特許第6124237号(P6124237)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124237
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法及び基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20170424BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20170424BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   G01N21/956 B
   H05K3/34 512B
   H05K13/08 Q
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-19124(P2012-19124)
(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-157568(P2013-157568A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年12月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】314006938
【氏名又は名称】JUKIオートメーションシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 義道
【審査官】 岡崎 克彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−147547(JP,A)
【文献】 特開平05−256619(JP,A)
【文献】 特開平10−332792(JP,A)
【文献】 特開平05−180779(JP,A)
【文献】 特開2011−114044(JP,A)
【文献】 特開2011−228377(JP,A)
【文献】 特開2005−061955(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/34
G01N 21/84−21/958
H05K 13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間の所定の位置に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第2の検査ヘッドによる検査が開始されるタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記第1及び前記第2の検査ヘッドの間の前記所定の位置に移動させ、前記第2の検査ヘッドによる検査が終了するタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記所定の位置から移動させる遮蔽部移動機構と
を具備する検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検査装置であって、さらに、
前記検査対象物が所定の検査位置に固定されるように前記検査対象物を下方から支持する支持機構と、前記支持機構を上下方向に移動させる移動機構とを具備し、
前記遮蔽部は、前記支持機構に設けられ、前記移動機構による前記支持機構の上下方向の移動に応じて前記上下方向に移動されることで、前記検査が開始されるタイミングに合わせて前記所定の位置へ移動され、前記検査が終了するタイミングに合わせて前記所定の位置から移動される
検査装置。
【請求項3】
検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第1の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を搬送方向に向けて搬送する第1の搬送機構と、前記第1の搬送機構と平行に配置され、前記第2の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を前記搬送方向に搬送する第2の搬送機構とを含む搬送機構と
を具備し、
前記第1の搬送機構及び前記第2の搬送機構は、前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする第1のガイドと、前記第1のガイドと平行に配置され、前記第1のガイドとともに前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする、他の搬送機構に近い側に位置する第2のガイドとをそれぞれ有し、
前記遮蔽部は、前記第1の搬送機構又は前記第2の搬送機構が有する前記第2のガイドに設けられる
検査装置。
【請求項4】
請求項3に記載の検査装置であって、
前記搬送方向に直交する方向に前記第2のガイドを移動させて、前記第2のガイドの位置を調整する調整機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記調整機構による前記第2のガイドの移動に応じて、前記搬送方向に直交する方向に移動される
検査装置。
【請求項5】
検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と、
前記検査対象物が所定の検査位置に固定されるように、前記検査対象物を下方から支持する支持機構と、
前記支持機構を上下方向に移動させる移動機構と
を具備し、
前記遮蔽部は、前記支持機構に設けられ、前記移動機構による支持機構の上下方向の移動に応じて、前記上下方向に移動される
検査装置。
【請求項6】
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の検査装置であって、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの移動による前記遮蔽部への衝突を防止する衝突防止機構と
をさらに具備する検査装置。
【請求項7】
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の検査装置であって、
前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に沿って配置される
検査装置。
【請求項8】
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の検査装置であって、
前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に直交する方向に沿って配置される
検査装置。
【請求項9】
検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間の所定の位置に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第2の検査ヘッドによる検査が開始されるタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記第1及び前記第2の検査ヘッドの間の前記所定の位置に移動させ、前記第2の検査ヘッドによる検査が終了するタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記所定の位置から移動させる遮蔽部移動機構と
を具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像を解析し、
前記画像に基づいて、前記検査対象物の良否を判定する
検査対象物の検査方法。
【請求項10】
基板に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記基板を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間の所定の位置に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と、
前記第2の検査ヘッドによる検査が開始されるタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記第1及び前記第2の検査ヘッドの間の前記所定の位置に移動させ、前記第2の検査ヘッドによる検査が終了するタイミングに合わせて前記遮蔽部を前記所定の位置から移動させる遮蔽部移動機構と
を具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像を解析し、
前記画像に基づいて、前記基板の良否を判定し
不良品と判定された前記基板を破棄し、良品と判定された前記基板を残す
基板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、クリーム半田が印刷された基板、電子部品が実装された基板、液晶ガラス基板等の各種の検査対象物を検査する検査装置などの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クリーム半田が印刷された基板、電子部品が実装された基板、液晶ガラス基板等の各種の検査対象物を撮像部により撮像して、検査対象物を検査する検査装置が広く知られている。このような検査装置において、検査対象物を効率よく検査するために、複数の検査ヘッドによって検査対象物を検査する方法が提案されている(下記特許文献1参照)。
【0003】
下記特許文献1に記載の複数ヘッド顕微鏡装置は、大型ガラス基板上でX軸方向にそれぞれ移動可能な2つのヘッドを備えている。この2つのヘッドは、照明光学系、結像光学系などの各種の光学系を含む光学ヘッドと、光学ヘッドに取り付けられたTVカメラとをそれぞれ含む。これらの2つのヘッドにより、同時に大型ガラス基板を撮像することができるため、検査効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−171057号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、検査ヘッドは、照明部によって検査対象物に光を照射し、照明部によって光が照射された検査対象物を撮像部によって撮像する構成とされている。従って、複数の検査ヘッドによって検査対象物を撮像しようとする場合、複数の検査ヘッドがそれぞれ有する各照明部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されてしまう場合がある(照明干渉)。これによって、検査対象物を検査するときの照明輝度が変化してしまい、検査対象物を正確に検査することができないといった問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、複数の検査ヘッドがそれぞれ有する各照明部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されてしまうこと(照明干渉)を防止することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術に係る検査装置は、第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、遮蔽部とを具備する。
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドは、検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する。
前記遮蔽部は、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する。
【0008】
この検査装置では、遮蔽部によって、第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されてしまうこと(照明干渉)を防止することができる。これにより、検査対象物を正確に検査することができる。
【0009】
上記検査装置は、搬送方向に向けて前記検査対象物を搬送する搬送機構をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記搬送機構に設けられてもよい。
【0010】
上記検査装置において、前記搬送機構は、前記第1の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を前記搬送方向に向けて搬送する第1の搬送機構と、前記第1の搬送機構と平行に配置され、前記第2の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を前記搬送方向に搬送する第2の搬送機構とを有していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記第1の搬送機構又は前記第2の搬送機構に設けられてもよい。
【0011】
上記検査装置において、前記第1の搬送機構及び前記第2の搬送機構は、前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする第1のガイドと、前記第1のガイドと平行に配置され、前記第1のガイドとともに前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする、他の搬送機構に近い側に位置する第2のガイドとをそれぞれ有していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記第1の搬送機構又は前記第2の搬送機構が有する前記第2のガイドに設けられてもよい。
【0012】
これにより、遮蔽部を適切な位置に配置することができる。
【0013】
上記検査装置は、前記搬送方向に直交する方向に前記第2のガイドを移動させて、前記第2のガイドの位置を調整する調整機構をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記調整機構による前記第2のガイドの移動に応じて、前記搬送方向に直交する方向に移動されてもよい。
【0014】
この検査装置では、遮蔽部が第2のガイドの移動に応じて移動されるため、第2のガイドの位置が調整されたときに、この調整に追従して遮蔽部を適切な位置に移動させることができる。
【0015】
上記検査装置は、前記検査対象物が所定の検査位置に固定されるように、検査対象物を下方から支持する支持機構をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記支持機構に設けられてもよい。
【0016】
上記検査装置は、前記支持機構を上下方向に移動させる移動機構をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記移動機構による支持機構の上下方向の移動に応じて、前記上下方向に移動されてもよい。
【0017】
上記検査装置において、前記遮蔽部は、前記第1の検査ヘッド又は第2の検査ヘッドに設けられてもよい。
【0018】
上記検査装置において、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドを移動させるヘッド移動機構をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記第1の検査ヘッド又は前記第2のヘッドの移動に応じて移動されてもよい。
【0019】
この検査装置では、遮蔽部が第1の検査ヘッド又は第2の検査ヘッドの移動に応じて移動するため、第1の検査ヘッド又は第2の検査ヘッドが移動したときに、この移動に追従して遮蔽部を適切な位置に移動させることができる。
【0020】
上記の検査装置は、検査装置本体をさらに具備していてもよい。この場合、前記遮蔽部は、前記検査装置本体に設けられてもよい。
【0021】
上記検査装置は、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの移動による前記遮蔽部への衝突を防止する衝突防止機構とをさらに具備していてもよい。
【0022】
これにより、第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドと、遮蔽部との衝突を防止することができる。
【0023】
上記検査装置において、前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に沿って配置されてもよい。
【0024】
上記検査装置において、前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に直交する方向に沿って配置されてもよい。
【0025】
本技術に係る検査方法は、検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部とを具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像が解析される。
前記画像に基づいて、前記検査対象物の良否が判定される。
【0026】
本技術に係る基板の製造方法は、基板に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記基板を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部とを具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像が解析される。
前記画像に基づいて、前記基板の良否が判定される。
不良品と判定された前記基板が破棄され、良品と判定された前記基板が残される。
【発明の効果】
【0027】
以上のように、本技術によれば、複数の検査ヘッドがそれぞれ有する各照明部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されてしまうこと(照明干渉)を防止することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本技術の第1実施形態に係る検査装置を示す側面図である。
図2】検査装置を示す上面図
図3】検査装置が有する搬送機構及び支持機構を示す拡大側面図である
図4】検査装置が有する調整機構を示す上面図である
図5】照明部から照射された光がどのような状態となるかを示す図である。
図6】遮蔽部が設けられていない場合(比較例)において、照明部から照射された光がどのような状態となるかを示す図である。
図7】本技術の第2実施形態に係る検査装置を示す側面図である。
図8】本技術の第3実施形態に係る検査装置を示す側面図である。
図9】遮蔽部が搬送方向に直交する方向に向けて配置された場合の一例を示す図である。
図10】遮蔽部が検査対象物の搬送方向に向かう方向に配置された遮蔽部と、搬送方向と直交する方向に向けて配置された遮蔽部との組み合わせにより構成された場合の一例を示す図である
図11】検査装置の遮蔽部のさらに別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0030】
<第1実施形態>
図1は、本技術の第1実施形態に係る検査装置100を示す側面図である。図2は、検査装置100を示す上面図である。図3は、検査装置100が有する搬送機構40及び支持機構50を示す拡大側面図である。図4は、検査装置100が有する調整機構60を示す上面図である。
【0031】
この検査装置100は、例えば、クリーム半田が印刷された基板、抵抗、コンデンサ、IC(Integrated Circuit)等の電子部品が実装された基板、液晶ガラス基板等の各種の検査対象物1を検査する検査装置100である。
【0032】
検査装置100は、例えば、照度差ステレオ法、レーザ光走査法、レーザ光切断法、位相シフト法、合焦法等の光学的方法を使用して、検査対象物1を3次元解析する検査装置100である。検査装置100は、検査対象物1を3次元解析する検査装置100に限られず、単純に検査対象物1を2次元解析する検査装置100であってもよい。
【0033】
図1乃至図4に示すように、検査装置100は、検査装置本体10と、検査装置本体10の内部に設けられ、検査対象物1を検査する2つの検査ヘッド20と、2つの検査ヘッド20を移動させるヘッド移動機構30とを備える。
【0034】
また、検査装置100は、検査対象物1を搬送する2つの搬送機構40と、検査対象物1を所定の検査位置に固定する2つの支持機構50とを備える(特に、図3参照)。また、検査装置100は、搬送機構40が有するガイド41の位置を検査対象物1の搬送方向に直交する方向(Y軸方向)で調整する調整機構60を備えている(特に、図4参照)。さらに、この検査装置100は、2つの検査ヘッド20の間に配置された遮蔽部70を備えている。
【0035】
本実施形態の説明において、2つの検査ヘッド20を区別する場合には、便宜的に、フロント側(図1において左側)の検査ヘッド20を第1の検査ヘッド20aと呼び、リア側(図1において右側)の検査ヘッド20を第2の検査ヘッド20bと呼ぶ。同様に、フロント側の搬送機構40を第1の搬送機構40aと呼び、リア側の搬送機構40を第2の搬送機構40bと呼ぶ。同様に、フロント側の支持機構50を第1の支持機構50aと呼び、リア側の支持機構50を第2の支持機構50bと呼ぶ。もちろん「第1」及び「第2」の文言が付されることにより、検査ヘッドや各機構が配置される位置が規定されるわけではない。


【0036】
なお、図示は省略しているが、検査装置100は、検査装置100の各部を統括的に制御するCPUなどの制御部と、制御部の作業領域として用いられる揮発性のメモリと、制御部の処理に必要な各種のプログラムが記憶される不揮発性のメモリを有している。上記各種プログラムは、半導体メモリや、光ディスクなどの可搬性の記録媒体から読み取られても構わない。
【0037】
検査装置本体10は、ベース11と、ベース11上に立設された側壁部12と、側壁部12上に設けられた天板13とを含む。
【0038】
2つの検査ヘッド20は、それぞれ、検査対象物1に光を照射する照明部21と、照明部21によって光が照射された検査対象物1を検査領域内で撮像する撮像部26と、検査対象物1の像を拡大、結像するレンズ部24とを含む。これらの各部は、上方から、撮像部26、レンズ部24、照明部21の順番で同心軸上に配置される。
【0039】
照明部21は、カバー部材22と、カバー部材22の内周面側に設けられた複数の光源23とを含む。カバー部材22は、下側に向かうに従って直径が徐々に大きくなる円錐筒形状とされ、その中央に光を通過させるための開口を有している。複数の光源23は、カバー部材22の内周面に、所定の間隔で環状に配置される。この環状の光源23は、上下方向に複数列に亘って配置される。図1に示す例では、環状の光源23が5列に配置された例が示されている。光源23としては、典型的には、LED(Light Emitting Diode)が用いられるが、ハロゲンランプ、キセノンランプなどが用いられてもよい。
【0040】
撮像部26は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの撮像素子を有しており、この撮像素子によって、検査対象物1を撮像する。
【0041】
レンズ部24は、検査対象物1の像を拡大する拡大レンズ、検査対象物1の像を撮像素子の撮像面に結像する結像レンズ等の各種のレンズと、これらの各種のレンズを内包する鏡筒25を含む。
【0042】
ヘッド移動機構30は、検査装置本体10の天板13の下側にY軸方向に向けて取り付けられた2本のY軸ビーム31と、2本のY軸ビーム31の下側にX軸方向に向けて取り付けられた2本のX軸ビーム32とを含む。X軸ビーム32は、Y軸ビーム31の下側において、Y軸ビーム31に対してY軸方向に移動可能に取り付けられており、図示しない移動機構(例えば、ボールネジ機構、ラックアンドピニオン等)の駆動によってY軸方向に移動される。
【0043】
ヘッド移動機構30は、2つのX軸ビーム32の下側にX軸方向に移動可能に取り付けられた2つのキャリッジ33を含む。この2つのキャリッジ33は、図示しない移動機構(例えば、ボールネジ機構、ラックアンドピニオン等)の駆動によってX軸方向に移動される。
【0044】
2つのキャリッジ33は、それぞれ、X軸ビーム32に取り付けられるキャリッジ本体34と、キャリッジ本体34に対して上下方向に移動可能に取り付けられた可動部35と、可動部35の下端側に取り付けられた保持部36とを有する。可動部35は、図示しない移動機構(例えば、ボールネジ機構、ラックアンドピニオン等)の駆動によって上下方向に移動される。保持部36は、環状に形成されており、その内周面が鏡筒25の外周面に固着されている。これにより、保持部36は、検査ヘッド20を保持している。
【0045】
検査ヘッド20は、Y軸ビーム31と、X軸ビーム32とによって、X−Y平面内で移動可能とされ、キャリッジ33の可動部35によって上下方向に移動可能とされる。なお、検査ヘッド20が移動される場合、検査ヘッド20の撮像部26、レンズ部24及び照明部21は、一体的に移動される。
【0046】
第1の搬送機構40aは、第1の検査ヘッド20aによって検査される検査対象物1を搬送方向(X軸方向)に向けて搬送する。第2の搬送機構40bは、第1の搬送機構40aと平行に配置され、第2の検査ヘッド20bによって検査される検査対象物1を搬送方向に向けて搬送する。
【0047】
2つの搬送機構40は、それぞれ、検査対象物1の搬送方向に向けて配置された板状の第1のガイド41a及び第2のガイド41bと、検査対象物1を搬送方向に向けて搬送する一対のコンベアベルト42とを含む。
【0048】
2つのガイド41は、幅方向(Y軸方向)で、検査対象物1を互いに挟み込む位置に配置されて、検査対象物1を搬送方向に向けてガイドする。ここで、第1のガイド41aは、他の搬送機構40から遠い側に位置するガイド41であり、第2のガイド41bは、他の搬送機構40に近い側に位置するガイド41である。
【0049】
コンベアベルト42は、第1のガイド41aの内面側と、第2のガイド41bの内面側とに設けられる。このコンベアベルト42は、検査対象物1の幅方向の端部を下方から支持しつつ、検査対象物1を搬送方向へ向けて搬送する(特に、図3(A)参照)。
【0050】
ガイド41の上端部には、幅方向(Y軸方向)でガイド41よりも検査対象物1側に向けて突出するクランプ部51が設けられている。
【0051】
第1の搬送機構40aが有する第1のガイド41aは、ベース11上に固定されている。一方、第1の搬送機構40aの第2のガイド41b、第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2の搬送機構40bの第2のガイド41bは、ベース11に対してY軸方向に移動可能に取り付けられている。
【0052】
図1及び図4を参照して、調整機構60は、ベース11上にY軸方向に向けて設けられた2本のレール61と、レール61上に移動可能に取り付けられたスライド部材62と、3つのボールネジ機構63とを含む。スライド部材62は、第1の搬送機構40aの第2のガイド41b、第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2の搬送機構40bの第2のガイド41bの下側でこれらのガイド41を支持する支持部材43の下側に固定されている。3つのボールネジ機構63は、それぞれ、Y軸方向に向けて配置されたボールネジ64と、このボールネジ64と噛み合うボールネジナット65と、ボールネジ64を駆動させる駆動源としてのモータ66とを含む。
【0053】
3つのボールネジ機構63のうち、第1のボールネジ機構63a(図4中、左側)は、モータ66の駆動により、第1の搬送機構40aの第2のガイド41bを幅方向に移動させる。第2のボールネジ機構63b(図4中、中央)は、モータ66の駆動により、第2の搬送機構40bの第2のガイド41bを幅方向に移動させる。第3のボールネジ機構63c(図4中、右側)は、第2の搬送機構40bの第1のガイド41aを幅方向に移動させる。
【0054】
第1の搬送機構40aの第2のガイド41bが幅方向に移動されると、第1の搬送機構40aの第1のガイド41a及び第2のガイド41bの間の距離が変更される。第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2のガイド41bのうち、一方のガイド41が固定された状態で、他方のガイド41が幅方向に移動されると、第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2のガイド41bの間の距離が変更される。第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2のガイド41bが同時に移動される場合を想定する。この場合、第1のガイド41a及び第2のガイド41bの移動の向き及び移動距離のうち少なくとも一方が異なれば、第1のガイド41a及び第2のガイド41bの間の距離が変更される。このように、調整機構60は、検査対象物1の幅の大きさに合わせて、搬送機構40の第1のガイド41aと、第2のガイド41bとの間の距離を調整することができる。
【0055】
なお、第2の搬送機構40bの第1のガイド41aと、第2のガイド41bとが調整機構60の駆動によって同時に移動される場合において、第1のガイド41a及び第2のガイド41bの移動の向き及び移動距離が同じである場合を想定する。この場合、第1のガイド41a及び第2のガイド41bの間の距離が変更されずに、第2の搬送機構40bが全体的に幅方向に移動される。このように、調整機構60は、第2の搬送機構40bの第1のガイド41a及び第2のガイド41bの間の距離を変更せずに、第1の搬送機構40aと、第2の搬送機構40bとの間の距離を調整することもできる。
【0056】
図1及び図3を参照して、支持機構50は、搬送機構40に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。支持機構50は、図示しない移動機構(例えば、ボールネジ機構63、ラックアンドピニオン等)の駆動によって、上下方向に移動される。支持機構50としては、例えば、コンプレッサなどの駆動によって検査対象物1を下方から吸引保持する形態や、複数のピンによって検査対象物1を下方から支持する形態などが挙げられるが、支持機構50は、どのような形態であっても構わない。
【0057】
支持機構50は、搬送機構40によって検査対象物1が所定の検査位置に搬送されたときに移動機構の駆動によって上方へ移動される。支持機構50が上方へ移動されると、支持機構50によって検査対象物1が下方から支持されて上方へ押し上げられ、検査対象物1がコンベアベルト42から離れる。そして、支持機構50がさらに上方へ移動されると、支持機構50によって上方に移動された検査対象物1の幅方向の端部がクランプ部51によって、上方から支持される。これにより、支持機構50と、クランプ部51との間で、検査対象物1が挟みこまれて、検査対象物1が所定の位置に固定される。このように検査対象物1が検査位置に固定された状態で、検査ヘッド20によって検査対象物1が検査される。
【0058】
図1及び図2を参照して、遮蔽部70は、検査装置本体10のベース11上に固定されており、検査対象物1の搬送方向に沿うように配置されている。遮蔽部70は、例えば、樹脂や、金属などの材料により構成された平板状の板部材である。遮蔽部70は、黒の素材が用いられるか、あるいは、黒の塗装処理が施されており、その表面が黒とされる。遮蔽部70の表面が黒とされることで、照明部21から照射された光が遮蔽部70で反射される光の量を低減することができる。
【0059】
この遮蔽部70は、第1の検査ヘッド20a及び前記第2の検査ヘッド20bがそれぞれ有する各照明部21から照射された光が、他の検査ヘッド20の検査領域に照射されないように、光を遮蔽する。遮蔽部70のサイズは、遮蔽部70が適切に光を遮蔽することができるように適宜設定される。例えば、遮蔽部70の高さは、遮蔽部70の上端部が照明部21のカバー部材22の下端部よりも上方に位置するように設定される。
【0060】
図5は、照明部21から照射された光がどのような状態となるかを示す図である。図6は、遮蔽部70が設けられていない場合(比較例)において、照明部21から照射された光がどのような状態となるかを示す図である。
【0061】
まず、図6を参照して、遮蔽部70が設けられていない場合について説明する。図6に示すように、遮蔽部70が設けられていない場合、第1の検査ヘッド20a及び第2の検査ヘッド20bがそれぞれ有する各照明部21から照射された光が、一部で干渉し合って、他の検査ヘッド20の検査領域に照射されてしまう(照明干渉)。これによって、検査対象物1を検査するときの照明輝度が変化してしまい、検査対象物1を正確に検査することができない。
【0062】
一方、図5に示すように、本実施形態に係る検査装置100では、第1の検査ヘッド20a及び第2の検査ヘッド20bがそれぞれ有する各照明部21から照射された光が、遮蔽部70によって遮蔽される。これにより、各照明部21から照射された光が、一部で干渉し合って、他の検査ヘッド20の検査領域に照射されてしまうこと(照明干渉)を防止することができる。
【0063】
検査ヘッド20は、図5に示すように、照明干渉が除去された状態で、撮像部26によって検査対象物1を撮像し、検査対象物1の部分画像を得る。そして、検査ヘッド20は、X−Y軸方向に移動して、他の位置で再び検査対象物1を撮像し、検査対象物1の部分画像を得る。これにより、検査ヘッド20は、検査対象物1を全体的に撮像して、検査対象物1の全体の画像を得る。なお、検査ヘッド20は、1つのポイントで、複数回の撮像を行なう場合もある。
【0064】
制御部は、撮像部26によって撮像された画像に基づいて、例えば、照度差ステレオ法等によって、検査対象物1の2次元解析及び/又は3次元解析を行なう。上記したように、本実施形態では、照明干渉が防止されているので、制御部は、検査対象物1の2次元解析及び/又は3次元解析を正確に行なうことができる。すなわち、制御部は、検査対象物1を正確に検査することができる。
【0065】
そして制御部は、検査対象物1の検査結果に基づいて、検査対象物1の良否を判定し、不良品と判定された検査対象物1を破棄し、良品と判定された検査対象物1を次の工程を実行する装置に受け渡す。例えば、検査装置100がクリーム半田が印刷された基板を検査する検査装置100である場合を想定する。この場合、クリーム半田が印刷された位置や、量などが判定され、不良品であると判定された基板は破棄され、良品と判定された基板は次の工程を実行する電子部品の実装装置へ受け渡される。
【0066】
検査装置100は、検査ヘッド20と、遮蔽部70との衝突を防止する衝突防止機構(図示せず)を備えていてもよい。この衝突防止機構としては、例えば、ストッパが挙げられる。このストッパは、例えば、Y軸ビーム31に設けられ、X軸ビーム32のY軸方向への移動を部分的に規制する。これにより、検査ヘッド20(照明部21)が検査装置100の中央側に移動して遮蔽部70に衝突してしまうことを防止することができる。あるいは、衝突防止機構としては、ゴムなどの弾性材料により構成された緩衝体が挙げられる。この緩衝体は、例えば、照明部21のカバー部材22の外周面側において、遮蔽部70に対向する位置に設けられる。あるいは、緩衝体は、遮蔽部70側に設けられていてもよい。
【0067】
遮蔽部70は、例えば、ボールネジ機構などにより幅方向(Y軸方向)に移動可能にベース11上に設けられていてもよい。例えば、図4を参照して説明したように、第1のガイド41aと第2のガイド41bとの間の距離が検査対象物1の幅の大きさに合わせて調整されたり、第1の搬送機構40aと第2の搬送機構40bとの間の距離が調整されたりする場合がある。このような場合に、幅方向に遮蔽部70を移動させることで、遮蔽部70を適切な位置に移動させることができる。
【0068】
<第2実施形態>
次に、本技術の第2実施形態に係る検査装置200について説明する。
【0069】
図7は、本技術の第2実施形態に係る検査装置200を示す側面図である。第2実施形態では、遮蔽部71が設けられる位置や、形状などが第1実施形態に係る遮蔽部70と異なっている。従って、その点を中心に説明する。なお、第2実施形態以降の説明では、上述の第1実施形態と同様の構成及び機能有する部材については、説明を省略又は簡略化する。
【0070】
図7に示すように、第2実施形態に係る検査装置200では、遮蔽部71が第2の搬送機構40bの第2のガイド41b(2つのガイド41のうち、第1の搬送機構40aに近い側のガイド41)の上端部に設けられている。
【0071】
遮蔽部71は、一端部側が第2のガイド41bの上端部に取り付けられる水平部71aと、水平部71aの他端部側が上方に向けて折れ曲がるようにして形成された垂直部71bとを有する。水平部71aの一端部側は、幅方向で第2のガイド41bよりも検査対象物1側に突出するように設けられており、この突出した部分がクランプ部として機能する。垂直部71bの上端部の位置は、照明部21のカバー部材22の下端部よりも上方に位置するように設定される。遮蔽部71は、光の反射を防止するために、黒の素材が用いられるか、または、その表面に黒の塗装処理が施されている。
【0072】
上記のように、第2実施形態に係る遮蔽部71は、第2の搬送機構40bの第2のガイド41bに対して取り付けられている。従って、例えば、第2の搬送機構40bの第1のガイド41aと第2のガイド41bとの間の距離を調整したり、第1の搬送機構40aと第2の搬送機構40bとの間の距離を調整したりするなどの目的で、第2の搬送機構40bの第2のガイド41bが移動されるときに、この動作に追従して遮蔽部71も移動する。これにより、遮蔽部71を適切な位置に移動させることができる。
【0073】
図7で示す例では、遮蔽部71が第2の搬送機構40bの第2のガイド41bに設けられる場合の一例が示されているが、遮蔽部70は、第1の搬送機構40aの第2のガイド41bに設けられていても構わない。また、遮蔽部70は、第2のガイド41bの上端部に限られず、例えば、第2のガイド41bの外面側に設けられていてもよい。
【0074】
<第3実施形態>
次に、本技術の第3実施形態について説明する。
図8は、第3実施形態に係る検査装置300を示す側面図である。
図8に示すように、第3実施形態に係る遮蔽部72は、第2の支持機構50bに対して取り付けられている。遮蔽部72は、一端側が第2の支持機構50bに取り付けられる水平部72aと、水平部72aの他端部が上方に向けて折れ曲がるようにして形成された垂直部72bとを有する。遮蔽部72は、光の反射を防止するために、黒の素材が用いられるか、または、その表面に黒の塗装処理が施されている。
【0075】
この遮蔽部72は、第2の搬送機構40bによって検査対象物1が検査位置にまで移動され、検査位置で検査対象物1を固定するために第2の支持機構50bが上方に移動されるときに、この上方への移動に追従して、上方へ向けて移動される。すなわち、遮蔽部72は、第2の検査ヘッド20bによって検査対象物1の検査が開始されるタイミングに合わせて上方へ移動され、第1の検査ヘッド20aと、第2の検査ヘッド20bとの間に配置される。つまり、遮蔽部70は、第2の検査ヘッド20bによって検査対象物1の検査が開始されて、第1の検査ヘッド20aと第2の検査ヘッド20bとの間で照明干渉が生じる可能性が発生するタイミングで、第1の検査ヘッド20a及び第2の検査ヘッド20bの間に配置される。
【0076】
一方、遮蔽部72は、第2の検査ヘッド20bによる検査が終了し、第2の支持機構50bが下方へ移動されるとき、この下方への移動に追従して、下方へ向けて移動される。すなわち、遮蔽部72は、第2の検査ヘッド20bによる検査対象物1の検査の終了のタイミングに合わせて、下方へ移動される。
【0077】
このように、第3実施形態に係る検査装置300では、第2の検査ヘッド20bによる検査対象物1の検査の開始タイミング及び終了タイミングに合わせた適切なタイミングで、遮蔽部72を上下方向に移動させることができる。
【0078】
図8では、遮蔽部72が第2の支持機構50bに設けられた場合の一例が示されているが、遮蔽部72は、第1の支持機構50aに設けられていてもよい。
【0079】
<各種変形例>
上述の各実施形態では、遮蔽部が検査装置本体10(ベース11)、搬送機構40又は支持機構50に設けられる場合について説明した。しかし、これに限られず、遮蔽部は、第1の検査ヘッド20a又は第2の検査ヘッド20bに設けられていてもよい。この場合、例えば、遮蔽部は、照明部21のカバー部材22の外周面側において、他の検査装置100に対向する位置に取り付けられる。この遮蔽部は、第1の検査ヘッド20a又は第2の検査ヘッド20bの移動に応じて移動するため、第1の検査ヘッド20a又は第2の検査ヘッド20bが移動したときに、この移動に追従して遮蔽部を適切な位置に移動させることができる。
【0080】
上述の各実施形態では、遮蔽部が検査対象物1の搬送方向(X軸方向)に向けて配置される場合について説明した。一方、遮蔽部は、搬送方向に直交する方向(検査対象物1の幅方向(Y軸方向))に向けて配置されていてもよい。
【0081】
図9は、遮蔽部が搬送方向に直交する方向に向けて配置された場合の一例を示す図である。図9に示す例では、搬送機構40、支持機構50などの数が4つとされている。遮蔽部73は、例えば、ベース11上に上下方向に移動可能に設けられる。遮蔽部73は、検査対象物1の検査の開始タイミングで上方に移動されて、2つの検査ヘッド20の間に配置される。一方、遮蔽部73は、検査対象物1の検査の終了タイミングで、下方に移動され、コンベアベルト42による検査対象物1の搬送の邪魔にならない位置まで移動される。
【0082】
あるいは、遮蔽部73は、支持機構50に設けられていてもよい。上記したように、遮蔽部70が支持機構50に設けられる場合、検査対象物1の検査の開始タイミング及び終了タイミングに合わせた適切なタイミングで、遮蔽部73を上下方向に移動させることができるため、特に有利である。
【0083】
遮蔽部は、検査対象物1の搬送方向に向かう方向に配置された遮蔽部と、搬送方向と直交する方向に向けて配置された遮蔽部との組み合わせにより構成されていてもよい。
【0084】
図10は、遮蔽部が検査対象物1の搬送方向に向かう方向に配置された遮蔽部74aと、搬送方向と直交する方向に向けて配置された遮蔽部74bとの組み合わせにより構成された場合の一例を示す図である。
【0085】
図10では、検査ヘッド20、搬送機構40、支持機構50などの数がそれぞれ6つとされている。遮蔽部74は、互いに隣接する2つの検査ヘッド20の間に配置されて、照明干渉を防止する。
【0086】
図11は、検査装置の遮蔽部のさらに別の例を示す図である。
この例では、第1の検査ヘッド20aの検査位置(検査対象物1の固定位置)と、第2の検査ヘッド20bの検査位置とが、搬送方向で異なる位置とされている。このように、検査位置を異ならせることで、より大きいサイズの検査対象物1の検査に対応することができる。図11に示す例では、遮蔽部75は、搬送方向に向かう方向と、斜め方向の組み合わせで構成されている。変形例で説明した各種の遮蔽部についても、光の反射を防止するために、黒の素材が用いられるか、または、その表面に黒の塗装処理が施されている。
【0087】
本技術は、以下の構成をとることもできる。
(1)検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部と
を具備する検査装置。
(2) 上記(1)に記載の検査装置であって、
搬送方向に向けて前記検査対象物を搬送する搬送機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記搬送機構に設けられる
検査装置。
(3) 上記(2)に記載の検査装置であって、
前記搬送機構は、前記第1の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を前記搬送方向に向けて搬送する第1の搬送機構と、前記第1の搬送機構と平行に配置され、前記第2の検査ヘッドによって検査される前記検査対象物を前記搬送方向に搬送する第2の搬送機構とを有し、
前記遮蔽部は、前記第1の搬送機構又は前記第2の搬送機構に設けられる
検査装置。
(4) 上記(3)に記載の検査装置であって、
前記第1の搬送機構及び前記第2の搬送機構は、前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする第1のガイドと、前記第1のガイドと平行に配置され、前記第1のガイドとともに前記検査対象物を前記搬送方向に向けてガイドする、他の搬送機構に近い側に位置する第2のガイドとをそれぞれ有し、
前記遮蔽部は、前記第1の搬送機構又は前記第2の搬送機構が有する前記第2のガイドに設けられる
検査装置。
(5) 上記(4)に記載の検査装置であって、
前記搬送方向に直交する方向に前記第2のガイドを移動させて、前記第2のガイドの位置を調整する調整機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記調整機構による前記第2のガイドの移動に応じて、前記搬送方向に直交する方向に移動される
検査装置。
(6) 上記(1)に記載の検査装置であって、
前記検査対象物が所定の検査位置に固定されるように、検査対象物を下方から支持する支持機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記支持機構に設けられる
検査装置。
(7) 上記(6)に記載の検査装置であって、
前記支持機構を上下方向に移動させる移動機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記移動機構による支持機構の上下方向の移動に応じて、前記上下方向に移動される
検査装置。
(8)上記(1)に記載の検査装置であって、
前記遮蔽部は、前記第1の検査ヘッド又は第2の検査ヘッドに設けられる
検査装置。
(9)上記(8)に記載の検査装置であって、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドを移動させるヘッド移動機構をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記第1の検査ヘッド又は前記第2のヘッドの移動に応じて移動される
検査装置。
(10)上記(1)に記載の検査装置であって、
検査装置本体をさらに具備し、
前記遮蔽部は、前記検査装置本体に設けられる
検査装置。
(11)上記(1)乃至(10)のうち、いずれか1つに記載の検査装置であって、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、
前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの移動による前記遮蔽部への衝突を防止する衝突防止機構と
をさらに具備する検査装置。
(12)上記(1)乃至(11)のうち、いずれか1つに記載の検査装置であって、
前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に沿って配置される
検査装置。
(13)上記(1)乃至(11)のうち、いずれか1つに記載の検査装置であって、
前記遮蔽部は、前記検査対象物が搬送される方向である搬送方向に直交する方向に沿って配置される
検査装置。
(14) 検査対象物に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記検査対象物を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部とを具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像を解析し、
前記画像に基づいて、前記検査対象物の良否を判定する
検査対象物の検査方法。
(15) 基板に光を照射する照明部と、前記照明部によって光が照射された前記基板を検査領域内で撮像する撮像部とをそれぞれ有する第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドと、前記第1の検査ヘッド及び前記第2の検査ヘッドの間に配置され、前記第1の検査ヘッド及び第2の検査ヘッドがそれぞれ有する各照射部から照射された光が、他の検査ヘッドの検査領域に照射されないように、前記光を遮蔽する遮蔽部とを具備する検査装置の前記撮像部によって撮像された画像を解析し、
前記画像に基づいて、前記基板の良否を判定し
不良品と判定された前記基板を破棄し、良品と判定された前記基板を残す
基板の製造方法。
【符号の説明】
【0088】
1…検査対象物
10…検査装置本体
20…検査ヘッド
21…照明部
24…レンズ部
26…撮像部
30…ヘッド移動機構
40…搬送機構
41…ガイド
50…支持機構
60…調整機構
70、71、72、73、74、75…遮蔽部
100、200、300…検査装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11