【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
(1)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する乱数生成手段(例えば、
図1の乱数生成部110に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する座標生成手段(例えば、
図1の座標生成部120に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する決定手段(例えば、
図1の決定部130に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する時刻情報生成手段(例えば、
図1の時刻情報生成部140に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0008】
この発明によれば、乱数生成手段は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する。座標生成手段は、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。決定手段は、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。時刻情報生成手段は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0009】
(2)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する決定手段と、前記半径rを摂動する摂動手段と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する時刻情報生成手段と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0010】
この発明によれば、決定手段は、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。摂動手段は、半径rを摂動する。時刻情報生成手段は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0011】
(3)本発明は、(2)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、
図5の摂動部160に相当)が、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。これにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0013】
(4)本発明は、(2)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、
図8の摂動部180に相当)が、前記半径rを減少することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを減少することにより、摂動化を行う。つまり、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0015】
(5)本発明は、(1)の位置情報匿名化装置について、前記立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、前記半径rを摂動する摂動手段を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0016】
この発明によれば、摂動手段が、立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、半径rを摂動する。したがって、位置情報を移動させる摂動に加えて、半径を摂動するため、より匿名化が向上する。
【0017】
(6)本発明は、(5)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、
図5の摂動部160に相当)が、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0018】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。これにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0019】
(7)本発明は、(5)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、
図8の摂動部180に相当)が、前記半径rを減少することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0020】
この発明によれば、つまり、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0021】
(8)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する第1のステップ(例えば、
図2のステップS101に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップ(例えば、
図2のステップS102に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップ(例えば、
図2のステップS103に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第4のステップ(例えば、
図2のステップS104に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0022】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成し、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。そして、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0023】
(9)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、
図6のステップS201に相当)と、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、
図6のステップS202に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、
図6のステップS203に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0024】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。また、半径rを拡大することにより、摂動化を行うことにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0025】
(10)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、
図9のステップS301に相当)と、前記半径rを減少することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、
図9のステップS302に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、
図9のステップS303に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0026】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを減少することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。なお、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0027】
(11)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する第1のステップ(例えば、
図2のステップS101に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップ(例えば、
図2のステップS102に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップ(例えば、
図2のステップS103に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第4のステップ(例えば、
図2のステップS104に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0028】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成し、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。そして、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0029】
(12)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、
図6のステップS201に相当)と、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、
図6のステップS202に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、
図6のステップS203に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0030】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。また、半径rを拡大することにより、摂動化を行うことにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0031】
(13)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、
図9のステップS301に相当)と、前記半径rを減少することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、
図9のステップS302に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、
図9のステップS303に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0032】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを減少することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。なお、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。