(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6124991
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】油圧アタッチメント
(51)【国際特許分類】
F15B 20/00 20060101AFI20170424BHJP
E02F 3/36 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
F15B20/00 Z
E02F3/36 C
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-503755(P2015-503755)
(86)(22)【出願日】2013年3月19日
(65)【公表番号】特表2015-518548(P2015-518548A)
(43)【公表日】2015年7月2日
(86)【国際出願番号】DE2013000158
(87)【国際公開番号】WO2013149608
(87)【国際公開日】20131010
【審査請求日】2015年10月27日
(31)【優先権主張番号】102012012299.3
(32)【優先日】2012年6月20日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102012006933.2
(32)【優先日】2012年4月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514247067
【氏名又は名称】コンストラクション トゥールズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Construction Tools GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】オリヴァー プロイス
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ローマン
(72)【発明者】
【氏名】コリン ディル
(72)【発明者】
【氏名】オレグ クニャツェフ
(72)【発明者】
【氏名】マルティナ イェケル
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ アウチュバッハ
(72)【発明者】
【氏名】マークス メルヴィヒ
【審査官】
正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】
特表平04−500728(JP,A)
【文献】
米国特許第04199993(US,A)
【文献】
国際公開第2011/077001(WO,A1)
【文献】
特開2006−103828(JP,A)
【文献】
実開昭48−005788(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 20/00
E02F 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧回路を有し、支持装置に機械的に分離可能に接続することができかつ前記支持装置の油圧システムに油圧式に接続することができる、建設工具または解体工具である油圧アタッチメントにおいて、
前記アタッチメントの前記油圧回路に分離可能にまたは分離不能に直接接続されている残留圧力インジケータを具備しており、その結果、前記残留圧力インジケータは、前記支持装置の設備とは無関係に動作する、ことを特徴とする油圧アタッチメント。
【請求項2】
前記残留圧力インジケータが前記アタッチメントに組み込まれており、指示要素が配置されている前記残留圧力インジケータの外面のみが、外側から可視であることを特徴とする、請求項1に記載の油圧アタッチメント。
【請求項3】
前記残留圧力インジケータ(40)が、めねじが設けられた位置決め穴内におねじを用いてねじ込まれている本体(100)を有し、前記位置決め穴が、前記油圧アタッチメントの構成要素(102)に加工されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の油圧アタッチメント。
【請求項4】
前記残留圧力インジケータが、ロッド(43)を有する測定ピストン(42)を有し、該測定ピストンが、前記本体の穴(103)内に配置されていて、ばね(46)の力に抗して前記穴内で長手方向軸線に沿って移動することができることを特徴とする、請求項3に記載の油圧アタッチメント。
【請求項5】
前記穴(103)が、測定穴(118)によって前記アタッチメントの前記油圧回路に接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の油圧アタッチメント。
【請求項6】
前記油圧回路内の圧力が、前記ばねの力に対して反対の力を生成するために前記測定ピストンの少なくとも1つの面(48、49)に作用することを特徴とする、請求項4または5に記載の油圧アタッチメント。
【請求項7】
前記ロッド(43)が、前記測定ピストンの前記面(48、49)の加圧の増大により前記本体(100)から出てさらに突出し、前記圧力が低減すると前記本体(100)内に後退することを特徴とする、請求項6に記載の油圧アタッチメント。
【請求項8】
前記測定ピストンがストップカラー(111)を有し、該ストップカラー(111)が、少なくとも1つの方向において前記測定ピストンの変位移動を制限することを特徴とする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の油圧アタッチメント。
【請求項9】
前記残留圧力インジケータが、衝撃機構ハウジング内に組み込まれていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の油圧アタッチメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持装置に機械的に接続し支持装置の油圧システムに油圧式に接続することができる、油圧回路を有する、建設工具または解体工具、特に、ブレーカ、解体ハサミ、スクラップハサミ、粉砕機、グラブ、クラッシャバケットまたは圧縮機である、油圧アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
油圧アタッチメントを、非常に広範囲の製造業者による多数の異なる支持装置に取り付けることができる。取付けおよび取外し両方の間に、かつアタッチメントの機能モードを切り替えるかまたは(たとえば、連続潤滑ポンプを追加することにより)設備を拡張するときに、油回路を開放することが必要であることが多い。この目的で、まず、安全な開放を可能にするように、油圧を周囲レベルまで低下させなければならない。
【0003】
油圧を周囲レベルまで低下させることは、支持装置とアタッチメントとの相互作用を含むプロセスにおいてのみ可能である。多数の支持装置があるため、アタッチメントの製造業者は、油圧を周囲レベルまで低下させることに対して標準的な助言を与え、したがって圧力をいかに低下させることができるかを普遍的に適用可能な方法で使用者に対して伝えることは不可能である。反対に、支持装置の製造業者によって標準規格として提供される通常の機器とは別に、手続きは、支持装置の所定の油圧設備に大きく依存し、適用分野に特有である。
【0004】
したがって、支持装置の製造業者もアタッチメントの製造業者も、支持装置およびアタッチメントからなる機械全体におけるシステム圧を周囲圧力までいかに安全に低下させることができるかに関して、使用者に対して明確な指示または明確な説明を与えることができない。不都合な油圧設備の場合、たとえば、支持装置のフリーバルブ部を介する戻りでありタンクへの直接的な戻りでない場合、場合によっては、回路内により高い圧力レベルが数時間存在する可能性がある。使用者には、回路内に依然として残留圧力があるか否かを知る手段がない。さらに、たとえば遮断弁が誤って閉鎖するかまたはホース継手が時期尚早に分離されることにより、支持装置において測定された圧力がすでに周囲レベルまで低下していても、使用者による間違った挙動により残留圧力がアタッチメントに閉じ込められる可能性もある。アタッチメントに依然として存在しかつ高圧下にある油は、その後、油圧ラインが取り外されたとき、油噴流の形態で制御されずに漏れ出る可能性があり、これにより、人身への傷害および環境汚染に至る可能性がある。
【0005】
同様の問題は、独国実用新案第202009007316U1号明細書においてすでに対処されており、そこでは、油圧ホースを備えた油圧建設機械用の油圧機器を有し、ホース継手を用いて(支持車両としての)建設機械の油圧システムに接続することができる、アタッチメントが記載されている。さらに、アタッチメントが油圧建設機械から分離され、したがってホース継手が分離されたとき、その油圧ホースは作動油で充填されていることが説明されている。日光による照射を受けたとき、ホース継手が閉鎖しているために閉鎖しているアタッチメントの油圧回路内に、過剰な圧力が発生する可能性があり、この過剰な圧力は、使用者によって検出されない。独国実用新案第202009007316U1号明細書による装置の目的は、機器の油圧系内の過剰な圧力の形成を回避することであり、この目的で、アタッチメントに配置されかつホース継手半体を有する開放した油圧タンクが提供される。支持装置とアタッチメントとの間のホース継手が分離された後、使用者は、アタッチメントに装着されたホースを、ホース継手半体を介して油圧タンクに接続しなければならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
既知の従来技術の不都合は、アタッチメント内に広がっている圧力を使用者が検出することができず、したがって、油圧回路をリスクなしに開放することができないということである。さらに、すべての場合での圧力除去は不可能であり、一方で、既知の可能性により、設置空間、コストおよび保守に対する費用が増大するということと、油圧回路に塵挨が入る可能性がある、ということが不都合である。油圧タンク、ホース継手、通気手段および放出弁等の追加の構成要素に、著しい量の設置空間が必要であり、これは、多くのアタッチメントでは利用可能ではない。建設現場および採石場において手荒に使用されるために、アタッチメントに追加で締結されるすべての構成要素は、損傷するリスクが高い。アタッチメントにおける装填油が冷却するに従い、追加の油が油圧タンクからアタッチメント内に引き込まれるため、油圧タンクからアタッチメントの油圧回路に空気または汚染油のいずれかが入るというリスクがある。油圧タンクは、その容量に応じて、規則的な間隔で空にしなければならない。油圧タンクを備える解決法は、アタッチメントと支持装置との間のホース継手が分離されるかまたは遮断弁が閉鎖されるとき、回路内に依然として圧力がある場合、アタッチメント内の残留圧力からの保護を提供しない。ホース継手半体または遮断弁がそれぞれのラインを密閉して分離状態で封止するため、油は漏れ出ることができず、圧力は閉じ込められたままであり、ホース継手半体を油圧タンクのホース継手半体に接続することができず、それは、閉じ込められた圧力に抗してホース継手半体の止め弁を開放するために、非常に高い力が必要であるためである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、アタッチメント内の油圧回路をリスクなしに開放することを可能にし、特に上述した不都合をなくすことである。本発明は、さらに好ましくは、アタッチメントの油圧回路に残留圧力があるか否かを検出することができる単純かつ信頼性の高い手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、本発明による、アタッチメントの油圧回路に分離可能にまたは分離不能に接続される残留圧力インジケータを備える、請求項1に記載の油圧アタッチメントによって達成される。これにより、アタッチメントの油圧回路において限界を超える圧力が存在することを示すことが可能になる。残留圧力インジケータは、指示要素としての役割を果たし、それにより、使用者は、取付けおよび取外し中に、かつアタッチメントの機能モードを切り替えるときに、たとえば連続潤滑ポンプによって設備を拡張するときに、または保守作業中に、油田路を危険なしに開放することができる程度まで圧力が低下したか否かを検出することができ、それにより、アタッチメントの費用がかかりかつ不要なダウンタイムが可能な範囲まで回避される。
【0009】
さらに、指示要素を用いてアタッチメントにおいて圧力が直接測定されかつ指示されるため、あり得る誤った使用によってもたらされるリスク、たとえば、圧力が依然として高い間に遮断弁が閉鎖されるかまたはホース継手が分離されることが回避される。支持装置における圧力インジケータまたは圧力測定点とは対照的に、残留圧力インジケータは、間に切替え弁、遮断弁またはホース継手なしに、アタッチメントの油圧回路に直接接続され、支持装置設備とは無関係に動作し、それにより、示された結果が弁の動作位置によってかつホース継手の結合状態によって影響を受けないことが確実になる。それ以上の測定機器は不要である。本発明による装置では、高圧下の流体が保守または調整作業中に漏れ出て人身への傷害をもたらす可能性があるというリスクがなくなる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態については以下にかつ従属請求項に記載する。
【0011】
本発明の第1の好ましい実施形態によれば、残留圧力インジケータが、好ましくは、油圧によって直接作用される測定および指示ピストンを有する、直動式装置であることが考えられる。残留圧力インジケータは、さらに好ましくは、アタッチメントに組み込まれ、指示要素が配置される残留圧力インジケータの外面のみが外側から見える。この種の残留圧力インジケータは、頑強であり、したがって、好ましくは油圧衝撃装置または油圧解体ハサミとして設計される建設業、解体業および鉱業用の油圧アタッチメントで使用するのに特に適している。指示ピストンの代りとして、測定ピストンの直線運動を指示要素、たとえば異なる色(赤/緑等)の2つのマーキングを有する回転ディスクの回転運動に変換することも可能である。油圧に依存しかつ指示要素の偏向をもたらす直線運動を、測定ピストンではなく測定ダイアフラムを用いて生成することも可能である。
【0012】
残留圧力インジケータは、好ましくは、本体を有し、本体は、めねじが設けられた位置決め穴内におねじを用いてねじ込まれ、位置決め穴は、油圧アタッチメントの構成要素に加工されている。本発明の別の好ましい実施形態によれば、ここでは、残留圧力インジケータが、ロッド、ピストンカラーおよびストップカラーを有する測定ピストンを有し、測定ピストンが本体の穴内に配置されかつばねの力に抗して穴内で長手方向軸に沿って移動することができることが考えられる。この種の装置は、アタッチメントにまたはアタッチメントの構成要素に簡単な方法で取り付けることができ、外部の機械的影響から十分に保護される。残留圧力インジケータが油圧ブレーカで使用される場合、衝撃機構ハウジング内に、衝撃機構を収容する支持ハウジングに、または衝撃機構ハウジングあるいは支持ハウジングに固定される油圧駆動式潤滑ポンプのハウジング内に配置され得る。
【0013】
本発明の別の有利な実施形態によれば、穴は、測定穴によってアタッチメントの油圧回路に接続され、その結果、油圧回路内に広がる圧力が測定ピストンに作用する。したがって、ロッドは、測定ピストンの加圧の増大によって本体から出てさらに突出し、圧力が低減すると本体内に後退する。本体から突出するロッドの長さを用いて、使用者は、油圧回路のリスクのない開放が可能であるか否かを直接読み取ることができる。少なくとも1つの方向における測定ピストンの変位移動を制限するために、測定ピストンはストップカラーを有している。残留圧力インジケータは、好ましくは、衝撃機構ハウジング内に、特に油圧ブレーカのシリンダ内に組み込まれる。
【0014】
本発明の具体的な実施形態について、図を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】衝撃装置を有する油圧ブレーカの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特に岩、コンクリートまたは他の建設材料を分解する役割を果たす油圧ブレーカにおいて、ならびに、岩および他の建設材料に穴を開ける役割を果たすハンマドリルにおいて、流体圧作動式衝撃装置が使用され、大部分の場合、それらは、掘削機、ローダ、牽引車両または他の建設機械および採鉱機械等の支持装置用の付属品またはアタッチメントとして使用される。
【0017】
図1は、油圧ブレーカの衝撃機構5が、支持装置たとえば掘削機のポンプ6およびタンク7に、圧力ライン1、2およびタンクライン3、4それぞれを介して油圧式に接続されていることを示す。掘削機には弁があり、それに、動作のために加圧油を衝撃機構に供給するためにポンプへのライン1を接続することができ、または弁により、衝撃機構の動作を停止させるために接続が分離される。この弁は、
図1には示していない。掘削機から油圧ブレーカを取り除くために油圧接続が分離されたとき、油圧流体が漏れ出るのを防止するために、衝撃機構に至る掘削機のラインの各々に、通常、遮断弁8、9がある。遮断弁の代りにまたは遮断弁に加えて、ホース継手をラインに取り付けることができ、ホース継手は各々、それぞれ2つの継手半体12a、12bおよび13a、13bを備え、それらは、継手が分離されたときに油圧流体が漏れ出るのを防止する止め弁を有している。継手は分離状態で示されており、そこでは、止め弁は閉鎖されている。図示する継手は、油圧回路に接続されておらず、別個に示されている。
【0018】
衝撃機構は、内部で打撃ピストン15が誘導されるシリンダハウジングと、シリンダヘッドと、ブレーカ底部とから構成されており、そこでは、ビット16または挿入端が摩耗ブッシュを用いて取り付けられている。シリンダハウジングおよびヘッドの簡略化した内部輪郭のみが示されている。通常動作時、支持装置は、加工される材料17の方向に衝撃機構を押圧し、したがって、衝撃機構は、ハウジング内に配置されたビット止め具18を介してビットの上端の支持面で支持され、ビットの下端は、加工される材料に対して押圧される。
【0019】
通常動作時、油圧駆動式打撃ピストンは、各衝撃ストロークの最後に衝撃機構に位置するビットの端部に衝突し、その運動エネルギーをビットに伝達する。ビット内に導入されたエネルギーは、高い衝撃力をもたらし、その衝撃力は、ビットによって材料に伝達され材料の破壊をもたらす。
【0020】
打撃ピストン15は、差動ピストンとして具現化されており、すなわち、サイズの異なる2つの反対側の環状駆動面19、20を有している。下方駆動面20(これによって、加圧されたときに戻りストロークが開始する)は、動作中に圧力ライン2において利用可能な所定の動作圧力を連続的に受ける。上方駆動面19(これによって、加圧により衝撃ストロークが開始する)は、制御滑り弁21の位置に応じて、動作圧力を受けるか、またはタンク圧力まで圧力が軽減される。衝撃ストロークが可能であるのは、上方環状駆動面19が下方環状駆動面20より大きく、それにより、両面が動作圧力を受けるとき、衝撃方向に結果としての力があるためである。「衝撃ストローク」中、移動するピストンが、小さい下方駆動面によって押しのけられる油を、ピストンの大きい方の上方駆動面19の方向に押しのけ、その上方駆動面19に、ポンプ6から来る油も流れ込む。戻りストローク中、油は、ポンプ6から、面積の小さい方の下方駆動面20の方向に排他的に流れ、面積の大きい方の上方駆動面19からの油は、戻り絞り弁22を介してタンク7に排出され、それにより、ブレーカの平滑な動作が確実になる。
【0021】
衝撃機構は、さらに、ピストンの上端面が内部に突出するガス空間23、すなわちガス圧下の空間を有している。この空間におけるガス圧は、ピストンに対して衝撃ストロークの方向に作用する追加の力を及ぼす。衝撃機構を、ガス貯蔵器なしに具現化することも可能である。ピストンの他端に位置するピストン部分(端部またはそこの衝撃面を含む)は、雰囲気に連結される「衝撃空間」24に突出している。
【0022】
好ましくは衝撃機構のシリンダヘッドに位置するすでに上述した制御滑り弁21は、動作位置に応じて、表面積が大きい方の上方駆動面19を圧力ライン2に接続し、その結果、動作圧力がそこに印加されるか、または戻りストローク中にタンクライン4を介して前記面をタンク7まで緩めるかのいずれかとなる。
【0023】
打撃ピストンのように、制御滑り弁21もまた2つの駆動面を有することができ、そこでは、第1面、すなわち戻り面は、圧力ラインによって連続的に動作圧力を受け、面積が大きい方の反対側の第2面、すなわち制御面は、動作圧力を受けるかまたはタンク圧力まで圧力が軽減される。2つの面のサイズが異なるために、それらの面に適切な圧力が印加されたとき、制御滑り弁をその端位置のうちの一方に押し込むことができる。
【0024】
制御面は反転ライン24に接続され、反転ライン24は、打撃ピストンが誘導されるシリンダ空間25内に、ピストン位置に応じて動作圧力を受けるかまたはタンク圧力まで圧力が軽減されるように通じている。打撃ピストンが通常動作状態で工具に打ち当たる下方反転位置では、反転ライン24の端部は、打撃ピストンの駆動面の間に配置された円周方向溝26を介してタンクライン27に接続され、タンクライン27は同様に、低圧が広がっている作業シリンダ内に通じており、その結果、制御滑り弁の制御面はタンク7まで圧力が軽減され、動作圧力が制御滑り弁の戻り面に印加され対応する戻り力をもたらすため、制御滑り弁は、第1端位置(戻りストローク位置)になる。タンクライン27および4は、衝撃機構内で結合されて支持装置の共通タンクに通じ、前記タンクは、明確にするためにここでは2つのタンクとして表わされている。戻りストローク位置では、制御滑り弁は、打撃ピストンの上方駆動面19をタンクライン4に、交互の圧力ライン28を介して接続する。打撃ピストンの下方駆動面20に印加される動作圧力が一定であるため、打撃ピストンは、衝撃ストロークの方向とは反対の上方に押し上げられる。戻り絞り弁22を介して、上方ピストン駆動面によって押しのけられる油は、制限された方法で、タンク内に流れ込み、それにより、戻りストローク中に上方駆動面に対する平滑動作に必要な圧力レベルを維持する。
【0025】
いくつかのタイプの油圧ブレーカには、油圧アキュムレータ29が装備されており、それらは、加圧された作動油を貯蔵するために設けられ衝撃機構による油消費量の時間変動によってもたらされる圧力の変動を低減する。
【0026】
衝撃機構の作動油供給がオフに切り替えられた後、すなわち、ポンプからの分離の後、依然として衝撃機構において広がっている圧力は、支持装置の弁における漏れによって放散し、これに必要な時間は、漏れの間隙および油の粘度によって決まり、厳密に間隙が小さく低温の粘性油である場合、非常に長い時間がかかる可能性がある。厳密に衝撃機構が油圧アキュムレータ29を有する場合、圧力が放散する前に、比較的大量の油を、漏れ箇所を介して放散させなければならない。完全な圧力放散の前に、遮断弁8および9が閉鎖されるかまたは、ホース継手12a、12b、13aおよび13bが分離された場合、衝撃機構の油圧回路が遮断され、圧力は回路内に閉じ込められたままである。
【0027】
こうした圧力の連続した存在を検出するために、残留圧力インジケータ40が圧力ライン2に接続されている。残留圧力インジケータ40は、測定シリンダ41から構成され、測定シリンダ41は、穴を有し、その穴に、ロッド43およびピストンカラー112を有する測定ピストン42が装着されている。ピストンカラーは、測定シリンダを2つのシリンダチャンバに分割し、それらシリンダチャンバは、接続ライン44、45によって圧力ライン2に接続されている。ピストンカラーの右側に位置する環状シリンダチャンバ内にばね46があり、ばね46は、圧力ラインしたがってシリンダチャンバが加圧されていないときに、測定ピストンおよびそれに取り付けられたロッドを停止位置に押し込む。停止位置では、ロッドは、一点鎖線47として表わされる、衝撃機構の構成要素面または測定シリンダを形成する構成要素の構成要素面を越えて突出しない程度まで、測定シリンダ内に後退する。圧力ラインに広がっている圧力は、接続ライン44および45を介して2つのシリンダチャンバ内に入り、ピストンカラーの円形面48と反対側の環状面49とに対して等しく作用する。円形面48が環状面より面積が広いため、力に対抗されても、構成要素面の方向に測定ピストンを押す有効な結果として差動力がある。この動きに対向して、結果としての力は、ばねによって生成される力である。結果としての力がばねの力を超過する場合、油圧のため、測定ピストンと指示要素を形成するロッドとは、構成要素面の方向に移動し、その結果、ロッドは、構成要素面に対して視覚的に突出する。ロッドの突出および可視性は、衝撃機構の油圧回路において所定圧力レベルを超えたことと、油圧回路を危険なしに開放することができないこととを示す。ピストンカラーの寸法およびロッドの寸法ならびにばねの幾何学的寸法は、臨界圧力レベルを超過し、油圧回路を危険なしに開放することができることを確実にすることができなくなった場合に、ロッドが突出し可視であるように、選択される。ロッドが突出しない場合、油圧回路における圧力レベルは、油圧流体の漏出がもはや著しい危険を表さないように低い。ロッドが突出する臨界圧力は、1バール〜6バールである。ばね特性に応じて、ロッドは、第1圧力レベルではハウジングから短い長さ突出し、別の幾分かより高い圧力レベルでさらに突出し、そのときになって初めて明瞭に可視となる。ロッドにおける、任意選択的にピストンカラーにおける、雰囲気への漏れまたはシリンダチャンバ間の漏れを防止するシールは示されていない。
【0028】
ロッドを、より明確に圧力レベルの到達を示しかつ正確な圧力レベルが示されるのを可能にする、色付きマーキングまたは溝あるいは突起の形態のマーキングを有するように、具現化することができる。
【0029】
ロッドおよび環状面49が、圧力ラインに接続されるのではなく、空気で充填されかつ遮断され、タンクラインに接続され、または環境に連結されるように位置するシリンダチャンバも可能である。したがって、圧力ラインに接続された円形面48からもたらされる力、およびばね力のみが、測定ピストンに作用する。
【0030】
測定ピストンのロッドは、ピン状またはピストン状指示要素に対して作用することができ、それは、ロッドではなく、構成要素面に対して突出することができるロッドによって動かされる指示要素であるように、配置されている。
【0031】
残留圧力インジケータ40は、好ましくは、衝撃機構の油圧回路の圧力ラインに連続的に接続され、そこでは、圧力ライン2に広がっている圧力が利用可能である。残留圧力インジケータを作動させるために、圧力ラインと残留圧力インジケータとの間に、手動で作動させなければならない弁を配置することも可能であり、これには、衝撃機構の動作中に、油圧回路内の圧力レベルが、高いポンプ圧力と低いタンク圧力との間で頻繁に交互になる場合、測定ピストンが繰返し移動するのではなく必要な場合にのみ移動する、という利点がある。測定ピストンのロッドおよびばねの適切な配置により、残留圧力インジケータを、指示要素が加圧されない停止位置で構成要素面を越えて突出し、一定圧力レベルを超過し油圧回路のリスクのない開放がもはや保証されないときに、構成要素面の後方に後退するように、具現化することも可能である。
【0032】
図2は、本発明の具体的な実施形態を概略表現で示し、これは図示する例示的な実施形態では、解体ハサミにおいて実施されている。
【0033】
解体シャーとも呼ばれる解体ハサミは工具アームを有し、そのうちの少なくとも1つのアームを、少なくとも1つの油圧シリンダを用いて開放位置と閉鎖位置との間で前後に枢動させることができる。
図2に示す解体ハサミはハウジング60を有し、ハウジング60を、接続プレート61を介して掘削機のブームに取り付けることができる。2つのアーム63a、63bは、2つのピボット62a、62bによってハウジングに枢着されている。各アームには、油圧シリンダ65のピストンロッド64が枢着され、油圧シリンダ65のシリンダチューブ66はハウジングに枢着されている。各油圧シリンダはピストン67を有し、ピストン67は、ピストンロッドに固定されかつシリンダを2つのチャンバに分割する。ピストンロッド側では、ピストンは環状駆動面68を有し、反対側では、ピストンは円形駆動面69を有している。2つのシリンダの同じ形状の面は、各々、油圧ライン70および71それぞれによって互いに接続されている。作動油が円形ピストン面69に供給され、作動油が環状ピストン面68から離れる方向に流れることができる場合、ピストンロッドは、シリンダから延出し、アーム間の距離が低減しアームが閉鎖位置まで枢動するように、アームを枢動させる。ハサミアームが周囲に配置される、コンクリート等、切断されるべき材料72は、シリンダ力がアームにかつさらに材料に伝達されるため、この動きによって破壊される。アームと材料との間の接触点において高い表面圧力に達するために、アームは、歯73を有している。アームを、開放位置まで戻すように枢動させアーム間の距離を増大させるために、その後、油が環状ピストン面68に供給され、円形駆動面69から取り除かれる。油のピストン面への供給およびピストン面からの除去は、制御弁74を介して行われ、制御弁74は、支持装置に配置され、使用者によって直接、または油圧制御システムあるいは電気制御システムを介して間接的に機械的に作動させることができる。第1動作位置75では、円形駆動面は、ポンプ6から来るライン1に接続され、環状駆動面は、タンクに至るライン3に接続され、この結果、アームは閉鎖位置まで枢動する。第2動作位置76では、環状駆動面は、ポンプ6から来るライン1に接続され、円形駆動面は、タンクに至るライン3に接続され、その結果、アームは開放位置まで枢動する。掘削機弁の第3動作位置77、すなわち中心位置では、ポンプおよびタンクへのシリンダ空間の接続は遮断される。ライン70および71において解体ハサミと掘削機弁との間に油圧ホース継手78、79が配置されており、それらはここでは結合状態で示されており、結合状態では、ホース継手の止め弁が開放して油の自由な流れを可能にする。ライン70および71にそれぞれ、シャトル弁82の2つの入口80、81が接続されている。シャトル弁は2つの対向する弁座83、84を有し、それらの間に、ボールまたはピストンの形態の弁体85が可動式に配置されている。それぞれの油圧入口は、弁座の各々に接続され、油圧出口86が、弁座の間に配置されている。環状駆動面に至るライン71がポンプに接続され、円形駆動面に至るライン70が掘削機弁を介してタンクに接続されたとき、ライン71においでしたがって入口80において高圧が利用可能であり、入口81において低圧が利用可能である。弁体85は、ラインの間のこの圧力差によって弁座83内に押し込まれ、油がライン71から出てライン70内に流れ込むのを防止する。弁座84が弁体によって閉鎖されないという事実により、ライン71と出口86との間に接続が確立される。出口86に残留圧力インジケータ40が接続され、その測定ピストン42には、円形面48において、ライン71においてまたは出口86において利用可能な圧力が与えられる。環状面49と同じ側のチャンバは、圧縮可能空気が充填され、遮断される。ピストンカラーのシール(図示せず)が、油または空気がチャンバの間に流れるのを防止する。シャトル弁は、油圧シリンダのシリンダチャンバ内に広がっている最高圧力が、各々測定ピストン42に入るのを確実にする。環状面と同じ側には、さらにばねがあり、ばねは、円形面に対して圧力がないかまたはわずかな圧力しかない場合に、測定ピストンをその停止位置に押し込む。
【0034】
シャトル弁を有する残留圧力インジケータの代りに、シャトル弁なしに2つの残留圧力インジケータを使用することも可能であり、その場合、1つの残留圧力インジケータが各々、面積が同じそれぞれのピストン面68および69に油圧式に接続される。
【0035】
最後に、
図3に、残留圧力インジケータの具体的な実施形態を示す。
【0036】
残留圧力インジケータ40は、めねじが設けられた位置決め穴101におねじを用いてねじ込まれる本体100から構成され、位置決め穴は、アタッチメントの構成要素102に、たとえば油圧ブレーカの衝撃機構のシリンダヘッドに位置している。本体は、段付き穴103を有する測定シリンダを含み、段付き穴103内にはシール溝104、105がある。穴内にはシールスリーブ106が挿入され、シールスリーブ106は、シール溝105に対して軸方向に一方向において境界を定め、穴からシールスリーブを除去することによりシール107の容易な挿入および交換を可能にする。シールスリーブは、絞り穴108が設けられたワッシャ109により、かつ保持リング110により、穴内に軸方向変位に抗して固定される。穴内に、測定ピストン42が挿入され、測定ピストン42は、ロッド43、ピストンカラー112およびストップカラー111を有している。ストップカラーは、測定ピストンの油圧式に作用するピストンカラー112より直径が大きく、その外径は、油の通過を可能にする間隙が穴とストップカラーとの間で得られるように設計されており、したがって、ストップカラーの両側の空間の間に、油圧接続が確立される。シール107は、ピストンカラー112の両側において油または空気が空間の間に流れるのを防止する。ロッドの周囲の空気が充填された空間にばね46が配置され、ばね46は、ピストンカラーの環状面49に力を及ぼし、それを停止位置に戻し、停止位置では、ストップカラーがワッシャに当接する。この位置では、ロッドの外側端面116は、本体の凹状外側端面115と同一平面であり、すなわち、ロッドは、停止位置において本体を超えて突出せず、そこでは、油圧回路内に圧力がないかまたはリスクを表すほどの圧力はない。シール溝104内に、塵挨および湿気がロッドと本体との間の誘導間隙内に貫入するのを防止する塵挨スクレーパ113が挿入される。しかしながら、塵挨スクレーパは、空気に対して浸透性であり、ばねが位置する空気が充填された空間内における圧力の蓄積を防止するように具現化される。本体の端部に、塵挨および湿気の貫入に対する別の防護手段を提供する透明な可捷性キャップ114が固定されている。
【0037】
穴103の基部に面する本体の端部117は、測定穴118によって、圧力が監視されるべき油圧回路のライン(図示せず)に接続されている。絞り穴を介して、測定穴からの圧力は、測定ピストンに作用することができ、したがって、シールスリーブ内でかつストップカラーの両側で利用可能である。ばねの力に対抗する油圧力は、ピストンカラー112の断面積とこの断面積に印加される圧力とからもたらされる。圧力によって生成される力がばねの力を超過すると、測定ピストンは、キャップの方向に移動し、タペットは、ストップカラーがシールスリーブの上に載るまで本体から延出する。したがって、タペットは、本体から突出し、それは、加圧油が測定穴にかつそれに接続された油圧回路に存在することと、油圧回路を危険なしに開放することができないこととの明確な現れである。圧力が、ばね力が油圧力を超える一定圧力未満に下がる場合、測定ピストンは、ロッドがもはや突出しなくなるまで反対方向に移動し、それは、アタッチメントの油圧回路にもはや圧力がないか、または圧力が安全レベルまで低下したことの明確な現れである。ばね予荷重を、たとえばねじ要素を用いて変化させることができ、したがってロッドが突出する圧力レベルを調整することができる実施形態が可能である。
【0038】
代替形態として、ばねを、シールスリーブの空間においてピストンカラーの周囲に配置することも可能であり、したがって、ばねは、ストップカラーの環状面とシールスリーブにおける穴の環状底面との間に締め付けられる。この場合、ロッドは、ピストンカラーと同じ直径を有することができる。
【0039】
圧力測定装置が、各々別個に油圧式に加圧することができる2つの別個のシリンダチャンバを備えた油圧シリンダを有する、解体ハサミ、粉砕機またはグラブ等のアタッチメントで使用される場合、残留圧力インジケータは、シャトル弁を介して、ハサミアーム、粉砕機アームまたはグラブバスケットを枢動させるために設けられた1つまたは複数の油圧シリンダの2つのシリンダチャンバに接続される。シャトル弁は、2つの対向する弁座を有し、それらの間に、弁体が可動式に配置される。弁座の各々に油圧入口が接続され、弁座の間に油圧出口が配置される。シャトル弁により、2つのシリンダチャンバのうちの一方に広がっている最大圧力が、各々残留圧力インジケータの測定ピストンには伝わるが、それより圧力が低い他方のシリンダチャンバには伝わらないことが確実になる。
【0040】
圧力測定装置が油圧回転モータを有する圧縮機に使用される場合、残留圧力インジケータは、シャトル弁を介して圧縮機の2つの油圧ポートに接続される。シャトル弁は、2つのポートのうちの一方において広がっている最高圧力が、各々残留圧力インジケータに伝わることを確実にする。
【0041】
枢動のために設けられた油圧シリンダに加えて、アタッチメントが、さらなる駆動装置、たとえば支持装置のブームに対してアタッチメントを回転させるトルクモータ駆動装置に油圧を提供するためにさらなる油圧回路を有する場合、さらなる油圧回路の圧力を、シャトル弁のカスケード型配置を用いて残留圧力インジケータに伝えることも可能であり、その結果、アタッチメントの油圧回路のうちの1つに広がっている最高圧力が残留圧力インジケータに伝わる。
【0042】
さらに、残留圧力インジケータまたはアタッチメントに、逃し弁91を、かつ任意選択的にホース継手半体90を装着することができ、ホース継手半体90は、圧力を制御された方法で放散させかつ出てくる油を環境に適した方法で、収集し廃棄するために、ホースがアタッチメントに接続され、油が逃し弁の手動開放によりアタッチメントから収集容器に排出されるのを可能にする。この圧力のレベルを、たとえば残留圧力インジケータがアタッチメントに閉じ込められた圧力を示しているときに正確に求めることができるために、たとえば圧力計の形態の圧力測定装置を、ホース継手半体に、飯合するホース継手半体を備える測定ホースを介して接続することもできる。
【0043】
残留圧力インジケータに、アタッチメントの定格動作圧力を超過したことを示すさらなる指示機能を装備することも可能である。この目的で、残留圧力インジケータのタペットは、ロッドのさらなるマーキングまたは測定要素によって駆動される指示要素を有し、第2ばねを有する。第2ばねは、第1ばねと同じ方向に作用するが、ばね定数およびばね力はより高く、測定ピストンが、定格動作圧力に比較して低い第1圧力レベルにより、停止位置から、存在する圧力が油圧回路のリスクのない開放をもはや可能にしないことを示す位置まで移動した場合にのみ、測定ピストンに力を及ぼす。油圧回路に存在する圧力がこの第1圧力レベルを超過した場合、第2ばねは測定ピストンに当接する。およそ定格動作圧力に対応する第2圧力レベルに達し、油圧によって生成される力が両ばねの力の合計を超過する場合にのみ、測定ピストンは構成要素面の方向にさらに移動し、ロッドは、第2マーキングが可視となるまで、本体の外側端面をさらに超えて突出する。第2マーキングが見えるようになることは、定格動作圧力を超過したことを示す。
【0044】
解体ハサミは、形状の異なるアームを有することができ、それらの一方または両方は、移動可能であって1つまたは複数の作業シリンダによって駆動され、かつ1つまたは複数の軸を中心に枢動することができる。アームに、板金、鋼切片および銅補強材を切断する刃を装着させることができ、かつ/またはアームは、鋼切片を変形させる領域および/またはコンクリートあるいは石造物を破断する歯あるいは歯の列を有することができる。
【0045】
粉砕機は、解体ハサミに構成が類似しているが、コンクリートまたは石造物を破断させ建設材料の補強材(建設材料は、補強材を包囲するコンクリート等)を切断するために、相互に面している作業面のアームがより広くなっている。
【0046】
グラブは、解体ハサミに構成が類似しているが、スケルトン構造を有する2つの移動するグラブバケットを有しており、それにより、建設材料をサイズに従って分類するために、大量の建設材料を拾い上げ、建設材料の小片がスケルトン構造の穴を通して落下するのが可能となる。グラブバケットの先端にグラブバーが配置され、グラブバーは、グラブが、木板等のさらに小さく薄い建設材料が適切に把持されるのを可能にするように閉鎖されるとき、接触するかまたは略接触する。
【0047】
クラッシャバケットは、ホッパ型投入空間を有し、その中に建設材料を導入することができる。ホッパ内に2つのクラッシャジョーが配置され、それらは互いに対して移動し先細り間隙を形成することができる。少なくとも1つのクラッシャジョーが枢動可能に取り付けられ、それらを、油圧シリンダまたは油圧トルクモータによって駆動される偏心器を用いて他方のクラッシャジョーに向かうようにかつそこから離れるように移動させることができる。間隙内の材料は、それによって破断され、より小さいサイズで現れるまでクラッシャバケットを通される。クラッシャジョーの代りに、刃またはビットを有する1つまたは複数の回転ドラムを、ホッパ型投入空間の端部に投入ホッパ内で材料を分解するために配置することも可能である。