特許第6125153号(P6125153)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6125153位置情報匿名化装置、位置情報匿名化方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6125153
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】位置情報匿名化装置、位置情報匿名化方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/62 20130101AFI20170424BHJP
【FI】
   G06F21/62 354
【請求項の数】3
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-102996(P2012-102996)
(22)【出願日】2012年4月27日
(65)【公開番号】特開2013-232068(P2013-232068A)
(43)【公開日】2013年11月14日
【審査請求日】2015年1月16日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】清本 晋作
(72)【発明者】
【氏名】三宅 優
【審査官】 金沢 史明
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/043418(WO,A1)
【文献】 特開2011−123712(JP,A)
【文献】 特開2006−135442(JP,A)
【文献】 特開2013−041536(JP,A)
【文献】 特開2012−079205(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090628(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/142327(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/017612(WO,A1)
【文献】 Mehmet Ercan Nergiz et al.,Towards Trajectory Anonymization: a Generalization-Based Approach,Proceedings of the SIGSPATIAL ACM GIS 2008 International Workshop on Security and Privacy in GIS and LBS (SPRINGL '08),ACM,2008年11月 4日,pp. 52-61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60−21/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真の位置情報を表わす次元座標系(XY座標系)に対応して、乱数を生成する乱数生成手段と、
前記真の位置情報を表わす次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する座標生成手段と、
前記真の位置情報に対応する座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する決定手段と、
前記内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、前記半径rを摂動する摂動手段と、
前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に対してZ軸方向に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する時刻情報生成手段と、
を備え、
前記時間幅は、XYZ座標系に形成される立体の体積が所定の閾値を超えるランダムな値であることを特徴とする位置情報匿名化装置。
【請求項2】
乱数生成手段と座標生成手段と決定手段と摂動手段と時刻情報生成手段とを備える位置情報匿名化装置における位置情報匿名化方法であって、
前記乱数生成手段が、真の位置情報を表わす次元座標系(XY座標系)に対応して、乱数を生成する第1のステップと、
前記座標生成手段が、前記真の位置情報を表わす次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップと、
前記決定手段が、前記真の位置情報に対応する座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップと、
前記摂動手段が、前記内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、前記半径rを摂動する第4のステップと、
前記時刻情報生成手段が、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に対してZ軸方向に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第5のステップと、
を備え、
前記時間幅は、XYZ座標系に形成される立体の体積が所定の閾値を超えるランダムな値であることを特徴とする位置情報匿名化方法。
【請求項3】
乱数生成手段と座標生成手段と決定手段と摂動手段と時刻情報生成手段とを備える位置情報匿名化装置における位置情報匿名化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
前記乱数生成手段が、真の位置情報を表わす次元座標系(XY座標系)に対応して、乱数を生成する第1のステップと、
前記座標生成手段が、前記真の位置情報を表わす次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップと、
前記決定手段が、前記真の位置情報に対応する座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップと、
前記摂動手段が、前記内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、前記半径rを摂動する第4のステップと、
前記時刻情報生成手段が、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に対してZ軸方向に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第5のステップと、
を備え、
前記時間幅は、XYZ座標系に形成される立体の体積が所定の閾値を超えるランダムな値であることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの位置情報を第三者に対して匿名化する位置情報匿名化装置、位置情報匿名化方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データを公開する場合において、データの所有者のプライバシを保護するため、データの変形を行う必要がある。特に、位置情報などの重要情報については、十分な匿名化を行った後に提供されなければならない。これに対して、例えば、非特許文献1に示されるような技術が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】C.A.Ardagna,M.Cremonini,S.De Capitani di Vimercati,and P.Samarati, “An Obfuscation−based Approach for Protecting Location Privacy,” in IEEE Transactions on Dependable and Secure Computing(TDSC),January−February,2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載の手法においては、X、Y、(Z)座標系に対して、移動と拡大を行う方式が提案されていたが、従来の方式では、時系列的に複数の位置情報を俯瞰することで、利用者の行動が追跡されるおそれがある。そのため、利用者の行動の追跡という脅威を考えた場合、位置情報に加え、時刻情報も匿名化する必要がある。ところが、時刻情報と位置情報を同時に匿名化手法は提案されていない。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、時刻情報と位置情報を同時に匿名化することにより、データの所有者のプライバシを有効に保護する位置情報匿名化装置、位置情報匿名化方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0007】
(1)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する乱数生成手段(例えば、図1の乱数生成部110に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する座標生成手段(例えば、図1の座標生成部120に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する決定手段(例えば、図1の決定部130に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する時刻情報生成手段(例えば、図1の時刻情報生成部140に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0008】
この発明によれば、乱数生成手段は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する。座標生成手段は、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。決定手段は、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。時刻情報生成手段は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0009】
(2)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する決定手段と、前記半径rを摂動する摂動手段と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する時刻情報生成手段と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0010】
この発明によれば、決定手段は、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。摂動手段は、半径rを摂動する。時刻情報生成手段は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0011】
(3)本発明は、(2)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、図5の摂動部160に相当)が、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0012】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。これにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0013】
(4)本発明は、(2)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、図8の摂動部180に相当)が、前記半径rを減少することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0014】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを減少することにより、摂動化を行う。つまり、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0015】
(5)本発明は、(1)の位置情報匿名化装置について、前記立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、前記半径rを摂動する摂動手段を備えたことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0016】
この発明によれば、摂動手段が、立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度を満たす範囲内で、半径rを摂動する。したがって、位置情報を移動させる摂動に加えて、半径を摂動するため、より匿名化が向上する。
【0017】
(6)本発明は、(5)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、図5の摂動部160に相当)が、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0018】
この発明によれば、摂動手段が、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。これにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0019】
(7)本発明は、(5)の位置情報匿名化装置について、前記摂動手段(例えば、図8の摂動部180に相当)が、前記半径rを減少することにより、摂動化を行うことを特徴とする位置情報匿名化装置を提案している。
【0020】
この発明によれば、つまり、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0021】
(8)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する第1のステップ(例えば、図2のステップS101に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップ(例えば、図2のステップS102に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップ(例えば、図2のステップS103に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第4のステップ(例えば、図2のステップS104に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0022】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成し、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。そして、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0023】
(9)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、図6のステップS201に相当)と、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、図6のステップS202に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、図6のステップS203に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0024】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。また、半径rを拡大することにより、摂動化を行うことにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0025】
(10)本発明は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、図9のステップS301に相当)と、前記半径rを減少することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、図9のステップS302に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、図9のステップS303に相当)と、を備えたことを特徴とする位置情報匿名化方法を提案している。
【0026】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを減少することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。なお、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0027】
(11)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成する第1のステップ(例えば、図2のステップS101に相当)と、前記真の位置情報を表わすn次元座標に、該生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する第2のステップ(例えば、図2のステップS102に相当)と、前記真の座標情報が、該生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第3のステップ(例えば、図2のステップS103に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第4のステップ(例えば、図2のステップS104に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0028】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成し、真の位置情報を表わすn次元座標に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。そして、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0029】
(12)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、図6のステップS201に相当)と、前記半径rを拡大することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、図6のステップS202に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、図6のステップS203に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0030】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。また、半径rを拡大することにより、摂動化を行うことにより、さらに、領域が拡大するため、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【0031】
(13)本発明は、コンピュータに、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、前記真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた前記半径rを決定する第1のステップ(例えば、図9のステップS301に相当)と、前記半径rを減少することにより、摂動化を行う第2のステップ(例えば、図9のステップS302に相当)と、前記真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、前記時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する第3のステップ(例えば、図9のステップS303に相当)と、を実行させるためのプログラムを提案している。
【0032】
この発明によれば、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し、半径rを減少することにより、摂動化を行う。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。したがって、位置情報の摂動により形成される立体を時間軸方向に延伸した立体図形内に真の位置情報が含まれることになる。これにより、従来の位置情報の匿名化方法に比べて、時間軸方向にその領域が拡大することから、さらに、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。なお、本発明では、時刻情報についても、摂動化を行い、匿名化することから、半径が減少する摂動化を許容しても、十分に、匿名化が進み、ユーザのプライバシを有効に保護することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、時刻情報と位置情報を同時に匿名化することにより、データの所有者のプライバシを有効に保護することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本発明の第1の実施形態に係る位置情報匿名化装置の構成を示す図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理を示す図である。
図3】移動による摂動化を説明するための図である。
図4】位置情報と時刻情報のそれぞれに摂動を与えた場合の様子を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に係る位置情報匿名化装置の構成を示す図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理を示す図である。
図7】拡大による摂動化を説明するための図である。
図8】本発明の第3の実施形態に係る位置情報匿名化装置の構成を示す図である。
図9】本発明の第3の実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理を示す図である。
図10】減少による摂動化を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0036】
<第1の実施形態>
図1から図4を用いて、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0037】
<位置情報匿名化装置の構成>
本実施形態に係る位置情報匿名化装置は、図1に示すように、乱数生成部110と、座標生成部120と、決定部130と、時刻情報生成部140とから構成されている。
【0038】
乱数生成部110は、真の位置情報に対応するn次元座標系(nは、2以上の整数)の座標情報対して、乱数を生成する。座標生成部120は、真の位置情報に対応するn次元座標系の座標情報に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する。
【0039】
決定部130は、真の位置情報に対応する座標情報(n次元座標)が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。時刻情報生成部140は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。
【0040】
<位置情報匿名化装置の処理>
図2から図4を用いて、本実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理について説明する。
【0041】
まず、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、乱数を生成し(ステップS101)、真の位置情報に対応する座標情報(n次元座標)に、生成した乱数を付加して摂動化した座標情報を生成する(ステップS102)。
【0042】
そして、真の座標情報が、生成された座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、これらにより形成される立体内に含まれ、かつ、求められる匿名度に応じた半径rを決定して(ステップS103)、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する(ステップS104)。
【0043】
ここで、図3を用いて、移動による摂動化について説明する。
なお、ここでは、理解を容易にするために、2次元座標系を例に説明するが、2次元以上の多次元にも展開することができる。
【0044】
位置情報は、2次元平面状の円のエリアとして表される。つまり、中心の座標(x、y)と、半径rの組合せで表される。ここで、中心の座標(x、y)、半径rの位置情報を<x、y、r>で表す。
【0045】
をずれが最小で、最も精度のよい半径とする。このとき、適切度(匿名化度の逆数)R(0<R≦1)は、以下、数1で与えられる。
【0046】
【数1】
【0047】
摂動オペレータは、真の位置情報A位置情報に変換するオペレータであり、以下の条件を満たすものとする。
【0048】
(1)R<R(R、Rは、それぞれA、Aの関連性(変換の度合い))
(2)A∩A≠φ
【0049】
真の位置情報A=<x、y、r>に対して、位置情報の中心を移動する変換を行った後の位置情報をA=<x、y、r>とし、AとAの中心の距離をdとする。また、2つの円が交差する点のうちの1点とAの中心を結んだ直線をx軸とする。AとAの中心を結んだ直線とx軸とのなす角をθとする。
【0050】
ここで、x、yは、d、θを用いて、数2のように表わされる。
【0051】
【数2】
【0052】
、Aの関連性をそれぞれR、Rとし、λを数3とした場合に、数4に示す方程式が得られる。
【0053】
【数3】
【0054】
【数4】
【0055】
ここで、rは、Aの半径である。r=rであることから、数5のように簡単化でき、この連立方程式を解くことにより、d、θを求めることができる。
【0056】
【数5】
【0057】
次に、移動による摂動化と同様に、時刻情報の匿名化を付与することにより、位置情報を2次元とした場合、図4に示すような円柱となる。このとき、その場所にいた時刻の情報である時刻情報Tは、(T+t1、T+t2)といったある範囲(t2−t1)の幅を持った値に変換される。t2、t1は、円柱の体積がある閾値を越えるようにランダムな値が選択される。
【0058】
したがって、本実施形態によれば、ユーザが移動していく場合を考えると、ある時刻において、(1)の円内にいたユーザは、(2)の円内へと移動するとすれば、移動が完了した後も、(1)の円柱に相当する位置情報が残り続けるため、ある時間の断面で見た場合、あるユーザが(1)の円内にいるのか、(2)の円内にいるのかを判別することは困難となる。なお、本実施形態においては、中心座標を移動する摂動を与える例について説明したが、これに加えて、半径を拡大あるいは減少する摂動を与えてもよい。
【0059】
<第2の実施形態>
図5から図7を用いて、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0060】
<位置情報匿名化装置の構成>
本実施形態に係る位置情報匿名化装置は、図5に示すように、決定部150と、摂動部160と、時刻情報生成部170とから構成されている。
【0061】
決定部150は、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定する。摂動部160は、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。時刻情報生成部170は、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する。
【0062】
<位置情報匿名化装置の処理>
図6および図7を用いて、本実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理について説明する。
【0063】
まず、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し(ステップS201)、半径rを拡大することにより、摂動化を行う(ステップS202)。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する(ステップS203)。
【0064】
ここで、図7を用いて、移動による摂動化について説明する。
なお、ここでは、理解を容易にするために、2次元座標系を例に説明するが、2次元以上の多次元にも展開することができる。
【0065】
位置情報は、2次元平面状の円のエリアとして表される。つまり、中心の座標(x、y)と、半径rの組合せで表される。ここで、中心の座標(x、y)、半径rの位置情報を<x、y、r>で表す。
【0066】
をずれが最小で、最も精度のよい半径とする。このとき、適切度(匿名化度の逆数)R(0<R≦1)は、以下、数6で与えられる。
【0067】
【数6】
【0068】
摂動オペレータは、真の位置情報A位置情報に変換するオペレータであり、以下の条件を満たすものとする。
【0069】
(1)R<R(R、Rは、それぞれA、Aの関連性(変換の度合い))
(2)A∩A≠φ
【0070】
真の位置情報A=<x、y、r>に対して、半径を拡大する変換を行った後の位置情報をA=<x、y、r>とする。このとき、r>rとなる。
【0071】
、Aの関連性をそれぞれR、Rとし場合、半径は、数7で与えられる。
【0072】
【数7】
【0073】
次に、時刻情報の匿名化を付与することにより、位置情報を2次元とした場合、図4に示すような円柱となる。このとき、その場所にいた時刻の情報である時刻情報Tは、(T+t1、T+t2)といったある範囲(t2−t1)の幅を持った値に変換される。t2、t1は、円柱の体積がある閾値を越えるようにランダムな値が選択される。
【0074】
したがって、本実施形態によれば、ユーザが移動していく場合を考えると、ある時刻において、(1)の円内にいたユーザは、(2)の円内へと移動するとすれば、移動が完了した後も、(1)の円柱に相当する位置情報が残り続けるため、ある時間の断面で見た場合、あるユーザが(1)の円内にいるのか、(2)の円内にいるのかを判別することは困難となる。なお、本実施形態においては、半径を拡大する摂動を与える例について説明したが、これに加えて、中心座標を移動するあるいは半径を減少する摂動を与えてもよい。
【0075】
<第3の実施形態>
図8から図10を用いて、本発明の第3の実施形態について説明する。
【0076】
<位置情報匿名化装置の構成>
本実施形態に係る位置情報匿名化装置は、図8に示すように、決定部150と、摂動部180と、時刻情報生成部170とから構成されている。なお、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同様の機能を有することから、その詳細な説明は省略する。
【0077】
摂動部180は、半径rを拡大することにより、摂動化を行う。
【0078】
<位置情報匿名化装置の処理>
図9および図10を用いて、本実施形態に係る位置情報匿名化装置の処理について説明する。
【0079】
まず、真の位置情報を表わすn次元座標系(nは、2以上の整数)に対応して、真の位置情報に対応する座標情報を中心座標とし、半径をrとしたときに、求められる匿名度に応じた半径rを決定し(ステップS301)、半径rを減少することにより、摂動化を行う(ステップS302)。そして、真の位置情報を取得した時刻情報を求められる匿名度に応じた値により、時刻情報に時間幅を付加して摂動化した時刻情報を生成する(ステップS303)。
【0080】
ここで、図10を用いて、移動による摂動化について説明する。
なお、ここでは、理解を容易にするために、2次元座標系を例に説明するが、2次元以上の多次元にも展開することができる。
【0081】
位置情報は、2次元平面状の円のエリアとして表される。つまり、中心の座標(x、y)と、半径rの組合せで表される。ここで、中心の座標(x、y)、半径rの位置情報を<x、y、r>で表す。
【0082】
をずれが最小で、最も精度のよい半径とする。このとき、適切度(匿名化度の逆数)R(0<R≦1)は、以下、数8で与えられる。
【0083】
【数8】
【0084】
摂動オペレータは、真の位置情報A位置情報に変換するオペレータであり、以下の条件を満たすものとする。
【0085】
(1)R<R(R、Rは、それぞれA、Aの関連性(変換の度合い))
(2)A∩A≠φ
【0086】
真の位置情報A=<x、y、r>に対して、半径を減少する変換を行った後の位置情報をA=<x、y、r>とする。このとき、r<rとなる。
【0087】
、Aの関連性をそれぞれR、Rとし場合、半径は、数9で与えられる。
【0088】
【数9】
【0089】
次に、時刻情報の匿名化を付与することにより、位置情報を2次元とした場合、図4に示すような円柱となる。このとき、その場所にいた時刻の情報である時刻情報Tは、(T+t1、T+t2)といったある範囲(t2−t1)の幅を持った値に変換される。t2、t1は、円柱の体積がある閾値を越えるようにランダムな値が選択される。
【0090】
したがって、本実施形態によれば、ユーザが移動していく場合を考えると、ある時刻において、(1)の円内にいたユーザは、(2)の円内へと移動するとすれば、移動が完了した後も、(1)の円柱に相当する位置情報が残り続けるため、ある時間の断面で見た場合、あるユーザが(1)の円内にいるのか、(2)の円内にいるのかを判別することは困難となる。なお、本実施形態においては、半径を減少する摂動を与える例について説明したが、これに加えて、中心座標を移動するあるいは半径を拡大する摂動を与えてもよい。
【0091】
なお、位置情報匿名化装置の処理をコンピュータシステムが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを位置情報匿名化装置に読み込ませ、実行することによって本発明の位置情報匿名化装置を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0092】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0093】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0094】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0095】
110;乱数生成部
120;座標生成部
130;決定部
140;時刻情報生成部
150;決定部
160;摂動部
170;時刻情報生成部
180;摂動部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10