特許第6124457号(P6124457)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124457
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】床上貨物搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 67/02 20060101AFI20170424BHJP
   B60P 1/52 20060101ALN20170424BHJP
【FI】
   B65G67/02
   !B60P1/52 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-238807(P2013-238807)
(22)【出願日】2013年11月19日
(65)【公開番号】特開2015-98382(P2015-98382A)
(43)【公開日】2015年5月28日
【審査請求日】2016年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117135
【氏名又は名称】芦森工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502444733
【氏名又は名称】日軽金アクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089196
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 良之
(74)【代理人】
【識別番号】100104226
【弁理士】
【氏名又は名称】須原 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100125162
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 亨
(72)【発明者】
【氏名】永棟 泰史
(72)【発明者】
【氏名】島野 裕年
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−114384(JP,A)
【文献】 特開昭49−111369(JP,A)
【文献】 実開昭49−139717(JP,U)
【文献】 特開2002−331926(JP,A)
【文献】 実開平1−87046(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 67/00−67/56
B60P 1/52
B65G 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨物の搬入および搬出に使用される床上貸物搬送装置であって、
複数の走行ローラーを有し、床面に沿って配置されたレールを走行可能とするローラープレートと、
前記ローラープレートに取り付けられ、貨物が載置される載置面を有する本体フレームと、
前記ローラープレートと前記本体フレームとの間に設けられ、前記本体フレームが前記レールの内部空間に収容された下降位置と、前記レールに対して飛び出た上昇位置との間で前記本体フレームを昇降させる昇降機構と、
を備え、
前記本体フレームの一端に前記載置面と平行な少なくとも1つの側壁を有するホルダーを設け、
前記本体フレームの幅方向両側に突出するサイドローラーを有するサイドローラーユニットを前記ホルダーの前記側壁に締結したことを特徴とするものである。
【請求項2】
請求項1に記載された床上貨物搬送装置において、
前記サイドローラーユニットは、前記ホルダーの前記側壁に前記載置面側から締結されていることを特徴とする、床上貨物搬送装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の床上貨物搬送装置において、
前記ホルダーは断面コの字状に形成されて、対向する一対の前記側壁間に前記サイドローラーユニットが締結されていることを特徴とする、床上貨物搬送装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の床上貨物搬送装置において、
前記サイドローラーユニットは、前記本体フレームの長手方向の両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とする、床上貨物搬送装置。






















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床上貨物搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の床上貨物搬送装置としては、例えば、特許文献1に記載のものがある。この床上貨物搬送装置は、ローラーフレームと、荷受台とを備える。ローラーフレームは、複数のローラーを有し、床面に設けられたレール溝を走行可能である。荷受台は、貨物が載せられるものであって、ローラーフレームに設置され、ローラーフレームに対して昇降可能である。荷受台を上昇させることによって貨物を床面から持ち上げ、この状態でローラーフレームを走行させることで、軽い力で貨物を移動させることができる。一方、下降させることによって貨物を床面に載置することができる。なお、床面に載置されているとき、貨物は動かない。また、ローラーフレームおよび/または荷受台の長手方向端部側面には、左右一対のサイドローラーが設けられている。走行中にレール溝内でローラーフレームおよび荷受台が左右に寄った場合、サイドローラーは、レール溝に接触しながら回転する。これにより、スムーズな走行が可能となる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−114384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
床上貨物搬送装置のレール溝は床面より下方に形成されているため、床上のチリや損傷したパレットの破片、貨物の梱包材量から出る繊維質の埃などがレール溝に入り込み、サイドローラーやその回転軸に付着して、そのスムーズな回転を阻害する。サイドローラーが回転しない場合には、サイドローラー自体のレール溝の壁面との接触面積が小さいため、フレームとレール溝の側壁とが衝突する以上にそれぞれの部材に与える損傷が大きくなる。従って、定期的にサイドローラーが正常にスムーズに回転するための清掃やサイドローラー部品の補修などのメンテナンスが必要である。
【0005】
ところが、特許文献1に記載のサイドローラーは、基部37,上部38,下部39,中空部40等を備えた支えフレーム6に縦軸35によって回転可能に支持されており、この支えフレーム6は、止めネジ26によってローラーフレーム2の前端部の側面から締結されている(特許文献1の図3参照)。このため、サイドローラーの取り外しはできても、軸受けとなる上部、下部や収納部となる中空部の清掃を行うためには、床上貨物搬送装置自体をレール溝から取り出して作業を行わなくてはならず、作業性が悪いという課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、安定した走行を可能とし、メンテナンス性を向上させた床上貨物搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
第1の発明は、複数の走行ローラーを有し、床面に沿って配置されたレールを走行可能とするローラープレートと、前記ローラープレートに取り付けられ、貨物が載置される載置面を有する本体フレームと、前記ローラープレートと前記本体フレームとの間に設けられ、前記本体フレームが前記レールの内部空間に収容された下降位置と、前記レールに対して飛び出た上昇位置との間で前記本体フレームを昇降させる昇降機構と、を備え、前記本体フレームの一端に前記載置面と平行な少なくとも1つの側壁を有するホルダーを設け、前記本体フレームの幅方向両側に突出するサイドローラーを有するサイドローラーユニットを前記ホルダーの前記側壁に締結したことを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、上昇位置に移動する本体フレームの一端に本体フレームの載置面と平行な側壁を有するホルダーを設け、その側壁にサイドローラーユニットを締結しているため、容易にサイドローラーユニットを本体フレームから着脱できる。従って、サイドローラーのメンテナンス作業が容易となる。さらに、サイドローラーが設けられた本体フレームごと交換する場合に比べて、コストを削減することができる。また、ホルダーを本体フレームに対して取り付けた後、サイドローラーユニットをホルダーに取り付けることにより既存の床上貨物搬送装置に後付けすることも可能となる。
【0009】
第2の発明は、前記第1の発明において、サイドローラーユニットは、前記ホルダーの前記側壁に前記載置面側から締結されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明によれば、サイドローラーユニットは、前記ホルダーの載置面側から締結されることにより、床上貨物搬送装置自体をレールから取り出さずに、サイドローラーユニットを取り外すことができる。従って、サイドローラーユニットの交換作業が容易となり、またメンテナンス時の作業性も向上する。
【0011】
第3の発明は、前記第1または第2の発明において、前記ホルダーは断面コの字状に形成されて、対向する一対の前記側壁間に前記サイドローラーユニットが締結されていることを特徴とするものである。
【0012】
本発明によれば、サイドローラーユニットは、前記ホルダーの対向する一対の側壁間に締結されていることから、強固に固定される。従って、レールの端部や上昇状態で床上に載置された貨物にぶつかった際も破損することはない。
【0013】
第4の発明は、前記第1〜3の何れかの発明において、前記サイドローラーユニットは、前記本体フレームの長手方向の両端部にそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、サイドローラーユニットは、前記本体フレームの長手方向の両端にそれぞれ設けられている。これにより、床上貨物搬送装置がレールの側壁に摺動した際も、より一層安定した走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本体フレームが下降位置にあるときの床上貨物搬送装置の側面図である。
図2】本体フレームが上昇位置にあるときの床上貨物搬送装置の側面図である。
図3】(a)は、図1のA−A矢視図であって、(b)は、図2のA´−A´矢視図である。
図4】床上貨物搬送装置の全体構成を示す図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。
図5】本体フレームの長手方向の前端面に取り付けられたガイドユニットの斜視図である。
図6】ガイドユニットの分解斜視図である。
図7】レール内に床上貨物搬送装置を走行ローラーを上向きにして載置したときの図である。
図8】床上貨物運搬装置の使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。図1および図2中に床上貨物搬送装置1の上下方向・前後方向を示す。図3および図7中に床上貨物搬送装置1の上下方向・左右方向を示す。図4中に床上貨物搬送装置1の前後方向を示す。図5および図6中に床上貨物搬送装置1の上下方向・左右方向・前後方向を示す。
【0017】
床上貨物搬送装置1は、図1図3図8に示すように、貨物17の搬入および搬出時に使用されるものである。床上貨物搬送装置1は、床面19に設けられたレール3の内部空間Sに収容される。レール3は、床面19の前後方向に延びるように設けられた溝に嵌合される。図3に示すように、レール3の断面は、略コの字型形状をなす。レール3は、深さ方向中央部に幅変化部3aを有し、中央部から上部に対して、中央部から下部が狭まるように形成される。レール3の深さ方向下部の左右方向の幅は、サイドローラーユニット4aに取り付けられた2つのサイドローラー20の左右両端間の幅より小さい。なお、床面19とは、例えば、トラックなどの貨物車両の荷台の床面などのことである。床上貨物搬送装置1は、本体フレーム2と、ローラープレート11と、リンク機構8と、カム機構30と、ガイドユニット4とを備える。
【0018】
(本体フレーム)
本体フレーム2は、図1に示すように、トラックなどの貨物車両の荷台の床面19に設けられたレール3の内周に沿って細長く延在する。本体フレーム2の長手方向の長さは、貨物17の大きさやローラープレート11に支持される走行ローラー16の数などによって適宜選ばれる。本体フレーム2は、レール3の内部空間Sに前後方向走行可能に収納される。本体フレーム2は、レール3に沿って細長く延びる左右一対の側板53と、この2枚の側板53の上面に沿って長く延びて側板53同士を接続する天板2bと、2枚の側板53及び天板2bの長手方向の両端に端板58とを有している。天板2bは、貨物17が載荷される載荷台2bを構成する。また、天板2bには、後述するリンク機構8の上側にあたる部分に、操作レバー21による操作を可能にする開口部57が設けられている。また、天板2bには、本体フレーム2がローラープレート11に対して下降したときに、走行ローラー16の上面を収納するための切欠部2aが設けられている。また、端板58には、図6に示すように、2つのボルト穴26が設けられている。本体フレーム2は、全体重量軽量化のために、アルミニウムで形成されていることが望ましいが、アルミニウム以外の材料、例えば、鋼材やステンレスなどで形成されるものであってもよい。
【0019】
(ローラープレート)
ローラープレート11は、左右一対の側板18を有し、本体フレーム2内に収納されている。この側板18間は、コーキングシャフト13により所定間隔に保たれている。走行ローラー16は、ローラーシャフト14によって側板18間に回転可能に支持されている。ローラープレート11は、後部において後述するリンク機構8によって本体フレーム2と連結されている。
【0020】
また、ローラープレート11と本体フレーム2との間には、本体フレーム2がローラープレート11から落ちることを防止するための落下防止手段61が設けられている。
【0021】
(リンク機構)
リンク機構8は、ローラープレート11の後部に設けられたシャフト7によって回転自在に軸支され長孔状の摺動溝9aを有する操作部材9と、本体フレーム2に設けられ摺動溝9aに沿って移動可能に係合するピン部材10とから構成される。操作部材9は、シャフト7に軸支され操作レバー21を保持するレバー保持部9bと、摺動溝9aを構成してピン部材10を移動可能に係合する摺動枠9cとが一体に形成されて構成されている。レバー保持部9bには、保持孔9dが設けられ、この保持孔9dに操作レバー21が嵌挿される。操作レバー9dを前側から後側に向かって手で引っ張るように下げる操作を行うことにより、操作部材9がシャフト7を中心として回動し、ピン部材10が摺動溝9aに沿って移動することで、本体フレーム2が、ローラープレート11に対して前後方向に移動可能.になる。このとき、後述するカム機構30によって、リンク機構8の回動とともに、本体フレーム2の前後移動に応じて本体フレーム2の載荷台2bがローラープレート11に対して昇降する。
【0022】
摺動溝9aは、操作部材9の回動中心に対して外側に凸な略弓状部分9eを有するように形成されており、弓状部分9eに沿ってピン部材10が移動するよう係合している。すなわち、摺動溝9aは、操作部材9の回動とともに本体フレーム2側に設けられたピン部材10を引き込みながら上昇させる軌跡に形成されている。そして、摺動溝9aの弓状部分9eの後側には、ピン部材10が突き当たるポケット状に形成されるエンドポジション部分9fが連続して設けられている。また、本体フレーム2を下降させるために操作部材9が押し倒されていき、ポケット状のエンドポジション部分9fからピン部材10が脱するときには、滑らかに本体フレーム2が前側へ移動するように逃げ部9gが設けられている。この逃げ部9gは、摺動溝9aにおいて弓状部分9eが形成する摺動面に対向するように位置している部分に、ピン部材10が余裕をもって移動可能にする空間として設けられている。
【0023】
(カム機構)
カム機構30は、リンク機構8による本体フレーム2のローラープレート11に対する前後方向の移動に応じて、本体フレーム2を上昇位置または下降位置に昇降させるための機構である。ここで、上昇位置とは、本体フレーム2がレール3に対して飛び出た状態のことであって、下降位置とは、本体フレーム2が前記レール3の内部空間Sに収容された状態のことである。カム機構30は、ローラープレート11と本体フレーム2との間において少なくとも1つは設けられている。カム機構30の数は、ローラープレート11の長さに応じて適宜選択される。カム機構30は、本体フレーム11の天板2bの下面にネジ31によって固設された傾斜カム6と、ローラープレート11の側板18に軸15aによって回転自在に軸支されたカムローラー15とを有する。
【0024】
傾斜カム6は、後側から前側にかけて楔状部分の厚みが広がって高さが増加するよう形成されている傾斜面6cと所定の高さまで増加した傾斜面6cに連続して設けられた窪み6aとを有している。窪み6a部分の傾斜カム6の高さは、カムローラー15がこの窪み6aに嵌ったときに本体フレーム2の上昇位置を確保する高さである。そして、傾斜面6cの最も高い高さは、窪み6aを形成可能にするために、本体フレーム2の上昇位置を確保する高さよりも少し高めである。カムローラー15の設置位置は、図1に示すように本体フレーム2が下降位置にあるときに傾斜面6cの最も低い場所に当接するような位置であり、リンク機構8によって本体フレーム2が前後移動するにつれて傾斜カム6に乗り上げるような位置に設けられている。また、傾斜面6cの最も低い位置から窪み6aまでの距離は、本体フレーム2に設けられたピン部材10が操作部材9の回動によって、摺動溝9aに沿って図1に示す回動初期の位置から図2に示すエンドポジション部分9fに到達するように調整されている。
【0025】
カム機構30は、リンク機構8によって本体フレーム2がローラープレート11に対して前から後ろへ移動するにつれ、カムローラー15は傾斜カム6の傾斜面に乗り上げて本体フレーム2を上昇させる。本体フレーム2が上昇位置に達したとき、カムローラー15は窪み6aに嵌り、本体フレーム2の上昇位置を維持する。
【0026】
(ガイドユニット)
ガイドユニット4は、図1図2および図4に示すように、本体フレーム2の長手方向の両端面にそれぞれ1つずつ設けられる。ガイドユニット4は、図5に示すように、全体として直方体形状を有する。ガイドユニット4は、サイドローラーユニット4aと、ホルダー4bと、サイドローラー20とを有する。
【0027】
サイドローラーユニット4aは、図6に示すように、ホルダー4bに設けられた収納部S2に嵌入される。サイドローラーユニット4aは、高さ方向中央部に、左右および後方に開放されたローラー収納部S1が形成された部材である。サイドローラーユニット4aには、サイドローラーユニット4aを上下方向に貫き、ピン27が挿入される孔22が2つ設けられている。サイドローラーユニット4aは、サイドローラーユニット4aの上面に設けられたボルト孔23を有する。ボルト孔23には、ボルト28が挿入される。サイドローラーユニット4aのローラー収納部S1には、左右幅方向に2つのサイドローラー20が収容される。2つのサイドローラー20は、それらの一部が、ローラー収納部S2から左右に飛び出した状態で、サイドローラーユニット4aに取り付けられている。
【0028】
サイドローラー20は、孔22とサイドローラー20の中心部に設けられた孔20aにピン27が挿入され、ボルト止めされることによって取り付けられる。サイドローラー20は、ピン27によって回転可能に支持される。なお、サイドローラー20は、サイドローラーユニット4aの左右にそれぞれ複数個取り付けられても構わない。このとき、サイドローラー20は、前後方向もしくは上下方向に複数個並ぶように設置される。
【0029】
ホルダー4bは、断面コの字型形状に形成された部材であり、その高さ方向中央部に、サイドローラーユニット4aが収納される収納部S2を有する。ホルダー4bには、ホルダー4bを上下方向に貫き、ボルト28が挿入されるボルト孔24がそれぞれ設けられる。収納部S2には、サイドローラーユニット4aが嵌入される。サイドローラーユニット4aは、ボルト孔24とボルト孔23とにボルト28が挿入され、ボルト止めされることによってホルダー4bに取り付けられる。ホルダー4bには、ホルダー4bの後面を貫き、ボルト29が挿入されるボルト孔25が2つ設けられる。ホルダー4bは、ボルト孔25とボルト孔26とにボルト29が挿入され、ボルト止めされることによって、本体フレーム2の端板58に取り付けられる。これにより、ガイドユニット4は、本体フレーム2に取り付けられる。
【0030】
サイドローラー20は、ガイドユニット4が取り付けられる本体フレーム2に対して、左右方向に突出する。サイドローラー20は、本体フレーム2に対して、片側約1.5mm程度突出する。
【0031】
サイドローラーユニット4a、ホルダー4bおよびサイドローラー20の材質は、例えば、アルミニウム、鋼材またはステンレスなどであり、サイドローラー20においては市販の金属ベアリングや合成樹脂製ベアリングを使用してもよい。
【0032】
(レール内でのサイドローラーの位置)
本体フレーム2が下降位置にあるときには、図4(a)に示すように、本体フレーム2の上端は、レール3から上に飛び出していない。従って、貨物17(パレット51)は、床面19に載置された状態になる。
ここで、レール3の上端からサイドローラー20までの寸法をD1、レール3の下端からサイドローラー20までの寸法をD2、レール3の下端から幅変化部3aの下端までの寸法をD3とする。本体フレーム2が下降位置にあるとき、サイドローラー20は、レール3の内部空間Sにおいて、その上端からD1、下端(底面)からD2の位置にあり、D1≧D2である。また、レール3の下端からサイドローラー20までの寸法D2は、レール3の下端から幅変化部3aの下端までの寸法D3より大きく、D2>D3である。従って、サイドローラー20と幅変化部3aとは干渉しない。
【0033】
また、本体フレーム2が上昇位置にあるときには、図4(b)に示すように、本体フレーム2の上端は、レール3から上に飛び出す。これにより、貨物17(パレット51)が床面19から浮かび上がる。このとき、サイドローラー20は、レール20の内部空間Sの上半部に位置する。ここで、レール3の深さ方向の中央を挟み、中央から上をレール3の上半部、中央から下をレール3の下半部とする。
【0034】
(床上貨物搬送装置の貨物搬送時の動作)
図1に示すように、レール3が設けられ、そのレール3の内部空間Sに、本体フレーム2が下降位置にある床上貨物搬送装置1が収納された床面19の上に貨物17(パレット51)を載置する。次に、操作レバー21を図1の状態から図2の状態になるように前側から後側へと引っ張るように下げることにより、カム機構30によって本体フレーム2を上昇位置まで上昇させる。これにより、本体フレーム2がレール3に対して飛び出し、貨物17(パレット51)が床面19から浮かび上がる。これにより、貨物17(パレット51)は、本体フレーム2の天板2bに載置された状態になる。
【0035】
この状態で貨物17を前後に押すと、ローラープレート11に設けられた走行ローラー16が回転することにより、床上貨物搬送装置1が走行する。これにより、軽い力で貨物17(パレット51)を搬送させることができる。また、床上貨物搬送装置1がレール3に対して傾いたり、幅方向一方側に寄った場合、サイドローラー20は、レール3に接触しながら回転する。これにより、床上貨物搬送装置1は、レール3に引っ掛かることなく走行可能となる。
【0036】
所望の位置まで貨物17(パレット51)を搬送させた後、操作レバー21を図2の状態から図1の状態になるように後側から前側へと押し上げることにより、カム機構30によって本体フレーム2を下降位置まで下降させる。本体フレーム2が下降し、レール3の内部空間Sに収納されることにより、貨物17(パレット51)が床面19に載置される。
【0037】
(荷台に貨物がないときの床上貨物搬送装置の保管について)
トラックなどの貨物車両の荷台に貨物17がないとき、床上貨物搬送装置1をロックする機構が設けられていない場合は、例えば、走行中の振動またはブレーキの際の慣性力が加わることにより、床上貨物搬送装置1がレール3内を走行してしまうという問題がある。
このとき、図7に示すように、床上貨物搬送装置1を上下逆向きにして、レール3の内部空間Sに載置しても構わない。ここで、床上貨物搬送装置1を床面19に上下逆向きに載置したとき、床上貨物搬送装置1は、本体フレーム2の天板2bがレール3の床面に当たる。すなわち、走行ローラー16が上向きになるため、床上貨物搬送装置1は走行中に動かなくなる。また、図3に示すように、サイドローラー20は、レール3の内部空間Sにおいて、その上端からD1、下端(底面)からD2の位置にあり、D1≧D2である。従って、図7に示すように、床上貨物搬送装置1をレール3内で上下逆向きにしても、サイドローラー20は、レール3の幅変化部3aに干渉しない。従って、レール3内に床上貨物搬送装置1を安定した状態で収納し、保管することができる。
【0038】
(作用・効果)
本実施形態では、サイドローラーユニット4aは載置面側からのボルト28によりホルダー4bに固定され、該ホルダー4bは、ボルト孔25とボルト孔26とにボルト29が挿入され、ボルト止めされることによって本体フレーム2の端板58に取り付けられる。これにより、ガイドユニット4は、本体フレーム2に取り付けられる。従って、サイドローラーユニット4aおよびホルダー4bは、容易に本体フレーム2に着脱可能である。これにより、サイドローラー20がレール3との接触によって摩耗したとき、本体フレーム2に取り付けられたサイドローラーユニット4aまたはホルダー4bはいずれも床上貨物搬送装置1をレール3から取り出すことなく取り外すことができ、交換やメンテナンス作業が容易となる。また、サイドローラーユニット4aやホルダー4bはいずれもそれぞれ個々に交換することができ、従って、本体フレーム2は、交換することなく繰り返し使用することができる。これにより、ガイドユニット4が取り付けられた本体フレーム2ごと交換する場合に比べて、コストを削減することができる。
【0039】
また、本実施形態では、本体フレーム2がレール3に対して飛び出た上昇位置にある時、すなわち、床上貨物搬送装置1による貨物17搬送時、サイドローラー20は、レール3の内部空間Sの上半部に位置する。これにより、上昇位置においてサイドローラー20がレール3内の下の方に位置している場合に比べて、サイドローラー20とレール3との接触点から貨物17の重心までの距離は小さい。従って、サイドローラー20とレール3との接触点まわりのモーメントが小さくなるため、床上貨物搬送装置1は走行中に傾きにくい。これにより、床上貨物搬送装置1は、安定した走行が可能となる。なお、サイドローラー20とレール3との接触点まわりのモーメントを小さくする観点では、サイドローラー20は、図4(a)に示すように、レール3の上端部に位置していることがより好ましい。さらに、サイドローラー20が先にレール3に接触することによって、本体フレーム2とレール3との接触も防止される。これにより、本体フレーム2およびレール3の損傷または破損を防止することができる。
【0040】
また、本実施形態では、サイドローラーユニット4aは、ホルダー4bの対向する一対の側壁間に締結されていることから、強固に固定される。従って、レール3の端部や上昇状態で床上に載置された貨物17にぶつかった際も破損することはない。
【0041】
また、本実施形態では、サイドローラーユニット4aは、前記本体フレーム2の長手方向の両端にそれぞれ設けられている。これにより、床上貨物搬送装置1がレール3の側壁に摺動した際も、より一層安定した走行が可能となる。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態や実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
【0043】
上記の実施形態では、レール3は、深さ方向中央部に幅変化部3aを有し、中央部から上部に対して、中央部から下部が狭まるように形成されると記載したが、レール3の内周面間の幅は、一定でも構わない。
【0044】
また、上記の実施形態では、ガイドユニット4は、本体フレーム2の長手方向の両端面にそれぞれ1つずつ取り付けられると記載したが、本体フレーム2の長手方向のどちらか一端面のみに取り付けられても構わない。
【0045】
また、上記の実施形態では、本体フレーム2の長手方向の両端面に取り付けられたガイドユニット4にサイドローラー20が設けられていると記載したが、例えば、本体フレーム2の左右両側面に対して突出するサイドローラー20を本体フレーム2の長手方向の両端部に直接取り付けても構わない。
【0046】
また、上記の実施形態では、ガイドユニット4は、本体フレーム2の端板58に取り付けられているが、ガイドユニット4は、例えば、側板53または天板2bに取り付けても構わない。また、ガイドユニット4は、端板58および側板53、端板58および天板2b、側板53および天板2b、若しくは、それら全てに取り付けられていても構わない。
【0047】
また、上記の実施形態では、図6に示したように、サイドローラーユニットは、ボルト34をさらに用いて、ボルト孔33とボルト孔32とにボルト34を挿入して取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1:床上貨物搬送装置
2:本体フレーム
4:ガイドユニット
4a:サイドローラーユニット
4b:ホルダー
8:リンク機構
11:ローラープレート
20:サイドローラー
30:カム機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8