(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124787
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】ロータブレード用の軽量シュラウド
(51)【国際特許分類】
F01D 5/16 20060101AFI20170424BHJP
F01D 5/18 20060101ALI20170424BHJP
F01D 5/20 20060101ALI20170424BHJP
F01D 11/08 20060101ALI20170424BHJP
F02C 7/18 20060101ALI20170424BHJP
F02C 7/28 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
F01D5/16
F01D5/18
F01D5/20
F01D11/08
F02C7/18 A
F02C7/28 A
【請求項の数】11
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-508417(P2013-508417)
(86)(22)【出願日】2011年4月6日
(65)【公表番号】特表2013-525689(P2013-525689A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】EP2011055347
(87)【国際公開番号】WO2011138112
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2014年1月6日
【審判番号】不服2016-2875(P2016-2875/J1)
【審判請求日】2016年2月26日
(31)【優先権主張番号】10162021.9
(32)【優先日】2010年5月5日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(72)【発明者】
【氏名】ブランドル・ヘルベルト
(72)【発明者】
【氏名】トシュプカクイン・イゴル
(72)【発明者】
【氏名】インドレコファー・フィリップ
【合議体】
【審判長】
中村 達之
【審判官】
伊藤 元人
【審判官】
松下 聡
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第2434842(GB,A)
【文献】
特開平5−195815(JP,A)
【文献】
独国特許出願公開第19904229(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 5/12,11/08
F02C 7/18, 7/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シュラウド(5)と少なくとも一つのフィン(6)を担持している先端部を備え、前記フィンがシュラウド(5)から半径方向へ離間するように延びている、タービンブレード(1)において、
フィン(6)が第一の側壁(9)と第二の側壁(10)を備え、
これらの側壁は、少なくとも部分的に間隔をおいて設けられて、互いに平行に配置され、シュラウド(5)に接続されており、
さらに前記フィンが、刃先(18)を備え、この刃先が第一及び第二の側壁(9,10)に接続されており、
前記刃先が、それにより側壁(9,10)、シュラウド(5)及び刃先(18)の間に中空室を形成しており、かつさらに第一及び第二の側壁(9,10)から半径方向に離間するように延びており、ここで、前記中空室は、前記フィン(6)の第一の円周方向端部(13)から前記フィン(6)の第二の円周方向端部(11)まで延びており、
前記フィン(6)には、前記フィン(6)の幅を増大させるための補助的拡張部(23)が、前記フィン(6)の中央領域に設けられており、その結果、前記フィン(6)の中央領域においては、前記中空室の幅も増大している、
ことを特徴とするタービンブレード(1)。
【請求項2】
第一及び第二の側壁(9,10)が、シュラウド(5)との接続部で、間隔をおいて設けられており、かつシュラウド(5)から半径方向に離間している端部で互いに合流するように輪郭を描かれていることを特徴とする請求項1記載のタービンブレード(1)。
【請求項3】
第一及び第二の側壁(9,10)が、刃先(18)に継目なく接続するように輪郭を描かれていることを特徴とする請求項1または2に記載のタービンブレード(1)。
【請求項4】
第一及び第二の側壁(9,10)の壁厚が、壁の高さの少なくとも50%に関して半径方向で一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項5】
第一及び第二の側壁(9,10)は、運転中に、前記刃先(18)ならびに前記第一及び前記第二の側壁(9,10)に作用する遠心力および曲げ力から生じる力が、両側壁(9,10)内に局所的な最大引張応力を生じさせるように湾曲しており、前記最大引張応力は、横断面の平均引張応力の1.3倍未満である、
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項6】
第一及び第二の側壁(9,10)は、運転中に、前記刃先(18)ならびに前記第一及び前記第二の側壁(9,10)に作用する遠心力および曲げ力から生じる力線が、各側壁(9,10)の湾曲部に対して平行な向きに向けられるように湾曲している、
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項7】
中空室が冷却パージ空気を案内するように形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項8】
少なくとも一つの冷却および/またはパージ空気孔が、刃先(18)に設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項9】
運転の際に、フィン(6)の曲げ部における、該フィン(6)の横断面の中立軸が、フィン(6)に作用している遠心力に対して垂直であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項10】
連結板(21)が、フィン(6)の第一の円周方向端部(13)及び第二の円周方向端部(11)でフィン(6)を閉鎖していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のタービンブレード(1)。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一つに記載の、フィン(6)を備えたタービンブレード(1)を製造するための方法において、
第一及び第二の側壁(9,10)と刃先(18)を備えた中空のフィンを有する単一ピースとして、ブレード(1)を鋳造する工程か、あるいは
第一及び第二の側壁(9,10)と刃先(18)を形成するために、及びそれにより前記両側壁(9,10)と刃先(18)の間に中空部を空けるために、ブレード(1)を鍛造し、かつ前記フィンを機械加工する工程を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターボ機械、特にタービン用の、シュラウドを備えたロータブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
タービン段、特に従来のターボ機械の最終段は、長いロータブレードを有する。最終段のロータブレードは、特に振動の挙動改善するために連結シュラウドを備えている。基本的に、シュラウドは厚さと側面を備えており、これらは隣接したロータブレードがある場合、連結形状を形成するように切断される。
【0003】
シュラウドの目的は、ブレード先端部上の漏洩を防ぎ、タービンの効率を改善し、ロータブレードの動力学的かつ振動の質を改善することである。シュラウドの連結は、二つの支持面に沿って行われる。支持面でのシュラウドの連結により振動は減衰する。別の特徴がロータブレードシュラウドの先端に設けられているフィンである。ロータブレードシュラウドのサイズに依存して、一つあるいはそれより多くのフィンがある。
【0004】
フィンは封止機能を有し、ブレード先端部を横切る二次流を減らす。ブレードの動作時に生じる遠心荷重に耐えるのに必要とされる曲げ剛性は、フィンの高さにより規定される。
【0005】
現在、最終段の回転ブレード用のシュラウドは、基本的に中実である。シュラウドは、ブレード及びロータに対する付加的な荷重である。ブレードの翼と根元部はシュラウドの重量を担持する。シュラウドの重量は、翼の横断面領域、従って翼及び根元部の重量に大きな影響があった。運転時に、ブレードはタービン軸線を中心にロータ上で高速で回転するので、ブレードは、ロータに機械式に係合しているブレード根元部によりロータに支持されている。ブレードは回転するので、遠心力により、ブレードは半径方向に引張られ、かつロータに荷重がかかる。
【0006】
ロータ内でブレードを保持する、ロータ従って根元部での荷重の総計は、ブレード重量の関数である。ブレードが重いと、ブレード根元部とロータの間の接続部分にさらの応力がかかり、かつロータに高い総半径方向力がかかる。シュラウドの重量は半径方向力を増加させ、この半径方向力はロータの限界に近づく。従って、シュラウドの重量は、タービンの性能に対して重要な設計の限界を引出し、かつ根元部とロータの総寿命を縮める恐れがある。
【0007】
ターボ機械、特に蒸気タービンは、排気環状領域を増やすために長いブレードを有する。環状領域は高い質量流量を可能にするために増やされる。長いブレードは広い環状領域のために使用され、この環状領域によりブレードに関する重量は重くなる。最新のデザインは、改善された振動制御のためのフィンを備えたブレードの十分覆われた先端部を備えており、先端部の漏洩は減る。
【0008】
タービン運転時の漏洩を減らすために、ハニカムはフィンの反対側に配置されているのが一般的である。運転時にフィンはハニカム内に割込まれている。
【0009】
現在のタービンと圧縮機の効率は、回転構成部材(ブレード)と静止構成部材の間の気密度に依存している。摩耗性の封止材料内で溝を切るためのブレードのフィンを可能にすることにより達せられる。この材料は十分な体積の空気がブレード先端部を過ぎて漏洩するのを防ぐ。一般的に、封止材料は、ハニカムシールであるか、あるいはハニカムシールを有しているか、あるいは焼結された金属粒子であり、かつ封止材料は適所にロウ付けされる。タービンの安全運転を保証するために、フィンは運転条件下で、封止材料内に割込むために十分強くなければならない。
【0010】
さらに、隣接したブレードのフィンが運転時に互いに関連する場合に、フィンはその減衰機能を満たすために十分強くなければならない。
【0011】
高温動作時のフィンのクリープを回避し、かつ寿命を延ばすために、特許文献1にはフィンの冷却が提案されている。フィンの重量はフィンに穿孔することにより減ることがさらに記載されていた。しかし、穿孔により達せられる重量削減は限定される。さらに、孔は切り欠き効果を有するので、ブレードの寿命に対して有害である。この切り欠き効果により、応力集中が起り、従ってフィン内では局部的には最大になる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許第19904229号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の課題は、ブレードの強度を弱めあるいは寿命を縮めることなく、ロータ上での半径方向力を減少させるブレード質量が減った、より軽量の改善されたロータブレードを提供することにある。
【0014】
本発明の別の課題は、シュラウドの曲げ応力を損なうことがない、改善された軽量な回転ブレードを提供することである。
【0015】
さらに本発明の他の課題は、シュラウドのための連結作業を実現する、改善されたより軽量の回転ブレードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のこれらの課題および他の課題は、改善された回転ブレードにより解決される。回転ブレードは、一般的に、根元部分と、根元部分に接続したプラットフォーム部分と、プラットフォームに接続した翼と、プラットフォームに接続しているプラットフォーム端部を有する翼と、前記プラットフォーム端部の反対側の先端部を備えている。さらに、シュラウドブレードは、先端部から外側に離間するように延びており、かつそこに取付けられたシュラウドと、外側面から半径方向に離間するように延びている少なくとも一つのフィンを備えている。
【0017】
本発明の第一の実施例によれば、フィン(6)が第一の側壁(9)と第二の側壁(10)を備え、これらの側壁が、間隔をおいて設けられて、互いに平行に配置され、シュラウド(5)に接続されており、さらに前記フィンが、刃先(18)を備え、この刃先が第一及び第二の側壁(9,10)接続されており、前記刃先が、それにより側壁(9,10)、シュラウド(5)及び刃先(18)の間に中空室を形成しており、かつさらに第一及び第二の側壁(9,10)から半径方向に離間するように延びている。
【0018】
一実施例によれば、第一及び第二の側壁(9,10)が、シュラウド(5)との接続部で、間隔をおいて設けられており、かつシュラウド(5)から半径方向に離間している端部で互いに合流するように互いに合流するように輪郭を描かれている。
【0019】
別の実施例によれば、第一及び第二の側壁(9,10)が、刃先(18)に継目なく接続するように輪郭を描かれている。
【0020】
一実施例によれば、結果として生じる遠心力が、フィンの質量に起因しており、および/またはシュラウドが、ブレードの中
立軸と一直線に整列されかつタービンが回転する際にブレード上でいずれの曲げモーメントも生じさせないように、中空部は実現される。
【0021】
別のさらに特定の実施例によれば、中空部はフィンの中
立軸に沿って実現される。さらに別の実施例で、中空部はフィンの中
立軸に沿って対称に実現される。
【0022】
一実施例によれば、中空フィンは、内側丸み部でシュラウドに接続され、かつ外側丸み部で中実の刃先に接続された二つの薄い側壁を備えている。刃先は、タービンに取付けられる際に、タービン段を取囲んでいるステータ壁に固定されたハニカム内に割り込むように輪郭を描かれた中実の金属体である。ハニカムとフィンの組合せは、ハニカムシールを形成する。
【0023】
別の実施例によれば、中空フィンは、基本的にV字形である。Vはシュラウド上で逆さまに起立しており、シュラウドから離れる。V字形フィンは、シュラウド上で起立しており、かつV字形フィンの二つの脚部の端部で接続している。V字形フィンの両脚部は、フィンの側壁である。尖端部は押付けられ、、かつ刃先を形成するために半径方向に延びており、この刃先は、ハニカムシールを形成するために、タービン段を取囲んでいるステータ壁に固定されたハニカム内に割込むために十分強い。
【0024】
さらに、中空のフィンを介した冷却を可能にするための中空のフィンを構成することを提案する。冷却されたフィンは、例えばガスタービンのアプリケーションに使用できる。
【0025】
改善された軽量の回転ブレードを製造するための方法は、鋳造された中空のフィンを備えた単一ピースとしてブレードを鋳造する工程を有する。
【0026】
さらに改善された軽量の回転ブレードを製造するための別の方法は、ブレードを鍛造し、かつ前記フィンの中空部を作るために材料を取除く工程を有する。
【0027】
本発明の中空でかつ軽量のフィンは、周方向で剛性を損なうこと無く、十分な断面二次モーメントを提供する(曲げと捩れ)。従って、良好なシュラウドの連結が保証される。
【0028】
中空のシュラウドを獲得するために、フィンから過剰な材料を取除いてもよい。このような中空で軽量なフィンにより、重量の削減が達せられる。重量の削減は、フィンそれ自体においても、翼及び根元部においても実現される。その理由は、これらの部材が削減されたフィン重量を担持しなければならないことにある。これにより、ブレードは軽くなり、ブレードの長いデザインが可能になり、それにより流れ領域が増え、それと共にタービンの出力と効率も高くなる。
【0029】
本発明の他の特徴と長所は、添付の図と協働して、実施例の以下の説明から明らかになる。
【0030】
本発明は、その本質もその長所も添付の図を用いて以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】シュラウドとフィン有するブレードの実施例の概略斜視図である。
【
図2】第一及び第二のフィンを備えたフィン及び刃先斜視図である。
【
図2a】第一及び第二の側壁を有するフィンと刃先を備えたブレード先端部の概略横断面図である。
【
図3】彎曲した第一及び第二のフィンの側壁を有するフィンと刃先を備えたブレード先端部の概略斜視図である。
【
図3a】彎曲した第一及び第二の側壁を有するフィンと刃先を備えたフィンの概略横断面図である。
【
図5】連結したフィンを備えた二つのブレード先端部の概略斜視図である。
【
図6】フィン端部に連結板を備えたブレード先端部の概略斜視図である。
【
図7】フィン端部に連結板を備えたブレード先端部の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0032】
図1で、参照符号1は根元部分2を有するブレードを示しており、このブレードは根元部分2から外側に向かって頸部領域12を備えている。根元部分2は、機械加工された面16を備え、この面は、遠心負荷の下でブレード1がタービンロータに固定されるように、ロータ8のマッチする輪郭部に係合する。プラットフォーム4は、ブレード根元部分2と頸部領域12から外側に向かって突出しており、かつ根元部分2に接続している。翼3はプラットフォーム4から外側に向かって延びている。翼3はプラットフォーム4と先端部に接続した端部を有する。シュラウド5は先端部に接続しており、かつ先端部から外側に向かって延びている。シュラウドは少なくとも一つのフィン6を備えている。
【0033】
図2は翼3の先端部から外側に向かって延びているシュラウド5を示す。シュラウド5は、翼3の先端部に固定された内側面14と内側面14を覆う外側面15を備えている。内側面14と外側面15に接続した側壁17は、両面に対して垂直であるのが一般的である。
【0034】
ブレードは、さらに少なくとも一つのフィン6も備え、このフィンはシュラウド5から半径方向に離間するように延びている。フィン6はそれ自体、第一の側壁9と第二の側壁10を備え、これらの側壁は間隔をおいて、互いに平行に配置されおり、かつシュラウド5に接続している。さらに、フィンは刃先18を備え、この刃先は第一及び第二の側壁9,10に接続しており、それにより側壁9,10、シュラウド5及び刃先18の間に中空室を形成する。刃先18はさらに第一及び第二の側壁9,10から離間するように外側に向かって延びている。
【0035】
図2aは、第一の側壁9,第二の側壁10、シュラウド5及び刃先18を有するフィン6を備えたブレード先端部の横断面を概略的に示している。
図2bは、運転時の第一の側壁9における引張応力分布19の簡略化した例を概略的に示している。
【0036】
曲げ力のために、引張応力の横断面は一定ではなく、
図2bに示したように、引張応力19で極大値になる。従って、極大値は比較のために示した平均引張応力よりも大きい。
【0037】
一実施例で、刃先は剛体である。別の実施例では、刃先18は冷却および/またはパージ空気孔を備えている。
【0038】
別の実施例で、シュラウド5は幾つかのフィンを備えており、フィンは互いに平行に半径方向で外側に向かって延びており、少なくとも一部は中空であり、軽量である。フィンは先の尖った縁部あるいはシャープエッジを有しており、シュラウド5の外側面15から外側に向かって延びている。回転しているブレード1は、単一ピースで鋳造されており、フィン6は一体で成形されており、翼3と比較したその寸法は、例えば1/10であるのが一般的である。
【0039】
局部応力を極力最小にするために、側壁9,10は、
図3に示したようにフィン6に作用する結果として生じる力の力線を描くように輪郭を描くかあるいは湾曲させることができる。この目的で、第一及び第二の側壁9,10は、シュラウド5との接続部では間隔が離れており、シュラウド5から半径方向に離間している端部で互いに合流するように輪郭を描かれている。
【0040】
図3に示したように、フィン内部での、冷却空気あるいはパージ空気を十分に供給する空洞を可能にするために、フィン6の幅は、フィン6の中央領域での補助的拡張部23を使用して、局部的に増やすことができる。この補助的拡張部23は、フィンの中央領域での遠心力の発生に起因する最大曲げモーメントに対する剛性を高め、かつブレードの翼3内への力の移行による局部応力を低減させるのにも役立つ。
【0041】
図3aは、湾曲した、第一及び第二の側壁9,10と刃先18を備えたフィンの横断面を概略的に示す。
図3bは、側壁9の対応している引張応力分布19を示す。局部引張応力19は一定であり、かつ側壁での平均引張応力20に等しいのが理想的である。
【0042】
一実施例では、局部最大引張応力が平均引張応力の1.3倍未満であるように、刃先18と第一及び第二の側壁9,10に作用する遠心力と曲げ力からの結果として生じる力線が配列されるように、第一及び第二の側壁9,10は湾曲している。曲率は平均引張応力の1.1倍未満の局部最大引張応力を保持するように最適化されるのが好ましい。
【0043】
一実施例では、刃先18と第一及び第二の側壁9,10に作用する遠心力と曲げ力からの結果として生じる力線が、運転時に、各側壁9,10の湾曲部に対して平行に向きを合わせられるように、第一及び第二の側壁9,10は湾曲している。
【0044】
図4によれば、“一直線にされた”形状の孔が実現されている。一直線にされた形状の孔は、円周方向でファインの第一の端部13からフィン6の長さに沿ってフィンの第二の端部11まで延びる。この文脈における一直線にされた形状とは、側壁9,10のための基本的に一定の壁厚を有するフィンである。壁厚は側壁高さの少なくとも50%の場合には、半径方向で一定である。壁厚は、たとえば側壁9,10の高さの80%の場合に一定であるか、あるいは80%以上の場合でも一定である。
【0045】
フィン6の長さに沿ってその中
立軸の周囲の材料を取除くことによりフィン6は中空にされ、フィンの重量は減り、第一の端部13から、あるいは第二の端部11あるいは両端部からフィンは中空にされる。
【0046】
図5には中空フィン6を備えた、連結したシュラウドが示してある。中空フィン6を用いた連結作業を行うのに剛性は十分である。中
立軸周りの重量の除去は、剛性に関しては無視できるほどの影響を有しているか、あるいはその影響はわずかに大きな外寸法により相殺されるが、フィン6の重量削減、および回転ブレード1の全重量削減により大きな長所を中空部は提供する。
【0047】
フィン6の孔は、フィンの第一の端部13から第二の端部11まで延びることができる。
【0048】
図6に示した他の実施例で、連結板21は、フィン6の第一の円周方向端部13および/または第二の円周方向端部11でフィン6を閉鎖している。
【0049】
さらに
図6及び7に示したように、少なくとも一つの側壁9,10の側面に冷却孔22を設けることができる。これはフィンを冷却するのに必要である。
【0050】
一実施例で、回転ブレード1は鋳造を用いて製造される。その方法は、従来のアルミニウムあるいはセラミックコアをベースにしたシリカを包むことにより、ワックス内で回転ブレードを成形する工程を備えている。
【0051】
一実施例で、フィンの中空部は、超高圧水流切断、浸食作用、レーザ流及びこのようなもののいずれの組合せを介して得ることができる。
【0052】
一実施例で、さらに回転ブレード1は、金属の単一ピースで製造され、フィン6は機械加工で中空にされる。
【0053】
シュラウド5上のフィン6は中空にされ、サイズと回転速度に関して軸方向の弾性が十分である軽量故に、高い性能を備えたブレード1はより軽量になる。
【0054】
フィンの曲げる場合の中
立軸は、運転時には、フィンに作用する遠心力に対して垂直であるのが一般的である。
【0055】
本発明は、後方段ブレードのために、特に最終段ブレードのために適用できる。必要であれば、連結面を増やすために、両端部は、ろう付け、溶接等などの異なる製造方法を用いたプレートにより閉鎖できる。遠心力を低減することにより、クリープ領域での構成部品の寿命はかなりの範囲で増す。
【0056】
本発明の数多くの変更及び改造は、当業者には明らかであり、従って本発明の範囲内にあるこのような変更及び改造を全てカバーすることが従属請求項により表されている。
【符号の説明】
【0057】
1 ブレード
2 根元部分
3 翼
4 プラットフォーム
5 シュラウド
6 フィン
7 対になる面
8 ロータ
9 第一の側壁
10 第二の側壁
11 第二の端部
12 頸部領域
13 第一の端部
14 内側面
15 外側面
16 機械加工面
17 プラットフォーム側壁
18 刃先
19 運転時の側壁における結果として生じる局部応力
20 運転時の側壁における平均応力
21 連結板
22 冷却および/またはパージ空気孔
23 補助的な拡張部