特許第6124258号(P6124258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6124258電子回路ユニット及び電子回路ユニットの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124258
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】電子回路ユニット及び電子回路ユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20170424BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20170424BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20170424BHJP
   H05K 3/34 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H05K3/28 B
   H05K1/02 G
   H05K3/00 X
   H05K3/34 502B
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-171214(P2013-171214)
(22)【出願日】2013年8月21日
(65)【公開番号】特開2015-41667(P2015-41667A)
(43)【公開日】2015年3月2日
【審査請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 僚
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 昇司
(72)【発明者】
【氏名】桑名 俊二
(72)【発明者】
【氏名】池田 士郎
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−018699(JP,A)
【文献】 特開2008−078335(JP,A)
【文献】 特開2005−123236(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/28
H05K 1/02
H05K 3/00
H05K 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合基板を縦の切断ライン及び横の切断ラインに沿って切断することにより個片化された、矩形状の回路基板を備え、部品を半田付けするための銅箔ランドと、切断により形成された直交した2辺の基板外縁と、を前記回路基板の隅部の近傍に有した電子回路ユニットであって、
前記銅箔ランドの周囲にソルダーレジストが設けられていると共に、前記基板外縁の近傍に、前記ソルダーレジストが存在しない基板露出部が設けられており、
前記基板露出部は、前記縦の切断ラインと前記横の切断ラインとのうちの少なくとも一方に沿って等間隔で複数並べて配置されていることを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項2】
前記基板露出部は、半田付け用のフラックスが濡れ広がる領域に設けられていることを特徴とする請求項1記載の電子回路ユニット。
【請求項3】
複数の縦の切断ライン及び複数の横の切断ラインを有した集合基板を備え、
複数個の電子回路ユニットに対応する高周波回路部が前記集合基板上にそれぞれ設けられて、矩形状の回路基板を複数個得るようにした電子回路ユニットの製造方法であって、
前記回路基板それぞれの隅部に銅箔ランドを設け、その後、前記銅箔ランドを除く領域にソルダーレジストを設けると同時に、直交する2本の前記切断ラインの前記隅部の近傍それぞれに前記ソルダーレジストの存在しない基板露出部を設けると共に、直交する2本の前記切断ラインのうちの少なくとも一方に沿って前記基板露出部を等間隔で複数並べて配置し、
前記高周波回路部それぞれを覆うシールドカバーの脚部を前記銅箔ランド上に載置して、フラックス入りの半田で前記脚部を半田付けし、その後、前記集合基板を前記縦の切断ライン及び前記横の切断ラインに沿って切断して個片化することを特徴とする電子回路ユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合基板を切断して個片化される回路基板に電子部品等が実装されてなる電子回路ユニットと、その製造方法とに関わる。
【背景技術】
【0002】
複数個の電子回路ユニットに対応する複数の回路部を一括して集合基板に設けた後に、該集合基板を切断して個片化する製造方法は、高密度な回路構成を有する小型の電子回路ユニットにとって、生産性を格段に高めることのできる製造方法である。そのため、この種の電子回路ユニットを製造する際には、集合基板上で縦横の切断ラインによって区画された複数の矩形領域に、それぞれ配線パターンやソルダーレジスト等を一括形成し、かつ電子部品等を一括して実装する。その後、切断ラインに沿って集合基板をダイシングソー等で切断して電子回路ユニットを多数個取りするという手法が一般的である。尚、このように製造された電子回路ユニットは、集合基板の前記矩形領域に相当する部分が回路基板となる。
【0003】
この種の電子回路ユニットとして、特許文献1に記載された発明が開示されている。特許文献1に記載された電子回路ユニット900を図6に示す。
【0004】
この電子回路ユニット900では、電子回路ユニット900用の回路基板902の隅部には銅箔ランド905が設けられており、該隅部を区画する直角な基板外縁902dと銅箔ランド905の外向きに膨出する外周縁との間に、略L字状のコーナースペース領域902bが延在している。コーナースペース領域902bのうち、コーナーエッジ902aのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジスト906を設けておき、コーナーエッジ902aから離れた狭い領域はソルダーレジスト906の存しない基板露出領域902cとなす。回路基板902は集合基板910を縦の切断ライン911、及び横の切断ライン912に沿って切断して個片化されたものであり、回路基板902上の高周波回路部を覆うシールドカバーの脚片が銅箔ランド905の取付穴905aに挿入されて半田付けされる。
【0005】
このように電子回路ユニット900において、回路基板902のコーナースペース領域のうち、コーナーエッジ902aのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジスト906を設けておく。そして、コーナーエッジ902aから離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域902cとなしておけば、集合基板910を縦の切断ライン911、及び横の切断ライン912に沿って切断する際に、コーナースペース領域において基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジスト906が剥離しにくくなる。それと共に、コーナーエッジ902a付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞がなくなる。なお、切断工程でコーナースペース領域の両端部の基板露出領域902cに樹脂バリが出来たとしても、基板露出領域902cはコーナーエッジ902aから離れているため樹脂バリは目立たず、それゆえ製品化された電子回路ユニット900の外観が損なわれる可能性は低い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−018699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、電子回路ユニット900では、集合基板910の基板露出領域902cの長さが比較的長いために、樹脂バリを完全に取り除くことはできていなかった。また、更に、集合基板910の切断時にレジストバリが発生することが判明した。電子回路ユニット900を製造する時に、フラックス入りのリフロー半田を使用するが、シールドカバーの脚片を半田付けする際に、フラックスが広がって、切断ラインの部分に固まって残ってしまう。その結果、レジストがそのフラックスに挟まって残ってしまい、比較的長いレジストバリが発生してしまっていた。それゆえ、レジストバリが目立ってしまい、製品化された電子回路ユニット900の外観が損なわれるという問題が発生していた。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、切断時に発生する樹脂バリ及びレジストバリを低減させることのできる、外観が損なわれることのない電子回路ユニットを提供することにある。また、第2の目的は、そのような電子回路ユニットを、工程数を増加させずに製造できる、電子回路ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題を解決するために、本発明の電子回路ユニットは、集合基板を縦の切断ライン及び横の切断ラインに沿って切断することにより個片化された、矩形状の回路基板を備え、部品を半田付けするための銅箔ランドと、切断により形成された直交した2辺の基板外縁と、を前記回路基板の隅部の近傍に有した電子回路ユニットであって、 前記銅箔ランドの周囲にソルダーレジストが設けられていると共に、前記基板外縁の近傍に、前記ソルダーレジストが存在しない基板露出部が設けられており、前記基板露出部は、前記縦の切断ラインと前記横の切断ラインとのうちの少なくとも一方に沿って等間隔で複数並べて配置されているという特徴を有する。
【0010】
このように構成された電子回路ユニットは、基板外縁の近傍に基板露出部を設けると共に、縦の切断ラインと横の切断ラインとのうちの少なくとも一方に沿って基板露出部を等間隔で複数並べて配置することで、一つの基板露出部の幅が狭くなるため、樹脂バリの長さも短くなる。その結果、切断時に発生する樹脂バリを低減することができる。また、基板外縁の近傍において、複数の基板露出部間に存在するソルダーレジストの幅も狭くなるので、切断時に発生するソルダーレジストによるバリを低減することができる。それゆえ、電子回路ユニットの外観が損なわれることがない。
【0011】
また、上記の構成における本発明の電子回路ユニットにおいて、前記基板露出部は、半田付け用のフラックスが濡れ広がる領域に設けられているという特徴を有する。
【0012】
このように構成された電子回路ユニットは、基板露出部を半田付け用のフラックスが濡れ広がる領域に設けることにより、効率良くレジストバリを低減させることができる。それと共に、フラックスが濡れ広がっていない領域には基板露出部を設けないため、銅箔ランド周辺以外に樹脂バリが発生することも防止することができる。
【0013】
また、この課題を解決するために、本発明の電子回路ユニットの製造方法は、複数の縦の切断ライン及び複数の横の切断ラインを有した集合基板を備え、複数個の電子回路ユニットに対応する高周波回路部が前記集合基板上にそれぞれ設けられて、矩形状の回路基板を複数個得るようにした電子回路ユニットの製造方法であって、前記回路基板それぞれの隅部に銅箔ランドを設け、その後、前記銅箔ランドを除く領域にソルダーレジストを設けると同時に、直交する2本の前記切断ラインの前記隅部の近傍それぞれに前記ソルダーレジストの存在しない基板露出部を設けると共に、直交する2本の前記切断ラインのうちの少なくとも一方に沿って前記基板露出部を等間隔で複数並べて配置し、前記高周波回路部それぞれを覆うシールドカバーの脚部を前記銅箔ランド上に載置して、フラックス入りの半田で前記脚部を半田付けし、その後、前記集合基板を前記縦の切断ライン及び前記横の切断ラインに沿って切断して個片化するという特徴を有する。
【0014】
このように構成された電子回路ユニットの製造方法は、基板外縁の近傍に基板露出部を設けると共に、直交する2本の切断ラインのうちの少なくとも一方に沿って基板露出部を等間隔で複数並べて配置することで、一つの基板露出部の幅が狭くなるため、樹脂バリの長さも短くなる。その結果、切断時に発生する樹脂バリを低減することができる。また、基板外縁の近傍において、複数の基板露出部間に存在するソルダーレジストの幅も狭くなるので、切断時に発生するソルダーレジストによるバリを低減することができる。それゆえ、樹脂バリ及びレジストバリを低減させることのできる電子回路ユニットを、工程数を増加させずに製造できる電子回路ユニットの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子回路ユニットは、基板外縁の近傍に基板露出部を設けると共に、縦の切断ラインと横の切断ラインとのうちの少なくとも一方に沿って基板露出部を等間隔で複数並べて配置することで、一つの基板露出部の幅が狭くなるため、樹脂バリの長さも短くなる。その結果、切断時に発生する樹脂バリを低減することができる。また、基板外縁の近傍において、複数の基板露出部間に存在するソルダーレジストの幅も狭くなるので、切断時に発生するソルダーレジストによるバリを低減することができる。それゆえ、電子回路ユニットの外観が損なわれることがない。また、樹脂バリ及びレジストバリを低減させることのできる電子回路ユニットを、工程数を増加させずに製造できる電子回路ユニットの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の電子回路ユニットに関わる集合基板を示す平面図である。
図2】電子回路ユニットの構成を示す拡大平面図である。
図3】電子回路ユニットの構成を示す拡大平面図である。
図4】電子回路ユニットを示す斜視図である。
図5】電子回路ユニットを示す平面図である。
図6】従来例に係る電子回路ユニットの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[実施形態]
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。尚、図2図3及び図5においては、基板の各領域の表面における処理状態を分かり易く示すために、表面処理が行われている各領域それぞれにハッチングを施している。
【0018】
まず、電子回路ユニット100の製造方法及び回路基板1の四隅にある銅箔ランド2の周辺の構造について、図1乃至図4を用いて説明する。
【0019】
図1は、電子回路ユニット100を製造する基となる集合基板20を示す平面図である。そして、図2及び図3は、まだ集合基板20の状態である時の、回路基板1の四隅にある銅箔ランド2の周辺構造を示す拡大平面図である。また、図4は、電子回路ユニット100を示す斜視図である。
【0020】
1に示すように、電子回路ユニット100の製造方法では、複数の縦の切断ライン21及び複数の横の切断ライン22を有した集合基板20が用意される。集合基板20上には、複数個の電子回路ユニット100に対応する高周波回路部6がそれぞれ設けられていると共に、高周波回路部6をそれぞれ覆うように、シールドカバー7が取り付けられる。高周波回路部6は、配線パターンや種々の電子部品(図示せず)によって構成されている。電子回路ユニット100の製造方法は、このように構成された集合基板20を縦の切断ライン21及び横の切断ライン22によって切断し、その結果、個片化された矩形状の回路基板1を複数個得るようにした製造方法である。
【0021】
次に、回路基板1の隅部の構造について詳しく説明する。図2及び図3には、1に示すA部、即ち、集合基板20の中で、4つの回路基板1の隅部が集合している部分の拡大図を示している。図2に、集合基板20上において、4つの回路基板1の隅部に銅箔ランド2が形成されている状態を示す。図2に示すように、集合基板20は、縦の切断ライン21及び横の切断ライン22によって、矩形状の回路基板1にそれぞれ区画されている。個々の回路基板1は、それぞれ、後に縦の切断ライン21及び横の切断ライン22に沿って切断されることによって形成される、直交した2辺の基板外縁3を有している。各回路基板1の隅部の近傍には、それぞれ部品取り付け用の取付穴9が設けられている。更に、取付穴9の周囲には部品を半田付けするための銅箔ランド2が形成されている。銅箔ランド2は、その他の配線パターン(図示せず)と一括に形成される。尚、図2では、銅箔ランド2が木の葉状に形成されているが、銅箔ランド2の形状は、取付穴9の周囲を覆う形であれば、その他の形状であってもかまわない。
【0022】
次に、図3に示すように、集合基板20の内、銅箔ランド2を除く領域、少なくとも銅箔ランド2の周囲にソルダーレジスト4が設けられる。ソルダーレジスト4は、集合基板20上の、基板コーナーエッジ23を中心とした、4つの銅箔ランド2に囲まれた領域にも設けられる。しかし、複数の回路基板1同士の境界線である縦の切断ライン21及び横の切断ライン22をそれぞれ中心とした領域には、ソルダーレジスト4が設けられると同時に、ソルダーレジスト4が存在しない基板露出部5が複数設けられる。基板露出部5は、その幅を比較的細かく設定された長方形形状で、基板コーナーエッジ23付近から銅箔ランド2の端部付近まで、等間隔で複数設けられている。ソルダーレジスト4は、銅箔ランド2の周囲において連続しているが、集合基板20がその後、縦の切断ライン21及び横の切断ライン22によって切断されるため、各回路基板1の隅部にある直交した2辺の基板外縁3の近傍上には、基板露出部5を挟むようにソルダーレジスト4が細かく形成されることになる。
【0023】
電子回路ユニット100の製造方法では、高周波回路部6が矩形状の回路基板1のほぼ中央部に設けられた後、図3及び図4に示すように、シールドカバー7の四隅に設けられた脚部7aが銅箔ランド2上に載置され、フラックス入りの半田(図示せず)を用いた半田付けによって取り付けられる。また、前述したように、各銅箔ランド2の略中央には円形の取付穴9が形成されており、脚部7aの先端に設けられた突起部7bを、対応する取付穴9に挿入することにより位置決めが行われる。電子回路ユニット100では、回路基板1上に配設された高周波回路部6をシールドカバー7で覆うことによって電磁的にシールドしている。尚、図3では、シールドカバー7の脚部7aのみを示し、シールドカバー7の本体は省略して示している。
【0024】
電子回路ユニット100の製造方法では、集合基板20に、シールドカバー7を含む全ての部品を搭載した状態で、縦の切断ライン21及び横の切断ライン22に沿って切断して、それぞれの電子回路ユニット100を個片化するようになされている。
【0025】
電子回路ユニット100では、基板外縁3の近傍に基板露出部5を複数設けることで、1つ1つの露出部の幅が狭くなるため、切断時に発生する樹脂バリの長さも短くなる。その結果、樹脂バリがほとんど目立たなくなる。また、基板外縁3の近傍において、複数の基板露出部5の間に存在するソルダーレジスト4の幅も狭くなるので、切断時に発生するソルダーレジスト4によるバリも目立たなくなる。従って、樹脂バリ及びレジストバリを共に低減させることができる。
【0026】
また、本発明の電子回路ユニット100の製造方法では、集合基板20を製造する際にソルダーレジスト4のパターンを変更するだけで本発明を実施することができるため、工程数を増加させずに製造することができる。
【0027】
図2に、部品半田付け時における、半田付け用のフラックス8が濡れ広がる領域を示す。半田付け用のフラックス8には、取付穴9を中心とした円状に濡れ広がる特性がある。図2から分かるように、縦の切断ライン21及び横の切断ライン22の近傍においては、4つの銅箔ランド2に囲まれた領域に、フラックス8が濡れ広がることが分かる。図2図3とを比較すれば分かるように、基板露出部5は、半田付け用のフラックス8が濡れ広がる領域の、基板外縁3側に設けられている。このように、基板露出部5を半田付け用のフラックス8が濡れ広がる領域に設けることにより、効率良くレジストバリを低減させることができる。それと共に、フラックス8が濡れ広がっていない領域に基板露出部5を設けないことで、樹脂バリの余計な発生を防止することができる。
【0028】
次に、電子回路ユニット100の最終的な構造について、図5を用いて説明する。図5は、図1に示した集合基板20が切断されて個片化された個々の電子回路ユニット100を示す平面図である。
【0029】
図5に示すように、電子回路ユニット100は、回路基板1と高周波回路部6と、高周波回路部6を覆うシールドカバー7とで構成されている。回路基板1の四隅の領域には銅箔ランド2が設けられており、シールドカバー7が、銅箔ランド2上で半田付けされている。各銅箔ランド2の周囲には基板露出部5を除いてソルダーレジスト4が設けられている。
【0030】
5に示すように、ソルダーレジスト4は、銅箔ランド2の外側に連続して設けられているが、各回路基板1の隅部にある直交した2辺の基板外縁3の近傍上には、基板露出部5とソルダーレジスト4とが交互に形成されている。このことによって切断時に発生する樹脂バリ及びレジストバリが低減される。
【0031】
以上説明したように、本発明の電子回路ユニットは、基板外縁の近傍に基板露出部を複数設けることで、一つの基板露出部の幅が狭くなるため、樹脂バリの長さも短くなる。その結果、切断時に発生する樹脂バリを低減することができる。また、基板外縁の近傍において、複数の基板露出部間に存在するソルダーレジストの幅も狭くなるので、切断時に発生するソルダーレジストによるバリを低減することができる。それゆえ、電子回路ユニットの外観が損なわれることがない。また、樹脂バリ及びレジストバリを低減させることのできる電子回路ユニットを、工程数を増加させずに製造できる電子回路ユニットの製造方法を提供することができる。
【0032】
本発明は上記の第1実施形態の記載に限定されず、その効果が発揮される態様で適宜変更して実施することができる。例えば、シールドカバー7の脚部7aに突起部7bを設けて、それを回路基板1の取付穴9に挿入して位置決めを行ったが、他の方法で位置決めを行うことができれば、突起部7b及び取付穴9を設けなくても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 回路基板
2 銅箔ランド
3 基板外縁
4 ソルダーレジスト
5 基板露出部
6 高周波回路部
7 シールドカバー
7a 脚部
7b 突起部
8 フラックス
9 取付穴
20 集合基板
21 縦の切断ライン
22 横の切断ライン
23 基板コーナーエッジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6