(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、女性の膣に挿入されて不随意の尿失禁を抑制するのを助ける、ペッサリー装置に関する。ペッサリー装置は非膨張式であり、寸法が小さく、使用中に改善された快適性を提供することができる。ペッサリー装置は、膣壁を通じてユーザーの尿道に圧力を提供するために、ユーザーの前膣壁と後膣壁との間に延びるように適合されている第1の幅を有する第1の部分を含むことができる。第1の部分は、ペッサリーの最大幅を含み得る。ペッサリー装置は第1の部分から遠位に設けられた第2の幅を有する第2の部分も含んでもよい。第2の部分は、ペッサリー装置の最小幅を含み得る。第2の部分は、第1の部分よりも可撓性であってもよく、第1の部分は、例えばユーザーが咳をするときなど、高応力条件下において第2の部分よりも抵抗性であり得る。これは小型で快適であるにもかかわらず、有効なペッサリー装置を提供することができる。
【0010】
腹圧性尿失禁症の女性は、例えば、運動、咳、くしゃみ、笑い、又はバルサルバ効果など、腹圧の上昇よる不随意的な尿漏れを経験することがある。この尿漏れは、膀胱及び/又は尿道を支持する筋肉及び結合組織が減退する、又は損傷を受けて、応力が生じたときに膀胱及び/又は尿道を充分に支持することができず、尿漏れにつながると考えられている。出産、更年期、負傷、手術、及び、骨盤内臓器脱による身体的な変化は多くの場合、腹圧性尿失禁を生じさせる場合がある。驚いたことに、本明細書に説明するペッサリー装置は、腹圧の上昇時に尿漏れを防ぐのに充分な耐性を提供しながら、可撓性のままであり続け、かつ、装着中に快適性をもたらすのに充分小さい。
【0011】
本明細書で使用するとき、「アプリケータ」とは、哺乳類の外口へのペッサリー装置の挿入を容易にする装置又は器具を指す。代表的なアプリケータとしては、例えばテレスコープ式アプリケータ、チューブ・アンド・プランジャ式アプリケータ、及び、コンパクトアプリケータなどが挙げられる。
【0012】
本明細書で使用するとき、「接合した」又は「取り付けた」という用語は、第1の要素を第2の要素に直接固着することによって第1の要素を第2の要素に直接固定する構成、第1の要素を中間部材に固着し、次にその中間部材を第2の要素に固着することによって第1の要素を第2の要素に間接的に固定する構成、及び、第1の要素が第2の要素と一体化している構成、すなわち第1の要素が本質的に第2の要素の一部分である構成を包含する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「非膨張式」とは、使用前又は使用中に膨張しない装置、例えば使用前又は使用中に実質的に寸法が増加しない装置を指す。例えば、非膨張式装置は実質的に増加しない直径及び/又は容積を有する。対称的に、本明細書で使用するとき、「膨張可能」は、寸法又は容積が使用前又は使用中に増加する装置、例えば、直径及び/又は長さが増加し、繊維性若しくは吸収性ゲル化材料構造体内に流体を給する、ないしは別の方法で、例えば膨張、吸収、機械的、ユーザー操作、又は他の手段によって、第1の寸法又は容積から、第2の寸法又は容積に変化する装置を指す。体温で生じる可能性のあるいずれかの熱膨張による、非膨張式装置へのごくわずかな変化は「膨張」とは考えられない。
【0014】
本明細書で用いる「ペッサリー装置」、すなわち、より詳細には「失禁用ペッサリー装置」とは、女性の尿失禁の頻度及び/又は程度を低減するために膣内に配置されるように、特に設計、構成、及び/又は適するようにされた装置を指す。「ペッサリー装置」は、尿の漏れの軽減、並びに/又は、子宮脱、及び/若しくは膀胱脱を支持する目的のための、任意の種類の実質的に非吸収性の構造体を含んでもよい。ペッサリー装置は、生理用タンポンは含まない。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「膣管」は、ヒトの女性の体の外陰部内の内生殖器を指す。本明細書で使用するとき、用語「膣管」又は「膣内」は、膣の入口(膣括約筋と呼ばれることもある)と子宮頸管との間に位置する空間を指すことを意図する。
【0016】
例示のペッサリー装置10が
図1A及び1Bに示される。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、最大幅W
1、最小幅W
2、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30までの傾斜部90、長手方向軸線(L)、及び、横方向軸線(T)を含む。
図1A及び1Bに示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含む頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。ペッサリー装置は、長手方向軸線を中心に対称的であってもよく、例えば、底部が円形であり、長手方向軸を中心に対称的である実施例を含む。ペッサリー装置は、最小幅W
2より大きい第3の幅W
3を含んでもよく、凸状部分110は最大幅W
1と位置合わせされて圧力領域50を提供することができ、凸状部分130は最大幅W
1と位置合わせされて圧力領域60を提供することができる。更に、凹状部分150は、最小幅W
2と位置合わせされて可撓性領域160を形成することができる。
【0017】
図2A及び2Bは、ペッサリー装置10を示す。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、最大幅W
1、最小幅W
2、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30までの傾斜部90、長手方向軸線(L)、及び、横方向軸線(T)を含む。
図2A及び2Bに示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含んでいる頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。ペッサリー装置10はまた可撓性領域160を含んでもよい。
図2A及び2Bに示されるペッサリー装置は、
図1A及び1Bに示されるペッサリー装置の上方の傾斜部80よりも大きい、上方の傾斜部80を有する。更に、
図2A及び2Bに示されるペッサリー装置は、
図2A及び2Bに示されるペッサリー装置の下方の傾斜部90よりも大きい、下方の傾斜部90を有する。
【0018】
図3は、
図1の3−3に沿って取られたペッサリー装置10を示す。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、最大幅W
1、最小幅W
2、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30までの傾斜部90、長手方向軸線(L)、及び横方向軸線(T)を含む。
図3に示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含んでいる頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。
図3に示されるように、ペッサリー装置10は、外壁250と、内壁240によって規定される内部200とを備えてもよく、内部200は領域220で中空である。中空領域220は、一方の端部又は両方の端部において設けられてもよい。更に、ペッサリー装置10は、中実である内部200の一部分を備えてもよい。
【0019】
図4はペッサリー装置10を示す。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、最大幅W
1、最小幅W
2、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30までの傾斜部90、及び長手方向軸線(L)を含む。
図4に示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含んでいる頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。
図4に示されるように、ペッサリー装置10は、中空である内部200を有してもよい。ペッサリー装置は、内部200及び中空領域220を規定する内壁240を有する。更に、内壁240は、外壁250と同一又は類似の外形を有してもよい。
【0020】
図5は、ペッサリー装置10を示す。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、最大幅W
1、最小幅W
2、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30までの傾斜部90、及び長手方向軸線(L)を含む。
図5に示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含んでいる頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。
図5に示されるように、ペッサリー装置10は、中空である内部200を有する。ペッサリー装置は、内部200及び中空領域220を規定する内壁240を有する。中空領域220は、内壁240によって規定される第1の外形、及び外壁250によって規定される、異なる外形を有してもよく、ここでは中空領域220はチューブの形である。
【0021】
図6はペッサリー装置10を示す。ペッサリー装置10は、上部20、下部30、中央部分40、上部20の圧力領域50、下部30の圧力領域60、上部20から中央部分40まで延びる傾斜部80、中央部分40から下部30まで延びる傾斜部90、及び長手方向軸線(L)を含む。
図6に示されるように、ペッサリー装置10は、凸状部分110を含んでいる頂部100、凸状部分130を含んでいる底部120、凹状部分150を含んでいる側部140を有することができる。
図6に示されるように、ペッサリー装置10は、中空である内部200を有してもよい。更に、
図6に示されるように、ペッサリー装置10は、頂部100及び/又は底部120のうちの1つ又は2つ以上の上に開口部を有してもよい。
【0022】
ペッサリー装置10は、例えば
図7に示されるように、被覆材300及び/又は引き抜き部材310を含んでもよい。更に、
図7は、被覆材300に取り付けることができる引き抜き部材310を示す。
【0023】
ペッサリー装置は、例えばアプリケータの使用など、任意の適当な方式で挿入され得る。
図8は、挿入部材420及びプランジャ440を含んでいるアプリケータ410を示す。挿入部材420は、挿入端部421、及び挿入端部421とは反対側の引き抜き端部422を有している。挿入部材420はまた、ペッサリー装置を含んでいるように適合されたバレル領域450、及び把持部領域430を含むこともでき、この把持部領域は、挿入端部421とは反対側に設けられた、例えば引き抜き端部422に近接した窪み領域424であってもよい。把持部領域430は、1つ又は2つ以上の把持要素423を含んでいることができる。
【0024】
一般的に、ペッサリー装置は使用経験中に寸法が変わらない。すなわち、ペッサリー装置は、ユーザーによる挿入前、並びに使用中及び取り外し中で、寸法及び直径が同じである。例えば、ペッサリー装置は、その最初の寸法から膨張可能でない、又は拡張可能でなく、ペッサリー装置は、ユーザーの身体への挿入のために圧縮もされず、またユーザーの身体からの引き抜きのためにも圧縮されない。ペッサリー装置の一部分又は領域(例えば最小直径を有する領域など)は曲がってもよく、又は変形されてもよいが、ペッサリー装置は拡張せず、変形の後はその最初の形状に戻る。このため、ペッサリー装置は、ユーザーに対して、使用中(例えば、挿入前若しくは後、又は引き抜き前)にペッサリー装置の寸法若しくは形状の変更を要求するいずれかの機械的又は他の手段を含まない。これは、引き抜き時に、使用中と同じ寸法を有するペッサリー装置を提供し、これは使用中及び引き抜き時に、改善された快適性を提供することができる。
【0025】
ペッサリー装置は第1の幅及び第2の幅を有してもよく、第1の幅は第2の幅より大きい。第1の幅は、頂部、底部、又は両方に対応してもよく、第2の幅は中間区分に対応してもよい。更に、第1の幅を有する領域は、圧力に対して第1の抵抗を有してもよく、第2の幅を有する領域は圧力に対して第2の抵抗を有してもよく、第1の抵抗は第2の抵抗より大きい。例えば、第1の抵抗を有する領域は、第2の抵抗を有する領域の可撓性より大きい第1の可撓性を有してもよい。
【0026】
第1の幅を有する領域は凸状であってもよく、かつ膣壁を通じて尿道に圧力を提供するために、消費者の前膣壁と後膣壁との間に延びてもよい。更に、ペッサリー装置は、第2の幅と比較して、増加した幅を有する、第2の凸状部分を有してもよく、この第2の凸状部分は、第1の凸状部分から遠位の地点において、膣壁を通じて尿道に圧力を提供することができる。第1の凸状部分及び第2の凸状部分は、任意の適した距離によって、例えば少なくとも約5mm、少なくとも約10mm、少なくとも約15mm、少なくとも約20mm、少なくとも約25mm、少なくとも約30mm、少なくとも約35mm、少なくとも約40mm、少なくとも約45mm、少なくとも約50mm、又はいずれか他の適した距離によって分離されてもよい。
【0027】
ペッサリー装置は、例えば4つ以下の凸状部分、3つ以下の凸状部分、2つ以下の凸状部分、1つの凸状部分、又はいずれか他の適した数の凸状部分など、任意の適した数の凸状部分を有してもよい。
【0028】
第1の幅を有する領域は、膣壁(例えば葉又は他の突出部など)に圧力を提供する任意の適した形状(例えば凸状の形など)であってもよい。第1の幅を有する領域は、実質的に円形の断面を有してもよい。ペッサリー装置は、第2の幅を有する領域も含んでもよく、この第2の幅は、その領域において曲げ又は移動を可能にすることによって、ペッサリー装置に可撓性をもたらすことができる。第2の幅を有する領域は、例えば凹状(concave)、凹凸(indented)等など、任意の適した形状であってもよく、例えば実質的に円形の断面など、任意の適した断面を有してもよい。
【0029】
第1の幅を有する領域は、第1の可撓性を有してもよく、第2の幅を有する領域は第2の可撓性を有してもよく、第1の可撓性は第2の可撓性より大きい。可撓性は、ASTM−D 5420−04に従って、ガードナー衝撃試験機を使用するガードナー衝撃試験などによって、任意の適当な方式で測定することができる。
【0030】
ペッサリー装置は、女性の膣内部に配置されたときに抵抗力をもたらし得る。例えば、ペッサリー装置が、膣内に挿入されるとき、腹圧の上昇は、ユーザーの膣壁を通じてペッサリー装置に力として働く場合がある。ペッサリー装置が膣内に縦方向に配置されたとき、すなわち、ペッサリー装置の頂部が子宮頸管に向けて配置され、ペッサリー装置の底部が膣の入口に向けて配置され、ペッサリー装置の長さが全体的に膣の長さと位置合わせされているとき、腹圧の上昇は、ペッサリー装置の面に、ペッサリー装置の長さに対して垂直に作用し得る。勿論、ペッサリー装置の面への作用に加えて、あるいはその代わりに、腹圧の上昇は、例えば長さ方向以外の方向でペッサリー装置が膣内に挿入されるときなど、ペッサリー装置の他の領域に作用し得る。
【0031】
その小さな形状にかかわらず、ペッサリー装置は、約2ニュートンの力下で、約0.069MPa(10psi)超の、約0.103MPa(15psi)超の、約0.138MPa(20psi)超の、又は約0.172MPa(25psi)超の抵抗力を提供することができる。例えば、特定の実施形態では、ペッサリー装置は、約2ニュートンの力下において、約0.138MPa(20psi)超の抵抗力、約3ニュートンの力下において、約0.172MPa(25psi)よりも大きい抵抗力を提供することができる。ペッサリー装置は圧力下の圧縮に耐えることもできる。例えば、ペッサリー装置は、約2ニュートンの力下において、約20%未満、約2ニュートンの力下において、約15%未満、約2ニュートンの力下において、約14%未満、約2ニュートンの力下において、約13%未満、約2ニュートンの力下において、約12%未満、約2ニュートンの力下において、約11%未満、約2ニュートンの力下において、約10%未満、約2ニュートンの力下において、約9%未満、約2ニュートンの力下において、約8%未満、約2ニュートンの力下において、約7%未満、約2ニュートンの力下において、約6%未満、約2ニュートンの力下において、約5%未満、約2ニュートンの力下において、約4%未満、約2ニュートンの力下において、約3%未満、約2ニュートンの力下において、約2%未満、約2ニュートンの力下において、約1%未満圧縮し得る。例えば、ペッサリー装置は、約2ニュートンの力下において、約20%未満、約2ニュートンの力下において、約15%未満、約2ニュートンの力下において、約14%未満、約2ニュートンの力下において、約13%未満、約2ニュートンの力下において、約12%未満、約2ニュートンの力下において、約11%未満、約2ニュートンの力下において、約10%未満、約2ニュートンの力下において、約9%未満、約2ニュートンの力下において、約8%未満、約2ニュートンの力下において、約7%未満、約2ニュートンの力下において、約6%未満、約2ニュートンの力下において、約5%未満、約2ニュートンの力下において、約4%未満、約2ニュートンの力下において、約3%未満、約2ニュートンの力下において、約2%未満、約2ニュートンの力下において、約1%未満圧縮し得る。
【0032】
ペッサリー装置は、ペッサリー装置の長手方向軸に沿って様々な抵抗力を提供することができる。例えば、ペッサリー装置は、最大直径領域におけるものよりも大きく、並びに最小直径領域におけるものよりも小さい抵抗力を提供し得る。更に、ペッサリー装置は、長手方向軸に沿って、異なる領域において様々に圧縮することができる。例えば、力がペッサリーの側部に適用されたとき、最小直径領域は、同じ量の圧力下で(例えば、約1.96N/m
2(200g/m
2の力))、最大直径領域よりも少なくとも約5%多く、同じ量の圧力下で、最大直径領域よりも少なくとも約10%多く、同じ量の圧力下で、最大直径領域よりも少なくとも約15%多く、同じ量の圧力下で、最大直径領域よりも少なくとも約20%多く、同じ量の圧力下で、最大直径領域よりも少なくとも25%多く圧縮することができる。任意の適した量の力、例えば約1.96N/m
2(200g/m
2の力)〜約14.71N/m
2(1500g/m
2の力)、約1.96N/m
2(200g/m
2の力)〜約13.73N/m
2(1400g/m
2の力)、約2.94N/m
2(300g/m
2の力)〜約11.77N/m
2(1200g/m
2の力)、又は約3.92N/m
2(400g/m
2の力)〜約7.85N/m
2(800g/m
2の力)などが適用されてもよい。
【0033】
ペッサリー装置によって、全体としてもたらされている、又はペッサリー装置の様々な領域によってもたらされる力下において、抵抗力の量及び圧縮の量は、任意の適した方式で測定することができる。例えば、1つの適した方法は、計算機のインターフェースを備えたUniversal Constant Rate Elongation/Tensile Tester(MTS,Eden Prairie,MN)を使用する。この方法は、20mm/分の速度で、0.8mmにおいてその面にあるペッサリー装置を圧縮するのに必要とされる力を測定する。この方法に関して、負荷プロープ先端部は、直径が5mmであり、その先端部は半球状の形状である。更に、静止固定具は、直径が152mm及び厚さ13mmの円筒形のスチールプレートである。ペッサリー装置は、スチールテーブル上に配置され、クロスヘッドは20mm/分で移動する。ペッサリー装置上で2gの力が呈されるとき、クロスヘッドは自動的にゼロ設定となり、更に0.8mm移動する。プローブは戻り、データは100Hzの速度で取得される。この方法は、ピーク力(g)対圧縮量(mm)を測定する。様々な直径又は幅を有するペッサリー装置、例えば最大直径若しくは幅、並びに最小直径若しくは幅を有するペッサリー装置に関して、異なる領域における抵抗力は本方法を使用して測定することができる。例えば、
図1A及び1Bに示されるようなペッサリー装置に関して、最大幅領域W
1及びW
3における抵抗力は、静止固定具におけるペッサリー装置よりも寸法が大きいスチールプレートを使用して測定することができる。最小直径領域W
2における抵抗力は、最小直径領域にコンタクトするが、最大直径領域にはコンタクトしない単一ロッドを使用して測定することができる。
【0034】
概ね、圧力領域は、圧力領域がユーザーの膣壁に対して圧力を提供できるように、抵抗性であり得る。圧力領域は、ヒトの膣では典型的な高圧及び高応力下において、例えば膣壁を通じて、尿道に約0.034MPa(5psi)超の最大圧力、例えば約0.069MPa(10psi)超の、約0.103MPa(15psi)超の、約0.138MPa(20psi)超の、又は約0.172MPa(25psi)超の最大圧力を提供することによって抵抗をもたらす。更に、圧力領域は、約1.0mm超の、例えば、約1.1mm超の、約1.2mm超の、約1.3mm超の、約1.4mm、例えば、約1.5mm超のなど、約1.6mm超の、約1.7mm超の、約1.8mm超の、又は約1.9mm超の最大尿道閉鎖を提供してもよい。更に、又は別の方法としては、長手方向軸線に垂直な方向における最大幅の領域において、力が圧力領域の一方の面から、圧力領域の他方の面まで適用されるとき、0.0034MPa(0.5psi)下で測定された場合、圧力領域は約1mm未満圧縮し得る。
【0035】
尿道に対する最大圧力及び最大尿道閉鎖は、任意の適した方法、例えば米国特許出願公開第2007/0027667号に説明されている計算モデルを使用して測定することができる。例えば、ヒトの骨盤内部の環境をシミュレーションする計算モデルを使用することができる。特定の実施形態おいて、シミュレーションでは、13のノードが、矢状面で膣に向かって後壁上及び身体の中央での両方における尿道上で選択され得る。最初の点が尿道の底面縁部にあり、最後の点が膀胱頸部にある状態で、点は尿道の長さに沿って均等に広がっている必要がある。ノード対時間対ミーゼス応力は、例えばLS−Prepostなど、適したソフトウェアプログラムを使用して選択された全てのノードに関して得る必要がある。次いで、データカラムを一致させて、y位置対時間対ミーゼス応力を決定する。一般的に、シミュレーションの最終点にあるデータのみが選択され、y位置対ミーゼス応力が次いでプロットされる。
【0036】
他方では、可撓性領域は、圧力領域よりも可撓性であり、かつ圧力領域よりも小さい抵抗を提供する。可撓性領域の追加は、ペッサリー装置が横方向においてと同様に、長手方向軸線においても曲がるのを可能にする。例えば、力が頂部から底面まで長手方向軸線に沿って適用されるとき、0.0034MPa(0.5psi)下で測定された場合、ペッサリー装置は約1cm超圧縮し得る。更に、又は別の方法として、可撓性領域は、ペッサリー装置が左右に曲がるのを容易にする曲げ領域を提供することができる。
【0037】
ペッサリー装置は、一体型の構成体であってもよい。例えば、ペッサリー装置は、ペッサリー装置の外面全体を規定する、連続的な外側シェルを含んでいることができる。外側シェルは平滑又は非平滑であることができる。外側シェルは、例えば穴、孔、又は他の適した開口部を含んでいることによるなど、流体に対して透過性であってもよい。あるいは、外側シェルは、流体が装置に入ることができないように、流体に対して不透過性であってもよい。更に、ペッサリー装置は、頂部及び/又は底部における開口部を含んでもよい。特定の実施形態では、ペッサリー装置は頂部及び/又は底部における開口部を含んでもよく、かつ、外側シェルは頂部及び/又は底部における開口部を通じたものは除いて、流体が装置に入ることができないように、不透過性である。
【0038】
適したペッサリー装置は中実であってもよく、又は中空の内部を有してもよい。中空の装置に関して、ペッサリー装置は装置の総面積を規定する外周部及び装置の開口面積を規定する内周部を有してもよい。開口面積は任意の適した寸法、例えば総面積の約5%〜約95%など、例えば、総面積の約10%〜約90%など、総面積の約15%〜約85%、総面積の約20%〜約80%などあってもよい。更に、ペッサリー装置はペッサリーの形状を維持するのに適した壁厚を有してもよい。壁厚は約1mmよりも大きくてもよく、例えば約2mm、約3mm、約4mm、約5mm、又はそれより大きくてもよい。壁厚はペッサリー装置の長さに沿って、及び/又はペッサリー装置の周囲において一定であってもよく、又は様々であってもよい。
【0039】
ペッサリー装置は、長手方向軸線に沿って様々な幅を有する任意の適した形状、例えば長手方向軸に対して対称である様々な幅、例えば涙滴、林檎、梨、砂時計、腰部がくびれた円筒、数字の8の形状の形状、ピーナッツ形状、ハートの形状、電球の形状、ボトル形状、壺の形状、又は任意の他の好適な形状を有してもよい。更に、形状は様々な幅を有してもよく、並びに長手方向軸線及び横方向軸線に対して対称である、例えば砂時計、腰部のくびれた円筒、数字の8の形状の形状、ピーナッツの形状、又は任意の他の適した形状を有してもよい。あるいは、ペッサリー装置は、非対称の形状、例えばB形状又はP形状を有してもよい。例えばペッサリー装置は対称的な圧力領域及び非対称的な可撓性領域を有する場合など、ペッサリー装置は、1つの領域において対称であり、他の領域で非対称であってもよい。概して、ペッサリー装置は、ユーザーの尿道に沿って異なる圧力を提供することができる異なる幅を有してもよい。例えば、ペッサリー装置は、圧力領域に一致し得る凸状部分を有してもよい。更に、ペッサリー装置は凹部領域であり得る最小幅領域を有してもよい。凹部領域は、可撓性領域に一致してもよい。
【0040】
ペッサリー装置は砂時計の形状であってもよい。例えば、
図1〜2に示されるように、ペッサリー装置は、ウエストライン部分によって一緒に結合された上方部分及び下方部分を有してもよく、上方部分及び下方部分は、両方ともウエストライン部分の幅よりも大きい幅を有し、これによりペッサリー装置は概して砂時計の形状を有する。この形状において、ペッサリー装置の上方部分は頂部を有することができ、ペッサリー装置の下方部分は底部を有することができ、ペッサリー装置は、ウエストライン部分で頂部及び底部を結合する、傾斜した上方壁区分及び下方壁区分を有してもよい。更に、ウエストライン部分は、ペッサリー装置の最小幅を含むができる。例えば、上方部分が下方部分よりも大きい最大幅を有する場合、又は下方部分が、上方部分よりも大きい最大幅を有する場合など、上方及び下方部分は、概して同等の最大幅を有してもよく、又は上方部分及び下方部分は異なる最大幅を有してもよい。
【0041】
概して、ペッサリー装置は少なくとも1つの最大幅及び少なくとも1つの最小幅を含んでおり、ここでは最小幅は、最大幅よりも小さい。ペッサリー装置は、最大幅を有する第1の部分、最大幅を有する第2の部分、及び最小幅を有する第3の部分を含んでもよい。第1の部分の最大幅及び第2の部分の最大幅は、ペッサリー装置の長さの約10%よりも大きい距離、例えば約5mm超の、約10mm超の、約15mm超の、約20mm超の、約25mm超の、約30mm超の、約35mm超の、約40mm超の、約45mm超の、又はこれよりも大きい距離によって分離されている。特定の実施形態では、ペッサリー装置は尿道壁、膀胱頸部、又は両方において圧力を提供する。更に、特定の実施形態では、ペッサリー装置は、尿道壁、膀胱頸部、又は両方において、より高い圧力を提供し、あるいは尿道壁と膀胱頸部との間の領域において、より低い圧力を提供する。例えば、圧力領域は、可撓性領域によって提供される圧力よりも約25%高いレベルおいて、例えば約30%高い、約35%高い、約40%高い、約45%高い、約50%高い、約55%高い、約60%高い、又はそれよりも高いレベルで圧力を提供することができる。
【0042】
ペッサリー装置は、最大幅から最小幅までの傾斜部を有してもよい。例えば、約0.25mm、約0.5mm、約0.75mm、約1mm、約1.5mm、約2mm、約2.5mm、約3mm、約4mm、約5mm、約6mm、約7mm、約8mm、又はそれよりも大きい、例えば、約0.25mm〜約5mmの傾斜、又は約0.5mm〜約4mmの傾斜、又は任意の他の適した範囲を含め、任意の適した傾斜が使用されてもよい。
【0043】
適したペッサリー装置は典型的に、従来のペッサリー装置よりも寸法が小さい。例えば、ペッサリー装置は最大幅、長さ、及び/又は従来のペッサリー装置のものよりも小さい若しくは少ない容積を有する。
【0044】
ペッサリー装置は、例えば、35mm未満の最大幅など、例えば、34mm未満、33mm未満、32mm未満、31mm未満、30mm未満、29mm未満、28mm未満、27mm未満、26mm未満、25mm未満、24mm未満、23mm未満、22mm未満、21mm未満、20mm未満、19mm未満、18mm未満、17mm未満、16mm未満、15mm未満、14mm未満、13mm未満、12mm未満、11mm未満、10mm未満など、例えば、約10mm〜約35mm、約10mm〜約25mm、約13mm〜約25mm、又は約15mm〜約22mmの最大幅を含め、任意の適した最大直径を有してもよい。最大幅、又は幅は典型的に、長手方向軸に実質的に垂直なペッサリー装置の最大幅部分において測定される。
【0045】
ペッサリー装置は、最大幅の約40%〜約95%、最大幅の約40%〜約90%、最大幅の約40%〜約85%、最大幅の約40%〜約80%、最大幅の約45%〜約75%、又は最大幅の約50%〜約70%、例えば最大幅の約45%、最大幅の約50%、最大幅の約55%、最大幅の約60%、最大幅の約65%、最大直径の約70%を含め、最大幅よりも小さい任意の適した最小幅を有してもよい。
【0046】
ペッサリー装置は、約4mm〜約28mm、約5mm〜約20mm、約8mm〜約20mm、約8mm〜約18mm、又は約8mm〜約15mm、例えば、約8mm、約8.5mm、約9mm、約9.5mm、約10mm、約10.5mm、約11mm、約11.5mm、約12mm、約12.5mm、約13mm、約13.5mm、約14mm、約14.5mm、約15mm、約15.5mm、約16mm、約16.5mm、約17mm、約17.5mm、約18mm、約18.5mm、約19mm、約19.5mm、又は約20mmの最小幅、あるいは任意の他の適した最小幅を有してもよい。最小幅、すなわち直径は典型的に、長手方向軸に実質的に垂直なペッサリー装置の最も狭い部分において測定される。
【0047】
最大幅及び最小幅は、任意の適した距離によって例えば約5mm、約10mm、約15mm、約20mm、約25mm、約30mm、約35mm、約40mm、約45mm、約50mmなど、又は任意の他の適した距離によって分離されてもよい。
【0048】
ペッサリー装置は、例えば約35mm〜約60mm、約40mm〜約55mm、又は約40mm〜約50mm、例えば、約35mm、約36mm、約37mm、約38mm、約39mm、約40mm、約41mm、約42mm、約43mm、約44mm、約45mm、約46mm、約47mm、約48mm、約49mm、又は約50mmなど任意の適した長さを有してもよい。長さは典型的に、ペッサリー装置の長手方向軸線に実質的に並行に測定される。
【0049】
一般的に、ペッサリー装置は、約10グラム未満、約9グラム未満、約8グラム未満、約7グラム未満、約6グラム未満、約5グラム未満、約4グラム未満、約3グラム未満、約2グラム未満又は約1グラム未満の重量を有してもよく、例えば、約1グラム〜約7グラム、又は約2グラム〜約6グラム、約3グラム〜約5グラムの重量を含む。
【0050】
ペッサリー装置は、任意の適した材料及び方法を使用して作製することができる。例えば、ペッサリーは、高分子材料、例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリアクリルアミド、ポリホルムアルデヒド、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロクロロエテン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン、シリコ−ン、又はそれらの混合物若しくはブレンド、又は金属材料から形成されてもよい。特定の実施形態では、ペッサリー装置は、吸収性材料、例えば、ファイバー材料又は吸収性フォームから形成されない。
【0051】
ペッサリー装置は、任意の適した方式で、例えば射出成形又はペッサリー装置を形成する他の任意の方法を使用して形成されてもよい。
【0052】
ペッサリー装置は、被覆材によって被覆されてもよい。被覆材は、非吸収性又は吸収性であってもよく、任意の適した材料、例えば天然繊維、合成繊維、又は天然繊維及び合成繊維のブレンドを含む、繊維性不織布材料などを含むことができる。適した合成繊維は、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリル、酢酸セルロース、ポリヒドロキシアルカノエート、脂肪族エステル重縮合物、バイコンポーネント繊維、及び/又はそれらの混合物を含んでいることができる。天然繊維は、例えばレーヨン、並びに非合成及であると一般的に既知であるもの、及び、コットンなどの天然由来のものを含んでいることができる。繊維は任意の適した断面形状、例えば円形、三葉、多葉、デルタ、中空、リポン形状、及び/又は任意の他の適した形状、あるいはこれらの混合物を有することができる。任意の適した幅、例えば約0.5〜約50マイクロメートルなど、例えば約1〜約30マイクロメートルなど、例えば約10マイクロメートル〜約25マイクロメートルなどを備える繊維が使用されてもよい。繊維幅は、任意の適した手段を使用して測定されてもよい。しかしながら、非円形繊維に関しては、幅は典型的に、非円形繊維として同じ断面積を備える繊維の幅を参考にすることにより決定され得る。
【0053】
被覆材は、任意の数の適した技法によって作製されてもよく、任意の適した坪量を有してもよい。適した技法には、例えばカード、メルトブローイング、スパンボンディング、スパンレーシング、エアレイイング等が挙げられる。例えば、被覆材は、例えば、熱接合、超音波接合、樹脂接合、又はスルーエア接合、水流交絡、及び/又は穿刺を使用して形成されてもよい。被覆材の坪量は任意の適した重量、例えば平方メートル当たり約10〜約60グラム(gsm)、例えば約15〜約30gsmなどであってもよい。更に、被覆材は親水性又は疎水性であってもよい。
【0054】
被覆材は、任意の様々な手段によってペッサリー装置に結合されてもよい。被覆材は、それ自体に結合されても、又はペッサリー装置に結合されてもよい。例えば、被覆材の1つの部分は、被覆材の対向する部分に又はペッサリー装置に、任意の適した接着剤若しくは熱圧力接着手段を使用して結合されてもよい。このような接着剤は、取り付けの長さに沿って連続的に延びてもよく、又は接着剤は、非連続的な方式で個々のインターバルにおいて適用されてもよい。熱接合は、熱接着、溶融結合、又はこのような材料を結合するための任意の他の好適な手段を含む。
【0055】
ペッサリー装置は、例えば、コットン、セルロース、レーヨン、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのポリオレフィン、ナイロン、絹、ポリテトラフルオロエチレン、ワックス、又は任意の他の適した材料を含め、任意の適した材料を含んでいることができる引き抜き部材を含むことができる。
【0056】
引き抜き部材は、任意の適した形成方法によって、並びに任意の適した形状、例えば1つ以上のコード、糸、指用カバー、リボン、装置の材料の延長部、又はこれらの組み合わせにおいて形成されてもよい。
【0057】
ペッサリー装置は、挿入部材及びプランジャを含むことができるアプリケータを使用して挿入されてもよい。挿入部材は、挿入端部、及び、挿入端部とは反対側の引き抜き端部を有することができる。挿入部材はまた、ペッサリー装置を含んでいるように適合されたバレル領域、及び、把持部領域を含むこともでき、この把持部領域は、特定の実施形態では、挿入端部とは反対側に設けられた、例えば引き抜き端部に近接した窪み領域であり得る。
【0058】
挿入部材及び/又はプランジャは任意の適した材料から作製されてもよい。適した材料には、例えば、紙、板紙、厚紙、成形セルロースなどのセルロース、又はこれらの任意の組み合わせ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ナイロン、ポリイミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、エチレンビニルアセテート、ポリウレタン、シリコーン、これらの誘導体、これらのコポリマー、これらの混合物、又は任意の適した平滑なプラスチック材料が挙げられる。適したな材料の例は、例えば、米国特許第5,346,468号及び同第5,558,631号に開示される。特定の材料特性を変化又は向上させるために、材料内に添加剤を含ませることができる。適した添加物には、例えば金型離型剤、スリップ剤、表面エネルギー変性剤、パールエッセンス剤及び/又は任意のその他の適した添加剤が挙げられる。挿入部材はまた、あるいは別の方法として、挿入部材に高いスリップ特性を付与する物質、例えば、ワックス、ポリエチレン、ワックスとポリエチレンとの組み合わせ、セロハン、粘土、雲母及び快適な挿入を容易にすることができるその他の潤滑剤などでコーティングすることができる。あるいは、又は追加で、挿入部材は非平滑化表面を含むことができる。テクスチャは、任意の適した方式で、例えばテクスチャを内部にデザインすることによって、又は挿入部材にテクスチャを追加することによって提供されてもよい。
【0059】
挿入部材は、把持部領域、例えば窪み領域を含んでもよい。把持部領域は複数の三次元の表面要素、例えば突起、リング、隆起部、リブ、エンボス加工、凹部、溝、及び/又は他の把持構造体を有してもよい。三次元表面要素は、例えば材料の添加によって、及び/又は刻印によって、例えば表面のエンボス加工若しくは圧縮によってなど、任意の適した方式で提供されてもよい。例えば、窪み領域は、1つ又は2つ以上の平坦化された面、及び/又は装飾的なマーク若しくはキャラクターのための1つ又は2つ以上のスペース(例えばエンボス加工された及び/又は印刷されたマーク若しくはキャラクターなど)を含んでもよい。加えて、又は別の方法として、窪み領域の表面は、アプリケータを体内へ挿入する間に、ユーザーの指のために、摩擦抵抗をもたらし得る材料を含み得る。摩擦をもたらし得る適切な材料としては、例えば、研磨材、高湿潤摩擦係数材料、感圧性接着剤、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0060】
ペッサリー装置は毎日使用することができる。例えば、特定の実施形態では、ユーザーはペッサリー装置を挿入し、適した着用時間(例えば4時間まで、5時間まで、6時間まで、7時間まで、8時間まで、9時間まで、10時間まで、11時間まで、12時間まで、又はそれよりも長く)にペッサリー装置を着用し、ペッサリー装置を取り除き、ペッサリー装置を廃棄し、新しいペッサリー装置を挿入することができる。
【0061】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断りがない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0062】
「発明を実施するための形態」で引用された全ての文献は、その関連部分において参考として本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを認めるものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0063】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。