(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたガラス溶解炉であって、
前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎に変更できるように構成されているガラス溶解炉。
前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動する形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に前記燃焼炎を形成する状態で燃焼するように構成されている請求項1記載のガラス溶解炉。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のガラス溶解炉においては、液中燃焼式の加熱バーナが、上方に向けて細長く伸びる火炎を形成する状態で燃焼するように構成されているが、この場合、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量が変化すると、溶解ガラスを適切に加熱し難い虞があり、改善が望まれるものであった。
【0008】
すなわち、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性は一律ではなく、難溶解性のものや易溶解性のものがあり、易溶解性のものに較べて難溶解性の場合には、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
【0009】
また、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)の変動に合わせて、ガラス原料の投入量が多いとき(ガラスの生産量が多いとき)には、ガラス原料の投入量が少ないとき(ガラスの生産量が少ないとき)に較べて、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
さらに、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明の順に、溶解ガラスに与える熱量を増大させる必要がある。
【0010】
このように、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量が変化すると、溶解ガラスに与える熱量を調節する必要があるが、従来のガラス溶解炉に装備されている液中燃焼式の加熱バーナは、常に、上方に向けて細長く伸びる火炎を形成する状態で燃焼するものであるため、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節し難いものであった。
【0011】
つまり、従来のガラス溶解炉に装備されている液中燃焼式の加熱バーナにおいては、燃焼量を調節することによって、溶解ガラスに与える熱量を調節することになるが、単に燃焼量を調節するだけでは、溶解ガラスに与える熱量を大きな範囲で適切に調節し難いものであり、改善が望まれるものであった。
【0012】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量の変化に合わせて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるガラス溶解炉を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のガラス溶解炉は、可燃性ガスと酸素含有ガスとを噴出して燃焼する液中燃焼式の加熱バーナが、ガラス溶解槽の溶解ガラスの内部に燃焼炎を形成して燃焼する状態で前記ガラス溶解槽の壁部に装備されたものであって、その第1特徴構成は、
前記加熱バーナが、
前記酸素含有ガスとしての燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部と、
前記可燃性ガスを前記中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部と、
前記燃焼用空気を前記燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部と、
前記中央側空気噴出部及び前記外周側空気噴出部から噴出された前記燃焼用空気と前記燃料噴出部から噴出された前記可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成された案内部と、
前記中央側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量と前記外周側空気噴出部からの前記燃焼用空気の噴出量との比を変更する噴出比調整手段とを備えて、
前記噴出比調整手段による前記比の変更により、前記燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進
炎に変更できるように構成されている点を特徴とする。
【0014】
すなわち、加熱バーナが、燃焼炎の形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進
炎に変更できることになる。
そして、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
【0015】
したがって、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量の変化に合わせて、加熱バーナの燃焼炎の形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切な熱量に調節することが可能となる。
【0016】
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量の変化に合わせて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるガラス溶解炉を提供できる。
又、本発明の第1特徴構成によれば、噴出比調整手段によって、中央側空気噴出部からの燃焼用空気の噴出量と前外周側空気噴出部からの燃焼用空気の噴出量との比を変更することにより、加熱バーナの燃焼炎の形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更できるから、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できることになる。
したがって、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性が大きく変動することや、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)が大きく変動することがあっても、その変動に合わせて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるのである。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに応じて、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できるのである。
要するに、本発明の第1特徴構成によれば、上記作用効果に加えて、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できるガラス溶解炉を提供できる。
【0017】
本発明のガラス溶解炉の第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記ガラス溶解槽の内部に、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、前記溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動する形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成され、
前記加熱バーナが、前記溶解ガラスの内部のうちの、前記上流側循環流が形成される部分に前記燃焼炎を形成する状態で燃焼するように構成されている点を特徴とする。
【0018】
すなわち、ガラス溶解槽の内部の溶解ガラスを加熱すると、ガラス溶解槽の内部には、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流、及び、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動する形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流が形成されることになる。
【0019】
ガラス溶解槽の内部のうちの、上流側循環流が形成される部分は、ガラス溶解槽に投入されたガラス原料を溶解する溶解ゾーンに相当し、ガラス溶解槽の内部のうちの、下流側循環流が形成される部分は、溶解ガラスから気泡等を排出する清澄ゾーンに相当することになる。
【0020】
つまり、ガラス溶解槽の前部側に投入されたガラス原料は、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動しながら溶解し、その後、清澄ゾーンに流動して、下流側循環流に沿って流動しながら清澄され、清澄後において、ネックを通して溶解槽の外部の作業槽に取り出されることになる。
【0021】
ちなみに、上流側循環流を、溶解ガラスの下層部の流れを含めて正確に記載すると、上流側循環流は、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動し且つ下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環することになる。
また、下流側循環流を、溶解ガラスの下層部の流れを含めて正確に記載すると、下流側循環流は、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動し且つ下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環することになる。
【0022】
本第2特徴構成は、加熱バーナが、溶解ガラスの内部のうちの、上流側循環流が形成される部分に燃焼炎を形成する状態で燃焼するように構成されているものであるから、溶解ゾーンにおいて、上流側循環流に沿って流動する溶解ガラスを、液中燃焼式の加熱バーナにて良好に加熱することができる。
【0023】
ちなみに、溶解ガラスの内部のうちの、下流側循環流が形成される部分、つまり、清澄ゾーンには、液中燃焼式の加熱バーナを装備しないようにして、溶解ガラスの清澄を良好に行えるようにすることになる。
【0024】
つまり、本第2特徴構成によれば、溶解ガラスの内部のうちの、溶解ガラスに効率良く熱を与えることが望まれる溶解ゾーンにおいて、液中燃焼式の加熱バーナによって、溶解ガラスを効率良く加熱することができるのである。
【0025】
要するに、本発明の第2特徴構成によれば、上記第1特徴構成による作用効果に加えて、溶解ガラスの内部の溶解ゾーンにおいて、液中燃焼式の加熱バーナによって、溶解ガラスを効率良く加熱することができるガラス溶解炉を提供できる。
【0026】
本発明のガラス溶解炉の第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記加熱バーナが、前記壁部としての底壁部に設けられている点を特徴とする。
【0027】
すなわち、加熱バーナが、ガラス溶解槽の底壁部に設けられているから、ガラス溶解槽の底壁部の近くに形成される燃焼炎によって、ガラス溶解槽の底壁部の近くに位置する溶解ガラスを加熱することができ、加えて、燃焼炎の燃焼排ガスが泡となって上昇流動することによって、溶解ガラスの深さ方向の中間層部や上層部をも加熱することができる。
【0028】
つまり、加熱バーナによって、ガラス溶解槽の内部に位置する溶解ガラスの下層部、中間層部、及び、上層部を良好に加熱することができる。
【0029】
要するに、本発明の第3特徴構成によれば、上記第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、ガラス溶解槽の内部に位置する溶解ガラスの下層部、中間層部、及び、上層部を良好に加熱することができるガラス溶解炉を提供できる。
【0030】
本発明のガラス溶解炉の第4特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記加熱バーナが、前記壁部としての横側壁部に設けられている点を特徴とする。
【0031】
すなわち、加熱バーナが、ガラス溶解槽の横側壁部に設けられているから、ガラス溶解槽の横側壁部の近くに形成される燃焼炎によって、ガラス溶解槽の横側壁部の近くに位置する溶解ガラスを加熱することができ、加えて、燃焼炎の燃焼排ガスが泡となって上昇流動することによって、溶解ガラスにおける加熱バーナよりも上方側に位置する部分をも加熱することができる。
【0032】
つまり、加熱バーナによって、ガラス溶解槽の横側壁部の近くに位置する溶解ガラスを適切に加熱することができ、加えて、加熱バーナの設置箇所よりも上方側に位置する溶解ガラスを加熱することができる。
【0033】
要するに、本発明の第4特徴構成によれば、上記第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、ガラス溶解槽の横側壁部の近くに位置する溶解ガラス、及び、加熱バーナの設置箇所よりも上方側に位置する溶解ガラスを良好に加熱することができるガラス溶解炉を提供できる。
【0034】
本発明のガラス溶解炉の第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
【0035】
すなわち、加熱バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成されているから、噴出された可燃性ガスと酸素含有ガスとは、噴出後に混合されて燃焼することになる。
【0036】
このように、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、加熱バーナから噴出した後に混合させて燃焼させるものであるから、換言すれば、いわゆる先混合方式にて燃焼させるものであるから、逆火の発生を抑制した状態で良好に燃焼させることができる。
【0037】
要するに、本発明の第5特徴構成によれば、上記第1〜第4特徴構成による作用効果に加えて、加熱バーナを逆火の発生を抑制した状態で良好に燃焼させることができるガラス溶解炉を提供できる。
【0038】
本発明のガラス溶解炉の第6特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれかに加えて、
前記加熱バーナが、前記可燃性ガスと前記酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されている点を特徴とする。
【0039】
すなわち、加熱バーナが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成されているから、噴出される可燃性ガスと酸素含有ガスとは、噴出された際には既に混合されているため、噴出されるに伴って的確に燃焼することになる。
【0040】
このように、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、混合状態で加熱バーナから噴出させて燃焼させるものであるから、換言すれば、いわゆる元混合方式にて燃焼させるものであるから、溶解ガラスの内部にて燃焼炎を形成する状態で燃焼させるものでありながらも、不測に消火することを回避した状態で良好に燃焼させることができる。
【0041】
尚、可燃性ガスと酸素含有ガスとを、混合状態で加熱バーナから噴出させて燃焼させる場合には、ガラス溶解槽の壁部の内面部あるいは壁部に極近い部位にも燃焼炎を存在させて、壁部に隣接する溶解ガラスをも適切に加熱することが可能となる利点もある。
【0042】
要するに、本発明の第6特徴構成によれば、上記第1〜第4特徴構成による作用効果に加えて、加熱バーナを不測に消火することを回避した状態で良好に燃焼させることができるガラス溶解炉を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(ガラス溶解炉の全体構成)
図1及び
図2に示すように、ガラス溶解炉には、耐火煉瓦等を用いて構成された概ね密閉状のガラス溶解槽1が備えられ、このガラス溶解槽1の後部側には、同様に耐火煉瓦等を用いて構成された作業槽2が装備されている。
ガラス溶解槽1の前部には、ガラス原料を投入する原料投入口3が形成され、ガラス溶解槽1の後部の上方側箇所には、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを作業槽2に導く排出口4が形成されている。
【0049】
本実施形態においては、ガラス溶解槽1の中間部に、複数の第1バーナNが装備され、ガラス溶解槽1の前部に、複数の第2バーナMが装備されて、複数の第1バーナNと複数の第2バーナMとによって、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラス(ガラス原料)を加熱するように構成されている。
尚、第1バーナN及び第2バーナMの詳細については後述するが、これらの第1バーナN及び第2バーナMは、溶解ガラスの内部に燃焼炎Fn、Fmを形成する状態で燃焼する液中燃焼式である。
【0050】
ガラス溶解槽1の内部には、溶解ガラスの上層部が溶解槽前部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽後部側に向かう方向に沿って流動する形態で上下に循環するガラス原料投入側の上流側循環流Ju、及び、溶解ガラスの上層部が溶解槽後部側に流動しかつ溶解ガラスの下層部が溶解槽前部側に向かう方向に沿って流動にする形態で上下に循環する溶解ガラス取出側の下流側循環流Jdが形成されている。
【0051】
つまり、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラス(ガラス原料)を第1バーナN及び第2バーナMによって加熱することによって、ガラス溶解槽1の前部側部分には、ガラス原料投入側の上流側循環流Juが形成され、かつ、ガラス溶解槽1の後部側部分には、溶解ガラス取出側の下流側循環流Jdが形成されることになる。
【0052】
ガラス溶解槽1の内部のうちの、上流側循環流Juが形成される部分は、ガラス溶解槽1に投入されたガラス原料を溶解する溶解ゾーンAに相当し、ガラス溶解槽1の内部のうちの、下流側循環流Jdが形成される部分は、溶解ガラスから気泡等を排出する清澄ゾーンBに相当することになる。
【0053】
つまり、ガラス溶解槽1の前部側に投入されたガラス原料は、溶解ゾーンAにおいて、上流側循環流Juに沿って流動しながら溶解され、その後、清澄ゾーンBに流動して、下流側循環流Jdに沿って流動しながら清澄され、清澄後において、排出口4が形成されているネックCを通して作業槽2が装備された作業ゾーンDに取り出されることになる。
【0054】
(第1バーナの設置構成)
第1バーナNは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fnを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
ちなみに、第1バーナNの燃焼炎Fnは、細長く伸びる燃焼炎であり、そして、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
【0055】
本実施形態においては、第1バーナNとして、ガラス溶解槽1の壁部としての底壁部1tに装備される第1底壁バーナNtと、ガラス溶解槽1の壁部としての横側壁部1sに装備される第1側壁バーナNsとが装備されている。
【0056】
そして、第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsが、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdに流動するのを抑制すべく、上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所から燃料ガスGと燃焼用空気Eとを溶解槽前部側に噴出するように構成されている。
【0057】
すなわち、第1底壁バーナNtが、ガラス溶解槽1の底壁部における上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを、溶解槽前部側でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている。
【0058】
また、第1側壁バーナNsが、ガラス溶解槽1の横側壁部における下方側でかつ上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを、溶解槽前部側で且つガラス溶解槽の横幅方向における内方でかつ上方側に向かう方向に向けて噴出する状態で設けられている。
ちなみに、本実施形態においては、ガラス溶解槽1の底壁部1tから溶解ガラスの深さの3分の1に相当する高さに、第1側壁バーナNsが装備されている。
【0059】
つまり、第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsから噴出される燃料ガスと燃焼用空気とが、上流側循環流Juの下層部に沿って流動する溶解ガラスを溶解槽前部側で且つ上方側に押圧流動させることになるため、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdの存在する清澄ゾーンBに流動することが抑制されることになり、溶解ゾーンAにおいて溶解ガラスが十分に溶解されるようになっている。
【0060】
(第1バーナの具体構成)
第1底壁バーナNt及び第1側壁バーナNsは、同様に構成されるものであり、以下、第1底壁バーナNtを代表にして、その具体構成を説明する。
【0061】
図3及び
図4に示すように、第1底壁バーナNtは、内部筒5と外部筒6とを二重管状に備える状態に構成され、さらに、外部筒6の外側には、冷却ジャケットK1を形成するための筒体7が配備されており、筒体7を含めると三重管状に構成されている。
【0062】
内部筒5には、燃料ガスGが供給され、内部筒5の先端部には、燃料噴出口8が形成されている。
内部筒5と外部筒6とに囲まれた空間に、燃焼用空気Eが供給され、内部筒5の先端部と外部筒6との間には、複数個の空気噴出口9が周方向に並ぶ状態で形成されたリング状板10が配設されている。
【0063】
外部筒6における内部筒5の先端部よりも前方側に突出する前方突出部分6Aが、前方側ほど小径となる状態に形成されて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとの混合を促進するように構成されている。
【0064】
すなわち、第1底壁バーナNtは、前方突出部分6Aの内部にて形成される混合空間に向けて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを非混合状態で噴出するように構成されている。
そして、噴出された燃料ガスGと燃焼用空気Eとは、混合空間にて混合されたのち、前方側に流動して燃焼するように構成されている。
【0065】
ちなみに、冷却ジャケットK1は、外部筒6と筒体7との間の空間を通して冷却水Wを通流させて、外部筒6や内部筒5を冷却するように構成されている。
【0066】
尚、詳述はしないが、燃料噴出口8からの燃料ガスGの噴出量及び燃焼用空気Eの噴出量が変更調節自在に構成されて、第1底壁バーナNtの燃焼量が、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の種類や投入量に合わせて変更されることになる。
【0067】
(第2バーナの設置構成)
第2バーナMは、可燃性ガスとしての、LPG、メタンを主成分とする都市ガス等の燃料ガスGと、酸素含有ガスとしての燃焼用空気Eとを噴出する液中燃焼式の加熱バーナであって、ガラス溶解槽1の内部に燃焼炎Fmを形成して燃焼する状態にガラス溶解槽1の壁部に装備されている。
【0068】
また、この第2バーナMは、燃焼炎Fmの形態を、先端側に伸びることなく径方向に拡がる平面状炎、燃焼炎先端側ほど径方向に拡がるスカート状炎、旋回しながら直進状に伸びるトロイダル炎、及び、非旋回状態で直進状に伸びる直進炎からなる4種類の形態に変更できるように構成されている(
図7参照)。
ちなみに、燃焼後の燃焼排ガスは、気泡状となって溶解ガラスの内部を上昇したのち溶解ガラスの上方空間に流動することになる。
【0069】
本実施形態においては、第2バーナMとして、ガラス溶解槽1の壁部としての底壁部1tに装備される第2底壁バーナMtと、ガラス溶解槽1の壁部としての横側壁部1sに装備される第2側壁バーナMsとが装備されている。
【0070】
そして、第2底壁バーナMtと第2側壁バーナMsとが、溶解ガラスの内部のうちの、上流側循環流Juが形成される部分に燃焼炎Fmを形成する状態で燃焼するように構成されている。
すなわち、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、溶解ゾーンAの溶解ガラスを加熱することになり、また、第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎からなる4種類の形態に変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を十分に大きな範囲に亘って適切に調節できることになる。
つまり、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、直進炎は、この記載順に、溶解ガラスに与える熱量を大きくできる傾向となる。
【0071】
したがって、ガラス溶解槽に投入されるガラス原料の溶解性が大きく変動することや、溶解槽に投入するガラス原料の投入量(ガラスの生産量)が大きく変動することがあっても、その変動に合わせて、燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できる。
また、色つきガラスを生産する場合においては、黒、緑青、透明のいずれを生産する場合においても、生産する色つきガラスに合わせて、燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節できる。
【0072】
(第2バーナの具体構成)
第2底壁バーナMt及び第2側壁バーナMsは、同様に構成されるものであり、以下、第2底壁バーナMtを代表にして、その具体構成を説明する。
【0073】
図5及び
図6に示すように、第2底壁バーナMtは、ガラス溶解槽1の底壁部1tに形成した装着孔12に嵌め込んだ状態に設置されるバーナタイル13と、そのバーナタイル13に組み付けられるバーナ本体部14とから構成されている。
バーナタイル13は、円筒状に形成されかつその先端部が朝顔状の案内面Qを形成するように構成されている。
また、バーナ本体部14は、バーナタイル13の外部に位置する基端側部分14Aと、バーナタイル13に嵌合される先端側部分14Bとを備えている。
【0074】
バーナ本体部14の基端側部分14Aの内部には、中央部の空気供給筒15、その空気供給筒15の周囲を覆う状態で配置される燃料供給筒16、及び、その燃料供給筒16の周囲を覆う状態で配置される旋回空気噴出筒17が設けられ、また、旋回空気噴出筒17の外周側箇所に空気チャンバ18が形成されている。
【0075】
そして、送風ブロアUから供給される燃焼用空気Eの一部を基端側部分14Aの底部に形成した第1空気供給口19Aから空気供給筒15の基端部に導いて、空気供給筒15の先端部から前方側に噴出されるように構成され、また、送風ブロアUから供給される燃焼用空気Eの残部を基端側部分14Aの側部に形成した第2空気供給口19Bから空気チャンバ18に導いて、旋回空気噴出筒17に形成した複数の旋回用空気噴出孔20を通して、旋回空気噴出筒17と燃料供給筒16との間の空間に旋回状態で噴出されるように構成されている。
【0076】
ちなみに、複数の旋回用空気噴出孔20は、その長手方向が旋回空気噴出筒17の接線に沿う方向に形成される状態で、周方向に間隔を隔てて設けられものであって、空気チャンバ18から供給される燃焼用空気Eを、旋回空気噴出筒17の接線に沿う方向に噴出することにより、旋回空気噴出筒17と燃料供給筒16との間の空間の内部に、燃焼用空気Eの旋回流を形成することになる。
【0077】
また、基端側部分14Aに形成した燃料供給口21から供給される燃料ガスGが、空気供給筒15と燃料供給筒16との間の空間に導かれたのち、燃料供給筒16の先端部に形成した燃料噴出口22から噴出されるように構成されている。
【0078】
また、バーナ本体部14の先端側部分14Bは、旋回空気噴出筒17に連なる状態の案内筒23と、その案内筒23の外周部に冷却ジャケットK2を形成するための外側筒体24とを備える二重管状に構成されて、バーナタイル13に嵌合されている。
【0079】
そして、案内筒23の内部が、空気供給筒15から噴出される燃焼用空気Eや旋回空気噴出筒17から旋回状態で供給される燃焼用空気Eと、燃料供給筒16の先端部の燃料噴出口22から噴出される燃料ガスGとを混合する混合空間として機能することになる。
【0080】
ちなみに、冷却ジャケットK2は、案内筒23と外側筒体24との間の空間を通して冷却水Wを通流させて、案内筒23や外側筒体24等を冷却するように構成されている。
【0081】
したがって、第2底壁バーナMtは、空気供給筒15から噴出される燃焼用空気Eや旋回空気噴出筒17から旋回状態で供給される燃焼用空気Eと、燃料供給筒16の先端部の燃料噴出口22から噴出される燃料ガスGとを、案内筒23の内部の混合空間にて混合して、混合空間にて混合した混合ガスをバーナタイル13の先端部の朝顔状の案内面Qに沿って案内しながら、燃焼炎Fmを形成する状態で燃焼するように構成されている。
【0082】
すなわち、第2底壁バーナMtは、案内筒23の内部の混合空間に向けて、燃料ガスGと燃焼用空気Eとを非混合状態で噴出して、案内筒23の内部にて燃料ガスGと燃焼用空気Eとを混合して燃焼するように構成されている。
【0083】
また、送風ブロアUと第1空気供給口19Aとを接続する第1流路R1には、第1オリフィス26A及び空気通流量を調整する調整ダンパ27が設けられ、送風ブロアUと第2空気供給口19Bとを接続する第2流路R2には、第2オリフィス26Bが設けられており、調整ダンパ27の開度調節により、第1空気供給口19Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と第2空気供給口19Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比が変更されるように構成されている。
【0084】
したがって、第2底壁バーナMtは、調整ダンパ27の開度調節により、第1空気供給口19Aに供給する燃焼用空気Eの供給量と第2空気供給口19Bに供給する燃焼用空気Eの供給量との比を変更して、燃焼炎Fmの形態を、平面状炎(
図7(A)参照)、スカート状炎(
図7(B)参照)、トロイダル炎(
図7(C)参照)、及び、直進炎(
図7(D)参照)からなる4種類の形態に変更できるように構成されている。
尚、平面状炎は、バーナタイル13及び底壁部1tに燃焼炎Fmが付着する状態となり、スカート状炎は、燃焼炎Fmがバーナタイル13及び底壁部1tから離れる状態となる点が相違する。
【0085】
ちなみに、本実施形態においては、燃焼用空気を先端側に向けて噴出する中央側空気噴出部が、空気供給筒15にて構成され、可燃性ガスを中央側空気噴出部の周囲から先端側に向けて噴出する燃料噴出部が、燃料噴出口22にて構成され、燃焼用空気を燃料噴出部よりも径方向外方側箇所から径方向内方側に向けて旋回状態で噴出する外周側空気噴出部が、旋回用空気噴出孔20にて構成されることになる。
【0086】
また、本実施形態においては、中央側空気噴出部及び外周側空気噴出部から噴出された燃焼用空気と燃料噴出部から噴出された可燃性ガスとを先端側に向けて案内する基端側の直円筒部分の先端側に、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が連なる形態に構成される案内部Vが、案内筒23とバーナタイル13とから構成されることになる。
つまり、基端側の直円筒状部分が、案内筒23にて構成され、先端側ほど漸次外方側に拡径する拡径部分が、バーナタイル13の案内面Qにて構成されている。
【0087】
また、本実施形態においては、中央側空気噴出部としての空気供給筒15からの燃焼用空気Eの噴出量と外周側空気噴出部としての旋回用空気噴出孔20からの燃焼用空気Eの噴出量との比を変更する噴出比調整手段Tが、調整ダンパ27を主要部として構成されることになる。
そして、噴出比調整手段Tによる上記比の変更により、上述の如く、燃焼炎Fmの形態が、平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更されることになる。
【0088】
尚、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの90〜100%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が平面状炎になり、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの50〜90%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がスカート状炎になり、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの40〜50%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態がトロイダル炎になり、さらに、旋回用空気噴出孔20から燃焼用空気Eの0〜40%を噴出しかつ空気供給筒15から燃焼用空気Eの残りを噴出すると、燃焼炎Fmの形態が直進炎になる。
【0089】
また、詳述はしないが、燃料噴出口22からの燃料ガスGの噴出量及び燃焼用空気Eの噴出量を変更調節できるように構成されて、燃焼炎Fmの形態を変更することに加えて、燃焼量も変更されることになる。
【0090】
以上の通り、本実施形態のガラス溶解炉は、燃焼炎Fmの形態を平面状炎、スカート状炎、トロイダル炎、及び、直進炎に変更できる第2バーナMにて、溶解ゾーンAの溶解ガラスを加熱するものであるから、ガラス溶解槽1に投入されるガラス原料の種類や投入量に合わせて燃焼炎Fmの形態を変更することにより、溶解ガラスに与える熱量を適切に調節しながら、溶解ゾーンAの溶解ガラスを良好に加熱することができる。
【0091】
しかも、第1バーナNが、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdに流動するのを抑制すべく、上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所から燃料ガスと燃焼用空気とを溶解槽前部側に噴出するものであるから、溶解ゾーンAにおいて上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが、下流側循環流Jdが存在する清澄ゾーンBに流動することを抑制することによって、溶解ガラスを十分に溶解(溶融)することができるものである。
【0092】
また、清澄ゾーンBには、第1バーナNや第2バーナMを設置しないようにすることにより、溶解ガラスの内部に気泡が発生しないようにして、溶解ガラスの清澄化を良好に行えるように構成されている。
【0093】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態を列記する。
(イ)上記実施形態においては、液中燃焼バーナとしての第1バーナN、及び、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにて、ガラス溶解槽1の内部の溶解ガラスを加熱するように構成したが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを溶解ガラスの上方空間に噴出して燃焼する上方バーナを設ける形態で実施してもよい。
【0094】
(ロ)上記実施形態においては、上流側循環流Juに沿って流動する溶解ガラスが下流側循環流Jdに流動するのを抑制する作用を発揮する第1バーナNを装備したが、この第1バーナNの設置を省略する形態で実施してもよい。
【0095】
(ハ)上記実施形態においては、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMとして、ガラス溶解槽1の底壁部1tに装備する第2底壁バーナMtと、ガラス溶解槽1の横側壁部1sに装備する第2側壁バーナMsとを設置する場合を例示したが、例えば、第2底壁バーナMtのみを設置する形態や、第2側壁バーナMsのみを設置する形態にする等、必ずしも、第2底壁バーナMtと第2側壁バーナMsとを設置する必要はない。
【0096】
(ニ)上記実施形態においては、液中燃焼式バーナとしての第1バーナN、及び、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを非混合状態で噴出するように構成される場合を例示したが、第1バーナN及び第2バーナMが、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出するように構成される形態で実施してもよい。
【0097】
ちなみに、可燃性ガスと酸素含有ガスとを混合状態で噴出する構成としては、例えば、酸素含有ガスとして燃焼用空気を供給する送風機を設ける場合において、その送風機の空気吸気路に、可燃性ガスを噴出させるようにする形態を採用することができる。
【0098】
そして、液中燃焼バーナとしての第1バーナNにおいては、実施形態述べた構成において、燃焼用空気Eに代えて混合ガスを供給することになり、この場合には、燃料供給は省略することになる。
また、液中燃焼式の加熱バーナとしての第2バーナMにおいては、実施形態で述べた構成において、空気供給口19に、燃焼用空気Eに代えて混合ガスを供給することになる。尚、この場合には、燃料供給口21への燃料供給は省略することになる。
【0099】
(ホ)上記実施形態においては、ガラス溶解槽1として、槽後部の上方側箇所に排出口4が形成される形態のものを例示したが、
図8に示すように、例えば、槽後部の下方側箇所に排出口4が形成される形態のガラス溶解槽1等、種々の形態のガラス溶解槽1に対して本願発明は適用できるものである。
【0100】
ちなみに、
図8のガラス溶解槽1には、底壁部1tにおける上流側循環流Juと下流側循環流Jdとの間に相当する箇所に、堰25が形成されている。
尚、
図7においては、第1バーナNとして、第1底壁バーナNtが装備され、第2バーナMとして、第2底壁バーナMtが装備される場合を例示するものである。
【0101】
(ヘ)上記実施形態においては、酸素含有ガスとして、燃焼用空気Eを例示したが、酸素含有ガスとしては、純酸素ガスを用いることができる。
【0109】
(
ト)上記実施形
態においては、噴出比調整手段Tが、第1流路R1に装備した調整ダンパ27を主要部として構成される場合を例示したが、例えば、第1流路R1及び第2流路R2の夫々に、流量調整用ダンパを装備する等、 噴出比調整手段Tの具体構成は各種変更できるものである。