(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124964
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】サーバー
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20170424BHJP
【FI】
A63F7/02 329
A63F7/02 334
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-174154(P2015-174154)
(22)【出願日】2015年9月3日
(62)【分割の表示】特願2014-144248(P2014-144248)の分割
【原出願日】2009年3月27日
(65)【公開番号】特開2016-5639(P2016-5639A)
(43)【公開日】2016年1月14日
【審査請求日】2015年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】501005966
【氏名又は名称】大都販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】木原 海龍
(72)【発明者】
【氏名】小川 正貴
(72)【発明者】
【氏名】武田 雅之
(72)【発明者】
【氏名】川島 一弘
(72)【発明者】
【氏名】野平 昌良
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晃大
(72)【発明者】
【氏名】高山 佳一
【審査官】
阿部 知
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−227434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して配置され、所定の情報を書き込み可能な遊技者用記録媒体を検知可能なユニットと、前記遊技者用記録媒体を読取可能で、景品交換を行うPOSと通信可能なサーバーであって、
前記ユニットの動作履歴を記憶する履歴情報記憶部を備えるとともに、
該履歴情報記憶部に記憶されている履歴情報と前記POSから受信した遊技者の識別情報ならびに持玉情報とを照合し、該照合の結果が一致しなかった場合には、前記ユニットに対して前記履歴情報の送信を要求し、
該要求に対し、前記ユニットから応答がなく、前記サーバーと前記ユニットの通信が不可能な場合には、前記持玉情報を用いた処理を前記POSに許容させることを特徴とする、サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技場のサーバーとユニットとの間が通信不可能な状態でも、遊技者の持玉による遊技に支障を与えないことを可能にした、遊技者管理システムに係るサーバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技場のシステムでは、一般的に遊技場に設置したサーバーと、多数の各遊技機に対応して配置したユニットとが通信可能に構成されており、ユニットは随時必要な情報をサーバーと通信しながら遊技者によるユニットの操作を受け付けている。しかし、この従来のシステムでは、あるユニットとサーバーとが断線などの通信障害によってオフライン(通信不可能)状態となると、当該ユニットでは玉貸しなどの所要の操作ができず、そのユニットが使用できないものとなっていた。
【0003】
これに対して特許文献1に示すように、オフライン時にも特定条件で玉貸しを可能として、遊技者による遊技を中断させないように配慮している技術が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−144027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すものは、オフライン時には入金操作をすることで玉貸しを行うもので、これによって遊技者は遊技を行うことができる。しかし、遊技者の持玉では遊技することができない。このように、オフラインという遊技場側の事情によって、遊技者の動作が制限されていることになる。
【0006】
この発明はこのような従来技術を考慮したものであって、ユニットとサーバーとの通信のオフライン状態が発生した場合であっても、通常のオンライン状態の場合と同様に遊技者が遊技を可能とし、遊技者の動作を阻害しないようにした、遊技者管理システムに係るサーバーを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、請求項1の発明は、遊技機に対応して配置され、所定の情報を書き込み可能な遊技者用記録媒体を検知可能なユニットと、前記遊技者用記録媒体を読取可能で、景品交換を行うPOSと通信可能なサーバーであって、
前記ユニットの動作履歴を記憶する履歴情報記憶部を備えるとともに、
該履歴情報記憶部に記憶されている履歴情報と前記POSから受信した遊技者の識別情報ならびに持玉情報とを照合し、該照合の結果が一致しなかった場合には、前記ユニットに対して前記履歴情報の送信を要求
し、
該要求に対し、前記ユニットから応答がなく、前記サーバーと前記ユニットの通信が不可能な場合には、前記持玉情報を用いた処理を前記POSに許容させる、サーバーとした。
【発明の効果】
【0011】
請求項
1の発明によれば、遊技者等が遊技を行っていた遊技機に対応するユニットとサーバー間で、通信不可能な状態が発生していた場合であっても、通信不可能な状態が発生しなかった場合と同様に、POSでの処理を可能とし、遊技者等の動作を阻害しない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】この発明の実施例1のフローチャート図である。
【
図3】この発明の実施例2のフローチャート図である。
【
図4】この発明の実施例3のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明は、遊技機に対応して配置され、所定の情報を書き込み可能な遊技者用記録媒体を検知可能なユニットと、前記遊技者用記録媒体を読取可能で、景品交換を行うPOSと通信可能なサーバーであって、前記ユニットの動作履歴を記憶する履歴情報記憶部を備えるとともに、該履歴情報記憶部に記憶されている履歴情報と前記POSから受信した遊技者の識別情報ならびに持玉情報とを照合し、該照合の結果が一致しなかった場合には、前記ユニットに対して前記履歴情報の送信を要求
し、該要求に対し、前記ユニットから応答がなく、前記サーバーと前記ユニットの通信が不可能な場合には、前記持玉情報を用いた処理を前記POSに許容させる構成とした。
【実施例1】
【0015】
以下、この発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の概略構成図である。
【0016】
この発明の遊技者管理システムは、所定の情報を書込み可能な遊技者用記録媒体である会員カード1と、この会員カード1を挿入可能とするとともに遊技場に複数配置する遊技機2に対応して配置する記録媒体処理装置であるユニット3と、このユニット3に対応して配置され、会員カード1をユニット3から排出する指令をユニット3に対して入力可能な会員カード排出指令手段4と、ユニット3と通信可能な、当該遊技場の管理装置であるサーバー5と、ユニット3と通信可能とし、遊技機2に対応して配置された各台計数機6と、会員カード1を読取り可能とした景品交換を行うための景品処理装置であるPOS7とから成り、ユニット3、サーバー5及びPOS7はネットワーク8により相互に接続され、通信可能となっている。
【0017】
会員カード1は、当該会員である遊技者を識別するための情報を記録する識別情報記録部1aと、ユニット3が会員カード排出指令手段4から排出指令を受信したときに当該遊技者の持玉として保持している持玉情報を記録する持玉情報記録部1bと、会員カード排出場所情報記録部1cと、会員カード1を排出した時点におけるユニット3とサーバー5との通信状態を記録する通信状態記録部1d、及び通信部1eとを備えている。
【0018】
また、ユニット3は、会員カード1の挿入を検知するカード検知部3aと、カード排出指令検知部3bと、持玉数演算部3cと、会員カード1に対する書込み読出し部3dと、サーバー5との送受信をする通信部3eと、サーバー5との通信状態を判定する状態判定部3fと、遊技者による操作を不能化する処理を行う不能化制御部3gと、異常検知時の報知・表示部3hとを備えている。そして、挿入された会員カード1の排出時に、当該ユニット3とサーバー5とが通信可能状態であれば、当該会員カード1の識別情報及び持玉情報等の履歴情報をサーバー5に送信するとともに、通信不可能状態であれば、ユニット3内に情報を一時的に保持する情報保持部3iに履歴情報を保持し、サーバー5との通信が可能な状態になった際、所定のタイミングで情報保持部3iに保持している履歴情報をサーバー5に対して送信する機能を備えている。
【0019】
また、サーバー5は、ユニット3との送受信を行う通信部5aと、会員の識別情報、会員氏名、その他の会員情報記憶部5bと、各種の制御を行う制御部5cと、ユニット3毎の動作履歴を記憶する履歴情報記憶部5dと、ユニット3から受信した会員カード排出場所情報から当該会員カード1を排出したユニット3を特定し、当該ユニット3についての履歴情報記憶部5dに記憶している履歴情報とユニット3から受信した遊技者の識別情報及び持玉情報との照合を行う照合部5eとを備えている。そして、履歴情報記憶部5dは、ユニット3から受信した履歴情報を、ユニット3ごとに記憶している。
【0020】
POS7は、会員カード1に記録されている情報を読み出す読出し部7aと、景品交換処理部7bと、貯玉化処理部7cと、サーバー5との送受信を行う通信部7dと、異常状態等を報知する報知部7eとを備えている。
【0021】
次に、本実施例の動作を
図2に基づいて説明する。
図2に示すように、カード検知部3aにより会員カード1を挿入されたことを検知すると(ステップS1)、カード検知部3aから書込み読出し部3dにカード検知信号が送信される。このカード検知信号を受信した書込み読出し部3dは、会員カード1に記録されている情報を読み出して、情報保持部3iに送信する。情報保持部3iはこの受信した情報を保持する。また、カード検知信号が状態判定部3fにも送信され、状態判定部3fは当該ユニット3とサーバー5との通信状態の判定を行う(ステップS2)。そして、この判定で通信不可能状態と判定されると(ステップS3)、情報保持部3iに保持されている持玉情報(ステップS4)を用いての遊技を許容する。
【0022】
この遊技を行った遊技者が当該遊技機2での遊技をやめる場合、遊技者は会員カード1の排出操作を行う。この操作を会員カード排出指令手段4が検知すると、会員カード排出指令手段4はカード排出指令をユニット3に対して送信する。このカード排出指令をカード排出指令検知部3bが検知すると、ユニット3の状態判定部3fが当該ユニット3とサーバー5との通信状態を判定する。この判定により通信不可能状態と判定されると、ユニット3は書込み読出し部3dを動作させて、会員カード1の通信状態記録部1dに、当該ユニット3とサーバー5とが通信不可能である旨を記録し、当該会員カード1に情報を書き込んだ機器が当該ユニット3である旨を会員カード排出場所情報記録部1cに記録するとともに、ユニット3の情報保持部3iに保持している持玉情報から特定される持玉数が零より多い場合は、その持玉数を特定する情報を持玉情報記録部1bに記録する。
【実施例2】
【0023】
実施例2の遊技者管理システムの構成は
図1と同じであるが、この実施例2は遊技者等が遊技機2を途中で替えた場合であって、替える前の第1の遊技機2に対応する第1のユニット3がサーバー5と通信不可能な状態であって、替えた後の第2の遊技機2に対応する第2のユニット3はサーバー5と通信可能な状態である場合である。
【0024】
この場合、
図3に示すように、第1のユニット3は、会員カード排出指令手段4から排出指令を受信すると(ステップS11)、排出場所が当該第1のユニット3である旨を会員カード1の会員カード排出場所情報記録部1cに記録して(ステップS12)排出する(ステップS13)。遊技者はこの排出された会員カード1を持って、第2の遊技機2に移動する。この排出された会員カード1が挿入されたことをカード検知部3aで検知した(ステップS14)第2のユニット3は、当該会員カード1から読み出した会員の識別情報や持玉情報、会員カード排出場所情報等の所定情報をサーバー5に送信し(ステップS15)、当該サーバー5は、この受信した会員カード排出場所情報から排出した第1のユニット3を特定する(ステップS16)とともに、履歴情報記憶部5dからその特定された第1のユニット3についての履歴を参照し(ステップS17)、この履歴情報と受信した識別情報及び持玉情報とを照合する(第1の照合、ステップS18)。
【0025】
この第1の照合の結果、不一致の場合(ステップ19a)は、第1のユニット3に対して履歴情報の送信要求信号を送出し(ステップS20)、第1のユニット3からの応答(ステップS21)がなければ、第2のユニット3に照会終了信号を送信し(ステップS24)、この照会終了信号を受信した第2のユニット3は挿入されている会員カード1の持玉情報記録部1bに記録されている持玉情報を用いての遊技を許容する。また、第1の照合(ステップS18)で一致すれば(ステップS19b)照会終了信号を出す(ステップS24)。これは、遊技者が第2のユニット3に移るまでに第1のユニット3がオンラインに復帰し、第1のユニット3内に保持していた履歴情報が既にサーバー5に送られており、その結果、第1の照合時には整合性が取れている場合である。
【0026】
一方、前記と同様に第1の照合の結果が不一致の場合であり(ステップS19a)、第1のユニット3に対して履歴情報の送信要求信号を送出し(ステップS20)、第1のユニット3からの応答があり(ステップS21)、履歴情報を受信した場合は、その履歴情報と受信した識別情報及び持玉情報との第2の照合(ステップS22)を行い、第2の照合の結果が一致していれば(ステップS23)、第2のユニット3に照会終了信号を送信し(ステップS24)、この照会終了信号を受信した第2のユニット3は挿入されている会員カード1の持玉情報記録部1bに記録されている持玉情報を用いての遊技を許容する(ステップS25)。
【0027】
さらに、前記第2の照合(ステップS22)の結果が不一致である場合は(ステップS26)、第2のユニット3に異常検知信号を送信し(ステップS27)、この異常検知信号を受信した第2のユニット3は不能化制御部3gを動作させて遊技者による操作を不能化する(ステップS28)とともに報知・表示部3hにより異常状態を報知、表示する(ステップS29)。
【実施例3】
【0028】
実施例3の遊技者管理システムの構成は
図1と同じであるが、この実施例3は遊技者が遊技を終え、景品交換又は貯玉をする場合である。
【0029】
ユニット3は、
図4に示すように、会員カード排出指令手段4から排出指令を受信すると(ステップS31)、排出場所が当該ユニット3である旨を会員カード1の会員カード排出場所情報記録部1cに記録して(ステップS32)排出する(ステップS33)。遊技者はこの排出された会員カード1を持って、POS7に行く。会員カード1の記録情報がPOS7の読出し部7aで読み取られると(ステップS34)、POS7はこの読み取った会員の識別情報や持玉情報、会員カード排出場所情報等の所定情報をサーバー5に送信し(ステップS35)、サーバー5は、この受信した会員カード排出場所情報から排出したユニット3を特定する(ステップS36)とともに、履歴情報記憶部5dからその特定されたユニット3についての履歴を参照し(ステップS37)、この履歴情報と受信した識別情報及び持玉情報とを照合する(第1の照合、(ステップS38))。
【0030】
この第1の照合の結果、不一致の場合(ステップS39a)は、ユニット3に対して履歴情報の送信要求信号を送出し(ステップS40)、ユニット3からの応答(ステップS41)がなければ、POS7に照会終了信号を送信し(ステップS44)、この照会終了信号を受信したPOS7は読み取った会員カード1の持玉情報を用いての景品交換処理部7bによる景品交換又は貯玉化処理部7cによる貯玉化処理を許容する(ステップS45)。また、第1の照合(ステップS38)で一致すれば(ステップS39b)照会終了信号を出す(ステップS44)。これは、遊技者がPOS7に来るまでにユニット3がオンラインに復帰し、ユニット3内に保持されていた履歴情報が既にサーバー5に送られており、その結果、第1の照合時には整合性が取れている場合である。
【0031】
一方、前記と同様に第1の照合の結果が不一致の場合(ステップS39a)であり、ユニット3に対して履歴情報の送信要求信号を送出し(ステップS40)、ユニット3から応答があり(ステップS41)、履歴情報を受信した場合は、その履歴情報と受信した識別情報及び持玉情報との第2の照合を行い(ステップS42)、第2の照合の結果が一致していれば(ステップS43)、POS7に照会終了信号を送信し(ステップS44)、この照会終了信号を受信したPOS7は読み取った会員カード1の持玉情報を用いての景品交換処理部7bによる景品交換又は貯玉化処理部7cによる貯玉化処理を許容する(ステップS45)。
【0032】
さらに、前記第2の照合(ステップS42)の結果が不一致である場合(ステップS46)は、POS7に異常検知信号を送信し(ステップS47)、この異常検知信号を受信した(ステップS48)POS7は報知部7eにより異常状態を報知する(ステップS49)。
【0033】
なお、上記各実施例では、遊技者用記録媒体を会員カード1としたが、この遊技者用記録媒体は、会員カード1に限らず、他の形式の記録媒体も含まれる。例えば、非会員である遊技者がユニット3に現金を投入して玉貸しを受けた場合の残金や、遊技で獲得した持玉を保有した状態で、遊技を止めた際に排出されるICコインの残金や持玉で遊技をする場合も適用できるものである。
【0034】
また、本上記各実施例では遊技機2とユニット3とを1対1の対応としているが、2台の遊技機2に対して1台のユニット3として構成することも可能である。このときは、ユニット3にいずれの遊技機2での処理を行うものなのかを選択する遊技機選択操作部(図示省略)を設け、会員カード1のユニット3への挿入の前後等のいずれかのタイミングでこの遊技機選択操作部を操作することとなる。
【符号の説明】
【0035】
1 会員カード 1a 識別情報記録部
1b 持玉情報記録部 1c 会員カード排出場所情報記録部
1d 通信状態記録部 1e 通信部
2 遊技機 3 ユニット
3a カード検知部 3b カード排出指令検知部
3c 持玉数演算部 3d 書込み読出し部
3e 通信部 3f 状態判定部
3g 不能化制御部 3h 報知・表示部
3i 情報保持部 4 会員カード排出指令手段
5 サーバー 5a 通信部
5b 会員情報記憶部 5c 制御部
5d 履歴情報記憶部 5e 照合部
6 各台計数機 7 POS
7a 読出し部 7b 景品交換処理部
7c 貯玉化処理部 7d 通信部
7e 報知部 8 ネットワーク