特許第6125105号(P6125105)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6125105
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】積層装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 43/56 20060101AFI20170424BHJP
【FI】
   B29C43/56
【請求項の数】1
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-536790(P2016-536790)
(86)(22)【出願日】2016年6月3日
(86)【国際出願番号】JP2016066520
【審査請求日】2017年2月3日
(31)【優先権主張番号】特願2015-115700(P2015-115700)
(32)【優先日】2015年6月8日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】597175673
【氏名又は名称】ニッコー・マテリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 和敏
(72)【発明者】
【氏名】本間 善明
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−166487(JP,A)
【文献】 特許第5685672(JP,B2)
【文献】 特開2010−099730(JP,A)
【文献】 特開2004−090398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/00−43/58
B30B 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板の上にラミネート用の樹脂フィルムが載置されたワークを搬送するワーク搬送手段と、ワークを減圧状態で一対の押圧体の間に挟んで加圧して上記樹脂フィルムを回路基板表面に密着させる真空積層手段と、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークを一対の押圧体の間に挟んで押圧し、その樹脂フィルム面を平坦化する平面プレス手段とを備えた積層装置であって、上記平面プレス手段が、一対の押圧体の一方を支承するボールねじと、上記ボールねじのねじ軸に接続されたサーボモータと、一方の押圧体と他方の押圧体の間の距離を計測する間隙測定手段と、一方の押圧体を他方の押圧体に対して所定の間隙となる位置まで移動させて停止させる押圧間隙制御手段とを有しており、上記間隙測定手段がスケールとエンコーダヘッドとを有するリニアスケールを備えるとともに、上記エンコーダヘッドが一対の押圧体の下側に配設されており、上記押圧間隙制御手段が、上記間隙測定手段により得られる押圧体間距離情報に基づいて上記サーボモータの回転数を段階的に変更し、一方の押圧体と他方の押圧体とが接近する速度を制御する接近速度制御手段を備えることを特徴とする積層装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路基板と、樹脂フィルムとを、所望の厚みに均一的に積層することのできる積層装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化、高性能化に伴い、これらに搭載される電子回路基板には、多層化した回路基板、いわゆる「ビルドアップ基板」が、多用されるようになっている。このビルドアップ基板は、プリントされた配線等によりその表面に凹凸を有する回路基板と、絶縁性を有する樹脂フィルムとを、交互に多段に積層して形成されるもので、その製造には、例えば、特許文献1や、図3および図4に示すような積層装置が用いられる。
【0003】
図3に示す積層装置は、ワーク搬送手段(工程A,A’、図中一点鎖線で表示。以下同じ。)と、真空積層手段(工程B)と、平面プレス手段(工程C)と、冷却手段(工程D)等を備えている。すなわち、上記ワーク搬送手段(工程A,A’)は、回路基板の上に絶縁性を有する樹脂フィルムが載置されただけの枚葉状のワークWを、搬送用フィルム繰出し機10,10’から繰り出される搬送用フィルムF,F’(PET製等)により上下から挟み込んだ状態で保持し、工程連続方向(図示右から左方向)に断続的に搬送するものである。上記真空積層手段(工程B)は、ワーク搬送工程(A→A’)の途中に連続して配設されるものであり、真空積層装置50等からなる。上記平面プレス手段(工程C)は、上記真空積層手段により樹脂フィルムが回路基板に密着したワークWを、その樹脂フィルム表面を平坦化することにより、全体の厚みが均一であるビルドアップ基板(製品)とするためのものであり、平面プレス装置60等からなる。上記冷却手段(工程D)は、平面プレス手段を経由したビルドアップ基板(製品)を冷却するものである。
【0004】
なお、図3に示す積層装置において、真空積層装置50の符号22,22’は、ヒーター等を内蔵する熱盤であり、符号24,24’は、上下のプレート21,21’間に減圧空間(真空部)を形成するための真空枠である。また、符号51は、下側のプレート21’を昇降させるのに用いられる油圧シリンダであり、符号53はプレス台、符号54は下側のプレート21’を昇降自在に支持する支柱である。油圧シリンダ51はエアーシリンダであってもよいとされる。
【0005】
図4は、上記図3に示す積層装置における平面プレス装置60の部分的な拡大図である。上記平面プレス装置60は、プレス台63に立設された複数本(図3図4では四隅4本のうち2本しか図示せず)の支柱64と、これら各支柱64にボルト,ナット等の固定手段で固定された上側のプレスブロック31と、上記各支柱64に昇降可能に取り付けられた下側のプレスブロック31’とを備えている。なお、図中の符号32,32’は、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークWを加熱するための熱盤である。
【0006】
そして、この平面プレス装置60は、前記真空積層装置50と同様、下側のプレスブロック31’は、ジョイント(図示省略)等を介して油圧シリンダ61に連結されている。このため、下側のプレスブロック31’は、油圧シリンダ61のピストンロッドの上昇および下降に伴って、昇降するようになっている。油圧シリンダ61は、エアーシリンダであってもよいとされる。
【0007】
なお、上記平面プレス装置60の下側のプレスブロック31’や、真空積層装置50の下側のプレート21’の昇降には、上記1本の油圧シリンダ(符号51または符号61)に代えて、複数本の油圧シリンダやエアーシリンダ等を用いる場合がある。例えば、図5に示すように、プレスブロック31’の平面視中央に配置した油圧シリンダ61に、プレスブロック31’の平面視四隅それぞれに配置した油圧シリンダ62を4本(4本のうち2本しか図示せず)加え、合計5本の油圧シリンダによりプレスブロック31’を昇降させるものが知られている。
【0008】
上記工程A〜Dを備える積層装置に関し、本出願人は、すでに積層装置の真空積層手段として、その表面に耐熱性ゴム等からなる弾性プレス板が配設された上下のプレートを備える真空積層装置を用いることにより、被積層材(基板)表面の凹凸(配線)間隔が微細(20μm程度)もしくは凹凸が深い(40μm以上)場合でも、被積層材と積層材(樹脂フィルム)との間に気泡を生じることなく、積層材を被積層材にぴったりと密着追従させることができる積層装置を提案している(特許文献2)。
【0009】
また、本出願人は、上記工程A〜Dを備える積層装置に関し、積層装置の平面プレス手段として用いる平面プレス装置に、その表面(プレス側)に緩衝材を介してフレキシブル金属板が配設された上下のプレスブロックを使用することにより、積層体全体が均一厚みで、かつ、樹脂フィルムの表面が鏡面性に優れた平坦面とすることのできる積層方法を提案している(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−120100号公報
【特許文献2】特開2008−12918号公報
【特許文献3】特開2003−291168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
これらの積層装置において、真空積層手段として用いられる真空積層装置および平面プレス手段として用いられる平面プレス装置は、それぞれ単体でのフィードバック制御手段を持っておらず、各ワークWに対するプレス圧は、下側のプレートまたはプレスブロックを押し上げるために用いられる油圧シリンダもしくはエアーシリンダ等に供給される作動流体の圧力に比例するようになっている。また、これら油圧シリンダもしくはエアーシリンダ等の動作スピードは、上記作動流体の流路に介在配置されたスピードコントローラ(流量調整弁)によって調節されるようになっている。
【0012】
しかしながら、近年、製品の厚みがより均一になるよう、高いレベルでの厚みを制御することが求められるようになっている。特に、LED等の発光素子を実装した基板において樹脂モールドの代替として樹脂フィルムによる封止(フィルムラミネート)が用いられる場合、製品の厚みが異なると、LED素子の色、温度等も異なるようになる。すなわち、製品の厚みがばらつくと不良率が高くなり、歩留りが悪くなる。このため、製品の厚みをより厳密なレベルで制御することができ、ロット毎のばらつきを抑えることのできる積層装置の開発が強く望まれている。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、積層装置の平面プレス手段において、プレスブロック等の、ワークを押圧する押圧体の停止位置を精密に制御でき、得られる製品の厚みのばらつきを少なくすることのできる積層装置の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するため、本発明の積層装置は、回路基板の上にラミネート用の樹脂フィルムが載置されたワークを搬送するワーク搬送手段と、ワークを減圧状態で一対の押圧体の間に挟んで加圧して上記樹脂フィルムを回路基板表面に密着させる真空積層手段と、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークを一対の押圧体の間に挟んで押圧し、その樹脂フィルム面を平坦化する平面プレス手段とを備えた積層装置であって、上記平面プレス手段が、一対の押圧体の一方を支承するボールねじと、上記ボールねじのねじ軸に接続されたサーボモータと、一方の押圧体と他方の押圧体の間の距離を計測する間隙測定手段と、一方の押圧体を他方の押圧体に対して所定の間隙となる位置まで移動させて停止させる押圧間隙制御手段とを有しており、上記間隙測定手段がスケールとエンコーダヘッドとを有するリニアスケールを備えるとともに、上記エンコーダヘッドが一対の押圧体の下側に配設されており、上記押圧間隙制御手段が、上記間隙測定手段により得られる押圧体間距離情報に基づいて上記サーボモータの回転数を段階的に変更し、一方の押圧体と他方の押圧体とが接近する速度を制御する接近速度制御手段を備える積層装置をの要旨とする。
【0016】
すなわち、本発明の発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を重ね、その結果、平面プレス装置において、ワークを押圧するプレート、プレスブロック等の押圧体の昇降機構として汎用される油圧シリンダ、エアーシリンダ等に代えて、ボールねじ、サーボモータ、押圧体間の距離を測定する特定の間隙測定手段および接近速度制御手段を備えた押圧間隙制御手段を用いると、上記押圧体の昇降スピード、押圧体の停止位置、押圧体による押圧力を、求められる製品の品質に応じて厳密に設定でき、より均一な厚みを有する製品を精度良く再現することができることを見出し、本発明に到達した。
【発明の効果】
【0017】
本発明の積層装置は、真空積層手段を経由し、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークを上下方向から一対の押圧体の間に挟み込んで押圧し、その樹脂フィルム面を平坦化する平面プレス手段を備えている。そして、この平面プレス手段が、押圧体の一方を支承するボールねじと、上記ボールねじのねじ軸に接続されたサーボモータと、一方の押圧体と他方の押圧体の間の距離を計測する間隙測定手段と、一方の押圧体を他方の押圧体に対して所定の間隙となる位置まで移動させて停止させる押圧間隙制御手段とを有しており、上記間隙測定手段がスケールとエンコーダヘッドとを有するリニアスケールを備えるとともに、上記エンコーダヘッドが一対の押圧体の下側に配設されており、上記押圧間隙制御手段が、上記間隙測定手段により得られる押圧体間距離情報にもとづいて上記サーボモータの回転数を変更するようになっている。
【0018】
上記サーボモータは、回転速度や回転数を自在に調節可能である。このため、本発明の積層装置は、サーボモータの回転数を押圧間隙制御手段によって制御することにより、上記平面プレス手段における一方の押圧体(移動側)の停止位置を精度良くコントロールすることができる。これにより、押圧体間の間隙や、押圧体からの押圧力を厳密に設定することができる。したがって、本発明の積層装置は、ワークの加工条件をより細かく設定することが可能になり、製品ロット間のばらつきの減少と、それに伴う製品不良率の低減とを達成することができる。
【0019】
また、本発明の積層装置、上記押圧間隙制御手段が、上記間隙測定手段により得られる押圧体間距離情報に基づいて上記サーボモータの回転数を段階的に変更し、一方の押圧体と他方の押圧体とが接近する速度を制御する接近速度制御手段を備えるため、上記製品の厚み寸法の均一化性を維持しつつも、製品ロット毎に発生する繰り返し動作のサイクル(タクトタイム)を短縮することが可能になる。したがって、製品の生産効率をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態の積層装置の概略構成図である。
図2】上記実施形態の積層装置における平面プレス手段(工程C)の拡大図である。
図3】従来の積層装置の概略構成図である。
図4】上記従来の積層装置に用いられている平面プレス装置の拡大図である。
図5】上記従来の平面プレス装置の別の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態における積層装置の構成を説明する構成図であり、図2は、図1の平面プレス手段(工程C:平面プレス装置30)部分を拡大した拡大図である。なお、従来例(図3)と同様の構成部分には、同じ符号を付している。
【0023】
この積層装置は、配線等がプリントされ、その表面に凹凸を有する回路基板に、絶縁性を有する樹脂フィルムを積層するものであり、特に、回路基板と樹脂フィルムとが交互に多段に積層されたビルドアップ基板を製造するのに適している。この積層装置は、ワーク搬送手段(工程A,A’、図中一点鎖線で表示。以下同じ。)と、真空積層手段(工程B)と、平面プレス手段(工程C)と、冷却手段(工程D)とを備えている。
【0024】
すなわち、この積層装置は、工程の両端(工程始点である図示右側と工程終点である図示左側)の上下に配置された搬送用フィルム繰出し機10,10’および搬送用フィルム巻取り機40,40’と、搬送用フィルムF,F’と、搬送用フィルムF,F’を工程各所で支承する複数のローラーとからなるワーク搬送手段(工程A,A’、図中一点鎖線で表示。以下同じ。)を備えている。そして、上記ワーク搬送工程(A→A’)の途中に、搬送用フィルムF,F’により搬送された枚葉状のワークW(仮積層体:回路基板の上に樹脂フィルムが単に載置されるか、仮止めされたもの)を、減圧状態で上下のプレート21,21’の間に挟み込んで樹脂フィルムを回路基板表面に密着させる真空積層装置20を備える真空積層手段(工程B)と、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークWを上下のプレスブロック31,31’(一対の押圧体)間で押圧して樹脂フィルムの表面を平坦化し、ワークWの厚みを均一化して製品(積層体)とする平面プレス装置30を備える平面プレス手段(工程C)と、上記平面プレス手段により得られた製品を冷却するためのファン42,42’を有する冷却手段(工程D)と、が配設されている。
【0025】
さらに、この実施形態の積層装置には、図2に示すように、その平面プレス装置30が、一対のプレスブロック31,31’と、下側のプレスブロック31’を支承するボールねじ36と、ボールねじ36のねじ軸36aに接続されたサーボモータ35と、サーボモータ35の回転を制御するプログラマブルロジックコントローラ(PLC)およびサーボアンプ(いずれも図示省略)と、下側のプレスブロック31’とプレス台63との間に配設されたリニアスケール37とを備えている。
【0026】
そして、PLCからの指令信号に基づいてサーボモータ35を回転させ、下側のプレスブロック31’を上側のプレスブロック31に向かって移動させる。このとき、上記リニアスケール37が、上記プレスブロック31,31’間の距離(間隙)を連続的かつ間接的に計測している。上記リニアスケール37により計測されたプレスブロック31,31’間の距離情報は、サーボアンプにフィードバックするように設定されており、PLCからの指令信号を、プレスブロック31,31’間の距離情報に基づいて調整するようプログラミングされている。このため、プレスブロック31,31’間の距離に応じてサーボモータ35の回転数を段階的または連続的に変更することができ、予め設定した位置に正確にプレスブロック31’を停止させることができる。このように、本発明は、上記プレスブロック31,31’間の距離情報に基づいてサーボモータ35の回転数を変更する押圧間隙制御手段を備えている。これが、本発明の積層装置の最大の特徴である。
【0027】
本発明の積層装置について、まず、上記平面プレス装置30の構成について詳しく説明し、ついで、それ以外の構成について説明する。上記平面プレス装置30の基本的な構成は、図2に示すとおり、従来の平面プレス装置60(図4参照)と同様であり、プレス台63に立設された複数本の支柱64(図2では四隅4本のうち2本しか図示せず)と、これら各支柱64にボルト,ナット等の固定手段で固定された上側のプレスブロック31と、上記各支柱64に昇降可能に取り付けられた下側のプレスブロック31’とを備える。
【0028】
上下のプレスブロック31,31’の内側(プレス側)には、断熱材(図示省略)を介してヒーターを内蔵する熱盤32,32’が取り付けられており、そのさらに内側(プレス側)に、緩衝材33,33’を介してフレキシブル金属板34,34’が配設されている。よって、先の真空積層手段(工程B)を経由し、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークWを、これらフレキシブル金属板34,34’の間で押圧することにより、ワークWの厚みが均一化され、かつ、樹脂フィルム層の表面が鏡面性の平坦面に形成された製品(積層体)とすることができる。
【0029】
上記プレスブロック31,31’の熱盤32,32’の内側(プレス側)に取り付けられる緩衝材33,33’は、表面のショアA硬度を60度以上とすることが好ましく、さらに好ましくは65〜75度である。ショアA硬度が60度未満では、積層後の樹脂フィルム(ラミネート)の膜厚均一性を得る効果が発揮されない場合がある。なお、本発明において、ショアA硬度とはJIS Z 2246に準処して測定されるものである。また、緩衝材33,33’の厚さは0.2〜20mmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜10mm、さらに好ましくは0.2〜4mmである。厚さ0.2mm未満では弾性強度が低い場合があり、20mmを超えると、緩衝材33,33’の端部の変形が大きくなることがあり、好ましくない。
【0030】
上記緩衝材33,33’としては、紙、ゴム、プラスチック等のいずれかの材質を表面研磨したものを用いることができ、そのなかでもゴムが好ましく、特にフッ素系ゴムが好ましい。フッ素系ゴムとしては、例えば、フッ化ビニリデン系ゴム、含フッ素シリコーンゴム、テトラフルオロエチレン系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、含フッ素フォスフォニトリル系ゴム、含フッ素アクリレート系ゴム、含フッ素ニトロソメタン系ゴム、含フッ素ポリエステルゴム、含フッ素トリアジンゴム等があげられる。なお、緩衝材33,33’は、耐熱性樹脂、ガラス繊維シートや金属箔シート等を内部に含むものであってもよい。
【0031】
上記プレスブロック31,31’の緩衝材33,33’の内側(プレス側)に取り付けられるフレキシブル金属板34,34’の厚さは、0.1〜10mmであることが好ましく、より好ましくは1〜3mmである。フレキシブル金属板34,34’の厚さが0.1mm未満ではその機械強度が低下することがあり、10mmを超えると、金属板のフレキシブル性が低下する場合があり、結果として、積層後の樹脂フィルムの膜厚均一性を得る効果が充分に発揮されないことがある。また、フレキシブル金属板34,34’の表面をバフ研磨等により鏡面研磨すると、製品(積層体)の表面を均一な鏡面にできるので、より好ましい。
【0032】
上記フレキシブル金属板34,34’の材質としては、ステンレス、鉄、アルミニウム、アルミニウム合金等があげられ、耐錆性の点で好ましくはステンレスである。
【0033】
上記プレスブロック31’の下側の空間には、ねじ軸36aとナット(ボールナット)36bとからなるボールねじ36と、ねじ軸36aに繋がるサーボモータ35とからなるプレスブロック31’の昇降機構が形成されている。なお、上記サーボモータ35の回転数は、PLCからの指令信号およびフィードバックされたプレスブロック31,31’間の距離情報に基づき、サーボアンプ(図示省略)によってコントロールされている。すなわち、下側のプレスブロック31’は、ジョイント(図示省略)等を介してボールねじ36のナット36bに接続されている。このため、上記構成により、ねじ軸36aに繋がるサーボモータ35の回転動作を制御することにより、このプレスブロック31’を、昇降自在に制御することができる。
【0034】
さらに、プレスブロック31’の下側の空間には、プレスブロック31’とプレス台63との間の距離を計測するリニアスケール37が配設されている。このリニアスケール37は、プレス台63に固定されたスケール37aと、プレスブロック31’に取り付けられプレスブロック31’に同期して上下にスライド移動するエンコーダヘッド37bを有しており、上記サーボモータ35の回転動作に伴って昇降する下側のプレスブロック31’と上側のプレスブロック31との距離(間隙)を、間接的に測定している。
【0035】
上記リニアスケール37としては、例えば、磁気ヘッドを有する磁気式や、発光・受光素子を有する光学式等のいずれのタイプのリニアスケール(リニアエンコーダ)等を用いることができる
【0036】
なお、上記リニアスケール37は、下側のプレスブロック31'と上側のプレスブロック31との間隙を直接計測できるように配設することも可能である。しかしながら、リニアスケール37をプレスブロック31,31'の間に配設すると、熱盤32,32'から熱の影響を受けるおそれがあり、熱に対する考慮なしでは、正確な間隙を測定することが困難になるおそれがある。このため、本願発明では、リニアスケール37は、熱盤32,32'から離れた位置である、プレスブロック31'の下側に配設している。また、プレスブロック31'とプレス台63の間の距離を計測するようにし、下側のプレスブロック31'と上側のプレスブロック31との間隙を間接的に計測してもよい。
【0037】
そして、平面プレス装置30は、PLCからの指令信号およびプレスブロック31,31’間の距離情報のフィードバックに基づき、サーボモータ35の回転動作を制御するサーボアンプ(図示省略)を備えている。また、プレスブロック31,31’の間隙は、PLCに組み込まれた指令信号(押圧間隙制御プログラム)のみに基づくのではなく、リニアスケール37から得られる距離信号を考慮して設定する押圧間隙制御手段により制御されている。すなわち、PLCからの指令信号により動作するサーボモータ35の回転動作は、リニアスケール37から送られるプレスブロック31,31’間の距離情報がフィードバックされることにより制御されている。この例では、PLCからの指令信号によりサーボモータ35を回転させてプレスブロック31’を上昇させており、プレスブロック31,31’の間隙(リニアスケールから送られるプレスブロック31,31’間の距離情報)が予め設定した値になると、設定した値になったとの情報がPLCに組み込まれた指令信号にフィードバックされ、サーボモータ35の回転が遅くなるまたは停止するようになっている。これにより、プレスブロック31’の停止位置をより正確に設定することができ、プレスブロック31,31’の間隙をより正確に設定することができる。
【0038】
これらの構成により、上記平面プレス装置30を有する積層装置は、製品(積層体)の仕上がり厚みを、予め設定したとおりの所望の厚みにすることができる。すなわち、上記平面プレス装置30におけるプレスブロック31,31’間の距離(間隙)を所定値に正確に設定することができるため、製品の厚みが上記所定値となり、プレス毎に製品の厚みがばらつくことがなくなる。このため、製品の厚みの再現性が高まり、良品率(歩留り)が向上する。
【0039】
また、プレスブロック31,31'間の間隙に応じて、上記サーボモータ35の回転数(すなわち、プレスブロック31'の上昇速度)を段階的に抑制し、プレスブロック31'がプレスブロック31に接近する速度を制御する接近速度制御手段(接近速度プログラム)を備えるため、ワークWの仕上がり(製品)厚みを、より精密にコントロールすることができる。さらに、製品ロット毎に発生する繰り返し動作のサイクル(タクトタイム)を短縮することができることから、従来の工程より生産効率を向上させることが可能になる。上記接近速度プログラムは、例えば、PLCに組み込んで用いることができる。
【0040】
なお、PLC、ボールねじ36,サーボモータ35,リニアスケール37およびサーボアンプ等からなる押圧間隙制御手段は、押圧体(プレート21,21’)の昇降機構を有する真空積層装置20に配設することもできる。
【0041】
つぎに、上記積層装置を構成する、平面プレス装置30(工程C)以外の部分について説明する。
【0042】
まず、ワーク搬送手段(工程A,A’)は、工程の始点に位置する上下の搬送用フィルム繰出し機10,10’と、ワークW(仮積層体:回路基板の上に樹脂フィルムが単に載置されるか、仮止めされたもの)を搬入するための搬入用コンベア部11と、工程の終点に配置された搬送用フィルム巻取り機40,40’と、ワークWを搬出するための搬出部41と、ワークWを搬送する搬送用フィルムF,F’と、搬送用フィルムF,F’を各所で支承する複数のガイド用ローラー等と、を備えている。
【0043】
そして、搬入用コンベア部11から所定間隔で連続的に供給されるワークWは、各搬送用フィルム繰出し機10,10’から繰り出された上下の搬送用フィルムF,F’の間に、所定の間隔で、断続的または間欠的に挟み込まれ、保持される。ワークWは、これら搬送用フィルムF,F’の走行と同期した状態で、上記各ガイド用ローラーに案内されながら、真空積層装置20の上下のプレート21,21’の間、および、平面プレス装置30の上下のプレスブロック31,31’の間と、冷却手段(工程D)とを経由して製品(積層体)となり、搬送用フィルムF,F’による保持が解除される。
【0044】
製品の保持を解除した搬送用フィルムF,F’は、それぞれ、搬送用フィルム巻取り機40,40’に巻き取られ、再利用等に供される。また、搬送用フィルムF,F’による保持が解除された製品(積層体)は、工程終点(図示左側)の搬出部41から搬出される。
【0045】
上記搬送用フィルムF,F’としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルムが好適に使用される。このようなフィルムとしては、例えば、ユニチカ社製の「EMBLET PTHシリーズ」、ダイアフォイル社製の「マットフィルムシリーズ」、東レ社製の「ルミラーシリーズ」等があげられる。また、搬送用フィルムF,F’の幅は、ワークWの熔融した樹脂フィルム(ラミネートフィルム)が幅方向から漏れ出すことがないように、ワークWの幅より10〜40mm程度広く設定されることが好ましい。なお、搬送用フィルムF,F’は、通常、0.5〜150Nの張力が付与される。
【0046】
つぎに、真空積層装置20を備える真空積層手段(工程B)は、前記搬送用フィルムF,F’により搬送されてきたワークWを、減圧真空状態で加熱加圧して、ワークWの樹脂フィルムを回路基板に密着させるものである。
【0047】
この真空積層装置20は、プレス台53に立設された複数本の支柱54と、これら各支柱54にボルト,ナット等の固定手段で固定された上側の押圧体(プレート21)と、上記各支柱54に昇降自在に取り付けられた下側の押圧体(プレート21’)とを備えている。
【0048】
上下のプレート21,21’の内側(プレス側)には、断熱材(図示省略)を介して、ヒーターを内蔵する熱盤22,22’が取り付けられており、そのさらに内側(プレス側)に、耐熱性ゴム等からなる弾性プレス板23,23’が配設されている。また、上記上下のプレート21,21’および熱盤22,22’の周囲には、各プレート21,21’と一体になって相対移動する真空枠24,24’(可動真空枠)が配置されており、下側のプレート21’が所定位置まで上昇すると、これら上下のプレート21,21’間に密封空間が形成され、この密封空間内を減圧することが可能になっている。
【0049】
そして、この真空積層装置20は、下側のプレート21’が、ボールねじ26およびサーボモータ25により支承されており、平面プレス装置30と同様に、プレート21’の下側の空間には、プレート21’とプレス台53との間の距離を計測するリニアスケール27が配設されている。このリニアスケール27は、プレス台53に固定されたスケール27aと、プレート21’に取り付けられプレート21’に同期して上下にスライド移動するエンコーダヘッド27bを有しており、上記サーボモータ25の回転動作に伴って昇降する下側のプレート21’と上側のプレート21との距離(間隙)を、間接的に測定している。この真空積層装置20は、PLCからの指令信号およびリニアスケール27から得られる距離信号のフィードバックに基づき、サーボモータ25の回転動作を制御するサーボアンプ(図示省略)を備えており、下側のプレート21’を、上側のプレート21に対して所定の間隙となる位置まで移動させて停止させることができる。
【0050】
この構成により、上記積層装置の真空積層装置20は、真空下でプレスされるワークWの厚みを、予め設定した所望の値とすることができる。また、この工程の終了時点でのワークWの厚みを設定した範囲内のものにすることができるため、次の仕上げ工程である平面プレス装置30によるプレスにより、製品の厚み精度をより高めることができる。しかしながら、真空積層装置20においては、サーボモータ等を用いなくてもよく、油圧シリンダ、エアーシリンダ等を用いてプレートを昇降させてもよい。すなわち、平面プレス装置30に押圧間隙制御手段を設けるだけで充分に製品の厚み精度を高めることができる。
【0051】
つぎに、前記平面プレスにより得られた製品を冷却する冷却手段(工程D)は、図1のように、搬送用フィルムF,F’の上下にファン42,42’が配設されたものである。すなわち、冷却手段は、これら搬送用フィルムF,F’間に保持され、平面プレス装置30から搬送されてきた製品に対して、上下方向から空気(冷風)を吹き付けることにより、製品を冷却している。なお、この冷却手段(工程D)は、用いる樹脂フィルムの種類等によっては不要であり、必ずしも備えなければならないものではない。
【0052】
冷却された製品は、その表裏面から搬送用フィルムF,F’が剥離され、搬送用フィルムF,F’による保持が解除される。搬送用フィルムF,F’による保持が解除された製品は、搬出部41により積層装置から搬出される。また、製品の保持を解除した搬送用フィルムF,F’は、それぞれ、搬送用フィルム巻取り機40,40’に巻き取られる。
【実施例】
【0053】
つぎに、上記積層装置(図1)を用いて、ワークW(仮積層体)から製品(積層体)を製造した実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0054】
まず、表裏両面に凹凸(配線)を有する回路基板(厚さ0.4mm,配線の厚さ18μm,配線の間隔20μm)の表面に、エポキシ樹脂組成物層(ガラス転移温度80℃,厚さ42.5μm)とポリエチレンテレフタレート層(支持層,厚さ38μm)とからなるラミネート用樹脂フィルムを載置し、オートシートカットラミネータにより樹脂フィルムを回路基板に仮止めして、ワークW(仮積層体)を作製した。
【0055】
ついで、ポリエチレンテレフタレートからなる搬送用フィルムF,F’(厚さ26μm,表面粗さRz=4μm)を、搬送用フィルム繰出し機10,10’から繰り出して工程全体を挿通させ、搬送用フィルム巻取り機40,40’で巻き取れるようにセットした。そして、真空積層に先立ち、真空積層装置20の熱盤22,22’を110℃に昇温し、真空枠24,24’および上下のプレート21,21’間に形成される密封空間内を加熱した。また、平面プレス装置30の熱盤32,32’を100℃に昇温した。
【0056】
準備が整った状態で、搬入用コンベア部11から上記ワークWを積層装置内に搬入した。そして、ワークWを、搬送用フィルム繰出し機10,10’から繰り出された搬送用フィルムF,F’の間に挟み込んで保持し、その状態で搬送用フィルムF,F’を走行させることにより、ワークWを真空積層装置20のプレート21,21’間の所定位置まで移動させた。
【0057】
ついで、サーボモータ25を回転させることにより、真空積層装置20の下側のプレート21’を上昇させ、真空枠24,24’を係合させて、プレート21,21’間に密封空間を形成した。
【0058】
つぎに、真空ポンプ(図示せず)を作動させ、上記密封空間の気圧が100Paまで低下したのを確認した後、さらに下側のプレート21’を上昇させ、各プレート21,21’間の表面(プレス側)に配設された弾性プレス板23,23’の間隙が0.42mmとなったときに下側のプレート21’の上昇を停止させた。そして、この状態を20秒間維持してワークWを加圧した後、上記密封空間の気圧を大気圧に戻し、下側のプレート21’を下降させて、真空積層手段による工程Bを終了した。
【0059】
真空積層手段による工程Bが終了し、樹脂フィルムが回路基板表面に密着したワークWを、搬送用フィルムF,F’を走行させることにより、平面プレス装置30のプレスブロック31,31’間の所定位置まで移動させた。
【0060】
すなわち、PLCからの指令信号に基づいてサーボモータ35を回転させてプレスブロック31’を上昇させるとともに、リニアスケール27から得られる距離信号をサーボアンプ(図示省略)にフィードバックさせており、プレスブロック31,31’が予め設定した所定の間隙〔この例では、プレスブロック31,31’間の表面(プレス側)に配設されたフレキシブル金属板34,34’の間隙が0.42mmになったとき〕になると、サーボモータ35の回転が完全に停止するように制御されているため、プレスブロック31’が確実に正確に位置決めされる。
【0061】
上記フレキシブル金属板34,34’の間隙が0.42mmの状態を50秒間維持した。すなわち、樹脂フィルムが回路基板に密着したワークWを50秒間加圧および加熱し、製品とした。その後、下側のプレスブロック31’を下降させて加圧を解除し、平面プレス手段による工程Cを終了した。
【0062】
平面プレス手段による工程Cが終了し、得られた製品を搬送用フィルムF,F’を走行させることにより冷却ステージに搬送した。この冷却ステージにおいて、製品はファン42,42’からの送風により冷却される〔冷却手段(工程D)〕。その後、搬送用フィルムF,F’を上下に離型させて、これら搬送用フィルムF,F’を搬送用フィルム巻取り機40,40’でそれぞれ巻き取るとともに、搬送用フィルムF,F’による保持が解除された製品を、搬出部41により積層装置から搬出した。
【0063】
なお、各工程は、連続的に行われるため、真空積層装置20のワークW加工位置から平面プレス装置30のワークW加工位置までの距離と、平面プレス装置30のワークW加工位置から冷却ステージ(ファン42,42’からの送風が当たる場所)までの距離は、ほぼ同じになっており、搬送用フィルムF,F’を間欠的に走行させることにより、真空積層装置20,平面プレス装置30,冷却ステージ〔冷却手段(工程D)〕の3箇所におけるワークWまたは製品の位置が、自動的に決まるようになっている。
【0064】
上記構成の積層装置によれば、まず、真空積層手段により、回路基板上の所定位置に樹脂フィルムを密着させた状態で固定しているため、つぎの平面プレス手段によるプレスによって樹脂フィルムの位置がずれたり、よれたりすることがない。しかも、平面プレス手段は、プレスブロック31,31’(押圧体)間の距離情報をPLCからの指令信号にフィードバックさせてサーボモータ35の回転数を変更する押圧間隙制御手段を有しているため、製品の厚みの制御を従来のように経験に頼るのではなく、当初から正確に厳密に設定することができる。また、得られた製品を冷却ステージにおいて、非接触の冷却手段ですばやく冷却しているため、フィルム樹脂の硬化が促進され、搬送中または搬出の際に変形等することがない。すなわち、製品の厚みを予め設定した所望の一定値とすることができ、従来法による製造に比べ、製品ロット毎に生じる厚みのばらつきを、大幅に低減することができる。
【0065】
上記実施例においては、本発明における具体的な形態について示したが、上記実施例は単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。当業者に明らかな様々な変形は、本発明の範囲内であることが企図されている。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の積層装置は、回路基板と、基板間の絶縁に用いられる樹脂フィルムとを、正確な厚みで積層することが可能で、ビルドアップ基板やLED等の発光素子を実装した基板等、仕上がり厚みの精度が求められる製品(積層体)の製造に適する。
【符号の説明】
【0067】
20 真空積層装置
30 平面プレス装置
31,31’ プレスブロック
35 サーボモータ
36 ボールねじ
36a ねじ軸
37 リニアスケール
W ワーク
【要約】
ワークを押圧する押圧体の停止位置を精密に制御でき、仕上がり厚みのばらつきが少ない積層体を製造する積層装置を提供するため、ワーク搬送手段と、真空積層手段(真空積層装置20)と、平面プレス手段(平面プレス装置30)とを備えた積層装置であって、平面プレス手段(平面プレス装置30)が、一対の押圧体(プレスブロック31,31’)の一方を支承するボールねじ36と、ボールねじ36のねじ軸36aに接続されたサーボモータ35と、一方の押圧体31’と他方の押圧体31の間の距離を計測する間隙測定手段(リニアスケール37)と、一方の押圧体31’を他方の押圧体30に対して所定の間隙となる位置まで移動させて停止させる押圧間隙制御手段とを有しており、押圧間隙制御手段を、間隙測定手段(リニアスケール37)により得られる押圧体間距離情報に基づいてサーボモータ35の回転数を変更するものとした。
図1
図2
図3
図4
図5