(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、自然管楽器100の構造を示す断面模式図である。自然管楽器100は、サクソフォン等である。自然管楽器100は、吹奏体であるマウスピース110と主管体部120とがネック130を介して接続される。主管体部120は、管楽器の共鳴管として機能するボディ、ベル、さらにはアルトサックスやテナーサックスなどの場合にはボウなどを含んで成る部位であり、図示するように音孔121を備える。また、マウスピース110にはリード111が取り付けられている。
なお、以降の説明にあたり、主管体部120とネック130とで特に区別しない場合には管体と記載する。また、「上流側」なる用語は、管楽器のマウスピース(吹奏体)から共鳴管に吹き込まれる呼気の流入側を指し、「下流側」なる用語は、その呼気の流出側を指す。
【0014】
演奏者はマウスピース110を咥えて呼気を吹き込むようにする。演奏者の呼気は、マウスピース110からネック130、主管体部120へと入っていく。この際、マウスピース110に取り付けられたリード111が振動することによりマウスピース110には音圧の変化が発生し、この音圧の変化が、波動としてネック130と主管体部120へと下流側へ伝搬していく。
【0015】
マウスピース110から下流側に伝搬した波動は、開いている音孔121がある場合には、その開いた音孔121の位置まで伝搬し、マウスピース110側に反射して上流側に伝搬していく。また、マウスピース110から主管体部120側に伝搬した波動は、音孔121が全て閉じている場合には、ベルの端部Beまで伝搬し、マウスピース110側に反射して上流側に伝搬していき、リード111を押し戻す。このような波動の伝搬が繰り返されることで自励発振現象が発生し、呼気や音孔の開閉の組み合わせに応じた音量や音高で音が鳴る。
この場合の波動は、特に妨げられることなく自然管楽器100の管内を伝搬して音孔やベルから音として放出されるため音量としてはかなり大きなものとなる。
【0016】
例えば、周囲に対する音量を配慮する必要のある住宅環境等において楽器を演奏する場合には音量を小さくする必要がある。しかし、上記したように自然管楽器の演奏音の音量はかなり大きい。そこで、例えばネック130の部分の管内に、吸音材を詰めることが考えられる。
吸音材を管内に詰めることで、マウスピース110から主管体部120側へ伝搬しようとする波動は吸音材により弱められる。これにより、マウスピース110と主管体部120との間で伝搬する波動が全般的に弱められ、これに伴って、音孔やベルから放出される音量も小さくなる。
【0017】
吸音材を管内に詰めた場合、波動が弱められることに伴ってリード111を押し戻す力も弱められる。これにより、演奏者の感じるバックプレッシャも
図1の自然管楽器100の場合より低下してしまい、吹奏感が損なわれてしまう。
例えば特許文献1、2などの構成では、管体の音を音声処理により生成することから、吸音材によるバックプレッシャの低下はない。しかし、前述したように、運指センサが必要になってしまう。
【0018】
そこで、本実施形態においては、例えば管楽器の消音器としての機能を備える演奏補助装置について以下のように構成する。
本実施形態の演奏補助装置は、
図1における分割位置Pdvにて自然管楽器100の管体を分割する。そして、分割された管体の間の波動の伝搬を電気的に処理するものである。なお、
図1では、ネック130において分割位置Pdvを設定した例を示している。
【0019】
図2は、第1の実施形態に係る演奏補助装置の構造の一例を示す模式断面図である。
本実施形態の演奏補助装置は、第1ユニット1と第2ユニット2を備える。第1ユニット1と第2ユニット2は連結部材3により連結される。演奏補助装置は、その上流側にマウスピース110が取り付けられ、下流側に主管体部120が取り付けられる。
【0020】
第1ユニット1は、筒状の第1ネック部10を備える。第1ネック部10は、分割位置Pdvにより分割されたネック130(
図1)の管部のうち、マウスピース110側(上流側)の管路部に相当する。
第1ネック部10の上流側の端部は、マウスピース110が取り付け可能な形状に形成されている。具体的には、第1ネック部10の管部の外周においてマウスピース110に嵌め込まれる部分には、例えばコルク13が設けられている。これにより、例えば自然管楽器のネックへの取り付けと同様の要領で、第1ネック部10にマウスピース110を取り付けることができる。
【0021】
第1ネック部10において、分割位置Pdvに対応する部位には、第1検出部11と第1加振部12が設けられる。第1検出部11は、マウスピース110から呼気が吹き入れられることによって、第1ネック部の管内に発生する音を検出するセンサである。第1検出部11は、第1ネック部10の管内(内部)に露出するように取り付けられる。これにより、第1検出部11は第1ネック部10の管内に発生する音を検出することができる。第1検出部11は、マイクロフォン等であり、マイクロフォンにより収音した音に応じた音声信号を検出信号として出力する。
第1加振部12は、スピーカ等であり、第1ネック部10の管内(内部)に露出するように取り付けられる。これにより、第1加振部12は第1ネック部10の管内に音を放出することができる。
なお、図示した例では、第1検出部11及び第1加振部12が互いに対向するように設けられているが、これに限定されるものではない。
【0022】
第1ネック部10の下流側の端部には、第1吸音部30が設けられる。第1吸音部30は、第1ネック部10の下流側の端部に接続され、第1ネック部10から延びる通気管31を備える。通気管31には吸音材32が充填されている。
なお、吸音材32の材料としては、ウレタン、綿、グラスウール、ロックウールなどをはじめとして吸音効果のある材料であればどのようなものでも使用してよい。この点については、第1ユニット1、第2ユニット2において備えられる他の吸音材22、25、52、55、62などについても同様である。また、吸音材32、22、25、52、55、62として使用される材料はそれぞれが同じでなくともよい。
通気管31は、第1ネック部10の下流側の端部に接続され、第1ネック部10から離れる方向に延びている。通気管31の延在方向(
図2では通気管31の長手方向)の先端は第1ユニット1の外部に開口している。これにより、演奏者がマウスピース110から吹き込んだ呼気を、通気管31の先端から外部に抜くことができる。このように呼気は抜けていくが、第1加振部12から通気管31経由で外部に漏洩しようとする音については吸音材32によって充分に抑制することができる。なお、通気管31の内径が小さいほど、また、通気管31の延在方向の寸法が長いほど、第1吸音部30による消音効果は高くなる。
また、本実施形態では、第1ネック部10と通気管31との接続部分において、通気管31の内径が、第1ネック部10の下流側の端部の内径よりも小さく設定されている。そして、第1ネック部10及び通気管31は、通気管31の径方向外側に延びる段差壁部10aによって接続されている。
【0023】
また、第1ネック部10に対しては第1遮音部20が設けられる。第1遮音部20は、第1加振部12の振動や第1ネック部10の管壁の振動によって発生し、第1ネック部10の外部に放出される音を遮蔽する。第1遮音部20は、外側遮音ケース21と、防振材23と、内側遮音ケース24と、吸音材22、25とを備える。
内側遮音ケース24は、第1検出部11と第1加振部12とを覆うように設けられる。また、内側遮音ケース24は、第1ネック部10の下流側の端部も覆うように設けられている。内側遮音ケース24からは、第1ネック部10の上流側の端部、及び、第1吸音部30全体が突出する。吸音材25は、内側遮音ケース24の内部空間を埋めるように設けられる。
外側遮音ケース21は、内側遮音ケース24を覆うように設けられている。外側遮音ケース21からは、マウスピース110が取り付けられる第1ネック部10の上流側の端部、及び、第1吸音部30の先端側の所定長の部分が突出する。吸音材22は、外側遮音ケース21の内部空間を埋めるように設けられる。防振材23は、外側遮音ケース21の外面全体に設けられる。
以上のように構成される第1遮音部20は、第1加振部12の振動や第1ネック部10の管壁の振動によって発生し、第1ネック部10の外部に放出される音を遮蔽する。これにより、第1加振部12の振動や第1ネック部10の管壁の振動によって発生する音が第1遮音部20の外部に漏れることを充分に抑制することができる。
【0024】
第2ユニット2は、筒状の第2ネック部40を備える。第2ネック部40は、分割位置Pdvにより分割されたネック130の管部のうち、主管体部120側(下流側)の管路部に相当する。
第2ネック部40の下流側の端部は、主管体部120が取り付け可能な形状に形成されている。これにより、例えば自然管楽器のネックへの取り付けと同様の要領で、第2ネック部40に主管体部120を取り付けることができる。
【0025】
主管体部120は、自然管楽器(例えばサクソフォン)においてネックに取り付けられる部分であり、ボディ、ボウ、ベルなどを含む。したがって、主管体部120は、音孔や、音孔の開閉を行うためのキー(図示なし)などを備えている。
【0026】
第2ネック部40において、分割位置Pdvに対応する部位には、第2検出部41と第2加振部42が設けられる。第2検出部41は、第1検出部11と同様に、第2ネック部40の管内(内部)に露出するように取り付けられる。第2検出部41は、例えばマイクロフォンであり、上記のように取り付けられることで、第2ネック部40の管内に発生する音を検出することができる。第2加振部42は、第1加振部12と同様に、例えばスピーカであり、第2ネック部40の管内(内部)に露出するように取り付けられる。このように取り付けられることで、第2加振部42は第2ネック部40の管内に音を放出することができる。
【0027】
第2ネック部40の上流側の端部には、第2吸音部60が設けられる。第2吸音部60は、第2ネック部40の他方の端部に設けられ音を吸収する。第2吸音部60は、筒状に形成された通気管61の管内に吸音材62を充填して構成されている。
通気管61は、第2ネック部40の上流側の端部に接続され、第2ネック部40から離れる方向に延びている。第2ユニット2側では、第2ネック部40に取り付けられる主管体部120のベル端が開放されており、また、第1ネック部10のように演奏者の呼気が吹き込まれることもない。そのため、通気管61の延在方向(
図2では通気管61の長手方向)の先端は第2ユニット2の外部に開口しない。なお、通気管61の先端は開口してもよいが、例えば、第2加振部42からの音についての遮蔽効果などを考慮した場合には開口しないほうが好ましい。
【0028】
例えば、第2吸音部60を設けない場合、第2ネック部40の上流側端部を閉じるように形成することになる。しかし、この形状の場合には、第2ネック部40の上流側端部において波動の不要な反射が発生することにより、例えば吹鳴される音高がずれてしまう。そこで、本実施形態では、前述した第2吸音部60を設けている。これにより、第2ネック部40の上流側端部における波動の反射が第2吸音部60により吸収され、主管体部120で発生する音高の安定が図られる。
なお、通気管61の管内に吸音材62を充填しない構成としてもよい。この構成の場合には、吸音材62により吸音されることなく、通気管61の延在方向の先端で波動が反射する。そこで、この場合には通気管61の長さについて、以下のように決定するとよい。つまり、分割位置Pdvから伝搬して通気管61の延在方向の先端まで反射した波動が分割位置Pdvに戻るまでの時間について、第1ユニット1において分割位置Pdvからマウスピース110にまで伝搬した波動が分割位置Pdvにまで伝搬する時間とほぼ同等となるように通気管61の長さを決定する。これにより、通気管61の管内に吸音材62を充填しなくとも、吹鳴される音高のずれを小さくすることができる。
【0029】
第2ネック部40に対しては第2遮音部50が設けられる。第2遮音部50は、第2加振部42の振動や第2ネック部40の管壁の振動によって発生し、第2ネック部40の外部に放出される音を遮蔽する。第2遮音部50は、外側遮音ケース51と、防振材53と、内側遮音ケース54と、吸音材52、55とを備える。
内側遮音ケース54は、第2検出部41と第2加振部42とを覆うように設けられる。また、内側遮音ケース54は、第2ネック部40の上流側の端部も覆うように設けられている。内側遮音ケース54からは、第2ネック部40の下流側の端部、及び、第2吸音部60全体が突出する。吸音材55は、内側遮音ケース54の内部空間を埋めるように設けられる。
外側遮音ケース51は、内側遮音ケース54を覆うように設けられている。外側遮音ケース51からは、第2ネック部40において主管体部120が取り付けられる下流側の端部、及び、第2吸音部60全体が突出する。吸音材52は、外側遮音ケース51の内部空間を埋めるように設けられる。防振材53は、外側遮音ケース51の外面全体に設けられる。
以上のように第2遮音部50が構成されるため、第2加振部42の振動や第2ネック部40の管壁の振動によって第2ネック部40の外部に放出される音が遮蔽され、第2加振部42の振動や第2ネック部40の管壁の振動によって発生する音が第2遮音部50の外部に漏れることを抑制することができる。
【0030】
図3は、第1の実施形態に係る演奏補助装置が備える回路の構成例を、演奏補助装置の構造とともに示している。なお、
図3において、
図2と同一部分については同一符号を付して説明を省略する。また、
図3においては、第1ネック部10にマウスピース110が取り付けられ、第2ネック部40に主管体部120が取り付けられた状態を示している。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の演奏補助装置は、回路として音声処理部80を備える。なお、音声処理部80としての回路は、図示は省略するが、例えば演奏補助装置の筐体内に収納してもよいし、音声処理部80として機能するのであれば、回路自体は別の装置としてもよい。
音声処理部80は、アンプ81、A/D変換器82、フィルタ83、D/A変換器84、アンプ85、第1音量調整部86、アンプ87、A/D変換器88、D/A変換器89、アンプ90及び第2音量調整部91を備える。
【0032】
アンプ81は、第1検出部11が検出した第1ネック部10の管内の音の音声信号を増幅し、A/D変換器82は、アンプ81によって増幅されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換する。
フィルタ83は、ハウリングを抑制するためのデジタルフィルタであり、例えば、通過する音声信号について、ハウリングの発生に対応する所定の周波数帯域のレベルを減衰させるフィルタ特性を有する。A/D変換器82から出力され、フィルタ83を通過した音声信号は、D/A変換器84によりアナログの音声信号に変換され、さらにアンプ85によって増幅され、第1音量調整部86に入力される。
第1音量調整部86は、入力された音声信号を所定の音量になるように調整し、第2加振部42に供給する。第2加振部42は、供給された音声信号により駆動され、第2ネック部40の管内に音を放出する。このように、音声処理部80は、第1検出部11が検出した音を第2加振部42から放出させることができる。
【0033】
また、第2検出部41が検出した第2ネック部40の管内の音の音声信号は、音声処理部80のアンプ87に入力される。アンプ87は、入力された音声信号を増幅してA/D変換器88に出力し、A/D変換器88は、アンプ87から入力したアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換して出力する。A/D変換器88から出力された音声信号はフィルタ83を通過してD/A変換器89によりアナログの音声信号に変換され、さらにアンプ90によって増幅され、第2音量調整部91に入力される。
第2音量調整部91は、入力された音声信号を所定の音量になるように調整し、第1加振部12に供給する。第1加振部12は、供給された音声信号により駆動され、第1ネック部10の管内に音を放出する。このように、音声処理部80は、第2検出部41が検出した音を第1加振部12から放出させることができる。
【0034】
図3に示す演奏補助装置では、以下のように演奏者の演奏に応じた動作が行われる。
演奏者によってマウスピース110に吹き入れられた呼気は、マウスピース110から第1ネック部10の管内に入っていく。この際、マウスピース110に取り付けられているリード111によってマウスピース110において音圧の変化が発生し、この音圧の変化が波動として第1ネック部10の管内を下流側に伝搬していく。
【0035】
そして、第1ネック部10の管内において、分割位置Pdvまで伝搬してきた波動は、第1検出部11により音として検出される。
音声処理部80は、第1検出部11によって検出された音を、第1音量調整部86により所定の音量となるように調整したうえで、第2加振部42から放出させる。これにより、上流側の第1ネック部10における分割位置Pdvにまで伝搬した波動が、下流側の第2ネック部40の対応する分割位置Pdvに伝搬される。
【0036】
上記のように第2ネック部40に伝搬された(第2加振部42から放出された)音に対応する波動は、第2ネック部40から主管体部120へと下流側にさらに伝搬される。この際、主管体部120の管内を下流側に伝搬する波動は、音孔121が開いている位置にて反射し、主管体部120の管内を上流側へと伝搬していく。また、主管体部120の管内を下流側に伝搬する波動は、全ての音孔121が閉じている場合には、ベルの端部Beにて反射し主管体部120の管内を上流側へと伝搬していく。
【0037】
そして、主管体部120から上流側に伝搬して第2ネック部40の分割位置Pdvに到達した波動は、第2検出部41によって音として検出される。
音声処理部80は、第2検出部41によって検出された音を、第2音量調整部91により所定の音量となるように調整したうえで、第1加振部12から放出させる。これにより、第2ネック部40における分割位置Pdvにまで伝搬した波動が、第1ネック部10の対応する分割位置Pdvに伝搬される。このように伝搬された波動は、第1ネック部10において上流側に伝搬されマウスピース110に取り付けられたリード111を押し戻す。
【0038】
このように、本実施形態の演奏補助装置は、第1ユニット1の第1ネック部10にマウスピース110を取り付け、第2ユニット2の第2ネック部40に主管体部120を取り付けることで、
図1の自然管楽器100の管体を分割位置Pdvにて分割した場合と等価の構造を有する。
そのうえで、本実施形態の演奏補助装置は、マウスピース110から主管体部120との間で行われる上流側から下流側への波動の伝搬と、下流側から上流側への波動の伝搬との繰り返しが、音声処理部80を介在して循環的に行われるようになっている。
これにより、本実施形態の演奏補助装置を用いてマウスピース110から呼気を吹き入れることによっては、自然管楽器100と同様にマウスピース110と主管体部120との間で自励発振現象が発生して音を鳴らすことができる。
また、本実施形態では、主管体部120における音孔121の開閉に応じて、主管体部120にて下流側に伝搬していく波動が反射する位置が変化するので、主管体部120のキーに対する運指に応じた音高の音を鳴らすこともできる。
このように、本実施形態の演奏補助装置にマウスピース110と主管体部120を取り付けることによっては、自然管楽器と同じ原理によって音を鳴らし、演奏を行うことができる。
【0039】
そのうえで、本実施形態の演奏補助装置は、以下のように管楽器の消音器として機能させることができる。つまり、本実施形態の演奏補助装置は、音声処理部80において第1音量調整部86と第2音量調整部91とを備えることで、第2ネック部40の管内に放出させる音量と第1ネック部10の管内に放出させる音量とを個別に設定できる。
そこで、第2ネック部40の管内に放出させる音については、第1音量調整部86によって第1ネック部10の管内に伝搬する波動よりも小さな波動が主管体部120の管内に発生するように小さな音量に調整する。これにより、第2加振部42は、第1検出部11が検出した音の音量を減少させた音を放出する。これに伴い、第2ネック部40と主管体部120の管内にて発生する波動が弱まるため、主管体部120の音孔やベル等から放出される音量を充分に小さくすることができる。
また、前述のように、第1ユニット1において、第1加振部12が第1遮音部20により覆われていることで、第1加振部12の振動や第1ネック部10の管壁の振動によって第1ネック部10の外側に放出される音は充分に抑制される。また、第2ユニット2においても、第2加振部42が第2遮音部50により覆われていることで、第2加振部42の振動や第2ネック部40の管壁の振動によって第2ネック部40の外側に放出される音も充分に抑制される。これにより、本実施形態の演奏補助装置を使用して演奏した場合に聞こえる音は、ほとんどが主管体部120の音孔やベル等から放出される音になる。
【0040】
一方で、第1ネック部10の管内に放出させる音については、第2音量調整部91によって第2ネック部40の管内に伝搬する波動よりも大きな波動が第1ネック部10の管内に発生するように大きな音量に調整する。これにより、第1加振部12は、第2検出部41が検出した音の音量を増加させた音を放出する。これに伴い、第1ネック部10から上流側に伝搬する波動については、例えば自然管楽器を演奏しているときと同等の強度を与えることができるため、演奏者は、自然管楽器を演奏しているときと同等のバックプレッシャを感じることができる。つまり、本実施形態の演奏補助装置は、演奏者の吹奏感を損なうことなく管楽器の演奏音を小さくする消音器としての機能を有することができる。
【0041】
ここで、本実施形態の演奏補助装置は、分割位置Pdvにおける波動の伝達については音声処理部80を介して行われているが、管内における波動の伝搬には、主管体部120などの自然管楽器の管体を用いている。主管体部120には音孔121が設けられており、したがって、音高の変更も、自然管楽器100と同様に、音孔121の開閉による波動の反射位置の変化を利用している。このため、本実施形態の演奏補助装置では運指センサは不要であり、演奏者は、例えば、専用のコントローラを使用したり、運指センサを自分の自然管楽器100に装着したりする必要がない。
【0042】
そのうえで、本実施形態の演奏補助装置は、
図2に示したように、自然管楽器100のマウスピース110と主管体部120とを取り付けることができる。具体的には、本実施形態の演奏補助装置は、自然管楽器100のネック130と付け替えるようにして使用される。
これにより、演奏者は、本実施形態の演奏補助装置の消音機能を利用して演奏を行う際は、自然管楽器100のマウスピース110と主管体部120をネック130から外し、演奏補助装置に取り付けさえすればよい。つまり、演奏者は、自然管楽器100の管体を使用できる。これにより、演奏者にとっては、消音器としての演奏補助装置を手軽に使用できる。また、普段使い慣れているマウスピース110や主管体部120を用いて演奏することもできるので、普段と同等の感覚で演奏することができる。
【0043】
次に、第2の実施形態について説明する。
図4の断面図は、本実施形態における演奏補助装置における第1ユニット1の部分を抜き出して示すとともに、スピーカである第1加振部12の断面形状を具体的に示している。なお、
図4において
図2と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
第1加振部12は、振動板であるコーン紙12aを備えている。コーン紙12aの形状は、平面ではなく、図示するように、縁部から中心部分に向かってくぼんでいくテーパー状である。このために、第1ネック部10の管内において第1加振部12が取り付けられている位置では、第1ネック部10の内径の断面積(以下、内径面積と呼ぶ)が、第1加振部12が取り付けられていない場合と大きく異なる。
具体的に、例えば
図4に示す内径面積S2は、第1加振部12が取り付けられていない場合の第1ネック部10の内径に対応しているが、第1加振部12が取り付けられている位置に対応する内径面積S1は、コーン紙12aの凹部が形成された分だけ、本来の第1ネック部10の内径に対応する内径面積よりも大きくなる。
【0044】
このように第1ネック部10において、本来の内径に応じた内径面積とは異なる内径面積の部分が存在することによって、吹鳴される音高がずれる傾向が強くなる。この点については、第2ユニット2における第2ネック部40においても同様のことがいえる。
そこで、第2の実施形態においては、第1加振部12が取り付けられた第1ネック部10の管内の位置における内径面積が、本来の第1ネック部10の内径面積とほぼ同じとなるように構成する。また、第2加振部42が取り付けられた第2ネック部40の管内の位置における内径面積についても、本来の第2ネック部40の内径面積とほぼ同じとなるように構成する。
【0045】
図5の断面図は、第2の実施形態に係る演奏補助装置の構造例を示している。なお、
図5においては、音声処理部80の図示は省略している。また、
図5において
図2、
図4などと同一部分については同一符号を付して説明を省略する。
図5の第1ユニット1の第1ネック部10の管内においては、第1加振部12と対向する位置に内径面積調整部14が突出して設けられる。内径面積調整部14は、第1加振部12のコーン紙12aのテーパー形状に対応した円錐に近い形状を有している。内径面積調整部14が設けられる位置の第1ネック部10には第1検出部11が取り付けられることから、例えば図示するように第1検出部11は内径面積調整部14の中央部分から、その先端が表出するように設けられる。
【0046】
このように内径面積調整部14が設けられることによって、第1ネック部10の管内において第1加振部12が取り付けられている部分の内径面積は、第1ネック部10の本来の内径面積とほぼ同じになる。具体的には、
図5に示すように、第1加振部12のコーン紙12aの中央部分に位置する第1ネック部10の管内の内径面積S1aは、第1加振部12等が取り付けられていない場合の本来の第1ネック部10の内径面積S2a(即ち、第1ネック部10に対応する自然管楽器のネック部の内径面積)とほぼ同じになる。
【0047】
また、同じ
図5に示すように、第2ユニット2の第2ネック部40の管内においても、第2加振部42と対向する位置に内径面積調整部44が設けられる。
これにより、第2ネック部40において第2加振部42が取り付けられている部分の内径面積は、第2加振部42が取り付けられない場合の本来の第2ネック部40の内径面積とほぼ同じになる。具体的には、
図5に示すように、第2加振部42のコーン紙42aの中央部分に位置する第2ネック部40の管内の内径面積S11は、第2加振部42等が取り付けられていない場合の本来の第2ネック部40の内径面積S12(即ち、第2ネック部40に対応する自然管楽器のネック部の内径面積)とほぼ同じになる。
【0048】
このように、第2の実施形態では、第1ネック部10と第2ネック部40のそれぞれにおける管の内径面積について、第1加振部12と第2加振部42とが設けられているのに係わらず、本来の内径とほぼ同じとなるように調整している。これにより、第1ネック部10と第2ネック部40の管内の内径面積の変化に起因する、吹鳴される音高のずれを解消し、吹鳴される音高の精度を向上させることができる。
なお、内径面積調整部14は、第1ネック部10の管内に対して後付けされるように取り付けられてもよいし、第1ネック部10と一体化されるように形成されてもよい。
【0049】
図6及び
図7を参照して、内径面積調整部14の態様の一具体例について説明する。
第1ネック部10の全体的な形状は頂点側を切り欠いた円錐状である。このような形状の第1ネック部10に対して、第1加振部12や第1検出部11を直接取り付けることは難しい。
そこで、例えば
図6及び
図7に示すように、第1検出部11と第1加振部12を取り付けるためのケース200を用意する。
図6はケース200の斜視図であり、
図7は、ケース200の断面図である。
【0050】
図6及び
図7に示すように、ケース200は、上本体部201と下本体部202とを備える。上本体部201及び下本体部202は、それぞれ直方体状の外観形状を呈しているが、上本体部201は管路を有する筒状に形成されている。なお、下本体部202は有底筒状に形成されているが、これに限ることはない。
【0051】
上本体部201は、第1ネック部10の下流側の端部をなすものであり、第1ネック部10の上流側の端部(以下、上流側端部10uと呼ぶ)に対して着脱自在とされている。具体的には、上本体部201の軸方向の一端側の開口が、上流側端部10uを取り付けるための上流側端部取付孔部212となっている。また、上本体部201の軸方向の他端側の開口が、通気管31を着脱自在に取り付けるための通気管取付孔部213となっている。
また、上本体部201には、その軸方向の中途部において、径方向に貫通する検出部取付孔部211及び加振部取付孔215が形成されている。これら検出部取付孔部211及び加振部取付孔215は管路214を介して互いに対向している。検出部取付孔部211には第1検出部11が取り付けられる。加振部取付孔215には第1加振部12としてのスピーカの開口部が被せられるように取り付けられる。
また、上本体部201の管内においては、第1加振部12に対向する位置に前述した内径面積調整部14が形成されている。これにより、管路214の内径面積は、第1加振部12の取り付け位置に対応するネック部において、第1加振部12を取り付けない場合の内径面積とほぼ同一となる。
【0052】
下本体部202は、第1加振部12を上本体部201に取り付けた状態で、上本体部201の加振部取付孔215を塞ぐように上本体部201に取り付けられる。
下本体部202には、加振部取付孔215をケース200外部に連通させるケーブル孔部216が形成されている。ケーブル孔部216は、例えば第1加振部12に音声信号を供給するケーブルをケース200内から外部に引き出すための孔部である。なお、ケース200の内部において第1加振部12の背面側(下本体部202側)の空間には、例えば吸音材を設けてもよい。なお、下本体部202においてケーブル孔部216が設けられる位置については、図示する位置に限定されない。
【0053】
また、第2ユニット2においても、上記と同様に、ケース200を利用して第2検出部41と第2加振部42とを第2ネック部40に取り付けるようにすればよい。この場合、上流側端部取付孔部212には第2ネック部40の上流側端部が取り付けられ、通気管取付孔部213には第2吸音部60の通気管61が取り付けられる。
なお、ケース200は、例えば内側遮音ケース24または内側遮音ケース54としてそのまま利用してもよい。
【0054】
次に、第3の実施形態について説明する。
第1の実施形態において、内側遮音ケース24は、第1検出部11と第1加振部12と第1ネック部10の下流側の端部とを覆うように設けられていた。ここで、第1検出部11と第1加振部12と第1ネック部10の下流側の端部のうち、遮蔽すべき音を発生させている振動源としての主な部位は第1加振部12である。このことからすれば、内側遮音ケース24が第1加振部12のみを覆うようにしても充分な遮音効果が得られ、また、例えば内側遮音ケース24に使用する材料も節約できる。
なお、
図2のように内側遮音ケース24により第1検出部11と第1加振部12と第1ネック部10の下流側の端部とを覆うようにした場合には、第1ネック部10の外部から管内に伝達されるノイズを抑制して、第1検出部11により管内の音を良好に検出できるという利点がある。しかし、例えば、外側遮音ケース21と吸音材22によって充分に外部からのノイズを減衰できるのであれば、内側遮音ケース24により第1検出部11や第1ネック部10の下流側の端部まで覆う必要性が低くなる。
これらの点については、第2ユニット2における内側遮音ケース54についても同様である。
【0055】
そこで、第3の実施形態では、第1ユニット1において内側遮音ケース24が第1加振部12のみを覆うように構成し、第2ユニット2において内側遮音ケース54が第2加振部42のみを覆うように構成する。
図8の断面図は、第3の実施形態に係る演奏補助装置における第1ユニット1と第2ユニット2の構造例を示している。なお、
図8において、
図2などと同一の部分には同一符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、第1ユニット1における内側遮音ケース24は、第1加振部12のみを覆うように設けられており、第2ユニット2における内側遮音ケース54は、第2加振部42のみを覆うように設けられている。
【0056】
続いて、第1ユニット1における第1吸音部30と第2ユニット2における第2吸音部60の形状に関する変形例について説明する。変形例としては、第1〜第4の変形例までの4例を
図9〜
図12により説明する。なお、
図9〜
図12において
図2などと同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
図9の断面図は、第1の変形例を示している。
図9の第1ユニット1における第1吸音部30の通気管31は、第1ネック部10の下流側の端部と接合する基端部における開口部の形状を、第1ネック部10の下流側の端部と同じとしている。そのうえで、通気管31は基端から先端にかけて徐々に内径が小さくなっていくテーパー状に形成されている。
また、第2ユニット2における第2吸音部60の通気管61も、第2ネック部40の上流側端部と同じ内径の形状とされたうえで、基端から先端にかけて内径が小さくなっていくテーパー状に形成されている。
【0057】
前述のように、第2吸音部60は第2ネック部40の上流側の端部における波動の不要な反射を抑制することにより音高の安定化を図る。この点については、第1吸音部30も同様であり、第1ネック部10の下流側の端部における波動の不要な反射を抑制することができる。例えば、
図2においては、第1ネック部10の下流側の端部と接合する通気管31の端部の内径は、第1ネック部10の下流側の端部の内径よりも小さい。この場合、第1ネック部10の下流側の端部における通気管31の周囲の面部において波動が反射する。
【0058】
そこで、通気管31の基端部の内径を第1ネック部10の下流側の端部と同様の形状とすれば、第1ネック部10の下流側の端部において波動が反射する段差壁部の面がなくなる。ただし、通気管31は細いほど遮音効果が高い。そこで、
図9に示す通気管31の形状とすれば、第1ネック部10の下流側の端部において波動が反射する面をなくすとともに、通気管31を第1ネック部10の下流側の端部の内径より細くしていくことも可能になり、第1吸音部30による波動の不要な反射の抑制と遮音効果を両立させることが可能になる。
【0059】
また、通気管61については、すでに
図2において、第2ネック部40の上流側端部と接合する基端部の開口部について、第2ネック部40の上流側端部の開口部と同じ形状としている。ただし、
図2の通気管61は、第2ネック部40の上流側端部と同じ開口部の形状が先端まで続いている。そこで、
図9に示すように、通気管61について基端から先端にかけて細くなるテーパー状とすれば、例えば
図2の場合よりも高い遮音効果を得ると同時に、通気管61の基端から先端に進行する波動がストレート管の場合よりも効果的に減衰されるので、通気管61の先端で反射して戻ってくる不要な反射成分を軽減することが可能になる。
【0060】
次に、
図10を参照して、第2の変形例について説明する。
図10の第1ユニット1において、第1吸音部30の通気管31は第1ネック部10の下流側の端部と接合する基端から先端にかけて第1ネック部10と同じ開口部の内径形状である。そのうえで、通気管31内の吸音材32は、通気管31の基端側と先端側とを比較すると、基端側の密度が低く、先端側の密度が高い。
通気管31の基端側の吸音材32の密度を低くすることにより、波動の反射をさらに有効に抑制することができる。一方で、通気管31の先端側の吸音材32の密度を高くすることで遮音効果も保つことができる。
【0061】
第2ユニット2における第2吸音部60の通気管61も、基端から先端にかけて第2ネック部40の上流側端部の開口部と同じ内径形状を有している。また、吸音材62は、第2ネック部40と接合する通気管61の基端側と先端側とを比較すると、基端側の密度が低く、通気管61の先端側の密度が高い。これにより、波動の反射がさらに有効に抑制され、遮音効果も保たれる。
【0062】
次に、
図11を参照して、第3の変形例について説明する。
図11の第1ユニット1における第1吸音部30の通気管31は、第1ネック部10の下流側の端部と接合する通気管部31aについては第1ネック部10の下流側の端部と同じ内径とし、残りの通気管部31bについては第1ネック部10の下流側の端部よりも上流側の方が小さい内径とした段差を有する形状である。第2ユニット2における第2吸音部60の通気管61も、通気管部61a、61bによって同様に段差を有する形状である。
通気管31と通気管61を上記のような形状とすることによっても、
図10の場合と同様に、波動の不要な反射の抑制と遮音効果を両立させることができる。
【0063】
次に、
図12を参照して、第4の変形例について説明する。
図12に示す第1ユニット1において、第1吸音部30の通気管31は、
図11と同様に、通気管部31a、31bを備える。そのうえで、通気管部31bは、その延在方向中途部にマフラーとして機能する拡幅部31cを備えている。この変形例では、拡幅部31cの内部は中空とされ、吸音材は充填されていない。
第2ユニット2においても、第2吸音部60の通気管61における通気管部61bは、その延在方向中途部にマフラーとして機能する拡幅部61cを備えている。拡幅部61cの内部は中空とされ、吸音材は充填されていない。
第4の変形例によれば、拡幅部31c、61cを通過する呼気が膨張及び収縮し、呼気の圧力が減衰することで、外部に放出される音の音量が抑制されるというマフラーとしての機能が発揮される。これにより、吸音材32、62よる吸音効果と併せて遮音効果をさらに高めることができる。
なお、
図12の例では、拡幅部31c、61c内に吸音材を充填していない例を示しているが、拡幅部31c、61c内の全空間あるいは一部の空間に吸音材を充填してもよい。
【0064】
次に、本実施形態の変形例として、第1ユニット1と第2ユニット2を分離可能とした演奏補助装置について説明する。
図13及び
図14は、第1ユニット1と第2ユニット2を分離可能とした演奏補助装置の構造の一例を示している。
図13及び
図14において、
図2などと同一の部分については同一符号を付して説明を省略する。
図13に示すように、第1ユニット1と第2ユニット2は、それぞれ独立して分離している。なお、このように第1ユニット1と第2ユニット2が分離される場合には、音声処理部80の回路は、第1ユニット1と第2ユニット2の筐体のいずれか一方に設けた上で、有線または無線により他方と接続してもよいし、音声処理部80として機能するのであれば、回路自体は別の装置としてもよい。
そのうえで、第1ユニット1の第1遮音部20の側面には、一対のねじ孔26、26が設けられ、第2ユニット2の第2遮音部50の側面には、一対のねじ孔56、56が設けられる。
また、第1ユニット1と第2ユニット2とを連結するための部品として、一対の連結板301と2本のねじ部品302、302が設けられる。
【0065】
第1ユニット1と第2ユニット2とを連結する際には、例えば第1ユニット1が上で、第2ユニットが下となるように合わせる。そして、連結板301に通した2本のねじ部品302、302を、それぞれ、一方の側面のねじ孔26、56に螺合させる。同様に他方の側面においても、連結板301に通した2本のねじ部品302、302を、それぞれ、一方の側面のねじ孔26、56に螺合させる。これにより、
図14に示すように、第1ユニット1と第2ユニット2とが連結された状態で固定される。第1ユニットと第2ユニットとを分離させたいときには、ねじ部品302、302を外せばよい。
このような構造とすることで、本実施形態の演奏補助装置は、第1ユニット1と第2ユニット2とを一体化させて使用することもできるし、分離させて使用することもできる。
なお、
図13及び
図14においては、第1ユニット1と第2ユニット2とが上下となる位置関係により連結可能な例を示しているが、例えば第1ユニット1と第2ユニット2とが横方向に並ぶ位置関係により連結できるようにしてもよい。
【0066】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は本実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、これまでの説明においては、本実施形態の演奏補助装置を消音器として機能させる場合を例に挙げた。しかし、例えば、第2加振部42から放出させる音を大きくすれば、吹き入れた呼気に相当する音量よりも大きな音量で演奏できる演奏補助装置として機能させることができる。
また、これまでの説明の演奏補助装置は、サクソフォンなどの木管楽器の演奏の補助に対応させた例であるが、例えばトランペットなどの演奏の補助に対応させることも可能である。