(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
[マッチングシステムSの概要]
図1は、第1の実施形態に係るマッチングシステムSの構成を示す図である。マッチングシステムSは、マッチングサーバ1と、Webコンテンツサーバ2と、放送コンテンツサーバ3と、携帯端末4(4A、4B)と、放送受信機5(5A、5B)と、ディスプレイ6(6A、6B)とを備える。マッチングサーバ1、Webコンテンツサーバ2及び放送コンテンツサーバ3は、インターネット等のネットワーク7に接続されている。また、携帯端末4は、携帯電話網の基地局8、又はWi−Fi無線通信回線を介してネットワーク7に接続されている。
【0017】
本実施形態において、携帯端末4A、放送受信機5A及びディスプレイ6Aが第1の家aにあり、携帯端末4B、放送受信機5B及びディスプレイ6Bが第2の家bにあることを想定している。
図1には、それぞれの家に1つの携帯端末4がある場合が示されているが、それぞれの家に2つ以上の携帯端末4があってもよい。また、
図1においては、2つの家(家a、家b)を示しているが、より多くの家の携帯端末4がマッチングサーバ1に接続可能であってもよい。
【0018】
マッチングサーバ1は、携帯端末4のユーザによる、テレビ放送番組で放映される放送コンテンツの視聴履歴に基づいて、ユーザと相性が良いと推定される他の携帯端末4のユーザを紹介するSNSサーバである。マッチングサーバ1は、予め登録された携帯端末4のユーザに対して、他のユーザを紹介するサービスを提供することができる。なお、放送コンテンツは、放送番組やVOD(Video On Demand)配信による番組で放映される映像や音声を含んで構成される。
【0019】
図2は、携帯端末4に表示される、他のユーザを紹介する画面の一例である。携帯端末4には、携帯端末4のユーザと放送コンテンツの視聴傾向が似ているユーザに対応するアイコン画像(例えば、ユーザの顔写真)が表示されている。また、携帯端末4には、それぞれのユーザが視聴する頻度が高い放送コンテンツのカテゴリーに関する情報、趣味、利用しているSNSの種別等の属性が、アイコン画像に関連付けて表示されている。それぞれのユーザのアイコン画像の左側には、ユーザを選択するための選択ボタンが表示されている。携帯端末4のユーザは、選択ボタンを押すことにより所望のユーザを選択し、選択したユーザとのメッセージのやり取りを開始することができる。マッチングサーバ1が、ユーザの視聴履歴に基づいて、相性が良いと推定される他のユーザを抽出する方法の詳細については後述する。
【0020】
なお、
図2においては、放送コンテンツの視聴傾向が似ているユーザとして、視聴している放送コンテンツのカテゴリーが似ている他のユーザが紹介されているが、携帯端末4は、放送コンテンツのカテゴリー以外の要素に基づいて、視聴傾向が似ているユーザを紹介してもよい。例えば、放送コンテンツを視聴する時間帯の傾向が似ている他のユーザとして、特定の時間帯の番組(例えば深夜番組)を見る頻度が高いユーザ、特定の曜日の番組(例えば週末番組)を見る頻度が高いユーザを紹介してもよい。また、携帯端末4は、携帯端末4のユーザの居住地から所定の範囲内の地域で放送コンテンツを視聴している他のユーザを紹介してもよい。
【0021】
さらに、携帯端末4は、どのような視聴傾向のユーザを紹介するかに関する選択を受け付けてもよい。具体的には、携帯端末4は、視聴する放送コンテンツのカテゴリーの傾向、放送コンテンツを視聴する頻度が高い時間帯や曜日の傾向、放送コンテンツを視聴する場所の傾向等の複数の視聴傾向の種類から、一の視聴傾向の種類を選択する操作を受け付ける。携帯端末4は、選択された種類の視聴傾向が携帯端末4のユーザの当該視聴傾向と似ている他のユーザを画面に表示する。このようにすることで、携帯端末4のユーザが、コミュニケーションをする相手を選択する基準を、気分によって選ぶことができる。
【0022】
Webコンテンツサーバ2は、携帯端末4を始めとする情報端末がブラウザによって閲覧することができるWebコンテンツを提供する。Webコンテンツは、HTML5等により記述されたテキスト、画像又は映像を含むコンテンツである。Webコンテンツは、例えば、放送コンテンツサーバ3から配信される放送コンテンツに関連付けられたコンテンツである。具体的には、例えばハイブリッドキャスト(登録商標)の端末連携サービスに伴うHTML5により記述された端末側アプリケーション(以下、端末側HTMLアプリという)である。Webコンテンツを表示するブラウザとしては、一般的なブラウザだけでなく、端末側HTMLアプリを表示するコンパニオンアプリも含まれる。
【0023】
放送コンテンツサーバ3は、例えば放送局のサーバである。放送コンテンツサーバ3は、放送受信機5が受信してディスプレイ6に表示することができる放送コンテンツを提供する。放送コンテンツサーバ3は、ネットワーク7を介して放送受信機5に放送コンテンツを提供してもよく、放送波を介して放送受信機5に放送コンテンツを提供してもよい。
【0024】
携帯端末4は、スマートフォン又はタブレットである。携帯端末4は、Wi−Fi無線通信回線を介して放送受信機5との間で情報の送受信をするとともに、Wi−Fi無線通信回線、基地局8及びネットワーク7を介して、マッチングサーバ1及びWebコンテンツサーバ2との間で情報の送受信をすることができる。具体的には、携帯端末4には、例えばハイブリッドキャストのような放送とインターネットとを融合させたサービスに対応したコンパニオンアプリがインストールされており、ハイブリッドキャストに対応した放送受信機5から、放送コンテンツに対応する端末側HTMLアプリを起動するための指示情報を受信することができる。携帯端末4は、指示情報を受信すると、指示情報に応じてWebコンテンツサーバ2にアクセスし、放送受信機5が受信した放送コンテンツに関連するHTML5のコンテンツを取得して表示することができる。
【0025】
また、携帯端末4は、放送受信機5から指示情報を受信すると、指示情報を受信したタイミングでディスプレイ6に表示されている放送コンテンツを携帯端末4のユーザが視聴したということを示す視聴履歴を生成する。携帯端末4は、携帯端末4に端末側HTMLアプリを表示させたタイミングで視聴履歴を生成してもよい。携帯端末4は、例えばリモコンアプリにより放送受信機5を操作することができ、ユーザが行った放送コンテンツや録画コンテンツを視聴する操作に応じてリモコンアプリが取得したチャネル選択情報に基づいて、視聴履歴を生成する。携帯端末4は、生成した視聴履歴をマッチングサーバ1に送信する。携帯端末4は、指示情報を受信したタイミングで視聴履歴を送信してもよく、定期的に視聴履歴を送信してもよい。なお、携帯端末4は、所定の時間以上にわたって連続して視聴した放送コンテンツの視聴履歴のみを送信してもよい。
【0026】
携帯端末4は、携帯端末4のユーザの視聴履歴等に基づいて選択された他のユーザの情報をマッチングサーバ1から取得して、画面に表示することができる。具体的には、携帯端末4は、携帯端末4にインストールされたコンパニオンアプリを介したユーザの操作に応じて、嗜好が類似する他のユーザの紹介を要求する紹介要求情報をマッチングサーバ1に送信する。携帯端末4は、紹介要求情報を送信した後に、嗜好が類似する他のユーザを特定する情報をマッチングサーバ1から受信し、
図2に示す画面に表示することができる。
【0027】
コンパニオンアプリが携帯端末4にインストールされている場合、携帯端末4は、コンパニオンアプリが、放送コンテンツの放映が終了したことを示す情報を放送受信機5から受信したタイミングで、ユーザの操作を受けることなく、自動的に紹介要求情報を送信してもよい。また、携帯端末4は、放送コンテンツの放映中に、コンパニオンアプリが、放送受信機5から所定の情報を受信したタイミングで、ユーザの操作を受けることなく、自動的に紹介要求情報を送信してもよい。
【0028】
放送受信機5は、例えば放送コンテンツサーバ3から配信される放送コンテンツを受信するチューナーを有するセットトップボックス(STB)である。放送受信機5は、ネットワーク7又は放送波を介して、放送コンテンツサーバ3から放送コンテンツを受信する。放送受信機5とディスプレイ6とは、例えばHDMI(High-Definition Multimedia Interface、登録商標)ケーブルにより接続されており、放送受信機5が受信した放送コンテンツがディスプレイ6に表示される。また、放送受信機5は、携帯端末4と通信する通信部を有しており、携帯端末4から受信した指示に基づいて、ディスプレイ6に表示させる放送コンテンツを切り替える。また、放送受信機5は、携帯端末4にインストールされたコンパニオンアプリを動作させるための指示情報を、携帯端末4に送信する。
【0029】
[マッチングサーバ1の構成]
図3は、マッチングサーバ1の構成を示す図である。マッチングサーバ1は、通信部11と、視聴履歴記憶部12と、閲覧履歴記憶部13と、記憶部14と、制御部15とを備える。通信部11は、ネットワーク7に接続するための通信コントローラを含んで構成されている。マッチングサーバ1は、通信部11を介して、携帯端末4との間で情報を送受信する。
【0030】
視聴履歴記憶部12は、携帯端末4のユーザの放送コンテンツの視聴履歴を記憶する記憶媒体であり、例えばハードディスクにより構成されている。視聴履歴記憶部12は、後述の視聴履歴受信部151が受信した視聴履歴を携帯端末4のユーザに関連付けて記憶する。
【0031】
図4は、視聴履歴記憶部12がユーザに関連付けて記憶している視聴履歴の一例を示す図である。視聴履歴は、ユーザが視聴したと考えられる放送コンテンツのレコード番号、視聴したチャネルの番号、放送日時、視聴日時、視聴した放送コンテンツのカテゴリーを示す情報、並びに、ユーザが生放送で視聴したか録画を視聴したかを示す情報を含んでいる。カテゴリーを示す情報は、携帯端末4が、放送コンテンツサーバ3から取得した番組識別情報(SI情報)に基づいて生成した情報であり、例えば、放送コンテンツの大分類を示す第1カテゴリー情報と、第1カテゴリーの中の小分類を示す第2カテゴリー情報とを含んでいる。視聴履歴記憶部12は、ユーザが所定の時間(例えば5分以上)にわたって連続して視聴した場合の視聴履歴を記憶している。
【0032】
閲覧履歴記憶部13は、携帯端末4のユーザのWebコンテンツの閲覧履歴を記憶する記憶媒体であり、例えばハードディスクにより構成されている。閲覧履歴記憶部13は、後述の閲覧履歴受信部152が受信した閲覧履歴を携帯端末4のユーザに関連付けて記憶する。
【0033】
図5は、閲覧履歴記憶部13が記憶している閲覧履歴の一例を示す図である。閲覧履歴は、所定期間内に携帯端末4において行われた、端末側HTMLアプリ等のWebコンテンツの閲覧操作に関連付けて生成されるレコード番号、閲覧した端末側HTMLアプリのURL、閲覧した曜日及び時間、閲覧した端末側HTMLアプリのカテゴリーを示す情報を含んでいる。カテゴリーを示す情報は、携帯端末4が取得した端末側HTMLアプリに含まれているキーワードに基づいて生成された情報であり、例えば、端末側HTMLアプリが連動している放送コンテンツの大分類を示す第1カテゴリー情報と、第1カテゴリーの中の小分類を示す第2カテゴリー情報とを含んでいる。閲覧履歴に含まれるカテゴリー情報は、視聴履歴に含まれるカテゴリー情報と比較しやすいように、視聴履歴に含まれるカテゴリー情報と同等の種類を有している。なお、閲覧履歴は、端末側HTMLアプリの閲覧履歴だけでなく、端末側HTMLアプリ以外の一般のWebコンテンツの閲覧履歴を含んでもよい。
【0034】
記憶部14は、ROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ及びRAM等の揮発性メモリを含んで構成される。記憶部14は、制御部15により実行されるプログラムを記憶している。また、記憶部14は、制御部15が生成した各種データや、携帯端末4や他のサーバから受信した情報を一時的に記憶する。
【0035】
制御部15は、例えばCPUを含んで構成される。制御部15は、記憶部14に記憶されたプログラムを実行することにより、マッチングサーバ1の機能を統括的に制御する。制御部15は、視聴履歴受信部151と、閲覧履歴受信部152と、特定部153と、抽出部154と、送信部155とを有する。
【0036】
視聴履歴受信部151は、携帯端末4のユーザが放送コンテンツを視聴した履歴である視聴履歴を取得して、視聴履歴記憶部12に記憶させる。視聴履歴受信部151は、例えば、携帯端末4から送信された視聴履歴を取得する。視聴履歴受信部151は、視聴履歴を携帯端末4から取得する代わりに、携帯端末4からの番組選択操作を受けた放送受信機5から視聴履歴を取得してもよく、放送コンテンツサーバ3等の外部サーバから視聴履歴を取得してもよい。
【0037】
閲覧履歴受信部152は、携帯端末4のユーザがWebコンテンツを閲覧した履歴である閲覧履歴を取得して、閲覧履歴記憶部13に記憶させる。閲覧履歴受信部152は、例えば、携帯端末4から送信された閲覧履歴を取得する。閲覧履歴受信部152は、閲覧履歴を携帯端末4から取得する代わりに、携帯端末4からのWebコンテンツ選択操作を受けたWebコンテンツサーバ2から閲覧履歴を取得してもよく、放送受信機5、放送コンテンツサーバ3等の外部装置から閲覧履歴を取得してもよい。
【0038】
特定部153は、携帯端末4を使用するユーザの放送コンテンツの視聴履歴を特定する。具体的には、特定部153は、携帯端末4から、他のユーザの紹介を要求する紹介要求情報を受信すると、紹介要求情報を送信した携帯端末4のユーザに関連付けて視聴履歴記憶部12に記憶されている視聴履歴のうち、所定の条件を満たす視聴履歴を読み出す。例えば、特定部153は、連続視聴時間が所定時間(例えば10分)よりも長い視聴履歴を読み出す。特定部153は、外部のSNSサーバにアクセスし、携帯端末4のユーザのフレンド登録で2ホップ以内のユーザの視聴履歴を取り出してもよい。
【0039】
特定部153は、読み出した視聴履歴を抽出部154に入力する。なお、特定部153は、視聴履歴記憶部12に記憶されている視聴履歴に代えて、放送コンテンツサーバ3等の外部サーバから取得した視聴履歴に基づいて、ユーザの視聴履歴を特定してもよい。
【0040】
抽出部154は、特定部153が特定した視聴履歴に基づいて、複数の携帯端末4に対応する複数のユーザから、携帯端末4の第1のユーザの視聴履歴との類似度合が所定レベルより高い視聴履歴を有する他の一以上の第2のユーザを抽出する。例えば、抽出部154は、連続視聴時間が所定時間よりも長い視聴履歴に基づいて、類似するカテゴリーに関心を持っていると推定される第2のユーザを抽出する。具体的には、抽出部154は、以下の手順により、第2のユーザを抽出する。
【0041】
まず、抽出部154は、所定の期間内における、紹介要求情報を送信してきた携帯端末4のユーザの視聴履歴に含まれている放送コンテンツの複数のカテゴリーを、視聴履歴に含まれている数の順に並べる。続いて、抽出部154は、複数のカテゴリーのうち、視聴履歴に含まれている数が多い方から所定数のカテゴリーを選択する。抽出部154は、他のユーザの視聴履歴についても同様に、視聴履歴に含まれている数が多い方から所定数のカテゴリーを選択する。抽出部154は、第1のユーザの視聴履歴に基づいて選択したカテゴリーと一致するカテゴリーを視聴した頻度が高い第2のユーザを抽出する。以下、ユーザの視聴履歴に基づいて選択されたカテゴリーを、嗜好カテゴリーという。
【0042】
抽出部154は、視聴履歴の傾向が類似する第2のユーザを抽出するために、ユーザの関心度を数値化し、数値化した関心度に基づいて第2のユーザを抽出してもよい。
図6は、
図4に示した視聴履歴に基づいて、ユーザの関心度を数値化した関心度情報の一例を示す図である。ユーザIDが0001のユーザの関心度情報は、
図4に示した視聴履歴に対応しており、このユーザは、野球に対する関心が高く、次に、音楽とビジネスに対する関心が高いことを示している。抽出部154は、関心度情報に基づいてユーザ間のカテゴリー情報の相関値を算出し、算出した相関値に基づいて、嗜好カテゴリーが類似する第2のユーザを抽出してもよい。また、抽出部154は、相関値の大きさに基づいて、第2のユーザを紹介する際の優先順位を決定してもよい。なお、ユーザは、録画して視聴する放送コンテンツに対する関心が比較的高いと考えられるので、抽出部154は、録画して視聴した放送コンテンツに対して、録画しないで視聴した放送コンテンツよりも大きく重み付けして関心度を数値化してもよい。
【0043】
抽出部154は、
図4に示すように、一つの放送コンテンツに対して複数のカテゴリーが関連付けられている場合、複数のカテゴリーに基づいて第2のユーザを抽出する。
図4に示す例の場合、「カテゴリー1」に基づいて、
図4に示す視聴履歴を有するユーザが野球に関心があるとともに、「カテゴリー2」に基づいて、ユーザが阪神ファンであることを推定できる。この場合、抽出部154は、
図4における「カテゴリー2」のように、より詳細な内容を示すカテゴリーが一致する第2のユーザを優先的に抽出する。
【0044】
抽出部154は、第1のユーザの嗜好カテゴリーと一致する嗜好カテゴリーを持つユーザが所定数より多い場合、嗜好カテゴリー以外の情報に基づいて、第2のユーザを抽出する。例えば、視聴履歴記憶部12には、ユーザの視聴履歴とともに、ユーザの居住地、趣味、職業等の属性情報が記憶されており、抽出部154は、嗜好カテゴリーが一致するユーザのうち、属性情報も一致する度合が大きいユーザを抽出することができる。
【0045】
また、抽出部154は、視聴履歴に含まれる、放送コンテンツをユーザが視聴した時間帯を示す情報に基づいて、一以上のユーザを抽出してもよい。例えば、同じ嗜好カテゴリーを有するユーザであっても、同じ放送コンテンツを視聴したとは限らない。そこで、抽出部154は、同じ日時に同じ放送コンテンツを視聴したユーザを優先的に抽出する。このようにすることで、ユーザは、視聴した放送コンテンツに関する意見交換をしたい場合に、同じような嗜好を持ち、かつ、同じ放送コンテンツを視聴した他のユーザを容易に見つけることが可能になる。
【0046】
抽出部154は、複数のユーザの視聴履歴の類似度合、及び複数のユーザの閲覧履歴の類似度合に基づいて、一以上のユーザを抽出してもよい。例えば、抽出部154は、視聴履歴に基づいて推定した第1のユーザの嗜好カテゴリーと一致する嗜好カテゴリーを持つ他のユーザが所定数より多い場合に、閲覧履歴にも基づいてユーザを抽出してもよい。ユーザが受動的に視聴することができる放送コンテンツだけに基づいて嗜好を推定するのではなく、例えば、放送コンテンツが視聴された時間の前後の所定の時間以内にユーザが能動的に閲覧した端末側HTMLアプリ等のWebコンテンツにも基づいて嗜好を推定することにより、より高い精度でユーザの嗜好を推定することができる。
【0047】
抽出部154は、例えば、同一カテゴリーの端末側HTMLアプリを閲覧した時間、同一カテゴリーの端末側HTMLアプリへのアクセス数、端末側HTMLアプリを閲覧中のタッチ操作の頻度等に基づいてユーザの嗜好を推定することにより、推定精度を高めることもできる。抽出部154は、端末側HTMLアプリを用いて、視聴中の放送コンテンツを評価する操作(例えば、「いいね」ボタンのタップ)が行われた場合に、放送コンテンツ及び端末側HTMLアプリの少なくともいずれかのカテゴリーへの関心が高いものとしてユーザの嗜好を推定してもよい。
【0048】
このように、抽出部154は、Webコンテンツに基づいて嗜好が一致していると推定され、かつ、同じ放送コンテンツを視聴した可能性が高いユーザを抽出することができるので、活発なコミュニケーションが行われる可能性が高いユーザを抽出することができる。
【0049】
具体的には、抽出部154は、所定の期間内における、紹介要求情報を送信してきた携帯端末4のユーザの閲覧履歴に含まれているWebコンテンツの複数のカテゴリーを、閲覧履歴に含まれている数の順に並べる。続いて、抽出部154は、複数のカテゴリーのうち、閲覧履歴に含まれている数が多い方から所定数のカテゴリーを選択する。抽出部154は、他のユーザの閲覧履歴についても同様に、閲覧履歴に含まれている数が多い方から所定数のカテゴリーを選択する。抽出部154は、第1のユーザの閲覧履歴に基づいて選択したカテゴリーと一致するカテゴリーを閲覧した頻度が高い第2のユーザを抽出する。抽出部154は、閲覧履歴に基づいて関心度情報を生成し、関心度情報に基づいて第2のユーザを抽出してもよい。
【0050】
なお、抽出部154は、複数のユーザの視聴履歴の類似度合、及び複数のユーザの閲覧履歴の類似度合に基づいて抽出されたユーザが所定数より多い場合に、ユーザが放送コンテンツを視聴する頻度とWebコンテンツを閲覧する頻度とに基づいて、視聴履歴又は閲覧履歴のいずれかの類似度合が大きいユーザを優先的に抽出してもよい。例えば、ユーザが、放送コンテンツを視聴する頻度が、Webコンテンツを閲覧する頻度よりも高い場合、ユーザは、放送コンテンツについて意見交換できる人を好むと考えられる。そこで、抽出部154は、視聴履歴の類似度合が大きいユーザを優先的に抽出する。
【0051】
さらに、抽出部154は、ユーザが放送コンテンツを視聴した時の前後の所定の時間内に端末側HTMLアプリ等のWebコンテンツを閲覧した履歴に基づいて、他のユーザを抽出してもよい。具体的には、抽出部154は、特定部153が特定したユーザが、放送コンテンツを視聴した時の前後の1時間、1日、1ヶ月等の所定の時間内にWeb情報を閲覧した履歴を閲覧履歴記憶部13から読み出し、読み出した閲覧履歴の類似度合に基づいて、嗜好が合っていると推定される複数のユーザを抽出する。なお、放送コンテンツを視聴した時の前後の所定の時間には、放送コンテンツを視聴している間の時間も含む。
【0052】
例えば、抽出部154は、第1のユーザと同じ放送コンテンツを視聴しているユーザのうち、当該放送コンテンツを視聴している間、又は当該放送コンテンツの視聴が終了してから所定の時間以内に同じカテゴリーのWebコンテンツを閲覧したユーザを抽出する。放送コンテンツを視聴している間、又は放送コンテンツを閲覧した直後に同じWebコンテンツを閲覧しているユーザは、同じ嗜好を持っている可能性が特に高い。したがって、このようにすることで、抽出部154が、嗜好の一致している複数のユーザを抽出できる可能性がさらに高くなる。
【0053】
さらに、携帯端末4に、速度センサや加速度センサ等のように携帯端末4の動きを検出するセンサが搭載されている場合、抽出部154は、携帯端末4の動きを示す動き情報を携帯端末4から受信し、動き情報に基づいて、ユーザの抽出に用いる視聴履歴を選択してもよい。具体的には、抽出部154は、放送コンテンツの放映中に携帯端末4の動きが生じていない場合や、放送コンテンツに含まれるCM(Commercial Message)の時間に同期して携帯端末4の動きが生じている場合に、ユーザが放送コンテンツを実際に視聴している確率が高いと判断して、ユーザの嗜好を推定する場合に、当該放送コンテンツの重み付けを大きくする。逆に、抽出部154は、CMの時間以外の時間においても携帯端末4の動きが生じている場合に、ユーザが放送コンテンツを真剣に視聴していない確率が高いと判断して、ユーザの嗜好を推定する場合に、当該放送コンテンツの重み付けを小さくする。このようにすることで、より信頼性が高い視聴履歴を用いてユーザを抽出することができるので、嗜好の一致している複数のユーザを抽出できる可能性がさらに高くなる。
【0054】
送信部155は、抽出部154が抽出した一以上のユーザを特定するユーザ情報を、通信部11を介して携帯端末4に送信する。送信部155は、例えば、紹介要求情報を送信した携帯端末4に、抽出部154が抽出した他のユーザに対応するアイコン画像や属性情報を含むユーザ情報を送信する。
【0055】
[マッチングシステムSの動作シーケンス]
図7は、第1の実施形態に係るマッチングシステムSの動作シーケンスを示す図である。携帯端末4A及び携帯端末4Bは、放送コンテンツに連動した指示情報を放送受信機5から受信したことに応じて(S1A、S1B)、視聴履歴をマッチングサーバ1に送信する(S2A、S2B)。また、携帯端末4A及び携帯端末4Bは、Webコンテンツを閲覧する操作がされたことに応じて(S3A、S3B)、閲覧履歴をマッチングサーバ1に送信する(S4A、S4B)。視聴履歴受信部151及び閲覧履歴受信部152は、携帯端末4から送信された視聴履歴及び閲覧履歴を、それぞれ視聴履歴記憶部12及び閲覧履歴記憶部13に記憶させる(S5)。
【0056】
続いて、携帯端末4Aは、例えばユーザの操作に応じて、紹介要求情報をマッチングサーバ1に送信する(S6)。マッチングサーバ1は、紹介要求情報を受信すると、例えば関心度情報に基づいて、携帯端末4Aのユーザの視聴履歴との類似度合が所定レベル以上の視聴履歴を有するユーザを抽出する(S7)。
【0057】
続いて、送信部155は、抽出部154が抽出したユーザ(例えば、携帯端末4Bのユーザ)を特定するユーザ情報を携帯端末4Aに送信する(S8)。携帯端末4Aは、受信したユーザ情報に基づいて、
図2に示すような画面を表示する(S9)。
【0058】
なお、送信部155は、一以上の携帯端末4(
図7における携帯端末4A)にユーザ情報を送信すると、送信したユーザ情報に対応するユーザの携帯端末4(
図7における携帯端末4B)に、当該携帯端末4のユーザを紹介した相手のユーザ名(
図7における携帯端末4Aのユーザ名)や、紹介した相手の数等の情報を送信してもよい。
【0059】
[第1の実施形態における効果]
以上のとおり、第1の実施形態に係るマッチングシステムSは、携帯端末4のユーザの視聴履歴に基づいてユーザが嗜好するカテゴリーを推定し、推定したカテゴリーに類似する嗜好を有する他のユーザを抽出して、携帯端末4のユーザに紹介することができる。このように、マッチングシステムSは、視聴履歴を用いて嗜好が類似するユーザを特定することができるので、ユーザの最新の嗜好に基づいて、適切な他のユーザを紹介することが可能になる。特に、紹介されたユーザは、同じ放送コンテンツを視聴している可能性が高いので、お互いが視聴した放送コンテンツをテーマとするメッセージのやり取りが可能になる。
さらに、マッチングシステムSは、視聴履歴とともに、Webコンテンツの閲覧履歴も併用してユーザの嗜好を推定することにより、より高い精度で、嗜好が類似するユーザを紹介することができる。
【0060】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、抽出部154は、視聴履歴記憶部12に記憶された視聴履歴に基づいて推定した嗜好の類似度合に基づいて、複数のユーザを抽出していた。第2の実施形態においては、抽出部154が、閲覧履歴記憶部13に記憶された閲覧履歴に基づいてユーザの視聴履歴を特定し、特定した視聴履歴に基づいて、他のユーザを抽出する点で第1の実施形態と異なり、他の点で同じである。
【0061】
図8は、本実施形態に係る閲覧履歴の一例を示す図である。
図8に示す閲覧履歴には、ユーザが閲覧したWebコンテンツに関連付けて、当該Webコンテンツに関連する放送コンテンツを特定する情報が含まれている。特定部153は、ユーザが閲覧したWebコンテンツの内容に基づいて、少なくとも一部の視聴履歴として、Webコンテンツに関連付けられた放送コンテンツを特定する。抽出部154は、特定部153が特定した放送コンテンツに基づいて、他のユーザを抽出する。
【0062】
例えば、放送受信機5がハイブリッドキャストに対応している場合には、携帯端末4のユーザは、放送コンテンツの視聴中に放送受信機5が送信する指示情報に応じて、放送コンテンツに関連付けられた端末側HTMLアプリを閲覧することができる。携帯端末4は、このように放送コンテンツに連動して動作する端末側HTMLアプリを閲覧した場合に、閲覧した端末側HTMLアプリに関連付けられた放送コンテンツを特定する情報を含む閲覧履歴をマッチングサーバ1に送信する。
【0063】
閲覧履歴受信部152は、この閲覧履歴を受信すると、携帯端末4のユーザが閲覧したWebコンテンツに関連付けて、閲覧履歴に含まれている放送コンテンツを特定する情報を閲覧履歴記憶部13に記憶させる。このようにして、
図8に示す閲覧履歴が閲覧履歴記憶部13に記憶される。
【0064】
閲覧履歴受信部152は、携帯端末4から送信される閲覧履歴に、閲覧したWebコンテンツに関連付けられた放送コンテンツを特定する情報が含まれていない場合であっても、
図8に示す閲覧履歴を生成することができる。閲覧履歴受信部152は、携帯端末4から受信した閲覧履歴に含まれているWebコンテンツを特定する情報に含まれている、当該Webコンテンツに関連付けられた放送コンテンツを特定する情報を検索し、放送コンテンツを特定する情報が含まれている場合に、Webコンテンツに関連付けて、放送コンテンツを特定する情報を含む閲覧履歴を生成してもよい。
【0065】
マッチングサーバ1は、携帯端末4にインストールされているアプリケーションソフトの種別を示す情報を携帯端末4から取得し、抽出部154は、携帯端末4にインストールされているアプリケーションソフトの種別にさらに基づいて、ユーザを抽出してもよい。したがって、抽出部154は、携帯端末4にインストールされているアプリケーションソフトの種別が一致する複数のユーザを抽出することにより、より高い精度で嗜好が一致するユーザを抽出することが可能になる。
【0066】
さらに、マッチングサーバ1は、携帯端末4がアプリケーションソフトを削除した場合に、削除されたアプリケーションソフトの種別を示す情報を受信し、抽出部154は、削除されたアプリケーションソフトの種別にさらに基づいて、ユーザを抽出してもよい。携帯端末4のユーザは、削除したアプリケーションソフトに関連するカテゴリーに対する関心が低くなったと考えられるので、抽出部154は、削除されたアプリケーションソフトの種別に関連するカテゴリーに対する嗜好が強いユーザを抽出する優先度を下げる。このようにすることで、抽出部154は、嗜好が一致しないユーザを抽出してしまう確率を下げることができる。
【0067】
また、マッチングサーバ1は、視聴履歴又は閲覧履歴に基づいて抽出されたユーザのうち、SNSアプリを携帯端末4にインストールしているユーザを優先的に抽出することにより、紹介するユーザを絞り込んでもよい。SNSアプリを携帯端末4にインストールしているユーザを優先的に紹介することで、携帯端末4のユーザは、紹介された他のユーザと容易にコミュニケーションを開始することができる。
【0068】
[第2の実施形態における効果]
本実施形態に係るマッチングサーバ1は、放送コンテンツに連動して閲覧することができる端末側HTMLアプリ等のWebコンテンツの閲覧履歴に基づいて、視聴履歴を特定することができる。放送コンテンツに連動して閲覧することができるWebコンテンツを閲覧したユーザは、対応する放送コンテンツを確実に視聴したと考えられる。したがって、マッチングサーバ1は、精度の高い視聴履歴に基づいて、より正確にユーザの嗜好を推定し、適切なユーザを紹介することができる。
【0069】
<第3の実施形態>
上記の実施形態においては、マッチングサーバ1が携帯端末4から紹介要求情報を受信すると、送信部155は、紹介要求情報を送信した携帯端末4に対して、抽出部154が抽出したユーザの情報を送信した。これに対して、第3の実施形態においては、マッチングサーバ1が、紹介要求情報を受信することなく、携帯端末4のユーザと嗜好が一致する可能性が高いユーザの情報を送信する点で異なる。
【0070】
図9は、第3の実施形態に係るマッチングシステムSの動作シーケンスを示す図である。携帯端末4A及び携帯端末4Bは、放送コンテンツに連動した指示情報を放送受信機5から受信したことに応じて(S1A、S1B)、視聴履歴をマッチングサーバ1に送信する(S2A、S2B)。また、携帯端末4A及び携帯端末4Bは、Webコンテンツを閲覧する操作がされたことに応じて(S3A、S3B)、閲覧履歴をマッチングサーバ1に送信する(S4A、S4B)。視聴履歴受信部151及び閲覧履歴受信部152は、携帯端末4から送信された視聴履歴及び閲覧履歴を、それぞれ視聴履歴記憶部12及び閲覧履歴記憶部13に記憶させる(S5)。
【0071】
続いて、抽出部154は、所定のタイミングで、複数のユーザのうち、類似度合が所定レベル以上の視聴履歴を有する複数の類似ユーザを抽出する(S6)。抽出部154は、例えば、定期的に視聴履歴記憶部12に記憶されている複数のユーザの視聴履歴を読み出す。抽出部154は、まず第1のユーザを選択し、第1のユーザの嗜好カテゴリーと一致する度合が大きいユーザを抽出する。
【0072】
送信部155は、抽出部154が抽出した数のユーザが所定数に達すると、第1のユーザの携帯端末4に、類似度合が所定レベル以上の視聴履歴を有する他のユーザ(類似ユーザ)を紹介するユーザ情報を送信する(S8A、S8B)。送信部155は、抽出した他のユーザに対して、第1のユーザを紹介するユーザ情報を送信してもよい。携帯端末4A及び携帯端末4Bは、受信したユーザ情報に基づいて、
図2に示すような画面を表示する(S9A、S9B)。
【0073】
[第3の実施形態における効果]
以上のとおり、本実施形態に係るマッチングシステムSは、携帯端末4からの紹介要求情報を受信することなく、嗜好が類似していると推定されるユーザに他のユーザの情報をプッシュ送信できる。したがって、携帯端末4のユーザが携帯端末4を操作しないでも他のユーザを紹介することができるので、ユーザが他のユーザとメッセージをやり取りする機会を増やすことができる。
【0074】
<第4の実施形態>
上記の実施形態において、ユーザが視聴した放送コンテンツのカテゴリーは、放送コンテンツサーバ3から取得した番組識別情報に基づいて認識されるものとして説明した。ところが、複数の地域で放送される異なる放送コンテンツに対して同一の番組識別情報が用いられることがある。そうすると、マッチングサーバ1は、例えば、大阪のユーザから放送コンテンツAに対応する番組識別情報Aを取得したにもかかわらず、東京で視聴可能な放送コンテンツBであると誤認識する場合がある。
【0075】
そこで、マッチングサーバ1は、以下の構成を有してもよい。記憶部14は、複数のユーザの居住地を示す居住地情報を記憶する。特定部153は、視聴履歴に含まれる、一以上の放送コンテンツに関連付けられた番組識別情報と、記憶部14に記憶されている居住地情報とに基づいて、携帯端末4のユーザが視聴した放送コンテンツを特定する。そして、抽出部154は、特定した放送コンテンツに基づいて推定した嗜好カテゴリーをユーザの抽出に用いる。
【0076】
[第4の実施形態における効果]
このようにすることで、マッチングサーバ1は、複数の地域で放送される異なる放送コンテンツに対して同一の番組識別情報が用いられる場合であっても、ユーザが実際に視聴した放送コンテンツを正しく特定することができるので、ユーザの嗜好カテゴリーを高い精度で推定することができる。したがって、マッチングサーバ1は、嗜好が合うユーザを抽出して携帯端末4のユーザに紹介できる確率を高めることができる。
【0077】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。