特許第6124850号(P6124850)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124850
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】点消火装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 5/26 20060101AFI20170424BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   F23N5/26 T
   F23N5/26 W
   F23N1/00 102D
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-189218(P2014-189218)
(22)【出願日】2014年9月17日
(65)【公開番号】特開2016-61482(P2016-61482A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2015年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106105
【弁理士】
【氏名又は名称】打揚 洋次
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】柘植 真吾
【審査官】 杉山 豊博
(56)【参考文献】
【文献】 特開平03−230020(JP,A)
【文献】 実開昭54−027371(JP,U)
【文献】 特開昭63−251718(JP,A)
【文献】 特開2015−111029(JP,A)
【文献】 実公昭54−013632(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 5/26
F23N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に移動自在であって押し込み操作によってガスバーナへのガスの通路を開閉する点消火ボタンを備え、この点消火ボタンを消火位置から点火位置まで押し込むと、前後方向に長手であって途中に元弁が設けてられているロッドを点消火ボタンが押して、元弁を開弁すると共にロッドの先端で電磁安全弁に設けられた弁体を強制的に開弁させて電磁安全弁に内蔵されている電磁石に弁体を押接し、その点火位置から点消火ボタンに対する押し込み力を解除すると、点消火ボタンは消火位置よりも手前側に設定された燃焼位置まで付勢力によって後退する点消火装置において、点消火ボタンと上記ロッドとの間に前後方向に移動自在な規制部材を介在させ、点消火ボタンを消火位置から点火位置まで押し込む際には、点消火ボタンが規制部材と共にロッドを押し込み、点消火ボタンが燃焼位置まで後退する際に、規制部材の手前側への移動を途中でロックしてロッドに設けられた元弁を開弁状態に保持するロック機構を設け、点消火ボタンを燃焼位置から消火位置に戻す際に、点消火ボタンと規制部材とが離れた状態で規制部材に対するロック機構によるロックが解除されるように構成されており、ロック機構によるロックが解除された規制部材を手前側に移動させる付勢手段を設けると共に、この付勢手段によって規制部材が手前に位置する点消火ボタンに向かって戻る際に、規制部材が点消火ボタンに衝突することによって生じる衝撃を緩和する緩衝手段を設けたことを特徴とする点消火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し込み操作によってガスバーナへのガスの通路を開閉する点消火ボタンを備えた点消火装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスコンロでは点消火及び火力調節はガスコンロの前面パネルに設けられた点消火ボタンや火力調節つまみで行う。従来はこれら点消火ボタンと火力調節つまみとを別個に設けていたが、デザイン上の要請から、これら点消火ボタンと火力調節つまみとをまとめて1個の操作つまみとし、操作つまみを押すことにより点消火をおこない、かつ操作つまみを回動することによりガスバーナの火力を調節するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このものでは、点消火ボタンとして機能する操作つまみが消火位置にある状態では、操作つまみがガスコンロの前面パネルから突出しないように設定し、操作つまみを点火位置まで押し込んだ後、押し込み力を解除すると、操作つまみが前面パネルから手前に突出して、操作つまみが回動しやすくなるように、また、燃焼中であることを視認しやすくなるように、構成されている。
【0004】
一方、操作つまみを消火位置から点火位置まで押し込むと、電磁安全弁の弁体を強制的に開弁させて、その弁体を電磁安全弁に内蔵されている電磁石に押接させるロッドが設けられている。また、このロッドの途中には元弁が設けられており、消火位置から点火位置まで操作つまみを押し込むことによってロッドが移動すると、元弁が閉弁状態から開弁する。そして、操作つまみが点火位置から燃焼位置まで戻るとロッドも手前方向に戻るが、ロッドに設けた元弁が開弁する位置でロッドをロックする必要がある。
【0005】
燃焼位置が消火位置よりも押し込み側に設定されていれば、ロッドの手前側への移動を操作つまみに当接させることによって元弁を開弁状態で保持することができるが、上述のように、燃焼位置が消火位置よりも手前側に設定されていると、ロッドを操作つまみによって途中位置でロックしようとしても、元弁が閉弁してガスバーナへガスを供給できなくなる。
【0006】
そのため、特許文献1に記載されたものでは、操作つまみが点火位置から燃焼位置まで戻る際にロッドを途中位置でロックして元弁を開弁状態で保持するロック機構が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−58535号公報(図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記従来の点消火装置では、操作つまみが燃焼位置にある状態では、ロック機構によってロッドは途中位置でロックされているが、操作つまみを燃焼位置から消火位置まで戻す際に、ロック機構によるロックが解除され、ロッドは手前側に移動し元弁が閉弁する。ただし、その際ロッドは手前側に移動するのに対して操作つまみは奥側に移動しているので、両者が衝突し、その振動が操作つまみに伝わる。その状態では操作つまみに押し込みのため指が触れているので、衝突の振動が指に伝わり、操作感が損なわれるという不具合が生じる。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、消火操作の際の衝突の衝撃を緩和して操作感が損なわれることを防止することのできる点消火装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために本発明による点消火装置は、前後方向に移動自在であって押し込み操作によってガスバーナへのガスの通路を開閉する点消火ボタンを備え、この点消火ボタンを消火位置から点火位置まで押し込むと、前後方向に長手であって途中に元弁が設けてられているロッドを点消火ボタンが押して、元弁を開弁すると共にロッドの先端で電磁安全弁に設けられた弁体を強制的に開弁させて電磁安全弁に内蔵されている電磁石に弁体を押接し、その点火位置から点消火ボタンに対する押し込み力を解除すると、点消火ボタンは消火位置よりも手前側に設定された燃焼位置まで付勢力によって後退する点消火装置において、点消火ボタンと上記ロッドとの間に前後方向に移動自在な規制部材を介在させ、点消火ボタンを消火位置から点火位置まで押し込む際には、点消火ボタンが規制部材と共にロッドを押し込み、点消火ボタンが燃焼位置まで後退する際に、規制部材の手前側への移動を途中でロックしてロッドに設けられた元弁を開弁状態に保持するロック機構を設け、点消火ボタンを燃焼位置から消火位置に戻す際に、点消火ボタンと規制部材とが離れた状態で規制部材に対するロック機構によるロックが解除されるように構成されており、ロック機構によるロックが解除された規制部材を手前側に移動させる付勢手段を設けると共に、この付勢手段によって規制部材が手前に位置する点消火ボタンに向かって戻る際に、規制部材が点消火ボタンに衝突することによって生じる衝撃を緩和する緩衝手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
上記緩衝手段を設けたことにより規制部材が点消火ボタンに衝突することによって生じる衝撃を緩和することができ、その結果、消火操作時に指に伝わる衝撃が小さくなる。
【発明の効果】
【0012】
以上の説明から明らかなように、本発明は、消火操作時に指に伝わる衝撃が小さくなるので、操作感が損なわれない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の点消火装置が適用されるガスコンロの正面から見た斜視図
図2】ガスコンロ内の配管状態を示す図
図3】点消火装置の斜視図
図4】点消火装置の分解斜視図
図5】ハートカムのカム溝の形状を示す図
図6】ハートカムの位置とバネ棒の状態を示す図
図7】操作つまみが消火位置から点火位置を経て燃焼位置に移動する状態を示す断面図
図8】緩衝手段の機能を説明する図
図9】他の緩衝手段の機能を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照して、1は本発明による点消火装置が適用されるガスコンロである。このガスコンロ1の上面には天板11が設けられており、その天板11には3個のガスバーナ11a、11b、11cが設けられている。一方、このガスコンロ1の前面パネル12には各ガスバーナ11a、11b、11cの点消火操作及び火力調節操作を行うための火力調節装置13a、13b、13cが設けられ、各火力調節装置13a、13b、13cに各々点消火装置が組み込まれている。また、前面パネル12の略中央にはグリル庫14が設けられており、グリル庫14内には上火バーナ14aと下火バーナ14bとが設置されている。そして、上火バーナ14aと下火バーナ14bの点消火及び火力調節は火力調節装置15によって行われる。
【0015】
図2を参照して、本実施の形態では、ガスの供給管路は4本に並設に分岐され、その分岐された供給管路の各々に火力調節装置13a、13b、13c,15が設けられている。火力調節装置13aを例に説明すると、火力調節装置13a内には火力調節装置とともに点消火を行うための開閉弁部2と火力調節を行うための流量調節部3とを備えている。
【0016】
開閉弁部2内には手動操作により開弁される元弁21aと電磁安全弁の弁体22aとが直列に設けられている。一方、流量調節部3にはモータ31が連結されており、モータ31を駆動させることにより流量を増減するように構成されている。なお、火力調節装置13b、13cは共に火力調節装置13aと同じ構造であるが、火力調節装置15は開閉弁部2は同じ構造であるものの流量調節部3の構造が他のものと相違する。
【0017】
火力調節装置15の流量調節部3は並列な2系統に分岐され、その各々に電磁力によって開閉する開閉弁15a、15bが設けられ、かつ、両開閉弁15a、15bをバイパスするオリフィス16が設けられている。従って、例えば開閉弁15aが開弁すれば上火バーナ14aの火力は強火になり、開閉弁15aが閉弁すればオリフィス16を通るガスによって弱火になる。
【0018】
図3および図4を参照して、引き続き火力調節装置13aを例に、火力調節装置13aの構造を説明する。41は点消火ボタンおよび火力調節つまみとして機能する操作つまみで有り、点消火操作時に押し込まれ、また火力調節操作時には外周面をつままれて回動されるものである。この操作つまみ41の内側には操作つまみ41と一体であり操作つまみ41の一部となって進退し、かつ回動する内部材42が連結されており、この内部材42は回動部材44に対して前後方向に移動自在に係合している。そして、内部材42と回動部材44との間にはコイルバネ43が縮設されており、操作つまみ41は内部材42を介して常に前方に向かって付勢されている。
【0019】
回動部材44は板金製のブラケット47に係合するガイド軸48に遊嵌し、ガイド軸48を中心に回動することができる。なお、ガイド軸48には回動部材44が前方に移動しないように係合する係合爪が設けられており、またコイルバネ43の反作用により回動部材44はブラケット47に押し付けられるので、回動部材44は前後方向に移動することなく回動のみすることができる。回動部材44は内部材42に対して係合しているので、操作つまみ41を回動すると内部材42を介して回動部材44が回動することになる。
【0020】
回動部材44の後端部外周面にはギヤ44aが形成されており、このギヤ44aにはピニオン45が噛合する。このピニオン45は回転センサであるロータリーエンコーダ46の軸46aに嵌着している。従って、回動部材44が回動するとロータリーエンコーダ46の軸46aが回転する。このロータリーエンコーダ46内には電気的なスイッチが設けられており、軸46aが回転すると所定の角度毎にスイッチがオン・オフを繰り返すので、軸46aが所定角度回転する毎にパルス信号を出力するものである。そして、そのパルス信号に応じてモータ31が作動し、内蔵されたニードル弁(図示せず)が前後に移動し開度が増減し、ガス流量が調節される。
【0021】
ブラケット47の後方にはガイド部材5が取り付けられている。このガイド部材5は2個の部材であるスライダ62と規制部材8とを前後方向に移動自在にガイドする機能を有している。なお、このスライダ62は操作つまみ41と共に前後方向に移動するので、少なくとも操作つまみ41が点消火ボタンとして機能する際には、このスライダ62は操作つまみ41の一部として機能する。また、正面から見て左側面には規制部材8の位置によってオンオフする2つの接点を内蔵したマイクロスイッチ51が取り付けられている。右側面には、規制部材8に形成した係合爪81が突出する窓穴52が形成されている。さらに同じく右側面にはロック板7が上下方向に揺動自在に取り付けられている。このロック板7にはロック部72が形成されており、ロック板7が上方に揺動して窓穴52に重なると、規制部材8の係合爪81がロック部72に当接して、規制部材8がそれ以上前方に移動できないように規制部材8の移動がロックされるようにロック機構が構成されている。なお、緩衝窓54と規制部材8の緩衝爪83とで、後述する緩衝機構を構成する。
【0022】
上記スライダ62には前方に向かって突出するアーム61が設けられており、このアームは上記内部材42に回転自在に係合している。従って、操作つまみ41を押し込むとアーム61を介してスライダ62がガイド部材5内を奥側に移動する。また、上記コイルバネ43の付勢力により操作つまみ41が前方へと戻されると、アーム61を介してスライダ62も前方へと移動する。
【0023】
スライダ62にはハートカム6が一体に設けられており、そのハートカム6のカム溝内に先端部71aが挿入されるバネ棒71が、ガイド部材5に揺動自在に保持されている。なお、バネ棒71の先端部71aはロック板7の窓穴73に挿通されているので、先端部71aが揺動して上下方向の位置が変位すると、その変位に合わせてロック板7が上下方向に揺動する。
【0024】
上記開閉弁部2からは前方に向かってロッド21が突出しており、開閉弁部2と規制部材8との間にはコイルバネ82が縮設されている。従って、規制部材8は常に前方に向かってコイルバネ82によって付勢されているが、操作つまみ41を押し込むことによってスライダ62が後方に移動する際、スライダ62によって規制部材8が押されると、規制部材8も後方へと移動してロッド21を後方に押すことになる。なお、このロッド21には後述する元弁21aが設けられている。また、スライダ62が前方へ移動すると、コイルバネ82の付勢力によって規制部材8も前方へ移動するが、その際、上記ロック板7が上方に揺動してロック部72が窓穴52に重なっていると係合爪81がロック部72に当接して規制部材8の前方への移動が規制されることは上述の通りである。
【0025】
図5および図6を参照して、ハートカム6には略ハート形状のカム溝が形成されている。操作つまみ41が消火位置にある状態では、バネ棒71の先端部71aは図5に示すaの位置にある。その位置から点火の際に操作つまみ41が点火位置まで押し込まれると、ハートカム6は後方に移動し、その際に先端部71aはaからbに移動する。その移動時に、先端部71aは段部D1を乗り越えるので、点火完了後に操作つまみ41に対する押し込み力を解除してコイルバネ43の付勢力によってスライダ62と共にハートカム6が最前端である火力調節位置に移動する際、先端部71aはaには戻らずに段部D2を越えてcに移動する。
【0026】
消火の際には操作つまみ41を再度押し込むが、その際、先端部71aはcからdに移動する。なお、dに到達する直前に段部D3を乗り越える。その状態から操作つまみ41に対する押し込み力を解除すると、コイルバネ43の付勢力でスライダ62は前方へ戻り、先端部71aは段部D4を越えて再び消火位置に対応するaに戻る。
【0027】
図7を参照して、(a)は操作つまみ41が消火位置にある状態を示している。この消火状態では、操作つまみ41は前面パネル12とほぼ面一状態になっている。このとき、スライダ62と規制部材8との間には後述する緩衝機構によって隙間が確保され、スライダ62と規制部材8とは接触していない。また、規制部材8に対してロッド21の前端は離れている。そのため、ロッド21のほぼ中央に取り付けた元弁21aは閉弁しており、かつ、電磁安全弁22の弁体22aも閉弁している。このように開閉弁部2を構成する元弁21aと弁体22aとが共に閉弁しているので、ガスは流量調節部3には流れない。
【0028】
(b)は操作つまみ41が点火位置まで押し込まれた状態を示している。このように操作つまみ41を点火位置まで押し込むと、スライダ62に押されて規制部材8も後方に移動する。その際ロッド21も合わせて後方に押されるため、元弁21aが開弁すると同時に電磁安全弁の弁体22aがロッド21の後端によって押されて強制的に開弁される。その状態で電磁安全弁22内の図示しない電磁石に通電し、弁体22aに連結されている可動鉄片を電磁石に吸着する。
【0029】
その状態から操作つまみ41に対する押し込み力を解除すると、(c)に示すように、操作つまみ41は前方に突出して燃焼位置に移動する。その際、スライダ62も合わせて前方に移動するが、上記ロック板7が上方に揺動して規制部材8の前方への移動を規制する。その状態では、ロッド21は規制部材8に当接しており、元弁21aは開弁したままの状態で保持される。また、ロッド21の後端は、電磁安全弁22の弁体22aが閉弁位置まで戻る際に邪魔しない位置まで退避している。従って、調理中に煮こぼれなどによってバーナが失火すると電磁安全弁22に通電している吸着保持用の電流を遮断することによって、弁体22aを閉弁させ、ガスバーナへのガスの供給を停止させることができる。
【0030】
図8を参照して、図8の(a)は図7の(c)と同じく操作つまみ41が火力調節位置(燃焼位置)にある状態を示している。規制部材8はバネ82の付勢力によって図において左方向に移動しようとするが、規制部材8に形成した係合爪81がロック板7のロック部72に当接して規制部材8は左方向に移動することができない。なお、この状態ではロック板7は突当部53に当接して、図において左回りに揺動することができず、また、バネ棒71の先端71aに窓穴73の内壁が当接して、右回りにも揺動することができない。また、緩衝爪83は緩衝窓54内に位置するがいずれにも当接していないので緩衝機構は機能していない状態である。
【0031】
(a)に示す状態から消火すべく操作つまみ41を押し込むと、バネ棒71の先端71aは図において下方向に移動するが、その移動によってロック板7が直ちに右回りに揺動してロック部72が係合爪81から外れると、スライダ62と規制部材8との距離が離れているので、規制部材8がスライダ62に向かう移動速度が高速になる。
【0032】
ところが、(b)に示すように、規制部材8がスライダ62に衝突する直前で緩衝爪83が緩衝窓54の端部54aに係合して規制部材8の移動を止め、規制部材8がスライダ62に衝突しないようにした。このように規制部材8がスライダ62に衝突しないから、仮に衝突した際に生じるであろう衝撃を大幅に低減させることができる。
【0033】
このように、規制部材8をスライダ62に衝突しないようにして衝撃を緩和してもよいが、図9(a)に示すように、規制部材8にゴム製のクッション91を取りつけて衝突時の衝撃を緩和してもよい。また、さらに同図(b)に示すように、規制部材8とスライダ62との双方に永久磁石92を、互いに対向する磁極が同種になるように設け、磁力の反発力によって衝突時の速度を減速し衝撃を緩和するようにしてもよい。
【0034】
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
【符号の説明】
【0035】
1 ガスコンロ
2 開閉弁部
3 流量調節部
5 ガイド部材
6 ハートカム
7 ロック板
8 規制部材
12 前面パネル
13a 火力調節装置
13b 火力調節装置
13c 火力調節装置
14 グリル庫
15 火力調節装置
21 ロッド
21a 元弁
22 電磁安全弁
22a 弁体
31 モータ
41 操作つまみ
46 ロータリーエンコーダ
54 緩衝窓
62 スライダ
71 バネ棒
72 ロック部
81 係合爪
83 緩衝爪
91 クッション
92 永久磁石
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9