(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記記憶手段には、所定の広告が放送されたことを示す音声信号として、放送された広告の音声信号と、前記所定の広告が放送されたことを識別できる音声信号との少なくとも一方が記憶されており、
前記要求手段は、放送された広告の音声信号と、前記所定の広告が放送されたことを識別できる音声信号との少なくとも一方が前記記憶されている音声信号と同一であるかの判定をする
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のコンテンツ配信システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本願は、放送された広告をユーザが視聴したかを確認し、視聴したことが判明すると、ユーザが保持している端末で実行できるアプリケーションのコンテンツを配信する発明である。本発明の詳細を説明するために、以下において、図面を参照して具体的に述べる。
【0014】
<第1の実施の形態>
本発明を実施するための第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
(構成)
本発明のコンテンツ配信システム1は、
図1に示す通り、放送局10と、放送受信機20と、携帯端末30と、コンテンツサーバ40とを有する。
【0016】
放送局10は、放送事業者によって作成された番組と共に、広告主に依頼されたテレビCMを放送波を用いて放送する。
【0017】
放送受信機20は、放送局10が放送した番組を受信し、映像情報をテレビ画面に、音声情報をテレビスピーカにそれぞれ出力する。
【0018】
携帯端末30は、テレビスピーカから出力される音声情報を収音し、この収音した音声情報がコンテンツを配信するべき広告の音声であるかを確認し、コンテンツを配信するべき広告の音声である場合に配信要求をコンテンツサーバに送信する。ここで、携帯端末30の詳細について説明する。
【0019】
図2は、携帯端末30のブロック図である。携帯端末30は、携帯電話、携帯ゲーム機、PC(Personal Computer)の端末であり、受信部31、アプリケーション実行部32、コンテンツ記憶部33、収音部34、音声信号記憶部35、及び制御部36を有する。
【0020】
送受信部31は、インターネットを介してコンテンツサーバ40に配信要求を送信し、配信要求に応答してコンテンツサーバ40が送信するコンテンツをンターネットを介して受信する。
【0021】
アプリケーション実行部32は、メモリ(図示せず)に記憶されているアプリケーションを実行する。アプリケーション実行部32がアプリケーションを実行している間、マイクロフォン(図示せず)は集音を実行し、収集した音声を収音部34に渡す。尚、アプリケーションは、出荷時に携帯端末にインストールさせておいても、ユーザがインターネット上に設置されているサーバからダウンロードしてインストールしてもよい。
【0022】
コンテンツ記憶部33は、アプリケーション実行部32が実行するアプリケーションで用いられるコンテンツが記憶されている。
【0023】
収音部34は、マイクロフォンが収集した音声を音声信号に変換して受信音声信号を生成していき、受信音声信号の特徴量を作成する。
【0024】
音声信号記憶部35には、
図3に示す通り、放送局10が放送する広告の音声の音声信号の特徴量と、該広告を一意に識別するCM識別情報とが互いに対応付けられて記憶されている。尚、記憶しておく音声信号の特徴量は、広告の音声の一部又は全部である。
【0025】
制御部36は、収音部34によって生成された受信音声信号の特徴量と、音声信号記憶部35に記憶されている特徴量とを比較することによって、受信音声信号と同一の音声信号を検索する。音声信号が検索された場合、この音声信号に対応付けられているCM識別情報を含む、コンテンツの配信要求を生成して、送受信部31を介してコンテンツサーバ40に送信する。
【0026】
コンテンツサーバ40は、インターネット上に設けられており、携帯端末30から送信される配信要求に応答して、携帯端末30のアプリケーション実行部32が実行するアプリケーションで用いることができるコンテンツを携帯端末30に送信する。ここで、コンテンツサーバ40の詳細について説明する。
【0027】
図4は、コンテンツサーバ40のブロック図である。コンテンツサーバ40は、送受信部41、配信コンテンツ記憶部42、及び検索部43を有する。
【0028】
送受信部41は、インターネットを介して携帯端末30とデータを送受信する。
【0029】
配信コンテンツ記憶部42には、
図5に示す通り、CM識別情報と、放送されるCMの商品やサービスを化体させたコンテンツとが互いに対応付けられて記憶されている。
【0030】
検索部43は、送受信部41を介して配信要求を受信すると、配信要求に含まれているCM識別情報を、配信コンテンツ記憶部42から検索する。そして、検索されたCM識別情報に対応付けられているコンテンツを、送受信部41を介して携帯端末30に送信する。
【0031】
(動作)
続いて、本願の動作について
図6を用いて説明する。尚、以下の説明において、アプリケーションは育成ゲームを一例とし、放送されるCMは清涼飲料水会社のお茶のCMを一例とし、音声信号『AAA』の音声がCMとして流れる場合を用い、更には既に携帯端末30の育成ゲームが起動していて収音モードになっているものとして説明する。
【0032】
放送局10は、CMを放送波を用いて放送する(ステップS1)。ここで、清涼飲料水会社のお茶のCMを放送したとする。
【0033】
放送受信機20は、放送局10が放送した番組を受信し、音声をテレビスピーカに出力する(ステップS2)。
【0034】
携帯端末30の収音部34は、テレビスピーカから出力される音声をマイクロフォンで受信し、受信した音声を音声信号に変換した後、受信音声信号の特徴量を生成する(ステップS3)。ここで、受信音声信号の特徴量として『AAA』が生成される。
【0035】
制御部36は、収音部34によって生成される受信音声信号の特徴量に基づいて、音声信号記憶部35に受信音声信号の特徴量と一致する特徴量が有るかを検索する(ステップS4)。一致する特徴量が無い場合(ステップS4:NO)、ステップS3に戻る。
【0036】
一致する特徴量が検索されると(ステップS4:YES)、検索された特徴量に対応付けられているCM識別情報を読み出し、コンテンツの配信要求を生成する(ステップS5)。ここで、制御部36は、
図3に示す音声信号記憶部35の特徴量の中から『AAA』を検索し、『AAA』に対応付けられているCM識別情報『0001』を読み出し、CM識別情報『0001』を含む配信要求を生成する。
【0037】
送受信部31は、制御部36が生成した配信要求を送信する(ステップS6)。
【0038】
コンテンツサーバ40の送受信部41は、インターネットを介して携帯端末30からの配信要求を受信する(ステップS7)。
【0039】
検索部43は、送受信部41が受信した配信要求に含まれているCM識別情報に基づいて、配信コンテンツ記憶部42から同一のCM識別情報に対応付けられているコンテンツを検索して読み出す(ステップS8)。ここでは、
図5に示す配信コンテンツ記憶部42から、CM識別情報『0001』に対応付けられているコンテンツ『お茶』が検索される。
【0040】
送受信部31は、検索部43が読み出したコンテンツを、携帯端末30に送信する(ステップS9)。
【0041】
携帯端末30の送受信部31は、コンテンツサーバ40から送信されたコンテンツを受信し(ステップS10)、制御部36がコンテンツ記憶部33に記憶する(ステップS11)。そして、アプリケーションである育成ゲームがユーザによって終了されたかを確認する(ステップS12)。終了していない場合(ステップS11:NO)、ステップS3に戻る。一方、終了した場合は、そのまま集音モードを終了させる。
【0042】
一致する特徴量が検索されると(ステップS4:YES)、検索された特徴量に対応付けられているCM識別情報を読み出し、コンテンツの配信要求を生成する(ステップS5)。
【0043】
このような動作を経て、ユーザは、該広告の視聴による特典として該広告の商品を化体させたコンテンツを取得する。広告主はそのコンテンツの配信数から、自社の広告効果を知ることができる。
【0044】
尚、上記動作説明では、アプリケーションとして育成ゲームを例にして説明したがこれに限定されるものではない。例えば、放送したCMの商品やサービスを化体させたコンテンツが実行できればよい。具体的な例としては、カードゲームやロールプレイングゲーム等のゲームのアプリケーションやクーポン等のアプリケーションのように、イメージ化させた広告の商品画像を表示させたり、広告の商品の用途や効能、広告のサービスをヴァーチャル化して仮想的に経験できるように動作させたりするアプリケーションであれば良い。
【0045】
また、広告媒体として、テレビ放送を例にして説明したがこれに限定されるものではなく、ラジオ放送やデジタルサイネージのように、広告を音声にて行うものであればよい。
【0046】
本願によると、CMの音声によって視聴確認をするため、ユーザは携帯端末のアプリケーションを起動して収音モードにするだけで良い。即ち、携帯端末の操作が少なくすむ。
【0047】
また、配信するコンテンツを放送したCMの商品やサービスを化体させたコンテンツにしているため、放送終了後もアプリケーションで該コンテンツが使用されるため、広告効果を更に高めることができる。更には、広告の商品をイメージ化させてアプリケーション上のアイテムとして配布し、広告の商品の用途や効能、広告のサービスを仮想的に経験できるようにすると、更なる広告効果が望める。また、コンテンツを複数回使用できるように定義づけておくと、放送終了後もアプリケーションで該コンテンツ何度も使用されるため、更なる広告効果を更に高めることができる。
【0048】
また、近年、ゲームアプリにおいて有料課金のゲームアイテムにより高額支払いが発生するなどの社会問題が発生しているが、上記本願発明によると、この問題を解決することができる。これは、レアアイテムと呼ばれる貴重なアイテムやコンテンツを広告視聴による特典として配信させれば、アイテムのレア度を保たせつつも高額支払いの発生が抑えられるからである。
【0049】
<第2の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、比較する音声信号の特徴量は、広告の音声の一部または全部の場合を用いて説明したが、広告の音声の最初と最後との各々の所定区間であってもよい。そこで本実施の形態では、広告の音声の最初と最後との各々の所定区間を比較する場合について説明する。尚、上記第1の実施の形態と同様の構成については同一の付番を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
【0050】
(構成)
音声信号記憶部35には、
図7に示す通り、特徴量として第1の特徴量と第2の特徴量とがCM識別情報に対応付けられて記憶されている。第1の特徴量は、広告の音声の最初の所定区間の音声の特徴量であり、第2の特徴量は、広告の音声の最後の所定区間の音声の特徴量である。
【0051】
制御部36は、収音部34によって生成されていく受信音声信号の特徴量と、音声信号記憶部35に記憶されている第1の特徴量とを比較する。比較の結果、一致する特徴量が有る場合には、その第1の特徴量に対応付けられている第2の特徴量と同一の特徴量が収音部32によって生成されるかを確認する。
【0052】
(動作)
本実施の形態の動作について説明する。
【0053】
上記第1の実施の形態同様に、S3まで行う。
【0054】
制御部36は、収音部34によって生成されていく受信音声信号の特徴量と、音声信号記憶部35に記憶されている第1の特徴量とを比較する(ステップS41)。一致する特徴量が無い場合(ステップS41:NO)、ステップS3に戻る。
【0055】
一致する特徴量が検索されると(ステップS41:YES)、第1の特徴量に対応付けられている第2の特徴量と同一の特徴量が収音部32によって生成されるかを確認する(ステップS42)。所定時間に第2の特徴量と一致する特徴量が確認できない場合(ステップS42:NO)、ステップS41に戻る。
【0056】
第2の特徴量と一致する特徴量が確認されると、上記第1の実施の形態同様、ステップS5〜ステップS12を行う。
【0057】
このように、広告の音声の最初と最後との各々の所定区間と一致するかを確認することにより、ユーザが広告を最初から最後まで視聴したことを確認できるため、広告効果を更に高めることができる。
【0058】
尚、上記説明では、広告の音声の最初と最後との各々の所定区間と一致するかを確認したが、例えば音声として流れる企業名や商品名を複数確認するというように、広告の音声中の所定区間を複数確認する構成であってもよい。
【0059】
また、上記説明では、広告の音声中の複数の区間を比較する場合を用いて説明したが、広告以外の音声で、広告が放送されていることを示す音声と、広告の音声とを組み合わせて比較する構成であってもよい。例えば、放送局によってはCMの前に自社のサウンドロゴを流してからCMを流す場合があり、このようなサウンドロゴと広告の音声とを組み合わせて比較してもよい。この場合、広告主はどの放送局で放映した広告の効果が高いかを知ることが出来る。また一方で、放送局では自社のCMのみに特典を与えることがきるため、視聴率を上げることができる。
【0060】
<第3の実施の形態>
上記第1及び第2の実施の形態では、集音した音声が広告の音声であるかを確認する構成を用いて説明したが、所定の広告が放送されていることを示す音声であれば実現可能である。そこで、本実施の形態では、所定の広告が放送されていることを示す音声であるかを確認する構成について説明する。尚、上記第1又は第2の実施の形態と同様の構成については同一の付番を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
【0061】
本実施の形態では、放送事業者が、予め、データ放送で利用することが出来る複数の電子音を組み合わせて、広告が識別できるように、広告毎に対応付けておく。そして、放送局10は、BML(Broadcast Markup Language)に、放送する広告を識別する電子音を該広告が放送されるタイミングでテレビスピーカから出力させる命令文を記述して、放送波を用いて送信する。尚、このBMLは、データ放送画面を表示していなくても実行されるものである。
【0062】
音声信号記憶部35には、データ放送で鳴らす電子音の組み合わせの音声信号の特徴量と、該広告を一意に識別するCM識別情報とが互いに対応付けられて記憶されている。
【0063】
本実施の形態の動作は、第1の実施の形態又は第2の実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
このように、広告が放送されていることを示す音声であるかを確認する構成であっても、ユーザは該広告の視聴による特典として該広告の商品を化体させたコンテンツを取得することができ、広告主はそのコンテンツの配信数から、自社の広告効果を知ることができる。
【0065】
また、本実施の形態によると、広告の商品ごとでなく、例えば複数商品ごとに識別させたり、企業ごとに識別させたりとグループ化できるため、キャンペーン等の効果を知ることができる。
【0066】
<第4の実施の形態>
本実施の形態では、放送された広告をユーザがリアルタイムで視聴したかを確認することが出来る構成について説明する。尚、上記第1〜第3の実施の形態と同様の構成については同一の付番を用いて説明し、詳細な説明を省略する。
【0067】
コンテンツサーバ40の配信コンテンツ記憶部42は、
図9に示す通り、CM識別情報と、コンテンツと、該CMの放送開始時間である放送時刻とが対応付けられて記憶されている。
【0068】
検索部43は、配信要求を受信すると、その受信時刻を一時的に記憶する。そして、配信要求に含まれているCM識別情報を、配信コンテンツ記憶部42から検索し、対応付けられている放送時刻を読み出す。この読み出した放送時刻から所定時間以内に、受信時刻が入るか否かを確認する。入る場合には、検索したCM識別情報に対応付けられているコンテンツを読み出し、送受信部41を介して携帯端末30に送信する。
【0069】
(動作)
本実施の形態の動作について説明する。
【0070】
上記第1の実施の形態同様に、S7まで行う。
【0071】
検索部43は、配信要求を受信すると、その受信時刻を一時的に記憶する(ステップS81)。更に、受信した配信要求に含まれているCM識別情報に基づいて、配信コンテンツ記憶部42から同一のCM識別情報に対応付けられている放送時刻を読み出し、この読み出した放送時刻から所定時間以内に、配信要求が受信されたか否かを確認する(ステップS82)
【0072】
放送時刻から所定時間以内に、配信要求が受信されていない場合(ステップS82:NO)、コンテンツを配信できない旨のメッセージを携帯端末30に送信する(ステップS83)。一方、放送時刻から所定時間以内に、配信要求が受信されている場合(ステップS82:Yes)、上記第1の実施の形態同様、ステップ9〜ステップS12を行う。
【0073】
このように、放送時刻から所定時間以内に、配信要求が受信されているかを確認することにより、ユーザにリアルタイムでの広告視聴を促すことになり、広告効果を更に高めることができる。
【0074】
尚、上述した本発明の端末は、上記説明からも明らかなように、ハードウェアで構成することも可能であるが、コンピュータプログラムにより実現することも可能である。このような構成の場合、プログラムメモリに格納されているプログラムで動作するプロセッサによって、上述した実施の形態と同様の機能、動作を実現させる。尚、上述した実施の形態の一部の機能のみをコンピュータプログラムにより実現することも可能である。
【0075】
以上、実施の形態及び実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態及び実施例に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。