(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、この種のエンファシス付加装置を用いて元信号にエンファシス波形を付加するにあたっては、例えば
図8や
図9の規格書に示すように、アイ振幅に対する振幅量(dB値)ではなく、アイ振幅に対する比として各タップ毎の設定を行い、この設定に基づくエンファシス波形を生成する場合がある。また、規格書によっては、アイ振幅に対する比のステップ数を各タップ毎に調整する方法の手順が規定されているものもある。
【0007】
図8は、規格団体:IBTAによる規格書:InfiniBandTM Architecture Specification Volume 2 Release 1.3 である。この規格書には、
図8に示すようなCoefficientsが規定されており、ステップ数が0.0083〜0.05の値で、「Increase」、「decrease」する手順の調整方法についても記載されている。
【0008】
図9は、規格団体:IEEEによる規格書:IEEE Standard for Ethernet SECTION FIVEである。この規格書の調整方法は、「Increase」、「decrease」をそれぞれ一つの係数に対して実施しているが、Adjustmentの方法として、同時に動かすことで手順を簡略化できるものである。
【0009】
さらに、規格団体:IEEEによる規格書:Draft Standard for Ethernet Amendment 2:Physical Layer Specifications and Management Parameters for 100 Gb/s Operation Over Backplanes and Copper Cablesには、
図8の規格書と同様に、Coefficient step sizeについての定義が記載されている。具体的には、C(i)の値を0.0083から0.05のステップサイズで、「Increase」、「decrease」、又は「hold」する手順の調整方法である。
【0010】
このように、従来のエンファシス付加装置によって
図8や
図9等の規格書に従ったエンファシス波形を生成する場合には、規格書にはdB表記が無く、アイ振幅に対する比によって規定されているため、ユーザがアイ振幅に対する比をdB値に換算する必要があった。しかも、規格書によっては、アイ振幅に対する比のステップ数を各タップ毎に規格書の規定に従って調整する必要がある。その結果、上述した点を考慮して全てのタップのアイ振幅に対する比を設定するためには、多くの操作を繰り返さなければならず、非常に煩雑な操作となり、設定ミスも生じやすく、ユーザビリティの低下を招くという問題があった。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、煩雑な操作を無くしてユーザビリティの向上を図ることができるエンファシス付加装置及びエンファシス付加方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたエンファシス付加装置は、試験対象物に入力するデジタルの試験用信号にエンファシスをかけるためのエンファシス波形を生成して付加するエンファシス付加装置1において、
前記試験用信号に付加されるエンファシス波形イメージ11上のアイ振幅
の値を入力する第1の入力ボックス12eと、前記アイ振幅に対する比のステップ数を指定する第2の入力ボックス12fと、前記エンファシス波形イメージ上のタップ毎の前記アイ振幅に対する比の値を入力する第3の入力ボックス12a,12b,12c,12dと、前記タップ毎の前記アイ振幅に対する比のステップ数による増加、減少、保持から1つの状態を前記タップ毎に選択する第4の入力ボックス12g,12h,12i,12jとを表示するとともに、前記第1の入力ボックスにアイ振幅の値を入力し、前記第3の入力ボックスにタップ毎の前記アイ振幅に対する比の値を入力し、該アイ振幅に対する比のステップ数を前記第2の入力ボックスで指定し、この指定されたステップ数による増加、減少、保持から何れか1つの状態を前記第4の入力ボックスで前記タップ毎に選択して全てのタップに一括して設定する操作表示部2と、
前記操作表示部により前記第1の入力ボックスに入力設定されたアイ振幅と
前記第2の入力ボックスに入力設定された各タップ毎のアイ振幅に対する比に基づいて出力振幅を算出する設定値算出部5と、
前記設定値算出部が算出した出力振幅に基づくエンファシス波形を生成して前記試験用信号に付加するエンファシス波形付加部6とを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載されたエンファシス付加装置は、請求項1のエンファシス付加装置において、
前記操作表示部2により
入力設定されたアイ振幅とタップ毎のアイ振幅に対する比に基づいて前記エンファシス波形イメージ11上のタップ毎の振幅電圧値と前記タップ上のカーソル13毎のdB値とを算出して表示することを特徴とする。
【0015】
請求項
3に記載されたエンファシス付加方法は、試験対象物に入力するデジタルの試験用信号にエンファシスをかけるためのエンファシス波形を生成して付加するエンファシス付加方法において
、
前記試験用信号に付加されるエンファシス波形イメージ11上のアイ振幅
の値を入力する第1の入力ボックス12eと、前記アイ振幅に対する比のステップ数を指定する第2の入力ボックス12fと、前記エンファシス波形イメージ上のタップ毎の前記アイ振幅に対する比の値を入力する第3の入力ボックス12a,12b,12c,12dと、前記タップ毎の前記アイ振幅に対する比のステップ数による増加、減少、保持から1つの状態を前記タップ毎に選択する第4の入力ボックス12g,12h,12i,12jとを表示するステップと、
前記第1の入力ボックスにアイ振幅の値を入力し、前記第3の入力ボックスにタップ毎の前記アイ振幅に対する比の値を入力し、前記アイ振幅に対する比のステップ数を前記第2の入力ボックスで指定し、この指定されたステップ数による増加、減少、保持から何れか1つの状態を前記第4の入力ボックスで前記タップ毎に選択して全てのタップに一括して設定するステップと、
前記第1の入力ボックスに入力設定されたアイ振幅と
前記第2の入力ボックスに入力設定された各タップ毎のアイ振幅に対する比に基づいて出力振幅を算出するステップと、
前記算出した出力振幅に基づくエンファシス波形を生成して前記試験用信号に付加するステップとを含むことを特徴とする。
【0016】
請求項
4に記載されたエンファシス付加方法は、請求項
3のエンファシス付加方法において、
入力設定されたアイ振幅とタップ毎のアイ振幅に対する比に基づいて前記エンファシス波形イメージ11上のタップ毎の振幅電圧値と前記タップ上のカーソル13毎のdB値とを算出して表示するステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、規格書に記載されているアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比の値をそのまま数値入力するだけで規格書に記載された値に基づく所望のエンファシス波形を生成して試験用信号に付加でき、煩雑な操作を行う必要がなく、面倒な計算による手間も省け、設定ミスを低減してユーザビリティの向上を図ることができる。
【0019】
また、全てのタップのアイ振幅に対する比に関して、ステップ数を指定し、指定されたステップ数による状態として、各タップ毎に増加、減少、保持の何れかを選択して設定を行えば、一回の操作で全てのタップの値を一括して設定することができ、規格書で規定されている操作を誰でも容易に実施できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面(
図1〜
図6)を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
本発明に係るエンファシス付加装置及びエンファシス付加方法は、例えばインターコネクト系の規格に準拠した測定系を構築する際に採用され、試験対象物(DUT)に入力される試験用信号(元信号)に対し、使用される通信規格に応じたエンファシス波形(プリエンファシス波形又はディエンファシス波形)を付加するものである。
【0023】
尚、本発明における通信規格とは、例えばInfiniband,PCI Express(登録商標),SATA,USB等のように、装置内部や装置と試験対象物との間に使用されるコンピュータバス・相互接続規格を意味するものである。
【0024】
図1に示すように、エンファシス付加装置1は、予め決められた所定パターンの試験用信号(元信号)に対し、通信規格に最適なエンファシス波形(プリエンファシス波形又はディエンファシス波形)を生成して付加するため、操作表示部2、情報記憶部3、表示制御部4、設定値算出部5、エンファシス波形付加部6を備えて概略構成されている。
【0025】
操作表示部2は、例えばユーザが操作するソフトキー、カーソルキー、液晶表示器などを含むものであり、例えばコンピュータグラフィックスとマウスなどのポインティングデバイスを用いた直感的な操作により各種の操作・設定・表示が行える機能を有するGUI(graphical user interface)で構成される。
【0026】
操作表示部2は、例えばBER(Bit Error Rate)試験やジッタトレランス試験などの各種試験を行うための試験用信号に対してエンファシス波形を付加して出力する際に必要な各種情報の入力操作や各種設定をソフトキーやカーソルキー等の操作により行っている。
【0027】
また、操作表示部2は、例えばソフトキーやカーソルキー等の操作に基づく設定画面や測定画面を表示している。
【0028】
尚、
図1では、各種情報を操作入力する操作部と、設定画面や測定画面を表示する表示部の両方の機能を操作表示部2が兼ね備えた構成として説明しているが、操作表示部2を操作部と表示部にそれぞれ独立させた構成としてもよい。
【0029】
ここで、
図2〜
図4は操作表示部2の入力操作に基づいて選択的に表示される設定画面2A,2B,2Cの各例を示している。
図2の設定画面2Aでは、エンファシス波形イメージ11と、複数の設定項目として、基準となるアイ振幅:Eye Amp[Vp−p]及び各タップ毎のアイ振幅に対する比:C(−1)、C(0)、C(1)、C(2)の値を入力するための5つの入力ボックス12(12a〜12e)が表示される。
【0030】
尚、エンファシス波形イメージ11において、振幅量の増減によりビットを強調させることができる箇所をタップと称し、この各箇所のタップにカーソル13が配置される。
【0031】
図2の設定画面2Aでは、エンファシス波形イメージ11が画面の右側に表示され、アイ振幅:Eye Amp[Vp−p]の値を数値入力するための入力ボックス
12eと、各タップ毎のアイ振幅に対する比:C(−1)、C(0)、C(1)、C(2)の値を数値入力するための4つの入力ボックス12a,12b,12c,12dとが画面の左側に縦並びに表示される。アイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比の値を設定する場合には、操作表示部2を操作し、規格書に記載されたアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比の値を、該当する入力ボックス12a〜12eに増減キーで調整しながら数値入力する。なお、この数値入力は、キーボードの操作により直接行うこともできる。
【0032】
図3の設定画面2Bでは、
図2の設定画面2Aのエンファシス波形イメージ11と5つの入力ボックス12a〜12eの表示に加え、設定値算出部7で算出されたモニタ表示用の値を表示するための複数のモニタ表示エリア14(14a〜14h)がエンファシス波形イメージ11と入力ボックス12との間に表示される。モニタ表示用の値は、各タップ毎の振幅値(
図3の設定画面2BにおけるVa,Vb,Vc,Vd)と各カーソル13毎のdB値(
図3の設定画面2BにおけるPost1、Post2、Pre1)であり、該当するモニタ表示エリア14a〜14hに数値表示される。
【0033】
図4(a)の設定画面2Cでは、
図2の設定画面2Aのエンファシス波形イメージ11と5つの入力ボックス12a〜12eの表示に加え、入力ボックス12の追加として、アイ振幅に対する比のステップ数:Coefficient stepの値を数値入力するための入力ボックス12fと、指定されたステップ数による状態(「増加」、「減少」、「保持」の3状態)を各タップ毎に選択入力するための4つの入力ボックス12g,12h,12i,12jとが表示される。アイ振幅に対する比のステップ数を設定する場合は、操作表示部2を操作し、規格書で規定された範囲内の数値を入力ボックス12fに操作入力する。また、指定されたステップ数による状態を設定する場合は、
図4(b)に示すように、入力ボックス12g,12h,12i,12jに対し、指定されたステップ数で「増加」:Increment、指定されたステップ数で「減少」:Decrement、ステップ数を増減せずにアイ振幅に対する比を「保持」:Holdの3つの状態がプルダウンメニューとして表示され、操作表示部2を操作し、何れか1つの状態を選択する。そして、これら入力ボックス12f〜12jの入力内容は、設定画面2Cに設けられた実行キー(
図4(a)のSet)15を押下することで設定として反映される。
【0034】
尚、
図3の設定画面2Bに対し、
図4の設定画面2Cにおけるアイ振幅に対する比のステップ数:Coefficient stepの値を数値入力するための入力ボックス12fと、指定されたステップ数による状態(「増加」、「減少」、「保持」の3状態)を選択入力するための4つの入力ボックス12g,12h,12i,12jとを追加して表示し、アイ振幅に対する比のステップ数とステップ数による状態を設定できるようにすることもできる。
【0035】
また、
図2〜4の設定画面2A,2B,2Cにおいて、エンファシス波形イメージ11、入力ボックス12(12a〜12j)、モニタ表示エリア14(14a〜14h)は、図示の配置に限定されるものではない。
【0036】
情報記憶部3は、元信号となる試験用信号に対し、エンファシス波形を付加して出力するために必要な各種情報を記憶している。この各種情報としては、予め決められた通信規格毎の複数種類の基準波形パターン(2post−cursor、1pre−cursor,3post−cursor,1post−cursor、1pre−cursor,2post−cursor,1post−cursor等)の波形情報(波形形状を特定する各パラメータ値)、各タップ毎のアイ振幅に対する比から各タップ毎の出力振幅を算出するための計算式、各タップ毎のアイ振幅に対する比から操作表示部2にモニタ表示するための各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd(Vp−p)と各カーソル13のdB値を算出するための計算式、操作表示部2の表示画面の1ドット当たりの振幅量や1ドット当たりの時間などがある。
【0037】
表示制御部4は、操作表示部2の入力操作、情報記憶部3の各種情報、設定値算出部5の算出結果、測定結果などに基づいて操作表示部2の表示(例えば
図2〜4に示す設定画面2A,2B,2Cの表示、測定画面の表示など)を制御している。
【0038】
設定値算出部5は、設定画面2A,2B,2C上でアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比が操作入力されると、情報記憶部3に記憶された計算式により、各比毎にアイ振幅に対する出力振幅の振幅量C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Ampを算出している。
【0039】
また、設定値算出部5は、算出したアイ振幅に対する出力振幅の振幅量C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Ampを、後述する切替回路
23の各セレクタP1,P2,P3,P4に対応して振幅電圧(VEE1,VEE2,VEE3,VEE4)に振り分け、この振り分けた振幅電圧(VEE1,VEE2,VEE3,VEE4)を設定値として出力している。
【0040】
さらに、設定値算出部5は、設定画面2A,2B,2C上でアイ振幅、各タップ毎のアイ振幅に対する比が操作入力されると、情報記憶部3に記憶された計算式により、操作表示部2にモニタ表示するための各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd(Vp−p)と各カーソル13のdB値を算出している。
【0041】
ここで、設定値算出部5が算出する各タップ毎のアイ振幅に対する比の出力振幅の振幅値(Vp−p)、モニタ表示するための各タップ毎の振幅値(Vp−p)、各カーソル13のdB値について具体的な数値例を示して説明する。
【0042】
今、
図2の設定画面2Aにおいて、アイ振幅として0.4(Vp−p)、各タップ毎のアイ振幅に対する比としてC(−1):−0.1、C(0):0.75、C(1):−0.1、C(2):−0.05の各数値を操作入力して設定されたものとする。
【0043】
設定値算出部5は、アイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比が操作表示部2の操作入力により設定されると、情報記憶部3に記憶された計算式(アイ振幅×アイ振幅に対する比)から各タップ(カーソル13)毎のアイ振幅に対する比の出力振幅の振幅値:C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Ampを以下のように算出する。
【0044】
C(−1)Amp=0.4×(−0.1)=−0.04(Vp−p)
C(0)Amp=0.4×0.75=0.3(Vp−p)
C(1)Amp=0.4×(−0.1)=−0.04(Vp−p)
C(2)Amp=0.4×(−0.05)=−0.02(Vp−p)
【0045】
また、設定値算出部5は、情報記憶部3に記憶された計算式から操作表示部2にモニタ表示するための各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vdと各カーソル13:Post1,Post2,Pre1のdB値を以下のように算出する。
【0046】
Va=C(−1)Amp+C(0)Amp−C(1)Amp−C(2)Amp=0.32(Vp−p)
Vb=C(−1)Amp+C(0)Amp+C(1)Amp−C(2)Amp=0.24(Vp−p)
Vc=C(−1)Amp+C(0)Amp+C(1)Amp+C(2)Amp=0.2(Vp−p)
Vd=−C(−1)Amp+C(0)Amp+C(1)Amp+C(2)Amp=0.28(Vp−p)
Post1=20×log(Vb/Va)=−2.50(dB)
Post2=20×log(Vc/Vb)=−1.58(dB)
Pre1=20×log(Vd/Vc)=2.92(dB)
【0047】
尚、上述した各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vdは、
図5のように定義される。また、Post1,Post2,Pre1は、一つ前の振幅との比(dB)で表されるものである。
【0048】
エンファシス波形付加部6は、設定値算出部5が算出した設定値に基づき、エンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を試験用信号(エンファシス付加前の元信号)に付加して出力している。
【0049】
さらに説明すると、エンファシス波形付加部6は、
図6に示すように、制御回路21、データ保持回路22、切替回路23、増幅回路24、加算回路25を備えた周知(例えば特開2012−60630号参照)の回路によって構成することができる。
【0050】
制御回路21は、D/Aコンバータを含む回路であり、設定値算出部5が算出した設定値(振幅電圧:VEE1,VEE2,VEE3,VEE4)を、増幅回路24の後述する各増幅器24a,24b,24c,24dを個別に制御するためのアナログ値からなる制御信号(4つの制御電圧)に変換して出力している。
【0051】
データ保持回路22は、C(クロック)端子の立ち上がりのエッジでD端子の入力の値がQ出力として保持される4つのD型フリップフロップ回路(以下、D−FFと略称する)22a,22b,22c,22dを直列接続して構成される。データ保持回路22は、初段のD−FF22aのD端子にエンファシス波形を付加する前の元信号(試験用信号)が入力され、位相が1ビットずれとなるデータ信号に分岐して各D−FF22a,22b,22c,22dのQ端子から出力している。
【0052】
切替回路23は、データ保持回路22の4つのD−FF22a,22b,22c,22dのQ端子と1対1に対応して接続される4つのセレクタP1,P2,P3,P4で構成される。切替回路23の各セレクタP1,P2,P3,P4は、切替信号の入力により、極性が「POS(ポジティブ)」又は「NEG(ネガティブ)」の何れかの状態に予め設定されている。
【0053】
増幅回路24は、切替回路23の4つのセレクタP1,P2,P3,P4の出力と1対1に対応して接続される4つの増幅器24a,24b,24c,24dで構成される。これら4つの増幅器24a,24b,24c,24dは、制御回路21からの制御信号(制御電圧)によって個別に電圧が制御される。
【0054】
加算回路25は、増幅回路24の4つの増幅器24a,24b,24c,24dの出力を加算し、元信号である試験用信号にエンファシス波形を付加した信号(差動データ信号)を出力している。
【0055】
尚、エンファシス波形付加部6は、情報記憶部3の各種情報、設定値算出部5が算出した設定値に基づくエンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を試験用信号に付加できる構成であれば、
図6の回路構成に限定されるものではない。
【0056】
次に、上記のように構成されるエンファシス付加装置1の動作として、元信号である試験用信号に付加されるエンファシス波形を生成し、この生成したエンファシス波形を試験用信号に付加するエンファシス付加方法について説明する。
【0057】
ここでは、
図2の設定画面2Aが選択表示された状態で、
図8の規格表:Table 48 Tx FIR Filter Coefficatin and AmplitudesのPreset:3のアイ振幅:400mVによるエンファシス波形を設定する場合を例にとって説明する。
【0058】
まず、
図2の設定画面2Aにおいて、操作表示部2の操作入力により、アイ振幅:Eye Amplitudeと各タップ毎のアイ振幅に対する比:Coefficientを設定入力する。具体的には、アイ振幅が400mVなので、設定画面2Aの入力ボックス12eにアイ振幅の数値「0.400」(Vp−p)を入力する。また、
図8に示すように、規格表のPreset:3にC(−1):−0.03、C(0):0.87、C(1):−0.10と記載されているので、設定画面2Aの入力ボックス12aにC(−1)の数値「−0.03」、入力ボックス12bにC(0)の数値「0.87」、入力ボックスル12cにC(1)の数値「−0.10」をそれぞれ入力する。
【0059】
次に、設定値算出部5は、設定画面2Aでアイ振幅とアイ振幅に対する比が設定入力されると、情報記憶部3に記憶された計算式により、各タップ毎のアイ振幅に対する比の出力振幅の振幅量C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Ampを算出する。そして、算出した出力振幅の振幅量C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Ampを、
図6の切替回路13の各セレクタP1,P2,P3,P4に対応して振幅電圧(VEE1,VEE2,VEE3,VEE4)に振り分け、この振り分けた振幅電圧(VEE1,VEE2,VEE3,VEE4)を設定値として出力する。
【0060】
そして、エンファシス波形付加部8は、設定値算出部5が算出した設定値に基づき、エンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を試験用信号(エンファシス付加前の元信号)に付加して出力する。
【0061】
また、
図3の設定画面2Bが表示された状態では、上述したアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比の設定を行うと、設定値算出部5が情報記憶部3に記憶された計算式から操作表示部2にモニタ表示するための各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd(Vp−p)と各カーソル13:Post1,Post2,Pre1のdB値を算出する。
【0062】
そして、設定値算出部5が算出した各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd(Vp−p)と各カーソル13:Post1,Post2,Pre1のdB値は、設定画面3Bのモニタ表示エリア14(14a〜14h)の該当箇所に表示される。
【0063】
さらに、
図4の設定画面2Cが表示された状態では、操作表示部2の操作入力により、アイ振幅に対する比のステップ数:Coefficient stepと、ステップ数による状態(「増加」、「減少」、「保持」の3状態)を設定することができる。そして、アイ振幅に対する比のステップ数は、操作表示部2を操作し、規格書で規定された範囲内の所望の数値を入力ボックス12fに操作入力することにより指定する。また、指定されたステップ数よる状態は、入力ボックス12g,12h,12i,12jに対し、プルダウンメニュー表示される「増加」、「減少」、「保持」の3つの状態から何れか1つの状態を選択する。
【0064】
以上の操作によりステップ数及びステップ数による状態を決定し、実行キー「Set」15を押下すると、ステップ数及びステップ数による状態が設定として反映される。これにより、設定値算出部5は、情報記憶部3に記憶された計算式により、上述設定を反映させて各タップ毎のアイ振幅に対する比の振幅値:C(−1)Amp,C(0)Amp,C(1)Amp,C(2)Amp、各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd(Vp−p)、各カーソル13:Post1,Post2,Pre1のdB値を算出する。そして、エンファシス波形付加部6は、設定値算出部5が算出した設定値に基づき、エンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を試験用信号(エンファシス付加前の元信号)に付加して出力する。
【0065】
このように、本例のエンファシス付加装置及び方法では、エンファシス波形イメージ11におけるアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比を設定すると、この設定に基づいて各タップの出力振幅を算出し、算出した出力振幅に基づくエンファシス波形を生成して試験用信号に付加する。これにより、ユーザは規格書に記載されているアイ振幅と各タップ毎のアイ振幅に対する比の値を設定画面2A,2B,2Cの入力ボックス12(12a〜12e)に数値入力するだけで規格書に記載された値に基づく所望のエンファシス波形を生成して試験用信号に付加することができ、煩雑な操作を行う必要がなく、面倒な計算による手間も省け、設定ミスを低減してユーザビリティの向上を図ることができる。
【0066】
また、全てのタップのアイ振幅に対する比に関して、ステップ数を指定し、指定されたステップ数による状態として、各タップ毎に増加、減少、保持の何れかを選択して設定することにより、一回の操作で全てのタップの値を一括して設定することができ、規格書で規定されている操作を誰でも容易に実施することができる。
【0067】
以上、本発明に係るエンファシス付加装置及びエンファシス付加方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。