(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記類似度算出手段は、前記各規定情報の前記規定差分ベクトルと、前記各作業情報の前記業務差分ベクトルのなす角度に基づいて前記類似度を算出することを特徴とする請求項1に記載の文書管理装置。
前記類似度算出手段は、前記規定情報に含まれる各構成要素と、前記作業情報に含まれる各構成要素の組み合わせ毎に予め定められた重み付け情報に基づいて、前記類似度算出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の文書管理装置。
前記文書管理装置は、さらに、前記選択手段によって選択された前記規定情報または前記作業情報に基づいて通知を行う通知手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の文書管理装置。
前記文書管理装置は、さらに、前記選択手段によって選択された前記規定情報または前記作業情報に応じた表示をする表示手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の文書管理装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略する。
図1は、本実施の形態における文書管理装置101の使用環境について説明するための図である。
図1に示すように、通信システムは、文書管理装置101、ネットワーク102、及び、1以上の情報端末103を含み、文書管理装置101と各情報端末103は、ネットワーク102を介して通信する。
【0019】
文書管理装置101は、例えば、CPUやメモリ等で構成されるサーバで構成され、1または複数の情報端末103と、ネットワーク102を介して接続される。文書管理装置101の構成の詳細については後述する。また、文書管理装置101は、規定管理情報または業務定義情報が入力されると、当該規定管理情報または当該業務定義情報を版ごとに保持し、指定された例えば期間または版に基づいて、変更された規定情報または工程情報と、関連性の高い工程情報または規定情報をユーザーに通知する。文書管理装置101、規定管理情報及び業務定義情報の詳細については、後述する。
【0020】
ネットワーク102は、例えば、LAN(Local Area Network)回線同士を接続する広域の通信回線であり、例えば、
図1に示すように、LAN回線によって、文書管理装置101と各情報端末103を接続する。ここで、LAN回線は、一定の限定された領域内において、機器間に設置する内部ネットワークである。
【0021】
情報端末103は、ネットワーク102を介して、文書管理装置101と接続される。また、情報端末103は、文書管理装置101から受信した情報を取得して、取得した情報を表示する。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態における、文書管理システム100の構成の概要と使用例について説明するための図である。
図2に示すように、本実施の形態における文書管理システム100は、例えば、ネットワーク102を介して接続された文書管理装置101と端末装置とを有する。
【0023】
文書管理装置101は、例えば、CPUやメモリ等で構成されるサーバで構成され、例えば、入力部201、制御部202、記憶部203、通信部204、表示部205、操作部206を有する。なお、入力部201、制御部202、記憶部203、通信部204、表示部205、操作部206は、内部バス207により互いに接続される。
【0024】
入力部201は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポートや、光学ドライブ等であって、外部からデータを入力される。制御部202は、例えば、CPU、MPU等であって、記憶部203に格納されたプログラムに従って動作する。制御部202の詳細については後述する。記憶部203は、例えば、ROMやRAM、ハードディスクなどの情報記録媒体で構成され、制御部202によって実行されるプログラムを保持する情報記録媒体である。また、記憶部203は、例えば、制御部202のワークメモリとしても動作する。
【0025】
通信部204は、当該文書管理装置101を、ネットワーク102を介して、情報端末103と接続する。表示部205は、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイであって、制御部202からの指示に従い、情報を表示する。操作部206は、例えば、複数のボタンやタッチパネル等で構成され、ユーザーの指示操作に応じて、当該指示操作の内容を制御部202に出力する。
【0026】
情報端末103は、例えばPCやスマートフォン等であって、
図2に示すように、例えば、内部バス213により互いに接続された、制御部208、記憶部209、通信部210、表示部211、操作部212を有する。表示部211は、例えば、当該文書管理装置101から受け取ったデータを表示する。制御部208、記憶部209、通信部210、操作部212は、それぞれ、上記文書管理装置101と同様であるので、説明を省略する。上記通信システムの構成は、一例であってこれに限定されるものではない。例えば、
図2においては、情報端末103は1個であるが、複数であってもよい。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態における文書管理装置101の制御部202に係る機能的構成の概要について説明するための図であり、
図3は、
図2における制御部202の機能について、詳細を示す一例である。
【0028】
図3に示すように、制御部202は、機能的に、構成要素検出部301と、規定管理情報保持部302と、業務定義情報保持部303と、比較範囲情報取得部304と、規定差分情報抽出部305と、業務差分情報抽出部306と、変更情報抽出部307と、類似度算出部308と、選択部309と、通知部310と、を有する。
【0029】
各部の説明の前に、まず、規定管理情報と業務定義情報について説明する。規定管理情報は、例えば、複数の階層を有する構造化文書であって、ユーザーの業務実行時の取り決めに関する1または複数の規定情報を有する。また、各規定情報はそれぞれ、各規定情報の下位の階層に、例えば、見出し、本文等の構成要素を有する。同様に、業務定義情報は、例えば、複数の階層を有する構造化文書であって、各ユーザーが行う作業を実行する手順が表された1または複数の作業情報を有する。また、各作業情報はそれぞれ、各作業情報の下位の階層に、例えば、見出し、本文等の構成要素を有する。
【0030】
続いて、
図3の各部について説明する。構成要素検出部301は、規定管理情報が入力されると、規定管理情報に含まれる各規定情報と、各規定情報に含まれる各構成要素を検出する。また、構成要素検出部301は、業務定義情報が入力されると、業務定義情報に含まれる各作業情報と、各作業情報に含まれる各構成要素を検出する。
【0031】
具体的には、例えば、
図4に示す「申請業務規定管理書Ver.1」という名称の規定管理情報が、構成要素検出部301に入力された場合について説明する。この場合、規定管理情報は、最も上位の階層に「規定1」及び「規定2」という規定情報を有している。また、「規定1」という規定情報は、「業務の流れ」という見出しと、「・・・次の手順で処理します・・・」という本文と、「受付、申請」というリスト、の3つの構成要素を有している。また、「規定2」という規定情報も同様に、見出しと、本文と、リストという3つの構成要素を有している。従って、構成要素検出部301は、申請業務規程管理書の「規定1」及び「規定2」という規定情報と、各規定情報の見出しと、本文と、リストという3つの構成要素を検出する。
【0032】
また、例えば、
図5に示す「申請業務定義書Ver.1」という名称の業務定義情報が、構成要素検出部301に入力された場合について説明する。この場合、業務定義情報は、最も上位の階層に「作業1」及び「作業2」という作業情報を有している。また、「作業1」という作業情報は、「受付」という見出しと、「受付業務では・・・」という本文と、「申込書」というリスト、の3つの構成要素を有している。また、「作業2」という作業情報も同様に、見出しと、本文と、リストという3つの構成要素を有している。従って、構成要素検出部301は、申請業務定義情報の「作業1」及び「作業2」という作業情報と、各作業情報の見出しと、本文と、リストという3つの構成要素を検出する。
【0033】
規定管理情報保持部302は、構成要素検出部301が検出した規定情報と構成要素に基づいて、入力された規定管理情報を版ごとに保持する。具体的には、例えば、規定管理情報保持部302は、
図6に示すように、規定管理番号と、版情報と、更新日情報と、規定番号と、構成要素と、がそれぞれ関連付けられた規定管理情報を保持する。ここで、規定管理番号は、改変された一連の版を含めて規定管理情報を識別するための番号を表し、版情報は、規定管理情報が改変された履歴を表す情報である。
【0034】
例えば、同じ規定管理番号を有する規定管理情報が複数回にわたって更新されて入力された場合、規定管理情報保持部302は、最初に入力された規定管理情報の版情報として「1」を保持し、それ以降に入力された規定管理情報に対して、最初に入力された規定管理情報と同じ規定管理番号と関連付けて、順次数値を加算した版情報を保持する。また、更新日情報は、規定管理情報保持部302が規定管理情報を保持した日時を表す情報である。規定番号は、構成要素検出部301が検出した各規定情報を識別するための番号であり、構成要素は、構成要素検出部301が検出した構成要素を表す。なお、規定管理情報保持部302は、版情報と、更新日情報のいずれか一方を保持してもよい。また、業務定義情報保持部303は、文書管理装置101の外部にあっても構わない。
【0035】
より具体的に、
図4に示すような、「申請業務規定管理書Ver.1」という名称の規定管理情報が入力された後、
図7に示すような、
図4に示す規定管理情報が更新された、「申請業務規定管理書Ver.2」という名称の規定管理情報が入力された場合について説明する。
【0036】
まず、
図4に示す規定管理情報が入力されると、構成要素検出部301は、申請業務規程管理書が「規定1」及び「規定2」という規定情報を有し、各規定情報が3つの構成要素を有していることを検出する。従って、規定管理情報保持部302は、
図4に示す規定管理情報を表す情報として、申請業務規定管理書を表す「1」という規定管理番号と、1回目の版であることを表す「1」という版情報と、入力された日時を表す「2013/5/1」という更新日情報と、「規定1」及び「規定2」という規定情報と対応する「1」及び「2」という規定番号と、構成要素1乃至3と、をそれぞれ関連付けて保持する。ここで、「1」という規定番号と関連付けられた構成要素1乃至3は、それぞれ、構成要素検出部301が検出した「業務の流れ」、「・・・次の手順で処理します・・・」、及び、「受付、申請」という情報を含む。「2」という規定番号と関連付けられた構成要素1乃至3も同様に、
図4に示す規定管理情報の各構成要素が有する情報を含む。
【0037】
次に、
図7に示す規定管理情報が入力されると、構成要素検出部301は、申請業務規程管理書が「規定1」、「規定2」及び「規定3」という規定情報を有し、各規定情報が3つの構成要素を有していることを検出する。従って、規定管理情報保持部302は、
図7に示す規定管理情報を表す情報として、申請業務規定管理書を表す「1」という規定管理番号と、2回目の版であることを表す「2」という版情報と、入力された日時を表す「2013/9/1」という更新日情報と、「規定1」、「規定2」及び「規定3」という規定情報と対応する「1乃至3」という規定番号と、構成要素1乃至3と、をそれぞれ関連付けて保持する。ここで、「1」という規定番号と関連付けられた構成要素1乃至3は、それぞれ、構成要素検出部301が検出した「業務の流れ」、「・・・次の手順で処理します・・・」、及び、「受付、部内チェック、申請」という情報を含む。「2及び3」という規定番号と関連付けられた構成要素1乃至3も同様に、
図7に示す規定管理情報の構成要素が有する情報を含む。
【0038】
業務定義情報保持部303は、規定管理情報保持部302と同様に、構成要素検出部301が検出した定義情報と構成要素に基づいて、入力された業務定義情報を版ごとに保持する。具体的には、例えば、業務定義情報保持部303は、
図8に示すように、業務定義番号と、版情報と、更新日情報と、作業番号と、構成要素と、がそれぞれ関連付けられた業務定義情報を保持する。ここで、業務定義番号は、改変された一連の版を含めて業務定義情報を識別するための番号を表し、版情報は、業務定義情報が改変された履歴を表す情報である。
【0039】
例えば、同じ業務定義番号を有する業務定義情報が複数回にわたって更新されて入力された場合、業務定義情報保持部303は、最初に入力された業務定義情報の版情報として「1」を保持し、それ以降に入力された業務定義情報に対して、最初に入力された業務定義情報と同じ業務定義番号と関連付けて、順次数値を加算した版情報を保持する。また、更新日情報は、業務定義情報保持部303が業務定義情報を保持した日時を表す情報である。作業番号は、構成要素検出部301が検出した各作業情報を識別するための番号であり、構成要素は、構成要素検出部301が検出した構成要素を表す。なお、業務定義情報保持部303は、版情報と、更新日情報のいずれか一方を保持してもよい。また、業務定義情報保持部303は、文書管理装置101の外部にあっても構わない。
【0040】
より具体的に、
図5に示すような、「申請業務定義情報Ver.1」という名称の業務定義情報が入力された後、
図9に示すような、
図5に示す業務定義情報が更新された、「業務定義情報Ver.2」という名称の業務定義情報が入力された場合について説明する。
【0041】
まず、
図5に示す業務定義情報が入力されると、構成要素検出部301は、申請業務定義情報が「作業1」及び「作業2」という作業情報を有し、各作業情報が3つの構成要素を有していることを検出する。従って、業務定義情報保持部303は、
図5に示す業務定義情報を表す情報として、申請業務定義情報を表す「1」という業務定義番号と、1回目の版であることを表す「1」という版情報と、入力された日時を表す「2013/5/1」という更新日情報と、「作業1」及び「作業2」という作業情報と対応する「1及び2」という作業番号と、構成要素1乃至3と、をそれぞれ関連付けて保持する。ここで、「1」という作業番号と関連付けられた構成要素1乃至3は、それぞれ、構成要素検出部301が検出した「受付」、「受付業務では・・・」、及び、「申込書」という情報を含む。「2」という作業番号と関連付けられた構成要素1乃至3も同様に、
図5に示す業務定義情報の構成要素が有する情報を含む。
【0042】
次に、
図9に示す業務定義情報が入力されると、構成要素検出部301は、申請業務定義情報が「作業1」及び「作業2」という作業情報を有し、各作業情報が3つの構成要素を有していることを検出する。従って、業務定義情報保持部303は、
図9に示す業務定義情報を表す情報として、申請業務定義情報を表す「1」という業務定義番号と、2回目の版であることを表す「2」という版情報と、入力された日時を表す「2013/9/1」という更新日情報と、「作業1」及び「作業2」という作業情報と対応する「1及び2」という作業番号と、構成要素1乃至3と、をそれぞれ関連付けて保持する。ここで、「1」という作業番号と関連付けられた構成要素1乃至3は、それぞれ、構成要素検出部301が検出した「受付」、「受付業務では・・・」、及び、「申込書、同意書」という情報を含む。「2」という作業番号と関連付けられた構成要素1乃至3も同様に、
図9に示す業務定義情報の構成要素が有する情報を含む。
【0043】
比較範囲情報取得部304は、ユーザーが指定した規定管理情報または業務定義情報を識別する情報と、ユーザーが当該規定管理情報または業務定義情報の変更点を比較したい期間または版情報を取得する。具体的には、例えば、規定管理情報保持部302が、
図4に示すような規定管理情報を保持している場合に、ユーザーの指定に基づいて、比較範囲情報取得部304は「1」という規定管理番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得する。なお、範囲に関する情報は日時を示す情報に限られず、ユーザーの指示に応じて、比較範囲情報取得部304は、版情報1から版情報2、という版情報で表された比較範囲情報を取得してもよい。
【0044】
規定差分情報抽出部305は、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報に基づいて、規定管理情報保持部302が保持する規定管理情報の差分を抽出する。例えば、比較範囲が日時で表される場合、規定差分情報抽出部305は、当該比較範囲で表される期間の間に更新された規定管理情報の最も古い版と、最も新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。また、例えば、比較範囲が版情報で表される場合は、規定差分情報抽出部305は、当該版情報が表す古い版と、新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。
【0045】
具体的には、例えば、規定管理情報保持部302が
図6の示す規定管理情報の一覧を保持し、比較範囲情報取得部304が「1」という規定管理番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得した場合について説明する。この場合、規定差分情報抽出部305は、「1」という規定管理番号について、2013/5/1から2013/9/1の間に「1」及び「2」という版情報を有する規定管理情報が更新されているため、当該2つの規定管理情報の差分を抽出する。従って、規定差分情報抽出部305は、「1」という規定番号の「構成要素3」に含まれる「部内チェック」、「2」という規定番号の「構成要素3」に含まれる「同意書」、及び「3」という規定番号の「構成要素1」に含まれる「部内チェック」と「構成要素2」に含まれる「同意書」を抽出する。
【0046】
なお、「2」という版番号の、「3」という規定番号の構成要素2には「上長」、「内容」、「確認」といった各単語も含まれているが、本実施例では説明の都合上、「部内チェック」と「同意書」のみ抽出対象としている。また、版番号2の「3」という規定番号の構成要素3には何も記述されていないので、本実施例では差分の抽出対象とはしていない。ただし、規定差分情報抽出部305は、これらの情報も差分情報として抽出しても構わない。
【0047】
なお、上記例では、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報と、規定管理情報保持部302が保持する更新日情報が一致する場合について説明したが、一致していなくてもよい。一致していない場合、規定差分情報抽出部305は、当該比較範囲で表される期間の間に更新された規定管理情報の最も古い版と、最も新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。また、比較範囲で表される期間の間に更新された規定管理情報が1以下である場合、規定差分情報抽出部305は、何も抽出しない。
【0048】
業務差分情報抽出部306は、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報に基づいて、業務定義情報保持部303が保持する業務定義情報の差分を抽出する。例えば、比較範囲が日時で表される場合、業務差分情報抽出部306は、当該比較範囲で表される期間の間に更新された業務定義情報の最も古い版と、最も新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。また、例えば、比較範囲が版情報で表される場合は、業務差分情報抽出部306は、当該版情報が表す古い版と、新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。
【0049】
具体的には、例えば、業務定義情報保持部303が
図8の示す業務定義情報の一覧を保持し、比較範囲情報取得部304が「1」という業務定義番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得した場合について説明する。この場合、業務差分情報抽出部306は、「1」という業務定義番号について、2013/5/1から2013/9/1の間に「1」及び「2」という版情報を有する業務定義情報が更新されているため、当該2つの業務定義情報の差分を抽出する。従って、業務差分情報抽出部306は、「1」という作業番号の「構成要素3」に含まれる「同意書」と「2」という作業番号に含まれる「部内チェック」を抽出する。
【0050】
なお、上記例では、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報と、規定管理情報保持部302が保持する更新日情報が一致する場合について説明したが、一致していなくてもよい。一致していない場合、業務差分情報抽出部306は、当該比較範囲で表される期間の間に更新された業務定義情報の最も古い版と、最も新しい版の各構成要素に含まれる差分を抽出する。また、比較範囲で表される期間の間に更新された業務定義情報が1以下である場合、業務差分情報抽出部306は、何も抽出しない。
【0051】
変更情報抽出部307は、規定差分情報抽出部305及び業務差分情報抽出部306が抽出した差分情報に基づいて変更された情報(以下、変更情報)を抽出する。例えば、規定差分情報抽出部305が抽出した差分情報と、業務差分情報抽出部306が抽出した差分情報の少なくとも一方に含まれる差分情報を変更情報として抽出する。具体的には、上記例では、変更情報抽出部307は、「部内チェック」、及び、「同意書」という変更情報を抽出する。なお、変更情報抽出部307は、差分情報と同じ単語を変更情報として抽出するのに限られず、いわゆる形態素解析技術を用いて、差分情報から抜き出した単語、もしくは差分情報を分割した単語を変更情報として抽出してもよい。
【0052】
類似度算出部308は、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報が表す期間の間に更新された規定管理情報に含まれる各規定情報と、当該期間の間に更新された業務定義情報に含まれる各作業情報の各組み合わせに応じた、各規定情報と各作業情報の類似度を算出する。例えば、規定管理情報が規定情報1乃至3を含み、業務定義情報が作業情報1及び2を含む場合、類似度算出部308は規定情報1乃至3のそれぞれと、作業情報1及び2それぞれの類似度、即ち6通りの類似度を算出する。具体例として、類似度算出部308が、下記のような構成を有する場合について説明する。
図3に示すように、類似度算出部308は、規定差分ベクトル生成部311と、業務差分ベクトル生成部312と、重み付け情報保持部313と、演算部314と、類似度保持部315を有する。
【0053】
規定差分ベクトル生成部311は、規定管理情報に含まれる各構成要素の数を次元とし、比較範囲情報で表される期間の間に更新された規定管理情報の中に、変更情報抽出部307が抽出した変更情報が当該各構成要素に含まれる数を各次元の値として、各規定情報について変更情報毎に規定差分ベクトルを生成する。具体的には、例えば、規定管理番号が「x」、規定番号が「y」、変更情報が「z」、構成要素1乃至3に含まれる変更情報の頻度がそれぞれ「m1,m2,m3」である場合、規定差分ベクトル生成部311は、Rxyz=(m1,m2,m3)という規定差分ベクトルを生成する。
【0054】
より具体的には、例えば、規定管理情報保持部302が
図6に示す規定管理情報の一覧を保持し、比較範囲情報取得部304が「1」という規定管理番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得し、変更情報抽出部307が、「部内チェック」、及び、「同意書」という変更情報を抽出した場合について説明する。この場合、「1」という規定管理番号を有し、「1」という規定番号を有する規定情報は、構成要素3に「部内チェック」という変更情報を1つ含むため、当該規定情報に対して部内チェックという変更情報に関する規定差分ベクトルとして、規定差分ベクトル生成部311は、R11部内チェック=(0,0,1)という規定差分ベクトルを生成する。同様に、規定差分ベクトル生成部311は、R12部内チェック=(0,0,0)、R13部内チェック=(1,0,0)、R11同意書=(0,0,0)、R12同意書=(0,0,1)、及び、R13同意書=(0,1,0)という6つの規定差分ベクトルを生成する。
【0055】
なお、規定差分ベクトル生成部311は、上記のような規定差分ベクトルを生成する場合に限られない。例えば、規定差分ベクトル生成部311は、各構成要素の数を次元とし、当該各構成要素に含まれる変更情報の増減値を正負の情報を含めて各次元の値として、規定差分ベクトルを生成するように構成してもよい。
【0056】
業務差分ベクトル生成部312は、業務定義情報に含まれる各構成要素の数を次元とし、比較範囲情報で表される期間の間に更新された業務定義情報の中に、変更情報抽出部307が抽出した変更情報が当該各構成要素に含まれる数を各次元の値として、各作業情報について変更情報毎に業務差分ベクトルを生成する。具体的には、例えば、業務定義番号が「x」、作業番号が「y」、変更情報が「z」、構成要素1乃至3に含まれる変更情報の頻度がそれぞれ「n1,n2,n3」である場合、業務差分ベクトル生成部312は、Pxyz=(n1,n2,n3)という業務差分ベクトルを生成する。
【0057】
より具体的には、例えば、業務定義情報保持部303が
図8に示す業務定義情報の一覧を保持し、比較範囲情報取得部304が「1」という業務定義番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得し、変更情報抽出部307が、「部内チェック」、及び、「同意書」という変更情報を抽出した場合について説明する。この場合、「1」という業務定義番号を有し、「1」という作業番号を有する作業情報は、いずれの構成要素にも「部内チェック」という変更情報を含まないため、当該作業情報に対して部内チェックという変更情報に関する業務差分ベクトルとして、業務差分ベクトル生成部312は、P11部内チェック=(0,0,0)という業務差分ベクトルを生成する。同様に、業務差分ベクトル生成部312は、P12部内チェック=(1,0,0)、P11同意書=(0,0,1)、及び、P12同意書=(0,0,0)という4つの業務差分ベクトルを生成する。
【0058】
なお、業務差分ベクトル生成部312は、上記のような業務差分ベクトルを生成する場合に限られない。例えば、業務差分ベクトル生成部312は、各構成要素の数を次元とし、当該各構成要素に含まれる変更情報の増減値を正負の情報を含めて各次元の値として、業務差分ベクトルを生成するように構成してもよい。
【0059】
重み付け情報保持部313は、あらかじめ設定された、規定情報に含まれる各々の構成要素と、作業情報に含まれる各々の構成要素の組み合わせ毎に重み付け情報を保持する。具体的には、例えば、
図10に示すように、重み付け情報保持部313は、作業情報の構成要素1乃至3と、規定情報の構成要素1乃至3と、の9通りの組み合わせについて、関連性の大きさを表す重み付け情報を有する。この場合、例えば、作業情報の構成要素1と、規定情報の構成要素1の関連性の大きさは1.0で表され、作業情報の構成要素2と、規定情報の構成要素2の関連性の大きさは0.2で表される。なお、ここでは、関連性の大きさを表す数値が大きいほど当該構成要素同士の関連性が大きいことを表している。また、
図10では3行3列である重み付け情報を例示したが、重み付け情報の行及び列の数は規定管理情報保持部302または業務定義情報保持部303が保持する各規定情報または各作業情報に含まれる構成要素の数に応じたものであってもよい。
【0060】
演算部314は、規定差分ベクトル、業務差分ベクトル、及び、重み付け情報に基づいて、各規定情報と各作業情報の組み合わせ毎に、各規定情報と各作業情報の類似度を演算する。例えば、演算部314は、変更情報毎に、規定差分ベクトルの各次元と業務差分ベクトルの各次元の全ての組み合わせについて乗算し、さらに、対応する重み付け情報の値を乗算した結果を合計して値を類似度として演算する。すなわち、規定情報の構成要素の数をi、作業情報の構成要素の数をjとし、Rxyz=(m1,m2,・・・,mi)、Pxyz=(n1,n2,・・・,nj)、重み付け情報=w(i,j)である場合、演算部314は、変更情報毎に、Σ(mi×nj×w(i,j))の値を計算し、各変更情報における計算結果の合計値を類似度として演算する。
【0061】
具体的には、例えば、規定差分ベクトル生成部311及び業務差分ベクトル生成部312が上記のような各ベクトルを生成し、重み付け情報保持部313が、
図10に示す重み付け情報を保持する場合について説明する。この場合、「1」という規定番号を有する規定情報と、「1」という作業番号を有する作業情報の類似度は、R11部内チェック、P11部内チェック、及び、重み付け情報に基づく上記計算結果と、R11同意書、P11同意書、及び、重み付け情報に基づく上記計算結果、の合計が類似度となる。ここで、上記の例では、各ベクトルは、R11部内チェック=(0,0,1)、P11部内チェック=(0,0,0)、R11同意書=(0,0,0)、P11同意書=(0,0,1)であり、重み付け情報は、
図10に示す表で表される情報である。これらの数値を上記の計算式に当てはめると、計算結果は0となる。従って、演算部314は、「1」という規定番号を有する規定情報と、「1」という作業番号を有する作業情報の類似度が0であると演算する。
【0062】
また、「2」という規定番号を有する規定情報と、「1」という作業番号を有する作業情報の類似度は、R12部内チェック、P11部内チェック、及び、重み付け情報に基づく上記計算結果と、R12同意書、P11同意書、重み付け情報に基づく上記計算結果、の合計が類似度となる。ここで、上記の例では、各ベクトルは、R12部内チェック=(0,0,0)、P11部内チェック=(0,0,0)、R12同意書=(0,0,1)、P11同意書=(0,0,1)であり、重み付け情報は、
図10に示す表で表される情報である。これらの数値を上記の計算式に当てはめると、計算結果は1.0となる。従って、演算部314は、「2」という規定番号を有する規定情報と、「1」という作業番号を有する作業情報の類似度が1.0であると演算する。同様に、演算部314は、各規定情報と各作業情報との類似度を演算し、
図11に示すような類似度を演算する。
【0063】
なお、演算部314が行う演算方法は、上記演算方法に限られず、その他の演算方法であってもよい。例えば、演算部314は、変更情報毎に、規定差分ベクトルの各次元と業務差分ベクトルの内積を計算し、各変更情報における計算結果の合計値を類似度として演算するように構成してもよい。具体的には、上記の例では、演算部314は、変更情報毎に、Σ(mi・nj)の値を計算し、各変更情報における計算結果の合計値を類似度として演算してもよい。
【0064】
また、例えば、演算部314が、規定差分ベクトルと業務差分ベクトルの2つのベクトルで表される間の角度を類似度として演算するように構成してもよい。具体的には、上記の例のように、規定差分ベクトルと業務差分ベクトルがそれぞれ、Rxyz=(m1,m2,・・・,mi)、Pxyz=(n1,n2,・・・,nj)である場合、演算部314は、Rxyz・Pxyz/|Rxyz|・|Pxyz|の計算結果を類似度として演算するように構成してもよい。
【0065】
類似度保持部315は、演算部314が演算した類似度を、各規定情報及び各作業情報と関連付けて保持する。具体的には、類似度保持部315は、
図11に示すような類似度を保持する。
【0066】
選択部309は、類似度保持部315が保持する類似度の中から、類似度に基づいて、作業番号ごと規定番号を選択、または、規定番号ごとに作業番号を選択する。具体的には、例えば、選択部309は、類似度保持部315が保持する類似度の中から、作業番号ごとに最も高い類似度を有する規定番号を選択する。より具体的には、例えば、類似度保持部315が
図11に示す類似度を保持する場合、選択部309は、作業番号1と最も類似度が高い規定番号として規定番号2を選択し、作業番号2と最も類似度が高い規定番号として規定番号3を選択する。なお、選択部309は、類似度保持部315が保持する類似度の中から、規定番号ごとに最も高い類似度を有する作業番号を選択してもよい。
【0067】
通知部310は、変更情報抽出部307が何らかの変更情報を抽出した場合、選択部309が選択した規定番号または作業番号をユーザーに通知し、変更情報抽出部307が何ら変更情報を抽出しなかった場合、ユーザーが指定した比較範囲情報で表される期間もしくは版の間に規定管理情報及び業務定義情報の更新がなかった旨を通知する。具体的には、上記例では、通知部310は、ユーザーに対して、作業番号1と最も類似度が高い規定番号として規定番号2を通知し、作業番号2と最も類似度が高い規定番号として規定番号3を通知する。なお、通知部310は、文書管理装置101が有する表示部205に表示することによってユーザーに通知してもよいし、その他の方法によってユーザーに通知してもよい。
【0068】
図12は、本発明の実施の形態における文書管理装置101が行う処理フローである。なお、下記のフローは一例であって、本実施の形態はこれに限定されるものではない。また、下記においては、規定管理情報保持部302は、
図6に示す規定管理情報を保持し、業務定義情報保持部303は、
図8に示す規定関連情報を保持し、重み付け情報保持部313は、
図10に示す重み付け情報を保持しているとして説明する。
【0069】
まず、比較範囲情報取得部304は、規定管理情報または業務定義情報を識別する情報、及び、比較範囲情報を取得する(S1201)。具体例として、比較範囲情報取得部304は、ユーザーの指定に基づいて、比較範囲情報取得部304は「1」という規定管理番号と、2013/5/1から2013/9/1という比較範囲情報を取得したとして以下の説明を行う。
【0070】
次に、規定差分情報抽出部305は、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報に基づいて、規定管理情報保持部302が保持する規定管理情報の差分を抽出する(S1202)。上記具体例では、規定差分情報抽出部305は、「1」という規定番号の「構成要素3」に含まれる「部内チェック」、及び、「2」という規定番号の「構成要素3」に含まれる「同意書」を抽出する。
【0071】
次に、業務差分情報抽出部306は、比較範囲情報取得部304が取得した比較範囲情報に基づいて、業務定義情報保持部303が保持する業務定義情報の差分を抽出する(S1203)。上記具体例では、業務差分情報抽出部306は、「1」という作業番号の「構成要素3」に含まれる「同意書」を抽出する。
【0072】
次に、変更情報抽出部307は、規定差分情報抽出部305及び業務差分情報抽出部306が抽出した差分情報に基づいて変更情報を抽出する(S1204)。上記具体例では、変更情報抽出部307は、「部内チェック」、及び、「同意書」という変更情報を抽出する。
【0073】
次に、変更情報抽出部307が何らかの変更情報を抽出したか否かによってフローは分岐する(S1205)。変更情報抽出部307が何らかの変更情報を抽出した場合はS1207へ進み、変更情報抽出部307が何ら変更情報を抽出しなかった場合はS1206へ進む。上記具体例では、変更情報抽出部307は、「部内チェック」、及び、「同意書」という変更情報を抽出しているため、S1207へ進む。
【0074】
変更情報抽出部307が何ら変更情報を抽出しなかった場合は、通知部310は、ユーザーが指定した比較範囲情報で表される期間もしくは版の間に規定管理情報及び業務定義情報の更新がなかった旨を通知する(S1206)。
【0075】
一方、変更情報抽出部307が変更情報を抽出した場合は、規定差分ベクトル生成部311は、規定管理情報が保持する各規定管理情報と、比較範囲情報等に基づいて、各規定情報について変更情報毎に規定差分ベクトルを生成する(S1207)。上記具体例では、規定差分ベクトル生成部311は、R11部内チェック=(0,0,1)、R12部内チェック=(0,0,0)、R13部内チェック=(1,0,0)、R11同意書=(0,0,0)、R12同意書=(0,0,1)、及び、R13同意書=(0,1,0)という6つの規定差分ベクトルを生成する。
【0076】
次に、業務差分ベクトル生成部312は、業務定義情報が保持する各業務定義情報と、比較範囲情報等に基づいて、各作業情報について変更情報毎に業務差分ベクトルを生成する(S1208)。上記具体例では、業務差分ベクトル生成部312は、P11部内チェック=(0,0,0)、P12部内チェック=(1,0,0)、P11同意書=(0,0,1)、及び、P12同意書=(0,0,0)という4つの業務差分ベクトルを生成する。
【0077】
次に、演算部314は、規定差分情報ベクトル生成部が生成した規定差分ベクトルと、業務差分ベクトル生成部312が生成した業務差分ベクトルと、重み付け情報保持部313が保持する重み付け情報に基づいて、各規定情報と各作業情報の類似度を演算する(S1209)。上記具体例では、演算部314は、
図11に示すような類似度を演算する。
【0078】
次に、選択部309は、類似度保持部315が保持する類似度の中から、作業番号ごとに最も高い類似度を有する規定番号を選択する(S1210)。上記具体例では、択部は、作業番号1と最も類似度が高い規定番号として規定番号2を選択し、作業番号2と最も類似度が高い規定番号として規定番号3を選択する。
【0079】
次に、通知部310は、選択部309が選択した規定番号または作業番号をユーザーに通知する(S1211)。上記具体例では、通知部310は、ユーザーに対して、作業番号1と最も類似度が高い規定番号として規定番号2を通知し、作業番号2と最も類似度が高い規定番号として規定番号3を通知する。
【0080】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記の実施形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成する構成で置き換えてもよい。具体的には、例えば、上記文書管理装置101の構成やフローは一例であって、これに限定されるものではない。