(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124923
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】外熱式水素製造を備える高温水蒸気電解設備(HTSE)
(51)【国際特許分類】
C25B 9/00 20060101AFI20170424BHJP
H01M 8/12 20160101ALI20170424BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20170424BHJP
C25B 9/08 20060101ALI20170424BHJP
C25B 11/02 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
C25B9/00 A
H01M8/12
H01M8/04 J
C25B9/08
C25B11/02 303
【請求項の数】20
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-551603(P2014-551603)
(86)(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公表番号】特表2015-505344(P2015-505344A)
(43)【公表日】2015年2月19日
(86)【国際出願番号】EP2013050299
(87)【国際公開番号】WO2013104667
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2016年1月6日
(31)【優先権主張番号】1250210
(32)【優先日】2012年1月9日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】リュク・ベルティエ
【審査官】
川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−051328(JP,A)
【文献】
特開昭53−102294(JP,A)
【文献】
特開昭53−019995(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/46
C25B 1/00, 9/00,15/00
H01M 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの電気化学的反応器(R1、R2)を含む、高温水蒸気電解(HTSE)であって、
各電気化学的反応器が、少なくとも一つの電気化学的ユニットセル(C1、C2、...、Cn)を含み、各セルがカソード(2.1、2.2、...、2.n)、アノード(4.1、4.2、...、4.n)、及び、カソードとアノードとの間に介在する電解質(6.1、6.2、...、6.n)から構成され、少なくとも一つの接続構成要素(8)が、カソードへのガス流れのための少なくとも一つの区画(9)を含み、ユニットセルのカソードと電気接触して配され、且つ、少なくとも一つの接続構成要素が、アノードへのガス流れのための少なくとも一つの区画(11)を含み、ユニットセルのアノードと電気接触して配され、
両方の反応器の内の一つの、ガス流れ区画の内の一つ(9)の、出口へ、且つ、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画(9)の内の一つの、入口へ、直列に流体的に接続される回路を含み、且つ、反応器の外部の熱源(14)に流体的に接続された他の一つの回路を含む、少なくとも一つの熱交換器(13、13.1、13.2、15、17)をさらに含む、高温水蒸気電解(HTSE)。
【請求項2】
各反応器が複数の電気化学的ユニットセルの積層体を含み、相互接続プレート(8)が二つの隣接するユニットセルの間に配され、両方のユニットセルの内の一つのユニットセルの電極と、両方のユニットセルの内の他のユニットセルの電極と電気接触し、相互接続プレートが、それぞれカソード及びアノードへのガス流れのための、少なくとも一つのカソード区画(11)、及び少なくとも一つのアノード区画(9)を含む、請求項1に記載の高温水蒸気電解(HTSE)。
【請求項3】
各熱交換器(15、17)が、両方の反応器の内の一つの、二つのガス流れ区画の出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、二つのガス流れ区画の入口へ、直列に流体的に接続される、請求項1又は2に記載の高温水蒸気電解(HTSE)。
【請求項4】
各熱交換器(15、17)が、両方の反応器の内の一つの、ガス流れ区画の内の単一の一つの、出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画の内の単一の一つの、入口へ直列に流体的に接続され、各反応器の他の区画の出口が、前記交換器から独立した回路に接続される、請求項1又は2に記載の高温水蒸気電解(HTSE)。
【請求項5】
その下流部分において、互いに並列に流体的に接続された少なくとも二つの反応器(R3.1、R3.2)をさらに含む、請求項1から4の何れか一項に記載の高温水蒸気電解(HTSE)。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の設備によって実施される高温水蒸気電解の方法であって、
a/少なくとも電解反応器において外熱式モードで作動する段階であって、設備の最も上流が、前記反応器の内の一つの、流体の入口と出口との間で所定の値ΔTに制限された温度勾配を備える、段階と;
b/第一の反応器の下流の、直列に提供される、第二の反応器のカソード区画に導入される前に、第一の反応器のカソード区画から出る流体に少なくとも、所定の値ΔTのオーダーの温度増加を提供するために外部熱源(14)によって熱を生成する段階と、を少なくとも含む、高温水蒸気電解の方法。
【請求項7】
段階a/で予め与えられた熱勾配値ΔTは、最大で100Kに等しく、好ましくは50Kである、請求項6に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項8】
段階a/は、全ての電解反応器を外熱式モードで作動させるために実施される、請求項6又は7に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項9】
段階a/は、下流、又は最も下流の、一部の反応器を自己熱モードで作動させるために実施される、請求項6又は7に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項10】
各電解反応器では、流体の流れ(H2O、H2)が、アノード区画における流体(O2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において並流で実施される、請求項6から9の何れか一項に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項11】
各電解反応器では、流体の流れ(H2O、H2)が、アノード区画における流体(O2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において対向流で実施される、請求項6から9の何れか一項に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項12】
各電解反応器では、流体(H2O、H2)が、アノード区画における流体(O2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において逆流で実施される、請求項6から9の何れか一項に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項13】
各電解反応器では、流体の流れ(H2O、H2)が、連続した反応器の間の流体(O2、ドレイニングガス)の流れと、並流でさらに実施される、請求項10に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項14】
各電解反応器では、流体の流れ(H2O、H2)が、連続した反応器の間の流体(O2、ドレイニングガス)の流れと、対向流でさらに実施される、請求項10に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項15】
各電解反応器によって、製造された酸素の放出が実施される、請求項6から14の何れか一項に記載の高温水蒸気電解の方法。
【請求項16】
少なくとも二つの電気化学的反応器(R1、R2)を含む、燃料電池発電(SOFC)設備であって、
各電気化学的反応器が、少なくとも一つの電気化学的ユニットセル(C1、C2、...、Cn)を含み、各セルがカソード(2.1、2.2、...、2.n)、アノード(4.1、4.2、...、4.n)、及び、カソードとアノードとの間に介在する電解質(6.1、6.2、...、6.n)から構成され、少なくとも一つの接続構成要素(8)が、カソードへのガス流れのための少なくとも一つの区画(9)を含み、ユニットセルのカソードと電気接触して配され、且つ、少なくとも一つの接続構成要素が、アノードへのガス流れのための少なくとも一つの区画(11)を含み、ユニットセルのアノードと電気接触して配され、
両方の反応器の内の一つの、ガス流れ区画の内の一つ(9)の、出口へ、且つ、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画(9)の内の一つの、入口へ、直列に流体的に接続される回路を含み、且つ、反応器の外部の熱源(14)に流体的に接続された他の一つの回路を含む、少なくとも一つの熱交換器(13、13.1、13.2、15、17)をさらに含む、燃料電池発電(SOFC)設備。
【請求項17】
各反応器が複数の電気化学的ユニットセルの積層体を含み、相互接続プレート(8)が二つの隣接するユニットセルの間に配され、両方のユニットセルの内の一つのユニットセルの電極と、両方のユニットセルの内の他のユニットセルの電極と電気接触し、相互接続プレートが、それぞれカソード及びアノードへのガス流れのための、少なくとも一つのカソード区画(11)、及び少なくとも一つのアノード区画(9)を含む、請求項16に記載の燃料電池発電(SOFC)設備。
【請求項18】
各熱交換器(15、17)が、両方の反応器の内の一つの、二つのガス流れ区画の出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、二つのガス流れ区画の入口へ、直列に流体的に接続される、請求項16又は17に記載の燃料電池発電(SOFC)設備。
【請求項19】
各熱交換器(15、17)が、両方の反応器の内の一つの、ガス流れ区画の内の単一の一つの、出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画の内の単一の一つの、入口へ直列に流体的に接続され、各反応器の他の区画の出口が、前記交換器から独立した回路に接続される、請求項16又は17に記載の燃料電池発電(SOFC)設備。
【請求項20】
その下流部分において、互いに並列に流体的に接続された少なくとも二つの反応器(R3.1、R3.2)をさらに含む、請求項16から19の何れか一項に記載の燃料電池発電(SOFC)設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温水蒸気電解(HTSE)設備に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、水素を製造するために動作される際に、設備等の電力消費を最適化することを目的とする解決法を対象とする。
【0003】
設備は、複数の電解反応器、又は、言い換えると、少なくとも互いに流体直列の高温水蒸気電解槽を含む。
【0004】
本発明によるHTSE設備は、水蒸気H
2O、及び二酸化炭素CO
2の共電解を実施するために用いられ得る。
【0005】
HTSE用途を参照して記載されるが、本発明は、燃料電池発電(固体酸化物燃料電池に関するSOFC)設備へも適用可能である。
【0006】
《高温》によって、温度は少なくとも450℃に等しく、典型的には700℃と1000℃の間であることが、本発明の範疇内と理解されることになる。
【背景技術】
【0007】
高温水蒸気電解槽(HTSE)のオペレーションは既知である:それは、水素と酸素への水分子の分解を可能にし、両電極(カソード/アノード)での二つの半反応の組み合わせによって実施されることになる。この方法の非常に高い温度(700℃と1000℃の間)を考慮して、電解質、アノード、及びカソードは、セラミック材料から作製される。これらの材料は、考慮される電解ユニットセルに応じて変化し得る。
図1において、HTSE電解槽の電解ユニットセルC1の動作概略図が示され、水の電解の間に、アノード及びカソードで反応が生じる。
【0008】
カソード側では、水蒸気が入口で導入され、電気化学的還元反応が水素形成につながる:
【0009】
【数1】
【0010】
そして、水素が製造される。
【0011】
アノードでは、アノードとカソードとの間に課せられた電位差によって生成された電場の効果の下で、電解質膜を介してカソードから移動するアニオンO
2−は、二酸素へと酸化され、以下の酸化反応が生じる:
【0012】
【数2】
【0013】
そして、酸素が製造される。
【0014】
図1では、ユニットセルC1にわたって電圧を印加可能な電源Vのみが示される。表されない水蒸気源は、カソードに水蒸気をもたらし、最終的に、これも表されない中性ガス源は、必要であれば、ドレイニング(draining)ガスとも呼ばれる掃引ガス(空気、窒素、又は水蒸気)をアノード側上にもたらして、酸素、及び熱の放出を促進する。
【0015】
操作上、その二つのハーフインターコネクタがそれぞれ、セルへの流体及び電気の分配を確保し、シーリングシステムと関連している電解ユニットセルは、通常単一繰り返しユニット(SRU)と呼ばれる電解反応器の単一ユニットを形成する。
図2では、その電解ユニットセルC1、及びその二つのハーフインターコネクタ8.1、8.2を備えたSRUユニット等の一部が示される。考慮される流体の性質、及び流れ方向も示され、同様に、印加される電流の方向が示される。完全な電解反応器を作製するために、複数のユニットセルの、典型的には30から100のオーダーの数の積層体が形成される。このような積層体は最終的に、アドホックシステムによって互いに圧縮して保持された二つのエンドプレートの間に組み立てられる。そして、電解モジュールは、同一の断熱筐体に配された、上記のように作製された複数の積層体から成る。そして、電解設備の要求される製造能力は、適切な数の電解モジュールを搭載することによって予測される。
【0016】
従って、電解槽の積層体は、互いに積層され、電気的に直列に接続され、且つ流体的に並列に接続されたSRUから成る。言い換えると、高温水蒸気電解(HTSE)反応器は、電解質によって離隔されるカソード及びアノードによって形成される複数のユニットセルを含み、ユニットセルは、ユニットセルのアノードと、次のユニットセルのカソードとの間に一般的に介在する相互接続プレートによって、電気的に直列に接続される。アノード−アノード接続と、それに続くカソード−カソード接続も可能である。相互接続プレートは、金属プレートによって形成される電子伝導性構成要素である。さらに、これらのプレートは、ユニットセルで流れるカソード流れを、次のユニットセルにおいて流れるアノード流れから分離することを確保する。
【0017】
図3では、高温電解槽EHTの例示的な実施形態が概略的に示される。電解槽は、互いに積層された複数のユニットセルC1、C2、C3...の積層体を含む。
【0018】
各ユニットセルは、カソードとアノードとの間に介在する電解質を含む。明確にするために、セルC1及びC2、並びにそれらの界面のみが詳細に記載されることになり、積層体の残りは、同様の方法で実施される。
【0019】
セルC1は、カソード2.1及びアノード4.1を含み、それらの間に電解質6.1が介在する。
【0020】
セルC2は、カソード2.2.及びアノード4.2を含み、それらの間に電解質6.2が介在する。
【0021】
セルC1のアノード4.1は、アノード4.1及びカソード2.2に接触する相互接続プレート8によって、セルC2のカソード2.2へと電気的に接続される。さらに、それは、アノード4.1及びアノード4.2を電気的に動かすことを可能にする。
【0022】
相互接続プレート8は、二つのユニットセルの間に介在する。示される実施例において、それは、ユニットセルのアノードと、隣接するセルのカソードとの間に介在する。しかし、それが二つのアノード、又は二つのカソードの間に介在することが検討され得る。
【0023】
相互接続プレート8は、流体流れのための隣接するアノード及びカソードチャンネルを画定する。それらは、それぞれアノードでのガス流れ専用のアノード区画9、及び、それぞれカソードでのガス流れ専用のカソード区画11を画定する。
【0024】
示されるように、この電解槽は、カソード区画9のための単一の供給入口E1、及び、カソード区画9において製造された水素のための単一の放出出口S1を含む。さらに、ドレイニングガス(例えば空気)の単一の供給入口E2は、アノード区画11のために提供され、酸素のための単一の放出出口S2はこれらのアノード区画11において製造される。そして、電解槽は、単一の入口E1で水蒸気が供給され、このような電解槽の作動温度は、700℃と1000℃の間である。この
図3に示されるように、HTSE電解槽は、積層体を介して通る単一の電流が供給される。また示されるように、カソード区画9において流れる流体(水蒸気、及び製造された水素)は、アノード区画11において流れる流体(ドレイニングガス、及び製造された酸素)と対向流で流れることがわかり得る。
【0025】
高温システム電解槽の可能性がある作動モードは、これからより詳細に記載されることになる。
【0026】
高温の水を電解するために必要とされる熱Qは、一方で水を(低い温度≒200℃で)蒸気化するために、他方で反応吸熱を相殺するために、典型的には約800℃の高温で提供される。反応吸熱を相殺するために提供された熱Qは、反応前(1モルのH
2O)と反応後(1モルのH
2、及び1/2モルのO
2)の状態の間で、Q=T*ΔSである、エントロピー差ΔS(J/K)と、温度T(K)との積に等しいことが特定される。低温では、不可逆性は、電気エネルギーの単一の使用を課す。
【0027】
実際、記号Uによって指定される、電解ユニットセルにわたって印加される電圧に従って、且つ設定温度及び圧力での所定の水素製造のために、電気エネルギー(E
el=U・2F)に加えて、熱エネルギーQが提供され得、関係によって定義される:
【0028】
【数3】
【0029】
ここで、Fはファラデー定数である。
図4では、変換される水蒸気のモル当たり1気圧のオーダーにおける圧力での温度の関数として水の熱力学的変数の経過が示される。Q=T・ΔSは、温度と反応エントロピー差、すなわち熱として提供され得るエネルギーの一部、との積であり、ΔGは、最小エネルギーに対応する反応の自由エンタルピー差(又はギブスエネルギー)であり電気の形態で提供されE
el,min=ΔG、ΔHは、提供される総エネルギーである反応エントロピー差を指定しE
tot=ΔH=ΔG+T・ΔS、一定温度で維持しつつ水モルを水素及び酸素へと変換することが
図4において特定される。
【0030】
そのため、U
th=ΔH/2Fに等しい電圧に関して、必要とされる全てのエネルギーは、電気エネルギーによって提供される:この電圧は、通常、常温(thermoneutral)電圧によって指定される。電解ユニットセルへと課せられた電圧と、この常温電圧U
thを比較することによって、三つの以下の作動モードが通常は定義される:
【0031】
・U<U
thに従う、外熱式(allothermal)モード:反応は、電気的損失によって製造された熱よりも多くの熱を消費し、そして、電力消費は低いが、電流密度(A/m
2)もまた低い。さらに、この不足を相殺するために、高温電解槽の外部のソースによって、高温の熱が提供されるべきである;
【0032】
・U=U
thに従う、自己熱(autothermal)モード:消費される熱は、不可逆性によって厳密に相殺される。そして、中位の電流密度があり、電解槽の外部の熱源の問題は克服される。
【0033】
・U>U
thに従う、発熱(exothermal)モード:不可逆性は、反応によって消費される熱よりも多くの熱を解放する。そして、製造された過剰の熱があるが、一方で、高い電流密度が得られ得る。
【0034】
両エネルギー(熱及び電気)源の関連コストを比較するために、エクセルギーコストE
xは、以下の関係で表される:
【0035】
【数4】
【0036】
ここで、U、及びIはそれぞれ、電圧、及び印加された電流の強度を指定し、η
carnot=1−T
0/Tは、カルノー効率を指定し、T
0は外部温度、及びQは供給される熱である。
【0037】
この関係(4)から、電圧の影響が、反応エクセルギーコスト上に課される。
図5では、1072度ケルビン(K)の温度で1気圧の圧力に関して、課せられた電圧の関数として、電気エネルギーEI、熱、及びエクセルギーコストExは、それぞれ概略的に示される。従って、エクセルギーコストExを減少させるため、高温の外部熱源が利用できる場合、外熱式モードにおいて作動することがより興味深いことがわかり得る。
【0038】
運悪く、外熱式モードの電流密度は、発熱モードにおけるものよりも非常に低い:これは、印加される異なる電圧レベルの関数としてのHTSE電解槽における電流密度、及び、出口での所望の水素変換率の関数としての、HTSE電解槽の出口での所望の水蒸気分率を示す
図6から明確に明らかである。典型的には、
図6から明らかなように、1Vの課せられた電圧に関して、0.2未満の水蒸気モル分率を得ることは不可能であることが分かる。そのため、より低い電流密度は、全体の効率にとって有害である、より少ない出口モル分率を、所定の面積に関して、もたらす。設定された出口モル分率では、電流密度の減少は、より大きい投資である、必要な反応面積の増大によって反映される。
図7は、この結果を示す:この
図7では、m
2/molにおいて必要とされる反応固有面積プロファイルは、所望の出口モル分率の関数としての一つの入口の混合物モルに関して示され、1atmに等しい圧力で印加される電圧レベル、及び1072Kのオーダーの温度に従う。入口の混合物モルは、0.9molの水蒸気、及び0.1molの水素から成ることが本明細書で特定される。対応する面積としてのこれらの電流密度曲線は、実際は変化の傾向を示すのみなので、これらの値は、SRU(単一繰り返しユニット)と呼ばれる高温水蒸気の電解ユニットセルのために用いられる技術に依存することも特定される。
【0039】
これらの強い電流密度差の結果として、外熱式モードにおけるHTSE電解槽作動は、非常により大きな反応面積を必要とする。しかし、HTSE電解槽は、本質的に広大な物体である:そのため、1モルの水素を製造するために40m
2の電解槽活性面積を有することを合理的に検討可能ではないと発明者は考える。そのため、HTSE電解槽活性面積とエネルギー効率との間で妥協案が見出されなくてはならない。
【0040】
現在、2つのカテゴリーの解決法が存在する。第一は、文献において最も頻繁に出会う解決法のカテゴリーであり、定義により温度が一定である自己熱モードにおけるHTSE電解槽の作動にある。高温外部熱源の供給は必要とされず、そのため、水素への水の完全な変換が単一の積層体において実施され得る。言い換えると、自己熱モードにおける高面積作動の単一積層体を備えるHTSE電解槽は十分である。一方、この作動モードは、電気エネルギーのコストがかかり、そのため、最終的にエクセルギー支出の観点において高い性能を有さない。
【0041】
利用できる高温熱源がない、又は電解槽へ直接提供され得る、若しくは電解槽から直接放出され得ない場合、外熱式モード、及び発熱モードにおけるオペレーションは、各電解ユニットセルに沿って温度の強い変動を含み、各々が、その機械的完全性にとって危険である。例えば、並流(アノード区画、及びカソード区画それぞれが、同一の方向に流れる流体によって掃引される)で供給されるセル、及び、最初はカソードのモル流量と等しいモル流量によって、且つ1072Kの入口温度で、掃引されるそのアノードに関して、
図8に示される温度が得られる。そのため、単一セルは、例えば50K超の、又はさらに最大で100Kの、高い温度差を一般的に支持しないので、単一の段階において強い外熱式モードで作動することは不可能である。
【0042】
しかし、以前に示されたように、外熱式モードにおけるオペレーションは、高いエネルギーの節減を可能にするが、一方で、その破壊を避けるために、各セルにおける温度勾配を制御する必要がある。
【0043】
既知の解決法の第二のカテゴリーは、外熱式オペレーションを可能にし、そして、熱を電解槽内に直接提供して反応吸熱を相殺するために、電解ユニットセルの積層体内に熱交換器を統合することにある。この第二のカテゴリーの有利な解決法は、記載され、特許文献1における出願人によって請求される。また、この解決法は、
図9において概略的に示され、隣接するユニットセルC2、C3の間に統合される熱交換器が見られ得、その第一の流体回路7は、出口S3を介して出る前に、直接接触する(一連の小さな矢印によって記号で表される)異なるセルC2、C3、及び他のものに熱を提供する冷却剤を供給するために、入口E3に接続される。
【0044】
電解ユニットセルの積層体内に熱交換器を統合する解決法は、大きな優位点を有し、一方では、非常により低い電力消費を備える(U<<U
th)、強い外熱式モードにおけるオペレーションを可能にし、他方では、各ユニットセルに沿って、反応全体を通して最大温度で維持することを可能にする(より高い電流密度)。しかしながら、この解決法は以下の欠点を有する:
【0045】
・大量の(電解セルのサイズによって条件付けされた)小型の熱交換器が必要であり、非常に高い資本コストをもたらす;
【0046】
・セルが制限された耐用年数を有するので、統合される内部熱交換器と共に、定期的に全積層体を変える必要があり、高い維持追加コスト、並びに、作製される大量の流体及び電気接続をもたらす。
【0047】
・熱交換器は、複数の内部交換器7において流れるべき冷却剤が供給される必要があるため、関連するヘッドロス(head losses)を伴う。
【0048】
特許文献2は、同一の積層体内で互いの間の異なるセルのカソード区画を流体的につなぐことによって水蒸気利用率(変換率)を増加しつつ、電解セル内の熱プロファイルを滑らかにすることにある他の一つの解決法を提供した。例示的な解決法は、
図10において概略的に示される:第一の電解セルC1のカソード2.1の出口で、完全には変換されなかった水蒸気、同様に、製造された水素は、第一のセルC1に隣接する、第二のセルC2のカソード2.2の入口に再注入される。ドレイニングガス、並びに、各アノード4.1及び4.2それぞれで製造された酸素の流れは、各カソード2.1、2.2それぞれで製造された水素と共に導入された水蒸気の流れと並流である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0049】
【特許文献1】国際公開第2009/040335号
【特許文献2】国際公開第2011/003519号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0050】
本発明の目的は、上述した先行技術の欠点の全て、又は一部を克服し、且つ、高温水蒸気電解(HTSE)設備が、強い外熱式モードに従って動作し、高い水蒸気利用率を備えることを可能にする、解決法を提供することである。
【0051】
本発明の特定の目的は、より少ない資本コスト、及び維持コストを達成するために、電解ユニットセルの同一の積層体内での熱交換器の統合を避けることを可能にする、高温水蒸気電解(HTSE)設備の解決法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0052】
これを行うために、本発明の一つの目的は、少なくとも二つの電気化学的反応器を含む、高温水蒸気電解(HTSE)又は燃料発電(SOFC)設備を提供することであり、
各電気化学的反応器は、少なくとも一つの電気化学的ユニットセルを含み、各セルは、カソード、アノード、及び、カソードとアノードとの間に介在する電解質から成り、少なくとも一つの接続構成要素は、ユニットセルのカソードと電気接触して配される、カソードへのガス流れのための少なくとも一つの区画を含み、且つ、少なくとも一つの接続構成要素は、ユニットセルのアノードと電気接触して配される、アノードへのガス流れのための少なくとも一つの区画を含む。
【0053】
手段は、両方の電気化学的反応器を互いに直接に流体的に接続し、これらの方法は、例えば少なくとも一つのガス流れ区画を含む。
【0054】
本発明によると、設備は、少なくとも一つの熱交換器を含み、その回路の内の一つは、両方の反応器の内の一つの、ガス流れ区画の内の一つの、出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画の内の一つの、入口へ、直列に流体的に接続され、且つ、反応器の外部の熱源に流体的に接続された他の一つの回路を含む。
【0055】
そのため、本発明のおかげで、HTSE電解設備は、高い利用率(高い水蒸気変換率)を備える強い外熱式モードにおいて作動され得る。電解セルの積層体内に熱交換器を統合することにある従来技術の解決法と異なり、より少ない資本コスト、及び維持コストをもたらす通常の電解反応器が作成され得る。
【0056】
そのため、従来技術によって提供されるようなユニットセルの積層体を備える電解反応器と異なり、積層体当たりの最大の水蒸気変換率(最終的な変換率がほぼ100%)が体系的に求められる大型サイズのユニットセルを備える積層体は、もはや作製される必要がない。そのため、本発明によると、小型のHTSE電解セルの積層体のアセンブリは、変換のごく一部が行われる各々において作製される。
【0057】
<<水蒸気変換率>>は、この電解反応器の入口での水蒸気に対する、電解反応器の出口で水素へと変換されたH
2O水蒸気の割合を意味することが、本明細書で特定される。
【0058】
言い換えると、設備の所定の積層体を備える各電解反応器において、小さな水蒸気変換率が、強い外熱式モードにおいて作動しつつ行われ得、そして、二つの連続した反応器の間で、熱が、外部熱交換機のおかげで部分的に変換された水蒸気へと提供され、すでに部分的に変換された水蒸気の一連の変換が、最終的に、設備の出口で、高い水蒸気変換率を達成する。
【0059】
さらに、小型の電解セルの積層体の使用は、以下に表され得る多数の優位点を有し得る:
−流体の混合物の組成に、より適合された、異なる電圧下での各積層体のオペレーションを可能にすること;
−一般的に50Kまで許容される、セルに関する最大の許容できる温度勾配要件を満たしつつ、大きなサイズの積層体上よりも外熱式のオペレーションを可能にすること;
−積層体の、必要とされるより少ない変化に関する、より少ない維持を可能にする。実際、電解セルは、それらの使用に応じて同一の速度で古くなるのではない。電解セルは、それが高電圧、及び低い水蒸気含有量を受けるとき、より短い時間の間耐える。そのため、ごく一部のセルに沿って、変換の最後での低い水含有量、及びセルの摩耗のために、変更が必要とされる、従来技術による大きなサイズの積層体と異なり、本発明のおかげで、水蒸気含有量が必然的に低い(変換の最後)設備の流体の連続の最後での、電解セルの単一の積層体のみを変更することが可能である。
【0060】
好ましくは、各反応器は、複数の電気化学的ユニットセルの積層体を含み、相互接続プレートは、二つの隣接するユニットセルの間に、且つ、両方のユニットセルの内の一つの、電極と、及び両方のユニットセルの内の他の一つの、電極と電気接触して配され、相互接続プレートは、それぞれカソード、及びアノードへのガス流れのための、少なくとも一つのカソード区画、及び少なくとも一つのアノード区画を含む。
【0061】
一実施形態によると、各熱交換器は、両方の反応器の内の一つの、二つのガス流れ区画両方の出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、二つのガス流れ区画の入口へ、直列に流体的に接続される。
【0062】
代わりに、他の一つの実施形態によると、各熱交換器は、両方の反応器の内の一つの、両方のガス流れ区画の内の単一の一つの、出口へ、及び、両方の反応器の内の他の一つの、ガス流れ区画の内の単一の一つの、入口へ、直列に流体的に接続され、各反応器の他の区画の出口は独立した回路に接続される。
【0063】
設備の下流部分では、互いに並列に流体的に接続された二つの反応器が、さらに提供され得る。
【0064】
また、本発明は、ちょうど記載された一つのような設備によって実施される高温水蒸気電解の方法に関するものであり、少なくとも以下の段階が実行される:
a/電解反応器の内の一つにおいて少なくとも、外熱式モードにおいて作動する段階であって、好ましくは、設備の上流、又は最も上流が、上記反応器の内の一つの、流体の入口と出口との間で、所定の値ΔTに制限された温度勾配を備える段階;
b/少なくとも、上流の反応器のカソード区画から出る流体へ、下流の一連の反応器のカソード区画内に導入される前に、所定の値ΔTのオーダーの温度増加を提供するために、外部熱源(14)によって熱を生成する段階。
【0065】
段階a/で予め与えられた熱勾配値ΔTは、最大で100Kに等しく、好ましくは50Kである。
【0066】
有利な特徴によると、段階a/は、全ての電解反応器を外熱式モードで作動させるために実施される。代わりに、段階a/は、好ましくは下流の、又は最も下流の一部の反応器を自己熱モードで作動させるために実施される。
【0067】
一実施形態によると、各電解反応器において、流体流れ(H
2O、H
2)は、アノード区画における流体(O
2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において並流で実施される。
【0068】
他の一つの実施形態によると、各電解反応器において、流体の流れ(H
2O、H
2)は、アノード区画における流体(O
2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において対向流で実施される。
【0069】
その上、さらなる実施形態によると、各電解反応器において、流体(H
2O、H
2)は、アノード区画における流体(O
2、ドレイニングガス)の流れと、カソード区画において逆流で実施される。
【0070】
各電解反応器において、流体流れ(H
2O、H
2)は、連続した反応器の間の流体(O
2、ドレイニングガス)の流れと並流でさらに行われ得る。代わりに、各電解反応器において、流体流れ(H
2O、H
2)は、連続した反応器の間の流体(O
2、ドレイニングガス)の流れと対向流で行われ得る。
【0071】
有利な代替案によると、各電解反応器によって、製造された酸素の放出が、実施される。
【0072】
本発明の他の優位点、及び特徴は、以下の図面を参照して、図示、及び非限定的な目的によって作製された、本発明の詳細な説明を読むことでより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【
図1】従来技術による、高温水蒸気電解の作動図の概略表記である。
【
図2】そこでの流体の流れ、及び電気的流れを示す、従来技術による、SRU(単一繰り返しユニット)と呼ばれる高温水蒸気電解ユニットセルの斜視図である。
【
図3】従来技術による、電解ユニットセルタイプの積層体の高温水蒸気電解槽(HTSE)反応器の概略的な長手方向の断面図である。
【
図4】温度の関数としての、1atmの圧力での、高温水蒸気電解(HTSE)反応における熱力学変数の変化の曲線を示す。
【
図5】課せられた電圧の関数としての、且つ1072Kの温度及び1atmの圧力での、高温水蒸気電解(HTSE)反応におけるエクセルギーバランス、電気エネルギー、及び熱それぞれの変化の曲線を示す。
【
図6】課せられた電圧、且つ所望の出口の水の割合の関数としての、1atmの圧力、且つ1072Kの温度での、高温水蒸気電解(HTSE)反応における電流密度の変化の曲線を示す。
【
図7】所望の出口の水の割合の関数としての、1atmの圧力、且つ1072Kの温度での、1モルの混合物に関する、高温水蒸気電解(HTSE)反応の固有面積の変化の曲線を示す。
【
図8】所望の出口の水の割合、及び、熱が提供される、又は提供されない作動モードの関数としての、高温水蒸気電解(HTSE)反応における温度プロファイルの変化の曲線を示す。
【
図9】従来技術による、積層体、及び、積層体内に統合される熱交換器を備える電解反応器の作動図を示す概略図である。
【
図10】特許文献2による、積層体を備える電解反応器の作動図を示す概略図である。
【
図11】互いに流体直列の電解セルの積層体を有する二つの反応器を備える、本発明の一実施形態による水蒸気電解設備の作動図を示す概略図である。
【
図12】互いに流体直列の電解セルの積層体を有する三つの反応器を備える、本発明の一実施形態による二つの電解設備の二つの熱プロファイルの曲線を示し、設備の内の一つは、他の設備に対して、電解反応器から他の電解反応器への異なる水変換率で用いられる。
【
図13】互いに流体直列の電解セルの積層体を有する三つの反応器を備える、他の一つの実施形態による水蒸気電解設備の作動図を示す概略図である。
【
図14】設備における電解反応器の数の関数としての、電圧及びエクセルギーバランスの変化の曲線を示す。
【
図15】互いに流体直列の電解セルの積層体を有する三つの反応器を備える、他の一つの実施形態による水蒸気電解設備の作動図を示す概略図である。
【
図16】一方は並流で、他方は対向流で作動する、本発明による電解設備に関する水蒸気H
2Oのモル分率の関数としての、ネルンスト電圧、及び、熱容量と流量との積の変化の曲線を示す。
【
図17】互いに流体直列の電解セルの積層体を有する三つの反応器を備える、本発明の他の一つの実施形態による水蒸気電解設備の作動図を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0074】
従来技術による水蒸気電解(HTSE)に関する
図1から10は、詳細に上述されてきた。従って、それらは以下で説明されないであろう。
【0075】
本発明は、
図3を参照して記載されたような高温水蒸気電解反応器R1の構造タイプと関連して、本明細書で以下に記載されるであろう。特に、この電解反応器R1は、二つのユニットセルC1、C2の間に相互接続プレート8(好ましくは単一のもの)を含み、このプレートは、積層体において、セルC1のアノード4.1、及び、隣接するセルC2のカソード2.2と電気接触して配されている。以下に続くことになる示される全ての実施形態において、全ての電解反応器R1、R2... Rnは、好ましくは同一であり、さらに詳細には記載されず、流体の接続、及び流体の流れ方向のみが記載される。さらに、明確にするために、
図13、15、17及び18上で、各反応器R1、R2、... Rnは、その二つの終端接続プレート、すなわち、そこから電流が供給され、且つ積層体から出るプレートによって両側面上で囲まれる単一の電解セルによって示される。
【0076】
用語<<上流(upstream)>>及び<<下流(downstream)>>は、反応器のカソード区画におけるカソードでの水蒸気、及び製造される水素の流れ方向、又は、アノードで製造される酸素の、及び必要であれば、反応器のアノード区画におけるドレイニングガスの流れ方向のいずれかである、電解反応器の考慮される区画における流体の流れ方向を参照して用いられることが特定される。
【0077】
用語<<並流>>及び<<対向流>>は、他のアノード区画、又はカソード区画それぞれにおいて流れる他の流体に対して、カソード区画、又はアノード区画において流れる流体の相対的な方向のために用いられることが特定される。そのため、カソードへと流れる水蒸気は、それらのそれぞれの区画の入口から出口へ同一の流れ方向でそれらが流れる際、アノードで製造される酸素と並流であると言われる。さらに、カソードへと流れる水蒸気は、それらのそれぞれの区画の入口から出口へ反対の流れ方向でそれらが流れる際、アノードで製造される酸素と対向流であると言われる。
【0078】
本発明の可能性のある異なる実施形態において、異なる配置は、それらが流体的に接続される手段(並流、又は対向流で流れる)によって、同様に、連続する電解反応器R1、R2、... Rnの入口及び出口での水蒸気モル分率値によって、同一の設備における電解反応器間で区別される。
【0079】
図11では、それらのカソード区画、及びアノード区画によって、両方流体直列の積層体R1、R2を有する二つの電解反応器を含む、本発明による水蒸気電解(HTSE)設備が示される。従来技術による積層体を備える反応器と比較して、反応器R1、R2はより小さいサイズを有することが本明細書で特定される。
【0080】
図11に示される実施形態では、ドレイニングガスは、製造された酸素を放出するために、アノード区画の入口から注入される。また、この実施形態では、カソードで製造された水素、及び水蒸気は、矢印によって記号で表されるように、この図において左から右へと並流で流れる。各電解反応器R1,R2を通る垂直の矢印は、それを流れる電力電流の流れ方向を記号で表す。電力電圧は、ある反応器R1と他とで異なり得る。
【0081】
本発明によると、熱交換器13.1は、上流の反応器R1のカソード区画の出口と、及び、下流の反応器R2のカソード区画の入口で、流体的に接続される。同様に、交換器13.2は、上流の反応器R1のアノード区画の出口と、及び下流の反応器R2のアノード区画の入口で、流体的に接続される。両方の熱交換器13.1及び13.2の第一の回路は、反応器R1、R2の外部の熱源14に接続される。従って、これらの二つの熱交換器13.1、13.2の第二の回路は、上流の反応器R1のカソード区画で製造された水素、及び水蒸気の流体回路、並びに、上流の反応器R1のアノード区画で製造された酸素、及びドレイニングガスの流体回路をそれぞれ有する。そのため、各熱交換器は、二つの積層体、又は二つの反応器の間に接続される。
【0082】
好ましくは、ちょうど上述されてきたものにおいて、R1は最も上流の反応器であり、R2は最も下流の反応器である。
【0083】
そのため、本発明によると、各反応器R1、R2は、各反応器に関して100%未満の所定の水蒸気変換率を備える強い外熱式モードで作動され、熱は、最も下流の反応器R2に導入される前に、一方で、上流で製造された水素、及び水蒸気へ、並びに、他方で、上流で製造された酸素、及びドレイニングガスへ提供される。
【0084】
一般的には50Kで受け入れられる、反応器の電解セル当たりの温度勾配の要求を満たしつつ、外熱式モードの完全な優位点を利用するために、本発明による解決法は、ある電圧の下で各電解反応器に電気的に供給して、流体の流れの区画の出口で、それらが、上記区画におけるそれらの入口に対して、温度差の許容限度であるようにする。
【0085】
そのため、
図12に示されるタイプの水蒸気モル分率の関数としての温度プロファイルが得られ得る。この
図12では、一方で、製造された水素、及び水蒸気と、他方で、製造された酸素、及びドレイニングガスとの間で並流の流れを備える、三つの流体直列の電解反応器を備える同一の方法において製造された二つの電解設備の熱プロファイルが示され、また、この並流の流れは、一つの反応器から他へと直列に作製される。配置1(三角形の線)、及び配置2(正方形の線)でそれぞれ参照される、両方の設備の間の違いは、各反応器に関する水蒸気変換率の差に由来する。
【0086】
両方の設備に関して、全体の水蒸気変換率は、89%のオーダーで同様であり、0.9の入口モル分率、及び0.1の出口モル分率に相当する。両方の設備において、熱源14は、流体回路に配された熱交換器13.1、13.2を介して、上流の反応器の出口と、下流の反応器の入口との間で、約50Kの温度の増加(1020Kから1072K)を可能にする。この温度の増加は、同一のモル分率での二つの点の間の垂直な線によって
図12において反映される。
【0087】
配置1では、水蒸気のモル分率が、第一反応器の入口での0.9から出口での0.6へ、第二反応器の入口での0.6から出口での0.4へ、及び最終的に、最も下流のものである第三反応器において0.4から0.1へと切り替わることがわかり得る。そのため、第一、第二、及び第三反応器に関する個別の変換率は、それぞれ0.33、0.33、及び0.75に等しい。
【0088】
比較として、配置2では、最も上流の反応器から変換された水素の量は、最も下流の反応器のものと等しい(モル分率はそれぞれ0.9から0.7へ、及び0.3から0.1へ切り替わる)ことがわかり得、つまりそれぞれ0.22、0.57、0.66の個別の変換率である。中間の反応器では、モル分率は、0.7から0.3へと切り替わる。
【0089】
高温水蒸気電解設備において、有利には、エネルギー、及びエクセルギーバランスは、用いられる単一の繰り返しユニットSRUのタイプに依存するのではなく、本発明による作動条件にのみ依存することが留意されるべきである。互いに示された異なる配置を比較するために、本明細の以下の表1における所定の作動条件が用いられるであろう。
【0091】
以下に続く全ての計算では、カソードに入る1モルのガス混合物が考慮される。複数のnの電解反応器を直列に含む電解設備において費やされる電気エネルギーE
elは:
【0093】
ここで、U
i及びI
iは、反応器iを介して流れる強度、及び課せられた電圧をそれぞれ指定し、電圧は、
【0095】
であるネルンスト電圧に少なくとも等しい。
【0096】
ネルンスト電圧は、電極で含まれる酸化−還元カップルの標準電位に対する電極の平衡電圧であることが本明細書で思い出される。
【0097】
そのため、電解反応器の外熱式モードにおけるオペレーションを相殺するために提供される熱Q
alは、以下の関係によって与えられる:
【0099】
そして、所定の電解反応器上で、流体の入口と出口との間の温度損失は、以下の関係によって与えられる:
【0101】
本発明によると、そのため、電圧が(
図12に示されるような50kに等しい)同一の温度勾配ΔTを得るために調整されると、温度のみに依存する常温電圧U
th,iは、同一の設備の直列の全ての反応器において同一であると評価され得る。
【0102】
そのため、総電気エネルギーの入力の式が得られ、以下の方法で書かれる:
【0104】
ここで、Cp
iは、電解反応器iを通って流れる全ての流体のモル熱容量を指定し、N
iは、カソードでの、及びアノードでの両方の総モル流量である。言い換えると、各カソードでの1モルの流量に関して、電気エネルギーは以下の方法で示され得る:
【0106】
ここで、yH2Oe、及びyH2Osはそれぞれ、カソードの入口での、及び出口での水蒸気のモル分率を指定する。
【0107】
後の式(10)において、所定の温度勾配ΔTに関して、電気的直列の電解反応器の積層体数n、及び積N
iCp
iにおける変化のみが、費やされる電気エネルギーに影響を有することが観測される。そして、電気的支出を強く減少させるために、最大数の直列の電解反応器が用いられるべきことがわかり得る。しかしながら、この数の直列の反応器があまりにも多く増加された場合、適切な電圧は低くなりすぎ、ネルンスト電圧へ徐々に向かい、そして、各電解反応器に関連する反応面積は、無限へと徐々に向かう。従って、当業者は、直列の電解反応器の数と、各反応器の反応面積との間で優れた妥協案を見出すことが可能であろう。
【0108】
上述の作動条件下で、全体のエクセルギーバランスへの電解反応器の数の影響が調査され得る。これは、
図13の実施形態に関して調査された:本明細書に示されるように、この設備は、アノードで製造された酸素、及びドレイニングガスと同様の流れ方向である、カソードで製造された水素、及び水蒸気の流れである、並流の流れを、各反応器に関して備える流体直列の少なくとも三つの反応器R1、R2、R3を含む。また、この並流の流れは、一つの反応器R1から他の反応器へと直列に作製される。二つの連続する反応器R1−R2、又はR2−R3の間で、15又は17と記された熱交換器はそれぞれ、水蒸気/製造された水素、及び、ドレイニングガス/酸素の両方の回路と流体的に接続される。さらに、熱交換器は、最も上流である反応器R1の上流と流体的に接続される。熱交換器13,15,17の全ての第一の回路は、好ましくは全ての交換機に関して同様に、外部熱源に接続される。
図13によるこのような配置によって、
図14のエネルギー支出、及びエクセルギーバランスの結果が得られる。この
図14では、直列の反応器の数の増加が、印加される平均電圧の増加に直接関連し、エクセルギーー効率を向上させることがわかり得る。また、印加される平均電圧は非常に低く、そして、電圧は、電界に関して可能性を維持するために、ネルンスト電圧よりも局所的に常に高いままであるべきことがわかり得る。
【0109】
電解設備の区分の全ての優位点を小型の電解反応器へと採用するために、有利な実施形態が
図15に示される。ここでは、配置は、流れが一つの反応器から他の反応器への対向流であるが、同一の反応器R1、R2、R3の内側では並流であるようになる。より正確には、最も下流の反応器R3のアノードにドレインガスが提供されず、この反応器で製造された酸素は、熱交換器15によって加熱されて中間の反応器R2のアノードに供給し、そして、中間の反応器R2の出口での酸素は、最も上流の反応器R1に注入される前に最も上流の熱交換器13によって加熱される。最後に製造された酸素は、最も上流の反応器R1の出口で放出される。言い換えると、上流から下流でそれぞれ製造された酸素は、上流から下流で製造された水素の対向流で流れる。
図15によるこの配置は、入口での強い水含有量を有する電解反応器が最も大きな要因N
iCP
i(熱容量と流量との積)、並びに最も低いネルンスト電圧から利益を得ることを可能にする。これは
図16に示され、並流モード(
図13)と対向流モード(
図15)との間の比較が作製され得る。この
図16では、従って、添え字Cocは、一つの電解反応器から他の電解反応器への並流の流体流れを意味し、一方、添え字ConCは、一つの電解反応器から他の電解反応器への対向流の流体流れを意味し、Uoはネルンスト電圧を指定することが特定される。
【0110】
対向流の流れを可能にする配置を備える本発明による電解設備(
図15)は、積N
iCp
iが最も強い(式(9)を参照)モードである、非常に強い外熱式モードにおけるオペレーションを可能にし、低いネルンスト電圧は、必要とされる反応面積がより低いので、十分に高い過電圧(over voltag)を常に維持し、そのため最終的に優れた電気化学的性能を可能にする。よりさらに有利には、本発明によって、最も強い可能な外熱(allothermy)によって作動するために、最も上流の電解反応器において水蒸気のごく一部のみを変換することが可能である。
【0111】
そのため、
図13による、及び
図15による両方の配置それぞれが、アノード区画の入口でドレイニングガスが無いものと比較される場合、以下の表2に示される比較結果が得られる。
【0113】
この表2を読み取ると、電気消費量のわずかな減少、そのため、より高い外熱式作動モードに起因するわずかな反応面積の増加を犠牲にした、エクセルギー支出の獲得。他の試験は、
図15による配置(対向流の流体流れ)が、
図13による配置(並流の流体流れ)と比較してより良い性能を生み出すことを示す。
【0114】
言い換えると、同一の設備内の他の一つの電解反応器に直列の、電解反応器の対向流の流体流れを備える配置は、強い水含有量値で、そのため低いネルンスト電圧で、積N
iCp
iを増加させることが可能であることが推測され得る。そのため、これは、高い電流密度を保持する低いネルンスト電圧、及び強い水の含有量のおかげで、満足な電気化学的性能を維持しつつ、強い外熱式の方法におけるオペレーションを可能にする。これは、事実上、最も上流の反応器における水蒸気モル分率が低く、それぞれ0.9−0.8;0.8−0.7であり、一方で、最も下流の反応器の入口及び出口でのモル分率がさらにより区別され、それぞれ0.7及び0.1と等しい、表2から明らかなように、最も上流の反応器における全体の電解反応のごく一部のみを行うことに対応する。
【0115】
さらに言い換えると、すでに
図7を参照して示されたように、
図15による配置(対向流の流体流れ)は、非常に外熱式のオペレーションは低い水含有量で高すぎる面積を要求し得るので、許容できる電流密度を維持することが可能な、低い水含有量に関する外熱式であるが、電力電圧を比較的高く維持することを可能にする。
【0116】
さらに、強い水素変換を備える、高い水含有量を備えるカソード出口の流体が得られることを望まれるとき、最も下流の電解反応器に関して比較的高い電圧を課することが好ましい。電解セルは、高い電圧、及び低い水含有量に関してより速く損傷される傾向にあるので、従って、最も下流の反応器は、最も上流のものよりもさらに速く摩耗されることになるであろう。本発明による全ての設備に関する寿命の観点では、従って、下流のものに関して増加した頻度で、反応器を互いに独立で置き換えることが可能であるため、これは優位点である。全ての反応器は単一の電解セルを含むのみならば、そして、本発明による下流のものに関する頻度に対応する最大の頻度で全ての反応器を変える必要があることになることが特定される。そのため、最も上流の反応器の電解セルがより損傷されにくい傾向になるので、セルの寿命を延長するために従来技術によって通常用いられる電極保護層を省くことが可能である。
【0117】
結論として、
図15による配置によって、互いに直列の電解反応器を有する電解設備の平均寿命は、際立って増加することになると言われ得る。さらに、反応器の積層体内に統合される熱交換器を有する従来技術の目的(sate)の解決法と比較して、本発明による反応器の取り換えは、より際立って容易であり、より費用がかからない。
【0118】
とはいえ、高温の熱はいまだに高価であり、外部ソースの性質の関数として、制限された量において利用できるのみであり得る。典型的には、1000Kのオーダーの温度では、熱エクセルギーは、電気エクセルギーの70%を占める。そのため、エクセルギー支出を減少させるために、アノードを出る流体は、加熱されないことがある。
図13(一つの反応器から他の反応器へと並流の流体の流れ)の、しかしここでは、この
図17において下矢印によって記号で表されるように、各反応器の出口で製造された酸素の放出を伴う、配置を用いるこのような配置が
図17に示される。しかしながら、
図17によるこのような配置は、各反応器へ、より少ない積N
iCp
iを与える欠点を有する。そのため、この配置では、直列の反応器の所定の数に関して、より外熱式ではないモードで作動することが好ましい:そして、エクセルギー効率は、以下の表3に示されるように、いっそう変わる。
【0120】
しかしながら、直列の反応器の数を増加することによって、反応器当たりの同一レベルの電圧、そのため、同一のエクセルギー効率が達せられ得る。
【0121】
さらに、各反応器によって製造された酸素を放出することによってさえ(
図17)、積N
iCp
iは、強い水含有量でより高いままである:そのため、満足な電流密度を維持しつつ、より良いエクセルギー効率を達成するために、第一反応器、すなわち最も上流の反応器の上で、入口と出口との間で水蒸気の小さなモル分率差を備える、強い外熱式モードにおいて、いまだに作動することが好ましい。言い換えると、
図17による配置は、提供される外部熱を節約する優位点を有する。
【0122】
図18では、流体の流量が、異なる反応器R3.1、R3.2において並列に分けられる、本発明の代替案が示される。そのため、流体の流量は、関連する電解反応面積を増加、又は減少するために、並列につながれ得る。
【0123】
以下の表4では、
図13に示された配置を備える、それぞれ0.9−0.7−0.5−0.1、及び0.9−0.8−0.7−0.1の二つのモルのセットを備える、必要とされる反応面積が比較される。
【0125】
表4から、モルのセット0.9−0.8−0.7−0.1は、第三の反応器R3上でさらにより高い面積を必要とすることがわかり得る。そのため、この場合、二つの反応器R3.1、R3.2上で面積S3を分配するために、
図18の配置を用いることが、最終的にモルのセット0.7−0.1を備える変換を可能にするために、有用である。
【0126】
本発明による同一の電解設備における反応器の数が複数でなくてはならない場合、それらのいくつかを互いに並列に接続することは、それらを直列に接続することよりも不利である。実際、二つの反応器を並列にすることは、厳密には、一つのより少ない反応器を直列にすることになる。言い換えると、必要とされる直列の反応器の数がとても高く、電力電圧がネルンスト電圧に近くなりすぎる際、これは興味深く、この場合、反応器当たりに必要とされる反応面積は大きくなりすぎることになり得る。
【0127】
さらに、電流密度がこのレベルで非常に低いので、必要とされる電解反応面積を減少させるためには、外熱式モードで作動せずに、水のモル分率を希望の値へ持っていくことが有利であり得る。そのため、最後の水のモル分率を変換することを終了するために必要とされる反応面積を大幅に減少させるために、最も下流の反応器上で、自己熱モードで、又はさらにわずかに発熱で、作動することを考慮する価値がある。最終的に非常に低い水の含有量(設備の非常に高い全体の変換率)へと下げることが望まれる場合、これが必要であることが判明し得る。以下の表5では、本発明による設備の最も下流の電解反応器における、電解設備の終わりでの異なる作動モード間の比較結果が示されている。そのため、<<外熱式最大>>は、最大の外熱式モードを指定し、<<最後自己熱>>は、設備の終わりでの、すなわち最も下流の反応器(R4)における、自己熱作動モードを指定することが特定される。
【0129】
この表5を読み取ると、最も下流の電解反応器における自己熱、又はさらに発熱モードにおける作動は、必要とされる反応面積を顕著に減少させることを可能とするが、必要とされる電気的エネルギーの追加費用の欠点を備えることが推測され得る。
【0130】
さらなる改善が、本発明の範疇から逸脱すること無く検討され得る。
【0131】
上述のように、本発明によって目的とされる主な用途は、電気支出を最小化するための外熱式モードのHTSE水素製造である。
【0132】
他の一つの可能性のある用途は、ちょうど記載された電解反応器のように、直列の燃料電池を備えた発電であるが、この用途では、出力電圧の調整を流体混合物組成の関数とする可能性がある。従来技術と比較すると、収率、及び/又は必要とされる反応面積サイズにおける利得が達成され得る。
【0133】
最終的に、発明者は、本発明に関する他の一つの可能性のある用途は、H
2O/CO
2共電解であると考える。
【0134】
ちょうど記載された本発明は、全体の変換率を90%、又はさらに95%に到達することを可能にする。
【0135】
全ての用途において、強い外熱式モードの可能なオペレーションが言及される。外熱式モードは、考慮される電解反応器の電力電圧が1.28V未満のときに達せられる。そのため、理論的には、アノードの掃引の無い、70%の変換効率を備える従来技術による単一の電解反応器は、上記反応器の入口と出口との間で許容できるとして通常考慮される50Kの温度差を達すること無く、1.267Vの電圧に到達できなかった。本発明のおかげで、強い外熱式モードは、1.1Vのオーダーの電圧に達し得る。
【0136】
本発明は、熱交換器に関する比較的低い交換面積によって行われ得る:そのため、例えば、820℃での高い流量の熱源(hot source)によって、0.88の効率、200W・m
−2・K
−1の平均交換係数で、1mol/sの流量を750℃から800℃に加熱するために、0.3m
2のオーダーの熱交換器に関する交換面積が必要とされる。