特許第6124093号(P6124093)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6124093ポンプ式高圧蒸気システム及びその蒸気と圧力の供給方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124093
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】ポンプ式高圧蒸気システム及びその蒸気と圧力の供給方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 3/04 20060101AFI20170424BHJP
   F24J 2/42 20060101ALI20170424BHJP
   F22B 3/06 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   F22B3/04
   F24J2/42 F
   F22B3/06
【請求項の数】10
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-561920(P2015-561920)
(86)(22)【出願日】2014年2月11日
(65)【公表番号】特表2016-515189(P2016-515189A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】CN2014071958
(87)【国際公開番号】WO2015120573
(87)【国際公開日】20150820
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】515012882
【氏名又は名称】劉 凱
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】劉 凱
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−333103(JP,A)
【文献】 実開昭63−044012(JP,U)
【文献】 特開昭56−108009(JP,A)
【文献】 特開2001−269960(JP,A)
【文献】 特開2006−308137(JP,A)
【文献】 特開2007−009242(JP,A)
【文献】 特開2013−094710(JP,A)
【文献】 再公表特許第2010/070703(JP,A1)
【文献】 特開2009−241027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F22B 3/04
F22B 3/06
F24J 2/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路によって、高圧蒸気釜、圧縮機及び蒸気供給装置における貯水容器を閉鎖循環式の高圧蒸気システムに接続すること
加熱装置によって前記貯水容器を加熱し、且つ前記圧縮機を利用して前記貯水容器を減圧して蒸気を得ると同時に、前記貯水容器内の蒸気を加圧して前記高圧蒸気釜内に汲み込むこと
蒸気を前記高圧蒸気釜内で高圧蒸気養生材料に作用させ凝縮して放熱し、凝縮水を水槽を経由することにより不純物を沈殿させたのち、前記凝縮水を前記貯水容器に還流させて循環的に利用することを含むこと、および
前記貯水容器と前記圧縮機の間に切換弁を配置して空気の送出を可能にすることにより前記高圧蒸気釜の温度を調整し、前記圧縮機と前記高圧蒸気釜の間に流量制御弁を配置して前記高圧蒸気釜の圧力を調整すること、を特徴とする高圧蒸気養生に用いられるポンプ式高圧蒸気システムにおける蒸気及び圧力の供給方法。
【請求項2】
前記高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体における空気と蒸気の比率を制御することにより、前記高圧蒸気釜内の温度を調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体の流速を制御することにより、前記高圧蒸気釜内の圧力を調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
高圧蒸気釜、
前記高圧蒸気釜に管路によって密閉した循環経路に接続する貯水容器と前記貯水容器を加熱するための加熱装置とを含む蒸気供給装置、
入口が前記貯水容器の蒸気出力口に接続され、出口が前記高圧蒸気釜の蒸気入力口に接続し、前記高圧蒸気釜の凝縮水の排出口が、凝縮水中の不純物を沈殿するための水槽を経由して前記貯水容器に接続する圧縮機、
前記貯水容器と前記圧縮機の間に配置される、空気の送出を可能にすることにより前記高圧蒸気釜の温度を調整するための切換弁、及び
前記圧縮機と前記高圧蒸気釜の間に配置される、前記高圧蒸気釜の圧力を調整するための流量制御弁、を含むことを特徴とする高圧蒸気養生に用いられるポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項5】
前記圧縮機の入口に切換弁が設けられ、前記切換弁の第一入口が第一管路によって前記貯水容器に接続し、前記切換弁の第二入口が大気に接続することを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項6】
前記圧縮機の出口が第二管路によって前記高圧蒸気釜の蒸気入口に接続し、前記第二管路に流量制御弁が設けられることを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項7】
前記加熱装置が太陽エネルギ、地中熱エネルギ、水熱エネルギ、空気熱エネルギ又は工業、生活余熱をエネルギとして用いることを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項8】
前記凝縮水の排出口が第三管路によって前記水槽に接続し、前記水槽の底部に汚水排出管が設けられ、前記貯水容器が第四管路によって前記水槽の上部に接続することを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項9】
前記高圧蒸気釜に前記高圧蒸気釜内の最高圧力を制御するための安全弁が設けられることを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【請求項10】
さらに前記貯水容器に水を補給するための水補給管が設けられることを特徴とする請求項4に記載のポンプ式高圧蒸気システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高圧蒸気システムに関し、具体的にはポンプ式高圧蒸気システム及びその蒸気と圧力の供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧蒸気システムは主に高圧蒸気釜、蒸気供給装置及び安全制御装置からなる。その用途は非常に広く、気泡コンクリートブロック、石炭灰煉瓦、微細孔ケイ酸カルシウム板、新規軽量壁材、絶縁アスベスト基板、高強度プラスター等の建材の高圧蒸気養生に大量適用し、高圧蒸気釜内でCaO−Si02−H2Oの水熱反応を完成する。同時にさらにゴム製品、木材乾燥及び防腐処理、重金属製錬、耐火煉瓦注油浸炭、複合ガラス蒸気養生、化学繊維製品の高圧処理、食品缶詰の高温高圧処理、パルプ蒸解、ケーブル加硫、魚網成形及び化学、製薬、航空宇宙産業、保温材、織物工業、軍需産業などの圧力蒸気養生生産プロセスを必要とする生産項目に広く適用する。
【0003】
従来構造の高圧蒸気システムについては、蒸気供給装置の動作原理はボイラ蒸解法であり、すなわち水を加熱することで膨張する水蒸気を得て高圧蒸気釜に蒸気及び圧力を供給する。この膨張加圧の過程は大量のエネルギを消費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は高圧蒸気システムにおいてボイラ蒸解法を用いて蒸気及び圧力を供給するためエネルギ消費量が大きく大気汚染を引き起こすという問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、
管路によって高圧蒸気釜、圧縮機及び蒸気供給装置の貯水容器を閉鎖循環式の高圧蒸気システムに接続すること、
加熱装置によって貯水容器を加熱し、且つ圧縮機を利用して貯水容器を減圧して蒸気を得ると同時に、貯水容器内の蒸気を加圧して高圧蒸気釜内に汲み込むこと、
蒸気は高圧蒸気釜内で高圧蒸気養生材料に作用して凝縮して放熱し、凝縮水が貯水容器に還流して循環的に利用すること、を含むポンプ式高圧蒸気システムにおける蒸気及び圧力の供給方法を提供する。
【0006】
上記方法では、高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体における空気と蒸気の比率を制御することにより、高圧蒸気釜内の温度を調整する。
【0007】
上記方法では、高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体の流速を制御することにより、高圧蒸気釜内の圧力を調整する。
【0008】
本発明は高圧蒸気釜及び前記高圧蒸気釜と管路によって閉鎖した循環経路に接続する貯水容器と、前記貯水容器を加熱するための加熱装置とを含む蒸気供給装置を含み、さらに入口が前記貯水容器に接続し、出口が前記高圧蒸気釜の蒸気入口に接続し、前記高圧蒸気釜の凝縮水の排出口が前記貯水容器に接続する圧縮機を含むポンプ式高圧蒸気システムをさらに提供する。
【0009】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、前記圧縮機の入口に切換弁が設けられ、前記切換弁の第一入口は第一管路によって前記貯水容器に接続し、前記切換弁の第二入口は大気に接続する。
【0010】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、前記圧縮機の出口は第二管路によって前記高圧蒸気釜の蒸気入口に接続し、前記第二管路に流量制御弁が設けられる。
【0011】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、前記加熱装置は太陽エネルギ、地中熱エネルギ、水熱エネルギ、空気熱エネルギ又は工業、生活余熱をエネルギとして用いる。
【0012】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、前記凝縮水の排出口は第三管路によって水槽に接続し、前記水槽の底部に汚水排出管が設けられ、前記貯水容器は第四管路によって前記水槽の上部に接続する。
【0013】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、前記高圧蒸気釜に安全弁が設けられ、前記高圧蒸気釜内の最高圧力を制御するために用いられる。
【0014】
上記ポンプ式高圧蒸気システムにおいて、さらに水補給管が設けられ、前記貯水容器に水を補給するために用いられる。
【0015】
本発明は、圧縮機を用いて中低温水源を減圧して蒸気を得て、且つそれを高圧蒸気釜に汲み込み、凝縮して放熱し、対応する温度と圧力を得る。本発明は自然界や工業、生活余熱における大量且つ安価に入手できる中低温熱源を十分に活用することで高圧蒸気システムに必要な高温、蒸気及び圧力を供給できるため、これによりエネルギを節約する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のポンプ式高圧蒸気システム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明はポンプ式高圧蒸気システム及びその蒸気と圧力の供給方法を提供し、該技術的解決手段において、管路によって高圧蒸気釜、圧縮機及び蒸気供給装置における貯水容器を閉鎖した循環経路に接続し、さらに閉鎖した循環システムを形成し、圧縮機を利用して貯水容器を減圧して蒸気を得ると同時に、蒸気を加圧して高圧蒸気釜内に汲み込み、高圧蒸気釜に蒸気と圧力を供給する。本発明は自然界や工業、生活余熱における大量且つ安価に入手できる中低温熱源を十分に活用することで高圧蒸気システムに必要な高温、蒸気及び圧力を供給できるため、これによりエネルギを節約する。以下、具体的な実施例及び添付の図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、本発明のポンプ式高圧蒸気システムは、高圧蒸気釜10、貯水容器21と貯水容器21を加熱するための加熱装置22とを含む蒸気供給装置及び圧縮機30を含む。そのうち高圧蒸気釜10、貯水容器21と圧縮機30は管路によって密閉した循環経路システムに接続し、加熱装置22は通常の燃料、電気エネルギ又は太陽エネルギ、地中熱エネルギ、水熱エネルギ、空気熱エネルギ等の自然界熱エネルギ又は工業、生活余熱等を用いることができる。
【0019】
圧縮機30の入口に切換弁31が設けられ、切換弁31の出口が圧縮機30の入口に接続され、切換弁31の第一入口が第一管路32によって貯水容器21に接続され、切換弁31の第二入口が外気と連通し、圧縮機30の出口が第二管路33によって高圧蒸気釜10の蒸気入口に接続し、第二管路33に流量制御弁34が設けられる。高圧蒸気釜10内に温度センサ11及び圧力センサ22が設けられ、温度センサ11及び圧力センサ12が高圧蒸気釜10の内部温度と圧力を持続的に検出し、温度センサ11と圧力センサ12の検出信号に基づき、切換弁31及び流量制御弁34によって高圧蒸気釜10内の温度及び圧力を調整することができる。切換弁31によって選択的に圧縮機30を貯水容器21に連通させ又は直接大気に連通させることができ、これにより高圧蒸気釜10に蒸気又は空気を選択的に送出し、流量制御弁34によって第二管路34内の流体の流速を制御できる。高圧蒸気釜10の凝縮水排出口が第三管路41によって水槽40に接続し、水槽40の底部に汚水排出管42が設けられ、汚水排出管42に開閉弁43が設けられ、貯水容器21が第四管路44によって水槽40の上部に接続する。水槽40の作用は凝縮水の不純物を沈殿することである。本発明はさらに水補給管23を設け、装置運転中に消費される水分を補充し、水補給管23を貯水容器21に設置することができる。
【0020】
圧縮機30はまたインバータ圧縮機を用いて流体の流量と圧力を制御することができる。
【0021】
本発明の動作原理については、以下のとおりである。
【0022】
(1)圧縮機を利用して貯水容器を減圧し、さらに加熱装置によって貯水容器を加熱し、これにより蒸気を得て、貯水容器の内部が負圧状態であるため、従って、水の沸点が大幅に低下し、これにより中低温の熱源を利用し、少ないエネルギで蒸気を迅速に得ることができる。
【0023】
(2)蒸気は圧縮機によって高圧蒸気釜内に汲み込み、且つ高圧蒸気釜内で反応に参与し、凝縮して放熱し、熱量含有の凝縮水が貯水容器内に還流して継続的に循環に参与し、放熱を継続し、凝縮水に多量の熱を担持するため、従って、再び生成する蒸気に必要なエネルギが小さく、エネルギ利用率が高い。
【0024】
本発明は自然界や工業、生活余熱における大量且つ安価に入手できる中低温熱源を十分に活用することで高圧蒸気システムに必要な高温、蒸気及び圧力を供給できるため、これによりエネルギを節約する。
【0025】
また、本発明は完備な保護制御装置を提供し、具体的には、以下のとおりである。
【0026】
(1)高圧蒸気釜10内部の温度が設定値より低い場合、切換弁31を貯水容器21に連通するように切り換え、そこで貯水容器21内の蒸気が高圧蒸気釜10に連続的に進入し、高圧蒸気釜10内の温度が上昇する。
【0027】
(2)高圧蒸気釜10内部の温度が設定値より高い場合、切換弁31を大気に連通するように切り換え、そこで圧縮機30は高圧蒸気釜10に空気を送出するが蒸気を送出せず、そこで高圧蒸気釜10内の温度が上昇しない。
【0028】
(3)高圧蒸気釜10内部の圧力が設定値より低い場合、流量制御弁34の開度を増大し、高圧蒸気釜10の吸気量を増加させ、これにより高圧蒸気釜10内の圧力を向上させる。
【0029】
(4)高圧蒸気釜10内部の圧力が設定値より高い場合、流量制御弁34の開度を減少し、高圧蒸気釜10の吸気量を減少させ、これにより高圧蒸気釜10内の圧力を低下させる。
【0030】
上記切換弁31と流量制御弁34は制御ユニットによって自動的に制御し、すなわち、温度センサ11と圧力センサ12は連続的に高圧蒸気釜10内部の温度と圧力を制御ユニットに送信し、制御ユニットは高圧蒸気釜10内部の温度と圧力に基づいて対応する制御信号を切換弁31と流量制御弁34に出力する。
【0031】
高圧蒸気釜10にさらに減圧弁13が設けられ、高圧蒸気釜10内部の圧力が瞬時に増大する際に、減圧弁13が自動的に開き、高圧蒸気釜10内の蒸気を排出して高圧蒸気釜10の安全運転を確保する。
【0032】
なお、減圧弁13は、さらに制御ユニットによって自動的に制御し、高圧蒸気釜10内の温度又は圧力が一定時間(例えば2分間、ユーザは必要に応じて設定できる)内で常時設定値を超えると、制御ユニットから制御信号を発し、減圧弁13を開き、高圧蒸気釜10内のガス蒸気を排出し、高圧蒸気釜10内の温度及び圧力を低下させるという目的を達成し、さらに高圧蒸気釜10の安全運転を確保する。
【0033】
上記ポンプ式高圧蒸気システムの説明により、本発明はさらにポンプ式高圧蒸気システムにおける蒸気及び圧力の供給方法を提供する。
【0034】
管路によって高圧蒸気釜、圧縮機及び蒸気供給装置における貯水容器を閉鎖循環式の高圧蒸気システムに接続する。
【0035】
加熱装置によって貯水容器を加熱し、且つ圧縮機を利用して貯水容器を減圧して蒸気を得ると同時に、貯水容器内の蒸気を加圧して高圧蒸気釜内に汲み込む。
【0036】
蒸気は高圧蒸気釜内で高圧蒸気養生材料に作用して凝縮して放熱し、凝縮水が貯水容器に還流して循環的に利用する。
【0037】
上記方法では、高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体における空気と蒸気の比率を制御することにより、高圧蒸気釜内の温度を調整する。高圧蒸気釜内に汲み込んだ流体の流速を制御することにより、高圧蒸気釜内の圧力を調整する。
【0038】
以上説明したように、本発明のポンプ式高圧蒸気システム及びその高温蒸気と圧力の供給方法は、投入が低く、省エネルギで、経済的で、環境に優しいという特徴により実用性に優れる。従来のボイラ蒸解式方法に比べ、以下の顕著な利点を有する。
【0039】
(1)ヒートポンプシステムの内部環境利用を創造的に開始し、高圧蒸気釜内部をヒートポンプシステムの凝縮部とし、ヒートポンプシステムの内部環境で高圧蒸気釜に必要な温度と圧力を得る。この過程で、ヒートポンプシステムの内部環境における冷媒(水/水蒸気)と被作用物質(製品)が直接接触し、熱伝達又は化学反応を行い、効率を大幅に向上させる。
【0040】
(2)本発明は蒸気を獲得し且つ高圧蒸気分野に応用する方法を提供する。従来のボイラ蒸解法は水を加熱することで膨張する水蒸気を得て高圧蒸気釜に蒸気と圧力を供給し、該膨張加圧の過程が多量のエネルギを消費する。一方、本発明は圧縮機を用いて低温水源を減圧して蒸気を得て、且つそれを高圧蒸気釜内に汲み込み、凝縮して放熱し、対応する温度と圧力を得る。自然界や工業、生活余熱における大量且つ安価に入手できる中低温熱源を十分に活用することで高圧蒸気システムに必要な高温、蒸気及び圧力を供給し、これによりエネルギを節約する。
【0041】
(3)従来のボイラ蒸解法から供給された温度と圧力とは相乗的で、温度や圧力の一方の条件を正確で迅速に単独で調整しにくい。一方、本発明の提供する手段は、必要に応じて温度や圧力のいずれの条件も個別に調整することができる。
【0042】
本発明は上記最適実施形態に限定されるものではなく、だれでも、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での種々な変形ができ、本発明と同一又は相当する技術的解決手段はすべて、本発明の範囲に属することが明らかである。
図1