特許第6124611号(P6124611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124611
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】リザーバタンク
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/26 20060101AFI20170424BHJP
   B60T 11/26 20060101ALN20170424BHJP
【FI】
   F15B1/26
   !B60T11/26 Z
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-19989(P2013-19989)
(22)【出願日】2013年2月5日
(65)【公開番号】特開2014-152786(P2014-152786A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】313004724
【氏名又は名称】ユニキャリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 尚之
(72)【発明者】
【氏名】大地 茂男
【審査官】 加藤 一彦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−025367(JP,U)
【文献】 特開2000−039001(JP,A)
【文献】 実開昭52−001917(JP,U)
【文献】 実開昭54−097626(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/06
F15B 1/26
B60T 11/22
B60T 11/26
B65D 25/38
B65D 25/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアが出入り可能な給油口が形成されたタンク本体と、当該タンク本体の底面から下方へ突出されたノズル部とが一体に樹脂成型され、前記ノズル部に可撓性管が外嵌されて締付具で固定されるリザーバタンクであって、
前記ノズル部の入口側開口面が前記タンク本体の内側底面と面一に形成され、
前記ノズル部に、異物流出防止管を嵌合し、
前記異物流出防止管は、その上端面がタンク本体の内側底面に対して上方向へ第1の所定距離だけ突出され、且つその下端面が前記ノズル部の出口側開口面に対して下方向へ第2の所定距離だけ突出される状態で、前記ノズル部内に嵌合され、前記ノズル部の上部に隙間ばめで嵌合される小径部と、ノズル部の下部に絞まりばめで嵌合される大径部とを有し、前記大径部に、その外径が縮径可能なスリットが設けられ、
前記締付具により、前記可撓性管及び前記ノズル部を介して前記異物流出防止管が固定される
ことを特徴とするリザーバタンク。
【請求項2】
前記異物流出防止管の上側開口部にフィルタが設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載のリザーバタンク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動油などの流体を貯蔵するために使用されるリザーバタンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、図6に示すように、例えば倍力装置(図示せず)に作動油を補給する際に使用されるリザーバタンク100は、作動油を貯蔵するためのタンク本体110と、タンク本体110内に作動油を給油するための給油部120と、タンク本体110内の作動油をホース150を介して倍力装置に補給するためのノズル部130とを有する。
【0003】
このようなリザーバタンク100では、例えばリザーバタンク100への作動油の給油の際や空気の流入の際に、給油部120の給油口からタンク本体110内へ混入した異物或いは作動油の不純物(コンタミ)が、タンク本体110の内側底面110aに堆積される。この場合、例えばブレーキが作動されると、堆積された異物などがノズル部130の入口側端部130aからノズル部130に流出され、流出された異物などが倍力装置に混入する。このようなことから、しばしば、ノズル部130から混入した異物などにより倍力装置の不具合が生じ問題となっていた。
【0004】
そこで、従来の別のリザーバタンクにおいては、リザーバタンクの下流側に設けられる油圧ポンプに作動油を供給するためのサクションパイプにストレーナを設けることにより、油圧ポンプに供給される作動油に異物などが混入しない構成としている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のリザーバタンクにおいては、リザーバタンクの成型時に、ストレーナをサクションパイプに取り付ける必要がある。そのため、既に成型されたリザーバタンクにおいては、上記ストレーナを取り付けるために、タンク本体を新たに加工しなければならないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−83202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、タンク本体とノズル部とが一体成型された既成のリザーバタンクにおいて、タンク本体を新たに加工することなく、簡易な構成の部材を追加することにより、タンク本体に堆積した異物の外部への流出を防止可能なリザーバタンクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、第1の発明に係るリザーバタンクは、エアが出入り可能な給油口が形成されたタンク本体と、当該タンク本体の底面から下方へ突出されたノズル部とが一体に樹脂成型され、前記ノズル部に可撓性管が外嵌されて締付具で固定されるリザーバタンクであって、前記ノズル部の入口側開口面が前記タンク本体の内側底面と面一に形成され、前記ノズル部に、異物流出防止管を嵌合し、前記異物流出防止管は、その上端面がタンク本体の内側底面に対して上方向へ第1の所定距離だけ突出され、且つその下端面が前記ノズル部の出口側開口面に対して下方向へ第2の所定距離だけ突出される状態で、前記ノズル部内に嵌合され、前記ノズル部の上部に隙間ばめで嵌合される小径部と、ノズル部の下部に絞まりばめで嵌合される大径部とを有し、前記大径部に、その外径が縮径可能なスリットが設けられ、前記締付具により、前記可撓性管及び前記ノズル部を介して前記異物流出防止管が固定されるものである。
【0011】
第2の発明は、第1の発明の構成において、前記異物流出防止管の上側開口部にフィルタが設けられるものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る第1の発明によれば、既成のリザーバタンクのタンク本体を新たに加工することなく、異物流出防止管をノズル部に装着し、タンク本体の内側底面から第1の所定距離だけ突出させることにより、タンク本体に堆積した異物を外部へ流出させることを防止できる。また、異物流出防止管の下端面を前記ノズル部から下方向に突出させたので、リザーバタンク内の洗浄時にノズル部から異物流出防止管を容易に取り外すことができる。
【0013】
第2の発明によれば、一体樹脂成型によりノズル部の内周部の精度が悪い場合であっても、異物流出防止管を小径部から確実にノズル部に嵌入することができる。そして、スリットを有する大径部をノズル部に確実に嵌入して固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係るリザーバタンクの全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の実施例に係るリザーバタンクのノズル部近傍の断面図である。
図3】本発明の実施例に係るリザーバタンクにおいてノズル部に異物流出防止管を設けた際のノズル部近傍の断面図である。
図4】本発明の実施例に係るリザーバタンクにおける異物流出防止管の斜視図である。
図5】本発明の実施例に係るリザーバタンクにおける異物流出防止管の別実施例を示す斜視図である。
図6】従来のリザーバタンクの全体構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず、本発明の実施例に係るリザーバタンク1の構成について図面に基づき説明する。
【0016】
リザーバタンク1は、荷役車両などにおいて、図示しない倍力装置に補給する作動油を貯蔵するためのタンクである。図1に示すように、このリザーバタンク1は、作動油を貯蔵するためのタンク本体10と、タンク本体10の上面に一体に設けられて作動油を給油するための給油口10b、及びこの給油口10bに開閉自在に装着されるとともに、フィルタを介してタンク本体10内に空気を出入りさせる給油キャップ20と、タンク本体10内の作動油を上記倍力装置に補給及び排出するための2本のノズル部30と、を備える。リザーバタンク1においては、給油口10bから作動油がタンク本体10に給油され、給油された作動油がノズル部30及び後述するホース(可撓性管)50を介して上記倍力装置に補給される。また、上記倍力装置からの戻りの作動油がノズル部30及びホース50を介してタンク本体10に戻される。
【0017】
図1に示すように、タンク本体10は、リザーバタンク1の本体部分であり、樹脂で構成されている。給油口10bは、タンク本体10の上部に設けられる。また、給油キャップ20は、作動油の投入口である給油口10bに着脱自在なキャップ本体22と、キャップ本体22内に設けられて作動油の流出を防止できるとともに、作動油を補給する時にタンク本体10内に空気の流入を許容するフィルタ付のブリーザ23とで構成される。
【0018】
図1及び図2に示すように、2本のノズル部30は、タンク本体10と一体成型された樹脂製筒状に形成される。また、ノズル部30は、タンク本体10の内側底面10aから下方へ突出して形成されている。一方のノズル部30(例えば、図1における右側のノズル部30)では、タンク本体10に貯蔵される作動油が倍力装置に補給されるとともに、他方のノズル部30(例えば、図1における左側のノズル部30)では、倍力装置からの戻りの作動油が流入される。なお、ノズル部30は、作動油の流入及び流出を行うものであるが、作動油の流出のみを行うものであっても構わない。
【0019】
また、図2に示すように、ノズル部30は、その入口側開口面30aがタンク本体10の内側底面10aと面一となるように形成される。
【0020】
さらに、図1及び図3に示すように、ノズル部30には、タンク本体10の内側底面10aに堆積した異物或いはコンタミがノズル部30に流出するのを防止するために、異物流出防止管40が着脱自在に取り付けられる。そして、異物流出防止管40の上端開口面40aを、ノズル部30の入口側開口面30a(タンク本体10の内側底面10a)より高くし、異物流出防止管40への異物或いはコンタミの流出を防止する。
【0021】
図3及び図4に示すように、異物流出防止管40は筒状の管で、下部が大径部40Aに、残部(中間部及び上部)が小径部40Bに段部40Cを介して形成されている。
【0022】
大径部40Aは、ノズル部30に「絞まりばめ」により嵌合される外径である。すなわち、大径部40Aは、その外径がノズル部30の内径より大きくなるように形成されている。また、大径部40Aは、その軸心に対称位置に形成された例えば一対のスリット40Dにより、その外径が縮径可能に形成されている。
【0023】
小径部40Bは、ノズル部30に「隙間ばめ」により嵌合される外径である。すなわち、小径部40Bは、その外径がノズル部30の内径より小さくなるように形成されている。
【0024】
このように大径部40A及び小径部40Bを形成するのは、ノズル部30がタンク本体10と一体に樹脂成型されるために、ノズル部30の内径にバラツキが多く生じるためであり、上述のように大径部40A及び小径部40Bを形成することで、バラツキが大きいノズル部30に対して確実に異物流出防止管40を貫入させることができる。なお、実際に、異物流出防止管40がノズル部30内に固定されるのは、ノズル部30に外嵌されるホース(可撓性管)50を固定するためのホースバンド(締付具)51の作用であり、ホース50及びノズル部30を介して締付けられることにより異物流出防止管40が固定される。
【0025】
また、図3に示すように、異物流出防止管40は、その上端面(上端開口面40a側端部)が、タンク本体10の内側底面10aに対して上方向(タンク本体10の中心方向)へ所定距離A(第1の所定距離)だけ突出して、ノズル部30に挿入される。ここで、所定距離Aとは、メンテナンス時までにタンク本体10の内側底面10aに堆積した異物或いはコンタミが、異物流出防止管40の上端開口面40aを超えて異物流出防止管40内に浸入しない程度、例えば、異物或いはコンタミの堆積高さの約2倍の距離に設定される。これにより、ノズル部30の入口側開口面30aが実質的にタンク本体10の内側底面10aより所定距離Aだけ高くなる。そのため、タンク本体10の内側底面10aに堆積した異物或いはコンタミは、異物流出防止管40によってノズル部30への流入を阻止される。従って、例えば、ブレーキの作動時に、当該堆積した異物がノズル部30から流入して下流側へ流出することはない。
【0026】
さらに、図3に示すように、異物流出防止管40は、その下端面(下端開口面40b)が、ノズル部30の出口側開口面30bに対して下方向(ノズル部30の突出方向)へ所定距離B(第2の所定距離)だけ突出して、ノズル部30の内部に挿入される。ここで、所定距離Bとは、メンテナンス時に異物流出防止管40をノズル部30から引き抜くために、大径部40Aを指、或いはペンチなどの工具で把持して、ノズル部30から引き抜ける程度の距離である。異物流出防止管40の下端面(下端開口面40b)が、ノズル部30の出口側開口面30bから下方向に所定距離Bだけ突出されることで、リザーバタンク1のメンテナンス(清掃)時に、異物流出防止管40をノズル部30から引き抜くことができる。
【0027】
さらにまた、図1に示すように、ノズル部30にホース50が接続される。ホース50は、ノズル部30の出口側開口面30b側から挿入され、ノズル部30及び異物流出防止管40の大径部40Aを覆うように装着される。また、ホース50の上端部に、締付具であるリング状のホースバンド51が取り付けられる。
【0028】
なお、図5に示すように、異物流出防止管40の上側開口部(上端開口面40a及びその近傍)にフィルタ60を設ける構成とすることもできる。フィルタ60は、異物流出防止管40の上端開口面40aの径(異物流出防止管40の小径部40Bの内径)と実質的に同一の円形状の部材である。異物流出防止管40の上側開口部にフィルタ60を設けることで、ノズル部30(異物流出防止管40)への異物などの流入を確実に防止することができる。
【0029】
以上のように、リザーバタンク1によると、ノズル部30に簡易な構成の異物流出防止管40を追加することで、既成のリザーバタンク1のタンク本体10を新たに加工することなく、タンク本体10の内側底面に堆積した異物を外部へ流出させることを防止できる。
【0030】
なお、本発明のリザーバタンク1においては、2本のノズル部30が設けられているが、ノズル部30の本数は2本に限定されるものではなく、3本以上或いは1本のノズル部30を設けたリザーバタンクであっても構わない。
【0031】
また、本発明は、作動油を貯蔵するためのリザーバタンクに限定されるものではなく、タンク本体の内側底面に異物が堆積するようなリザーバタンクであれば、例えば、ラジエータ用の(冷却水を貯蔵するための)リザーバタンクであっても構わない。
【符号の説明】
【0032】
1 リザーバタンク
10 タンク本体
10a 内側底面(タンク本体)
30 ノズル部
30a 入口側開口面(ノズル部)
30b 出口側開口面(ノズル部)
40 異物流出防止管
40A 大径部
40B 小径部
40D スリット
50 ホース(可撓性管)
51 ホースバンド(締付具)
60 フィルタ
A 第1の所定距離
B 第2の所定距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6