(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
酸化染料前駆体として、パラ-フェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラ-アミノフェノール、オルト-アミノフェノール及び複素環式ベース、並びにそれらの付加塩から選ばれる1種又は複数の酸化ベースを含み、メタ-フェニレンジアミン、メタ-アミノフェノール、メタ-ジフェノール、ナフタレン性カプラー及び複素環式カプラー、並びに、さらにそれらの付加塩から選ばれる1種又は複数のカプラーとを含む、または含まないことを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
式(I)の非イオン性界面活性剤が、10molのエチレンオキシドを含有するデシルアルコール、11molのエチレンオキシドを含有するウンデシルアルコール、10molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、11molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、12molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、13molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、14molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、15molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール、10molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール、11molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール、12molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール、15molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール、10molのエチレンオキシドを含有するミリスチルアルコール、及び10molのエチレンオキシドを含有するイソラウリルアルコールから選ばれる、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
少なくとも1種の染料前駆体及び少なくとも1種のアルカリ剤を含む組成物が、少なくとも1種の酸化剤を含む組成物と混合され、混合物が次いで泡形態で毛髪上へ適用され;少なくとも1種の式(I)の非イオン性界面活性剤が、2種の組成物のうちの少なくとも1種の中に存在しており;染料前駆体、アルカリ剤、式(I)の非イオン性界面活性剤、及び酸化剤が、請求項1から20のいずれか一項に記載のものであることを特徴とする、毛髪染色方法。
第1の区画の中に、少なくとも1種の酸化染料前駆体、少なくとも1種のアルカリ剤、及び少なくとも1種の式(I)の非イオン性界面活性剤を含有する第1の組成物を含み;第2の区画の中に、1種又は複数の酸化剤を含有する第2の組成物を含み、2区画のうちの一方に、泡形態にある本発明の組成物を、他の組成物と混合した後に送出する部品が備えられており、又は第3の区画の中に、泡形態にある組成物を送出する部品が含まれており、染料前駆体、アルカリ剤、式(I)の非イオン性界面活性剤、及び酸化剤が、請求項1から20のいずれか一項に記載されているものである、マルチ区画装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書の以下の記述において、別段の指定がない限り、値の範囲の上下値は、その範囲内に含まれる。表現「少なくとも1」は、表現「1又は複数の」と等価である。
【0018】
本発明による組成物は、少なくとも1種の、式(I)
R-O-(CH
2-CH
2-O)
n-H (I)
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状のC
10〜C
18アルキル基又はアルケニル基を表し、nは、10から15の範囲の数を表す)
の非イオン性界面活性剤を含有する。
【0019】
好ましくは、Rは、アルキル基、より詳細には直鎖のC
10〜C
14アルキル基を示す。好ましくは、nは、10から14の範囲である。
【0020】
挙げることができる式(I)の化合物には、10molのエチレンオキシドを含有するデシルアルコール(INCI名:デセス-10)、Clariant製のGenapol UD 110などの11molのエチレンオキシドを含有するウンデシルアルコール(INCI名:ウンデセス-11)、Protameen製のProcol LA-10などの10molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-10)、Cognis製のMergital LM 11などの11molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-11)、Rhodia製のRhodasurf L-12などの12molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-12)、13molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-13)、14molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-14)、Protameen製のProcol LA-15などの15molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-15)、Rhodia製のRhodasurf BC-720などの10molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール(INCI名:トリデセス-10)、Uniqema製のRenex 711などの11molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール(INCI名:トリデセス-11)、Lipo製のLipocol TD-12などの12molのエチレンオキシドを含むトリデシルアルコール(INCI名:トリデセス-12)、Rhodia製のRhodasurf BC-840などの15molのエチレンオキシドを含有するトリデシルアルコール(INCI名:トリデセス-15)、Vevy製のIsoxal 11などの10molのエチレンオキシドを含有するミリスチルアルコール(INCI名:ミレス-10)、Union Carbide製のTergitol TMN-10-Surfactantなどの10molのエチレンオキシドを含有するイソラウリルアルコール(INCI名:イソラウレス-10)がある。
【0021】
本発明の好ましい一変形形態では、基Rは、C
12(ラウリル)アルキル基である。この変形形態では、11molのエチレンオキシドを含有するラウリルアルコール(INCI名:ラウレス-11)が、とりわけ有利である。
【0022】
式(I)の非イオン性界面活性剤の量は、一般に、組成物の総質量に対して、0.01質量%から20質量%、より良好には0.1質量%から10質量%、好ましくは0.2質量%から2質量%の範囲である。
【0023】
本発明による泡組成物は、少なくとも1種のアルカリ剤を含む。この作用剤は、鉱物若しくは有機若しくはハイブリッドのアルカリ剤、又はそれらの混合物から選ぶことができる。
【0024】
鉱物アルカリ剤は、好ましくは、アンモニア水、アルカリ炭酸塩若しくはアルカリ重炭酸塩、例えば炭酸ナトリウム若しくは炭酸カリウム、及び重炭酸ナトリウム若しくは重炭酸カリウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、又はそれらの混合物から選ばれる。
【0025】
有機アルカリ剤は、25℃でのpK
bが12未満、好ましくは10未満、さらにより有利には6未満の有機アミンから好ましくは選ばれる。この値は、塩基性度が最高の官能基に相当するpK
bであることに注目すべきである。
【0026】
挙げることができるハイブリッド化合物には、前述したアミンの塩と、炭酸又は塩酸などの酸とのものがある。
【0027】
有機アルカリ剤は、例えば、アルカノールアミン、オキシエチレン化及び/又はオキシプロピレン化されたエチレンジアミン、アミノ酸、及び以下の式(II):
【0029】
(式中、Wは、C
1〜C
6アルキレン残基であり、ヒドロキシル基又はC
1〜C
6アルキル基で場合により置換されており;Rx、Ry、Rz、及びRtは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、又は、C
1〜C
6アルキル基、C
1〜C
6ヒドロキシアルキル基、若しくはC
1〜C
6アミノアルキル基を表す)
の化合物から選ばれる。
【0030】
挙げることができるそのようなアミンの例としては、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミン、及びスペルミジンがある。
【0031】
用語「アルカノールアミン」は、第一級、第二級、又は第三級アミン官能基と、1つ又は複数のヒドロキシル基を担持する1つ又は複数の直鎖状又は分枝状のC
1〜C
8アルキル基とを含む有機アミンを意味する。
【0032】
アルカノールアミン、例えば、1から3つの同一の又は異なるC
1〜C
4ヒドロキシアルキル基を含む、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、又はトリアルカノールアミンは、本発明の実施にとりわけ適当である。
【0033】
このタイプの化合物の中では、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、N-ジメチルアミノエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、3-ジメチルアミノ-1,2-プロパンジオール、及びトリス(ヒドロキシメチルアミノ)メタンを挙げることができる。
【0034】
より特定すれば、使用してもよいアミノ酸は、天然起源又は合成起源のL体、D体、又はラセミ体であり、少なくとも1つの酸性官能基、より特定すれば、カルボン酸官能基、スルホン酸官能基、ホスホン酸官能基、又はリン酸官能基から選ばれるものを含む。アミノ酸は、中性型でもイオン型でもよい。
【0035】
本発明において使用してもよいアミノ酸としては、特に、アスパラギン酸、グルタミン酸、アラニン、アルギニン、オルニチン、シトルリン、アスパラギン、カルニチン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、リシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、N-フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリンを挙げることができる。
【0036】
有利には、アミノ酸は、環中又はウレイド官能基中に場合により含まれている追加的なアミン官能基を含む塩基性アミノ酸である。
【0037】
そのような塩基性アミノ酸は、以下の式(III):
【0041】
から選ばれる基を表す)
に対応するものから好ましくは選ばれる。
【0042】
式(III)に対応する化合物は、ヒスチジン、リシン、アルギニン、オルニチン、及びシトルリンである。
【0043】
有機アミンは、複素環型の有機アミンから選ぶこともできる。アミノ酸に関してすでに挙げてあるヒスチジンの他、とりわけ、ピリジン、ピペリジン、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、及びベンズイミダゾールを挙げることができる。
【0044】
有機アミンは、アミノ酸ジペプチドから選ぶこともできる。本発明において使用してもよいアミノ酸ジペプチドとしては、特に、カルノシン、アンセリン、及びバレイン(baleine)を挙げることができる。
【0045】
有機アミンは、グアニジン官能基を含む化合物から選ばれる。本発明において使用してもよいこのタイプのアミンとしては、アミノ酸としてすでに挙げてあるアルギニンの他、特に、クレアチン、クレアチニン、1,1-ジメチルグアニジン、1,1-ジエチルグアニジン、グリコシアミン、メトホルミン、アグマチン、N-アミジノアラニン、3-グアニジノプロピオン酸、4-グアニジノ酪酸、及び2-([アミノ(イミノ)メチル]アミノ)エタン-1-スルホン酸を挙げることができる。
【0046】
特に挙げることができるのは、炭酸グアニジン又は塩酸モノエタノールアミンの、ハイブリッド化合物としての使用である。
【0047】
特定の一実施形態によれば、本発明の組成物は、アルカリ剤として、1種又は複数のアルカノールアミンを含む。
【0048】
好ましくは、アルカノールアミンは、モノエタノールアミンである。
【0049】
本発明の一変形形態では、本発明の組成物は、アルカリ剤として、1種又は複数のアルカノールアミン、好ましくはモノエタノールアミン、及びアンモニア水を含む。この変形形態では、アルカノールアミンは、アンモニア水に対して圧倒的な量で存在し、アンモニア水の含有物は、アンモニアとして表現される。
【0050】
有利には、本発明による組成物は、アルカリ剤を、前記組成物の質量に対して、0.01質量%から30質量%、好ましくは0.1質量%から20質量%、さらに良好には1質量%から10質量%の範囲の含有率で有する。
【0051】
好ましくは、式(I)の化合物/アルカリ剤の質量比は、0.01から1、より良好には0.05から0.8、さらにより良好には0.1から0.5の範囲である。
【0052】
本発明による組成物は、少なくとも1つの酸化剤をさらに含む。
【0053】
酸化剤は、例としては、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属の臭素酸塩又はフェリシアン化物、過酸素化塩(peroxygenated salt)、例えば過硫酸塩、過ホウ酸塩、過酸及びその前駆体、並びに、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の過炭酸塩から選ばれる。有利には、酸化剤は、過酸化水素である。
【0054】
酸化剤の含有量は、より特定すれば、本組成物の重量に対して、0.1重量%から20重量%、好ましくは0.5重量%から10重量%を表す。
【0055】
好ましくは、式(I)の界面活性剤/酸化剤の質量比は、0.01から1、より良好には0.05から0.8、さらにより良好には0.1から0.5の範囲である。
【0056】
前に示したとおり、本発明による組成物は、1種又は複数の酸化染料前駆体を含む。
【0057】
酸化ベース及びカプラーを、酸化染料前駆体として使用してもよい。
【0058】
例として、酸化ベースは、パラフェニレンジアミン、ビス(フェニル)アルキレンジアミン、パラアミノフェノール、オルトアミノフェノール、及び複素環ベース、並びにその付加塩から選ばれる。
【0059】
パラフェニレンジアミンの中で挙げることができるものは、例えば、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、3-ヒドロキシ-1-(4'-アミノフェニル)ピロリジン、及びそれらの酸付加塩である。
【0060】
前述のパラフェニレンジアミンの中では、パラ-フェニレンジアミン、パラ-トルエンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン及び2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、並びにそれらの酸付加塩が、とりわけ好ましい。
【0061】
ビス(フェニル)アルキレンジアミンの中で挙げることができるものは、例えば、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス-(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン及び1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、及びそれらの付加塩である。
【0062】
パラアミノフェノールの中で挙げることができるものは、例えば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-クロロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-(β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール及び4-アミノ-2-フルオロフェノール、並びにそれらの酸付加塩である。
【0063】
オルトアミノフェノールの中で挙げることができるものは、例えば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、及び5-アセトアミド-2-アミノフェノール、並びにそれらの付加塩である。
【0064】
複素環式ベースの中で例として挙げることができるのは、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体及びピラゾール誘導体である。
【0065】
ピリジン誘導体の中で挙げることができるものは、例えば、特許GB 1 026 978及びGB 1 153 196に記載されている化合物、例としては、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、及び3,4-ジアミノピリジン、並びにそれらの付加塩である。
【0066】
本発明における使用の他のピリジン酸化ベースは、例えば、特許出願FR 2 801 308に記載されている、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン酸化ベース又はその付加塩である。挙げることができる例としては、ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-アセチルアミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-カルボン酸、2-メトキシピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)メタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)エタノール、2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)エタノール、(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-2-イル)メタノール、3,6-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、3,4-ジアミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,7-ジアミン、7-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-3,5-ジアミン、5-(モルホリン-4-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリド-3-イルアミン、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-5-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリド-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-4-オール、3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-6-オール及び3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-オール、並びにそれらの付加塩がある。
【0067】
ピリミジン誘導体の中で挙げることができるものは、例としては、特許DE 2359399、JP 88-169571、JP 05-63124及びEP 0 770 375、又は特許出願WO 96/15765に記載されている化合物、例えば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジン、及びそれらの付加塩、並びにそれらの互変異性型(互変異性平衡が存在するとき)である。
【0068】
ピラゾール誘導体の中で挙げることができるものは、特許DE 3843892、DE 4133957、並びに特許出願WO 94/08969、WO 94/08970、FR-A-2 733 749、及びDE 195 43 988に記載されている化合物、例えば4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、及びそれらの付加塩である。4,5-ジアミノ-1-(β-メトキシエチル)ピラゾールを使用することもできる。
【0069】
好ましく使用されるのは、4,5-ジアミノピラゾール、より好ましくはさらに4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、及び/又はそれらの塩である。
【0070】
さらに挙げることができるピラゾール誘導体には、ジアミノ-N,N-ジヒドロピラゾロピラゾロン、特に、特許出願FR-A-2 886 136に記載されているもの、例えば、下記の化合物及びそれらの付加塩:2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-エチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-イソプロピルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-(ピロリジン-1-イル)-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジメチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4,5-ジアミノ-1,2-ジ(2-ヒドロキシエチル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2-アミノ-3-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2-アミノ-3-ジメチルアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、2,3-ジアミノ-5,6,7,8-テトラヒドロ-1H,6H-ピリダジノ[1,2-a]ピラゾール-1-オン、4-アミノ-1,2-ジエチル-5-(ピロリジン-1-イル)-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、4-アミノ-5-(3-ジメチルアミノピロリジン-1-イル)-1,2-ジエチル-1,2-ジヒドロピラゾール-3-オン、2,3-ジアミノ-6-ヒドロキシ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オンがある。2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/又はその塩が好ましくは用いられることになる。
【0071】
複素環式ベースとして好ましく使用されるのは、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール及び/又は2,3-ジアミノ-6,7-ジヒドロ-1H,5H-ピラゾロ[1,2-a]ピラゾール-1-オン及び/又はそれらの塩である。
【0072】
本発明の組成物中で使用してもよいカップラーの中では、特に、メタフェニレンジアミン、メタアミノフェノール、メタジフェノール、ナフタレンベースのカップラー及び複素環のカップラー、さらにはそれらの付加塩を挙げることができる。
【0073】
例としては、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシエチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、β-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3, 5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、6-ヒドロキシインドリン、2,6-ジヒドロキシ-4-メチルピリジン、1-H-3-メチルピラゾール-5-オン、1-フェニル-3-メチルピラゾール-5-オン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-b]-1,2,4-トリアゾール、2,6-ジメチル[3,2-c]-1,2,4-トリアゾール及び6-メチルピラゾロ[1,5-a]ベンゾイミダゾール、それらの酸付加塩、並びにそれらの混合物を挙げることができる。
【0074】
酸化ベース及びカップラーの付加塩は、特に、酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩、及び酢酸塩から選ばれる。
【0075】
酸化ベースは、それぞれ、一般に、本組成物の総重量に対して0.0001重量%から10重量%、好ましくは、本組成物の総重量に対して0.005重量%から5重量%の量で存在する。
【0076】
カプラーは、それぞれ、一般に、組成物の総質量に対して、0.0001質量%から10質量%に相当し、好ましくは組成物の総質量に対して、0.005質量%から5質量%に相当する。
【0077】
本発明による組成物は、合成又は天然の陽イオン性又は非イオン性直接染料を含有してもよい。
【0078】
挙げることができるとりわけ適当な直接染料の例としては、ニトロベンゼン染料;アゾ直接染料;アゾメチン直接染料;メチン直接染料;アザカルボシアニン直接染料、例えばテトラアザカルボシアニン(テトラアザペンタメチン);キノン、とりわけアントラキノン、ナフトキノン、又はベンゾキノン直接染料;アジン直接染料;キサンテン直接染料;トリアリルメタン直接染料;インドアミン(indoamine)直接染料;インジゴイド直接染料;フタロシアニン直接染料、ポルフィリン直接染料、及び天然の直接染料がある(単一で又は混合物として用いられる)。とりわけ、アゾ、メチン、カルボニル、アジン、ニトロ(ヘテロ)アリール、トリ(ヘテロ)アリールメタン、ポルフィリン、フタロシアニンのうちの直接染料、及び天然の直接染料を挙げることができる(単一で又は混合物として用いられる)。
【0079】
直接染料が存在するとき、直接染料は、より特定すれば、本組成物の総重量の0.0001重量%から10重量%、好ましくは0.005重量%から5重量%を表す。
【0080】
本発明による組成物は、式(I)の非イオン性界面活性剤以外に、1種又は複数の追加の界面活性剤を含んでもよい。これらの追加の界面活性剤は、陽イオン性、両性、非イオン性及び/又は陰イオン性の界面活性剤であってもよい。追加の界面活性剤は、ケラチン繊維を染色する分野でそれ自体が既知である界面活性剤である。
【0081】
本発明中で使用できる両性又は双性イオン性界面活性剤は、とりわけ、任意選択で第四級化されている第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体であってもよく、ここで、脂肪族基は、8から22個の炭素原子を含有する直線状又は分枝状の鎖であり、前記アミン誘導体は、少なくとも1つの陰イオン性基、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基、又はホスホン酸基を有する。特に挙げることができるのは、(C
8〜C
20)アルキルベタイン、スルホベタイン、(C
8〜C
20アルキル)アミド(C
3〜C
8アルキル)ベタイン又は(C
8〜C
20アルキル)アミド(C
6〜C
8アルキル)スルホベタインである。上で定義した、使用できる、任意選択で四級化されている第二級又は第三級脂肪族アミン誘導体の中で、それぞれの構造式(IV)
R
a-CONHCH
2CH
2-N
+(R
b)(R
c)(CH
2COO
-) (IV)
(式中、
R
aは、酸に由来するC
10〜C
30アルキル基又はアルケニル基を表し、
R
a-COOHは、加水分解されたココナッツ油中に好ましくは存在し、ヘプチル基、ノニル基、又はウンデシル基を表し、
R
bは、β-ヒドロキシエチル基を表し、
R
cは、カルボキシメチル基を表す);
及び構造式(IV')
R
a'-CONHCH
2CH
2-N(B)(B') (IV')
(式中、
Bは、-CH
2CH
2OX'を表し、
B'は、-(CH
2)
z-Y'(式中、z=1又は2である)を表し、
X'は、基-CH
2-COOH、CH
2-COOZ'、-CH
2CH
2-COOH、-CH
2CH
2-COOZ'、又は水素原子を表し、
Y'は、-COOH、-COOZ'、基-CH
2-CHOH-SO
3H又は-CH
2-CHOH-SO
3Z'を表し、
Z'は、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属、例えば、ナトリウムイオン、アンモニウムイオン、又は有機アミン由来のイオンを表し、
R
a'は、ココナッツ油中に又は加水分解された亜麻仁油中に好ましくは存在する酸性R
a'-COOHのC
10〜C
30アルキル基若しくはアルケニル基、アルキル基、とりわけC
17アルキル基、及びそのイソ型、又は不飽和C
17基を表す)
を有する化合物も挙げることができる。
【0082】
これらの化合物は、CTFA辞典、第5版、1993において、ココアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリルアンホ二酢酸二ナトリウム、カプリロアンホ二酢酸二ナトリウム、ココアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリルアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、カプリロアンホ二プロピオン酸二ナトリウム、ラウロアンホ二プロピオン酸及びココアンホ二プロピオン酸の名称で分類されている。
【0083】
例として挙げることができるのは、Rhodia社からMiranol(登録商標)C2M Concentrateの商標名で販売されているココアンホ二酢酸である。
【0084】
上述の両性又は双性イオン性界面活性剤の中で好ましくは使用されるのは、少なくとも1つの飽和又は不飽和のC
8〜C
30脂肪鎖を含むベタイン、具体的には式(A)
R
1-(CONH)
x-A
1- N
+(R
2)(R
3)-A
2-Z (A)
(式中、
xは、0又は1を示し、
A
1及びA
2は、互いに独立して、ヒドロキシル基で任意選択で置換されている直鎖状又は分枝状のC
1〜C
10アルキレン基を示し、
R
1は、直鎖状又は分枝状のC
6〜C
30アルキル基又はアルケニル基を示し、
R
2及びR
3は、互いに独立して、直鎖状又は分枝状のC
1〜C
4アルキル基を示し、
Zは、CO
2-基又はSO
3-基を示し、
好ましくは、R
2及びR
3は、メチル基を示す)
の化合物である。
【0085】
本発明による化粧用組成物中で使用されるベタイン型の両性界面活性剤は、とりわけ、(C
8〜20)アルキルベタイン、(C
8〜20)アルキルスルホベタイン、(C
8〜20アルキル)アミド(C
2〜8アルキル)ベタイン又は(C
8〜20アルキル)アミド(C
6〜8アルキル)スルホベタインであり得る。
【0086】
上述の両性界面活性剤の中で好ましく使用されるのは、(C
8〜20アルキル)ベタイン及び(C
8〜20アルキル)アミド(C
2〜8アルキル)ベタイン、並びにそれらの混合物である。
【0087】
より特定すると、ベタイン型の両性界面活性剤は、ココベタイン及びコカミドプロピルベタインから選択される。
【0088】
用語「陰イオン性界面活性剤」は、イオン性基又はイオン化基として陰イオン性基のみを含む界面活性剤を意味する。これらの陰イオン性基は、CO
2H、CO
2-、SO
3H、SO
3-、OSO
3H、OSO
3-、H
2PO
3、HPO
3-、PO
32-、H
2PO
2、HPO
2、HPO
2-、PO
2-、POH、PO
-から好ましくは選ばれる。
【0089】
本発明による組成物中で使用できる陰イオン性界面活性剤の例として挙げることができるのは、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、アルキルアリールポリエーテル硫酸塩、モノグリセリド硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアミドスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルファ-オレフィンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、アシルサルコシン酸塩、アシルグルタミン酸塩、アルキルスクシアミン酸塩、アシルイセチン酸塩及びN-アシルタウリン酸塩、ポリグリコシド-ポリカルボン酸のアルキルモノエステルの塩、アシル乳酸塩、D-ガラクトシド-ウロン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルアリールエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩;並びにこれらの全ての化合物に対応する非塩化形態;6から24個の炭素原子を含んでアリール基がフェニル基を示す、これらの全ての化合物のアルキル基及びアシル基である。
【0090】
これらの化合物は、オキシエチレン化されていてもよく、その場合は、1から50個の酸化エチレン単位を好ましくは含む。
【0091】
ポリグリコシドポリカルボン酸のC
6〜C
24アルキルモノエステルの塩は、C
6〜C
24アルキルポリグリコシドクエン酸塩、C
6〜C
24アルキルポリグリコシド酒石酸塩、及びC
6〜C
24アルキルポリグリコシドスルホコハク酸塩から選んでもよい。
【0092】
陰イオン性界面活性剤が塩形態であるとき、陰イオン性界面活性剤は、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩、好ましくはナトリウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、とりわけアミノアルコール塩、又はアルカリ土類金属塩、例えばマグネシウム塩から選んでもよい。
【0093】
特に挙げることができるアミノアルコール塩の例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンの塩、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、又はトリイソプロパノールアミンの塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール塩、並びにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩がある。
【0094】
アルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩、とりわけナトリウム塩又はマグネシウム塩が、好ましくは使用される。
【0095】
陰イオン性界面活性剤の中では、本発明によれば、アルキル硫酸塩及びアルキルエーテル硫酸塩、並びにそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0096】
用語「陽イオン性界面活性剤」は、本発明による組成物中に含有されるときは、正に帯電している界面活性剤を意味する。この界面活性剤は、本発明による組成物内に、1価若しくは複数価の永久正電荷を有していてもよく、又は、1つ若しくは複数の陰イオン化可能な官能基を含有してもよい。
【0097】
本発明によって使用してもよい陽イオン性界面活性剤は、場合によりポリオキシアルキレン化されている第一級、第二級、若しくは第三級の脂肪アミン、又はそれらの塩、第四級アンモニウム塩、並びにそれらの混合物から好ましくは選ばれる。
【0098】
脂肪アミンは、一般に、少なくとも1つのC
8〜C
30炭化水素鎖を含む。本発明による使用してもよい脂肪アミンの中では、挙げることのできる例としては、ステアリルアミドプロピルジメチルアミン及びジステアリルアミンがある。
【0099】
特に挙げることのできる第四級アンモニウム塩の例としては、
・以下の一般式(V):
【0101】
[式中、R
8からR
11までの基は、同一であっても異なっていてもよく、1から30個の炭素原子を含有する直鎖状若しくは分枝状の脂肪族基、又は、芳香族基、例えばアリール基若しくはアルキルアリール基を表し、R
8からR
11までの基のうち少なくとも1つは、8から30個の炭素原子、好ましくは12から24個の炭素原子を含有する基を表す。脂肪族基は、ヘテロ原子、例えば、とりわけ、酸素、窒素、イオウ、及びハロゲンを含んでもよい。脂肪族基は、例としては、C
1〜
30アルキル、C
1〜
30アルコキシ、ポリオキシ(C
2〜C
6)アルキレン、C
1〜
30アルキルアミド、(C
12〜C
22)アルキルアミド(C
2〜C
6)アルキル、(C
12〜C
22)アルキル酢酸塩、及びC
1〜
30ヒドロキシアルキル基から選ばれ;X
-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、(C
1〜C
4)アルキル硫酸イオン及び(C
1〜C
4)アルキル-又は(C
1〜C
4)アルキルアリール-スルホン酸イオンから成る群から選ばれる陰イオンである]に対応するもの。
式(V)の第四級アンモニウム塩の中で好ましいものは、一方では、テトラアルキルアンモニウム塩、例えばジアルキルジメチルアンモニウム塩又はアルキルトリメチルアンモニウム塩(このとき、アルキル基は、およそ12から22個の炭素原子を含有する)、とりわけベヘニルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、若しくはベンジルジメチルステアリルアンモニウムの塩、又は、他方では、パルミチルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、ステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウム塩、又はステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)アンモニウム塩[Van Dyk社によりCeraphyl(登録商標)70の名称で販売されている]である。これらの化合物の塩化物塩を使用することがとりわけ好ましい;
・イミダゾリンの第四級アンモニウム塩、例えば、以下の式(VI)のもの:
【0103】
(式中、R
12は、例えば獣脂脂肪酸に由来する、8から30個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルケニル基を表し、R
13は、水素原子、C
1〜C
4アルキル基、又は8から30個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルケニル基を表し、R
14は、C
1〜C
4アルキル基を表し、R
15は、水素原子又はC
1〜C
4アルキル基を表し、X
-は、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、酢酸イオン、乳酸イオン、アルキル硫酸イオン、又はアルキルスルホン酸イオン若しくはアルキルアリールスルホン酸イオン(ここでアルキル基、及びアリール基は、それぞれ、1から20個の炭素原子、及び6から30個の炭素原子を好ましくは含む)から成る群から選択される陰イオンである。R
12及びR
13は、好ましくは、12から21個の炭素原子を含むアルキル基又はアルケニル基の混合物、例えば獣脂脂肪酸誘導体を示し、R
14はメチル基を示す、R
15は水素原子を示す)そのような製品は、例としては、Rewo社によりRewoquat(登録商標)W75の名称で販売されている;
・第四級二アンモニウム又は三アンモニウム塩、とりわけ、式(VII):
【0105】
[式中、R
16は、およそ16から30個の炭素原子を含有するアルキル基であり、場合により、水酸化されている及び/又は1つ若しくは複数の酸素原子が割り込んでいるアルキル基を表し、R
17は、水素、及び、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基、又は(R
16a)(R
17a)(R
18a)N-(CH
2)
3基から選択され、R
16a、R
17a、R
18a、R
18、R
19、R
20、及びR
21は、同一であり又は異なり、水素、及び、1から4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、X
-は、ハロゲン化物イオン、酢酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、硫酸メチルイオンから成る群から選択される陰イオンである]のもの。そのような化合物は、例としては、Finetex社から入手可能なFinquat CT-P(クオタニウム89)、及び、Finetex社から入手可能なFinquat CT(クオタニウム75)である;
・少なくとも1つのエステル官能基を含有する第四級アンモニウム塩、例えば、以下の式(VIII):
【0107】
[式中、
R
22は、C
1〜C
6アルキル基及びC
1〜C
6ヒドロキシアルキル又はジヒドロキシアルキル基から選択され、
R
23は、
・
【0109】
基、
・R
27基(直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
1〜C
22炭化水素基である)、
・水素原子
から選択され、
R
25は、
・
【0111】
基、
・R
29基(直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
1〜C
6炭化水素基である)、
・水素原子
から選択され、
R
24、R
26、及びR
28は、同一であり又は異なり、直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
7〜C
21炭化水素基から選択され、
r、s、及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2から6の範囲の整数であり、
r1及びt1は、同一であっても異なっていてもよく、0又は1に等しく、
r2+r1=2r、t1+t2=2tであり、
yは、1から10の範囲の整数であり、
x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0から10の範囲の整数であり、
X
-は、単純イオン又は錯イオンとしての有機又は無機陰イオンであり、
但し、x+y+zの合計は1から15であり、xが0であるとき、R
23はR
27を表し、zが0であるとき、R
25はR
29を表す]
のもの
がある。
【0112】
アルキル基R
22は、直鎖状又は分枝状、より特定すれば直鎖状であってもよい。
【0113】
好ましくは、R
22は、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、又はジヒドロキシプロピル基、より特定すればメチル基又はエチル基を表す。
【0114】
有利には、x+y+zの合計は、1から10である。
【0115】
R
23が炭化水素基R
27であるとき、R
27は、長鎖で12から22個の炭素原子を有するものであってもよく、又は、短鎖で1から3個の炭素原子を有するものであってもよい。
【0116】
R
25が炭化水素基R
29であるとき、R
29は、1から3個の炭素原子を好ましくは含有する。
【0117】
有利には、R
24、R
26、及びR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
11〜C
21炭化水素基から、より特定すれば、直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
11〜C
21アルキル及びアルケニル基から選ばれる。
【0118】
好ましくは、x及びzは、同一であっても異なっていてもよく、0又は1に等しい。
【0120】
好ましくは、r、s、及びtは、同一であっても異なっていてもよく、2又は3に等しく、さらにより特定すれば、2に等しい。
【0121】
陰イオンX
-は、好ましくは、ハロゲン化物イオン(塩化物イオン、臭化物イオン、若しくはヨウ化物イオン)、又はアルキル硫酸イオン、より特定すれば硫酸メチルイオンである。しかし、メタンスルホン酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、トシル酸イオン;有機酸に由来する陰イオン、例えば、酢酸イオン若しくは乳酸イオン;又は、エステル官能基を含有する、アンモニウムと適合性のある任意の他の陰イオンを使用することは可能である。
【0122】
陰イオンX
-は、さらにより特定すれば、塩化物イオン又は硫酸メチルイオンである。
【0123】
より特定すれば、本発明による組成物中では、式(VIII)[式中、
R
22は、メチル基又はエチル基を表し、
x及びyは、1に等しく、
zは、0又は1に等しく、
r、s、及びtは、2に等しく、
R
23は、
・
【0125】
基、
・メチル基、エチル基、又はC
14〜C
22炭化水素基、
・水素原子
から選択され、
R
25は、
・
【0127】
基、
・水素原子
から選択され、
R
24、R
26、及びR
28は、同一であっても異なっていてもよく、直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
13〜C
17炭化水素基から、好ましくは、直鎖状又は分枝状、飽和型又は不飽和型のC
13〜C
17アルキル及びアルケニル基から選ばれる]
のアンモニウム塩が使用される。
【0128】
炭化水素基は、有利には直鎖状である。
【0129】
例としては、式(VIII)の化合物、例えば、ジアシルオキシエチルジメチルアンモニウム、ジアシルオキシエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム、モノアシルオキシエチルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、トリアシルオキシエチルメチルアンモニウム、及びモノアシルオキシエチルヒドロキシエチルジメチルアンモニウムの塩(とりわけ、塩化物塩又は硫酸メチル塩)、並びにそれらの混合物を挙げることができる。アシル基は、好ましくは、14から18個の炭素原子を含有し、より特定すれば、植物油、例えばヤシ油又はヒマワリ油から得られる。本化合物がいくつかのアシル基を含有するとき、これらの基は、同一であっても異なっていてもよい。
【0130】
これらの製品は、例としては、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アルキルジエタノールアミン、又はアルキルジイソプロパノールアミン(これらのアミンは、C
10〜C
30脂肪酸で、又は、植物若しくは動物由来のC
10〜C
30脂肪酸の混合物で、場合によりオキシアルキレン化されている)を直接エステル化することにより、或いは、それらのメチルエステルをエステル転移反応させることにより、得られる。このエステル化の後に、アルキル化剤を使用した四級化が続き、アルキル化剤は、例えば、アルキルハロゲン化物(好ましくはメチルハロゲン化物又はエチルハロゲン化物)、ジアルキル硫酸塩(好ましくは硫酸ジメチル又は硫酸ジエチル)、メチルメタンスルホン酸塩、メチルパラ-トルエンスルホン酸塩、グリコールクロロヒドリン又はグリセロールクロロヒドリンなどである。
【0131】
そのような化合物は、例えば、Henkel社によりDehyquart(登録商標)の名称で、Stepan社によりStepanquat(登録商標)の名称で、Ceca社によりNoxamium(登録商標)の名称で、又はRewo-Witco社によりRewoquat(登録商標)WE18の名称で、販売されている。
【0132】
本発明による組成物は、例えば、第四級アンモニウムのモノエステル、ジエステル、及びトリエステル塩と、過半重量の(a weight majority of)ジエステル塩との混合物を含有してもよい。
【0133】
特許US-A-4 874 554及びUS-A-4 137 180に記載されている、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩を使用することもできる。
【0134】
花王によりQuartamin BTC 131の名称で販売されている塩化ベヘノイルヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムを使用してもよい。
【0135】
好ましくは、少なくとも1つのエステル官能基を含有するアンモニウム塩は、2つのエステル官能基を含有する。
【0136】
使用してもよい少なくとも1つのエステル官能基を含有する第四級アンモニウム塩の中では、ジパルミトイルエチルヒドロキシエチルメチルアンモニウム塩を使用することが好ましい。
【0137】
式(I)の非イオン性界面活性剤以外の追加の非イオン性界面活性剤は、より詳細には、モノオキシアルキレン化又はポリオキシアルキレン化された、及びモノグリセロール化又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤から選ばれる。オキシアルキレン単位は、より特定すれば、オキシエチレン単位若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組合せ、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0138】
挙げることのできるオキシアルキレン化された非イオン性界面活性剤の例としては、
・オキシアルキレン化(C
8〜C
24)アルキルフェノール、
・飽和型又は不飽和型、直鎖状又は分枝状のオキシアルキレン化C
8〜C
30アミド、
・飽和型又は不飽和型、直鎖状又は分枝状のC
8〜C
30酸とポリエチレングリコールとのエステル、
・飽和型又は不飽和型、直鎖状又は分枝状のC
8〜C
30酸とソルビトールとのポリオキシエチレン化エステル、
・飽和型又は不飽和型のオキシエチレン化植物油、
・モノ及びポリグリセロール化非イオン性界面活性剤
がある。
【0139】
界面活性剤は、1〜100モルの間、好ましくは2〜50モルの間、好ましくは2〜30モルの間の酸化エチレン及び/又は酸化プロピレンを含有する。
【0140】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化された非イオン性界面活性剤の例としては、モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたC
8〜C
40アルコールが好ましくは使用される。
【0141】
具体的には、モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたC
8〜C
40アルコールは、次式:
RO-[CH
2-CH(CH
2OH)-O]
m-H
(式中、Rは、直鎖状又は分枝状のC
8〜C
40、好ましくはC
8〜C
30のアルキル又はアルケニル基を表し、mは、1から30、好ましくは1から10の範囲の数を表す)
に対応する。
【0142】
本発明に関する場合に適当な化合物の例としては、4モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4ラウリルエーテル)、1.5モルのグリセロールを含有するラウリルアルコール、4モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-4オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するオレイルアルコール(INCI名:ポリグリセリル-2オレイルエーテル)、2モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するセテアリルアルコール、6モルのグリセロールを含有するオレイル/セチルアルコール、及び6モルのグリセロールを含有するオクタデカノールを挙げることができる。
【0143】
アルコールは、mの値が1統計学的な値(statistical value)を表すのと同じ方式でアルコール混合物を表すことができる。これは、市販製品中で、数種のポリグリセロール化脂肪アルコールが混合物の形態で共存してもよいという意味である。
【0144】
モノグリセロール化又はポリグリセロール化されたアルコールの中では、より特定すれば、1モルのグリセロールを含有するC
8/C
10アルコール、1モルのグリセロールを含有するC
10/C
12アルコール、及び1.5モルのグリセロールを含有するC
12アルコールを使用することが好ましい。
【0145】
非イオン性界面活性剤としては、オキシエチレン化されていない、ソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、場合によりオキシアルキレン化されているアルキルポリグリコシド、アルキルグルコシドエステル、N-アルキルグルカミン誘導体及びN-アシルメチルグルカミン誘導体、アルドビオナミド(aldobionamide)、並びに酸化アミンを挙げることもできる。
【0146】
特定の一実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の非イオン性オキシエチル化アミド界面活性剤を含有する。
【0147】
好ましくは、非イオン性オキシエチレン化アミドは、式(X)
R-[(OCH
2CH
2)
n-OCH
2]
p-CO-N(R')-(CH
2CH
2O)
N'H (X)
(式中、
- pは、0又は1を示し、
- nは、1〜10、好ましくは1から6の範囲の数を示し、
- n'は、1から100、好ましくは1から60の範囲の数を示し、
- R'は、水素原子又は基CH
2CH
2OHを表し、好ましくは水素原子を表し、
- Rは、C
10〜C
30、好ましくはC
12〜C
22アルキル基又はアルケニル基を示す)
のものである。
【0148】
式(X)の化合物の例として挙げることができるのは、花王株式会社により販売されているAmidet A15(INCI名:トリデセス-2カルボキサミドMEA)、Akzo Nobel社により販売されているEthomid HP 60(INCI 名:PEG-50水素化パルムアミド)、及び花王株式会社により販売されているAmidet N(INCI 名:PEG-4菜種アミド)である。
【0149】
特定の一実施形態によれば、本発明の組成物は、式(I)の化合物以外に、1種又は複数の追加の非イオン性又は陰イオン性界面活性剤を含む。好ましくは、本発明の組成物は、式(I)の化合物以外に、1種又は複数の追加の非イオン性界面活性剤を含む。
【0150】
本発明の組成物中の追加的な界面活性剤の総含有量は、組成物の重量に対して、一般には0.1重量%から30重量%、好ましくは1重量%から20重量%、さらに良好には2重量%から10重量%である。
【0151】
特定の一実施形態によれば、式(I)の非イオン性界面活性剤以外の非イオン性界面活性剤は、オキシエチレン化アミド界面活性剤であり、好ましくは4つのオキシエチレン単位でオキシエチレン化されている菜種酸アミドである。
【0152】
非イオン性オキシエチレン化アミド界面活性剤の量は、好ましくは、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、より良好には0.5質量%から10質量%、好ましくは1質量%から5質量%の範囲である。
【0153】
本組成物は、毛髪を染色又は明色化するための組成物中で慣用的に使用される多様なアジュバント、例えば、陰イオン性ポリマー、及び陽イオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、又はそれらの混合物;酸化防止剤;浸透剤;金属イオン封鎖剤;香料;分散剤;フィルム形成剤;セラミド;保存剤;不透明化剤(opacifier)をさらに含有することもできる。
【0154】
前述のアジュバントは、一般に、組成物の重量に対して、それぞれについて0.01%〜20重量%の間の量で存在する。
【0155】
優先的に、本発明による組成物は、1種又は複数の陽イオン性ポリマーを含む。
【0156】
本発明による組成物は、水及び/又は1つ若しくは複数の有機溶媒を含んでもよい。
【0157】
挙げることのできる有機溶媒の例としては、2から10個の炭素原子を含む、直鎖状又は分枝状で好ましくは飽和型のモノアルコール又はジオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、へキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコール、及び3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール及びプロピレングリコール;芳香族アルコール、例えばベンジルアルコール又はフェニルエチルアルコール;2つを超えるヒドロキシル官能基を含有するポリオール、例えばグリセロール;ポリオールエーテル、例としてはエチレングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル又はモノブチルエーテル、プロピレングリコール又はそのエーテル、例としてはプロピレングリコールモノメチルエーテル;さらにはジエチレングリコールアルキルエーテル、特にC
1〜C
4アルキルエーテル、例としてはジエチレングリコールモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルがある(単一で又は混合物として用いられる)。
【0158】
有機溶媒が存在するとき、有機溶媒は、一般に、本染料組成物の総重量に対して1重量%〜40重量%の間、好ましくは、本染料組成物の総重量に対して5重量%〜30重量%の間を表す。
【0159】
本組成物は、好ましくは水性である。この場合、本組成物は、好ましくは、組成物の総重量に対して、30重量%から95重量%の水、さらに良好には40重量%から90重量%の水、さらに一層良好には50重量%から85重量%の水を含む。
【0160】
本発明による組成物が水性である場合、そのpHは、一般に3〜12の間、好ましくは5〜11の間、優先的には7〜11の間(上下限値を含む)である。
【0161】
pHは、ケラチン繊維の染色で通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤により、とりわけ、前述した本発明のアルカリ剤により、所望の値に適合されてもよい。
【0162】
組成物は、泡形態で分配させる前に、2種以上の組成物を混合して生成させることができる。
【0163】
本発明による組成物は、ケラチン繊維への適用時には泡の形態である。
【0164】
本発明による泡形態の組成物は、空気又は不活性ガスと先に記載した組成物とを混合することにより形成される。
【0165】
とりわけ好ましい一実施形態によれば、本発明による組成物は、使用直前に生成される一時的な泡の形態である。
【0166】
この実施形態によれば、本組成物は、泡ディスペンサー中に包装してもよい。本組成物は、加圧された容器から推進ガスの力で分配され、それにより、分配される瞬間に泡を形成する「エアゾール剤」として公知の製品であっても、分配用ヘッドに接続されているポンプ機構を使用して容器から分配される組成物であり、組成物が分配用ヘッド中に通されることで、遅くとも当該ヘッドの出口開口部で泡に転換する組成物であっても、いずれでもよい。
【0167】
使用してもよい推進ガスは、二酸化炭素、窒素、酸化窒素、ジメチルエーテル、揮発性炭化水素、例えば、ブタン、イソブタン、プロパン及びペンタン、並びにそれらの混合物から選んでもよい。
【0168】
分配用ヘッドは、泡形態でスプレーされるものが本発明による組成物、すなわち、酸化剤入りの組成物と、酸化染料前駆体入りの組成物との混合物であるような、物質である。
【0169】
別の実施形態によれば、本組成物は、「ポンプ作用ボトル」タイプの泡ディスペンサーに入っていてもよい。このようなディスペンサーは、組成物を送出するための分配用ヘッドと、ポンプと、製品を送出する目的で組成物を容器からヘッドの中に移動させるためのディップチューブ(dip tube)とを含む。泡は、組成物を、多孔性物質を含む材料、例えば、焼結材料、プラスチック製若しくは金属製の濾過格子、又は類似の構造体に通過させることにより、形成される。
【0170】
そのようなディスペンサーは、当業者には周知であり、特許:米国特許第3709437号(Wright)、米国特許第3937364号(Wright)、米国特許第4022351号(Wright)、米国特許第4147306号(Bennett)、米国特許第4184615号(Wright)、米国特許第4598862号(Rice)、米国特許第4615467号(Groganら)、及び米国特許第5364031号(Taniguchiら)に記載されている。
【0171】
実際には、この変形実施形態の場合、酸化剤は、閉鎖材を備えた第1の容器中に包装され、酸化染料前駆体は、第1の容器とは異なるが、閉鎖用部材により同様に閉鎖されている第2の容器中に包装される。閉鎖用部材は、ポンプ式の分配機構であってもよい。この場合、本発明による組成物は、使用前に、酸化剤を伴う組成物と酸化染料前駆体を伴う組成物とを混合することにより形成される。この目的のために、設ける容器の数を限定するために、第1及び第2の容器のうちの一方は、2種の組成物の全てを収容するのに十分な内部体積に規定される。本組成物の混合には、この容器を閉鎖して容器を振ることにより均質化してもよい。容器の閉鎖は、有利には、分配用ヘッドで直接行う。この分配用ヘッドは、混合物を含有する容器の首の上にスナップ固定又はねじ留めにより搭載するように意図されたリングの中に保持されたポンプ機構を含む。このポンプは、混合物全部を分配することができるようにディップチューブに接続されたポンプ本体を含む。ポンプは、ポンプ本体を作動させるための押しボタンをさらに含み、それにより、作動するごとに一定用量の組成物がディップチューブ内部に吸い込まれてヘッドの分配用開口部から泡形態で排出される。
【0172】
容器は、優先的には熱可塑性プラスチック材料で作製され、押出ブロー成形方法又は射出ブロー成形方法を介して得られる。特に、酸化染料前駆体を伴う組成物をコンディショニングするための容器は、EVOHを含む割合がゼロではない材料で作製され得る。ポンプは、例えば、Rexam社により供給される標準的な「F2-L9」モデルである。
【0173】
この好ましい実施形態によれば、本発明の一主題は、本発明の組成物を含む非エアゾール式用具である。
【0174】
本発明による染色方法は、本発明による組成物を、所望の発色を呈するだけ十分な時間にわたり、湿った又は乾燥したケラチン繊維に適用することから成る。本発明によれば、ケラチン繊維に適用される組成物は、泡形態にある。染色方法は、一般に、室温(15から25℃の間)で実施され、到達してもよい最高温度は60℃から80℃である。
【0175】
1分から1時間、好ましくは5分から30分の放置時間の後、ヒトのケラチン繊維を水で濯ぎ、任意選択でシャンプーで洗浄してから水で濯ぐ。
【0176】
下記の実施例は、本発明を例証するために記載するものであるが、決して限定的なものではない。
【0177】
(実施例)
下記の組成物を調製する(量は、活性材料のg%で表す)。
【0180】
上記の染料組成物は、以下の2種の組成物を、使用前に、組成物A/組成物Bの質量比0.666で混合することにより得られる。
【0182】
この混合物は、65g(26gの組成物A+39gの組成物B)の量でポンプボトル(ディップチューブを備えたRexam L9)中に導入される。装置は、ポンプを作動したときにコンパクト泡を生成する。この泡を、天然の又はパーマネントウェーブをかけた、90%が白髪である灰色の毛髪へ適用し、これは適用時にすぐ崩れることがない。適用時の快適性は非常に良好である。30分の放置時間の後、毛束を濯ぎ、標準的なシャンプーで洗浄し、再度濯いでから乾燥させると、濃い栗茶色の着色が得られる。この着色は、強力であり、あまり選択性がない。