(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが実質的に等しい場合、前記複数の粒子の全てが蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1に記載の粒子検出装置。
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが異なる場合、前記複数の粒子の一部が蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1又は2に記載の粒子検出装置。
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、蛍光が測定されなかった場合、前記複数の粒子の全てが非蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が実質的に同じであり、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了時点が実質的に同じである場合、前記複数の粒子の全てが蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が異なるか、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了時点が異なる場合、前記複数の粒子の一部が蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光が測定されなかった場合、前記複数の粒子の全てが非蛍光粒子であると前記粒子計数部が判定する、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
所定の時間にわたって散乱光が測定され、前記散乱光の強度の時間変化が所定未満であった場合、前記測定された散乱光が干渉を起こしていないと前記干渉状態判定部が判定する、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
所定の時間にわたって散乱光が測定され、前記散乱光の強度の時間変化が所定以上であった場合、前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしていると前記干渉状態判定部が判定する、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
所定の時間内に複数回散乱光のピークが測定された場合、前記測定された散乱光が減殺的干渉を起こしていると前記干渉状態判定部が判定する、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の粒子検出装置。
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが実質的に等しい場合、前記複数の粒子の全てが蛍光粒子であると判定する、請求項11に記載の粒子の検出方法。
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが異なる場合、前記複数の粒子の一部が蛍光粒子であると判定する、請求項11又は12に記載の粒子の検出方法。
前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしており、蛍光が測定されなかった場合、前記複数の粒子の全てが非蛍光粒子であると判定する、請求項11ないし13のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が実質的に同じであり、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了時点が実質的に同じである場合、前記複数の粒子の全てが蛍光粒子であると判定する、請求項11ないし14のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が異なるか、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了時点が異なる場合、前記複数の粒子の一部が蛍光粒子であると判定する、請求項11ないし15のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
減殺的干渉により前記散乱光のピークが複数回測定され、蛍光が測定されなかった場合、前記複数の粒子の全てが非蛍光粒子であると判定する、請求項11ないし16のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
所定の時間にわたって散乱光が測定され、前記散乱光の強度の時間変化が所定未満であった場合、前記測定された散乱光が干渉を起こしていないと判定する、請求項11ないし17のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
所定の時間にわたって散乱光が測定され、前記散乱光の強度の時間変化が所定以上であった場合、前記測定された散乱光が増加的干渉を起こしていると判定する、請求項11ないし18のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
所定の時間内に複数回散乱光のピークが測定された場合、前記測定された散乱光が減殺的干渉を起こしていると判定する、請求項11ないし19のいずれか1項に記載の粒子の検出方法。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、実施の形態に係る粒子検出装置1は、例えば、クリーンルーム70内に配置されている。クリーンルーム70には、ダクト71、並びにHEPA(High Efficiency Particulate Air Filter)及びULPA(Ultra Low Penetration Air Filter)等の超高性能エアフィルタを有する噴き出し口72を介して、清浄な空気等の気体が送り込まれる。
【0018】
クリーンルーム70内には、生産ライン81、82が配置されている。生産ライン81、82は、例えば精密機器、電子部品、又は半導体装置の生産ラインである。あるいは生産ライン81、82は、食品、飲料、又は医薬品の生産ラインである。例えば、生産ライン81、82において、輸液が点滴や注射器に充填される。あるいは、生産ライン81、82において、経口剤や漢方薬が製造される。またあるいは、生産ライン81、82において、栄養ドリンクやビールが容器に充填される。
【0019】
生産ライン81、82は、通常、微生物粒子及び非微生物粒子等をクリーンルーム70内の気体に飛散させないよう管理されている。しかし、生産ライン81、82は、何らかの事情で、クリーンルーム70内の気体に飛散する微生物粒子及び非微生物粒子の発生源になる。また、生産ライン81、82以外の要因で、クリーンルーム70内の気体に微生物粒子及び非微生物粒子が飛散することもある。
【0020】
クリーンルーム70内の気体に飛散しうる微生物粒子の例としては細菌が含まれる。細菌の例としては、グラム陰性菌、グラム陽性菌、及びカビ胞子を含む真菌が挙げられる。グラム陰性菌の例としては、大腸菌が挙げられる。グラム陽性菌の例としては、表皮ブドウ球菌、枯草菌芽胞、マイクロコッカス、及びコリネバクテリウムが挙げられる。カビ胞子を含む真菌の例としては、アスペルギルスが挙げられる。ただし、クリーンルーム70内の気体に飛散しうる微生物粒子はこれらに限定されない。また、クリーンルーム70内の気体に飛散しうる非微生物粒子の例としては、化学物質、薬品及び食品の飛沫、ごみ、ちり、並びに埃等のダスト等が挙げられる。
【0021】
粒子に光を照射すると、粒子において例えばミー散乱光が生じる。また、微生物粒子は、光を照射されると、微生物粒子に含まれるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)及びフラビン等が、蛍光を発する。NADH由来の蛍光の波長は、480nm近傍である。また、フラビン由来の蛍光の波長は、530nm近傍である。さらに、例えばポリエステルからなるクリーニングしたガウンから飛散した非微生物蛍光粒子は、光を照射されると蛍光を発する。さらに、ポリスチレン粒子も蛍光を発し、その後退色する。なお、蛍光は、自家蛍光を含む。以下、微生物粒子及び非微生物蛍光粒子の両方を含めて、蛍光粒子という。
【0022】
粒子検出装置1は、
図2及び
図3に示すように、複数の粒子を含む流体に励起光を照射する光源10と、励起光を照射された領域で生じる蛍光を測定する蛍光測定器2と、励起光を照射された領域で生じる散乱光を測定する散乱光測定器5と、を備える。蛍光測定器2及び散乱光測定器5は、中央演算処理装置(CPU)300に電気的に接続されている。CPU300は、測定された散乱光が増加的干渉を起こしているか、減殺的干渉を起こしているかを判定する干渉状態判定部301と、測定された散乱光の干渉状態に応じて、複数の粒子を計数する粒子計数部302と、を含む。
【0023】
第1の実施の形態では、検査対象の流体が気体である例を説明するが、本発明の実施の態様はこれに限定されず、検査対象の流体は液体であってもよい。
【0024】
光源10と、蛍光測定器2と、散乱光測定器5と、は、筐体30に設けられている。光源10には、光源10に電力を供給する光源駆動電源11が接続されている。光源駆動電源11には、光源10に供給される電力を制御する電源制御装置12が接続されている。粒子検出装置1は、
図1に示したクリーンルーム70の内部から
図2に示す筐体30の内部に、気体を吸引する第1の吸引装置をさらに備える。第1の吸引装置で吸引された気体は、筐体30内部の
図3に示す流路のノズル40Aの先端から放出される。ノズル40Aの先端から放出された気体は、ノズル40Aの先端と対向して筐体30の内部に配置されたノズル40Bを介して、第2の吸引装置で吸引される。
【0025】
光源10は、ノズル40Aの先端から放出され、ノズル40Bから吸引される気体の気流に向けて、広帯域波長の励起光を、例えば変換レンズ61、62を介して照射する。光源10としては、例えば、レーザ、発光ダイオード(LED)、ハロゲンランプ及びキセノンランプ等が使用可能である。励起光の波長は、例えば250ないし550nmである。励起光は、可視光であっても、紫外光であってもよい。励起光が可視光である場合、励起光の波長は、例えば400ないし550nmの範囲内であり、例えば405nmである。励起光が紫外光である場合、励起光の波長は、例えば300ないし380nmの範囲内であり、例えば340nmである。ただし、励起光の波長は、これらに限定されない。
【0026】
ノズル40Aから噴出された気流中に粒子が含まれる場合、励起光を照射された粒子においてミー散乱光が発生する。
図2に示す散乱光測定器5は、粒子で生じるミー散乱光を測定する。散乱光測定器5は、散乱光を受光する散乱光受光素子50を備える。散乱光受光素子50としては、フォトダイオード等が使用可能であり、光を受光すると、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。散乱光受光素子50には、散乱光受光素子50で生じた電流を増幅する増幅器51が接続されている。増幅器51には、増幅器51に電力を供給する増幅器電源52が接続されている。また、増幅器51には、増幅器51で増幅された電流を受け取り、散乱光受光素子50が受光した散乱光の強度を算出する散乱光強度算出装置53が接続されている。散乱光強度算出装置53には、散乱光強度算出装置53が算出した散乱光の強度を保存する散乱光強度記憶装置54が接続されている。
【0027】
図4に示すように、気流にのって第1及び第2の粒子が流され、第1の粒子が励起光のビーム断面に入ると、第1の粒子で散乱光が生じ、散乱光受光素子50の受光面で受光される。次に、
図5に示すように、第1及び第2の粒子の両方が励起光のビーム断面に入ると、第1及び第2の粒子の両方で散乱光が生じ、散乱光受光素子50の受光面で受光される。ここで、第1及び第2の粒子の両方が励起光の干渉面積内に存在すると、第1の粒子と散乱光受光素子50の受光面の間の光路長L
1と、第2の粒子と散乱光受光素子50の受光面の間の光路長L
2と、の光路差に応じて、第1の粒子で生じた散乱光と第2の粒子で生じた散乱光とが干渉する。その後、
図6に示すように、第1の粒子が励起光のビーム断面の外に出ると、第2の粒子のみで散乱光が生じ、散乱光受光素子50の受光面で受光される。
【0028】
なお、光源10がレーザ等の単一のコヒーレント光源である場合、励起光の干渉性は高く、干渉面積は大きい。光源10がLED、ハロゲンランプ及びキセノンランプ等のインコヒーレント光源である場合、励起光の干渉性は低く、干渉面積は小さい。しかし、光源10がコヒーレント光源及びインコヒーレント光源のいずれであっても、第1及び第2の粒子の両方が励起光の干渉面積内に存在すると、第1の粒子で生じた散乱光と第2の粒子で生じた散乱光とが干渉しうる。
【0029】
図7(a)は、励起光のビーム断面における光強度が一様である場合に、粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
図7(b)は、粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、第1の粒子と散乱光受光素子50の受光面の間の光路長L
1と、第2の粒子と散乱光受光素子50の受光面の間の光路長L
2と、の光路差が例えば散乱光の半波長の奇数倍に相当し、散乱光どうしが減殺的に干渉したときに散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
図7(c)は、粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、光路差が例えば散乱光の波長の整数倍に相当し、散乱光どうしが増加的に干渉したときに散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
【0030】
図7(b)及び
図7(c)において、時点t
1からt
2の間は、第1の粒子のみが励起光のビーム断面を通過している。時点t
2からt
3の間は、第1及び第2の粒子が励起光のビーム断面を通過している。時点t
3において、第1の粒子が励起光のビーム断面の外に出て、時点t
3からt
4の間は、第2の粒子のみが励起光のビーム断面を通過している。
【0031】
図7(b)において、時点t
2からt
3の間は、第1及び第2の粒子で生じる散乱光の間に減殺的干渉が起こるため、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度が実質的にゼロになる。そのため、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間内に間隔をおいて散乱光のピークが2回測定される。なお、外乱電気ノイズや外乱電磁放射線により偽信号が生じ、減殺的干渉が起きた際にも、散乱光の受光強度が完全にゼロにならない場合があるが、例えば基準値未満の算出光強度をキャンセルすることにより、偽信号の影響は抑制することが可能である。
【0032】
図7(c)において、時点t
2からt
3の間は、第1及び第2の粒子で生じる散乱光の間に増加的干渉が起こるため、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度が増加する。そのため、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化が、散乱光に関する所定の基準以上となる。なお、散乱光に関する所定の基準とは、例えば、事前に、1つの粒子で生じる散乱光の強度の時間変化と、複数の粒子で生じる散乱光の増加的干渉が起きた際の強度の時間変化と、を確認して取得した、両者を判別可能な閾値である。
【0033】
図3に示すノズル40Aから噴出された気流中に細菌等の微生物粒子が含まれる場合、微生物粒子において散乱光が発生すると共に、励起光を照射された微生物粒子が、蛍光を発する。また、ノズル40Aから噴出された気流中にポリエステル粒子等の非微生物蛍光粒子が含まれる場合も、非微生物蛍光粒子において散乱光は発生すると共に、励起光を照射された非微生物蛍光粒子が、蛍光を発する。なお、蛍光においては、励起光の位相がランダムな状態になるため、蛍光どうしは干渉しない。
【0034】
図2に示す蛍光測定器2は、微生物粒子や非微生物蛍光粒子が発した蛍光を測定する。蛍光測定器2は、蛍光を受光する蛍光受光素子20を備える。蛍光受光素子20としては、フォトダイオード及び光電管等が使用可能であり、蛍光を受光すると、光エネルギーを電気エネルギーに変換する。蛍光受光素子20には、蛍光受光素子20で生じた電流を増幅する増幅器21が接続されている。増幅器21には、増幅器21に電力を供給する増幅器電源22が接続されている。また、増幅器21には、増幅器21で増幅された電流を受け取り、蛍光受光素子20が受光した蛍光の強度を算出する蛍光強度算出装置23が接続されている。蛍光強度算出装置23には、蛍光強度算出装置23が算出した蛍光の強度を保存する蛍光強度記憶装置24が接続されている。
【0035】
図8(a)は、励起光のビーム断面における光強度が一様である場合に、蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化を示している。
図8(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過したときに蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化を示している。
図8(b)において、まず時点t
1において第1の蛍光粒子のみが励起光のビーム断面に進入し、時点t
1からt
2の間は、第1の蛍光粒子のみが励起光のビーム断面を通過している。時点t
2において第2の蛍光粒子も励起光のビーム断面に進入し、時点t
2からt
3の間は、第1及び第2の蛍光粒子が励起光のビーム断面を通過している。時点t
3において、第1の蛍光粒子が励起光のビーム断面の外に出て、時点t
3からt
4の間は、第2の蛍光粒子のみが励起光のビーム断面を通過している。時点t
4において、第2の蛍光粒子が励起光のビーム断面の外に出る。
【0036】
時点t
2からt
3の間において、第1及び第2の蛍光粒子が発した蛍光どうしは干渉しないため、それぞれの蛍光の強度が足し合わされる。そのため、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準以上となる。なお、蛍光に関する所定の基準とは、例えば、事前に、1つの蛍光粒子で生じる蛍光の強度の時間変化と、複数の蛍光粒子で生じる蛍光の強度の時間変化と、を確認して取得した、両者を判別可能な閾値である。
【0037】
図9(a)及び(b)は、励起光のビーム断面における光強度が一様である場合に、蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、散乱光に干渉がおきないため、時点t
1から時点t
3までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準未満となる。また、時点t
1から時点t
3までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準未満となる。
【0038】
さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、実質的に同じである。そのため、散乱光を測定した時間の長さと、蛍光を測定した時間の長さが、実質的に等しい。なお、蛍光測定器2及び散乱光測定器5等の内部時計回路の水晶振動子のドリフト等により、散乱光の測定時間を監視する時計と、蛍光の測定時間を監視する時計とが完全に同期せず、散乱光の測定時間と蛍光の測定時間との間に誤差が生じうる。しかし、誤差の範囲内の時間の相違は、無いものとみなしうる。
【0039】
図10(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合も、散乱光に干渉がおきないため、時点t
1から時点t
3までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準未満となる。ただし、非蛍光粒子は蛍光を発しないため、散乱光受光素子50が散乱光を受光している間、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0040】
図11(a)及び(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの蛍光粒子で生じる散乱光の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、減殺的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間内に間隔をおいて散乱光のピークが2回測定される。また、時点t
2から時点t
3までの間に2つの蛍光粒子から発せられる蛍光が重なるため、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準以上となる。さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。
【0041】
図12(a)及び(b)は、蛍光粒子1つに引き続き非蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、蛍光粒子で生じる散乱光と、非蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、減殺的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間内に間隔をおいて散乱光のピークが2回測定される。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。しかし、蛍光粒子よりも後に励起光のビーム断面の外に出る非蛍光粒子は蛍光を発しないため、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、異なる。
【0042】
図13(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つに引き続き蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、非蛍光粒子で生じる散乱光と、蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、減殺的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間内に間隔をおいて散乱光のピークが2回測定される。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
2は、異なる。しかし、非蛍光粒子よりも後に励起光のビーム断面の外に出る蛍光粒子は時点t
4まで蛍光を発するため、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。
【0043】
図14(a)及び(b)は、非蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの非蛍光粒子で生じる散乱光の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、減殺的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間内に間隔をおいて散乱光のピークが2回測定される。また、2つの非蛍光粒子は蛍光を発しないため、散乱光受光素子50が散乱光を受光している間も、蛍光は測定されず、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0044】
図15(a)及び(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの蛍光粒子で生じる散乱光の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、増加的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、時点t
2から時点t
3までの間に2つの蛍光粒子から発せられる蛍光が重なるため、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準以上となる。さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。そのため、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは実質的に等しい。
【0045】
図16(a)及び(b)は、蛍光粒子1つに引き続き非蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、蛍光粒子で生じる散乱光と、非蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、増加的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。しかし、蛍光粒子よりも後に励起光のビーム断面の外に出る非蛍光粒子は蛍光を発しないため、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、異なる。そのため、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは異なる。
【0046】
図17(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つに引き続き蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、非蛍光粒子で生じる散乱光と、蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、増加的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
2は、異なる。そのため、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは異なる。しかし、非蛍光粒子よりも後に励起光のビーム断面の外に出る蛍光粒子は時点t
4まで蛍光を発するため、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。
【0047】
図18(a)及び(b)は、非蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの非蛍光粒子で生じる散乱光の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、増加的干渉により、時点t
1から時点t
4までの間の所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、2つの非蛍光粒子は蛍光を発しないため、散乱光受光素子50が散乱光を受光している間も、蛍光は測定されず、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0048】
図2に示す干渉状態判定部301及び粒子計数部302は、散乱光強度記憶装置54から散乱光の強度の時間変化を読み出す。また、干渉状態判定部301及び粒子計数部302は、蛍光強度記憶装置24から蛍光の強度の時間変化を読み出す。CPU300には、データ記憶装置351が接続されている。データ記憶装置351は、散乱光に関する所定の基準を保存している。なお、散乱光に関する所定の基準は、検出対象とする粒子の大きさ、屈折率、及び反射率、並びに散乱光受光素子50の大きさ等に応じて、適宜調整される。干渉状態判定部301及び粒子計数部302は、データ記憶装置351から散乱光に関する所定の基準を読み出す。
【0049】
干渉状態判定部301は、
図9又は
図10に示すように、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に散乱光が測定され、散乱光の強度の時間変化が散乱光に関する所定の基準未満であった場合、1つの粒子が励起光のビーム断面を通過し、測定された散乱光が干渉を起こしていなかったと判定する。また、干渉状態判定部301は、
図11ないし
図14のいずれかに示すように、所定の時間内に間隔をおいて複数回散乱光のピークが測定された場合、少なくとも2つの粒子が励起光のビーム断面を通過し、測定された散乱光が減殺的干渉を起こしていたと判定する。さらに、干渉状態判定部301は、
図15ないし
図18のいずれかに示すように、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に散乱光が測定され、散乱光の強度の時間変化が散乱光に関する所定の基準以上であった場合、少なくとも2つの粒子が励起光のビーム断面を通過し、測定された散乱光が増加的干渉を起こしていたと判定する。
【0050】
図2に示す干渉状態判定部301が、1つの粒子が励起光のビーム断面を通過したと判定した場合、粒子計数部302は、蛍光が測定されたか否かを確認する。
図9に示すように、蛍光が測定されていた場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した1つの粒子が蛍光粒子であると判定し、CPU300に接続された結果記憶装置352に、1つの蛍光粒子を検出したことを記録する。また、
図10に示すように、蛍光が測定されていなかった場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した1つの粒子が非蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、1つの非蛍光粒子を検出したことを記録する。
【0051】
図2に示す干渉状態判定部301が、例えば2つの粒子が励起光のビーム断面を通過し、測定された散乱光が減殺的干渉を起こしていたと判定した場合、粒子計数部302は、蛍光が測定されたか否かを確認する。
図11ないし
図13に示すように、蛍光が測定されていた場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子のうちの少なくとも1つの粒子が蛍光粒子であると判定する。
【0052】
さらに、
図11に示すように、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が実質的に同じであり、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了が実質的に同じである場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子の全てが蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、2つの蛍光粒子を検出したことを記録する。また、
図13に示すように、蛍光の測定開始時点と最初の散乱光の測定開始時点が異なるか、
図12に示すように、蛍光の測定終了時点と最後の散乱光の測定終了が異なる場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子のうちの1つの粒子が蛍光粒子であり、他方の粒子が非蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、1つの蛍光粒子と、1つの非蛍光粒子と、を検出したことを記録する。
【0053】
図14に示すように、蛍光が測定されていなかった場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子の全てが非蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、2つの非蛍光粒子を検出したことを記録する。
【0054】
図2に示す干渉状態判定部301が、例えば2つの粒子が励起光のビーム断面を通過し、測定された散乱光が増加的干渉を起こしていたと判定した場合、粒子計数部302は、蛍光が測定されたか否かを確認する。
図15ないし
図17に示すように、蛍光が測定されていた場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子のうちの少なくとも1つの粒子が蛍光粒子であると判定する。
【0055】
さらに、
図15に示すように、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが実質的に等しい場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子の全てが蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、2つの蛍光粒子を検出したことを記録する。また、
図16又は
図17に示すように、散乱光と蛍光が測定された時間の長さが異なる場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子のうちの1つの粒子が蛍光粒子であり、他方の粒子が非蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、1つの蛍光粒子と、1つの非蛍光粒子と、を検出したことを記録する。
【0056】
図18に示すように、蛍光が測定されていなかった場合、
図2に示す粒子計数部302は、励起光のビーム断面を通過した2つの粒子の全てが非蛍光粒子であると判定し、結果記憶装置352に、2つの非蛍光粒子を検出したことを記録する。なお、以上、結果記憶装置352に記録された結果は、CPU300に接続されたプリンタ又はディスプレイ等の出力装置401から出力させてもよい。
【0057】
従来の粒子検出装置は、散乱光どうしが干渉することを考慮に入れておらず、散乱光を1回検出する毎に、1つの粒子を検出したと記録している。しかし、
図15ないし
図18に示したように、複数の粒子によって散乱光どうしが増加的干渉を起こした場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に散乱光が測定されるため、散乱光の測定回数は1回となる。そのため、従来の検出装置は、散乱光どうしが増加的干渉を起こした場合、例えば2つの粒子が励起光の断面ビームを通過したにもかかわらず、粒子を1つのみ計数し、誤って記録している。
【0058】
これに対し、
図2に示す第1の実施の形態に係る粒子検出装置1は、散乱光が増加的干渉を起こしているか、減殺的干渉を起こしているかを判定し、散乱光の干渉状態に応じて、複数の粒子を計数する。そのため、粒子検出装置1は、散乱光どうしが増加的干渉を起こした場合であっても、複数の粒子を計数し、正確に記録することが可能である。さらに、粒子検出装置1は、散乱光の測定時間、散乱光の強度の時間変化、及び蛍光の測定時間等に基づき、複数の粒子を、蛍光粒子と、非蛍光粒子と、に分けて計数することも可能である。
【0059】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、励起光のビーム断面における光強度が一様である場合を説明したが、励起光はガウシアンビームであってもよい。
図19(a)は、励起光がガウシアンビームである場合に、粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに
図2に示す散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
図19(b)は、粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、散乱光どうしが減殺的に干渉したときに
図2に示す散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
図19(c)は、粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、散乱光どうしが増加的に干渉したときに
図2に示す散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化を示している。
【0060】
散乱光に干渉が起きていない場合、
図19(a)において、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準未満となる。散乱光に減殺的干渉が起きた場合、
図19(b)において、所定の時間内に散乱光のピークが2回測定される。散乱光に増加的干渉が起きた場合、
図19(c)において、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。
【0061】
図20(a)は、励起光がガウシアンビームである場合に、蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化を示している。
図20(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過したときに蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化を示している。
図20(b)において、第1及び第2の蛍光粒子が発した蛍光どうしは干渉しないため、それぞれの蛍光の強度が足し合わされる。
【0062】
図21(a)及び(b)は、励起光がガウシアンビームである場合に、蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準未満となる。また、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準未満となる。さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、実質的に同じである。
【0063】
図22(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つのみが励起光のビーム断面を通過したときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、散乱光受光素子50が散乱光を受光している間、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0064】
図23(a)及び(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの蛍光粒子で生じる散乱光の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間内に散乱光のピークが2回測定される。また、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の基準以上となる。さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。
【0065】
図24(a)及び(b)は、蛍光粒子1つに引き続き非蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、蛍光粒子で生じる散乱光と、非蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間内に散乱光のピークが2回測定される。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、異なる。
【0066】
図25(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つに引き続き蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、非蛍光粒子で生じる散乱光と、蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間内に散乱光のピークが2回測定される。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
2は、異なる。
【0067】
図26(a)及び(b)は、非蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの非蛍光粒子で生じる散乱光の間に減殺的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間内に散乱光のピークが2回測定される。また、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0068】
図27(a)及び(b)は、蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの蛍光粒子で生じる散乱光の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される蛍光の強度の時間変化は、蛍光に関する所定の以上となる。さらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
1は、実質的に同じである。またさらに、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4は、実質的に同じである。そのため、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは実質的に等しい。
【0069】
図28(a)及び(b)は、蛍光粒子1つに引き続き非蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、蛍光粒子で生じる散乱光と、非蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光しなくなり測定を終了する時点t
4と蛍光受光素子20が蛍光を受光しなくなり測定を終了する時点t
3は、異なり、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは異なる。
【0070】
図29(a)及び(b)は、非蛍光粒子1つに引き続き蛍光粒子1つが励起光のビーム断面を通過し、非蛍光粒子で生じる散乱光と、蛍光粒子で生じる散乱光と、の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、散乱光受光素子50が散乱光を受光し測定を開始する時点t
1と蛍光受光素子20が蛍光を受光し測定を開始する時点t
2は、異なる。そのため、散乱光と蛍光が測定された時間の長さは異なる。
【0071】
図30(a)及び(b)は、非蛍光粒子2つが励起光のビーム断面を通過し、2つの非蛍光粒子で生じる散乱光の間に増加的干渉が起きたときに、散乱光受光素子50が受光する散乱光の強度の時間変化と、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度の時間変化と、を示している。この場合、所定の時間にわたって絶え間なく連続的に測定される散乱光の強度の時間変化は、散乱光に関する所定の基準以上となる。また、蛍光受光素子20が受光する蛍光の強度は実質的にゼロのままである。
【0072】
第2の実施の形態に係る粒子検出装置1のその他の構成要素は、第1の実施の形態と同様である。励起光がガウシアンビームであっても、粒子検出装置1は、複数の粒子を、蛍光粒子と、非蛍光粒子と、に分けて計数することが可能である。
【0073】
(その他の実施の形態)
上記のように本発明を実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記述及び図面はこの発明を限定するものであると理解するべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかになるはずである。例えば、実施の形態に係る粒子検出装置1が配置される場所は、クリーンルームに限られない。また、粒子検出装置1の光学系は、
図3に限られない。例えば、
図31に示すように、蛍光受光素子20の前にコリメートレンズ63を配置し、散乱光受光素子50の前にコリメートレンズ65を配置してもよい。あるいは、
図32に示すように、蛍光受光素子20の前にコリメートレンズ63及び集光レンズ64を配置し、散乱光受光素子50の前にコリメートレンズ65及び集光レンズ66を配置してもよい。またあるいは、
図33に示すように、蛍光受光素子20の前に集光レンズ67を配置し、散乱光受光素子50の前に集光レンズ68を配置してもよい。このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。