(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0010】
本発明の実施形態の理解を容易にするため、まず、遊技機の機械的構成および電気的構成を簡単に説明し、その後、各基板における具体的な処理を説明する。
【0011】
図1は、本実施形態の遊技機1の斜視図であり、扉が開放された状態を示している。図示のように、遊技機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、この外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、この中枠4と同様に、ヒンジ機構によって外枠2に開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0012】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に遊技盤8が保持されている。また、前枠6には、ガラス製または樹脂製の透過板10が保持されている。そして、これら中枠4および前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤8と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、遊技機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤8が視認可能となる。
【0013】
図2は、遊技機1の正面図である。この図に示すように、前枠6の下部には、遊技機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。この操作ハンドル12は、遊技者が回転操作可能に設けられており、遊技者が操作ハンドル12を回転させて発射操作を行うと、当該操作ハンドル12の回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤8に設けられたレール14a、14b間を上昇して遊技領域16に導かれることとなる。
【0014】
遊技領域16は、遊技盤8と透過板10との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下または転動可能な領域である。遊技盤8には、多数の釘や風車が設けられており、遊技領域16に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0015】
また、遊技領域16には、遊技球が入球可能な一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22が設けられており、これら一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22に遊技球が入球すると、それぞれ所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0016】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1の特別図柄を決定するための抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の遊技利益(状態)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の遊技利益を受ける権利獲得の機会を獲得することとなる。
【0017】
また、第2始動口22は、遊技盤8の裏面側から正面側に向けて出没可能な可動片22bを有しており、この可動片22bの状態に応じて、第2始動口22への遊技球の進入容易性が変化するようになっている。具体的には、可動片22bが遊技盤8の裏面側に没入して、遊技領域16から退避した状態、すなわち、閉状態にある場合には、可動片22bの正面を遊技球が流下する構成となっており、第2始動口22への遊技球の入球が不可能もしくは困難となっている。
【0018】
これに対して、遊技領域16に設けられたゲート24を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われ、この抽選によって当たりに当選すると、可動片22bが所定時間、遊技領域16に向けて突出した開状態に制御される。このように、可動片22bが開状態になると、当該可動片22bが遊技球を第2始動口22に導く受け皿として機能し、第2始動口22への遊技球の入球が容易となる。
【0019】
さらに、第1始動口20および第2始動口22よりも下方にはアタッカー装置26が設けられている。このアタッカー装置26は、遊技球が入球可能な大入賞口28と、この大入賞口28を開閉する開閉扉28bと、を備えており、通常、開閉扉28bが閉扉して、大入賞口28への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、前述の特別遊技が実行されると、開閉扉28bが所定の態様で開放されるとともに、この開閉扉28bが遊技球を大入賞口28内に導く受け皿として機能する。そして、大入賞口28に遊技球が入球すると、所定の賞球が遊技者に払い出される。
【0020】
なお、遊技領域16の最下部には、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域16から遊技盤8の背面側に排出する排出口30が設けられている。
【0021】
そして、遊技盤8には、遊技の進行中などに演出を行う演出装置として、液晶表示装置からなる演出表示装置50と、可動装置からなる演出役物装置52とが設けられている。演出表示装置50は、画像を表示する演出表示部50aを備えており、この演出表示部50aを、遊技盤8の略中央部分において、遊技機1の正面側から視認可能に配置している。
【0022】
また、遊技盤8の裏面側であって、かつ、演出表示部50aよりも遊技機1の正面側には、演出役物装置52が設けられている。この演出役物装置52は、図示のように剣を模した形状に構成されており、通常、演出表示部50aの前面から退避した初期位置に保持されて、遊技機1に正対する遊技者から視認できないようになっている。一方、後述する可動モータ52aが通電されると、演出役物装置52は、上記の初期位置から、図示のように演出表示部50aの前面に臨む変位位置へと変位することとなる。
【0023】
また、遊技機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置には、遊技者の押下操作を受け付けるボタンからなる演出操作装置56が設けられている。さらに、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置には、遊技機1の正面側に向けられたスピーカからなる音声出力装置58が設けられている。なお、
図1および
図2においては図示していないが、前枠6には、点灯態様や発光色をさまざまに制御して演出を行うためのランプからなる演出照明装置54が複数設けられている(
図3参照)。
【0024】
なお、図中符号70は、遊技機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿であり、この上皿70が遊技球で一杯になると、遊技球は下皿72に導かれることとなる。また、この下皿72の底面には、当該下皿72から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。この球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きつまみ72aを図中左右方向にスライドさせることにより、当該球抜きつまみ72aと一体となって開閉板がスライドし、球抜き孔から下皿72の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0025】
また、遊技盤8には、遊技領域16の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が設けられている。これら各表示器80〜90は、遊技に係る種々の状況を表示するための装置であるが、その詳細については後述する。
【0026】
(制御手段の内部構成)
図3は、遊技の進行を制御する制御手段の内部構成を示すブロック図である。
【0027】
主制御基板100は遊技の基本動作を制御する。この主制御基板100は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100cを備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0028】
上記主制御基板100には、一般入賞口18に遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口20に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口22に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ22a、ゲート24を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ24a、大入賞口28に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出スイッチ28aが接続されており、これら各検出スイッチから主制御基板100に検出信号が入力されるようになっている。
【0029】
また、主制御基板100には、第2始動口22の可動片22bを作動する始動口開閉ソレノイド22cと、大入賞口28を開閉する開閉扉28bを作動する大入賞口開閉ソレノイド28cと、が接続されており、主制御基板100によって、第2始動口22および大入賞口28の開閉制御がなされるようになっている。
【0030】
さらに、主制御基板100には、第1特別図柄表示器80、第2特別図柄表示器82、第1特別図柄保留表示器84、第2特別図柄保留表示器86、普通図柄表示器88、普通図柄保留表示器90が接続されており、主制御基板100によって、これら各表示器の表示制御がなされるようになっている。
【0031】
また、本実施形態の遊技機1は、主に第1始動口20または第2始動口22への遊技球の入球によって開始される特別図柄遊技と、ゲート24を遊技球が通過することによって開始される普通図柄遊技とに大別される。そして、主制御基板100のメインROM100bには、特別図柄遊技および普通図柄遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0032】
また、主制御基板100には、払出制御基板120および副制御基板200が接続されている。
【0033】
払出制御基板120は、遊技球を発射させるための制御、および、賞球を払い出すための制御を行う。この払出制御基板120も、CPU、ROM、RAMを備えており、主制御基板100に対して双方向に通信可能に接続されている。この払出制御基板120には遊技情報出力端子板110が接続されており、主制御基板100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出制御基板120および遊技情報出力端子板110を介して、遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0034】
また、払出制御基板120には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ121が接続されている。払出制御基板120は、主制御基板100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ121を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ122によって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるようになっている。
【0035】
また、払出制御基板120には、下皿72の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ123が接続されている。この皿満タン検出スイッチ123は、賞球として払い出される遊技球を下皿72に導く通路に設けられており、当該通路を遊技球が通過するたびに、遊技球検出信号が払出制御基板120に入力されるようになっている。
【0036】
そして、下皿72に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、下皿72に向かう通路内に遊技球が滞留し、皿満タン検出スイッチ123から払出制御基板120に向けて、遊技球検出信号が連続的に入力される。払出制御基板120は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿72が満タン状態であると判断し、皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。一方、皿満タンコマンドを送信した後、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断し、皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0037】
また、払出制御基板120には、発射制御基板130が双方向に通信可能に接続されている。この発射制御基板130は、払出制御基板120から発射制御データを受信すると発射の許可を行う。この発射制御基板130には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12aと、操作ハンドル12の操作角度を検出する操作ボリューム12bと、が接続されている。そして、タッチセンサ12aおよび発射ボリューム12bから信号が入力されると、発射制御基板130において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド131を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。
【0038】
副制御基板200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この副制御基板200は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cを備えており、主制御基板100に対して、当該主制御基板100から副制御基板200への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU200aは、主制御基板100から送信されたコマンド、上記演出操作装置56が押下操作されたことを検出する演出操作装置検出スイッチ56aから入力される操作検出信号、あるいはタイマからの入力信号に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出を実行するためのコマンドを、画像制御基板210または電飾制御基板220に送信する。このとき、サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0039】
画像制御基板210は、上記演出表示部50aに画像を表示させる画像表示制御を行うものであり、CPU、ROM、RAM、VRAMを備えている。この画像制御基板210のROMには、演出表示部50aに表示される図柄や背景等の画像データが多数格納されており、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、CPUが、画像データをROMからVRAMに読み出して、演出表示部50aの画像表示を制御する。
【0040】
電飾制御基板220は、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、音声出力装置58から音声を出力させる音声出力制御を行う。また、副制御基板200から送信されるコマンドに基づいて、演出役物装置52を可動する可動モータ52aを通電制御したり、あるいは、位置検出センサ52bの検出信号を副制御基板200に送信したりする。さらには、副制御基板200から送信されたコマンドに基づいて、演出照明装置54を点灯制御する。
【0041】
なお、各基板には、不図示の電源基板が接続されている。この電源基板は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板100に出力するようになっている。
【0042】
次に、本実施形態の遊技機1における遊技について、メインROM100bに記憶されている各種テーブルを参照しながら説明する。
【0043】
前述したように、本実施形態の遊技機1は、特別図柄遊技と普通図柄遊技の2種類の遊技が並行して進行するものであり、これら両遊技を進行する際の遊技状態として、低確率遊技状態または高確率遊技状態のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態にて遊技が進行する。
【0044】
各遊技状態の詳細については後述するが、低確率遊技状態というのは、大入賞口28が開放される特別遊技を実行する権利獲得の確率が低く(本実施形態では1/399)設定された遊技状態であり、高確率遊技状態というのは、特別遊技を実行する権利獲得の確率が高く(本実施形態では1/39.9)設定された遊技状態である。
【0045】
また、非時短遊技状態というのは、可動片22bが開状態になりにくく、第2始動口22に遊技球が入球しにくい遊技状態であり、時短遊技状態というのは、非時短遊技状態よりも可動片22bが開状態になりやすく、第2始動口22に遊技球が入球しやすい遊技状態である。
【0046】
遊技者が操作ハンドル12を操作して遊技領域16に遊技球を発射させるとともに、遊技領域16を流下する遊技球が第1始動口20または第2始動口22に入球すると、遊技者に付与される遊技利益が対応付けられた特別図柄の決定処理(以下、「大当たりの抽選」という)が行われる。この大当たりの抽選において、大当たりに当選すると、大入賞口28が開放されるとともに当該大入賞口28への遊技球の入球が可能となる特別遊技が実行され、また、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、上記のいずれかの遊技状態に設定される。以下では、大当たりの抽選方法について説明する。
【0047】
なお、詳しくは後述するが、第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、大当たりの抽選に係る種々の乱数値(特別図柄乱数、大当たり乱数、第1変動パターン乱数、第2変動パターン乱数)が取得されるとともに、これら各乱数値がメインRAM100cの保留記憶領域に記憶される。以下では、第1始動口20に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第1保留とよび、第2始動口22に遊技球が入球して保留記憶領域に記憶された種々の乱数を総称して第2保留とよぶ。
【0048】
この保留記憶領域は、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域の2つの記憶領域を備えており、また、両保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1〜第4記憶部)を有している。そして、第1始動口20に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第1保留記憶領域の第1〜4記憶部に第1保留として記憶され、第2始動口22に遊技球が入球して取得された乱数値は、4つを上限として第2保留記憶領域の第1〜4記憶部に第2保留として記憶される。
【0049】
したがって、第1保留記憶領域に4つの第1保留が記憶された状態で、第1始動口20に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはなく、また、第2保留記憶領域に4つの第2保留が記憶された状態で、第2始動口22に遊技球が入球した場合には、当該遊技球の入球に基づいて乱数値が記憶されることはない。
【0050】
図4は、特別図柄判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜797の範囲内から1つの特別図柄乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、大当たりの抽選を開始するとき、すなわち、大当たりの判定を行うときの遊技状態と、に応じて特別図柄判定テーブルが選択され、当該選択された特別図柄判定テーブルと取得された特別図柄乱数とによって大当たりの判定が行われる。
【0051】
低確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(a)に示す特別図柄判定テーブル1が参照される。この特別図柄判定テーブル1によれば、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定し、その他の特別図柄乱数であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0052】
また、高確率遊技状態において、第1保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(b)に示す特別図柄判定テーブル2が参照される。この特別図柄判定テーブル2によれば、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0053】
また、低確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(c)に示す特別図柄判定テーブル3が参照される。この特別図柄判定テーブル3も、特別図柄判定テーブル1と同様に、特別図柄乱数が0または1であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/399となる。
【0054】
また、高確率遊技状態において、第2保留に基づいて大当たりの抽選を開始する場合には、
図4(d)に示す特別図柄判定テーブル4が参照される。この特別図柄判定テーブル4も、特別図柄判定テーブル2と同様に、特別図柄乱数が0〜19であった場合に大当たりと判定する。したがって、この場合の大当たり確率は1/39.9となる。このように、第2保留の大当たり判定においても、第1保留の大当たり判定と同様に、高確率遊技状態である場合には、低確率遊技状態である場合に比べて、大当たり確率が10倍となる。
【0055】
図5は、特別図柄の種別を決定するための図柄種別判定テーブルを説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜299の範囲内から1つの大当たり乱数が取得される。そして、遊技球が入球した始動口と、上記の大当たりまたはハズレの判定結果と、に応じて図柄種別判定テーブルが選択され、当該選択された図柄種別判定テーブルと取得された大当たり乱数とによって特別図柄の種別が決定される。
【0056】
上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル1が参照される。この図柄種別判定テーブル1によれば、大当たり乱数が0〜14であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Aが決定され、大当たり乱数が15〜29であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Bが決定され、大当たり乱数が30〜59であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Cが決定され、大当たり乱数が60〜89であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Dが決定され、大当たり乱数が90〜119であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Eが決定され、大当たり乱数が120〜179であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Fが決定され、大当たり乱数が180〜299であった場合に、特別図柄の種別として特別図柄Gが決定される。
【0057】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第2保留を判定した結果、大当たりの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル2が参照される。この図柄種別判定テーブル2によっても、上記図柄種別判定テーブル1と同様の確率で各特別図柄が決定される。
【0058】
また、上記した特別図柄判定テーブルによって第1保留または第2保留を判定した結果、ハズレの判定結果が得られた場合には、図柄種別判定テーブル3が参照される。この図柄種別判定テーブル3によれば、大当たり乱数とは無関係に特別図柄の種別が決定される。ここでは、第1保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Xが決定され、第2保留についてハズレの判定結果が得られた場合には、特別図柄の種別として特別図柄Yが決定される。以下では、大当たりの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄を大当たり図柄とよび、ハズレの判定結果が得られた場合に決定される特別図柄をハズレ図柄とよぶ。
【0059】
図6は、大当たりの抽選結果を遊技者に報知する際の演出の態様(変動パターン)を決定する変動パターンコマンド決定テーブルのうち、前半の演出の態様を決定する第1変動パターンコマンド決定テーブルの一例を説明する図である。第1始動口20または第2始動口22に遊技球が入球すると、0〜99の範囲内から1つの第1変動パターン乱数が取得されるとともに、0〜99の範囲内から1つの第2変動パターン乱数が取得される。なお、本実施形態においては、演出の態様が前半部分と後半部分とに分かれており、第1変動パターン乱数に基づいて前半の演出態様が決定され、第2変動パターン乱数に基づいて後半の演出態様が決定される。以下では、第1変動パターン乱数と第2変動パターン乱数とを総称して変動パターン乱数とよぶ。
【0060】
そして、遊技球が入球した始動口、上記の大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別、および、遊技状態に応じて、前半の演出態様を決定するための第1変動パターンコマンド決定テーブルが決定される。各第1変動パターンコマンド決定テーブルには、変動演出の態様のうち前半部分の演出態様と、第1変動パターン乱数とが対応付けられており、選択された第1変動パターンコマンド決定テーブルと、第1変動パターン乱数とによって、第1変動パターンが1つ決定されることとなる。なお、図において、第1変動パターンのうち「なし(0秒)」は、変動演出のうち前半部分の演出が行われないことを示すものである。
【0061】
図7および
図8は、後半の演出の態様を決定する第2変動パターンコマンド決定テーブルを説明する図である。
図7に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルは、第1変動パターンとして「なし(0秒)」が決定された場合に選択されるテーブルの一例であり、
図8に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルは、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合に選択されるテーブルの一例である。
【0062】
図7に示すように、第1変動パターンとして「なし(0秒)」が決定された場合に選択される第2変動パターンコマンド決定テーブルは、テーブルA、テーブルB、テーブルCの三種類設けられており、これらの各テーブルが、遊技状態に応じて選択されることとなる。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルAが選択される。また、遊技状態が低確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合には、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルBが選択される。
【0063】
また、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合には、テーブルBまたはテーブルCのいずれかが選択される。本実施形態においては、遊技状態が高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態である場合に、当該遊技状態に設定されてから、大当たりの抽選が所定回数行われるまではテーブルBが選択される。一方、当該遊技状態に設定されてから、大当たりの抽選が所定回数行われた後は、テーブルCが選択される。このように、テーブルBからテーブルCに切り換わるタイミング、換言すれば、テーブルが切り換わるまでの大当たりの抽選回数は、高確率遊技状態であって、かつ、時短遊技状態に設定されたとき、すなわち、特別図柄の種別によって設定されるものである。
【0064】
なお、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルAが選択された場合には、保留の数に応じて「通常ハズレ1(12秒)」、「短縮ハズレ1(8秒)」、「短縮ハズレ2(4秒)」の中からいずれか1の第2変動パターンが決定される。また、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルBが選択された場合には、保留の数に応じて「通常ハズレ2(10秒)」または「短縮ハズレ3(3秒)」が決定される。さらに、第2変動パターンコマンド決定テーブルとしてテーブルCが選択された場合には、保留の数とは無関係に、必ず「通常ハズレ2(10秒)」が決定される。
【0065】
ただし、
図7において示す保留数は、変動を開始する保留と同一種別の保留のみを対象としている。つまり、第1保留に基づいて特別図柄の変動を開始する場合には、第1保留数(X1)に応じて第2変動パターンが決定され、第2保留に基づいて特別図柄の変動を開始する場合には、第2保留数(X2)に応じて第2変動パターンが決定されることとなる。
【0066】
一方、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合には、
図8に示すように第2変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。この図からも明らかなように、「なし(0秒)」以外の第1変動パターンが決定された場合には、変動を開始する保留の種別(第1保留であるか第2保留であるか)、および、決定された特別図柄の種別に応じて、それぞれ第2変動パターンコマンド決定テーブルが選択される。各テーブルには第2変動パターン乱数と、後半の変動演出の態様を決定する第2変動パターンとが対応付けられており、第2変動パターン乱数に基づいて、いずれかの第2変動パターンが決定されることとなる。
【0067】
図9は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブルを説明する図である。特別電動役物作動テーブルは、特別遊技の実行中に大入賞口開閉ソレノイド28cを通電制御するために参照されるものであり、本実施形態においては、特別電動役物作動テーブルとして、作動TBL1が設けられている。そして、特別図柄A、B、C、D、E、F、G(以下、「特別図柄A〜G」と記す)のいずれかが決定されると、この作動TBL1を参照して特別遊技が実行される。この作動TBL1によれば、大入賞口28が29秒開放すること、または、大入賞口28に9個の遊技球が入球する(カウントC=9)ことのいずれかの条件が成立することによって終了するラウンド遊技が15回実行される。なお、各特別遊技において、ラウンド遊技間に設定される大入賞口28の閉鎖時間すなわちインターバル時間は、それぞれ2.0秒に設定されている。
【0068】
図10は、上記のようにして特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブルを説明する図である。特別遊技の終了後の遊技状態は、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別によって決定される。
【0069】
図示のとおり、特別図柄A、B、Cが決定された場合には、特別遊技の終了後に低確率遊技状態に設定され、特別図柄D、E、F、Gが決定された場合には、特別遊技の終了後に高確率遊技状態に設定される。なお、高確率遊技状態は、大当たりの抽選結果が10000回確定するまで継続する。高確率遊技状態においては、大当たりの当選確率が1/39.9に設定されていることから、実質的には、大当たりに再度当選するまで高確率遊技状態が継続することとなる。
【0070】
また、特別遊技の終了後の遊技状態としては、高確率遊技状態または低確率遊技状態に加えて、時短遊技状態に設定される。この時短遊技状態は、特別図柄の種別に応じて次のようにして決定される。
【0071】
すなわち、大当たり図柄(特別図柄A〜G)が決定されて特別遊技が実行された場合には、当該特別遊技の終了後の遊技状態として必ず時短遊技状態に設定される。ただし、時短遊技状態の継続回数(時短回数)は、特別遊技の実行契機となった大当たり図柄の種別によって異なっている。具体的には、特別図柄A、Dが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が10回確定するまで継続し、特別図柄B、Eが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が20回確定するまで継続し、特別図柄C、Fが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が30回確定するまで継続する。また、特別図柄Gが決定されて特別遊技が実行された場合には、大当たりの抽選結果が10000回確定するまで継続する。ただし、上記した時短遊技状態の継続回数(時短回数)は最大継続回数を示すものであり、上記の継続回数に到達するまでの間に大当たりに当選した場合には、再度、継続回数が設定されることとなる。
【0072】
図11は、普通図柄判定テーブルを説明する図である。遊技領域16を流下する遊技球がゲート24を通過すると、第2始動口22の可動片22bを通電制御するか否かが対応付けられた普通図柄の決定処理(以下、「普図抽選」という)が行われる。
【0073】
なお、詳しくは後述するが、遊技球がゲート24を通過すると、0〜19の範囲内から1つの普通図柄乱数が取得されるとともに、この乱数値がメインRAM100cの普図保留記憶領域に4つを上限として記憶される。したがって、普図保留記憶領域に4つの乱数値が記憶された状態で、遊技球がゲート24を通過した場合には、当該遊技球の通過に基づいて乱数値が記憶されることはない。以下では、ゲート24を遊技球が通過して普図保留記憶領域に記憶された乱数値(普通図柄乱数)を普図保留とよぶ。
【0074】
非時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図11(a)に示す普通図柄判定テーブル1が参照される。この普通図柄判定テーブル1によれば、普通図柄乱数が0であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が1〜19あった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は1/20となる。
【0075】
また、時短遊技状態において普図抽選を開始する場合には、
図11(b)に示す普通図柄判定テーブル2が参照される。この普通図柄判定テーブル2によれば、普通図柄乱数が0〜18であった場合に当選と判定し、普通図柄乱数が19であった場合にはハズレと判定する。したがって、この場合の当選確率は19/20となる。なお、普図抽選によって当選の判定結果が得られた場合には当たり図柄が決定され、ハズレの判定結果が得られた場合にはハズレ図柄が決定される。
【0076】
図12(a)は、普通図柄変動パターン決定テーブルを説明する図であり、
図12(b)は、第2始動口開放制御テーブルを説明する図である。上記のように、普図抽選が行われると、普通図柄の変動パターンが決定される。ここでは、遊技状態が非時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が20秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態に設定されている場合には変動時間が1秒に決定される。このようにして変動時間が決定されると、当該決定された時間にわたって普通図柄表示器88が変動表示(点滅表示)される。そして、当たり図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が点灯し、ハズレ図柄が決定された場合には普通図柄表示器88が消灯する。
【0077】
そして、普図抽選によって当たり図柄が決定されるとともに、普通図柄表示器88が点灯した場合には、第2始動口22の可動片22bが、普図抽選が行われたときの遊技状態に応じて
図12(b)に示すように通電制御される。
【0078】
すなわち、非時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが0.1秒×1回=0.1秒のみ通電され、第2始動口22の可動片22bが0.1秒のみ開放する。また、時短遊技状態において当たり図柄が決定された場合には、始動口開閉ソレノイド22cが2.9秒×2回=5.8秒通電され、第2始動口22の可動片22bが合計で5.8秒開放する。
【0079】
このように、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動口22に遊技球が入球しやすくなる。つまり、時短遊技状態においては、ゲート24を遊技球が通過する限りにおいて、次々と普図抽選がなされるとともに、第2始動口22が頻繁に開放状態となるため、遊技者は遊技球の費消を低減しながら、大当たりの抽選を行うことが可能となる。
【0080】
次に、遊技機1における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
【0081】
(主制御基板のメイン処理)
図13を用いて、主制御基板100のメイン処理を説明する。
【0082】
電源基板より電源が供給されると、メインCPU100aにシステムリセットが発生し、メインCPU100aは、以下のメイン処理を行う。
【0083】
(ステップS1)
メインCPU100aは、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM100cに記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板200に送信する各種のコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。
【0084】
(ステップS2)
次に、メインCPU100aは、変動パターン乱数を更新する演出乱数更新処理を行う。
【0085】
(ステップS3)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数および大当たり乱数を更新する際に参照される初期値乱数の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS2とステップS3との処理を繰り返し行う。
【0086】
(主制御基板のタイマ割込処理)
図14を用いて、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
【0087】
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(2ミリ秒、以下「2ms」という)毎にクロックパルスが発生されることで、以下のタイマ割込処理が実行される。
【0088】
(ステップS100)
まず、メインCPU100aは、各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
【0089】
(ステップS200)
次に、メインCPU100aは、特別図柄乱数、大当たり乱数、普通図柄乱数を更新する処理を行う。
【0090】
具体的には、それぞれの乱数カウンタを1加算して、乱数カウンタを更新する。なお、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の初期値乱数の値から乱数を更新する。
【0091】
(ステップS300)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18a、第1始動口検出スイッチ20a、第2始動口検出スイッチ22a、ゲート検出スイッチ24a、大入賞口検出スイッチ28aに入力があったか否か判定する入力制御処理を行う。
【0092】
(ステップS400)
次に、メインCPU100aは、特別図柄、特別電動役物の制御を行うための特図特電処理を行う。
【0093】
(ステップS500)
次に、メインCPU100aは、普通図柄、普通電動役物の制御を行うための普図普電処理を行う。
【0094】
(ステップS600)
次に、メインCPU100aは、一般入賞口18、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口28に遊技球が入球したか否かを確認するとともに、遊技球の入球があった場合には、それぞれに対応する払出個数指定コマンドを払出制御基板120に送信する。
【0095】
(ステップS700)
次に、メインCPU100aは、外部情報データ、第2始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイドデータ、各表示器80、82、84、86、88,90の表示データを作成する処理を行う。
【0096】
(ステップS800)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS700で作成した各データの信号を出力させるポート出力処理、および、上記各ステップでメインRAM100cの演出用伝送データ格納領域にセットされたコマンドを送信するコマンド送信処理を行う。
【0097】
以下に、上記したタイマ割込処理のうち、ステップS300の入力制御処理、ステップS400の特図特電処理、ステップS500の普図普電処理について、詳細に説明する。
【0098】
図15は、上記ステップS300の入力制御処理を説明するフローチャートである。
【0099】
(ステップS310)
まず、メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が一般入賞口18に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、一般入賞口検出スイッチ18aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる一般入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する。
【0100】
(ステップS320)
次に、メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が大入賞口28に入球したか否かを判定する。メインCPU100aは、大入賞口検出スイッチ28aから検出信号が入力された場合には、賞球のために用いる大入賞口賞球カウンタに所定のデータを加算して更新するとともに、大入賞口28に入球した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタを加算して更新する。
【0101】
(ステップS330)
次に、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第1始動口20に入球したか否かを判定して、大当たりの抽選を行うための所定のデータをセットする。詳しくは、
図16を用いて後述する。
【0102】
(ステップS340)
次に、メインCPU100aは、第2始動口検出スイッチ22aから検出信号が入力されたか、すなわち、遊技球が第2始動口22に入球したか否かを判定する。なお、この第2始動口検出スイッチ入力処理は、各種データの記憶領域を異にする点を除いて、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理と同じである。
【0103】
(ステップS350)
次に、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから信号が入力されたか、すなわち、遊技球がゲート24を通過したか否かを判定する。このゲート検出スイッチ入力処理については、
図18を用いて後述する。
【0104】
図16は、上記ステップS330の第1始動口検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0105】
(ステップS330−1)
まず、メインCPU100aは、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたか否かを判定する。第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS330−2に処理を移し、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0106】
(ステップS330−2)
上記ステップS330−1において、第1始動口検出スイッチ20aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、賞球のために用いる賞球カウンタに所定のデータを加算して更新する処理を行う。
【0107】
(ステップS330−3)
次に、メインCPU100aは、保留記憶領域に記憶されている第1保留数(X1)が4未満であるか否かを判定する。その結果、第1保留数(X1)<4と判定した場合にはステップS330−4に処理を移し、第1保留数(X1)≧4と判定した場合には第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0108】
(ステップS330−4)
上記ステップS330−3において、第1保留数(X1)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留数(X1)に「1」加算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0109】
(ステップS330−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された特別図柄乱数を取得して、第1保留記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に取得した特別図柄乱数を記憶する。
【0110】
(ステップS330−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された大当たり乱数を取得するとともに、当該取得した大当たり乱数を、上記ステップS330−5で特別図柄乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0111】
(ステップS330−7)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS2で更新された変動パターン乱数を取得するとともに、上記ステップS330−5およびステップS330−6で各乱数を記憶したのと同じ記憶部に記憶する。
【0112】
(ステップS331)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS330−5〜ステップS330−7で記憶部に記憶された各乱数を判定する事前判定処理を実行し、当該第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
【0113】
図17は、上記ステップS331の事前判定処理を説明するフローチャートである。
【0114】
(ステップS331−1)
まず、メインCPU100aは、上記ステップS330−5で記憶部に記憶された特別図柄乱数を事前判定する。具体的には、現在の遊技状態に応じて、
図4に示す特別図柄判定テーブル1または特別図柄判定テーブル2を選択するとともに、選択したテーブルを参照して特別図柄乱数を事前判定し、当該事前判定結果をメインRAM100cの所定の処理領域に記憶する。
【0115】
(ステップS331−2)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS330−6で記憶部に記憶された大当たり乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−1の事前判定によって「大当たり」の結果が導出された場合には、
図5に示す図柄種別判定テーブル1を選択するとともに、当該選択したテーブルを参照して大当たり乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された特別図柄の種別を、メインRAM100cの所定の処理領域に記憶する。一方、上記ステップS331−1の事前判定によって「大当たり」の結果が導出されなかった場合には、特別図柄Xに係るデータを、メインRAM100cの所定の処理領域に記憶する。
【0116】
(ステップS331−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS330−7で記憶部に記憶された第1変動パターン乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−2の事前判定結果によって導出された特別図柄の種別に応じて、
図6に示す第1変動パターンコマンド決定テーブルを選択するとともに、当該選択したテーブルを参照して第1変動パターン乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された第1変動パターンの種別に係る情報(以下、「第1変動パターン情報」という)を、メインRAM100cの所定の処理領域に記憶する。
【0117】
(ステップS331−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS330−7で記憶部に記憶された第2変動パターン乱数を事前判定する。具体的には、上記ステップS331−3の事前判定結果によって導出された第1変動パターン情報、現在の遊技状態、上記ステップS331−2の事前判定結果によって導出された特別図柄の種別に応じて、
図7または
図8に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルを選択するとともに、選択したテーブルを参照して第2変動パターン乱数を事前判定する。そして、当該事前判定によって導出された第2変動パターンの種別に係る情報(以下、「第2変動パターン情報」という)を、メインRAM100cの所定の処理領域に記憶する。
【0118】
(ステップS331−5)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS331−3および上記ステップS331−4においてメインRAM100cに記憶された第1変動パターン情報および第2変動パターン情報に基づいて始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動口検出スイッチ入力処理を終了する。これにより、第1保留が留保された時点における第1変動パターン情報と第2変動パターン情報とが副制御基板200に送信されることとなる。
【0119】
なお、始動入賞コマンドは、第1保留が留保されたのか、それとも第2保留が留保されたのかを識別可能に構成されている。また、第1変動パターン情報と第2変動パターン情報とを1つのコマンドにもたせてもよいし、それぞれの情報を別個のコマンドにもたせて複数コマンドを送信することとしてもよい。この事前判定処理は第2始動口22に遊技球が入球した場合にも同様に行われる。
【0120】
図18は、上記ステップS350のゲート検出スイッチ入力処理を説明するフローチャートである。
【0121】
(ステップS350−1)
まず、メインCPU100aは、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたか否かを判定する。その結果、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合にはステップS350−2に処理を移し、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されていないと判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0122】
(ステップS350−2)
上記ステップS350−1において、ゲート検出スイッチ24aから検出信号が入力されたと判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が4未満であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)<4と判定した場合にはステップS350−3に処理を移し、普図保留数(Y)≧4と判定した場合には、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。
【0123】
(ステップS350−3)
上記ステップS350−2において、普図保留数(Y)<4と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)に「1」加算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0124】
(ステップS350−4)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS200で更新された普通図柄乱数を取得して普通図柄保留記憶領域に記憶して、当該ゲート検出スイッチ入力処理を終了する。なお、普通図柄保留記憶領域は、第1記憶部〜第4記憶部の4つの記憶部を有しており、普通図柄乱数が取得されると、第1記憶部から順に普通図柄乱数が記憶されていない空きの記憶部が検索され、空いている記憶部のうちもっとも番号の小さい記憶部に、取得した普通図柄乱数が記憶される。以下では、普通図柄保留記憶領域の記憶部に記憶された普通図柄乱数を普図保留とよぶ。
【0125】
次に、
図19〜
図24を用いて、主制御基板100において実行される上記の特別図柄遊技に係る処理について説明する。
【0126】
図19は、上記ステップS400の特図特電処理を説明するフローチャートである。
【0127】
(ステップS410)
まず、メインCPU100aは、特図特電データの値をロードする。この特図特電データとしては、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ(00)と、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ(01)と、停止後処理の実行を示すデータ(02)と、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ(03)と、特別遊技終了処理の実行を示すデータ(04)と、が設けられている。
【0128】
次に、メインCPU100aは、特別図柄変動開始処理(ステップS420)、特別図柄変動停止処理(ステップS430)、停止後処理(ステップS440)、特別電動役物制御処理(ステップS450)、特別遊技終了処理を実行するが、これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0129】
図20は、上記ステップS420の特別図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0130】
(ステップS420−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ(00)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=00と判定した場合にはステップS420−2に処理を移し、特図特電データ=00ではないと判定した場合には当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0131】
(ステップS420−2)
上記ステップS420−1において、特図特電データ=00であると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されているかを判定する。その結果、第2保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−3に処理を移し、第2保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−4に処理を移す。
【0132】
(ステップS420−3)
上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第2保留記憶領域に記憶されている第2保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第2保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第2保留数(X2)から「1」減算した値を新たな第2保留数(X2)として記憶する。
【0133】
(ステップS420−4)
また、上記ステップS420−2において、第2保留記憶領域に第2保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されているかを判定する。その結果、第1保留が記憶されていると判定した場合にはステップS420−5に処理を移し、第1保留は記憶されていないと判定した場合にはステップS420−10に処理を移す。
【0134】
(ステップS420−5)
上記ステップS420−4において、第1保留記憶領域に第1保留が記憶されていると判定した場合には、メインCPU100aは、第1保留記憶領域に記憶されている第1保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている各乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第2記憶部〜第4記憶部に各乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留は、留保された順に処理領域に書き込まれることとなる。したがって、記憶部に記憶された第1保留は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、大当たりの抽選を行う際の判定に用いられることとなる。また、このとき、第1保留数(X1)から「1」減算した値を新たな第1保留数(X1)として記憶する。
【0135】
(ステップS420−6)
次に、メインCPU100aは、特別図柄判定テーブル(
図4参照)および図柄種別判定テーブル(
図5参照)のうち、現在の遊技状態に対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に複写された特別図柄乱数および大当たり乱数を、それぞれ選択したテーブルに基づいて判定して、いずれかの特別図柄を決定するとともに、当該決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM100cの所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現在の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定したときの遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。
【0136】
このように、この特別図柄変動開始処理によれば、第1保留および第2保留の双方が記憶されている場合には、第2保留に基づいて特別図柄決定処理がなされる。つまり、ここでは、第2保留が第1保留に優先して処理されることとなる。
【0137】
(ステップS421)
次に、メインCPU100aは、
図6に示す第1変動パターンコマンド決定テーブル、および、
図7または
図8に示す第2変動パターンコマンド決定テーブルのうち、現在の遊技状態などに基づいて、対応するテーブルを選択する。そして、上記ステップS420−3または上記ステップS420−5において処理領域に上書きされた変動パターン乱数を、選択したテーブルに基づいて判定することにより変動パターンを決定する。ここでは、第1変動パターン乱数によって演出の前半部分の変動パターンが決定され、第2変動パターン乱数によって演出の後半部分の変動パターンが決定される。メインCPU100aは、決定した変動パターンに対応する変動パターンコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0138】
(ステップS420−7)
次に、メインCPU100aは、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82において、特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示器80が点滅表示を開始するとともに、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示器82が点滅表示を開始する。なお、ここで制御される点滅表示とは、各表示器82、84において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。また、第1保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1保留が1つ減ることを示すように、第1特別図柄保留表示器84が表示制御され、第2保留に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2保留が1つ減ることを示すように、第2特別図柄保留表示器86が表示制御される。
【0139】
(ステップS420−8)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS421で決定した変動時間を変動時間カウンタにセットする。
【0140】
(ステップS420−9)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、特図特電データに「01」をセットし、当該特別図柄変動開始処理を終了する。
【0141】
(ステップS420−10)
また、上記ステップS420−4において、第1保留は記憶されていないと判定した場合には、メインCPU100aは、デモ判定処理を実行する。このデモ判定処理において、メインCPU100aは、特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間にわたって特別図柄の変動表示が行われない場合には、演出表示部50aにデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。
【0142】
図21は、上記ステップS430の特別図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0143】
(ステップS430−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ(01)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=01と判定した場合にはステップS430−2に処理を移し、特図特電データ=01ではないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0144】
(ステップS430−2)
上記ステップS430−1において、特図特電データ=01と判定した場合には、メインCPU100aは、変動時間(ステップS420−8でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、変動時間が経過したと判定した場合にはステップS430−3に処理を移し、変動時間は経過していないと判定した場合には当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0145】
(ステップS430−3)
上記ステップS430−2において、変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS420−6で決定、記憶された特別図柄を、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に停止表示するための停止表示データをセットする。
【0146】
(ステップS430−4)
次に、メインCPU100aは、図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0147】
(ステップS430−5)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして特別図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0148】
(ステップS430−6)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において停止後処理が実行されるように、特図特電データに「02」をセットし、当該特別図柄変動停止処理を終了する。
【0149】
図22は、上記ステップS440の停止後処理を説明するフローチャートである。
【0150】
(ステップS440−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、停止後処理の実行を示すデータ(02)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=02と判定した場合にはステップS440−2に処理を移し、特図特電データ=02ではないと判定した場合には当該停止後処理を終了する。
【0151】
(ステップS440−2)
上記ステップS440−1において、特図特電データ=02と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS430−5でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS440−3に処理を移す。
【0152】
(ステップS440−3)
上記ステップS440−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、時短遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であることを示す特定フラグがオンしているか否かを判定する。そして、特定フラグがオンしている場合には、メインRAM100cに設けられた特定変動回数記憶領域を更新する。この特定変動回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残り変動回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に特定フラグをオフする処理が行われることとなる。また、特定フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−4に処理を移す。
【0153】
(ステップS440−4)
次に、メインCPU100aは、高確率遊技状態設定処理を行う。ここでは、メインCPU100aは、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確フラグがオンしているか否かを判定する。そして、高確フラグがオンしている場合には、メインRAM100cに設けられた高確変動回数記憶領域を更新する。この高確変動回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残り変動回数が記憶されており、ここでは、現在、記憶されている残り変動回数から「1」減算した値を新たな残り変動回数として記憶することとなる。なお、残り変動回数を更新した結果、残り変動回数=0となった場合には、同時に高確フラグをオフする処理が行われることとなる。また、高確フラグはオンしていないと判定した場合には、そのまま次のステップS440−5に処理を移す。
【0154】
(ステップS440−5)
次に、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が大当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS440−6に処理を移し、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合にはステップS440−7に処理を移す。
【0155】
(ステップS440−6)
上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該停止後処理を終了する。これにより、次の特別図柄の変動表示が開始可能となる。
【0156】
(ステップS440−7)
一方、上記ステップS440−5において、停止表示されている図柄は大当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、遊技状態をリセットする処理を行う。
【0157】
(ステップS440−8)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別電動役物制御処理が実行されるように、特図特電データに「03」をセットする。これにより、大当たり図柄が停止表示した後に特別遊技が開始されることとなる。
【0158】
(ステップS440−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットして当該停止後処理を終了する。
【0159】
図23は、上記ステップS450の特別電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0160】
(ステップS450−1)
まず、メインCPU100aは、特図特電データが、特別電動役物制御処理の実行を示すデータ(03)であるか否かを判定する。その結果、特図特電データ=03と判定した場合にはステップS450−2に処理を移し、特図特電データ=03ではないと判定した場合には当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0161】
(ステップS450−2)
上記ステップS450−1において、特図特電データ=03と判定した場合には、メインCPU100aは、特別遊技実行処理を行う。ここでは、ラウンド遊技が開始する前のオープニング処理、
図9に示す作動TBL1を参照して行われるラウンド遊技実行処理、ラウンド遊技の終了後のエンディング処理が行われる。また、ここでは、オープニング処理の開始時にオープニングコマンドがセットされ、各ラウンド遊技の開始時にラウンド開始コマンドがセットされ、エンディング処理の開始時にエンディングコマンドがセットされる。そして、これらの各コマンドを受信すると、副制御基板200において特別遊技中の演出が実行される。
【0162】
(ステップS450−3)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS450−2における特別遊技実行処理によって特別遊技が終了したか、より具体的には、全てのラウンド遊技が終了するとともに、エンディング処理によって計時されるエンディング時間が経過したかを判定する。その結果、特別遊技が終了したと判定した場合にはステップS450−4に処理を移し、特別遊技は終了していないと判定した場合には、そのまま当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0163】
(ステップS450−4)
上記ステップS450−3において、特別遊技は終了したと判定した場合には、メインCPU100aは、特図特電処理において特別遊技終了処理が実行されるように、特図特電データに「04」をセットし、当該特別電動役物制御処理を終了する。
【0164】
図24は、上記ステップS460の特別遊技終了処理を説明するフローチャートである。
【0165】
(ステップS460−1)
まず、メインCPU100aは、メインRAM100cに記憶された特別図柄データおよび遊技状態バッファにある遊技状態データをロードする。そして、
図10に示す遊技状態設定テーブルを参照し、これら特別図柄データおよび遊技状態データに基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。例えば、特別図柄データが特別図柄Cを示すデータであった場合には、特定フラグおよび高確フラグの双方をオンするとともに、特定変動回数記憶領域および高確変動回数記憶領域の双方に、残り変動回数として10000を記憶する。
【0166】
(ステップS460−2)
次に、メインCPU100aは、遊技状態を確認し、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
【0167】
(ステップS460−3)
次に、メインCPU100aは、特図特電処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、特図特電データに「00」をセットし、当該特別遊技終了処理を終了する。
【0168】
次に、
図25〜
図29を用いて、主制御基板100において実行される上記の普通図柄遊技に係る処理について説明する。
【0169】
図25は、上記ステップS500の普図普電処理を説明するフローチャートである。
【0170】
(ステップS510)
まず、メインCPU100aは、普図普電データの値をロードする。この普図普電データは、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ(10)と、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ(11)と、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ(12)と、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ(13)と、が設けられている。
【0171】
次に、メインCPU100aは、普通図柄変動開始処理(ステップS520)、普通図柄変動停止処理(ステップS530)、普通図柄停止後処理(ステップS540)、普通電動役物制御処理(ステップS550)を実行するが、これら各処理について、以下に、図面を参照して説明する。
【0172】
図26は、上記ステップS520の普通図柄変動開始処理を説明するフローチャートである。
【0173】
(ステップS520−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ(10)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=10と判定した場合にはステップS520−2に処理を移し、普図普電データ=10ではないと判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0174】
(ステップS520−2)
上記ステップS520−1において、普図普電データ=10と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)が1以上であるかを判定する。その結果、普図保留数(Y)≧1と判定した場合にはステップS520−3に処理を移し、普図保留数(Y)<1と判定した場合には当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0175】
(ステップS520−3)
上記ステップS520−2において、普図保留数(Y)≧1と判定した場合には、メインCPU100aは、普図保留数(Y)から「1」減算した値を新たな普図保留数(Y)として記憶する。
【0176】
(ステップS520−4)
次に、メインCPU100aは、普通図柄保留記憶領域に記憶されている普図保留をシフトする処理を行う。具体的には、第1記憶部に記憶されている普通図柄乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に普通図柄乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を1つ前の記憶部にシフトさせる。具体的には、第1記憶部に記憶されている乱数を所定の処理領域に複写するとともに、第2記憶部に記憶されている乱数を第1記憶部にシフトさせて記憶する。同様に、第3記憶部および第4記憶部に乱数が記憶されている場合には、これら各乱数を番号の1つ小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普通図柄保留記憶領域に記憶された普図保留は、記憶された順に処理領域に書き込まれることとなる。つまり、普通図柄保留記憶領域に記憶された乱数は、先に記憶された乱数から順に読み出されて、当選判定処理に用いられることとなる。
【0177】
(ステップS520−5)
次に、メインCPU100aは、処理領域に複写された普通図柄乱数の当選判定処理を行う。具体的には、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、
図11(a)に示す普通図柄判定テーブル1を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。また、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、
図11(b)に示す普通図柄判定テーブル2を参照して、処理領域に複写された普通図柄乱数を判定する。
【0178】
(ステップS520−6)
次に、メインCPU100aは、上記ステップS520−5の当選判定処理の結果が当選であるか否かを判定する。その結果、当選の判定結果が得られた場合にはステップS520−7に処理を移し、当選ではなくハズレの判定結果が得られた場合にはステップS520−8に処理を移す。
【0179】
(ステップS520−7)
上記ステップS520−6において、判定結果が当選であると判定した場合には、メインCPU100aは、当たり図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0180】
(ステップS520−8)
一方、上記ステップS520−6において、判定結果がハズレであると判定した場合には、メインCPU100aは、ハズレ図柄データをメインRAM100cの所定の領域に記憶する。
【0181】
(ステップS520−9)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、現在の遊技状態に応じて普図変動時間をセットする。具体的には、
図12(a)に示すように、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに20秒をセットし、時短遊技状態である場合には普図変動時間カウンタに1秒をセットする。
【0182】
(ステップS520−10)
次に、メインCPU100aは、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示器88が点滅表示を開始する。また、普通図柄の変動表示が開始するのと同時に、普図保留が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示器90が表示制御される。
【0183】
(ステップS520−11)
次に、メインCPU100aは、現在の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。
【0184】
(ステップS520−12)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図普電データに「11」をセットし、当該普通図柄変動開始処理を終了する。
【0185】
図27は、上記ステップS530の普通図柄変動停止処理を説明するフローチャートである。
【0186】
(ステップS530−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ(11)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=11と判定した場合にはステップS530−2に処理を移し、普図普電データ=11ではないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0187】
(ステップS530−2)
上記ステップS530−1において、普図普電データ=11と判定した場合には、メインCPU100aは、普図変動時間(ステップS520−9でセット)が経過したかを判定する。その結果、普図変動時間が経過したと判定した場合にはステップS530−3に処理を移し、普図変動時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0188】
(ステップS530−3)
上記ステップS530−2において、普図変動時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄表示器88に普通図柄を停止表示するための停止表示データをセットする。
【0189】
(ステップS530−4)
次に、メインCPU100aは、上記のようにして普通図柄の停止表示を開始したら、停止表示時間カウンタに図柄を停止表示する時間をセットする。
【0190】
(ステップS530−5)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図普電データに「12」をセットし、当該普通図柄変動停止処理を終了する。
【0191】
図28は、上記ステップS540の普通図柄停止後処理を説明するフローチャートである。
【0192】
(ステップS540−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通図柄停止後処理の実行を示すデータ(12)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=12と判定した場合にはステップS540−2に処理を移し、普図普電データ=12ではないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0193】
(ステップS540−2)
上記ステップS540−1において、普図普電データ=12と判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示時間(ステップS530−4でセット)が経過したか否かを判定する。その結果、停止表示時間は経過していないと判定した場合には当該普通図柄停止後処理を終了し、停止表示時間を経過したと判定した場合にはステップS540−3に処理を移す。
【0194】
(ステップS540−3)
上記ステップS540−2において、停止表示時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、停止表示されている図柄が当たり図柄であるかを判定する。その結果、停止表示されている図柄は当たり図柄ではないと判定した場合にはステップS540−5に処理を移し、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合にはステップS540−4に処理を移す。
【0195】
(ステップS540−4)
上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄であると判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通電動役物制御処理が実行されるように、普図普電データに「13」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0196】
(ステップS540−5)
一方、上記ステップS540−3において、停止表示されている図柄は当たり図柄ではない(ハズレ図柄である)と判定した場合には、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0197】
図29は、上記ステップS550の普通電動役物制御処理を説明するフローチャートである。
【0198】
(ステップS550−1)
まず、メインCPU100aは、普図普電データが、普通電動役物制御処理の実行を示すデータ(13)であるか否かを判定する。その結果、普図普電データ=13と判定した場合にはステップS550−2に処理を移し、普図普電データ=13ではないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0199】
(ステップS550−2)
上記ステップS550−1において、普図普電データ=13と判定した場合には、メインCPU100aは、普通電動役物が制御中であるか、すなわち、すでに始動口開閉ソレノイド22cが通電制御中であるかを判定する。その結果、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、ステップS550−5に処理を移し、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合にはステップS550−3に処理を移す。
【0200】
(ステップS550−3)
上記ステップS550−2において、普通電動役物は制御中ではないと判定した場合には、メインCPU100aは、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態または時短遊技状態のいずれであったかを判定する。
【0201】
(ステップS550−4)
次に、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電制御を開始すべく、上記ステップS550−3において確認した遊技状態に応じて通電制御データをセットする。具体的には、普通図柄の変動開始時の遊技状態が非時短遊技状態であった場合には始動口開閉ソレノイド22cの通電制御データとして、開放回数=1回、1回の開放時間=0.1秒となる通電制御データをセットする。また、普通図柄の変動開始時の遊技状態が時短遊技状態であった場合には、開放回数=2回、1回の開放時間=2.9秒となる通電制御データをセットする。
【0202】
(ステップS550−5)
また、上記ステップS550−2において、普通電動役物が制御中であると判定した場合には、メインCPU100aは、上記ステップS550−4でセットされた通電時間を経過したかを判定する。その結果、通電時間を経過したと判定した場合にはステップS550−6に処理を移し、通電時間は経過していないと判定した場合には当該普通電動役物制御処理を終了する。
【0203】
(ステップS550−6)
上記ステップS550−5において、通電時間が経過したと判定した場合には、メインCPU100aは、始動口開閉ソレノイド22cの通電を停止する処理を行う。
【0204】
(ステップS550−7)
次に、メインCPU100aは、普図普電処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図普電データに「10」をセットし、当該普通図柄停止後処理を終了する。
【0205】
以上のように、主制御基板100において各種の処理が実行されることにより、特別図柄遊技および普通図柄遊技が進行することとなるが、こうした遊技の進行中には、主制御基板100から送信されるコマンドに基づいて、副制御基板200において、さまざまな演出を実行するための制御が行われる。以下では、副制御基板200において決定、制御され、特別図柄の変動表示中に演出表示部50aに表示される変動演出について、具体的に説明する。
【0206】
本実施形態においては、
図30(a)に示すように、演出表示部50aに表示される3つの演出図柄40a、40b、40cの組み合わせによって、大当たりの抽選結果を遊技者に報知するようにしている。
【0207】
演出図柄40a、40b、40cのそれぞれは、1〜9の数字が記された9種類の図柄から構成されている。そして、特別図柄の変動表示が開始するのとほぼ同時に、
図30(b)に示すように、演出図柄40a、40b、40cのそれぞれが、9種類の図柄を縦方向にスクロール表示させる変動演出を開始する。なお、
図30(b)における矢印は、演出図柄40a、40b、40cが変動表示中(縦方向のスクロール表示中)であることを示している。そして、特別図柄の変動表示が終了して、第1特別図柄表示器80または第2特別図柄表示器82に特別図柄が停止表示するのとほぼ同じタイミングで、演出表示部50aに、全ての演出図柄40a、40b、40cが停止表示される。
【0208】
このように、特別図柄の変動表示中には、演出図柄40a、40b、40cが演出表示部50aに変動表示される変動演出が行われる。本実施形態においては、変動演出の態様が、「リーチなし演出」、「リーチ演出」、「擬似連続リーチ演出」に分類され、これらのいずれかの態様の変動演出が行われることとなる。
【0209】
図31は、「リーチなし演出」の一例を示す図である。「リーチなし演出」においては、
図31(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図31(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図31(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと異なる図柄で停止表示し、その後、さらに所定時間が経過したところで、
図31(d)に示すように、最後に演出図柄40bが停止表示する。このとき、演出図柄40a、40b、40cの全てが同一の図柄で停止表示することはなく、これによって大当たりの抽選結果がハズレであったことが遊技者に報知される。
【0210】
なお、この「リーチなし演出」は、
図6に示すように、「なし(0秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。この「なし(0秒)」の第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「ハズレ」であった場合にのみ決定されるので、大当たり当選時に「リーチなし演出」が実行されることはない。また、「なし(0秒)」の第1変動パターンが決定された場合には、
図7に示すように、「通常ハズレ1(12秒)」、「通常ハズレ2(10秒)」、「短縮ハズレ1(8秒)」、「短縮ハズレ2(4秒)」、「短縮ハズレ3(3秒)」のいずれかの第2変動パターンが決定される。したがって、「リーチなし演出」中の画像や音声、あるいは変動演出の時間は、これらのいずれかの第2変動パターンに基づいて決定されることとなる。
【0211】
図32は、「リーチ演出」の一例を示す図である。「リーチ演出」においては、
図32(a)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが変動表示を開始してから所定時間経過後に、
図32(b)に示すように、まず、演出図柄40aが停止表示する。その後、さらに所定時間経過後に、
図32(c)に示すように、演出図柄40cが演出図柄40aと同じ図柄で停止表示する。
【0212】
このとき、
図32(d)に示すように、演出図柄40bが変動表示を継続したままの状態で、演出表示部50aにおいて、「リーチ」という文字が、演出図柄40a、40b、40cに重畳表示される。その後、
図32(e)に示すように、演出役物装置52が初期位置から変位位置へと変位するとともに、所定時間、演出役物装置52が演出表示部50aの前面に臨んだ状態に保持される。
【0213】
そして、
図32(f)に示すように、演出役物装置52が初期位置へと復帰するとともに、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が小さくなって、演出表示部50aの右上の表示領域に表示された後、演出表示部50aにおいて、ストーリー画像などのさまざまな演出画像が表示される。その後、
図32(g)に示すように、演出図柄40a、40b、40cの表示面積が元の大きさとなったところで、演出図柄40bが停止表示し、このときの演出図柄40a、40b、40cの停止表示態様によって大当たりの抽選結果が報知されることとなる。
【0214】
なお、この「リーチ演出」は、
図6に示すように、「リーチ(20秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。この「リーチ(20秒)」の第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合と、「ハズレ」であった場合との双方の場合に決定され得る。そして、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合には、
図32(g)に示すように、最終的に全ての演出図柄40a、40b、40cが同一の図柄で停止表示する。これに対して、大当たりの抽選結果が「ハズレ」であった場合には、演出図柄40a、40cは同一の図柄で停止表示するものの、演出図柄40bは、最終的に演出図柄40a、40cと異なる図柄で停止表示することとなる。
【0215】
また、「リーチ(20秒)」の第1変動パターンが決定された場合には、
図7に示すように、「スーパーA(30秒)」、「スーパーB(40秒)」、「スーパーC(50秒)」、「スーパーD(60秒)」、「プレミアE(60秒)」のいずれかの第2変動パターンが決定される。したがって、「リーチ演出」中の画像や音声、あるいは変動演出の時間は、これらのいずれかの第2変動パターンに基づいて決定されることとなる。
【0216】
なお、詳しい説明は省略するが、「疑似連続リーチ演出」は、上記した「リーチ演出」の前半に、演出図柄40a、40b、40cの変動表示が、所定の停止表示態様で仮停止表示した後、変動表示を再開するといった態様の演出が所定回数行われ、その後、上記した「リーチ演出」と同様の変動演出が実行されるものである。
【0217】
なお、「擬似連続リーチ演出」は、
図6に示すように、「疑似1リーチ(25秒)」、「疑似2リーチ(30秒)」、「疑似3リーチ(35秒)」、「疑似4リーチ(40秒)」の第1変動パターンコマンドを受信した場合に実行される。これら各第1変動パターンコマンドは、大当たりの抽選結果が「大当たり」であった場合と、「ハズレ」であった場合との双方の場合に決定され得る。
【0218】
ここで、本実施形態においては、変動演出の一態様として、「事前連続演出」が設けられている。この「事前連続演出」は、予め設定された条件が満たされた場合に実行されるものであり、遊技者の期待感を高めて演出効果を向上するものである。この「事前連続演出」は、以下の点で、上記した「リーチなし演出」、「リーチ演出」、「疑似連続リーチ演出」と異なるものである。
【0219】
すなわち、上記した「リーチなし演出」、「リーチ演出」、「疑似連続リーチ演出」は、いずれも1回の変動演出によって内容が完結しており、前後に実行される他の変動演出との関連性を何ら有するものではない。また、これら各演出は、主制御基板100において、大当たりの抽選が行われるとともに、特別図柄の変動表示の開始にともなって開始されるものである。これに対して、「事前連続演出」は、保留が記憶されてから、当該保留に基づく特別図柄の変動表示が終了するまでの複数回の変動演出に亘って、同一のもしくは互いに関連性を有する演出が実行されるものである。
【0220】
図33は、「事前連続演出」の一例を説明する図である。例えば、第1保留が3つ留保された状態で、1つ目の第1保留に基づく変動演出が開始したとする。このとき、変動演出の開始に伴って、
図33(a)に示すように、演出役物装置52が初期位置から変位位置に変位する。このとき、演出図柄40a、40b、40cは、演出表示部50aのうち、遊技機1に正対する遊技者が演出役物装置52の隙間から視認可能な位置に小さく表示される。
【0221】
その後、
図33(b)に示すように、演出役物装置52が変位位置に保持されたままの状態で、演出図柄40a、40b、40cが停止表示されて、1つ目の保留に基づく変動演出(特別図柄の変動表示)が終了する。そして、2つ目の第1保留に基づく特別図柄の変動表示が開始すると、
図33(c)に示すように、再び、演出図柄40a、40b、40cが、演出表示部50aのうち上記と同じ位置で変動表示を開始する。このときも、演出役物装置52は、図示のように変位位置に保持されたままとなっており、所定時間経過後に、
図33(d)に示すように、演出図柄40a、40b、40cが停止表示されて、2つ目の保留に基づく変動演出(特別図柄の変動表示)が終了する。
【0222】
そして、演出役物装置52が変位位置に保持されたまま、
図33(e)に示すように、再び、演出図柄40a、40b、40cが、演出表示部50aのうち上記と同じ位置で変動表示を開始する。そして、所定時間が経過したところで、演出役物装置52が初期位置に復帰するとともに、演出表示部50aの全領域が視認可能となったところで、「リーチ演出」の後半部分に相当するストーリー演出画像が表示される。
【0223】
以上のように、本実施形態の「事前連続演出」は、複数回の特別図柄の変動表示、すなわち、複数回の変動演出に亘って、演出役物装置52が変位位置に保持されたままとなり、遊技者にインパクトを与えて演出効果を向上することができる。しかも、「事前連続演出」の実行中においては、変動演出が切り換わる場合にも、演出役物装置52が変位位置に保持されているので、複数回の変動演出を恰も一連の演出のように見せることができ、一層演出効果を向上することができる。
【0224】
上記のように、「事前連続演出」をはじめとする各演出は、副制御基板200において実行制御されることとなるが、以下では、上記の演出を実行するための副制御基板200の処理について説明する。
【0225】
(副制御基板200のメイン処理)
図34は、副制御基板200のメイン処理を説明するフローチャートである。
【0226】
(ステップS1000)
サブCPU200aは、電源投入に応じて、サブROM200bからメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM200cに記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を行う。
【0227】
(ステップS1001)
次に、サブCPU200aは、演出用乱数(第1演出乱数、第2演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1001の処理を繰り返し行う。
【0228】
(副制御基板200のタイマ割込処理)
図35は、副制御基板200のタイマ割込処理を説明するフローチャートである。副制御基板200には、所定の周期(2ms)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU200aはタイマ割込処理プログラムを読み込んで当該タイマ割込処理を開始する。
【0229】
(ステップS1100)
まず、サブCPU200aは、副制御基板200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。
【0230】
(ステップS1200)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。副制御基板200においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
【0231】
(ステップS1300)
次に、サブCPU200aは、実行中の演出進行状況に応じて、演出操作装置56の操作の受け付け可否を判定するとともに、演出操作装置検出スイッチ56aの信号のチェックを行う。そして、演出操作装置検出スイッチ56aから操作信号が入力されたときに、演出操作装置56の操作受け付け中であった場合には、演出操作装置56が操作されたことを画像制御基板210に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。
【0232】
(ステップS1400)
次に、サブCPU200aは、サブRAM200cの送信バッファにセットされているコマンドを画像制御基板210や電飾制御基板220へ送信し、タイマ割込処理を終了する。
【0233】
図36は、上記コマンド解析処理のうち、始動入賞コマンドを受信した場合に実行される始動入賞コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この始動入賞コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップS331−5(
図17参照)でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図14参照)によって副制御基板200に送信される。
【0234】
すでに説明したように、始動入賞コマンドは、当該保留の保留種別(第1保留であるのか第2保留であるのか)と、留保された時点における各乱数の事前判定結果に係る情報、具体的には、第1変動パターン情報および第2変動パターン情報を有している。なお、始動入賞コマンドに、第1変動パターン情報や第2変動パターン情報に加えて、大当たりやハズレといった大当たりの抽選結果を付加してもよい。
【0235】
(ステップS1210−1)
始動入賞コマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU200aは、受信した始動入賞コマンドを解析して、第1変動パターン情報をサブRAM200cの所定の記憶領域に記憶する。
【0236】
なお、サブRAM200cには、主制御基板100のサブRAM100cと同様に、第1保留記憶領域と第2保留記憶領域とが設けられており、受信した始動入賞コマンドが第1保留に係るコマンドであった場合には、第1変動パターン情報を第1保留記憶領域に記憶し、受信した始動入賞コマンドが第2保留に係るコマンドであった場合には、第1変動パターン情報を第2保留記憶領域に記憶する。このとき、両保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部〜第4記憶部を備えており、サブCPU200aは、第1記憶部から順に空いている記憶部を検索し、空いている記憶部に第1変動パターン情報を記憶する処理を行う。
【0237】
(ステップS1210−2)
次に、サブCPU200aは、受信した始動入賞コマンドを解析し、上記第1変動パターン情報を記憶したのと同じ記憶部に第2変動パターン情報を記憶する。
【0238】
(ステップS1210−3)
次に、サブCPU200aは、第1保留記憶領域および第2保留記憶領域に記憶されている情報に基づいて、演出表示部50aなどに、第1保留数(X1)および第2保留数(X2)を表示する保留表示コマンドをセットし、当該始動入賞コマンド受信処理を終了する。
【0239】
図37は、上記コマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この変動パターンコマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のうち、ステップS421の変動パターン決定処理(
図20参照)でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図14参照)によって副制御基板200に送信される。
【0240】
(ステップS1220)
変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には、まず、サブCPU200aは、上記した「事前連続演出」を開始するか否かを決定する事前連続演出実行開始処理を実行する。この事前連続演出実行開始処理については、
図38を用いて後述する。
【0241】
(ステップS1221)
次に、サブCPU200aは、主制御基板100においてなされた大当たりの抽選結果を報知するための変動演出態様決定処理を実行して、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、この変動演出態様決定処理については、
図39を用いて後述する。
【0242】
図38は、事前連続演出実行開始処理を説明するフローチャートである。
【0243】
(ステップS1220−1)
まず、サブCPU200aは、連続演出実行カウンタ(Z)が1以上であるかを判定する。この連続演出実行カウンタ(Z)は、上記した「事前連続演出」が実行中であるか否かを示すものであり、「0」〜「4」の値が記憶可能となっている。そして、連続演出実行カウンタ(Z)に記憶される値のうち、「0」は「事前連続演出」が実行されていないことを示し、「1」〜「4」は、以後、何回の変動演出にわたって「事前連続演出」が実行されるかを示している。したがって、ここでは、事前連続演出の実行中であるかを判定することとなる。そして、連続演出実行カウンタ(Z)≧1と判定した場合には、ステップS1220−9に処理を移し、連続演出実行カウンタ(Z)=0と判定した場合には、ステップS1220−2に処理を移す。
【0244】
(ステップS1220−2)
上記ステップS1220−1において、連続演出実行カウンタ(Z)=0と判定した場合には、サブCPU200aは、受信した変動パターンコマンドが第2保留用の変動パターンコマンドであるかを判定する。その結果、受信した変動パターンコマンドは第2保留用の変動パターンコマンドであると判定した場合にはステップS1220−10に処理を移し、受信した変動パターンコマンドは第2保留用の変動パターンコマンドではないと判定した場合にはステップS1220−3に処理を移す。
【0245】
(ステップS1220−3)
上記ステップS1220−2において、受信した変動パターンコマンドは第2保留用の変動パターンコマンドではない(第1保留用の変動パターンコマンドである)と判定した場合には、サブCPU200aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であるかを判定する。その結果、現在の遊技状態は時短遊技状態ではないと判定した場合にはステップS1220−4に処理を移し、現在の遊技状態は時短遊技状態であると判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0246】
(ステップS1220−4)
上記ステップS1220−3において、現在の遊技状態は時短遊技状態ではない(非時短遊技状態である)と判定した場合には、サブCPU200aは、第1保留数(X1)が2以上であるかを判定する。なお、ここでいう第1保留数(X1)には、今まさに実行中の処理によって変動演出を開始しようとしている第1保留も含まれる。そして、第1保留数(X1)が2以上であると判定した場合にはステップS1220−5に処理を移し、第1保留数(X1)が2未満(1である)と判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0247】
(ステップS1220−5)
上記ステップS1220−4において、第1保留数(X1)≧2と判定した場合には、サブCPU200aは、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている全ての変動パターン情報を解析する。なお、今まさに実行中の処理によって変動演出を開始しようとしている第1保留に係る変動パターン情報も解析対象となる。
【0248】
(ステップS1220−6)
次に、サブCPU200aは、第1保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部のいずれかに、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」の変動パターン情報が記憶されているかを判定する。その結果、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」の変動パターン情報が記憶されていると判定した場合にはステップS1220−7に処理を移し、「疑似1リーチ」および「疑似3リーチ」のいずれの変動パターン情報も記憶されていないと判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0249】
(ステップS1220−7)
上記ステップS1220−6において、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」の変動パターン情報が記憶されていると判定した場合には、サブCPU200aは、当該変動パターン情報が記憶されている記憶部よりも前の記憶部(番号が小さい記憶部)に記憶されている第1変動パターン情報が、全て「リーチなし(なし(0秒))」であるかを判定する。その結果、全て「リーチなし」と判定した場合にはステップS1220−8に処理を移し、全て「リーチなし」ではない(リーチまたは疑似リーチが含まれる)と判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0250】
(ステップS1220−8)
上記ステップS1220−7において、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」の前の変動演出は全て「リーチなし」であると判定した場合には、サブCPU200aは、連続演出実行カウンタ(Z)に「2」〜「4」の値をセットする。なお、ここでは、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」に係る変動パターン情報が記憶されている記憶部の番号がセットされる。例えば、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」に係る変動パターン情報が第3記憶部に記憶されている場合には、連続演出実行カウンタ(Z)に「3」がセットされ、「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」に係る変動パターン情報が第4記憶部に記憶されている場合には、連続演出実行カウンタ(Z)に「4」がセットされる。このようにして連続演出実行カウンタ(Z)が更新されることにより、当該変動演出から「事前連続演出」が開始されることとなる。
【0251】
(ステップS1220−9)
次に、サブCPU200aは、記憶部のシフト処理を行う。具体的には、第1保留に係る変動パターンコマンドを受信した場合には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されていた変動パターン情報を消去するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている変動パターン情報を1つ前の記憶部にシフトさせる。
【0252】
(ステップS1220−10)
また、上記ステップS1220−2において、受信した変動パターンコマンドは第2保留用の変動パターンコマンドであると判定した場合には、サブCPU200aは、第2保留数(X2)が2以上であるかを判定する。なお、ここでいう第2保留数(X2)には、今まさに実行中の処理によって変動演出を開始しようとしている第2保留も含まれる。そして、第2保留数(X2)が2以上であると判定した場合にはステップS1220−11に処理を移し、第2保留数(X2)が2未満(1である)と判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0253】
(ステップS1220−11)
上記ステップS1220−10において、第2保留数(X2)≧2と判定した場合には、サブCPU200aは、第2保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に記憶されている全ての変動パターン情報を解析する。なお、今まさに実行中の処理によって変動演出を開始しようとしている第2保留に係る変動パターン情報も解析対象となる。
【0254】
(ステップS1220−12)
次に、サブCPU200aは、第2保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部のいずれかに、「疑似2リーチ」または「疑似4リーチ」の変動パターン情報が記憶されているかを判定する。その結果、「疑似2リーチ」または「疑似4リーチ」の変動パターン情報が記憶されていると判定した場合にはステップS1220−13に処理を移し、「疑似2リーチ」および「疑似4リーチ」のいずれの変動パターン情報も記憶されていないと判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0255】
(ステップS1220−13)
上記ステップS1220−12において、「疑似2リーチ」または「疑似4リーチ」の変動パターン情報が記憶されていると判定した場合には、サブCPU200aは、当該変動パターン情報が記憶されている記憶部よりも前の記憶部(番号が小さい記憶部)に記憶されている第1変動パターン情報が、全て「リーチなし(なし(0秒))」であるかを判定する。その結果、全て「リーチなし」と判定した場合にはステップS1220−8に処理を移し、全て「リーチなし」ではない(リーチまたは疑似リーチが含まれる)と判定した場合にはステップS1220−9に処理を移す。
【0256】
そして、上記と同様に、ステップS1220−8またはステップS1220−9の処理を実行して当該事前連続演出実行開始処理を終了する。ただし、第2保留に係る変動パターンコマンドを受信した場合には、上記ステップS1220−8またはステップS1220−9において、第2保留記憶領域を対象として処理が実行されることとなる。
【0257】
上記の事前連続演出実行開始処理によれば、次の条件が全て成立した場合に、「事前連続演出」が開始されることとなる。すなわち、複数の第1保留によって「事前連続演出」を実行する場合には、遊技状態が非時短遊技状態であること、第1保留が2つ以上あること、第1保留に「疑似1リーチ」または「疑似3リーチ」があり、それよりも前に処理される第1保留の全てが「リーチなし」であること、が「事前連続演出」の実行開始条件として設定されている。
【0258】
また、複数の第2保留によって「事前連続演出」を実行する場合には、第2保留が2つ以上あること、第2保留に「疑似2リーチ」または「疑似4リーチ」があり、それよりも前に処理される第2保留の全てが「リーチなし」であること、が「事前連続演出」の実行開始条件として設定されている。したがって、「事前連続演出」は、「リーチなし」の変動演出が1〜3回行われた後に、最終的に「疑似1〜4リーチ」で終了することとなり、
図33で示すような演出が実行可能となっている。
【0259】
図39は、変動演出態様決定処理を説明するフローチャートである。
【0260】
(ステップS1221−1)
まず、サブCPU200aは、上記ステップS1001(
図34参照)で更新される第1演出乱数を取得する。
【0261】
(ステップS1221−2)
次に、サブCPU200aは、受信した第1変動パターンコマンド、および、現在の遊技状態に基づいて、サブROM200bに格納された複数の発展前演出決定テーブルからいずれか1の発展前演出決定テーブルを選択する。この発展前演出決定テーブルは、演出表示部50aに表示する画像の内容や、演出役物装置52の可動態様、演出照明装置54の点灯態様、音声出力装置58の音声出力態様を第1演出乱数に対応付けて記憶している。
【0262】
(ステップS1221−3)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1221−1で取得した第1演出乱数を、上記ステップS1221−2で選択したテーブルに基づいて判定することにより、演出表示部50aに表示する画像のうち、前半部分(リーチ態様になるまで)の内容をはじめとする種々の演出内容を決定する。なお、受信した第1変動パターンコマンドが「なし(0秒)」を示すコマンドであった場合には、前半部分の演出が実行されないため、当該ステップS1221−3では演出内容が決定されることはない。
【0263】
(ステップS1221−4)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1001において更新された第2演出乱数を取得する。
【0264】
(ステップS1221−5)
次に、サブCPU200aは、連続演出実行カウンタ(Z)が「1」以上であるかを判定する。その結果、連続演出実行カウンタ(Z)≧1と判定した場合にはステップS1221−6に処理を移し、連続演出実行カウンタ(Z)≧1ではないと判定した場合にはステップS1221−11に処理を移す。
【0265】
(ステップS1221−6)
上記ステップS1221−5において、連続演出実行カウンタ(Z)≧1と判定した場合には、サブCPU200aは、当該変動が、「事前連続演出」中における第2保留の割込み変動であるかを判定する。本実施形態においては、第1保留と第2保留との双方が留保されている場合に、第2保留に基づく特別図柄の変動表示が優先的に実行される。そのため、「事前連続演出」が、複数回の第1保留に基づく変動演出に亘って実行されている最中に、第2保留に基づく変動演出が実行される場合があり得る。この場合には、割込んだ第2保留に基づく変動演出中、「事前連続演出」を一度中段し、当該第2保留に基づく変動演出が終了した後、「事前連続演出」を再開することとしている。そして、当該変動が第2保留の割込み変動であると判定した場合にはステップS1221−11に処理を移し、当該変動は第2保留の割込み変動ではないと判定した場合にはステップS1221−7に処理を移す。
【0266】
(ステップS1221−7)
上記ステップS1221−6において、当該変動は、第2保留の割込み変動ではないと判定した場合には、サブCPU200aは、変動演出の態様を決定するための事前連続演出決定テーブルを選択する。
【0267】
図41は、変動演出態様決定テーブルの種類を説明する図である。図中「○」は、第2変動パターンに対応するテーブルが存在することを示しており、図中「−」は、第2変動パターンに対応するテーブルが存在しないことを示している。本実施形態においては、遊技状態に応じて演出モードが設定され、この演出モードごとに、各第2変動パターンに対応する発展後演出決定テーブルが設けられている。各発展後演出決定テーブルは、演出表示部50aに表示される画像、音声出力装置58から出力される音声、演出照明装置54の点灯態様、演出役物装置52の可動態様が、それぞれ複数パターン、第2演出乱数に対応付けて記憶されている。
【0268】
そして、図示のとおり、演出モードとは別に、連続演出実行カウンタ(Z)の値が対応付けられた事前連続演出決定テーブルが複数設けられている。これらのテーブルは、連続演出実行カウンタ(Z)の値に応じて選択されるものである。ただし、連続演出実行カウンタ(Z)=1の場合、すなわち、「事前連続演出」の最後の変動演出は、必ず、「スーパーA、B、C、D」のいずれかの第2変動パターンが選択されている。したがって、連続演出実行カウンタ(Z)=1が対応付けられた事前連続演出決定テーブルとしては、「スーパーA、B、C、D」の第2変動パターンに対応するテーブルのみが設けられている。
【0269】
また、連続演出実行カウンタ(Z)=2〜4の場合、すなわち、「事前連続演出」中の変動演出であって、当該「事前連続演出」の最終回以外の変動演出を決定するテーブルは、リーチ演出態様に発展しない通常ハズレもしくは短縮ハズレに係る第2変動パターンに対応するテーブルのみが設けられている。このテーブルには、演出役物装置52を変動開始から変位位置に保持するための制御データが対応付けられている。
【0270】
そして、
図39のステップS1221−7においては、これらの事前連続演出決定テーブルのうち、連続演出実行カウンタ(Z)に記憶されている値に基づいて、1の事前連続演出決定テーブルが選択されることとなる。
【0271】
(ステップS1221−8)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1221−4で取得した第2演出乱数を、上記ステップS1221−7で選択した事前連続演出決定テーブルに基づいて判定する。これにより、「事前連続演出」中の演出態様が決定されることとなる。
【0272】
(ステップS1221−9)
次に、サブCPU200aは、連続演出実行カウンタに記憶されている値から「1」減算した値を連続演出実行カウンタに記憶する。
【0273】
(ステップS1221−10)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1221−3およびステップS1221−8で決定された変動演出を実行するためのコマンドを生成し、変動パターンコマンド受信処理を終了する。ここで生成されたコマンドが画像制御基板210や電飾制御基板220に送信されると、画像制御基板210において演出表示部50aの表示制御が行われるとともに、電飾制御基板220において演出役物装置52、演出照明装置54および音声出力装置58の制御が行われる。
【0274】
(ステップS1221−11)
また、上記ステップS1221−5において、連続演出実行カウンタ(Z)≧1ではない(連続演出実行カウンタ=0である)と判定した場合には、サブCPU200aは、受信した第2変動パターンコマンド、および、現在の演出モードに基づいて、
図41に示す発展後演出決定テーブルを選択する。
【0275】
(ステップS1221−12)
次に、サブCPU200aは、上記ステップS1221−4で取得した第2演出乱数を、上記ステップS1221−11で選択した発展後演出決定テーブルに基づいて判定する。これにより、変動演出の後半の演出態様が決定されることとなる。
【0276】
図40は、上記コマンド解析処理のうち、図柄確定コマンドを受信した場合に実行される図柄確定コマンド受信処理を説明するフローチャートである。上記したとおり、この図柄確定コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動停止処理のうち、ステップS430−4(
図21参照)でセットされた後、ステップS800の出力制御処理(
図14参照)によって副制御基板200に送信される。
【0277】
(ステップS1230−1)
図柄確定コマンドを受信すると、まず、サブCPU200aは、演出表示部50aにおいて、上記した演出図柄40a、40b、40cを停止表示させるための、演出図柄停止表示コマンドをセットする。
【0278】
(ステップS1230−2)
次に、サブCPU200aは、連続演出実行カウンタ(Z)が「0」であるかを判定する。その結果、連続演出実行カウンタ(Z)=0と判定した場合にはステップS1230−3に処理を移し、連続演出実行カウンタ(Z)=0ではないと判定した場合には、そのまま当該図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0279】
(ステップS1230−3)
上記ステップS1230−3において、連続演出実行カウンタ(Z)=0であると判定した場合には、サブCPU200aは、位置検出センサ52bからの入力信号に基づいて、演出役物装置52が初期位置にあるかを判定する。その結果、演出役物装置52が初期位置にはないと判定した場合にはステップS1230−4に処理を移し、演出役物装置52は初期位置にあると判定した場合には、そのまま当該図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0280】
(ステップS1230−4)
上記ステップS1230−3において、演出役物装置52は初期位置にはない(変位位置にある)と判定した場合には、サブCPU200aは、可動モータ52aを制御して演出役物装置52を初期位置に復帰させるための処理を行って、当該図柄確定コマンド受信処理を終了する。
【0281】
上記の図柄確定コマンド受信処理によれば、通常、変動演出の終了にともなって、必ず、演出役物装置52が初期位置に復帰するように処理がなされている。これにより、不具合が生じたとしても、演出役物装置52が変位位置に変位したままになってしまうのを防ぐようにしている。
【0282】
一方で、「事前連続演出」の実行中は、複数回の変動演出に亘って、演出役物装置52が変位位置に保持される必要がある。したがって、「事前連続演出」の実行中は、演出役物装置52を初期位置に復帰させるための処理をキャンセルすることとし、これによって、複数回の変動演出にわたって、演出役物装置52を変位位置に連続的に保持することを実現している。
【0283】
以上のように、本実施形態によれば、複数回の変動演出に亘って実行される「事前連続演出」中、変動演出の終了および開始の際にも、演出役物装置52が変位位置に保持されるので、演出効果を向上して遊技の興趣を向上することができる。また、複数回の変動演出をまたいで演出役物装置52が変位位置に保持されるので、恰も一連の演出が行われているような印象を遊技者に与えることが可能となる。
【0284】
なお、上記実施形態においては、「疑似1〜4リーチ」が実行されることや、当該「疑似1〜4リーチ」に係る変動演出よりも前に実行される変動演出が、「リーチなし」であることなど、「事前連続演出」の実行開始条件を複数設けることとしたが、こうした実行開始条件は上記実施形態に限定されるものではない。いずれにしても、留保された保留を、当該保留に基づく特別図柄の変動表示が開始されるよりも前に事前判定するとともに、この事前判定の結果に基づいて「事前連続演出」の実行可否を決定すればよい。
【0285】
また、上記実施形態においては、第1変動パターン情報や第2変動パターン情報を事前判定することとしたが、例えば、第1保留や第2保留が大当たりであるか否かを事前判定して「事前連続演出」の実行可否を決定してもよいし、さらに、実行可否の抽選を行い、所定の抽選結果が得られた場合にのみ「事前連続演出」を実行することとしてもよい。
【0286】
なお、大当たりの抽選結果とは無関係に「事前連続演出」を実行することも可能であるが、変動パターン情報など、大当たりの抽選結果に応じて選択確率が変わる情報に基づいて、「事前連続演出」の実行可否を決定することが望ましい。そして、「事前連続演出」中の変動演出ごとに、演出役物装置52の位置を変えたり、演出役物装置52に設けられた照明の点灯態様を変化させたりすることで、大当たりの抽選結果についての示唆を行うようにすれば、一層演出効果を向上することができる。
【0287】
また、上記実施形態における演出役物装置52の可動態様や位置は一例に過ぎない。また、上記実施形態においては、「事前連続演出」が実行されていない場合の変動演出中にも、演出役物装置52が可動することとしたが、演出役物装置52は、「事前連続演出」においてのみ可動するようにしても構わない。また、通常の変動演出中には、少なくとも演出表示部50aにおいて変動演出が行われればよい。
【0288】
なお、上記実施形態における操作ハンドル12、タッチセンサ12a、操作ボリューム12b、発射制御基板130、発射用ソレノイド131によって本発明の発射手段が構成される。また、上記実施形態における第1始動口20内の領域および第2始動口22内の領域が本発明の始動領域に相当する。また、上記実施形態における特別図柄乱数および大当たり乱数が本発明の特別遊技判定用乱数に相当し、上記実施形態における変動パターン乱数が本発明の変動演出用乱数に相当する。また、上記実施形態において、
図16のステップS330−5〜ステップS330−7の処理を実行するメインCPU100aが本発明の乱数記憶手段に相当する。
【0289】
また、上記実施形態において、
図20のステップS420−6における特別図柄決定処理を実行するメインCPU100aが本発明の特別遊技実行判定手段に相当する。また、上記実施形態において、
図20のステップS421における変動パターン決定処理を実行するメインCPU100a、および、
図39に示す変動演出態様決定処理を実行するサブCPU200aが、本発明の変動演出決定手段に相当する。また、上記実施形態において、
図39のステップS1221−3およびステップS1221−12で決定された演出態様のコマンドを生成するサブCPU200a、および、当該コマンドを受信して演出を制御する画像制御基板210および電飾制御基板220が本発明の変動演出実行手段に相当する。
【0290】
また上記実施形態において、
図17に示す事前判定処理を実行するメインCPU100a、および、
図38に示す事前連続演出実行開始処理を実行するサブCPU200aが本発明の事前連続演出実行判定手段に相当する。また、上記実施形態において、
図39のステップS1221−3およびステップS1221−8で決定された演出態様のコマンドを生成するサブCPU200a、および、当該コマンドを受信して演出を制御する画像制御基板210および電飾制御基板220が本発明の事前連続演出実行手段に相当する。また、上記実施形態における演出役物装置52が本発明の可動役物装置に相当する。
【0291】
また、上記実施形態において、可動モータ52aを制御する電飾制御基板220が本発明の変動演出中可動役物制御手段に相当する。また、上記実施形態における位置検出センサ52bが本発明の可動役物装置位置検出手段に相当する。また、上記実施形態において、
図40に示す図柄確定コマンド受信処理を実行するサブCPU200aが、本発明の可動役物初期位置復帰手段に相当する。
【0292】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。