(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような自動販売機では、ユーザ毎の販売商品の違いや、季節毎の売れ筋商品の違い等により、商品銘板展示装置に展示する商品銘板の種類だけでなく、その形状や配置を適宜変更したいという要望もある。
【0006】
しかしながら、従来構成の自動販売機は、商品銘板の形状を大幅に変更することは想定されておらず、また、各商品銘板の下部にその販売商品を選択するための選択釦が設置されているため、自動販売機の前面に選択釦による凹凸形状が形成されている。このため、予め定めた標準形状の商品銘板以外の形状、例えば、上下方向に大きな形状の商品銘板を展示することはできず、商品銘板展示装置での銘板展示は画一的となり、銘板展示に関するユーザの要望に柔軟に対応することが難しかった。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題を考慮してなされたものであり、異なる形状の商品銘板を展示可能な商品銘板展示装置を備えた自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る自動販売機は、販売商品を表示する商品銘板を複数展示するための商品銘板展示装置を筐体の前面に備えた自動販売機であって、前記商品銘板展示装置は、形状の異なる複数種類の商品銘板を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部を備えることを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、形状の異なる複数種類の商品銘板を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部を商品銘板展示装置に設けたため、各種の商品銘柄を上下方向及び左右方向で所望の配置に展示することができ、銘板の展示パターンを大幅に増加させることができるため、ユーザの要望に柔軟に対応することができる。
【0010】
前記筐体の前面には、前記商品銘板展示装置に展示された複数の商品銘板に表示された販売商品の選択に共通して使用される商品選択部が設けられていることが好ましい。そうすると、各商品銘板の下部にその販売商品を選択するための選択釦を設置する必要がなく、これによる凹凸形状もなくなるため、上下方向に形状の異なる商品銘板の着脱が一層容易となる。
【0011】
前記銘板取付部は、該銘板取付部への着脱対象となる商品銘板のうちで最小形状の銘板を1単位とした場合に、上下方向及び左右方向にそれぞれ2単位以上且つ前記1単位の整数倍の大きさを有する形状の銘板を着脱可能であるとよい。そうすると、商品銘板の配置変更が一層容易となり、また銘板取付部の構成を簡素化することができる。
【0012】
前記銘板取付部は、前記商品銘板を係止する銘板保持具と、該銘板保持具を着脱可能な保持具取付部を前面側に有する展示パネルとを備えると、展示パネルへの銘板保持具の配置を変更するだけで各種形状の商品銘板の展示に柔軟に対応することができる。
【0013】
前記展示パネルには、前記保持具取付部が上下方向に複数段設けられており、前記銘板取付部は、前記展示パネルの保持具取付部に装着された上下一対の銘板保持具によって商品銘板の上端及び下端を係止する構成としてもよい。そうすると、各銘板保持具の上下間隔を適宜変更するだけで、上下方向形状の異なる商品銘板の装着に容易に対応することができる。
【0014】
前記展示パネルの裏面側には、前記保持具取付部から取り外した銘板保持具を着脱可能な保持具収納取付部が設けられていてもよい。そうすると、所定の展示パターンで使用されない銘板保持具を展示パネルの裏面側の邪魔にならない部分に収納・保持しておくことができる。
【0015】
前記商品銘板には、その裏面側からの光を前面側へと透過する投光窓が設けられており、前記商品銘板展示装置は、装着された全ての商品銘板の投光窓に対して光を照射する複数の光源部を備えると、上下左右方向に形状の異なる商品銘板を装着した場合であっても、各商品銘板の投光窓にそれぞれ光を点灯させることができ、対応する商品の販売可否情報や選択商品の表示を適切に行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、形状の異なる複数種類の商品銘板を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部を商品銘板展示装置に設けている。これにより、各種の商品銘柄を上下方向及び左右方向で所望の配置に展示することができ、銘板の展示パターンを大幅に増加させることができるため、ユーザの要望に柔軟に対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る自動販売機について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係る自動販売機10の正面図である。本実施形態に係る自動販売機10は、カップに飲料を注入して販売するカップ式飲料の自動販売機であって、販売商品の種類によっては複数原料をカップ内で調合することにより、コーヒー飲料やジュース飲料等、各種の飲料を販売可能となっている。ここで、販売とは、有償及び無償のいずれをも含むものとする。なお、本発明は、缶飲料やペットボトル飲料、或いは各種物品等を販売する自動販売機に適用しても勿論よい。
【0020】
図1に示すように、自動販売機10は、内部に商品を収納する箱体である筐体12と、筐体12の前面に設けられた商品銘板展示装置14とを備える。
【0021】
筐体12は、前面が開口した本体キャビネット16と、本体キャビネット16の前面開口を開閉する外扉18とを備える。
【0022】
本体キャビネット16は、例えば、その内部に図示しない制御装置、商品を収納する商品収納部、及び商品を冷却し或いは加熱する冷却加熱装置等を備える。
【0023】
外扉18は、本体キャビネット16の一側部に回動可能に支持されることで、該本体キャビネット16の前面開口を開閉する扉であり、その前面が、客に対して商品を提示し、購入操作を受け付ける商品販売面18aとなっている。商品販売面18aの略上半分に、販売される複数種類の商品の商品銘板(商品種類表示プレート)20,22を展示する商品銘板展示装置14が設けられている。商品銘板展示装置14の右側方及び下方には、顧客が当該自動販売機10を利用する際に利用するテンキー24、表示部25、機能スイッチ部26、紙幣挿入口27、硬貨投入口28、返却レバー29、硬貨返却口30、商品取出口31が設けられている。
【0024】
テンキー24は、購入する商品を客が選択し指定するための商品選択部であり、各商品銘板20,22に表示された各商品の商品番号(本実施形態では、商品番号1〜36)を選択し指定するための入力部であり、商品番号を0〜9の数字ボタンによって直接的に入力する。表示部25には、テンキー24による入力情報が表示されると共に、投入金額や釣り銭切等の各種情報も表示される。機能スイッチ部26には、アイス飲料の氷の有無や、コーヒー飲料の砂糖やクリームの増減等を選択するための選択釦が複数設けられている。紙幣挿入口27は紙幣を投入するための開口であり、硬貨投入口28は硬貨を投入するための開口である。返却レバー29は、投入した紙幣や硬貨の返却を行う場合に操作するレバーであり、硬貨返却口30は、返却硬貨や釣り銭が払い出される部分である。商品取出口31は、購入した商品を顧客が受け取る部分である。
【0025】
図2は、
図1に示す商品銘板展示装置14の正面図であり、各商品銘板20,22に表示された商品番号や商品イメージを省略して図示している。
図3は、
図2に示す商品銘板展示装置14から商品銘板20,22を取り外した状態での正面図である。
図4は、
図3に示す商品銘板展示装置14の側面断面図であり、
図5は、
図4に示す商品銘板展示装置14を裏面側から見た拡大斜視図である。
【0026】
図2及び
図3に示すように、商品銘板展示装置14は、形状の異なる複数種類の商品銘板20,22を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部34を備える。
図2に示す例では、銘板取付部34の上部に大形の商品銘板20を左右方向に3枚装着し、この商品銘板20の下方に小形の商品銘板22を上下方向に3枚、左右方向に6枚装着しているが、この配置は後述するように適宜変更可能である。
【0027】
図3及び
図4に示すように、銘板取付部34は、外扉18の前面側に設けられた展示空間S(
図4参照)に設置される展示パネル36と、展示パネル36の前面に上下方向に複数本装着されることで各商品銘板20,22の上下端を係止・保持する長尺棒状の銘板保持具38とを備える。
【0028】
図4及び
図5に示すように、展示パネル36は、商品銘板20,22がその前面に展示される平板状のプレート部36aと、プレート部36aの上端から前方斜め上方へと突出した上枠部36bと、プレート部36aの左右端から前方へと突出した一対の側枠部36c,36cとから構成されている。プレート部36aは、
図4に示すように、外扉18の展示空間S内で上端よりも下端が前方に突出した傾斜姿勢で設置される。展示パネル36が配置された展示空間Sは、その前面側が外扉18に嵌合された透明なガラス板40によって塞がれ、その背面側がプレート部36aによって塞がれ、その周辺部が上枠部36b及び側枠部36cによって塞がれる。展示パネル36は、上下の端部をそれぞれ外扉18の背面の取付部に化粧ねじ37,37によって取り付けることで、外扉18に固定可能である(
図4参照)。
【0029】
図3及び
図4に示すように、プレート部36aには、銘板保持具38を装着するための保持具取付部42が上下複数段(本実施形態では6段)設けられている。上下方向で隣接する保持具取付部42,42間のピッチは、当該自動販売機10で最小単位の銘板となる商品銘板22の上下方向寸法に対応している。また、保持具取付部42は、左右方向に前記最小単位の銘板となる商品銘板22を6枚設置可能な寸法を有する。保持具取付部42は、左右方向に沿って複数形成された貫通孔44,45と、プレート部36aの裏面側に固定された薄板を屈曲させたブラケット46とを有する。
【0030】
貫通孔44,45は、プレート部36aを板厚方向に貫通しており、両端の貫通孔44が他の貫通孔45の略半分の長さに形成されている。ブラケット46は、
図4及び
図5に示すように、プレート部36aの裏面に固定される固定部46aと、固定部46aの下端から後方へと突出した後下方に屈曲した装着台46bと、装着台46bの下端から後方へと突出した後上方へと僅かに屈曲した受け皿46cとから構成されている。固定部46aの下端であって装着台46bの上面に臨む位置には、展示パネル36の貫通孔44,45と連通する開口が形成されている。
【0031】
図3に示すように、プレート部36aには、最下段を除く各保持具取付部42の下方に、貫通窓47が左右方向に複数並んで均等間隔で形成されている。貫通窓47は、商品銘板20,22に投光する光を通過させるための貫通孔である。この貫通窓47に対応するように、装着台46bの上下方向面であって受け皿46cの上部には、商品銘板20,22の貫通窓47に光を照射するための投光器49が設置されている(
図4及び
図5参照)。投光器49は、LEDランプ等によって形成され、図示しない制御装置の制御下に、販売可能な商品或いは選択された商品を表示した商品銘板20,22の投光窓32を点灯させる。
【0032】
図6は、銘板保持具38の構成図であり、
図6(A)は、平面図であり、
図6(B)は正面図であり、
図6(C)は側面図である。
【0033】
図3、
図4及び
図6(A)〜
図6(C)に示すように、銘板保持具38は、左右方向に延在した帯板状のベース部材48と、ベース部材48の前端から上方に起立形成された保持片50と、ベース部材48の後端から突出する係合片51,52及び係合フック54とを備える。
【0034】
係合片51,52は、ベース部材48の後端から前後方向後方へと突出しており、両端の係合片51が他の係合片52の略半分の長さに形成されている。
図3、
図4及び
図5に示すように、両端の係合片51がプレート部36aの両端の貫通孔44に挿通・係合され、係合片52が貫通孔45に挿通・係合される。係合フック54は、ベース部材48の後端から水平方向後方へと係合片51,52よりも大きく突出した後、下方へと屈曲されており、この屈曲後の上下方向面にねじ56(
図4及び
図5参照)を挿通するための取付孔54aが貫通形成されている。
図4及び
図5に示すように、係合フック54は、プレート部36aの貫通孔45に挿通された後、ブラケット46の装着台46bを覆うように配置される。そこで、銘板保持具38は、ブラケット46の装着台46bの上下方向面にバーリング加工されたねじ孔に対し、係合フック54の取付孔54aを通したねじ56が締結されることでブラケット46と固定される(
図4及び
図5参照)。また、
図6(A)に示す平面視において、係合片51と係合フック54との間、及び係合片52と係合フック54との間に、谷状の切欠部58が形成されている。
【0035】
なお、
図4に示すように、最下段に設置される銘板保持具38は、通常、着脱がなされることがなく、その下方のスペースも限られている。そこで、この最下段の銘板保持具38の係合フック54は、水平方向後方に突出した後上方に屈曲した形状とされており、これを固定するブラケット46も展示パネル36の底板から上方に突出させた形状としている。
【0036】
図7は、商品銘板20,22の構成例を示す正面図であり、
図7(A)は、小形の商品銘板22を示す図であり、
図7(B)は、大形の商品銘板20を示す図である。
【0037】
図7(A)に示すように、商品銘板22は、その前面に商品番号、商品のイメージ図、投光窓32等が設けられ、その上端に上方へと突出した突出片60,60が左右一対形成され、その下端に上方へと切り欠きされた逃げ部62,62が左右一対形成された薄い樹脂製のプレートである。
図7(B)に示すように、商品銘板20は、その前面に商品番号、商品のイメージ図、投光窓32等が設けられ、その上端に上方へと突出した突出片60,60が左右一対ずつ2組形成され、その下端に上方へと切り欠きされた逃げ部62,62が左右一対ずつ2組形成されている。なお、上端の一対の突出片60,60は、下端の一対の逃げ部62,62に嵌め入れ可能なようにその形状が形成されている。
【0038】
本実施形態では、小形の商品銘板22が商品銘板展示装置14に展示される標準形状となっており、大形の商品銘板20は小形の商品銘板22を上下左右に2個ずつ、合計4個連結した大きさとなっている。商品銘板20,22には、その飲料種類に応じた砂糖やクリームの有無等により、最大4個の商品番号が割り付けられている。
【0039】
小形の商品銘板22の一対の突出片60,60の外側面間の間隔であるピッチP1(
図7(A)参照)は、例えば、一対の突出片60,60が、銘板保持具38の一対の切欠部58,58に嵌め入れ可能なように、
図6(A)に示すように、銘板保持具38の隣接する係合片51,52の内側面間の間隔であるピッチPa、及び隣接する係合片52,52の内側面間の間隔であるピッチPbより僅かに小さく設定されている(P1<Pa、P1<Pb)。また、小形の商品銘板22の一対の逃げ部62,62の外側面間の間隔であるピッチP2(
図7(A)参照)は、同様に一対の突出片60,60が嵌め入れ可能なように、一対の突出片60,60の外側面間の間隔であるピッチP1より僅かに大きく設定されている(P2>P1)。なお、小形の商品銘板22の一対の逃げ部62,62の外側面間の間隔であるピッチP2を、銘板保持具38の隣接する係合片51,52の内側面間の間隔であるピッチPa、及び隣接する係合片52,52の内側面間の間隔であるピッチPbより、大きくしてもよい。
【0040】
略同様に、大形の商品銘板20では、左右両端の突出片60とこれに隣接する突出片60の外側面間の間隔は、小形の商品銘板22の一対の突出片60,60間のピッチP1と同一のピッチP1に設定されている(
図7(B)参照)。また、中央で隣接する突出片60,60の内側面間の間隔であるピッチP3は、銘板保持具38の係合片52の幅W(
図8(A)参照)より僅かに大きく設定されている(P3>W)。この大形の商品銘板20においても、左右両端の逃げ部62とこれに隣接する逃げ部62の外側面間の間隔は、小形の商品銘板22の一対の逃げ部62,62間のピッチP2と同一のピッチP2に設定されている。さらに、中央で隣接する逃げ部62,62の内側面間の間隔であるピッチP4は、当該商品銘板20の中央で隣接する突出片60,60の内側面間の間隔であるピッチP3より僅かに小さく設定されている(P4<P3)。
【0041】
次に、以上のように構成される自動販売機10での商品銘板展示装置14への商品銘板20,22の装着動作について説明する。
【0042】
商品銘板展示装置14に商品銘板20,22を装着する際には、先ず、各商品銘板20,22を所望の配置で展示するために、展示パネル36の銘板取付部34に設けられた所定の保持具取付部42に対し、銘板保持具38を装着する。
【0043】
図2に示す例では、銘板取付部34の上部に大形の商品銘板20を3枚展示し、その下部に小形の商品銘板22を上下方向に3枚、左右方向に6枚展示するパターンを採用している。そこで、この展示パターンとする場合には、
図3に示すように、上から2段目の保持具取付部42には銘板保持具38を取り付けず、これ以外の保持具取付部42に銘板保持具38を取り付ける。
【0044】
保持具取付部42への銘板保持具38の取り付けは、
図4及び
図5に示すように、展示パネル36の前面側から銘板保持具38の係合フック54を所定の貫通孔45及びブラケット46の開口へと挿通させた後、係合片51,52をそれぞれ貫通孔44,45及びブラケット36の開口へと挿通させる。続いて、銘板保持具38の係合フック54に形成された取付孔54aを通してねじ56をブラケット46の装着台46bの上下方向面に形成されたねじ孔に締結することにより、銘板保持具38とブラケット46とを連結固定する。
【0045】
これにより、銘板保持具38は、切欠部58の内面がプレート部36aに突き当たるか又は僅かに隙間を介した位置となり、展示パネル36のプレート部36aの前面からベース部材48が前方へと突出し、その前端から保持片50が上方へと起立した状態で展示パネル36に取り付けられる(
図4及び
図6(C)参照)。この際、使用されない上から2段目の保持具取付部42への取付用として準備された銘板保持具38については、
図4に示すように、前後を反転させた姿勢とし、係合フック54をブラケット46の裏面側に配置して該ブラケット46のねじ孔にねじ56で締結しておくとよい。これにより、今回の展示パターンで使用されない銘板保持具38を展示パネル36の裏面側の邪魔にならない部分に収納・保持しておくことができる。つまり、係合フック54の取付孔54a及びこれに対応するブラケット46の貫通穴が、使用しない銘板保持具38を収納しておく保持具収納取付部として機能する。
【0046】
次に、
図3に示すように展示パネル36の前面所定位置に設置された銘板保持具38に対し、上下に隣接する銘板保持具38,38間のそれぞれに商品銘板20,22を係止・装着する。すなわち、銘板取付部34では、展示パネル36に上下方向に複数段設けられており、これら銘板保持具38のち、隣接する上下一対の銘板保持具38,38間に商品銘板20,22の上端及び下端を係止する。
【0047】
上下に隣接する銘板保持具38,38間への小形の商品銘板22の装着は、
図2、
図4及び
図6に示すように、商品銘板22の上端に形成された一対の突出片60,60を、上側の銘板保持具38の隣接する係合片51,52間又は隣接する係合片52,52間にそれぞれ形成された一対の切欠部58,58と、展示パネル36(プレート部36a)の前面との間の隙間にそれぞれ挿入する。そうすると、商品銘板22の突出片60がその側方の係合片51,52に当接して位置決めされ、商品銘板22が上方及び左右方向に位置決めされる(
図6(A)及び
図6(B)参照)。
【0048】
そこで、切欠部58に上端の突出片60を係止させた状態のまま、商品銘板22の下端を把持して多少撓ませつつ、その下端を下側の銘板保持具38のベース部材48及び保持片50と、展示パネル36(プレート部36a)の前面とによって形成されたポケット状の溝部に挿入する(
図4及び
図6(C)参照)。この際、最下段以外に装着される商品銘板22は、その下端に形成された逃げ部62が、その下段に装着された商品銘板22の突出片60を避けるため、上下に隣接配置される商品銘板22,22同士の干渉が回避される。
【0049】
これにより、商品銘板22は、上下の銘板保持具38,38間で上下左右方向に位置決め保持される。
【0050】
略同様に、上下に隣接する銘板保持具38,38間への大形の商品銘板20の装着は、
図2、
図4及び
図8に示すように、商品銘板20の上端に形成された4個の突出片60を、上側の銘板保持具38の1個の係合片52を間に挟んで並んだ係合片51,52間又は1個の係合片52を間に挟んで並んだ係合片52,52間にそれぞれ形成された4個の切欠部58と、展示パネル36(プレート部36a)の前面との間の隙間にそれぞれ挿入する。そうすると、商品銘板20の4個の突出片60がその側方の係合片51,52に当接して位置決めされ、商品銘板20が上方及び左右方向に位置決めされる(
図8(A)及び
図8(B)参照)。続いて、商品銘板20の下端を下側の銘板保持具38のベース部材48及び保持片50と、展示パネル36(プレート部36a)の前面とによって形成されたポケット状の溝部に挿入する(
図4参照)。この際、商品銘板20は、その下端に形成された逃げ部62が、その下段に装着された商品銘板22の突出片60を避けるため、上下に隣接配置される商品銘板20,22間の干渉が回避される。
【0051】
これにより、商品銘板20は、上下の銘板保持具38,38間で上下左右方向に位置決め保持される。
【0052】
以上により、各商品銘板20,22が所望の位置に装着され、
図2に示す所望の展示パターンが形成される。この際、各商品銘板20,22の投光窓32に展示パネル36の貫通窓47がそれぞれ対応配置されている。そこで、投光窓32と貫通窓47が互いに重なっている位置に、投光器49(
図4及び
図5参照)を設置することにより、全ての商品銘板20,22の投光窓32を点灯させることが可能となる。
【0053】
次に、商品銘板展示装置14での商品銘板20,22の配置の変更例について説明する。
【0054】
例えば、
図9に示す例では、銘板取付部34の下部に大形の商品銘板20を3枚展示し、その上部に小形の商品銘板22を上下方向に3枚、左右方向に6枚展示するパターンを採用している。そこで、この展示パターンとする場合には、
図10に示すように、上から5段目の保持具取付部42には銘板保持具38を取り付けず、これ以外の保持具取付部42に銘板保持具38を取り付ける。
【0055】
次に、
図10に示すように展示パネル36の前面所定位置に設置された銘板保持具38に対し、上下に隣接する銘板保持具38,38間に商品銘板20,22を係止・装着する。これにより、商品銘板20,22は、上下の銘板保持具38,38間で上下左右方向に位置決め保持され、
図9に示す所望の展示パターンが形成される。そして、この展示パターンでも、投光窓32と貫通窓47が互いに重なっている位置に、投光器49を設置することにより、各商品銘板20,22の投光窓32を点灯させることが可能となる。
【0056】
勿論、自動販売機10の商品銘板展示装置14では、商品銘板20,22を
図2及び
図9に示す展示パターン以外の配置とすることも可能であり、この場合には、銘板保持具38の位置を適宜変更すればよい。
【0057】
また、展示される商品銘板としては、上記した標準形状の商品銘板22及びその略4倍の表面積を持つ商品銘板20以外の形状のものを用いてもよい。すなわち、銘板取付部34は、該銘板取付部34への着脱対象となる商品銘板のうちで最小形状(標準形状)の銘板を1単位と規定した場合に、商品銘板20は上下方向及び左右方向にそれぞれ2単位の大きさを有しており、さらに、図示はしていないが、上下方向及び左右方向にそれぞれ1〜数単位且つ1単位の整数倍の形状を有する縦長や横長等の形状の商品銘板を用いることもできる。このような各種形状の商品銘板を複雑に組み合わせる場合、銘板保持具38は、展示パネル36の左右方向長さと略同一長さを有する上記構成以外にも、その半分の長さ等で形成されるものを各種組み合わせて用いてもよい。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る自動販売機10によれば、販売商品を表示する商品銘板20,22を複数展示するための商品銘板展示装置14を筐体12の前面に備え、商品銘板展示装置14は、形状の異なる複数種類の商品銘板20,22を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部34を備える。
【0059】
このように、自動販売機10では、形状の異なる複数種類の商品銘板20,22を上下方向及び左右方向にそれぞれ複数列で着脱可能な銘板取付部34を商品銘板展示装置14に設けたため、各種の商品銘柄20,22を上下方向及び左右方向で所望の配置に展示することができ、銘板の展示パターンを大幅に増加させることができるため、ユーザの要望に柔軟に対応することができる。
【0060】
この場合、銘板取付部34は、該銘板取付部34への着脱対象となる商品銘板20,22のうちで最小形状の銘板となる商品銘板22を1単位とした場合に、上下方向及び左右方向にそれぞれ2単位以上且つ1単位の整数倍の大きさを持つ銘板、例えば、上下方向及び左右方向にそれぞれ2単位を持つ商品銘板20を着脱できる。このように、自動販売機12では、最小単位となる標準形状の商品銘板22を基準とし、その縦横が整数倍の形状の銘板(例えば、商品銘板20)を着脱可能としたため、銘板配置の変更が容易であり、また銘板取付部34の構成を簡素化することができる。
【0061】
自動販売機10では、筐体12の前面に、商品銘板展示装置14に展示された複数の商品銘板20,22に表示された販売商品の選択に共通して使用される商品選択部としてテンキー24を設けている。これにより、従来構成の自動販売機のように、各商品銘板の下部にその販売商品を選択するための選択釦を設置する必要がなく、これによる凹凸形状もなくなるため、上下方向に形状の異なる商品銘板20,22の着脱が一層容易なものとなっている。
【0062】
自動販売機10では、商品銘板20,22には、その裏面側からの光を前面側へと透過する投光窓32が設けられており、商品銘板展示装置14は、装着された全ての商品銘板20,22の投光窓32に対して光を照射する複数の光源部としての投光器49を備える。換言すれば、展示パネル36には、全ての銘板が標準形状の商品銘板22で形成された場合であっても、これら全て商品銘板22の投光窓32に対応可能なように貫通窓47が形成されており、この貫通窓47は他の商品銘板20にも対応可能である。これにより、上下左右方向に形状の異なる商品銘板20,22を装着した場合であっても、各商品銘板20,22の投光窓32にそれぞれ光を点灯させることができ、対応する商品の販売可否情報や選択商品の表示を適切に行うことができる。なお、投光器49は、必要な位置にのみ設置してもよいし、全ての貫通窓47の位置に設置しておき、必要な投光器49のみを点灯させるように制御してもよい。
【0063】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。