【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明者は、まず、基本的な方針として、本発明者による特許文献7〜10に記載の技術の方針を踏襲することにした。即ち、O
2−/P
5+比を従来(3.0)よりも高くして、まずは副生成物の揮発を抑えるという方針を採用した。こうすることにより、上述のように、予めOによりP−O−P鎖を切断してPOF
3の発生を抑制することができる。また、P−O−P鎖は、フツリン酸ガラスを製造する際の雰囲気に含まれる水分子により切断される可能性もあることから、予め、ある程度P−O−P鎖を切断しておくことにより、耐候性を向上させることもできると推察される。
【0019】
その一方、O
2−/P
5+比を従来よりも高くする場合、フツリン酸ガラスでのO
2−及びF
−合計含有量に対するF
−含有量のモル比を高める必要がある。なぜなら、O
2−/P
5+比を高くすることにより、P−O−P鎖がOにより切断されるためガラス形成能が低下し著しく結晶化しやすいガラスとなる。そこで、ガラス内にて、上記のF
−含有量のモル比を高めることにより、ピロリン酸構造間にFを介在させ、P−O−P鎖が切断された構造同士をつなぎとめることができる。こうすることにより、フツリン酸系ガラスは実用に用いることができる。
【0020】
以降、説明の便宜上、フツリン酸ガラス内での酸素(O
2−と記す。)及びフッ素(F
−と記す。)の合計含有量(O
2−+F
−)に対するF
−含有量のモル比(F
−/(O
2−+F
−))を「F
−比」と言い、原料中に含まれる酸素(Oと記す。)及びフッ素(Fと記す。)合計含有量(O+F)に対するF含有量のモル比(F/(O+F))を「原料F比」とも言う。但し、後で詳述するが、本発明においては揮発性物質が実質的に発生しない手法を採用している。そのため、上記の原料F比は、製品ガラス内でのF
−比と実質的に同一となる。
【0021】
話を元に戻すと、O
2−/P
5+比を高くすることにより、ガラス内のP−O−P鎖は、ピロリン酸構造(即ちP
2O
7)をとるものが多くなる。そうなると、ガラス内の他の金属(Li等)とピロリン酸構造とが結合してしまい、結晶を形成する可能性もある。ガラス内に結晶が発生すると、光学特性を著しく低下させる結果となってしまう。この対策として、ガラス内にてF
−比を高めることにより、ピロリン酸構造間にFを介在させる。こうすることにより、前記結晶の形成を抑制することができる。
【0022】
ここで、特許文献2〜6における実施例のうちO
2−/P
5+比が3.0を超えた数値且つ3.5未満であるものを選択し、O
2−/P
5+比とF
−比について一覧表にしたものを、
図1に示す。
図1に示す通り、O
2−/P
5+比を従来よりも高くする場合、充分な耐候性を備えることを目指すのならば、F
−比は通常、どれだけ少なくとも0.30弱以上とするのが当業者の常識であった。
【0023】
なお、特許文献12には、O
2−/P
5+比を3.4以上とし、F
−比を0.05以上とすることが記載されているが、近赤外光領域(1200nm)におけるλ50=615nmのときの分光透過率(以降、単に「透過率」とも言う。)の低減は、23%程度にとどまっている(特許文献12の実施例(表1の下表)参照)。この原因としては、可視光領域(615nm)においても一定の光の吸収が行われている→λ50=615nmとなるガラス厚は薄くて済んでしまう→ガラス厚が薄くなることから近赤外光の吸収を十二分には行えない、という因果関係があることが考えられる。
【0024】
上記の状況を踏まえながら、本発明者は上記の課題について検討した。その結果、本発明に至るまでに、大きく分けて以下の3つの知見が得られた。
[知見1]Cu
2+を含有するフツリン酸ガラスに対し吸収スペクトル(横軸:波数(K(カイザー=cm
−1)))を分析すると、近赤外波長〜可視光波長までに1つのピークを有している。しかしながら、この1つのピークは、赤外光側ピークと可視光側ピークとの2つのピークに分離することができる。そして、可視光側ピークの強度は、O
2−/P
5+比によって影響を受ける。
[知見2]最終的なガラス組成が所定のO
2−/P
5+比を有するように所定の分量の原料を配合したとしても、原料F比が高い場合(又は熔融温度が高い場合)だと、少なくとも原料段階でO
2−/P
5+比を3.0付近に設定した場合、副生成物が揮発することにより、原料段階からガラス製造後段階に至るまでに、実際にはO
2−/P
5+比が変化している。つまり、製品ガラスにおけるO
2−/P
5+比は、原料F比(又は熔融温度)によって影響を受ける。
[知見3][知見2]において原料段階からガラス製造後段階に至るまでに変化するO
2−/P
5+比は、約3.3である。この3.3という数値は、トリポリリン酸構造(即ちP
3O
10)を示している。
以下、各知見について詳述しつつ、本願発明に至った経緯を筋道立てて説明する。
【0025】
まず、[知見1]についてであるが、Cu
2+を含有するフツリン酸ガラスに対し吸収スペクトルを分析した結果について、
図2に示す。そして、この
図2における吸収ピークは、本来Cu
2+が吸収せんとする赤外光側ピーク(小)と、赤外光側ピークよりも短波長側(即ち高波数側)に位置する可視光側ピーク(大)とに分けることができる。その結果を
図3に示す。なお、この
図3(a)においては、O
2−/P
5+比を3.5とし、
図3(b)においては、O
2−/P
5+比を3.18としている。
【0026】
図3を見ると、実測スペクトルにおける吸収ピーク(◇付き実線)は、本来Cu
2+が吸収せんとする赤外光側ピーク(破線)と、赤外光側ピークよりも短波長側に位置する可視光側ピーク(実線)とに分けられている。それに加え、
図3(a)と(b)とを比較した際、O
2−/P
5+比が低い方(つまり
図3(b)の方)が、可視光側ピークの強度が低くなっていることが分かる。なお、赤外光側ピークの幅及び強度については両者で差異はほとんどなく、可視光側ピークの幅については両者で差異はほとんどなかった。また、ピーク位置についても両者にはほとんど差異はなかった。
なお、最終的に求められる分光透過率には、表面反射による損失が含まれる。この損失を考慮に入れるべく、表面反射による損失(点線)も、吸光度において考慮に入れている。ただ、
図3においては、一般に屈折率の変化による反射率の変化量は小さいことから、波長によらず反射率を一定として計算している。
なお、製品ガラスに対して実測したスペクトル(◇付き実線)は、これを2つに分けた正規分布スペクトル(即ち赤外光側ピークと可視光側ピーク)を重ね合わせつつ表面反射による損失を合成したスペクトル(長破線)と、ほぼ一致している。
【0027】
ここで、O
2−/P
5+比が高い方のガラス(
図3(a))、そしてO
2−/P
5+比が低い方のガラス(
図3(b))の結果を考慮して、一定の厚さ及び一定の近赤外光吸収能(具体的には波長1200nm(約8300K)のときの透過率が10%)を有する板状ガラスを製造する場合を考える。つまり、必要となる板状ガラスを得るためには、板状ガラスが近赤外光領域における透過率10%を達成できるよう、吸収スペクトルにおける赤外光側ピークの強度を高めるべく、Cu
2+を更に原料段階で加える必要がある。
【0028】
このようにCu
2+を更に加えた場合のフツリン酸ガラスに対し吸収スペクトルを予測した結果について、
図4に示す。そして、
図4に基づいて、板状ガラスにおける光の透過率について予測した結果を、
図5に示す。なお、
図4(a)及び
図5(a)は、
図3(a)に対する予測結果を示し、
図4(b)及び
図5(b)は、
図3(b)に対する予測結果を示す。
【0029】
図4が示すように、製品ガラスが一定の近赤外光吸収能(波長1200nm(約8300K)のときの透過率が10%)を有するよう(破線→太実線)Cu
2+を更に加えると、赤外光側ピークの強度が増す(二点鎖線→細実線)のみならず、可視光側ピークの強度が更に増す(一点鎖線→実線)。その際、
図3(a)のようにO
2−/P
5+比が高いと、可視光側ピーク(例えば波長約830nm(約12000K)付近)の強度が元々高かったこともあり、Cu
2+を更に加えることにより、可視光側における吸収が非常に強くなる。その結果、
図5(a)に示すように、可視光領域(例えば波長500nm)において過度の吸収能を有してしまうことになり、可視光領域におけるフツリン酸ガラスの透過率は低下してしまう。
【0030】
逆に、O
2−/P
5+比が低いと、
図3(b)のように可視光側ピークの強度は元々低く、Cu
2+を更に加えて、波長1200nm(約8300K)のときの透過率が10%になるようにしたところで、可視光側における吸収はそれほど強くはならない。その結果、
図5(b)に示すように、フツリン酸ガラスの透過率は、可視光領域において適度な吸収能を有することになり、可視光領域におけるフツリン酸ガラスの透過率は高い値を維持することができる。
【0031】
以上の結果より、最終的に、近赤外光を吸収可能なフツリン酸ガラスを作製したとき、O
2−/P
5+比が、可視光まで吸収してしまうか否かに影響を与えるという知見(即ち[知見1])が、本発明者らの鋭意努力により得られた。
【0032】
本発明者は、この[知見1]を得たのみならず、この[知見1]に基づいて鋭意研究を進めた結果、更に上記の[知見2]を得るに至った。以下、[知見2]について詳述する。
【0033】
図6は、フツリン酸ガラスにおける原料時点の原料O/P比と、フツリン酸ガラス製造後の透過率との関係を示すグラフである。その際、原料F比ごとに、一連の各プロットを示している。なお、熔融温度は1000℃としている。
【0034】
なお、
図6は、原料F比ごとのプロットにおいて、可視光側ピークの強度が等しくなるようにガラス厚さを変化させているが、「原料F比」「ガラス厚さ」「原料O/P比」以外(例えばCu
2+をはじめとするその他の組成)は同様としている。
【0035】
図6において、原料F比が0.04及び0.08のときは、[知見1]を裏付けるがごとく、可視光側ピークの強度を各プロットにて一定とした場合、原料O/P比が高くなるに従って、O
2−/P
5+比が高くなることに起因して赤外光側ピークの強度が低下(即ち透過率が上昇)してしまっていることがわかる。詳しく言うと、可視光側ピークの強度を各プロットにて一定とする縛りを入れてしまっているため、原料O/P比が高い(即ちO
2−/P
5+比が高い)と、可視光側ピークの強度が元々高いせいで、少量のCu
2+しか加えられない。その結果、赤外光側ピークの強度が低下し、透過率が上昇してしまう。
【0036】
その一方、原料F比が0.11及び0.15のときは、原料段階において原料O/P比を変えて配合したとしても、最終的にガラスにしたときには、透過率の違いがあまりない状態になっていることがわかる。つまり、[知見1]に基づくならば、原料段階において原料O/P比を変えて配合したとしても、各プロット(例えば原料F比が0.15のときのプロットにおいて、原料O/P比が3.05の点と3.09の点)の間では、最終的にガラスにしたときの組成の相違が小さくなっている(即ち、ほぼ同じO
2−/P
5+比を有するガラスになっている)ことがわかる。
【0037】
この原因について追究すべく、本発明者は、更に追加実験を行った。具体的に言うと、
図6における原料F比を0.15とした場合において、熔融温度が異なるもの(各々900℃と1000℃)についても実験を行った。その結果となるグラフを
図7に示す。
【0038】
図7を見ると、溶融温度を上昇させることにより、更に前記傾向が顕著になっていることがわかる。つまり、溶融温度を上昇させて反応を促進させることにより、原料段階において原料O/P比を変えて配合したとしても、最終的に製品ガラスにしたときには透過率が同じになり、ひいてはほぼ一定のO
2−/P
5+比になっていることがわかる。
【0039】
図6及び
図7に基づき、本発明者は、この現象の原因について検討した。その結果、この現象は、POF
3が揮発することにより、原料段階からガラス組成が変化してしまうことに起因しているのでは、と推測した。だからこそ、原料F比が高いと、POF
3の揮発を促すことになり、最終的に一定のO
2−/P
5+比(約3.3)に近づいたのでは、と推測した。また同様に、熔融温度を上昇させることにより、POF
3の揮発を促すことになり、最終的に一定のO
2−/P
5+比に近づいたのでは、と推測した。つまり、O
2−/P
5+比は、原料F比(又は熔融温度)によって影響を受ける。言いかえれば、製品ガラス内におけるO
2−/P
5+比は、原料F比(又は熔融温度)によって制御可能となる。
以上の思想をまとめ、上記の[知見2]を得た。
【0040】
この[知見2]を全く別の視点から検討することにより、[知見3]を得ることができる。つまり、[知見2]において最終的に一定のO
2−/P
5+比(約3.3)に近づくということは、最終的にはフツリン酸ガラスがO
2−/P
5+比=3.5の組成(ピロリン酸構造)になるとしても、フツリン酸ガラスにとってO
2−/P
5+比=3.3という組成(トリポリリン酸構造)は中間段階として一つの安定構造となっており、光学特性等が製造条件の変動により変化しにくい、と想像できる。この想像から、[知見3]を得ることができる。
【0041】
このようにして得られた[知見1]〜[知見3]に基づき、本発明者は、Cu
2+を含有させることにより近赤外光を吸収させたとしても、可視光は実質的に吸収しないようなフツリン酸ガラスを得るために、以下の検討を行った。
【0042】
Cu
2+を適度に含有できるかどうかは、O
2−/P
5+比によって影響を受ける。このO
2−/P
5+比は、原料F比や熔融温度によって影響を受ける。この影響と言うのは、原料段階では存在した物質が揮発してしまうことに起因する。ということは、原料F比を、そもそも揮発が起こらなくなるくらい低く設定し、原料からOやPが離脱することを防げば、前記影響を解消でき、適切な量のCu
2+を投入可能なO
2−/P
5+比を製造後のフツリン酸ガラスが有するのを確実なものとすることができるのでは、と考えた。なお、こうすることにより実質的に揮発が起こらなくなることから、原料F比は、製造後のガラス内におけるF
−比と実質的に同一となる。更には、原料O/P比も、製造後のガラス内におけるO
2−/P
5+比と実質的に同一となる。
【0043】
なお、F
−比についてであるが、O
2−/P
5+比を従来よりも高く、充分な耐候性を有しながらも、F
−比を特許文献2〜6よりも下げるという発想は、当業者にとっては常識に反する発想である。先に説明したとおり、O
2−/P
5+比を高くすることにより、P−O−P鎖におけるOとPの結合がFによって切断され、ガラス強度が低下して耐候性が劣化するおそれがある。また、ガラス内の他の金属とピロリン酸構造とが結合してしまい、結晶を形成する可能性もある。これらを防ぐためにも、ガラス内にてF
−比を高めるのが常識であるためである。
【0044】
しかしながら、本発明者はそのような常識にとらわれることなく、原料F比ひいてはガラス内におけるF
−比を下げることを試みた。更には、F
−比を下げることに伴い、O
2−/P
5+比を従来よりも高くしつつも適切な値とし、Cu
2+を適量加えられるよう、F
−比、そしてO
2−/P
5+比について、本発明者は検討した。具体的な数値例としては、[知見3]に基づき、O
2−/P
5+比が3.3付近の数値(言い換えると3.3又はそれに近い値を中心値とした一定幅の範囲内の数値)となるように目標を立て、原料F比ひいてはF
−比を従来よりも非常に小さく設定する手法を検討した。
なお、熔融温度、及びそれに対する原料F比及びF
−比、そしてそれらに対する揮発の度合いについても本発明者は鋭意検討中である。
【0045】
なお、上記の特許文献12には確かに、O
2−/P
5+比を3.4以上とし、F
−比を0.05以上とすることが記載されている。しかしながら、特許文献12には、上記の[知見1]〜[知見3]についての開示も示唆もないし、Cu
2+を更に加えた際の可視光領域における光の吸収能、ひいては近赤外光領域における光の吸収能を課題とする記載もない。その証拠として、特許文献12の実施例においては、近赤外光領域(1200nm)における透過率(λ50=615nm)の低減は、23%程度にとどまっている。
【0046】
以上の知見及び検討結果に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
Cu
2+を含有することにより近赤外光を吸収するフツリン酸ガラスにおいて、
前記フツリン酸ガラスでのP
5+含有量に対するO
2−含有量のモル比(O
2−/P
5+)は3.2以上3.4未満であり、
前記フツリン酸ガラスでのO
2−及びF
−の合計含有量に対するF
−含有量のモル比(F
−/(O
2−+F
−))は0.05以上0.25以下であることを特徴とするフツリン酸ガラスである。
但し、前記フツリン酸ガラスは、B
3+、Pb及びそのイオン及び化合物、並びにTl及びそのイオン及びその化合物を含有しない。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記フツリン酸ガラスでの全てのカチオン成分の含有量に対する希土類イオン含有量の比率は0.5カチオン%以上2.0カチオン%以下であることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の態様であって、
フツリン酸ガラスに対する分光透過率において、波長615nmにおいて透過率が50%を示す厚みにおいて、波長1200nmの透過率が15%未満であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3のいずれか態様に記載のフツリン酸ガラスを用いたことを特徴とする近赤外光吸収フィルターである。
本発明の第5の態様は、
ガラス原料を調合し、前記ガラス原料を熔融して作製されるフツリン酸ガラスであって、Cu
2+を含有することにより近赤外光を吸収するフツリン酸ガラスの製造方法において、
前記フツリン酸ガラスの組成を、前記フツリン酸ガラスでのP
5+含有量に対するO
2−含有量のモル比(O
2−/P
5+)が3.2以上3.4未満になり、且つ、前記フツリン酸ガラスでのO
2−及びF
−の合計含有量に対するF
−含有量の比(F
−/(O
2−+F
−))が0.05以上0.25以下になるように設定し、設定された前記組成に基づきガラス原料を調合し、ガラスを生産することを特徴とするフツリン酸ガラスの製造方法である。
但し、前記フツリン酸ガラスは、B
3+、Pb及びそのイオン及び化合物、並びにTl及びそのイオン及びその化合物を含有しない。
本発明の第6の態様は、第5の態様に記載の態様であって、
前記ガラス原料が少なくともフッ素、酸素、リンを含み、
前記ガラス原料中に含まれるリンの含有量に対する酸素の含有量のモル比が3.2以上3.4未満になるように前記ガラス原料を調合し、且つ、前記ガラス原料中に含まれる酸素及びフッ素の合計含有量に対するフッ素の含有量のモル比が0.05以上0.25以下になるように前記ガラス原料を調合し、ガラスを生産することを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第5又は第6の態様に記載の態様であって、
前記フツリン酸ガラスでの全てのカチオン成分の含有量に対する希土類イオン含有量の比率を0.5カチオン%以上2.0カチオン%以下とし、熔融温度を1000℃以下とすることを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第5ないし第7のいずれか態様に記載の態様であって、
フツリン酸ガラスに対する分光透過率において、波長615nmにおいて透過率が50%を示す厚みにおいて、波長1200nmの透過率が15%未満であることを特徴とする。