(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の飲料は、非重合体カテキン類及び茶アロマ成分を含む。
ここで、カテキン類とは、カテキン及びその誘導体をいう。
非重合体カテキン類の含有量については、後述するタンニン含有量に関する条件を満足する範囲内であれば特に限定はなく、例えば、1〜300ppmであってもよいし、10〜250ppmであってもよいし、20〜200ppmであってもよいし、30〜150ppmであってもよい。
【0011】
非重合体カテキン類は、その65質量%以上がガレート体であると、経時的な変色が起こりにくくなるため好ましい。ガレート体率([飲料に含まれる非重合体カテキン類のうちガレート体であるものの質量/飲料に含まれる全非重合体カテキン類の質量]×100)が65質量%を越えると、飲料の経時的な変色が大きくなる傾向にある。
ガレート体率は、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、最も好ましくは100質量%である。ガレート体率をこのような範囲とすると、非重合体カテキン類の経時酸化が起こりにくくなり、飲料を長期間保存しても変色の程度が小さく済む。
【0012】
また、本発明において、茶アロマ成分とは、茶由来の、又は、合成により得られた、茶の香り(茶と同様の香り)を持つ化合物(液体、気体又は固体)をいい、例えば、茶葉や茶抽出物を水蒸気蒸留するなどして得ることができる。茶葉や茶抽出物から茶アロマを回収する方法としては、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、特表2011−508034号公報に開示されている方法を好ましく採用することができる。
【0013】
本発明において、飲料の酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量は30mg/100ml未満である。
タンニン含有量が30mg/100ml未満であれば、タンニンの経時的な酸化による変色が飲料の色に与える影響が小さく、長期間保存しても変色の目立たない飲料とすることができる。変色の観点からは、タンニン含有量は小さい方が好ましく、例えば、25mg/ml未満、さらには15mg/ml未満であることが好ましい。
【0014】
本発明において、飲料の茶アロマ成分量Aは、その値が80以上であるか、酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/ml)に対する比が1.0以上となるようにする。
ここで、茶アロマ成分量Aとは、内部標準物質を1.0質量ppbとなるように添加し、35℃に保持した試料50gから30分間に放出された気体成分について、GC−FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)を実施した時に得られるクロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計及び内部標準物質のピーク面積を、各々、S
Total及びS
ISとしたときに、下記の式(1)により得られる値である。
A=S
Total/S
IS ・・・(1)
【0015】
本発明の第一の態様においては、茶アロマ成分量Aが80以上となるように、飲料に茶アロマ成分を含有させる。茶アロマ成分量Aは、200以上が好ましく、より好ましくは400以上、さらに好ましくは800以上である。このような範囲にあると、タンニン含有量が少ないにもかかわらず、茶らしい味わいを実現することができる。
また、本発明の第二の態様においては、茶アロマ成分量Aと酒石酸鉄吸光光度法により測定されるタンニン含有量(mg/ml)の比(タンニン含有量/茶アロマ成分量A)が3以上となるように、飲料のタンニン含有量と茶アロマ成分の量を調整する。茶アロマ成分量Aとタンニン含有量の比は、5以上であることがより好ましく、10以上であることがさらに好ましく、20以上であることがとりわけ好ましい。一方、茶アロマ成分量Aとタンニン含有量の比に上限はないが、200以下であることが好ましく、100以下であることがより好ましい。このような範囲にあると、タンニン含有量が少ないにもかかわらず、茶らしい味わいを実現することができる。
【0016】
本発明の飲料の調製方法に限定はなく、例えば、茶抽出物から、タンニンを(一部)除去すると共に、これに別途用意しておいた茶アロマ成分及び、必要に応じて茶エキス、その他の原料等を添加することにより調製してもよい。その際、茶抽出物は、例えば、ツバキ科カメリア属の常緑樹の葉や茎等又はその加工品(例えば、煎茶、ほうじ茶、かぶせ茶、玉露、茎茶、茎ほうじ茶等)を常法に従って抽出することにより得ることができる。
また、本発明の飲料は、茶葉を水蒸気蒸留することにより茶アロマ成分及び非重合体カテキン類を含むエキスを得、これをそのまま用いて、或は、これにタンニンを低減した茶抽出物やその他の原料と混合することによって調製してもよい。
さらに、本発明の飲料は、水に(別途、調製/精製された)カテキン類及び茶アロマ成分を添加することにより調製してもよい。
【0017】
本発明の飲料の製造方法の一例を
図1を用いて説明する。
図1は、本発明の飲料の製造方法の一例の流れを示すイメージ図であり、
図1に示した例においては、下部及び上部に複数の口の付いた抽出機を用いる。
まず、抽出機に茶葉を入れ、抽出機下部よりその内部に水蒸気を導入する。水蒸気の温度に限定はなく、例えば、100〜130℃程度とすることができる。次いで、水蒸気によって抽出された茶アロマ成分を含むエキスを、抽出機上部から回収し、冷却・液化させる。
その後、抽出機に上部から水を入れ、抽出機下部から茶葉抽出液を回収する。このときの水の温度に限定はなく、例えば、10〜95℃程度とすることができる。続いて、回収した茶葉抽出液について、遠心分離やタンナーゼ等のタンニン分解酵素やタンニン吸着樹脂等を用いたタンニン除去処理を施すことにより、タンニン量を低減させる。
以上のようにして得られた茶アロマ成分を含むエキスとタンニン量の低減された茶抽出液(並びに、必要に応じて水やその他の添加物(香料や追加のエキス等))とを、タンニン含有量と茶アロマ成分量Aが条件を満足するよう所定の割合で混合することにより本発明の飲料を製造する。
なお、エキス、茶抽出液及び水(任意)の混合割合は、エキス及び茶抽出液のタンニン含有量及び茶アロマ成分量Aを事前に測定しておいて、その値に基づいて決定することができる。
【0018】
本発明の飲料は、さらに、アミノ酸やカフェイン等の茶含有成分や、酸化防止剤、保存料、pH調整剤、品質安定剤、乳化剤、甘味料、酸味料、色素、香料、渋味抑制剤、その他容器詰飲料に一般に添加される各種添加剤を本発明の効果を妨げない範囲で含んでいてもよい。
また、本発明の飲料のpHに限定はなく、例えば、5.0〜8.0とすることができる。
【0019】
本発明の飲料は、ガラス容器(瓶)、金属缶容器、紙容器、プラスチック容器(ボトル)、パウチ容器、BIB(バッグインボックス)容器等の各種容器に充填される。充填に先立ち、又は、充填後に、必要に応じて殺菌処理を行ってもよい。殺菌処理に限定はなく、従来採用されている方法を採用することができる。
【0020】
飲料を充填する容器の種類に限定はないが、本発明の飲料は、酸化による変色が起こりにくいので、軽量化・薄肉化したプラスチック容器(ボトル)に充填するのに適している。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等を主成分として含む(「主成分として含む」とは、50質量%以上、好ましくは70質量%以上含むことをいう。)樹脂組成物からなる容器(ボトル)が好ましい。このとき、樹脂組成物には、植物由来成分を1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%程度添加してもよい。
容器の樹脂使用量としては、例えば、1.5g〜5g/100ml程度とすることができる。
【0021】
容器の厚さに限定はないが、一般的な茶飲料であれば、最小厚みが300μm未満の薄肉化プラスチック容器に入れるとすぐに褐色に変色してしまうところ、本発明の飲料は、このような容器に入れて保存しても短期間で変色するようなことはない。したがって、本発明の飲料は、このような容器と有利に組み合せることができる。
本発明の飲料であれば、充填容器の最小厚みが250μm以下、200μm以下、さらには100μm以下であっても、短期間で変色することはほとんどない。したがって、飲料の変色という観点からは、容器の最小厚みの下限値に限定はない。ただし、容器の強度の観点からは、容器の最小厚みは10μm以上であることが好ましく、より好ましくは50μm以上、さらに好ましくは75μm以上である。
【0022】
一方、容器の胴体部(容器の首部(キャップ部を含む)、肩部及び底を除く部分)の最大厚みについては、軽量化という観点からは、500μm以下とすることが好ましく、より好ましくは450μm以下、さらに好ましくは400μm以下である。もっとも、容器の強度の観点からは、容器の胴体部の最大厚みは250μm以上であることが好ましく、より好ましくは350μm以上である。
なお、容器の胴体部の表面積のうち、上述のような最大厚みを有する部分、すなわち、厚みが250μm〜500μmである分厚い部分が占める割合は、容器の強度と軽量化の兼ね合いの観点から、5〜50面積%であることが好ましく、より好ましくは10〜40面積%、さらに好ましくは15〜30面積%である。
【0023】
また、容器の酸素透過度にも限定はないが、一般的な茶飲料であれば、酸素透過度が0.008cc/day・100ml・atm以上の容器に入れるとすぐに褐色に変色してしまうところ、本発明の飲料は、このような容器に入れて保存しても短期間で変色するようなことはない。したがって、本発明の飲料は、このような容器と有利に組み合せることができる。
本発明の飲料であれば、充填容器の酸素透過度が、0.01cc/day・100ml・atm以上、0.015cc/day・100ml・atm以上、さらには0.02cc/day・100ml・atm以上であっても、短期間で変色することはほとんどない。
【0024】
さらに、容器の紫外線透過率にも限定はないが、一般的な茶飲料であれば、紫外線(波長360nm)透過率が70%以上の容器に入れると変色が進みやすいが、本発明の飲料は、このような容器に入れて保存しても短期間で変色するようなことはない。したがって、本発明の飲料は、このような容器と有利に組み合せることができる。
本発明の飲料であれば、充填容器の紫外線(波長360nm)透過率が75%以上であっても問題はなく、さらには80%以上であっても短期間で変色することはほとんどない。
【実施例】
【0025】
以下に、本発明の飲料について実施例を用いてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されない。なお、タンニン含有量及び茶アロマ成分量Aの測定は以下のようにして行った。
【0026】
1. タンニン含有量の測定
A.検量線標準液(没食子酸エチル標準液)の調製
没食子酸エチルを0.0001gまで示すことのできる天秤を用いて0.1gを正確に計りとり精製水を加え100mlとし、これを標準原液とした。 次いで、標準原液を各5、10、15、20、25ml分取し精製水を加え100mlとし、これを標準液とした。
【0027】
B.試薬の調製
(1)りん酸緩衝液(PH=7.55)
りん酸水素2ナトリウム(Na
2HPO
4)7.95gと、りん酸2水素カリウム(KH
2PO
4)1.45gを正確に計り、精製水を加え1Lとし、PH=7.55に調整した。
(2)酒石酸鉄試薬
酒石酸カリウムナトリウム(KNaC
4H
4O
6・4H
2O)2.5gと硫酸鉄(II)七水和物(FeSO
4・7H
2O)0.5gを正確に測り取り、精製水を加え500mlとした。
【0028】
C.試料の調製
(1)ブランク溶液
精製水5mlを25mlメスフラスコへ分取し、酒石酸鉄試薬を5ml添加した後、りん酸緩衝液を加え25mlに定容した。
(2)検量線作成用試料
Aで作成した各標準液5mlを25mlメスフラスコへ分取し、酒石酸鉄試薬を5ml添加した後、りん酸緩衝液を加え25mlに定容した。
た。
(3)飲料試料
タンニン低減処理を施した飲料の場合:25mlメスフラスコに飲料5mlを分取し、酒石酸鉄試薬を5ml添加した後、りん酸緩衝液を加え25mlに定容した(5倍希釈)。
一般的な茶の場合 :25mlメスフラスコに飲料1mlを分取し、さらに精製水4ml、酒石酸鉄試薬を5ml添加した後、りん酸緩衝液を加え25mlに定容した(10倍希釈)。
【0029】
D.分析
分光光度計を用いて波長540nmで吸光度を測定した。
ブランク溶液及び標準液についての測定結果を利用して作成した検量線から、飲料試料のタンニンの濃度を没食子酸エチルの濃度として求め、下記の計算式に当てはめて飲料のタンニンの濃度を算定した。
タンニン濃度=没食子酸エチル濃度X希釈倍率X1.5
【0030】
2.茶アロマ成分量Aの測定
実施例及び比較例の茶アロマ成分量Aを、以下のようにして測定した。
(1)分析前処理
試料(飲料)に、内部標準物質としてフルオロベンゼンをその濃度が1.0質量ppbとなるように添加し、よく混合した。次いで、内部標準物質を添加した上記試料50gを100mlの三角フラスコ中に入れ、該三角フラスコの上部に、気相成分を吸着・捕捉するための担体としてゲステル株式会社製のGERSTEL Twister(登録商標)の膜厚0.5mm、長さ10mmの規格のものを5個、試料に触れないように吊り下げた。
上記三角フラスコの下部(試料が入っている部分)を35℃の湯浴中に浸漬し、試料をマグネットスターラーで飛沫が飛ばない程度に撹拌しながら30分間フラスコ内部の気相成分をTwisterに吸着させた。
なお、内部標準物質として選定したフルオロベンゼンは、一般に茶特有の香りと考えられているものは異なる香りを有しており、実際、各種茶抽出物から放出される気体成分に含有されていないことも確認されている。
また、Twister(膜厚0.5mm、長さ10mm)は、長さ10mm、外径1mmのガラス棒の外側に100%PDMS(ポリジメチルシロキサン)を24μL分コーティングしたものであり、次のようにしてクリーニングした後に使用した。
(Twisterのクリーニング方法)
メタノール:ジクロロメタン=1:1の混合溶液中に3日間浸漬した後、300℃に設定したGestel社製のチューブコンディショナー内に配置し、Heガスを50mL/min.で流しながら2時間の焼きだしを行う。
【0031】
(2)GC−FID分析
上述のようにして気相成分を吸着したTwisterを三角フラスコから取り出し、窒素気流下に10分間静置して付着した水をパージして除去した。次いで、Cooled Injection Systems(CIS)機能付きの加熱脱着装置(TDS)(ゲステル株式会社製)を用いて、Twisterに吸着した気相成分をGC−FID(検出器として水素炎イオン化型検出器を用いたガスクロマトグラフィー)に導入し分析を実施し、クロマトグラムを得た。なお、GC−FIDのカラムは、次のようにしてクリーニングした後に使用した。
(カラムのクリーニング方法)
カラムオーブンの温度を250℃に保ち、キャリアーガスの流量を分析条件の1/2として(Make Up Gas:He12.5mL/minとして)4時間流してカラムに吸着している物質を流出させる。
【0032】
TDS及びGC−FID分析の条件は以下のとおりである。
なお、信号の検出は、カラムから試料成分が完全に流出するのに十分な時間、具体的には、信号が全く検出されなくなってから10分間経過するまで行った。
【0033】
(TDS条件)
Initial Temp.:25℃、
Delay Time:0.50min
Initial Time:0.5min
Rate:60.0℃/sec
End Temp:250℃
Hold Time:5.0min
Transfer Temp.:250℃
【0034】
(CIS条件)
Initial Temp.:−40℃
Equilib. Time:0.05min
Initial Time:1.0min
Rate:12.0℃/sec
End Temp.:250℃
End Time:35.0min
【0035】
(GC−FID条件)
・Oven
Equilib. Time:0.50min
Initial Temp.:40℃
Initial Time:5.0min
Rate:4.0℃/sec
End Temp.:230℃
・Column
Column:WAX系カラム、60m×内径320μm×膜厚1.00μm
・FID
Heater:300℃
H
2Flow:30mL/min.
AirFlow:400mL/min.
Make Up Gas:He25mL/min.
・Injecter
Mode:Spliteless
Initial temp.:Off
Purge Flow:8.0mL
Purge Time:0 min.
Total Flow:13.7ml/min.
Gas Saver:Off
Gas Type: Herium
【0036】
(3)結果分析
クロマトグラムにおいて、総ピーク面積の合計S
Totalと内部標準物質であるフルオロベンゼンのピーク面積S
ISを求め、下記の式(1)に基づいて、茶アロマ成分量Aを算出した。
なお、フルオロベンゼンのピーク位置(保持時間)は、上述の(1)において、フルオロベンゼンを試料ではなく水に添加した以外は(1)及び(2)と同様にして、フルオロベンゼンのみのピークを得ることによって特定した。
A=S
Total/S
IS ・・・(1)
【0037】
[実施例1]
図1に示したものと同様の抽出機(タンク容量:1L)の下部にほうじ茶葉220gを入れた。次いで、抽出機の下部に接続された口より100℃の水蒸気を1600gいれ、抽出機の上部から茶アロマ成分を含むエキスを合計で875g回収し、冷却・液化させた。次いで、抽出機の上部から水を150g入れ、抽出機下部から125gの茶葉抽出液を回収した。前に得た茶アロマを含むエキスと茶葉抽出液を混合し、1000gのミックスエキスを得た。
このようにして得られたミックスエキス16gを水1984gに希釈した。次いで、この希釈液を炭酸水素ナトリウムを用いてpHが6.6になるように調整した後、殺菌(132度、30秒)して飲料を調製した。
【0038】
[実施例2]
実施例1と同様にして得たミックスエキス6g、茶エキス(ほうじ茶葉370gを水2000gで抽出し、酵素処理(タンナーゼとβ−グルコシダーゼを用いて処理)したもの)8g及び水1986gを混合し、この混合液を実施例1と同様にしてpH6.6となるように調整、殺菌して飲料を調製した。
【0039】
[実施例3]
実施例1と同様にして得たミックスエキス14g、別に熱水で抽出した茶エキス(40gのほうじ茶葉を1200g、70℃の熱水で抽出し、500メッシュのフィルターでろ過したろ液)250g及び水1736gを混合し、混合液を実施例1と同様にしてpH6.6となるように調整、殺菌して飲料を調製した。
【0040】
[実施例4]
実施例2と同様にして調製した混合液に、さらに茶香料(小川香料株式会社製緑茶フレーバー)1gを添加した後、実施例1と同様にして、pH6.6となるように調整、殺菌して飲料を調製した。
【0041】
[比較例1−5]
市販の緑茶系飲料を5種類用意し、これを比較例1−5とした。
【0042】
[タンニン含有量及び茶アロマ成分量A]
実施例及び比較例の飲料について、前述した方法及び条件に従って、そのタンニン含有量及び茶アロマ成分量Aを測定した。結果を表1に示す。
【0043】
[香味評価試験]
実施例及び比較例の飲料について、その香味を、良好を5点、やや良好を4点、普通を3点、やや悪いを2点、悪いを1点として、専門パネリスト5人により評価した。評価結果(パネリスト5人の点数の平均値)を表1に示す。
【0044】
[変色評価試験]
実施例及び比較例の飲料280mlをポリエチレンテレフタレートボトル(容量:280ml、酸素透過度:0.025cc/day・280ml・atm)に充填したものを2本ずつ用意し、冷蔵及び58℃で3週間保存した。
58℃で保存したサンプルについて冷蔵保存品と比較した褐変の度合いを、褐変度が小さいを5点、やや小さいを4点、普通を3点、やや大きいを2点、大きいを1点として、専門パネリスト5人により評価した。その評価結果(パネリスト5人の点数の平均値)を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すとおり、タンニン含有量が50mg/100mlを超える市販の茶系飲料(比較例1−5)では保存による変色が見られたが、タンニン含有量を30mg/100ml未満とした場合(実施例1−4)には、保存による変色はほとんど気にならなかった。
また、茶抽出液から単にタンニンを除去してタンニン含有量を30mg/100ml未満としたものの場合にはその味は香味に欠けたものとなるが、茶アロマ成分を補って、茶アロマ成分量Aが本発明の条件を満足するようにした場合には、茶としての香味が得られた。