(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6123463
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】金属積層板の製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/44 20060101AFI20170424BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
B29C65/44
B32B15/08 G
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-97295(P2013-97295)
(22)【出願日】2013年5月7日
(65)【公開番号】特開2014-217978(P2014-217978A)
(43)【公開日】2014年11月20日
【審査請求日】2016年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】西田 裕人
(72)【発明者】
【氏名】河津 成昭
(72)【発明者】
【氏名】野村 俊
【審査官】
長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−269267(JP,A)
【文献】
特開2012−143918(JP,A)
【文献】
特開2003−200496(JP,A)
【文献】
特開2006−240117(JP,A)
【文献】
特開2007−296729(JP,A)
【文献】
国際公開第2004/041517(WO,A1)
【文献】
韓国公開特許第10−2005−0061565(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/44
B32B 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属箔と熱溶着性フィルムとを、加圧加熱成形装置を用いて、前記加圧加熱成形装置の加圧面と金属箔との間に保護フィルムを配置して360℃以上の温度で連続的に加圧加熱成形した後、金属箔と熱溶着性フィルムとの積層体から保護フィルムを剥離する金属積層板の製造方法であって、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上6.0以下であることを特徴とする金属積層板の製造方法。
【請求項2】
金属箔の保護フィルムと接する面が、有機物処理されていることを特徴とする請求項1に記載の金属積層板の製造方法。
【請求項3】
前記連続的に加圧加熱成形する際のラミネート速度が、4m/分以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属積層板の製造方法。
【請求項4】
金属箔の保護フィルムと接する面の表面粗さRz(μm)が、1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属積層板の製造方法。
【請求項5】
前記熱溶着性フィルムの両面に金属箔を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の金属積層板の製造方法。
【請求項6】
前記金属箔と熱溶着性フィルムとの積層体から保護フィルムを剥離する際、エキスパンダーロールを用いて剥離することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の金属積層板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属積層板の製造方法に関する。より詳しくは、電子電気機器等に好適に用いられる金属積層板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子電気機器印刷回路基板に用いられる積層板の代表例として、フレキシブルプリント配線板(Flexible Printed Circuits、以下FPCと略す)が挙げられる。FPCに使用される金属積層板は、金属層とフィルム層からなる折り曲げ可能な積層体であり、例えば銅箔とポリイミドベースフィルムを積層した銅張りポリイミドフィルムなどの銅張積層板(Copper Clad Laminate、以下CCLと略す)が挙げられる。
【0003】
CCLには例えば、銅箔、エポキシ系熱硬化型接着剤層およびポリイミドベースフィルムの3つの層で構成される安価な3層タイプ、銅箔およびポリイミドベースフィルムの2つの層で構成される2層タイプ、さらには銅箔、ポリイミド系接着剤層およびポリイミドベースフィルムの3つの層で構成される3層タイプがある。なおポリイミド系接着剤層を用いるタイプは接着剤層とベースフィルムがともにポリイミドのため、擬似2層タイプということもある。
【0004】
2層タイプのCCLの製造方法としては、ポリイミドベースフィルムに直接銅をメッキする方法(メッキ2層CCL)、銅箔にポリアミック酸を塗布乾燥し、イミド化することでポリイミドベースフィルムを形成する方法(キャスト2層CCL)が挙げられる。また擬似2層タイプのCCLの製造方法としては、ポリイミド系接着剤層を表面に形成したポリイミドベースフィルムを銅箔とラミネートする方法(ラミネート2層CCL)が知られている。
【0005】
ラミネート2層CCLの製造方法は、これまでいくつかの方法が提案されている。例えば、ラミネート装置として真空プレス機等を用いてポリイミドベースフィルムと銅箔との間にポリイミド系接着剤をサンドイッチ状に接合する方法がある。また、熱ロールラミネート装置を用いて連続的にラミネートを行う方法も提案されている。後者の方法は、長尺品を得ることができる点で有利である。
【0006】
ラミネート時のシワを防止する方法として、加圧加熱成形装置の加圧面と被積層材料との間に保護材料を配置して加圧加熱成形を行い、冷却後に保護材料を積層体から剥離する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、この方法においては、保護フィルム剥離時に外観不良が発生する課題があった。これに対して、保護材料と被積層材料との界面の密着強度を0.1〜3N/cmの範囲で密着させる方法(例えば、特許文献2参照)、冷却後に保護材料を片面ずつ順次剥離する方法(例えば、特許文献3参照)、保護フィルム表面を物理的に処理して用いる方法(例えば、特許文献4参照)が提案されている。しかし、これらの方法を用いても、ラミネート温度を高くした場合、保護フィルム剥離時に発生する外観不良を十分に防止することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−129918号公報
【特許文献2】特開2002−370281号公報
【特許文献3】特開2003−311882号公報
【特許文献4】特開2007−109694号公報(請求項4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、シワ等の外観不良を低減し、効率よく外観良好な金属積層板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、金属箔と熱溶着性フィルムとを、加圧加熱成形装置を用いて、前記加圧加熱成形装置の加圧面と金属箔との間に保護フィルムを配置して
360℃以上の温度で連続的に加圧加熱成形した後、金属箔と熱溶着性フィルムとの積層体から保護フィルムを剥離する金属積層板の製造方法であって、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上6.0以下であることを特徴とする金属積層板の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の金属積層板の製造方法を用いることによって、シワ等の外観不良を発生しやすい柔軟な金属箔を用いる場合においても、シワの発生が少なく外観良好な金属積層板を得ることができる。従って本発明は、特に電子電気機器用の金属積層板として好適な材料を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の金属積層板の製造方法の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の詳細について説明する。
【0013】
本発明の金属積層板の製造方法は、金属箔と熱溶着性フィルムとを、加圧加熱成形装置を用いて、前記加圧加熱成形装置の加圧面と金属箔との間に保護フィルムを配置して連続的に加圧加熱成形した後、金属箔と熱溶着性フィルムとの積層体から保護フィルムを剥離する金属積層板の製造方法であって、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上6.0以下であることを特徴とする。
【0014】
本発明に用いられる金属箔としては、電子電気機器用の金属積層板に用いることができれば特に限定されないが、銅箔であることが好ましく、一般的には、厚み3〜50μmの圧延銅箔、電解銅箔などが挙げられる。
【0015】
また本発明においては、金属箔の保護フィルムと接する面が、有機物処理されていることが好ましい。有機物処理の方法としては例えば、防錆処理、コブ付け処理、易接着処理などを挙げることができる。また金属箔の熱溶着性フィルムと接する面についても上記有機物処理されていてもよい。
【0016】
また本発明においては、金属箔の保護フィルムと接する面の表面粗さRz(μm)が、1.0μm以下であることが好ましい。表面粗さRz(μm)が、1.0μm以下であることにより、ラミネート時のしわをより抑制し、外観をより向上させることができる。さらに、保護フィルムとの適度な密着性を有する点から、0.8μm以下がより好ましい。
【0017】
また本発明においては、溶着性フィルムの両面に金属箔を有することが好ましい。これにより、剥離時の張力が安定し、外観をより向上させる。
【0018】
本発明に用いられる熱溶着性フィルムとしては、加圧加熱成形により金属箔と接着できるフィルムであれば特に限定されないが、非熱可塑性樹脂層をベースとし、これに金属箔との接着層として熱可塑性樹脂層を積層したフィルムが一般的である。例えば、非熱可塑性ポリイミド層の両面に熱可塑性ポリイミド層を有する積層体が挙げられる。ここで、非熱可塑性とは、樹脂の分解温度以下にガラス転移温度を有しないものをいい、熱可塑性とは、樹脂の分解温度以下にガラス転移温度を有するものをいう。
【0019】
非熱可塑性ポリイミド層は、厚みが5〜200μmであることが好ましい。また非熱可塑性ポリイミド層の表面には、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施すことが好ましい。これにより金属箔との接着性がより向上する。
【0020】
熱可塑性ポリイミド層としては、溶剤可溶型ポリイミド系組成物、シリコーンジアミン含有ポリイミド系組成物等のポリイミド系接着剤組成物や、それらにエポキシ系組成物を混合させたハイブリッド系組成物などからなる層が例示できる。さらに、各種特性の向上のために熱可塑性ポリイミド層には種々の添加剤が配合されていても構わない。熱可塑性ポリイミド層の厚みは、1〜6μmであることが好ましい。これにより金属箔との接着性、寸法変化率がより向上する。
【0021】
また熱可塑性ポリイミド層は、ガラス転移温度が200℃以上であることが好ましく、230℃以上であることがより好ましい。ガラス転移温度が200℃以上であれば、電子部品実装時の加熱により軟化が起こらず寸法安定性が向上し、実装不良を低減することができる。またガラス転移温度が300℃以下であることが好ましく、280℃以下であることがより好ましい。ガラス転移温度が300℃以下であれば、ラミネート温度を低くすることができるため、熱膨張によるシワが入りにくくなる。
【0022】
熱溶着性フィルムの製造方法は特に限定されないが、数種類の層を一括に製膜する多層押出し製膜法や、非熱可塑性ポリイミドフィルム上に他の層を順次形成するコーティング法が挙げられる。また、コーティング方式としては、グラビアコータ、コンマコータ、リバースコータ、バーコータ、スリットダイコータなど塗布材料の物性に合わせた様々な方法を用いることができる。
【0023】
また本発明に用いられる保護フィルムは、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上6.0以下であれば特に限定されず、例えばポリイミドフィルム、アラミドフィルムを挙げることができる。また上記表面粗さRz(μm)は、3.0以上5.0以下であることがより好ましい。
【0024】
また本発明に用いられる保護フィルムはRz(μm)が、2.0以上6.0以下であることにより、金属箔と保護フィルムの面圧の均一性が維持されるため、面が荒れることなく外観が良好に保たれる。また本発明に用いられる保護フィルムは、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上6.0以下であるため、ラミネート速度を速くすることができる。
【0025】
ラミネート速度を速くすると、熱溶着性フィルムに熱がかかる時間が短くなるため、熱溶着させるためにはより高温での加熱が必要となる。たとえばラミネート速度を4m/分とすると、金属箔と熱溶着性フィルムを貼り合わせるためには、ラミネート温度を360℃とする必要がある。しかしながら高温で加熱すると、保護フィルム剥離時に金属箔にシワが発生しやすくなる問題がある。本発明の金属積層板の製造方法においては、保護フィルムの金属箔と接する面の表面粗さRz(μm)が、2.0以上とすることにより、金属箔と保護フィルムとの密着性を低減させることができるため、保護フィルムの剥離における引き剥がし力が少なくなり、得られる金属積層板の金属箔表面にシワが発生したり、反りが生じたりするのを抑制することができる。
【0026】
また本発明の金属積層板の製造方法は、連続的に加圧加熱成形する際のラミネート速度が、4m/分以上であることが好ましい。ラミネート速度が4m/分以上であれば、より生産効率が上げることができる。また連続的に加圧加熱成形する際のラミネート速度は、10m/分以下であることが好ましい。10m/分以下であれば、得られる金属積層板の金属箔表面にシワが発生したり、反りが生じたりするのをより抑制することができる。
【0027】
保護フィルムの表面粗さRz(μm)を2.0以上6.0以下とする方法は特に限定されないが、一般的にはサンドマット処理が挙げられる。
【0028】
また、保護フィルムを繰り返し用いることにより、より安価に金属積層板を製造することができる。そのため保護フィルムの厚みは、25μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。保護フィルムの厚みが25μm以上であることにより、より何度も繰り返し用いることができる。
【0029】
また、本発明において、加圧加熱成形装置は少なくとも一対の金属ロールを有するラミネート装置を用いることが好ましい。さらに、各積層材料および保護フィルムの巻き出し軸、製品、保護フィルムの巻き取り軸を備えることが好ましい。例えば、熱ロールラミネート機、ダブルベルトプレス機等が挙げられ、これらのうち少なくとも1対以上の金属ロールを有する熱ロールラミネート機が好ましく用いられる。金属ロールの加熱方法は、所定の温度で加熱することができるものであれば特に限定されず、熱媒循環方式、熱風加熱方式、誘電加熱方式等が挙げられる。加圧方式についても所定の圧力を加えることができるものであれば特に限定されず、油圧方式、空気圧方式、ギャップ間圧力方式等が挙げられ、圧力は特に限定されない。また、連続的なラミネートを可能とする装置として、張力制御装置、ライン調整装置(EPC)など、さらには電子回路材料としての品質を維持する為のクリーン化設備として、粘着ロール、静電気除去装置、クリーンブースなどを必要に応じて用いることができる。
【0030】
また本発明の金属積層板の製造方法は、金属箔と熱溶着性フィルムとの積層体から保護フィルムを剥離する際、エキスパンダーロールを用いて剥離することが好ましい。エキスパンダーロールを用いることにより、剥離開始部分を安定させることができる。
【0031】
以下、
図1を例に本発明の金属積層板の製造方法を説明する。
図1は、本発明の金属積層板の製造方法の一例を示す概略図である。熱溶着性フィルム2の両面に金属箔1を、保護フィルム3を介して、一対のラミネートロール5により連続的に加圧加熱する。加圧加熱成形後、保護フィルム3を剥離ロール6により剥離し、製品4を巻き取る。
【実施例】
【0032】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
ただし、以下の実施例9は比較例である。以下の各実施例・比較例で用いた銅箔および保護フィルムについて示す。
【0033】
<銅箔>
BHY−22B−T:保護フィルム側表面粗さ(Rz)0.7μm、厚み12μm、保護フィルム側有機物処理有り、JX日鉱日石金属株式会社製
HLB:保護フィルム側表面粗さ(Rz)1.2μm、厚み12μm、保護フィルム側有機物処理無し、日本電解株式会社製
HD−12:保護フィルム側表面粗さ(Rz)1.3μm、厚み12μm、保護フィルム側有機物処理有り、福田金属箔粉工業株式会社製
BHY−22B−HA:保護フィルム側表面粗さ(Rz)0.9μm、厚み12μm、保護フィルム側有機物処理有り、JX日鉱日石金属株式会社製
<保護フィルム>
300H:ポリイミドフィルム、東レ・デュポン株式会社製
また保護フィルム、銅箔の表面粗さRz(μm)および得られた金属積層板の外観について、以下の方法で評価した。
【0034】
<保護フィルム、銅箔の表面粗さRz(μm)>
JIS B0601(1994)に従い、保護フィルムについては金属箔に接する面の十点平均粗さを測定、銅箔については保護フィルムに接する面の十点平均粗さを測定した。ここで、カットオフ値は0.08mm、基準長さは100mmとした。
【0035】
<金属積層板の外観>
金属積層板の表面を目視観察し、ラミネートシワ、横段、保護フィルム剥離シワ、面荒れなどの欠陥の有無を評価した。ここで、保護フィルムの剥離シワとは、保護フィルム剥離時に発生する折れシワのことを意味し、剥離の状態が不安定であるときに発生するものである。表1、2には、これらの欠陥がないものを◎(剥離シワ100m当たり1カ所以下)、一部剥離シワの発生したものの外観および実用上問題のないものを○(剥離シワ100mあたり1〜10カ所)、外観または実用上問題のある剥離シワが発生したものを×(剥離シワ100mあたり10カ所以上)と表記した。面荒れについては欠陥がないものを◎(面荒れ無し)、実用上問題はないが、一部面荒れの発生したものを○(金属箔表面のみ面荒れ)、実用上問題のある面荒れが発生したものを×(金属箔表面および熱融着フィルムに面荒れ)と表記した。
【0036】
実施例1
金属積層板の作製
温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷却装置、および、撹拌装置を付した反応釜に、3,3’,4,4’−ビスフェニルテトラカルボン0.4molおよび3,3’,4,4’−オキシ−ビスフェニルテトラカルボン酸無水物0.6molをn−メチルピロリドン 2377gと共に仕込み、溶解させた後、4,4’−オキシ−bis−ベンゼンジアミン1.0molを添加し、70℃で4時間反応させて、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液にトルエン200gを添加し、200℃で加熱して、反応の進行に伴ってトルエンと共沸してきた水分を分離しながら3時間イミド化反応を行った。その後、トルエンを留去し、得られたポリイミドワニスを水中に注いで、得られた沈殿物を分離、粉砕、洗浄および乾燥し、ポリイミド粉末を得た。ジメチルアセトアミド 2834gに、得られたポリイミド粉末500gを添加して、40℃で2時間撹拌してポリイミド溶液を得た。得られたポリイミド溶液を各々、“カプトン(登録商標)”EN(東レ・デュポン株式会社製)に塗工後、200℃で30分間乾燥し、熱溶着性フィルムを製造した。
【0037】
上記で得られた熱溶着性フィルムを用い、
図1に示す熱ロールラミネート装置を用いて金属積層板を作製した。用いた銅箔、保護フィルム、ラミネート条件、剥離ロールは表1に示すとおりであり、得られた金属積層板の外観を評価した結果を表1に示す。なお保護フィルムはサンドマット処理を施すことにより、表面粗さ(Rz)を2.8μmとした。
【0038】
実施例2〜9、比較例1〜4
用いた銅箔、保護フィルム、ラミネート条件、剥離ロールを表1のとおりとした以外は実施例1と同様にして、金属積層板を作成した。得られた金属積層板の外観を評価した結果を表1、2に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【符号の説明】
【0041】
1 金属箔
2 熱溶着性フィルム
3 保護フィルム
4 製品
5 ラミネートロール
6 剥離ロール