(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、各実施形態に係る被ばく線量管理装置について図面を用いて説明する。なお、以下の被ばく線量管理装置は、ハードウェア構成、又はハードウェア資源とソフトウェアとの組合せ構成のいずれでも実施可能となっている。ソフトウェアは、予めネットワーク又は記憶媒体からコンピュータにインストールされ、被ばく線量管理装置の各機能を当該コンピュータに実現させるためのプログラムが用いられる。
【0012】
<被ばく線量管理装置100>
図1は第1実施形態に係る被ばく線量管理装置100の一例を示す模式図であり、
図1に示すように、X線血管撮影装置50は、通信回線を介してコンピュータ10に接続されている。
【0013】
X線血管撮影装置50は、X線照射工程を含む検査又は治療に用いられ、通常のアンギオ(angiography)機能を有している。X線血管撮影装置50はバイプレーン対応であり、正面系のX線撮影システム(F側撮影系53)と、側面系のX線撮影システム(L側撮影系51)とを装備している。F側撮影系53は、X線管531とX線検出器532とを有する。X線検出器532は、マトリクス状に配列された半導体検出素子を有するフラットパネルディテクタ(FPD:平面型X線検出器)で構成される。X線管531は、X線検出器532とともに、互いに対向する向きでC形アーム533に搭載される。C形アーム533は、直交3軸に関して回転可能である。
【0014】
L側撮影系51は、X線管511とX線検出器512とを有する。X線管511は、X線検出器512とともに、互いに対向する向きでΩ形アーム513に搭載される。Ω形アーム513は、直交3軸に関して回転可能である。
【0015】
角度計測部57は、C形アーム533及びΩ形アーム513の回転角度を計測する。C形アーム533及びΩ形アーム513は回転角度指令値を受信した不図示の回転駆動部で駆動されるが、角度計測部57は、その回転角度指令値を使用して回転角度を計測してもよい。
【0016】
線量計算部58は、F側撮影系53とL側撮影系51とのそれぞれの総空気カーマAKを計算している。X線管531及びX線管511は、高電圧で加速された電子線が金属などの対陰極に衝突してX線を発生させる。線量計算部58は、このX線管の電流値等から換算して、アイソセンタからX線管側に所定距離離れたIVR(インターベンショナルラジオロジー)位置におけるX線量を計算する。また線量計算部58は、検査又は治療の初めから終わりまでのX線量を記憶して総空気カーマAKを計算する。電流値等とIVR位置等で様々な環境で実際に測定し実測したX線量との関係をルックアップテーブル等のメモリーに記憶させておけば、線量計算部58は、高電圧の電圧値等からX線量を計算できる。
【0017】
また線量計算部58は、例えばF側撮影系53とL側撮影系51とのX線絞り(不図示)の出口に配置されたそれぞれの面積線量計(不図示)で計測したX線量を記憶して、IVR位置におけるF側撮影系53の総空気カーマAKとL側撮影系51の総空気カーマAKを計算してもよい。なお、第1実施形態の線量計算部58は、IVR位置における総空気カーマAKを計算するが、FDA位置又はイメージインテンシファイア位置など被検体の背面位置に相当する位置で計算すればIVR位置に限られない。
【0018】
X線血管撮影装置50の詳細構成は、
図2で説明する。なお
図1及び
図2では、バイプレーンのX線血管撮影装置50が描かれているが、第1実施形態は、シングルプレーンのX線血管撮影装置50にも適用可能である。
【0019】
医療従事者が、X線血管撮影装置50を使用して検査又は治療を完了させると、X線血管撮影装置50は、血管造影撮影により収集したX線画像及びこのX線画像に対応するX線照射記録をコンピュータ10に送信する機能をもっている。X線画像及びX線照射記録は、医用画像のフォーマット規格であるDICOMにより、X線血管撮影装置50からコンピュータ10に送信される。なお、第1実施形態では、X線画像は必ずしも必要ないため、X線照射記録のみがコンピュータ10に送信されてもよく、コンピュータ10が送られてきたX線画像及びX線照射記録のうちX線画像を削除してもよい。
【0020】
このX線血管撮影装置50からのX線照射記録は、X線光学系の幾何学的情報(X線照射した検出器の領域、C形アーム533及びΩ形アーム513の回転角度(又は、X線管531及びX線検出器532並びにX線管511及びX線検出器512の位置・角度))などのX線条件を含んでいる。また、X線照射記録は、IVR位置における総空気カーマAK(全X線線量)、被検体ID、及びX線照射工程の日時を示す日時情報を含んでいる。
【0021】
総空気カーマAKは、X線血管撮影装置50での透視などでX線画像が保存されてない場合にも、照射されるX線量も含む概念である。
【0022】
コンピュータ10は、
図1に示されるように、位置及び線量演算部12、最多アーム角度計算部13、表示部14、データ記憶部16、及びネットワーク通信部19を備えている。
【0023】
位置及び線量演算部12は、F側撮影系53及びL側撮影系51のそれぞれの総空気カーマAK、及びC形アーム533及びΩ形アーム513の回転角度に基づいて、被検体の頭部又は胴部どこの位置にX線が一番多く照射されているホットスポットHS(局所位置:局所点)を演算する。つまり、F側撮影系53のホットスポットHS及びL側撮影系51のホットスポットHSを演算する。
【0024】
最多アーム角度計算部13は、診断又は治療のためX線血管撮影装置50が使用された場合に、一回の診断又は治療で一番多くC形アーム533及びΩ形アーム513が使用された撮影時の角度、最多アーム角度AA、を計算する。
【0025】
表示部14は、カラーモニター等であり、被検体の頭部
シェーマ又は心臓付近の胴部
シェーマを表示するとともに、その頭部
シェーマ又は胴部
シェーマ上にホットスポットHSを表示する。詳細については、
図4を使って説明する。
【0026】
データ記憶部16は、X線照射記録を記憶する。また、データ記憶部16は、位置及び線量演算部12が演算した結果を記憶する。さらにデータ記憶部16は、医用画像のフォーマット、例えばDICOMフォーマットのX線画像を記憶してもよい。
【0027】
ネットワーク通信部19は、X線血管撮影装置50との間でネットワークを介して通信する機能を有し、例えば、X線血管撮影装置50からX線画像及びX線照射記録を受信する機能を有している。
【0028】
被ばく線量管理装置100は、以上説明した構成からなる。さらに、
図1において点線で示される病院内又は病院外に設置されたサーバー30に接続されていてもよい。
【0029】
サーバー30は、データ記憶部36及びネットワーク通信部39を有している。そして、は、位置及び線量演算部12が演算したホットスポットHS、及び最多アーム角度計算部13が計算した最多アーム角度AAを、ネットワーク通信部19及びネットワーク通信部39を介して、データ記憶部36に記憶する。さらに、表示部14に表示された被検体の頭部
シェーマ又は心臓付近の胴部
シェーマも含めてデータ記憶部36に記憶してもよい。
【0030】
<X線血管撮影装置50の詳細構成>
図2にX線血管撮影装置50の詳細構成を示す。前述したように、X線血管撮影装置50はバイプレーン対応であり、正面系のX線撮影システム(F側撮影系53)と、側面系のX線撮影システム(L側撮影系51)とを装備しており、寝台528上に載置された被検体を、正面と側面の2方向から同時に撮影することが可能に構成されている。
【0031】
L側撮影系51において、円弧状を成す天井吊り式の側面系のΩ形アーム513は、Ω形アームホルダ515を介して、スライダベース517から吊り下げられている。スライダベース517は天井面に施設された走行レールに係合して縦横に移動可能に支持されている。L側撮影系51は、第一X線管511と第一X線検出器512とを有している。F側撮影系53は、第二X線管531と第二X線検出器532とを有している。第一X線管511,531は、図示しない高電圧発生器からの高電圧(管電圧)の印加によりX線を発生する。X線検出器512,532には、イメージインテンシファイアとTVカメラとの組み合わせ、または複数の検出素子(画素)が2次元状に配列されてなる平面検出器(フラットパネルディテクタ)が採用されている。
【0032】
L側撮影系51の第一X線管511はΩ形アーム513の一端に取り付けられ、第一X線検出器512はΩ形アーム513の他端に取り付けられる。CA1(Y軸)は第一X線管511の焦点から第一X線検出器512の受像面中心を結ぶL側撮影系51の第一撮影中心軸を表す。
【0033】
F側撮影系53において、円弧状を成す床置き式のC形アーム533は、C形アームホルダ531を介して床に据え付けられたスタンド537に支持される。スタンド537は矢印Jに沿って支柱回転(旋回)可能な構造を有している。F側撮影系53は、矢印Jに関して旋回することにより、Ω形アーム513の内側に位置する(2方向)撮影位置と待機位置との間を移動することができる。
【0034】
F側撮影系53の第二X線管531はC形アーム533の一端に取り付けられ、第二X線検出器532はC形アーム533の他端に取り付けられる。CA2(X)は第二X線管531の焦点から第二X線検出器532の受像面中心を結ぶF側撮影系53の第二撮影中心軸を表している。
【0035】
L側撮影系51の第一撮影中心軸CA1と、F側撮影系53の第二撮影中心軸CA2とは、アイソセンタ(撮影不動点)で交差するように設定できる。IVR位置は、アイソセンタからX線管側に15cmの位置である。
【0036】
なお、典型的には、撮影角度とはXYZ直交3軸に対する撮影軸の交差角として定義され、慣習的には、第1斜位(RAO)、第2斜位(LAO)、第3斜位(CRA)、第4斜位(CAU)各々の角度として表現される。第一撮影中心軸CA1がアイソセンタを通過するときのL側撮影系51の位置をL側撮影系51の撮影位置と称し、同様に、第二撮影中心軸CA2がアイソセンタを通過するときのF側撮影系53の位置をF側撮影系53の撮影位置と称する。
【0037】
寝台は、天板55をX軸方向と平行な上下方向に関して昇降可能であり、かつ天板55をそのZ軸(長軸方向)と平行な向きおよびY軸方向と平行な向きに関してスライド可能に支持する。L側撮影系51とF側撮影系53とは、制御装置により、例えば、第一X線管511と第一X線検出器512に対応する第一撮影中心軸CA1と、第二X線管531と第二X線検出器532に対応する第二撮影中心軸CA2との交点が被検体の関心部位に一致するように移動を制御されて撮影動作をする。
【0038】
X線血管撮影装置50で撮影した被検体のX線画像及びX線照射記録は、ネットワーク通信部19を介し、患者の二次元DSA(digital subtraction angiography)又は三次元DSA画像として表示部14に表示される。
【0039】
<X線血管撮影装置50の診断もしくは治療の際のX線量>
図3(A)は、F側撮影系53の一回の診断(又は検査)における透視と撮影との使用状況及び線量率を、1分間の透視における面積線量を基準として示したグラフである。このグラフで、透視はホワイトバーで撮影はグレーバーで示されている。透視で確認しながら、必要な撮影を適宜行っている。撮影時の管電流は透視時の管電流と比べ大きく、撮影時の線量率は透視の線量率の10倍から30倍ほどある。透視又は撮影時の線量率は、パルスレートや管電流のLow/Highによっても変動する。一回の治療における透視と撮影との使用状況及び線量率との比較グラフは示されていないが、診断のグラフと比べて透視時間が多くなる傾向がある。
【0040】
図3(A)に示された一回の診断では、9回の撮影が行われている。
図3(B)は、この9回の撮影ごとのC形アーム533の角度、視野サイズ、撮影枚数を示したX線照射記録の表である。X線血管撮影装置50は、撮影したX線画像とともにこのX線照射記録がコンピュータ10を送信する。またX線血管撮影装置50は、透視及び撮影で照射したX線管からの総X線量(総空気カーマAK)もコンピュータ10を送信する。なお、第1実施形態のX線血管撮影装置50は、透視時のC形アームの角度または視野サイズ等は記憶していらず、透視時の記録はコンピュータ10に送信していない。
【0041】
図3(B)において、例えば、第1回目の撮影は、C形アーム533の角度が第1斜位(RAO)が0度および尾頭方向(CRA(Cranial view))30度であり、画像の視野サイズFOVが30cmであることを示し、撮影枚数が10フレームであることを示している。第2回目の撮影は、C形アーム533の角度が第1斜位(RAO)が0度及び尾頭方向(CRA(Cranial view))30度であり、画像の視野サイズFOVが20cmであることを示し、撮影枚数が20フレームであることを示している。また、第7回目の撮影は、C形アーム533の角度が第1斜位(RAO)が0度及び尾頭方向(CRA(Cranial view))60度であり、画像の視野サイズFOVが12cmであることを示し、撮影枚数が20フレームであることを示している。
【0042】
図3(A)及び(B)を使って、F側撮影系53の撮影について説明したがL側撮影系51も同様である。すなわち、L側撮影系51のΩ形アーム513の角度等及び総空気カーマAKも同様にコンピュータ10に送信され、透視時のΩ形アームの角度等はコンピュータ10に送信されていない。
【0043】
<線量分布の計算>
コンピュータ10の位置及び線量演算部12は、データ記憶部16に記憶されたF側撮影系53のX線照射記録及びL側撮影系51のX線照射記録に基づいて、被検体のどこの位置にX線が一番多く照射されているホットスポットHSを演算する。ここでは、F側撮影系53について説明する。
【0044】
被検体に照射されるX線量は、画像の視野サイズFOVが小さくなれば増える。
図3(B)に示されたように、第1実施形態では、画像の視野サイズFOVが30cm、20cm、16cm及び12cmがある。そのため、視野サイズFOV=20cm、FOV=16cm及びFOC=12cmを、視野サイズFOV=30cmに換算する。この換算する乗率は例えば以下の表1のとおりである。どの視野サイズFOVに換算するかは任意であり、視野サイズFOC=30cm、FOV=20cm及びFOV=16cmを、視野サイズFOV=12cmに換算してもよい。
【表1】
【0045】
図3(A)及び(B)では、F側撮影系53の撮影が9回行われた。これら9回の撮影時のC形アーム533の角度は3種類あり、RAO0度およびCRA0度、RAO0度およびCRA30度、並びにRAO0度およびCRA60度である。角度毎にまとめると以下の表2になる。
【表2】
【0046】
最多アーム角度計算部13は、例えばC形アーム533が9回の撮影のうち6回が、RAO0度およびCRA30度であったことを計算する。つまり最多アーム角度計算部13は、最多アーム角度AAがRAO0度およびCRA30度であり、全撮影のうち66.7%を占めると計算する。最多アーム角度における撮影頻度を総AK値に乗じるだけのED算出も可能である。
【0047】
位置及び線量演算部12は、それぞれの角度における撮影時の視野サイズFOV=30cm換算の割合を計算する。RAO0度およびCRA0度は、RCA(0,0)=20×1.90+10×1.90=57.0となる。RAO0度およびCRA30度は、RCA(0,30)=30+20×1.53+10×1.53+30×1.90+10×2.55+20×2.55=189.4となる。RAO0度およびCRA60度は、RCA(0,60)=20×2.55=51.0となる。つまり、撮影時の視野サイズFOV=30cm換算において、一回の診断でF側撮影系53は、RAO0度およびCRA30度が約64%占めている。
【0048】
これにより、位置及び線量演算部12は、F側撮影系53において、被検体のRAO0度およびCRA30度の位置にX線が一番多く照射されていると演算する。つまり、被検体のRAO0度およびCRA30度の位置(RCA(0,30))がホットスポットHSとなる。なお、最多アーム角度計算部13で計算される最多アーム角度AAと、位置及び線量演算部12が求める視野サイズFOV=30cm換算でX線量が一番多いアーム角度とは必ずしも一致しない。例えばC形アームの最多アーム角度AAがRAO0度およびCRA0度であり、X線が一番多く照射されている角度がRAO0度およびCRA30度であることがある。しかし、実際のカテーテル治療においては、視野サイズ換算のX線量が一番多いアーム角度と最多アーム角度AAとは一致することが多い。
【0049】
また、位置及び線量演算部12は、そのホットスポットHSにおけるX線量を推定する。
図3(A)で示されたように診断において、例えば総X線量(総空気カーマAK)が1200mGy(ミリグレイ)であったとする。すると、被検体のRAO0度およびCRA30度の位置では、推定線量EDが以下のように計算される。
ED=AK×RCA(0,30)/(RCA(0,0)+RCA(0,30)+RCA(0,60))=1200×189.4/(57.0+189.4+51.0)=764
すなわち、ホットスポットHSでは推定線量EDが764mGyであると推定する。
【0050】
図3(A)で示されたように診断において透視時と撮影時とがある。しかし、透視のX線量は小さくまた透視時のC形アームの角度等はコンピュータ10に送信されていない。そこで透視及び撮影の両者を含む総空気カーマAKに、一番X線が多く照射された撮影時の角度の占めた割合を乗じ、その値をホットスポットHSでの推定線量EDとしている。
【0051】
例えば、医療従事者がX線血管撮影装置50を使用して検査する場合、表2で示した9回の撮影をしたとする。医療従事者の経験上、透視時間は視野サイズFOV=30cmで撮影している角度に比例すると考えられる。すなわち、透視時間も、一番撮影が多いRCA(0,30)で一番時間が多いと考えられる。
【0052】
また、医療従事者がX線血管撮影装置50を使用して治療する場合、医療従事者の経験上、透視時間は撮影している角度で一番長くなる。すなわち、透視時間も、一番撮影が多いRCA(0,30)で一番時間が多い。
【0053】
透視時のC形アームの角度及び透視時の線量は、X線血管撮影装置50が記憶していないため不明であるが、透視時の線量も視野サイズFOV=30cmで撮影している角度で配分しても問題ない。
【0054】
実際に、頭部のX線ファントムを使い実験した。IVR位置に線量計(不図示)配置して
図3(A)及び(B)の条件で測定すると、線量が443mGyであった。またホットスポットHSに線量計(不図示)配置して
図3(A)及び(B)の条件で測定すると、275mGyであった。つまり、先ほどの推定線量ED764mGyの約36%であった。いずれにしても、推定線量EDは実測値よりも大きいので、医療従事者は推定線量EDで被検体の被ばくを管理すれば、より安全である。本実施形態ではホットスポットHSの推定には寝台528(
図2を参照)の移動を考慮していないが、カテーテル治療が開始されれば,寝台528はほとんど移動させないことが多い。また寝台528の移動を無視することでホットスポットHSでの推定線量値は過大評価されることとなり,被検体の被ばく管理という意味では安全である。
【0055】
図4は、ホットスポットHS、総X線量などの結果を表示した表示部14の一例である。
図4ではF側撮影系53及びL側撮影系51の両方の結果を一画面に表示しているが、F側撮影系53の結果の画面とL側撮影系51の結果の画面とを別々にしてもよい。
【0056】
患者情報141は、検査日、患者ID、撮影部位又は氏名を含む。撮影部位は頭部又は胴部が選択される。
頭部
シェーマ画像は、F側撮影系53用に右側、左側、背面側の三方向から見た平面の頭部
シェーマ画像142を含み、またL側撮影系51用に右側、左側、背面側の三方向から見た平面の頭部
シェーマ画像143を含む。三方向からの平面画像ではなく頭部
シェーマ画像を三次元表示してもよい。患者情報141の撮影部位が頭部であると頭部
シェーマ画像が表示され、患者情報141の撮影部位が胴部であると胴部
シェーマ画像が表示される。この頭部
シェーマ画像又は胴部
シェーマ画像に、ホットスポットHSがX線量に応じた色彩で表示される。
【0057】
照射線量バー144は、ホットスポットHSの線量を示す色彩バーである。例えば、0Gyの色彩を青色(又は白色)にし、3Gyの色彩を赤色(又は黒色)にしたグラデーションのバーである。ホットスポットHSが3Gy近傍であれば赤色の点が頭部
シェーマ画像上に表示され、ホットスポットHSが0Gy近傍であれば青色の点が頭部
シェーマ画像上に表示される。
【0058】
サマリーには、F側撮影系53及びL側撮影系51のそれぞれの総X線量(総空気カーマAK)を示す欄145、F側撮影系53及びL側撮影系51のそれぞれの最多アーム角度AAを示す欄146、及びF側撮影系53及びL側撮影系51のそれぞれのホットスポットHSの線量を示す欄147がある。
【0059】
欄145は、X線血管撮影装置50からコンピュータ10に送信された総X線量を表示する。欄146は、最多アーム角度計算部13が計算した最多アーム角度AA及び全撮影のうち最多アーム角度AAで撮影された割合を示す。欄147は、位置及び線量演算部12がF側撮影系53及びL側撮影系51のそれぞれのホットスポットHSのX線量を示す。位置及び線量演算部12が演算した撮影時の視野サイズFOV=30cm換算で一番多い割合の位置であるホットスポットHSは、頭部
シェーマ画像又は胴部
シェーマ画像に表示される。
【0060】
<被ばく線量管理装置110>
図5は第2実施形態に係る被ばく線量管理装置110の一例を示す模式図である。
図5のX線血管撮影装置59は、第1実施形態の位置及び線量演算部12、最多アーム角度計算部13、表示部14及びデータ記憶部16をX線血管撮影装置内部に取り込んだ装置である。例えば第1実施形態のX線血管撮影装置50のプログラムを書き換えたり、メモリーを追加したりして実施できる。
【0061】
被ばく線量管理装置110は、第1実施形態で説明したと同様な内容であるため説明を割愛する。ネットワークで接続されるコンピュータは不要である。