(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内容液を収容する容器本体と、該容器本体の口首部に装着される、該容器本体の内部を加圧することで送られる内容液を吐出させる吐出ノズル部を備えるノズルキャップとを含むノズルキャップ付き吐出容器であって、
前記吐出ノズル部は、前記ノズルキャップに設けられた縦方向吐出流路と連通する横方向吐出流路を備えており、
前記ノズルキャップにおける、前記縦方向吐出流路を間において前記横方向吐出流路とは反対側の領域に、外気取り込み室が設けられており、該外気取り込み室の外周面に開口して、前記容器本体の内部が負圧になった際に前記容器本体の内部に外気を取り込む外気取込み口が、前記外気取り込み室の内部に設けられた取込み弁機構によって開閉可能に設けられており、
前記ノズルキャップは、本体パーツと蓋パーツとからなる2パーツ構成となっており、該蓋パーツは、前記外気取込み口が開口する領域及び前記外気取り込み室を含む部分の上部パーツを形成しており、
前記取込み弁機構は、前記外気取込み口を囲んで前記蓋パーツの内側面から前記外気取り込み室の内部に突出して設けられた筒状弁座部と、前記本体パーツに設けられた、前記筒状弁座部の下端面と密着可能な弁部とからなるノズルキャップ付き吐出容器。
前記蓋パーツは、ヒンジ接合部を介して前記本体パーツと連結されており、開いた状態で前記本体パーツと一体成形された後に、前記ヒンジ接合部を中心に前記蓋パーツを回動させることにより、前記本体パーツと接合一体化されている請求項2記載のノズルキャップ付き吐出容器。
前記ノズルキャップが、前記容器本体を押圧することにより、内容液を空気と混合させながら発泡させて、前記吐出ノズル部から泡として吐出させるスクイズフォーマー機能を備えている請求項1〜3のいずれか1項記載のノズルキャップ付き吐出容器。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係るノズルキャップ付き吐出容器10は、好ましくは、容器本体11を手で把持して押圧することにより、吐出ノズル部13から内容液を泡として吐出させるスクイズフォーマー容器を形成するものである。容器本体11の口首部11a(
図3参照)に装着されるノズルキャップ12は、容器本体11を押圧する操作によって、内容液を空気と混合させながら発泡させて、吐出ノズル部13から泡として吐出させるスクイズフォーマー機能を備えている。また、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10は、容器本体11への押圧を開放した際に外気を容器本体11の内部に取り込む外気取込み口14を、簡易で組付けが容易な取込み弁機構15によって開閉させることができるようになっている。
【0011】
そして、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10は、内容液を収容する容器本体11と、容器本体11の口首部11aに装着される、容器本体11の内部を加圧することで送られる内容液を吐出させる吐出ノズル部13を備えるノズルキャップ12とを含むスクイズフォーマー容器10である。
図2及び
図3に示すように、吐出ノズル部13は、ノズルキャップ12に設けられた縦方向吐出流路16と連通する横方向吐出流路17を備えている。ノズルキャップ12における、縦方向吐出流路16を間において横方向吐出流路17とは反対側の領域の外周面に開口して、容器本体11の内部が負圧になった際に容器本体11の内部に外気を取り込む外気取込み口14が、取込み弁機構15によって開閉可能に設けられている。ノズルキャップ12は、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとからなる2パーツ構成となっており、蓋パーツ12bは、外気取込み口14が開口する領域を含む部分の上部パーツ20aを形成している。取込み弁機構15は、外気取込み口14を囲んで蓋パーツ12bの内側面から突出して設けられた筒状弁座部15aと、本体パーツ12aにおいて、好ましくは片持ち接続されることで筒状弁座部15aと対応する位置に回動可能に設けられた、筒状弁座部15aの下端面と密着可能な弁部15bとからなっている。
【0012】
また、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器(スクイズフォーマー容器)10では、蓋パーツ12bは、吐出ノズル部13と、外気取込み口14が開口する領域とを含む部分の上部パーツ20aを形成している。
【0013】
さらに、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器(スクイズフォーマー容器)10では、蓋パーツ12bは、ヒンジ接合部12cを介して本体パーツ12aと連結されている。蓋パーツ12bは、開いた状態で本体パーツ12aと一体成形された後に(
図2参照)、ヒンジ接合部12cを中心に回動させることにより、吐出ノズル部13と、外気取込み口14が開口する領域とを含む部分の上部を閉塞して、本体パーツ12aと接合一体化されるようになっている(
図1参照)。
【0014】
なお、本願明細書で接合一体化とは、接合方法自体には特定されず、例えば熱溶着等の種々の接合方法の他、本体パーツと蓋パーツとの嵌合による一体化も含まれる。また、一体化した後に本体パーツと蓋パーツに再分解できる程度の一体化も含まれる。
【0015】
本実施形態では、スクイズフォーマー容器10を構成する容器本体11は、
図1に示すように、ボトル形状のプラスチック製のブロー成形品であって、例えば略楕円の断面形状を備える有底筒状の胴部11bと、胴部11bの上端部から上方に向けて曲面状に縮径して設けられた肩部11cと、肩部11cの上端部から上方に向けて円筒状に突出して設けられた口首部11a(
図3参照)とからなる。胴部11bは、手で把持し易い外径として、例えば40〜80mm程度の外径を有している。口首部11aは、胴部11bの外径より小さな、例えば25〜65mm程度の外径を有している。口首部11aの外周面には、ノズルキャップ12を螺合装着させるための雄ネジ突条が設けられている。容器本体11は、スクイズ変形(押圧変形)が良好になるように、プラスチック材料として、例えばポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂を単独又は適宜複数種混合して用いて形成されている。
【0016】
本実施形態では、ノズルキャップ12は、例えばプラスチック製の射出成形品であって、
図2に示すように、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが、開いた状態で一体として形成される。ノズルキャップ12を形成するためのプラスチック材料として、例えばポリプロピレン(PP)を用いることができる。
【0017】
ノズルキャップ12を構成する本体パーツ12aは、
図2及び
図3に示すように、キャップ本体部18と、キャップ本体部18の天面板18aから上方に突出した状態で当該天面板18aに一体として設けられた、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bとを備えている。外気取り込み室19は、ノズルキャップ12の、縦方向吐出流路16を間において横方向吐出流路17とは反対側の領域に設けられており、これの上部パーツ20aにおける取り込み室上部パーツ30bの外周面に、外気取込み口14が開口している。吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bは、蓋パーツ12bによる、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の上部パーツ20aと一体として接合されることにより、当該吐出ノズル部13及び外気取り込み室19を形成する。
【0018】
キャップ本体部18は、円板形状の天板部18aと、天板部18aの周縁部から下方に延設して筒状に設けられた装着スカート部18bとからなる。装着スカート部18bの内周面には、容器本体11の口首部11aの外周面に設けられた雄ネジ突条と螺着する、雌ネジ突条が設けられている。装着スカート部18bの内側には、当該装着スカート部18bと間隔をおいて同心状に配置されて、インナーリング18cが、天板部18aの下面から円環リング状に突出して設けられている(
図3参照)。インナーリング18cは、ノズルキャップ12が容器本体11の口首部11aに装着された際に、口首部11aの先端開口部の内周面に密着配置されることで、当該先端開口部の開口周縁部におけるシール性を向上させる。
【0019】
本実施形態では、キャップ本体部18の天板部18aに上端開口面を開口させて、二段筒状部21が、天板部18aの中央部よりも吐出ノズル部13の先端吐出口13a側に偏心した位置に、当該天板部18aに一体として設けられている(
図3参照)。二段筒状部21は、上段の拡径筒部21aと、下段の縮径筒部21bとからなる2段構造を備えている。上段の拡径筒部21aは、内容液の縦方向吐出流路16を形成している。本実施形態では、拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内部には、例えばメッシュ状の材料からなる多孔部材22が、複数(本実施形態では3体)重ねて装着されている。内容液を、空気と混合させながら多孔部材22を通過させることで発泡させて、吐出ノズル部13の先端吐出口13aから泡として吐出させることが可能になる。ノズルキャップ12は、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとからなる2パーツ構成となっているので、これらの多孔部材22を、蓋パーツ12bを本体パーツ12aに対して開いた状態で、拡径筒部21aの上方から縦方向吐出流路16の内部に、容易に且つスムーズに装着して取り付けることが可能になる。
【0020】
二段筒状部21の下段の縮径筒部21bには、容器本体11の底部まで延設して設けられるディップチューブ23の上端部分が装着される。これによって縮径筒部21bは、ディップチューブ23の上端部分と共に、容器本体11への押圧操作によって、内容液を拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16に送り込むための液流路24aを形成する。
【0021】
また、本実施形態では、拡径筒部21aと縮径筒部21bの間の段差部分に設けられた環状フランジ部21cには、当該環状フランジ部21cを上下に貫通して、空気孔25が、周方向に間隔をおいて複数箇所に形成されている。空気孔25は、容器本体11への押圧操作によって、内容液をディップチューブ23及び縮径筒部21bによる液流路24aを介して縦方向吐出流路16に送り込むのと同時に、容器本体11の内部の空気を、縦方向吐出流路16に送り込むための空気流路24bを形成する。
【0022】
容器本体11への押圧操作によって、液流路24aや空気流路24bを介して拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16に送り込まれた内容液と空気は、縦方向吐出流路16において混合されながら、当該縦方向吐出流路16に装着された多孔部材22を通過することよって、容易に発泡する。発泡して泡となった内容液は、吐出ノズル部13による横方向吐出流路17に送り出されて、先端吐出口13aから泡として吐出される。
【0023】
ここで、本実施形態では、
図5に示すように、多孔部材22の下面は、ディップチューブ23及び縮径筒部21bによる液流路24aの先端供給口26a、及び空気孔25による空気流路24bの先端供給口26bと近接して配置されている。また、液流路24aの先端供給口26aからの内容液の供給方向延長線Xと、空気流路24bの先端供給口26bからの空気の供給方向延長線Yとが、横方向から視た際に、交差する前に多孔部材22の下面に到る位置関係で、液流路24a及び空気流路24bの先端部分が各々形成されている。これによって、空気が各多孔部材22を通過する際に、各多孔部材22と衝突することにより渦等の乱流が発生し、空気と内容液が乱流を起こしながら混合されることで、品質の良好な泡の生成が可能になる。
【0024】
さらに、本実施形態では、
図3に示すように、キャップ本体部18の天板部18aにおける、縦方向吐出流路16を間において吐出ノズル部13の先端吐出口13aとは反対側の領域には、天板部外気取込み口27が、外気取り込み室19の直下部分に配置されて開口形成されている。天板部外気取込み口27は、天面板18aの上方に設けられた外気取り込み室19を、容器本体11と連通させ、取込み弁機構15が設けられた外気取り込み室19の内部の空間を、容器本体11の内部の空間と同じ圧力下におくことで、容器本体11を押圧したり、押圧を開放する操作に伴って、取込み弁機構15による外気取込み口14の開閉が、スムーズに行われるようにする。
【0025】
さらにまた、本実施形態では、天板部外気取込み口27の開口周縁部の天面板18aから一体として上方に立設して、弁支持片28が設けられている。この弁支持片28の先端部に片持ち接続されて、取込み弁機構15を構成する薄板状の弁部15bが、弁部自身の弾性力を利用して回動可能に設けられている。
【0026】
ここで、弁部15bと弁支持片28の先端部との接続方法に関しては特に制限はなく、弁部15bと弁支持片28とを一体成形して接続しても良く、別パーツとして製作された弁部15bと弁支持片28とを熱溶着等で接続しても良い。
【0027】
図2に示すように、キャップ本体部18と共にノズルキャップ12の本体パーツ12aを構成する下部パーツ20bは、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の略下半部分のパーツであり、本実施形態では、ノズル部下部パーツ29aと、取り込み室下部パーツ29bと、連結下部パーツ29cと、ヒンジ部下部パーツ29dとからなる。
【0028】
ノズル部下部パーツ29aは、開放辺を上方に配置した略コの字断面形状を備えると共に、キャップ本体部18の天板部18aにおける縦方向吐出流路16が開口する部分から、天板部18aに沿って横方向に延設して設けられている。ノズル部下部パーツ29aは、その縦方向吐出流路16側の基端部分が、略半円形状に湾曲する突き当り下部壁32aによって閉塞されており、突き当り下部壁32aとは、縦方向吐出流路16が開口する部分を間において反対側の先端部分が、天板部18aの周縁部よりも外側に突出して、僅かに下方に折れ曲がりながら延設している。
【0029】
取り込み室下部パーツ29bは、ノズル部下部パーツ29aの略半円形状の突き当り下部壁32aを間において縦方向吐出流路16とは反対側に配置されて、キャップ本体部18の天面板18aから立設する円筒状の部分である。取り込み室下部パーツ29bは、ノズル部下部パーツ29aと同様の高さで天面板18aから上方に突出していると共に、ノズル部下部パーツ29aの外幅と同様の外径を有するように形成されている。取り込み室下部パーツ29bの内側には、上述のように、天面板18aから立設する弁支持片28に回転可能に支持されて、弁部15bが設けられている。
【0030】
連結下部パーツ29cは、ノズル部下部パーツ29aの外周面と、取り込み室下部パーツ29bの外周面とを、滑らかに連続させるようして連結する部分である。連結下部パーツ29cは、ノズル部下部パーツ29aの外幅と同様の外幅を有するように配置されて、ノズル部下部パーツ29aと取り込み室下部パーツ29bとの間の部分を仕切って、下部パーツ20bの両側部に一対設けられている。連結下部パーツ29cの内側には、ノズル部下部パーツ29aと取り込み室下部パーツ29bと連結下部パーツ29cとによって囲まれて、略三角形の中空断面形状を備える隔室29eが形成されている。
【0031】
ヒンジ部下部パーツ29dは、取り込み室下部パーツ29bの、ノズル部下部パーツ29aとは連結下部パーツ29cを間において反対側の外周面から外側に突出して設けられた、一対の縦リブ状の部分である。ヒンジ部下部パーツ29dの上端面の先端縁部は、ヒンジ部上部パーツ30dの下端面の先端縁部と折れ曲がり可能に接合されていることで、ヒンジ接合部12cを形成している。
【0032】
蓋パーツ12bを構成する上部パーツ20aは、吐出ノズル部13と外気取り込み室19とを含む部分の略上半部分のパーツであり、本実施形態では、ノズル部上部パーツ30aと、取り込み室上部パーツ30bと、連結上部パーツ30cと、ヒンジ部上部パーツ30dとからなる。
【0033】
ノズル部上部パーツ30aは、開放辺を下方に配置した略コの字断面形状を備えると共に、その両側の側壁部31が、外側壁部31aと内側壁部31bとからなる2段構造を備えている。外側壁部31aは、ノズル部下部パーツ29aの外幅と同様の外幅を有するように形成されると共に、ノズル部下部パーツ29aと同様の高さ及び長さを有するように形成されている。外側壁部31aは、蓋パーツ12bが閉塞された際に、これらの下端面が、ノズル部下部パーツ29aの両側の側壁部の上端面に各々密着した状態で当接する。
【0034】
内側壁部31bは、ノズル部下部パーツ29aの内幅と同様の外幅を有するように形成されると共に、外側壁部31aの全長に亘って、外側壁部31aよりも一段高く形成されている。両側の内側壁部31bの取り込み室上部パーツ30b側の端部は、内側壁部31bよりもさらに一段高く形成された、略半円形状に湾曲する突き当り上部壁32bによって連結されている。これによって、ノズル部上部パーツ30aの取り込み室上部パーツ30b側の基端部分は、略半円形状の突き当り上部壁32bによって閉塞される。略半円形状の突き当り上部壁32bの外周面の曲率半径は、略半円形状の突き当り下部壁32aの内周面の曲率半径と、同様の大きさとなっている。
【0035】
蓋パーツ12bが閉塞された際に、外側壁部31aの下端面は、ノズル部下部パーツ29aの両側の側壁部の上端面に密着した状態で当接すると共に、内側壁部31bは、これらの外側面をノズル部下部パーツ29aの両側の側壁部の内側面に密着させた状態で、これらの側壁部の内側に嵌め込まれるようにして装着される。また突き当り上部壁32bは、蓋パーツ12bが閉塞された際に、外周面をノズル部下部パーツ29aの突き当り下部壁32aの内周面に密着させた状態で、これらの突き当り下部壁32aの内側に嵌め込まれるようにして装着される。これらによって、ノズル部下部パーツ29aとノズル部上部パーツ30aとが一体となった吐出ノズル部13が形成される。
【0036】
取り込み室上部パーツ30bは、ノズル部上部パーツ30aの略半円形状の突き当り上部壁32bを間において、ノズル部上部パーツ30aとは反対側に配置された部分である。取り込み室上部パーツ30bは、蓋パーツ12bの天面部の内側面から下方に突出する円筒状の筒壁部30eを有している。取り込み室上部パーツ30bの筒壁部30eは、ノズル部上部パーツ30aの外側壁部31aよりも高い高さで突出していると共に、下部パーツ20bの取り込み室下部パーツ29bの内径と同様の外径を有している。筒壁部30eの内側には、これと同心状に配置されて、取り込み室上部パーツ30bの外周面に開口する外気取込み口14を囲んで蓋パーツ12bの内側面から円筒形状に突出する、筒状弁座部15aが設けられている。筒状弁座部15aは、ノズル部上部パーツ30aの外側壁部31aと同じ高さとなるように設けられている。また、取り込み室上部パーツ30bの筒壁部30eにおける、ヒンジ接合部12c側の略半円部分の領域の外側には、外周当接壁33が設けられている。外周当接壁33は、両側の連結上部パーツ30cを介させることで、ノズル部上部パーツ30aの両側の外側壁部31aと同じ高さで連続して、筒壁部30eの外周面に沿って一体として設けられている。
【0037】
蓋パーツ12bが閉塞された際に、
図3にも示すように、筒壁部30eの外側の外周当接壁33の下端面が、取り込み室下部パーツ29bにおける、ヒンジ接合部12c側の略半円部分の領域の上端面に当接する。また、筒壁部30eの先端側部分が、これの外周面を取り込み室下部パーツ29bの内側面に密着させた状態で、取り込み室下部パーツ29bの内側に嵌め込まれるようにして装着される。これによって、ノズルキャップ12のキャップ本体部18の天板部18aの上方に、内部に取込み弁機構15が設けられた、外気取り込み室19が形成されることになる。
【0038】
また、取り込み室上部パーツ30bの筒壁部30eの先端側部分が、これの外周面を取り込み室下部パーツ29bの内側面に密着させた状態で、取り込み室下部パーツ29bの内側に嵌め込まれるようにして装着されるので、取込み弁機構15の外側に、当該取込み弁機構15の周囲を仕切る、取り込み室上部パーツ30bの筒壁部30e及び取り込み室下部パーツ29bによる環状隔壁34が形成される。環状隔壁34は、上端部を、外気取込み口14を囲んで外気取り込み室19の内側面に接合させていると共に、下端部を、天板部外気取込み口27を囲んでキャップ本体部18の天板部18aに接合させていることで、外気取込み口14から天板部外気取込み口27に至る外気取込み流路を、気密に仕切った状態で設けられることになる。
【0039】
取り込み室上部パーツ30bの筒壁部30e及び取り込み室下部パーツ29bによる環状隔壁34が、外気取込み口14から天板部外気取込み口27に至る外気取込み流路を、気密に仕切った状態で設けられていることにより、容器本体11を手で把持して押圧したり、押圧を開放する操作に伴って、外気取込み口14から天板部外気取込み口27に至る、取込み弁機構15が配置された外気取込み流路を通過する空気が、環状隔壁34の外側に漏れ出るのを回避することが可能になる。これによって、取込み弁機構15のレスポンス性を速めて、ノズルキャップ付き吐出容器10の使い易さを向上させることが可能になる。
【0040】
また、本実施形態では、蓋パーツ12bが閉塞された際に、
図4にも示すように、外気取り込み室19の内部において、外気取込み口14を囲んで蓋パーツ12bの内側面から下方に突出する筒状弁座部15aの下端面が、キャップ本体部18の天板部18aから上方に立設する弁支持片28の、弁部15bが片持ち接続されている上端面28aに、密着した状態で当接することになる。これによって、弁部15bは、弁支持片28との接続部を中心に回動して、筒状弁座部15aの下端面と密着することが可能になるので、外気取り込み室19の内部に、外気取込み口14を開閉可能な取込み弁機構15を、容易に形成することが可能になる。
【0041】
なお、本実施形態では、容器本体11を押圧しない状態で、弁部15bは、筒状弁座部15aの下端面との間に所定間隔の隙間ができるように弁支持片28に片持ち接続されている(
図4)。そして容器本体11を押圧することによる内圧上昇により、弁部15bは、弁支持片28との接続部を中心に弾性変形して、筒状弁座部15aの下端面と密着する。
【0042】
上述の構成を有する本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10では、ノズルキャップ12は、上述のように、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが、開いた状態で一体として成形される。本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが開いた状態のまま、二段筒状部21の拡径筒部21aによる縦方向吐出流路16の内部に、上方から、3体の多孔部材22が重ねて装着される。しかる後に、ヒンジ接合部12cを中心に蓋パーツ12bを回動させることにより、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとを接合一体化する。これによって、吐出ノズル部12と外気取り込み室19とを含む部分の下部パーツ20bの上部が、上部パーツ20aによって閉塞されて、吐出ノズル部13及び外気取り込み室19が形成されると共に、外気取り込み室19の内部に、筒状弁座部15aと弁部15bとからなる取込み弁機構15が設けられた、ノズルキャップ12が容易に形成される。
【0043】
形成されたノズルキャップ12は、これのキャップ本体部18に設けられた二段筒状部21の縮径筒部21bに、ディップチューブ23の上端部分を取り付けた状態で、キャップ本体部18を、口首部11aに装着することで、容器本体11に一体として取り付けられる。これによって、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10が形成される。
【0044】
したがって、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10によれば、ノズルキャップ12を、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとを開いた状態で一体として成形した後に、蓋パーツ12bを回動させて閉じた状態で接合一体化するだけの、簡易な構造及び組立工程によって、外気取込み口14を開閉するための取込み弁機構15を、ノズルキャップ12の樹脂材料とは異なる、別の材質の別パーツの部品として別途に形成された弁部材を用いることなく、容易に設けることが可能になる。
【0045】
また、本実施形態のノズルキャップ付き吐出容器10によれば、多孔部材22が、本体パーツ12aと蓋パーツ12bとが開いた状態で、上方から縦方向吐出流路16の内部に取り付けられると共に、外気取込み口14を開閉するための取込み弁機構15が、開いた状態の本体パーツ12aと蓋パーツ12bとを、閉じた状態に接合一体化することで設けられる。これによって、内容液を発泡させて泡として吐出させるスクイズフォーマー機能を備えるノズルキャップ12を、高さをより低く抑えて形成することが可能になって、容器のコンパクト化を容易に図ることが可能になると共に、使用する部品点数や樹脂量を効果的に低減して、さらに安価に形成することが可能になる。
【0046】
本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明のノズルキャップ付き吐出容器は、スクイズフォーマー容器である必要は必ずしも無く、スクイズ式二重剥離容器等の、容器本体を押圧(スクイズ)することで内容液を吐出ノズル部から吐出させる、その他のスクイズ容器であっても良い。また、本発明のノズルキャップ付き吐出容器は、容器本体を押圧することで内容液を吐出させるスクイズ容器である必要は必ずしもなく、ポンプ容器等の、容器本体の内部を加圧することで送られる内容液を吐出ノズル部から吐出させる機能を備える、その他の種々の吐出容器であっても良い。
【0047】
さらに、蓋パーツは、吐出ノズル部と外気取込み口が開口する領域とを含む部分の上部パーツを形成している必要は必ずしも無く、外気取込み口が開口する領域を含む部分のみの上部パーツを形成するものであっても良い。さらに、蓋パーツは、ヒンジ接合部を介して本体パーツと連結されている必要は必ずしも無く、本体パーツとは別の部品として成形されるものであっても良い。
【0048】
また、弁部は本体パーツにおいて片持ち接続されている必要は必ずしも無く、例えばゴム板の中心から放射状に複数の貫通スリットを入れることにより、弁片が多数設けられた弁部でも良い。この場合には、ゴム板の中心(放射状の貫通スリットの起点)を筒状弁座部の軸中心と一致させて取り付けることが好ましい。取り付け方は例えば、本体パーツと蓋パーツで挟み込んで固定する方法等がある。また、樹脂製等の球体を使用したボール弁も使用することができる。ボール弁は例えば、前記弁支持片の代わりに、球体の外径より大きい内径の筒状体を本体パーツ側に、外気取込み口と同心状に設け、その上下開口部付近の内径を球体の外径より徐徐に小さく絞り、球体が筒状体から外に出ないようにしたものである。球体は通常は重力により筒状体下部に配置されるが、容器本体を押圧したり、押圧を開放する操作に伴って、球体が筒状体の中を上下移動し、外気取込み口の開閉が、スムーズに行われる。なお、容器本体を押圧して内圧により球体が筒状体内部の上開口部と接触した場合には、外気と容器本体内部とが遮断されるように球体や筒状体の各寸法が設定され、一方、容器本体の押圧を解除し、球体が筒状体内部の下開口部と接触した場合には、外気と容器本体内部とが遮断されないように球体や筒状体の各寸法が設定されることが好ましい。