(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124507
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】携帯端末のためのユーザインタフェース装置およびユーザインタフェースプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20170424BHJP
G06F 3/0484 20130101ALI20170424BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06F3/0484
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-95297(P2012-95297)
(22)【出願日】2012年4月19日
(65)【公開番号】特開2013-222417(P2013-222417A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2015年4月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】397011373
【氏名又は名称】ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 幹人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 洋三
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼見 善行
【審査官】
若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001−170358(JP,A)
【文献】
特開2006−157182(JP,A)
【文献】
特開2011−228844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0484
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末の傾きの有無および傾きの方向を検出する傾き検出部と、
上記傾き検出部により傾きが検出された場合、上記携帯端末の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、上記傾き検出部により検出された傾きの方向に応じて設定されている所定の制御を実行するオブジェクト制御部と、
上記携帯端末の画面上に、上記複数のオブジェクトに対して上記所定の制御を開始するための制御開始領域を表示させるとともに、上記傾き検出部により傾きが検出された場合に、上記携帯端末の画面上に表示されている複数のオブジェクトを上記傾き検出部により検出された傾きの方向に移動表示させる表示制御部とを備え、
上記オブジェクト制御部は、上記表示制御部による移動表示の結果として上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする携帯端末のためのユーザインタフェース装置。
【請求項2】
上記表示制御部による移動表示の結果として、上記携帯端末の画面上に設定された退避領域に入った1以上のオブジェクトを、上記表示制御部による移動表示の対象から除外するように制御する除外制御部を更に備え、
上記オブジェクト制御部は、上記表示制御部による移動表示の結果として、上記退避領域に入った1以上のオブジェクト以外で上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末のためのユーザインタフェース装置。
【請求項3】
上記携帯端末の画面に対するタッチ操作を受け付ける操作受付部と、
上記表示制御部によるオブジェクトの移動表示中に、何れかのオブジェクトに対してタッチ操作されたことを上記操作受付部が受け付けた場合、当該タッチ操作されたオブジェクトを、上記表示制御部による移動表示の対象から除外するように制御する除外制御部とを更に備え、
上記オブジェクト制御部は、上記表示制御部による移動表示の結果として、上記タッチ操作されたオブジェクト以外で上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末のためのユーザインタフェース装置。
【請求項4】
上記携帯端末の画面に対するタッチ操作を受け付ける操作受付部を更に備え、
上記表示制御部は、上記携帯端末の画面上に表示された所定のボタンがタッチ操作されたことを上記操作受付部が受け付けたときに上記制御開始領域を表示させることを特徴とする請求項1に記載の携帯端末のためのユーザインタフェース装置。
【請求項5】
上記所定のボタンがタッチ操作されたことを上記操作受付部が受け付けたときに、上記表示制御部が上記制御開始領域を表示させるとともに、上記傾き検出部が、上記タッチ操作が行われたときの上記携帯端末の傾きを基準角度に設定し、当該基準角度から所定角度以上、上記携帯端末が傾いたときに、上記携帯端末の傾きがあると判定することを特徴とする請求項4に記載の携帯端末のためのユーザインタフェース装置。
【請求項6】
コンピュータにより読み取り可能なプログラムであって、
携帯端末の傾きの有無および傾きの方向を検出する傾き検出手段、
上記傾き検出手段により傾きが検出された場合、上記携帯端末の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、上記傾き検出手段により検出された傾きの方向に応じて設定されている所定の制御を実行するオブジェクト制御手段、および
上記携帯端末の画面上に、上記複数のオブジェクトに対して上記所定の制御を開始するための制御開始領域を表示させるとともに、上記傾き検出手段により傾きが検出された場合に、上記携帯端末の画面上に表示されている複数のオブジェクトを上記傾き検出手段により検出された傾きの方向に移動表示させる表示制御手段
としてコンピュータを機能させ、
上記オブジェクト制御部は、上記表示制御部による移動表示の結果として上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする携帯端末のためのユーザインタフェースプログラム。
【請求項7】
上記表示制御手段による移動表示の結果として、上記携帯端末の画面上に設定された退避領域に入った1以上のオブジェクトを、上記表示制御手段による移動表示の対象から除外するように制御する除外制御部手段
としてコンピュータを更に機能させ、
上記オブジェクト制御手段は、上記表示制御手段による移動表示の結果として、上記退避領域に入った1以上のオブジェクト以外で上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末のためのユーザインタフェースプログラム。
【請求項8】
上記携帯端末の画面に対するタッチ操作を受け付ける操作受付手段、および
上記表示制御手段によるオブジェクトの移動表示中に、何れかのオブジェクトに対してタッチ操作されたことを上記操作受付手段が受け付けた場合、当該タッチ操作されたオブジェクトを、上記表示制御手段による移動表示の対象から除外するように制御する除外制御手段
としてコンピュータを更に機能させ、
上記オブジェクト制御手段は、上記表示制御手段による移動表示の結果として、上記タッチ操作されたオブジェクト以外で上記制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、上記所定の制御を実行することを特徴とする請求項6に記載の携帯端末のためのユーザインタフェースプログラム。
【請求項9】
上記携帯端末の画面に対するタッチ操作を受け付ける操作受付部手段
としてコンピュータを更に機能させ、
上記表示制御手段は、上記携帯端末の画面上に表示された所定のボタンがタッチ操作されたことを上記操作受付手段が受け付けたときに上記制御開始領域を表示させることを特徴とする請求項6に記載の携帯端末のためのユーザインタフェースプログラム。
【請求項10】
上記所定のボタンがタッチ操作されたことを上記操作受付手段が受け付けたときに、上記表示制御手段が上記制御開始領域を表示させるとともに、上記傾き検出手段が、上記タッチ操作が行われたときの上記携帯端末の傾きを基準角度に設定し、当該基準角度から所定角度以上、上記携帯端末が傾いたときに、上記携帯端末の傾きがあると判定することを特徴とする請求項9に記載の携帯端末のためのユーザインタフェースプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末のためのユーザインタフェース装置およびユーザインタフェースプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯端末に表示されたオブジェクトに対する制御を、タッチパネルに対するユーザのタッチ操作やなぞり操作で実現する手法が提供されている。また、携帯端末に傾きセンサや加速度センサを設け、ユーザが携帯端末を傾ける操作に応じてオブジェクトに対する制御を実行する技術も提供されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の技術では、入力装置のセレクトボタンを押下すると、加速度センサを備えた傾き検知装置が携帯端末自体の基準角度からの傾きを検知する。そして、処理装置が、傾きからポインタの移動方向と速度とを算出し、表示装置上でポインタを走行させる。目標位置のプログラム起動ボタンにポインタが達したとき、傾きを基準角度に戻すことによってポインタを停止させ、セレクトボタンを開放すると、プログラムが起動するようになっている。
【0004】
また、特許文献2に記載の技術では、表示手段の所定面の傾斜の有無と所定面の傾斜の方向を検出するとともに、利用者の意思を判別し、所定面の傾斜情報と利用者の意思とに基づいてアイコンの選択制御を行うように成されている。ここで、所定面の傾斜の有無については、所定面が一定角度以上の傾斜となったときに傾斜ありと判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−113859号公報
【特許文献2】特開2004−164375号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、1回の操作で単一のオブジェクトを選択したり動かしたりすることは容易にできるが、複数のオブジェクトを一度に制御する(同じアクションを実行する)ことは難しい。そのため、画面上の複数のオブジェクトに対して同じ制御を実行する場合、同じ操作を複数回繰り返して行わなければならず、非常に面倒という問題があった。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、携帯端末の画面上に表示された複数のオブジェクトに対して同じ制御を実行する場合の操作を簡単に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明では、
携帯端末の画面上に、複数のオブジェクトに対して所定の制御を開始するための制御開始領域を表示させるとともに、携帯端末の傾きの有無および傾きの方向を検出し、携帯端末の傾きが検出された場合、
画面上に表示されている複数のオブジェクトを携帯端末の傾きの方向に移動表示させ、移動表示の結果として制御開始領域内に入った複数のオブジェクトに対して、携帯端末の傾きの方向に応じて設定されている所定の制御を実行するようにしている。
【発明の効果】
【0009】
上記のように構成した本発明によれば、ユーザが携帯端末を傾ける操作を1回行うだけで、画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して同じ制御が一括して実行される。これにより、画面上の複数のオブジェクトに対して同じ制御を実行する場合、ユーザが同じ操作を複数回繰り返して行う必要がなくなり、複数のオブジェクトに対して同じ制御を実行する場合の操作を簡単に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態による携帯端末のためのユーザインタフェース装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図2】本実施形態のオブジェクト制御部による制御例を示す図である。
【
図3】本実施形態による携帯端末のためのユーザインタフェース装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態による携帯端末のためのユーザインタフェース装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態による携帯端末のためのユーザインタフェース装置の他の機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態による携帯端末のためのユーザインタフェース装置の機能構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態のユーザインタフェース装置10は、ゲーム機やスマートフォン等の携帯端末100に内蔵されるものであり、その機能構成として、傾き検出部1、表示制御部2、操作受付部3およびオブジェクト制御部4を備えている。なお、携帯端末100は、ユーザインタフェース装置10の他に、傾きセンサ20およびタッチパネル付きのディスプレイ30を備えている。
【0012】
なお、ユーザインタフェース装置10が備える各機能構成1〜4は、ハードウェア構成、DSP、ソフトウェアの何れによっても実現することが可能である。例えばソフトウェアによって実現する場合、上記各機能構成1〜4は、実際にはコンピュータのCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROMに記憶されたユーザインタフェースプログラムが動作することによって実現できる。このユーザインタフェースプログラムは、アプリケーションプログラムの一部として実装されていてもよい。
【0013】
このユーザインタフェースプログラムあるいはこれを含むアプリケーションプログラム(以下、単にプログラムという)は、インターネット等のネットワークを介して携帯端末100にダウンロードすることが可能である。あるいは、上記プログラムを例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、これをパーソナルコンピュータ等を通じて携帯端末100に読み込ませるようにすることも可能である。上記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光ディスク、光磁気ディスク、DVD、不揮発性メモリカード等を用いることができる。
【0014】
傾き検出部1は、傾きセンサ20から出力される信号に基づいて、携帯端末100の傾きの有無および傾きの方向を検出する。表示制御部2は、ユーザインタフェースプログラムやアプリケーションプログラムに関する種々の情報をディスプレイ30に対して表示させる制御を行う。
【0015】
例えば、表示制御部2は、ディスプレイ30に対して複数のオブジェクト(ゲームに登場するキャラクタ、アプリケーションの起動アイコン、ファイルのアイコンなど)を表示させる。また、表示制御部2は、複数のオブジェクトに対して実行する所望の制御(アクション)を起動するための制御起動ボタン(特許請求の範囲における「所定のボタン」に相当)をディスプレイ30に表示させる。
【0016】
操作受付部3は、携帯端末100の画面、すなわちディスプレイ30のタッチパネルに対するユーザのタッチ操作やなぞり操作を受け付ける。上述の傾き検出部1は、制御起動ボタンがタッチ操作されたことを操作受付部3が受け付けた場合、当該タッチ操作が行われたときの携帯端末100の傾きを基準角度に設定する。その後、傾き検出部1は、携帯端末100が当該基準角度から所定角度以上傾いたことを検出したときに、携帯端末100の傾きがあると判定する。そして、傾き検出部1は、そのときの傾きの方向を検出する。
【0017】
ユーザが携帯端末100を持つときは、画面を見やすくするために、水平状態からある程度の角度を付けて持つのが普通である。仮に水平状態を基準角度にしてしまうと、傾けたい方向によっては携帯端末100を大きく傾けなければならなくなり、不便である。これに対して、ユーザが制御起動ボタンをタッチ操作したときの携帯端末100の角度を基準角度に設定すれば、どの方向に対してもそこから僅かな角度で傾け操作をするだけで、傾き検出部1は携帯端末100の傾きがあると判定し、傾きの方向を検出することができる。
【0018】
オブジェクト制御部4は、傾き検出部1により傾きが検出された場合、ディスプレイ30の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、傾き検出部1により検出された傾きの方向に応じて設定されている所定の制御を実行するように制御する。
【0019】
例えば、傾き検出部1は、携帯端末100の傾きの方向として上下左右の4方向を検出可能である。オブジェクト制御部4は、その4方向のそれぞれに対して異なる制御を割り当てておき、傾き検出部1により検出される傾きの方向に応じて、その方向に割り当てられた所定の制御を実行する。なお、傾きの方向は4方向に限らず、それより多くてもよいし、少なくてもよい。
【0020】
図2は、オブジェクト制御部4による一制御例を示す図である。
図2に示す例は、ゲームアプリケーションの一場面において、画面上に表示されている複数のオブジェクト(キャラクタ)を出荷することによってポイントに換える制御を示している。
図2に示す画面の左下に表示されている出荷ボタン21が、複数のオブジェクトに対して実行する「出荷」という制御を起動するための制御起動ボタンに相当する。
【0021】
図2(a)に示すように、画面上に複数のオブジェクト(キャラクタ)が表示されている状態において、ユーザが出荷ボタン21をタッチ操作すると、
図2(b)に示すように、表示制御部2の制御により、画面の下部に出荷用のベルトコンベア22が表示される。このベルトコンベア22は、複数のオブジェクトに対して出荷という制御を開始するための制御開始領域に相当する。このベルトコンベア22の表示された状態が、出荷という制御が起動された状態である。
【0022】
ユーザが出荷ボタン21をタッチ操作した後、携帯端末100を下方に傾けると、傾き検出部1により携帯端末100の下方に対する傾きが検出される。この場合、表示制御部2は、画面上に表示されている複数のオブジェクトを、傾き検出部1により検出された傾きの方向(下方のベルトコンベア22側)に移動表示させるように制御する。そして、オブジェクト制御部4は、表示制御部2による移動表示の結果としてベルトコンベア22に乗った(つまり、制御開始領域内に入った)複数のオブジェクトに対して、出荷という制御を実行する。
【0023】
このように、本実施形態によれば、ユーザが携帯端末100を下方に傾ける操作を1回行うだけで、画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して同じ出荷という制御が一括して実行される。そのため、複数のオブジェクトを出荷したい場合に、ユーザが複数のオブジェクトの1つ1つをベルトコンベア22まで移動させるためのなぞり操作を複数回繰り返して行う必要がなくなる。これにより、複数のオブジェクトに対して同じ制御を実行する場合の操作を簡単に行うことができるようになり、ユーザ操作の利便性が格段に向上する。
【0024】
なお、上記実施形態は、画面上に表示されている複数のオブジェクトの全てに対して同じ制御を一括して実行する場合には特に有効である。ただし、全てのオブジェクトではなく、一部のオブジェクトは制御の対象外としたい場合がある。例えば、
図2の例において、ユーザがお気に入りのオブジェクトは出荷の対象から外したい場合が考えられる。このような場合に対応するために、
図3に示すように、ユーザインタフェース装置10の機能構成として除外制御部5を追加してもよい。
【0025】
図3の例において、表示制御部2は、ディスプレイ30の画面上に、出荷の対象外とするオブジェクトを退避させておくための退避領域(
図2に図示せず)を表示させる。ユーザは、携帯端末100を傾けることにより、出荷の対象外としたい所望のオブジェクトを退避領域まで移動させる。すなわち、画面上に表示された所望のオブジェクトは、表示制御部2の制御により、傾き検出部1により検出された傾きの方向に移動表示され、退避領域に入れられる。
【0026】
なお、退避させたい所望のオブジェクトの数が少ない場合は、ユーザが所望のオブジェクトの1つ1つを退避領域まで移動させるためのなぞり操作を複数回繰り返して行うようにしてもよい。これに対して、退避させたい所望のオブジェクトの数が多い場合は、ユーザが携帯端末100を傾ける操作を行うだけで、複数のオブジェクトを退避領域まで移動させることができる。
【0027】
所望のオブジェクトを退避領域まで移動させた後、ユーザが出荷ボタン21をタッチ操作した上で携帯端末100を下方に傾けると、表示制御部2は、画面上に表示されている複数のオブジェクトのうち、退避領域に入れられたオブジェクト以外のオブジェクトを、画面下方のベルトコンベア22側に移動表示させる。
【0028】
このとき、除外制御部5は、表示制御部2による移動表示の結果として退避領域に入れられた1以上のオブジェクトを、表示制御部2による下方への移動表示の対象から除外するように制御する。つまり、退避領域に入れられたオブジェクトについては、出荷ボタン21のタッチ操作後は、携帯端末100を傾けても移動表示させず、退避領域内に留めておくようにする。
【0029】
そして、オブジェクト制御部4は、表示制御部2によるオブジェクトの下方への移動表示の結果として、退避領域に入れられた1以上のオブジェクト以外でベルトコンベア22に乗った(制御開始領域内に入った)複数のオブジェクトに対して、出荷という制御を実行する。
【0030】
なお、所望のオブジェクトを出荷対象から外すための方法は、退避領域を用いた上述の方法に限定されるものではない。例えば、ユーザが出荷ボタン21をタッチ操作した後、携帯端末100を下方に傾けると、表示制御部2は、画面上に表示されている全てのオブジェクトを、画面下方のベルトコンベア22側に移動表示させる。この表示制御部2によるオブジェクトの移動表示中に、何れかのオブジェクトに対してタッチ操作されたことを操作受付部3が受け付けた場合、当該タッチ操作されたオブジェクトを、タッチ操作されている間は表示制御部2による移動表示の対象から除外するように制御する。
【0031】
この場合、オブジェクト制御部4は、表示制御部2による移動表示の結果として、タッチ操作されたオブジェクト以外でベルトコンベア22に乗った複数のオブジェクトに対して、出荷という制御を実行する。なお、この例の場合、出荷ボタン21を再度タッチ操作することにより、出荷という制御の起動状態を解除することができる。
【0032】
なお、ゲーム性を持たせるために、退避領域を非表示とし、退避領域の位置をランダムに移動させるようにしてもよい。このようにした場合、ユーザが残しておきたいオブジェクトが必ずしも出荷対象から外されるとは限らなくなるが、逆にゲームとしての面白みを与えることが可能となる。
【0033】
上記実施形態では、ディスプレイ30の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、傾き検出部1により検出された傾きの方向に応じて所定の制御を実行する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0034】
例えば、
図4に示すように、携帯端末100が備えるコンパス40から出力される信号に基づいて、携帯端末100の上端が向けられている方角(例えば、東西南北の何れか)を検出する方角検出部6を更に備える。そして、オブジェクト制御部4は、傾き検出部1により傾きが検出された場合に、ディスプレイ30の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、傾き検出部1により検出された傾きの方向および方角検出部6により検出された方角に応じて設定されている所定の制御を実行する。このようにすれば、上下左右の4方向の傾きと、東西南北の4つの方角との組み合わせに応じて、16通りの異なる制御を実行することが可能となる。
【0035】
また、
図5に示すように、携帯端末100が備える時計50から出力される信号に基づいて現在の時刻を検出する時刻検出部7を更に備える。そして、オブジェクト制御部4は、傾き検出部1により傾きが検出された場合に、ディスプレイ30の画面上に表示されている複数のオブジェクトに対して、傾き検出部1により検出された傾きの方向および時刻検出部7により検出された現在の時刻に応じて設定されている所定の制御を実行する。このようにすれば、携帯端末100を同じ方向に傾けたとしても、どの時間帯にその傾ける操作を行ったかによって異なる制御を実行することが可能となる。
【0036】
なお、
図4に示すコンパス40および方角検出部6と、
図5に示す時計50および時刻検出部7とを全て備える構成としてもよい。
【0037】
また、上記実施形態では、ユーザインタフェース装置10を
図2のようなゲームアプリケーションに応用する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、画面上に表示された複数のアイコンに対して所定の制御をしたり、画面上に表示された複数のファイルに対して所定の制御をしたりすることにも応用することが可能である。具体的には、携帯端末100を右に傾ければ複数のファイルを一括コピー、左に傾ければ一括削除といった応用例が考えられる。
【0038】
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 傾き検出部
2 表示制御部
3 操作受付部
4 オブジェクト制御部
5 除外制御部
6 方角検出部
7 時刻検出部
10 ユーザインタフェース装置
100 携帯端末