特許第6124328号(P6124328)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124328
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】円筒状金属パイプの接合方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/00 20060101AFI20170424BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20170424BHJP
   B23K 1/002 20060101ALI20170424BHJP
   B23K 1/00 20060101ALI20170424BHJP
   B23K 1/18 20060101ALI20170424BHJP
   F16L 13/08 20060101ALI20170424BHJP
   B23K 101/06 20060101ALN20170424BHJP
【FI】
   B23K3/00 310L
   H05B6/10 371
   B23K1/002
   B23K1/00 330G
   B23K1/18 B
   B23K1/00 A
   F16L13/08
   B23K101:06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-272018(P2012-272018)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-117706(P2014-117706A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】591195994
【氏名又は名称】株式会社ミヤデン
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英司
(72)【発明者】
【氏名】西村 昌訓
【審査官】 篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−314105(JP,A)
【文献】 特開平03−193266(JP,A)
【文献】 特開2000−244107(JP,A)
【文献】 特開平06−050475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 3/00
B23K 1/00
B23K 1/002
B23K 1/18
F16L 13/08
H05B 6/10
B23K 101/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直状態で配置された下円筒状金属パイプの下端を位置決めする下位置決め治具と、前記下円筒状金属パイプの上端開口部に同軸上にセットされる上円筒状金属パイプを位置決めする上位置決め治具と、セット状態で配置された前記下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプの周方向を位置決めする周方向位置決め治具と、前記下位置決め治具と前記周方向位置決め治具を位置決めするセット治具と、セット状態の前記両金属パイプの長さを検出可能な検出手段と、前記両金属パイプの接合部の外側に配置された加熱コイルと、を備え、
前記セット治具を使用して、前記下位置決め治具及び前記周方向位置決め治具を位置決めすると共に前記上位置決め治具を位置決めした後に、前記上位置決め治具及び前記周方向位置決め治具を元の位置に戻して前記セット治具を取り外し、この状態で前記下位置決め治具に前記下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプをセットすると共に、当該両金属パイプを前記周方向位置決め治具と前記上位置決め治具で位置決めして両金属パイプの長さを前記検出手段で検出し、該検出結果が予め設定した基準範囲内の場合に、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記接合部を誘導加熱して両金属パイプを接合することを特徴とする円筒状金属パイプの接合方法
【請求項2】
前記セット治具は、その全長がセットされた下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプの全長と同一で、その外径が前記下円筒状金属パイプの外径と同一に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の円筒状金属パイプの接合方法
【請求項3】
前記検出手段が、センサヘッドを有する近接センサで形成されて、前記両金属パイプの長さを検出可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の円筒状金属パイプの接合方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直状態で配置された上下一対の円筒状金属パイプを、その軸方向及び周方向の位置を所定状態として高精度に接合するための円筒状金属パイプの接合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば径の異なる上下一対の円筒状の金属パイプを軸方向を一致させてロウ付け固着する場合、下金属パイプと上金属パイプを嵌合させた状態で、両金属パイプの接合部にリング形状の銀ロウを嵌挿させると共に、接合部の周囲に加熱コイルを配置し、加熱コイルにトランジスタインバータから高周波電流を供給することにより接合部を誘導加熱して、銀ロウを溶融することで行っている。なお、この種の金属パイプの接合装置は、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−90218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような接合装置にあっては、一対の金属パイプの接合部にリング形状の銀ロウを配置すると共に接合部の周囲に加熱コイルを単に配置して、接合部を誘導加熱することで行っているため、接合すべき金属パイプの周方向の位置が特定される場合に、上下一対の金属パイプを軸方向と周方向とを所定状態として接合することが困難である。その結果、例えば、下金属パイプや上金属パイプの外周面に穴や溝等がそれぞれ形成されて、これらの穴や溝等を周方向において特定の位置関係に設定(例えば一致)した状態で高精度にロウ付けすることが難しい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、上下一対の円筒状金属パイプをその周方向及び軸方向の位置を所定状態で高精度に接合し得る円筒状金属パイプの接合方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的を達成すべく、本発明のうち請求項1に記載の発明は、垂直状態で配置された下円筒状金属パイプの下端を位置決めする下位置決め治具と、前記下円筒状金属パイプの上端開口部に同軸上にセットされる上円筒状金属パイプを位置決めする上位置決め治具と、セット状態で配置された前記下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプの周方向を位置決めする周方向位置決め治具と、前記下位置決め治具と前記周方向位置決め治具を位置決めするセット治具と、セット状態の前記両金属パイプの長さを検出可能な検出手段と、前記両金属パイプの接合部の外側に配置された加熱コイルと、を備え、
前記セット治具を使用して、前記下位置決め治具及び前記周方向位置決め治具を位置決めすると共に前記上位置決め治具を位置決めした後に、前記上位置決め治具及び前記周方向位置決め治具を元の位置に戻して前記セット治具を取り外し、この状態で前記下位置決め治具に前記下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプをセットすると共に、当該両金属パイプを前記周方向位置決め治具と前記上位置決め治具で位置決めして両金属パイプの長さを前記検出手段で検出し、該検出結果が予め設定した基準範囲内の場合に、前記加熱コイルに高周波電流を供給して前記接合部を誘導加熱して両金属パイプを接合することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記セット治具が、その全長がセットされた下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプの全長と同一で、その外径が前記下円筒状金属パイプの外径と同一に設定されていることを特徴とする
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、前記検出手段が、センサヘッドを有する近接センサで形成されて、前記セット状態の両金属パイプの長さを検出可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1または2に記載の発明によれば、セット治具を使用して下位置決め治具及び周方向位置決め治具等で位置決めセットされた下円筒状金属パイプと上円筒状金属パイプの長さを検出手段で検出し、この検出結果が予め設定した基準範囲内の場合に、両金属パイプの接合部を加熱コイルで誘導加熱して接合するため、各位置決め治具で上下一対の円筒状金属パイプをその軸方向と周方向の位置を所定状態で接合することができ、両金属パイプの接合部に高精度な接合状態を容易に得ることができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加え、検出手段がセンサヘッドを有する近接センサで形成されて、セット状態の両金属パイプの長さ(高さ)を検出可能であるため、両金属パイプの接合前の長さを精度良く検出しつつ、両金属パイプの周方向及び軸方向を所定形態とし、かつ軸方向の長さを所定の長さとして接合できて、両パイプを一層精度良く接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係わる円筒状金属パイプの接合装置の一実施形態を示す側面図
図2】同治具プレートの斜視図
図3】同その要部の拡大図
図4】同金属パイプのセット状態を示す(a)が斜視図(b)が縦断面図
図5】同セット治具及び下位置決め治具を示す(a)が斜視図(b)が縦断面図
図6】同接合方法の一例を示す工程図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1図6は、本発明に係わる円筒状金属パイプの接合装置の一実施形態を示している。図1に示すように、接合装置1は、架台2の前面側の所定高さ位置に水平状態で配置されたワークセット台3と、架台2内でワークセット台3の後方側に前後方向に移動可能に配設された変成器4と、前記ワークセット台3に例えば着脱可能に配設された治具プレート5(図2参照)と、前記架台2上に配設され内部に図示しない制御部を有する制御盤6等を備えている。
【0013】
前記治具プレート5は、図2に示すように、例えば真鍮、アルミニウム等により形成され、この治具プレート5上には、下位置決め治具8、周方向位置決め治具9及び上位置決め治具10等が配設されている。すなわち、治具プレート5の中央後方側には、下ワークWa(下円筒状金属パイプ)の軸方向(上下方向)及び周方向(回転方向)を位置決めする下位置決め治具8が配設され、この下位置決め治具8の前方には後述する如くセットされる下ワークWaと上ワークWb(上円筒状金属パイプ)の周方向を位置決めする周方向位置決め治具9が配設されている。
【0014】
また、前記下位置決め治具8の上方には、上ワークWbの軸方向を位置決めする上位置決め治具10が配設されると共に、検出手段としての近接センサ11等が配設されている。下位置決め治具8は、図4及び図5に示すように、下ワークWaの下端開口部や後述するセット治具12の下端開口部に嵌合可能な略円錐形状の突起8aと、下ワークWaやセット治具12の回転(周方向の移動)を阻止する係止突起8bを有し、突起8aで下ワークWaの軸方向の位置決めを行い、係止突起8bで下ワークWaの周方向の位置決めを行うようになっている。
【0015】
また、前記周方向位置決め治具9は、図2及び図5に示すように、先端に爪9bが形成された係止板9aを有し、係止板9aが手動により図4の矢印イの如く前後方向に移動して、その爪9bbが上ワークWbの溝16に係止されることで、下ワークWaと上ワークWbの周方向の位置決めを行うようになっている。
【0016】
前記上位置決め治具10は、図2及び図3に示すように、治具プレート5の左端後方側から前記下位置決め治具8の上方にかけて固定された正面視L字形状の支持板13の先端部に配設され、手動により矢印ロの如く上下動可能なリニアシャフト14の下端に配設されている。この上位置決め治具10は、図5に示すように、下端にセット治具12の嵌合孔12aの底面凹部12b等に嵌合する突条10aと、セット治具12の嵌合孔12a等に嵌合可能な嵌合部10b等を有している。そして、上位置決め治具10は、リニアシャフト14が下降することにより、その嵌合部10b等が上ワークWbの上端開口部に嵌合して、上ワークWbの軸方向を位置決めするようになっている。
【0017】
また、リニアシャフト14は、図2及び図3に示すように、支持板13の上方まで延設されて、その上部のカラー18上には錘19が固定されると共に、リニアシャフト14の所定位置には図示しない連結板を介して前記近接センサ11が配設されている。この近接センサ11は、例えば2線式直流シールドタイプが使用され、そのセッサヘッド11aが上下動することで、基準面となるベース20に接触可能に構成されている。そして、センサヘッド11aがベース20に接触することで、上位置決め治具10を介して上ワークWbの高さ位置、すなわち下ワークWaと上ワークWbの接合長さが測定(測長)されるようになっている。
【0018】
前記セット治具12は、図5に示すように、その全長がセットされた下ワークWaと上ワークWbの全長と同一に設定され、その外径は下ワークWaの外径と同一に設定されている。また、セット治具12の外周面には、周方向の位置決め用の溝12cが上下方向に形成されると共に、下端には周方向の位置決め用の切欠き12dが形成されている。そして、このセット治具12を使用して、前記下位置決め治具8、周方向位置決め治具9による下ワークWa及び上ワークWbの位置決め位置や、前記上位置決め治具10による位置決め位置が、上ワークWaと下ワークWbに応じて設定(セット)されるようになっている。
【0019】
前記変成器4の前面には、図1に示すように、加熱コイル17が着脱可能に配設されている。この加熱コイル17は、例えば前方側が開口した平面視馬蹄形状に形成されて、変成器4が前進することで、前記ワークセット台3上に移動して、下ワークWaと上ワークWbの接合部Ws(図4参照)の周囲に所定間隔を有して配置されるようになっている。
【0020】
なお、変成器4には、図示しないトランジスタインバータや冷却水供給部が接続され、トランジスタインバータから加熱コイル17に所定周波数で所定出力の高周波電流が供給されて、接合部Wsが誘導加熱されると共に、冷却水供給部から加熱コイル17に冷却水が循環供給されるようになっている。また、図2に示すように、前記治具プレート5上の所定位置には、下ワークWaと上ワークWbの接合部Wsに向けて冷却用のエアーを噴射可能なエアーノズル21が垂直状態で配設され、このエアーノズル21には、図示しないエアー供給源が接続され、該エアーノズル21に設けた上下方向の多数の噴射孔から前記接合部Wsに向けて冷却エアーが噴射されるようになっている。
【0021】
前記制御盤6は、図示ないマイコン等からなる制御部及びリレー、タイマ等を有し、前記近接センサ11からの入力信号を処理したり、接合装置1の各種制御を行うようになっている。
【0022】
次に、このように構成された前記接合装置1を使用した、図4に示す外周面に孔15が形成された下ワークWaと、外周面に縦方向の溝16(スリット)が形成された上ワークWbを例にして、図6の工程図に基づいて説明する。先ず、セット治具12を使用して各位置決め治具8〜10自体の位置決め(K01)を行う。
【0023】
この各治具8〜10の位置決めは、図5に示すように、先ず、セット治具12の下端開口部を下位置決め治具8の突起8aに嵌合させると共に、下端周面に設けた切欠き12dを係止突起8bに係止させることで、下位置決め治具8を位置決めする。次に、セット治具12の係止溝12cに、周方向位置決め治具9を前進させてその係止板9aの爪9bを差し込むことで、周方向位置決め治具9を位置決めする。さらに、両位置決め治具8、9が位置決めされた状態で、セット治具12の上端開口部に、上位置決め治具10を例えば錘19を下方に手動で押すことで下降させて、その突条10a及び嵌合部10bを嵌合させることで、上位置決め治具10を位置決めする。
【0024】
3つの位置決め治具8〜10が位置決めされたら、上位置決め治具10を上昇させて元の位置に戻すと共に、周方向位置決め治具9を後退させて元の位置に戻し、その後にセット治具12を下位置決め治具8から取り外す。この状態で、図4(a)に示すように、下ワークWaと上ワークWbを下位置決め治具8にセット(K02)すると共に、その接合部にリング形状の銀ロウもしくは半田をセット(K03)し、周方向位置決め治具9の係止板9aを手動で前進させてその爪9bを上ワークWbの溝16に差し込んで、下ワークWaと上ワークWbの周方向の位置決め(K04)を行う。
【0025】
下ワークWaと上ワークWbの周方向が位置決めされたら、錘19を下方に手動で押すことにより、リニアシャフト14等を介して上位置決め治具10を下降させて、前述したセット治具12の場合と同様に上ワークWbの軸方向を位置決め(K05)する。これにより、各治具8〜10で下ワークWaと上ワークWbの軸方向と周方向の位置決めが完了し、この状態で測長(K06)が実行される。この測長は、前述したように錘19等を下方に押し下げてリニアシャフト14を下降させ、近接センサ11のセンサヘッド11aをベース20の上面に接触させることで実行される。
【0026】
工程K05で測長が実行されると、近接センサ11で測定されるセンサヘッド11aとベース20間の寸法データが制御部に入力され、その値が予め設定してある基準値(例えば0mm)と比較される。この比較結果が「OK」の場合は、例えば制御盤6に設けた表示灯がOK表示し、このOK表示を作業者が確認したら変成器4を手動で前進させて加熱コイル17を下ワークWaと上ワークWbの接合部Wsに配置する。
【0027】
次に、加熱コイル17が所定位置に配置されたら、架台2の前面に設けた加熱開始釦の操作による制御部の制御信号でトランジスタインバータが作動して、接合部Wsが所定時間誘導加熱(K07)される。この誘導加熱により、接合部Wsに配置されている銀ロウが溶融して、下ワークWaと上ワークWbがロウ付け固着され、その後、制御部の制御信号によりエアーノズル21から冷却エアーが噴射されて接合部Wsが冷却(K08)される。これにより、下ワークWaと上ワークWbが接合され、次に、各位置決め治具8〜10を元の位置に戻してアンセット(K09)し、接合された両ワークWa、Wbを治具プレート5上からアンセット(K10)して作業を終了する。
【0028】
一方、前記工程K05で判定結果(測長)が「NG」の場合、すなわちセンサヘッド11aとベース20間の寸法データが基準範囲外で、セットされている下ワークWbと上ワークの高さ(長さ)が所定値でない場合は、例えば制御盤6に設けた表示灯がNG表示し、このNG表示を作業者が確認したら、両ワークWa、Wbを位置決めしている各位置決め治具8〜10をアンセット(K11)し、工程K02に戻り、該工程K02以降を繰り返す。
【0029】
つまり、前記接合装置1によれば、位置決めセットされた上ワークWbの高さ(下ワークWaと上ワークWbの長さ)が基準範囲内でない場合は、その位置決め状態を解除して、両ワークWa、Wbの位置決め作業を再び行い、上ワークWbの高さ位置が基準範囲内の場合にのみ、接合作業を行うことになる。なお、以上説明した工程の順番等は一例であって、同等の作用効果が得られる適宜の工程(順番)とすることも可能であるし、各工程の全部もしくは一部を自動化したり手動化することも可能である。
【0030】
このように、前記実施形態の接合装置1においては、軸方向及び周方向を位置決めする位置決め治具8〜10で位置決めセットされた下ワークWaと上ワークWbの長さ、つまり上ワークWbの高さ位置を近接センサ11で検出し、この検出結果が予め設定した基準範囲内の場合に、両ワークWa、Wbの接合部Wsを加熱コイル17で誘導加熱してロウ付け接合するため、各位置決め治具8〜10で上下一対のワークWa、Wbを、軸方向及び周方向において所定状態として接合することができ、両ワークWa、Wbを接合部Wsで高精度に接合することができる。
【0031】
特に、検出手段としてセンサヘッド11aを有す接触式の近接センサ11が使用され、セットされた下ワークWaと上ワークWbの長さ(高さ)を検出可能であるため、両ワークWa、Wbの長さを精度良く検出(測定)できて、両ワークWa、Wbを一層精度良く接合することができる。また、両ワークWa、Wbの接合前に、セッ治具12を使用して、各治具8〜10の両ワークWa、Wbに対する位置決め状態を所定に設定してから、実際の両ワークWa、Wbを接合するため、両ワークWa、Wbを精度良く位置決めできてより一層高精度に接合することができる。
【0032】
これらのことから、例えば下ワークWaとしての外周面に孔15が形成された円筒状金属パイプに対して、上ワークWbとしての外周面に溝16が形成された円筒状金属パイプを、その溝16が孔15と所定の位置関係を高精度に維持した状態で接合できて、従来のように周方向の位置不良等による不良品の発生を低減でき、高価な材料(ワーク)の無駄の発生を抑制できる等、実用的に有効な接合装置1を提供することが可能になる。
【0033】
なお、前記実施形態における、各位置決め治具8〜10やセット治具12の形態、検出手段として使用するセンサの種類、加熱コイル17の形態等は一例であって、例えば検出手段として治具プレート5を基準面とした上ワークWbの高さを検出可能な非接触式の近接センサを使用したり、加熱コイル17として平面視略円形の加熱コイルを使用する等、本発明に係わる各発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、外周面に孔と溝を有し互いに径の異なる一対の円筒状金属パイプの接合に限らず、例えば外周面に孔のみや溝のみあるいは凸部等が設けられて、所定径の両パイプを特定方向(所定状態)で接合する全ての接合装置に適用できる。
【符号の説明】
【0035】
1・・・接合装置、2・・・架台、3・・・ワークセット台、4・・・変成器、5・・・治具プレート、6・・・制御盤、8・・・下位置決め治具、8a・・・突起、8b・・・係止突起、9・・・周方向位置決め治具、9a・・・係止板、9b・・・爪、10・・・上位置決め治具、10a・・・突条、10b・・・嵌合部、11・・・近接センサ、11a・・・センサヘッド、12・・・セット治具、12a・・・嵌合孔、12b・・・底面凹部、12c・・・溝、12d・・・切欠き、14・・・リニアシャフト、15・・・孔、16・・・溝、17・・・加熱コイル、19・・・錘、20・・・ベース、21・・・エアーノズル、Wa・・・下ワーク、Wb・・・上ワーク、Ws・・・接合部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6