやすい第1軸受部材50の外壁部51に設けられたシール部57によって、弁体32が開口部24を閉じた状態での高いシール性を確保することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、第1軸受部材50を、隔壁11に沿ったA方向の長さが、下端のファンネル形状部52(長さL1)から上端側の軸受溶着部53(長さL2)に向かうにつれて小さくなるテーパ形状に形成する。これにより、テーパ方向(先細りする先端側の方向)によって第1軸受部材50の装着方向が特定されるので、第1軸受部材50を装着する際に、第1軸受部材50が誤った向きで装着されるのを防ぐことができる。また、テーパ形状の第1軸受部材50を第1軸受装着部70(吸気装置本体101)に装着する際に、第1軸受部材50を圧入して固定することができる。
【0051】
また、第1実施形態では、上記のように第1軸受部材50のファンネル形状部52を、隔壁11のサージタンク1側の端部に設けられた本体側ファンネル部11aと連続するように設ける。これにより、隔壁11の本体側ファンネル部11aと連続する第1軸受部材50のファンネル形状部52によって、厚肉の本体側ファンネル部11aを第1軸受部材50のファンネル形状部52の分だけ減少させながら、本体側ファンネル部11aおよびファンネル形状部52により、吸気ポート2(第2ポート部22)の吸入効率を向上させることができる。
【0052】
また、第1実施形態では、上記のように、第2ポート部22間の隔壁11に沿ったA方向における第1軸受部材50の長さL2を、A方向における第2軸受部材60の長さL4よりも大きくする。これにより、隣接する吸気ポート2が片側にのみ隣接する両端部(外壁12)に設けられる第2軸受部材60の長さよりも、第2ポート部22間の隔壁11に設けられる第1軸受部材50の長さL2が大きくなるので、寸法精度を確保しにくい吸気ポート2間の隔壁11の厚肉部分を、より広い範囲で寸法精度を確保しやすい第1軸受部材50に置き換えることができる。その結果、吸気ポート2間の隔壁部分で、より広い範囲での寸法精度の確保を容易にすることができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、
図12〜
図16を参照して、本発明の第2実施形態による吸気装置200の構成について説明する。第2実施形態では、隔壁11に沿ったA方向の長さが上端の軸受溶着面53側に向かうにつれて小さくなるテーパ形状の第1軸受部材50を設けた上記第1実施形態とは異なり、下端のファンネル形状部側に向かうにつれてA方向の長さが小さくなるテーパ形状を有する第1軸受部材150を設ける例について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については同一の符号を使用し、説明を省略する。
【0054】
図12に示すように、第2実施形態による吸気装置200では、隣り合う吸気ポート2間の隔壁11に設けられた第1軸受装着部170に、ファンネル形状部152を有する第1軸受部材150が装着される。第1軸受部材150は、
図13および
図14に示すように、隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間の隔壁11に沿ったA方向の長さが、上端の軸受溶着部153側から、サージタンク1側の下端のファンネル形状部152に向かうにつれて小さくなるテーパ形状を有する。すなわち、側端面155間の長さが、下端(ファンネル形状部152)でL5であり、上端(軸受溶着部153)でL5よりも小さいL6(L5<L6)となるように外壁部151が形成されている。このため、第1軸受装着部170側も、隔壁11の端面が第1軸受部材150に合わせて下方(Z2方向)に向けて狭くなるテーパ形状となっている。
【0055】
上記第1実施形態の第1軸受部材50(
図10参照)と比較すると、第2実施形態の第1軸受部材150の上端の軸受溶着部153側のA方向の長さL6は、第1軸受部材50の上端の軸受溶着部53側のA方向の長さL2(
図10参照)よりも大きい。このため、第2実施形態では、
図15に示すように、第1軸受部材150は、第2ポート部22の上端の開口部24側において、長さL2(
図6参照)よりも広い範囲(長さL6)に渡って設けられている。なお、第2実施形態では、第1軸受部材150のA方向の長さL6は、開口部24の長さL3の1/2よりも大きく、長さL3よりは小さい。
【0056】
また、第1軸受部材150の下端のファンネル形状部152側のA方向の長さL5は、上記第1実施形態の第1軸受部材50のファンネル形状部52側のA方向の長さL1(
図10参照)よりも小さい。このため、第2実施形態では、
図16に示すように、第1軸受部材150は、第2ポート部22の下端の入口部25側において、長さL1(
図8参照)よりも狭い範囲(長さL5)で設けられている。
【0057】
また、第2実施形態では、第1軸受部材150および第1軸受装着部170のテーパ形状の向きが上記第1実施形態の第1軸受部材50とは逆になっているため、第1軸受部材150を第1軸受装着部170に装着する際には、
図12に示すように、テーパの先端であるファンネル形状部152側を吸気装置本体201の本体部分104aに対して上方(Z1方向側)から挿入する。すなわち、第1軸受部材150は、吸気装置本体201の第1軸受装着部170に上方から下方(Z2方向)に向けて圧入されるようにして装着される。なお、本体部分104aは、本発明の「第1吸気装置本体部」の一例である。
【0058】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
第2実施形態では、上記のように、第1軸受部材150を、隔壁11に沿ったA方向の長さが、上端の軸受溶着部153(長さL6)側から下端のファンネル形状部152(長さL5)に向かうにつれて小さくなるテーパ形状に形成する。これにより、テーパ方向によって第1軸受部材150の向きが特定されるので、隔壁11の厚肉部分に代えて第1軸受部材150を設ける構成においても、第1軸受部材150が誤った向きで装着されるのを防ぐことができる。また、テーパ形状の第1軸受部材150を第1軸受装着部170に装着する際に、第1軸受部材150を圧入して強固に固定することができる。
【0060】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0061】
なお、上記第1および第2実施形態のように、隣り合う吸気ポート2(第2ポート部22)間の隔壁11を第1軸受装着部(70、170)によって分断し、隔壁11の分断部分に第1軸受部材(50、150)を設けることによって、第1軸受部材を装着する際の装着方向を、本体部分4aの下側から上方(第1軸受部材50)に向かう方向と、本体部分104aの上側から下方(第1軸受部材150)に向かう方向との2通りの内から選択することが可能となる。このため、吸気装置本体101(201)を構成する各本体部分(4a〜4e、104a)の形状に応じて、上記第1実施形態の第1軸受部材50(下側から装着)または第2実施形態の第1軸受部材150(上側から装着)のいずれかを選択することができるので、第1軸受部材(50、150)を装着するための構造に関して、本体部分(4a〜4e、104a)の設計上および製造上の制約を軽減すること(すなわち、設計上および製造上の自由度を増大させること)が可能である。
【0062】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0063】
たとえば、上記第1および第2実施形態では、本発明の吸気制御弁および吸気装置を、自動車用の直列4気筒エンジンに適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の吸気制御弁および吸気装置を、自動車用のエンジン以外の内燃機関に適用してもよいし、直列4気筒エンジン以外の内燃機関に適用してもよい。
【0064】
また、上記第1および第2実施形態では、本発明の吸気制御弁を、吸気経路長を変更する可変吸気用の吸気制御弁に適用する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明の吸気制御弁を、縦渦を発生させるTCV(タンブルコントロールバルブ)や横渦を発生させるSCV(スワールコントロールバルブ)など、可変吸気用の吸気制御弁以外に適用してもよい。
【0065】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材を樹脂により形成する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば、ゴムなど、樹脂以外の材料により軸受部材を形成してもよい。
【0066】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材(50、150)に軸受溶着部(53、153)を設けて、本体部分4bの第2溶着部14と溶着接合するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸受部材を溶着しなくともよい。たとえば、第1軸受部材(50、150)の端面(55、155)の部分が、第1軸受装着部(70、170)に露出する隔壁11の端面と係合するように構成してもよい。係合構造としては、たとえばそれぞれの端面が互いに係合するように段差状部分や突起部分を形成するなどがある。
【0067】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受装着部によって隔壁を完全に分断するように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、隔壁を完全に分断しなくともよい。たとえば、
図7に示した上記第1実施形態の構成において、第2ポート部22の入口部25から開口部24までの範囲で第1軸受装着部70を凹状に形成し、第1溶着部13側の隔壁11を分断(除去)せずに残すようにしてもよい。
【0068】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材(50、150)の外壁部の内部に中空部を形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸受部材(外壁部)の内部を中空にしなくともよい。
【0069】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材のA方向の長さ(L2、L6)を、開口部24の長さL3の1/2よりも大きく、長さL3よりは小さくなるように構成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸受部材の長さを、開口部の長さ以上に形成してもよい。また、第1軸受部材の長さを、開口部の長さの1/2未満に形成してもよいが、開口部近傍の隔壁部分の寸法精度を確保する観点からは、第1軸受部材の長さを大きくすることが好ましい。
【0070】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材をテーパ形状に形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸受部材をテーパ形状に形成しなくともよい。
【0071】
また、上記第1および第2実施形態では、第1軸受部材のファンネル形状部を本体部分4aの本体側ファンネル部11aと連続するように形成した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1軸受部材のファンネル形状部を本体側ファンネル部の形成部分まで延ばすことにより、隔壁に沿ったA方向に延びるファンネル構造部分を第1軸受部材のファンネル形状部のみにより構成してもよい。