(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶装置と、を有し、前記プロセッサが、製品の不具合に関する記述データである不具合報告書群を記憶する不具合報告書データベースにアクセス可能な検索装置であって、
前記プロセッサは、
前記不具合報告書データベース内の未取得の不具合報告書を取得する取得処理と、
前記取得処理によって取得された不具合報告書から不具合部品の組み合わせ情報を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された不具合部品の組み合わせ情報を第1のリストに登録する登録処理と、
製品の規格に関する記述データである製造規格書に入力された複数の部品の組み合わせ情報を、前記第1のリストから検索する検索処理と、
前記検索処理による検索結果を出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする検索装置。
前記検出処理では、前記プロセッサは、前記不具合部品の組み合わせ情報のうち交換対象となる特定の不具合部品と、前記特定の不具合部品に対する代替部品と、の組み合わせ情報を検出し、
前記登録処理では、前記プロセッサは、前記特定の不具合部品と前記代替部品との組み合わせ情報を第2のリストに登録し、
前記検索処理では、前記プロセッサは、前記特定の不具合部品を含む前記複数の部品組み合わせ情報が前記第1のリストから検索された場合に、前記特定の不具合部品に対応する前記代替部品を示す情報を前記第2のリストから検索し、
前記出力処理では、前記プロセッサは、前記検索処理によって検索された前記代替部品を示す情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
プログラムを実行するプロセッサと、前記プログラムを記憶する記憶装置と、を有し、前記プロセッサが、製品の不具合に関する記述データである不具合報告書群を記憶する不具合報告書データベースにアクセス可能な検索装置の検索方法であって、
前記プロセッサは、
前記不具合報告書データベース内の未取得の不具合報告書を取得する取得処理と、
前記取得処理によって取得された不具合報告書から不具合部品の組み合わせ情報を検出する検出処理と、
前記検出処理によって検出された不具合部品の組み合わせ情報を第1のリストに登録する登録処理と、
製品の規格に関する記述データである製造規格書に入力された複数の部品の組み合わせ情報を、前記第1のリストから検索する検索処理と、
前記検索処理による検索結果を出力する出力処理と、
を実行することを特徴とする検索方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<システム構成例>
図1は、本実施例にかかる検索システムのシステム構成例を示す説明図である。検索システム100は、検索装置101と、DB(Database)群102と、端末103とを有する。検索装置101、DB群102、および端末103は、インターネットやLAN(Local Area Network),WAN(Wide Area Network)などのネットワーク104に通信可能に接続される。
【0011】
検索装置101は、検索処理を実行したり、検索結果を制御する処理を実行するコンピュータである。DB群102は、不具合報告書DBと、製造規格書DBと、設計変更連絡書DBと、ブラックリストと、ホワイトリストと、利用者情報DBと、製品情報DBと、を含む。不具合報告書DB、製造規格書DB、設計変更連絡書DB、ブラックリスト、ホワイトリスト、利用者情報DB、および製品情報DBの少なくとも1つは、検索装置101に内蔵されていてもよい。
【0012】
不具合報告書DBは、製品の不具合に関する記述データである不具合報告書群を記憶するデータベースである。不具合報告書群は、検索装置101の検索処理による検索対象となる。不具合報告書の具体例については、
図3で後述する。
【0013】
製造規格書DBは、製品を製造する場合の規格に関する記述データである製造規格書群を記憶するデータベースである。製造規格書は、端末により作成され、製造規格書DBに登録される。製造規格書には、製造対象となる製品を構成するモジュールを示す情報や、モジュールを構成する部品を示す情報が記述される。なお、本実施例では、モジュールの構成単位を「部品」として説明するが、部材、色材、素材もモジュールの構成単位である部品に含まれるものとする。
【0014】
設計変更連絡書DBは、設計変更連絡書群を格納するデータベースである。設計変更連絡書は、端末により作成され、設計変更連絡書DBに登録される。設計変更連絡書は、製品の設計内容の一部変更を連絡するための記述データである。設計変更連絡書には、変更対象となる製品またはモジュールを示す情報と、変更元となる部品を示す情報と、変更後の部品を示す情報と、が含まれる。また、当該設計変更連絡書の作成担当者の氏名や社員情報も含まれてもよい。
【0015】
ブラックリストは、不具合部品の組み合わせ情報を記憶するテーブルである。不具合部品の組み合わせ情報は、不具合報告書から得られる。
【0016】
ホワイトリストは、交換対象部品とその代替部品との組み合わせ情報を記憶するテーブルである。交換対象部品とその代替部品との組み合わせ情報は、不具合報告書または設計変更連絡書から得られる。
【0017】
利用者情報DBは、端末103を操作して検索要求する利用者の利用者情報を記憶するデータベースである。具体的には、たとえば、利用者情報は、利用者IDと、利用者の個人情報(氏名、性別、生年月日など)を含む。
【0018】
製品情報DBは、製品に関する情報(製品情報)を記憶するデータベースである。具体的には、たとえば、製品情報は、製品を特定する情報(製品名や製品番号など)、製品の製造数、製品を構成するモジュール、当該モジュールを構成する部品、製品、モジュールおよび部品の単価を含む。
【0019】
端末103は、検索条件を入力して検索要求として検索装置101に送信し、検索装置101から検索結果を受信して表示するコンピュータである。なお、端末103を介さずに、検索装置101が、検索条件の入力や検索結果の表示を実行してもよい。
【0020】
<コンピュータのハードウェア構成例>
図2は、
図1に示したコンピュータ(検索装置101および端末103)のハードウェア構成例を示すブロック図である。コンピュータ200は、プロセッサ201と、記憶装置202と、入力装置203と、出力装置204と、通信インターフェース(通信IF205)と、を有する。プロセッサ201、記憶装置202、入力装置203、出力装置204、および通信IF205は、バスにより接続される。プロセッサ201は、コンピュータ200を制御する。記憶装置202は、プロセッサ201の作業エリアとなる。また、記憶装置202は、各種プログラムやデータを記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。記憶装置202としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。入力装置203は、データを入力する。入力装置203としては、たとえば、キーボード、マウス、タッチパネル、テンキー、スキャナがある。出力装置204は、データを出力する。出力装置204としては、たとえば、ディスプレイ、プリンタがある。通信IF205は、ネットワーク104と接続し、データを送受信する。
【0021】
<DBの記憶内容例>
不具合報告書DBに格納される不具合報告書は、マトリクス状のセル群である表データ(スプレッドシート)に、製品の不具合に関する記述データが記述された不具合報告書である。なお、不具合報告書の形式は、表データに限らず、テキストファイルやHTML(HyperText Markup Language)ファイルでもよい。不具合報告書に含まれる内容は、製品名とその不具合内容、不具合原因とその対策、発生日などの日付、製品を構成する部品や素材名、数量、顧客名、製造数、生産工場や製造ライン、加工機械の種類、関係者の名前、などであり、発生した不具合の再発防止時を抑止するための項目である。
【0022】
図3は、不具合報告書DBに格納される不具合報告書の一例を示す説明図である。不具合報告書FR1は、品番「XT1500」、製品名「○○」である製品に関する不具合報告書の一例である。なお、不具合報告書中、「P11」および「P13」は、不具合が発生した製品を構成する部品名(部材名や品番でもよい)である。
【0023】
図4は、ブラックリストのデータ構造例を示す説明図である。ブラックリスト400は、番号フィールド401と、複数の不具合部品フィールド402−1〜402−nと、不具合情報フィールド403と、を有し、各フィールド401〜403の値により、複数の不具合部品の組み合わせ情報となるエントリを構成する。なお、複数の不具合部品フィールド402−1〜402−nは、4フィールドには限定されず、2フィールド以上であればよい。
【0024】
番号フィールド401には、エントリに固有の番号が格納される。当該番号により、複数の不具合部品の組み合わせ情報が一意に特定される。
【0025】
複数の不具合部品フィールド402−1〜402−nの各々には、不具合部品を示す情報(部品名、部品番号など)が格納される。
【0026】
不具合情報フィールド403には、不具合情報が格納される。不具合情報は、不具合原因フィールド431と、発生日フィールド432と、を有する。不具合原因フィールド431には、「動作不良」などの不具合原因が格納される。発生日フィールド432には、不具合原因が発生した発生日が格納される。不具合部品を示す情報、不具合原因、および発生日は、たとえば、不具合報告書から取得される。不具合報告書が取得される都度、発生日が追加される。たとえば、番号1のエントリは、部品P1(第1不具合部品)と部品P2(第2不具合部品)とを組み合わせた場合に、2013年9月11日と2013年12月17日に動作不良が発生したことを示す。
【0027】
図5は、ホワイトリストのデータ構造例を示す説明図である。ホワイトリスト500は、番号フィールド501と、対象部品フィールド502と、代替部品フィールド503と、文書IDフィールド504と、利用者IDフィールド505と、を有し、各フィールド501〜505の値により、対象部品と代替部品との組み合わせ情報となるエントリを構成する。
【0028】
番号フィールド501には、エントリに固有の番号が格納される。当該番号により、対象部品と代替部品との組み合わせ情報が一意に特定される。
【0029】
対象部品フィールド502には、対象部品を示す情報が格納される。対象部品とは、交換元となる部品であり、たとえば、不具合報告書から取得される場合は、不具合発生源となる不具合部品である。また、設計変更連絡書から取得される場合は、交換対象となる部品である。
【0030】
代替部品フィールド503には、対象部品に対する代替部品を示す情報が格納される。文書IDフィールドには、文書IDが格納される。文書IDは、不具合報告書または設計変更連絡書を一意に特定する識別情報である。利用者IDフィールド504には、利用者IDが格納される。利用者IDは、利用者を一意に特定する識別情報である。ここで格納される利用者IDは、文書IDで特定される文書に記述された作成担当者の利用者IDである。番号1のエントリは、利用者ID=U1の利用者が作成した文書ID=D1の文書に、交換対象部品P10と代替部品P20が記述されていることを示す。
【0031】
図6は、利用者情報DBのデータ構造例を示す説明図である。利用者情報DB600は、利用者IDフィールド601と、個人情報フィールド602と、を有し、各フィールド601,602の値により利用者を特定する。
【0032】
利用者IDフィールド601には、利用者IDが格納される。利用者IDは、利用者を一意に特定する識別情報である。個人情報フィールド602には、利用者IDで特定される利用者の個人情報(氏名、住所など)が格納される。
【0033】
図7は、製品情報DBのデータ構造例を示す説明図である。製品情報DB700は、製品IDフィールド701と、モジュールIDフィールド702と、構成部品IDフィールド703と、を有し、各フィールド701〜703の値により、製品情報であるエントリを構成する。製品情報DB700は、たとえば、BOM(Bill Of Materials)である。
【0034】
製品IDフィールド701には、製品IDが格納される。製品IDは、製品を一意に特定する識別情報である。モジュールIDフィールド702には、モジュールIDが格納される。モジュールIDは、製品IDで特定される製品を構成するモジュールを一意に特定する識別情報である。構成部品IDフィールド703には、構成部品IDが格納される。構成部品IDは、モジュールIDで特定されるモジュールを構成する部品を一意に特定する識別情報である。
【0035】
<表示画面例>
図8は、端末103における表示画面例を示す説明図である。表示画面800は、第1ペイン801と第2ペイン802と検索ボタンとを有する。第1ペイン801には、製造規格書が表示される。製造規格書には、検索キーワードの入力欄があればよい。本例では、部材名フィールドが検索キーワードの入力欄となる。
図8では、2個のモジュールMA,MBについて表示されているため、モジュールMAについては部材名であるP11〜P14のうち1個以上の組み合わせのAND検索が実行される。すなわち、検索ボタンの押下により、モジュールMAについては、15通りの検索が実行される。また、モジュールMBについては部材名P21〜P25のうち1個以上の組み合わせのAND検索が実行される。すなわち、検索ボタンの押下により、モジュールMBについては、31通りの検索が実行される。
【0036】
第2ペイン802には、検索ボタン803の押下により、検索結果であるランキング結果が表示される。
図8の例では、部材P11と部材P13の組み合わせに関連する不具合報告書がランキング表示される。利用者は、カーソル804を操作してリンク805を指定することで、不具合報告書FR1を不具合報告書DBから取得することができる。
【0037】
図9は、
図8において取得した不具合報告書の表示例を示す説明図である。表示画面900には、
図8で指定した不具合報告書FR1と、が表示される。
【0038】
<検索装置101の機能的構成例>
図10は、検索装置101の機能的構成例を示すブロック図である。検索装置101は、取得部1001と、検出部1002と、登録部1003と、検索部1004と、出力部1005と、検知部1006と、を有する。取得部1001、検出部1002、登録部1003、検索部1004、出力部1005、および検知部1006は、具体的には、たとえば、
図2に示した記憶装置202に記憶されたプログラムをプロセッサ201に実行させることにより、その機能を実現する。また、検索装置101は、ブラックリスト400と、ホワイトリスト500と、製品情報DB700と、不具合報告書DB1010と、設計変更連絡書DB1020と、製造規格書DB1030と、を有する。これらは、具体的には、たとえば、
図2に示した記憶装置202によりその機能を実現する。
【0039】
取得部1001は、文書を取得する処理を実行する。具体的には、取得部1001は、不具合報告書DB1010内の未取得の不具合報告書を取得する。具体的には、たとえば、取得部1001は、所定のタイミングで不具合報告書DB1010にアクセスし、未取得の不具合報告書を取得する。また、取得部1001は、設計変更連絡書DB1020内の未取得の設計変更連絡書を取得してもよい。
【0040】
取得後は、取得部1001は、取得した不具合報告書や設計変更連絡書について取得済みを示すフラグを付与する。不具合報告書DB1010および設計変更連絡書DB1020には、不具合報告書および設計変更連絡書が随時登録されるため、一定のタイミングで取得部1001がこれらDB1010,1020を監視することで、未取得の不具合報告書および設計変更連絡書を取得することができる。
【0041】
検出部1002は、部品の組み合わせ情報を検出する処理を実行する。具体的には、検出部1002は、取得部1001によって取得された不具合報告書から不具合部品の組み合わせ情報を検出する。具体的には、たとえば、不具合報告書が表データである場合、不具合部品の組み合わせ情報を記述した項目から不具合部品の組み合わせ情報を検出する。また、不具合報告書がテキストデータである場合、検出部1002は、図示しない部品表テーブルから部品を示す情報を検出する。また、単に部品を示す情報を検出するのではなく、複数の部品を示す情報と不具合を示すキーワード(動作不良など)との間の文字数が所定数以内の場合に、検出部1002は、当該複数の部品を示す情報を不具合部品の組み合わせ情報として検出してもよい。
【0042】
また、検出部1002は、不具合部品の組み合わせ情報のうち交換対象となる特定の不具合部品と、特定の不具合部品に対する代替部品と、の組み合わせ情報を、不具合報告書から検出してもよい。具体的には、たとえば、不具合報告書が表データである場合特定の不具合部品と、特定の不具合部品に対する代替部品と、の組み合わせ情報を記述した項目から特定の不具合部品と、特定の不具合部品に対する代替部品と、の組み合わせ情報を検出する。また、不具合報告書がテキストデータである場合、検出部1002は、製品情報DB700や図示しない部品表テーブルから部品を示す情報を検出する。
【0043】
また、複数の部品を示す情報と不具合を示すキーワード(動作不良など)との間の文字数が所定数以内の場合で、かつ、ある部品を示す情報と不具合を示すキーワード(動作不良など)との間の文字数が所定数より大きい場合に、検出部1002は、当該ある部品を示す情報を、代替部品を示す情報として検出してもよい。
【0044】
また、検出部1002は、取得部1001によって取得された設計変更連絡書から、交換対象部品と交換対象部品と交換する代替部品と、の組み合わせ情報を検出してもよい。
【0045】
登録部1003は、検出部1002によって検出された組み合わせ情報を各種るリストに登録する処理を実行する。具体的には、登録部1003は、検出部1002によって検出された不具合部品の組み合わせ情報をブラックリスト400に登録する。また、登録部1003は、特定の不具合部品と代替部品との組み合わせ情報をホワイトリスト500に登録する。また、登録部1003は、交換対象部品と代替部品との組み合わせ情報をホワイトリスト500に登録する。また、登録部1003は、設計変更連絡書に記述されている作成者IDを、交換対象部品と代替部品との組み合わせ情報とともにホワイトリスト500に登録してもよい。また、設計変更連絡書に作成者IDではなく作成者名が記述されている場合には、登録部1003は、利用者情報DB600から作成者名(個人情報に該当)に対応する作成者IDを読み出して、ホワイトリスト500に登録すればよい。
【0046】
検索部1004は、各種リスト内のエントリを検索する処理を実行する。具体的には、検索部1004は、端末103において製造規格書に入力された複数の部品を示す情報を、ブラックリスト400から検索する。また、検索部1004は、不具合部品の組み合わせ情報のうち交換対象となる特定の不具合部品を含む複数の部品を示す情報がブラックリスト400から検索された場合に、特定の不具合部品に対応する代替部品を示す情報をホワイトリスト500から検索する。
【0047】
また、検索部1004は、交換対象部品を含む複数の部品を示す情報がブラックリスト400から検索された場合に、交換対象部品に対応する代替部品を示す情報をホワイトリスト500から検索してもよい。また、検索部1004は、ブラックリスト400に登録されている組み合わせ情報群の中のいずれかの組み合わせ情報を含む製品情報を、製品情報DB700から検索してもよい。また、検索部1004は、ブラックリスト400に登録されている組み合わせ情報群の中のいずれかの組み合わせ情報を含む製品情報を、製造規格書群を記憶する製造規格書DB1030から検索してもよい。
【0048】
なお、検索部1004は、端末103において製造規格書に入力された複数の部品を示す情報を、ブラックリスト400から検索する場合、複数の部品を示す情報に一致するエントリをブラックリスト400から検索する例について説明したが、複数の部品を示す情報にさらに他の部品を示す情報を含むエントリをブラックリスト400から検索してもよい。いずれの場合でも、検索部1004は、検索されたエントリを出力部1005を介して端末103に送信してもよい。送信されたエントリは、端末103に表示される。
【0049】
複数の部品を示す情報に一致するエントリが端末103に送信された場合、端末103のユーザは、入力した複数の部品の組み合わせでは不具合が発生することを確認することができる。また、他の部品を示す情報を含むエントリが端末103に送信された場合、端末103のユーザは、他の部品を選択すると不具合が発生することを未然に確認することができる。したがって、他の部品の選択を回避することができる。また、当該検索のタイミングは、複数の部品を示す情報が入力されたあと、端末103において所定の検索ボタンが押下されたタイミングで検索部1004が実行してもよい。また、複数の部品を示す情報の入力完了時点で、検索部1004が実行してもよい。この場合、端末103は、最後の部品を示す情報の入力完了を、スペースやエンターキーの入力で検出して、複数の部品を示す情報を検索装置101に送信する。検索部1004は、受信した複数の部品を示す情報を用いてブラックリスト400からエントリを検索することになる。
【0050】
また、出力部1005は、検索部1004による検索結果を出力する処理を実行する。具体的には、出力部1005は、ブラックリスト400から検索された組み合わせ情報や、ホワイトリスト500から検索された代替部品を示す情報を出力する。また、出力部1005は、代替部品を示す情報に対応する作成者IDも出力してもよい。
【0051】
また、出力部1005は、製品情報DB700から製品情報が検索された場合には、当該製品情報を出力してもよく、製造規格書DB1030から製造規格書が検索された場合には、当該製造規格書を出力してもよい。なお、出力部1005による出力先は、出力装置204(ディスプレイやプリンタ)でもよく、記憶装置202でもよい。また、出力部1005は、通信IF205を介して端末103に送信してもよい。
【0052】
検知部1006は、不具合の予兆を検知する処理を実行する。具体的には、検知部1006は、ブラックリスト400に登録されている組み合わせ情報ごとの出現数の上昇傾向に基づいて、ブラックリスト400から特定の組み合わせ情報を検知する。たとえば、直近の所定期間(たとえば、3か月)において、検知部1006は、ブラックリスト400の各エントリにおける発生日の個数を計数する。そして、検知部1006は、計数した発生日の個数が最大またはしきい値より多い組み合わせ情報を検知する。
【0053】
この場合、検索部1004は、製品情報DB700にアクセスして、検知部1006によって予兆検知された特定の組み合わせ情報を含む製品情報を検索する。ブラックリスト400に挙げられた特定の組み合わせ情報は、ある製品を構成する組み合わせを示しているため、特定の組み合わせ情報を製品情報DB700から検索することで、他の製品の製品情報を逆探知することができる。
【0054】
また、この場合、検索部1004は、逆探知の検索結果をリスクの高い順に並び替えることとしてもよい。たとえば、製品情報DB700または製造規格書DB1020において、製品ごとに製品単価(原価でもよく販売価格でも利益額でもよい)や製造数が格納されているものとする。この場合、検索部1004は、逆探知した製品情報の各々の製品単価や製造数を製品情報DB700または製造規格書DB1020から検索する。そして、検索部1004は、たとえば、製造数の多い順に逆探知の検索結果をソートする。また、検索部1004は、製造単価の高い順に逆探知の検索結果をソートしてもよい。また、検索部1004は、製造単価に製造数を乗じた金額の高い順にソートしてもよい。ソート後の逆探知の検索結果は、出力部1005から出力される。
【0055】
<検索処理手順>
図11は、検索装置101による検索処理手順例を示すフローチャートである。まず、検索装置101は、リスト登録処理を実行する(ステップS1101)。リスト登録処理(ステップS1101)の詳細については後述する。
【0056】
リスト登録処理(ステップS1101)のあと、検索装置101は、取得部1001により、複数の部品の組み合わせ情報を取得する(ステップS1102)。たとえば、検索装置101は、不具合報告書DB1010に記憶されている不具合報告書群のうち未取得の不具合報告書に記述された複数の不具合部品の組み合わせ情報を取得する。また、検索装置101は、取得部1001により、製造規格書DB1030に記憶されている製造規格書群のうち、未取得の製造規格書から複数の不具合部品の組み合わせ情報を取得してもよい。また、検索装置101は、端末103が製造規格書に現在入力している複数の部品の組み合わせ情報を、端末103から取得してもよい。
【0057】
検索装置101は、検索部1004により、複数の部品の組み合わせ情報を用いて、ブラックリスト400を検索する(ステップS1103)。該当する組み合わせ情報がある場合(ステップS1104:Yes)、検索装置101は、出力部1005により、該当する組み合わせ情報を検索結果として出力する(ステップS1105)。一方、該当する組み合わせ情報がない場合(ステップS1104:No)、検索装置101は、出力部1005により、該当する組み合わせ情報なしとする検索結果を出力する(ステップS1106)。これにより、検索処理を終了する。
【0058】
図12は、
図11に示したリスト登録処理(ステップS1101)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。まず、検索装置101は、リスト登録処理(ステップS1101)の実行タイミングを待ち受ける(ステップS1201:No)。
【0059】
つぎに、検索装置101は、実行タイミングになった場合(ステップS1201:Yes)、不具合報告書DB1010に未取得の不具合報告書があるか否かを判断する(ステップS1202)。未取得の不具合報告書がある場合(ステップS1202:Yes)、検索装置101は、未取得の不具合報告書を取得し(ステップS1204)、不具合部品の組み合わせ情報を、取得した不具合報告書から検出する(ステップS1204)。そして、検索装置101は、検出した不具合部品の組み合わせ情報を、ブラックリスト400に登録する(ステップS1205)。
【0060】
また、検索装置101は、不具合部品と代替部品との組み合わせ情報を、取得した不具合報告書から検出し(ステップS1206)、検出できた場合には、ホワイトリスト500に登録して(ステップS1207)、リスト登録処理(ステップS1101)を終了する。
【0061】
また、ステップS1202において、未取得の不具合報告書がない場合(ステップS1202:No)、検索装置101は、未取得の設計変更連絡書が設計変更連絡書DB1020にあるか否かを判断する(ステップS1208)。未取得の設計変更連絡書がない場合(ステップS1208:No)、リスト登録処理(ステップS1101)を終了する。一方、未取得の設計変更連絡書がある場合(ステップS1208:Yes)、検索装置101は、未取得の設計変更連絡書を取得する(ステップS1209)。そして、検索装置101は、対象部品と代替部品の組み合わせ情報を、取得した設計変更連絡書から検出し(ステップS1210)、検出できた場合には、ホワイトリスト500に登録して(ステップS1207)、リスト登録処理(ステップS1101)を終了する。
【0062】
図13は、ブラックリスト400から不具合部品の組み合わせ情報を含む製品情報を逆探知する逆探知処理手順例1を示すフローチャートである。まず、検索装置101は、ブラックリスト400の任意のエントリを指定する(ステップS1303)。当該指定は、検索装置101の入力装置から管理者の操作により実行されてもよく、端末103のユーザの操作により端末103から実行されてもよい。
【0063】
つぎに、検索装置101は、指定したエントリをキーにして、製造情報DBを検索する(ステップS1302)。そして、検索装置101は、該当するモジュールがあるか否かを判断する(ステップS1303)。該当するモジュールがある場合(ステップS1303:Yes)、検索装置101は、該当するモジュールを含む製品情報を検索結果として出力する(ステップS1304)。これにより、逆探知処理を終了する。一方、ステップS1303において、該当するモジュールがない場合(ステップS1303:No)、検索装置101は、該当するモジュールなしとする検索結果を出力する(ステップS1305)。これにより、逆探知処理を終了する。
【0064】
図14は、ブラックリスト400から不具合部品の組み合わせ情報を含む製品情報を逆探知する逆探知処理手順例2を示すフローチャートである。
図13に示した逆探知処理手順例1では、ブラックリスト400の任意のエントリを人為的に指定した場合を例に挙げて説明した。これに対し、
図14の逆探知処理例2は、自動的に次回発生しうる不具合発生の予兆を検知することでブラックリスト400から不具合部品の組み合わせ情報を含む製品情報を逆探知する例である。
【0065】
まず、検索装置101は、逆探知の実行タイミングを待ち受け(ステップS1401:No)、実行タイミングである場合(ステップS1401:Yes)予兆検知処理を実行する(ステップS1402)。そして、検索装置101は、予兆検知処理(ステップS1402)で予兆検知されたブラックリスト400のエントリをキーにして製品情報DB700を検索する(ステップS1403)。
【0066】
そして、検索装置101は、該当するモジュールがあるか否かを判断する(ステップS1404)。該当するモジュールがある場合(ステップS1404:Yes)、検索装置101は、該当するモジュールを含む製品情報を検索結果として出力する(ステップS1405)。これにより、逆探知処理を終了する。一方、ステップS1404において、該当するモジュールがない場合(ステップS1404:No)、検索装置101は、該当するモジュールなしとする検索結果を出力する(ステップS1406)。これにより、逆探知処理を終了する。
【0067】
なお、
図13および
図14では、検索先を製品情報DB700としたが、製造規格書DB1030でもよい。
【0068】
このように、本実施例によれば、不具合報告書が追加される不具合報告書DB1010を監視してブラックリスト400やホワイトリスト500を更新することで、不具合を発生させる組み合わせや代替可能な組み合わせを最新の状態にすることができる。したがって、たとえば、端末103を用いて製造規格書を作成する場合に、端末103から入力された部品の組み合わせ情報が、ブラックリスト400に登録されている組み合わせに該当するか否かを確認することができる。したがって、不具合部品の組み合わせを用いた製造規格書の作成を抑制することができ、ひいては、製造の手戻りを抑制することができる。
【0069】
また、同様に、端末103から入力された部品を示す情報が、ホワイトリスト500に登録されている代替部品で代用できるかを確認することができる。したがって、交換対象を用いた製造規格書の作成を抑制することができ、ひいては、製造の手戻りを抑制することができる。
【0070】
また、ホワイトリスト500の各エントリに設計変更連絡書の作成者情報を付与しておくことで、端末103から当該作成者情報を参照することができる。したがって、ユーザは、設計変更連絡書の作成者に設計変更の理由などを確認することができる。
【0071】
また、ブラックリスト400から検知された特定の不具合部品の組み合わせ情報を用いて製品情報DB700を検索することにより、特定の不具合部品の組み合わせ情報がブラックリスト400に登録された製造規格書の製品とは異なる他の製品の製品情報を逆探知することができる。したがって、製造済みの他の製品に潜んでいる不具合を特定することができ、当該他の製品において不具合による障害が発生する前に対策をとることができる。このように、本実施例によれば、製造の手戻り発生を未然に抑制することができる。
【0072】
以上、本発明を添付の図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこのような具体的構成に限定されるものではなく、添付した請求の範囲の趣旨内における様々な変更及び同等の構成を含むものである。