(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
静止画像や動画像を撮影する画像撮影手段と、前記画像や画像以外のテキストを送信する送信手段と、前記画像撮影手段と前記送信手段とを制御する制御手段と、該制御手段に対して前記画像撮影手段や前記送信手段を起動させるための起動信号を生成する起動信号生成手段を少なくとも備える携帯電話であって、前記起動信号生成手段は、前記画像撮影手段と前記送信手段とを通常起動させる1乃至複数の通常時用起動スイッチと、それ以外に前記画像撮影手段と前記送信手段とを緊急起動させる緊急時用起動スイッチとを少なくとも備え、前記緊急時用起動スイッチは、前記携帯電話の筐体の側面の所定領域を所定値以上の圧力で握った場合にON状態となる歪みスイッチで構成されると共に、該歪みスイッチを前記筐体の一対の側面にそれぞれ一つ設けてあり、且つ前記歪みスイッチを備える前記筐体の一対の側面を、凹凸のない平坦面で構成してあると共に、一対の前記歪みスイッチのどちらもが所定値以上の圧力で握られた場合に限って、前記緊急時用起動スイッチがON状態となるように構成してあり、前記制御手段は、前記通常時用起動スイッチによる起動信号を受信すると前記画像撮影手段と前記送信手段とを通常通り起動させる通常時用起動ソフトウェアと、前記緊急時用起動スイッチによる起動信号を一度受信すると前記画像撮影手段を起動させて画像を撮影すると共に撮影した画像を前記送信手段へ送信する動作と、前記送信手段を起動させて送信されてきた画像を登録してある特定の送信先へ送信する動作と、を一連の動作として途切れることなく行う緊急時用起動ソフトウェアとを備えることを特徴とする携帯電話。
請求項1に記載の携帯電話と、該携帯電話と電気通信回線を介して接続されて特定の送信先を構成するサーバとを備えてなる画像登録システムであって、前記サーバは、画像を記憶するための記憶部を備えると共に、緊急時用起動ソフトウェアが実行されて画像を受け取った場合には、受け取った画像を前記記憶部に記憶することを特徴とする画像登録システム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、各図面を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話及び携帯電話を利用した画像登録システムを説明し、本発明の理解に供する。しかし、以下の説明は特許請求の範囲に記載の本発明を限定するものではない。
【0014】
まず
図1〜
図3を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話10を説明する。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話10は、いわゆるスマートフォンである。
この携帯電話10は、
図1(a)に示すように、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、画像撮影部16と、起動信号生成部17とで構成される。
【0016】
前記制御部11は、CPU(Central Processing Unit)からなり、携帯電話10の制御や各種処理を行わせるためのプログラムやソフトウェアを保有すると共に、携帯電話10の制御や各種処理を実行させるためのものである。
本実施形態における携帯電話10においては、特に通常時に画像撮影部16と通信部13とを通常通り起動させる通常時用起動ソフトウェアと、緊急時に画像撮影部16を起動させて画像を撮影すると共に、撮影した画像を通信部13へ送信し、且つ通信部13を起動させて送信されてきた画像を登録してある特定の送信先へ送信する緊急時用起動ソフトウェアとの二つのソフトウェアを、制御部11に備える構成としてある。
勿論、携帯電話10は上記プログラムやソフトウェアに限らず、通常の携帯電話が備えるプログラムやソフトウェアも備えるものである。
なお、この制御部11は本発明の制御手段を構成するものである。
【0017】
前記記憶部12は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)を含み、携帯電話10に付与されている固有の識別番号データ等の各種データや撮影した画像等を記憶するためのものである。
【0018】
前記通信部13は、電気通信回線を介してサーバ等、他の電気通信機器との間で各種データの送受信や各種処理コマンドの送信を行う機能やセキュリティ機能を携帯電話10に付与するためのものである。
なお、この通信部13は本発明の送信手段を構成するものである。
【0019】
前記表示部14は、主として、携帯電話10で入出力を行う各種データや、他の電子通信機器との間で送受信する各種データを表示するためのもので、LCD(Liquid Crystal Display)等からなる、
図1(b)に示すディスプレイ14aと、これを駆動するためのディスプレイ駆動回路を備える。このディスプレイ駆動回路は、携帯電話10が受信した信号データに基づいてディスプレイ14aを駆動する。これによってディスプレイ14aに画像データや文字データ等の各種情報が表示される。
なお、表示されるデータは、画像データ、文字データ、音声データ、動画データ等、如何なる形式のデータであってもよい。
【0020】
前記操作部15は、携帯電話10の各種操作や各種指示を行うためのもので、例えばタッチパネルや操作ボタン等で形成される。
本実施形態に係る携帯電話10おいては、
図1(b)、(c)に示すように、ディスプレイ14aを兼ねたタッチパネル15aと、操作ボタン(図示しないタッチパネル15a上のアイコン等)とを備え、これらタッチパネル15aと操作ボタンとを用いてテキストデータの入力や各種操作と各種指示とが行われる。
【0021】
前記画像撮影部16は、静止画像や動画
像を撮影するためのもので、本発明の画像撮影手段を構成するものである。
この画像撮影部16は、
図2に示すように、光を入力させるレンズ16aと、光を電気信号に変換するCCD(受光素子)16bと、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換部16cと、デジタル信号から画像データを作成する画像処理部16dと、符号化により画像データを圧縮する画像圧縮部16eと、圧縮された画像データを一次的に格納する送信部16fとで構成される。
なお、このような構成からなる画像撮影部16による動作は、後述する通常時用画像撮影部起動スイッチ17aや緊急時用起動スイッチ17cによって開始される。
【0022】
具体的には、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aや緊急時起動スイッチ17cが押圧されると起動信号生成部17で生成された起動信号が制御部11に送られ、制御部11が起動ソフトウェアを起動させることで、レンズ16aから光が入力される。そして入力された光は、CCD16bにおいて電気信号に変換され、CCD16bからの出力はA/D変換部16cでデジタル信号に変換される。次に画像処理部16dにおいて、補正等の所定の画像処理が施されて画像データが作成される。前記作成された画像データは、画像圧縮部16eにより圧縮されて送信部16fに格納される。
そして送信部16fに格納された画像データは、制御部11の指示に基づいて、記憶部12に記憶されたり、通信部13を介して特定の送信先へ送信されたりされる。また圧縮された画像データは、携帯電話10や特定の送信先に備える伸長部(図示しない)によって画像データが復号化されて閲覧可能とされる。
【0023】
前記起動信号生成部17は、制御部11に対して、画像撮影部16や通信部13を起動させるための信号を生成するためのものである。
本実施形態においては、前記起動信号生成部17と、通常時に画像撮影部16と通信部13とを通常起動させる通常時用撮影画像起動スイッチ17a、通常時用通信部起動スイッチ17bと、緊急時に画像撮影部16と通信部13とを緊急起動させる緊急時用起動スイッチ17cとから起動信号生成手段が構成される。
なお、ここで「通常時」とは画像の撮影や画像の送信に緊急性を要しないときを意味するもので、「緊急時」とは画像の撮影や画像の送信に緊急性を要するときを意味するものである。
【0024】
図1(b)、(c)に示すように、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aと通常時用通信部起動スイッチ17bとは、押しボタンスイッチで構成してある。また緊急時用起動スイッチ17cは、携帯電話10の筐体Kの外面を所定値以上の圧力で握った場合にON状態となる圧力スイッチで構成してある。更に圧力スイッチとして、歪みスイッチを用いる構成とすると共に、筐体Kの一対の側面K1に緊急時用起動スイッチ17cをそれぞれ一つ設ける構成としてある。
加えて、一対の緊急時用起動スイッチ17cは、一対の緊急時用起動スイッチ17cのどちらもが所定値以上の圧力で握られた場合に限ってON状態となる構成としてある。勿論、このような構成に限るものではなく、何れか一方の緊急時用起動スイッチ17cが所定値以上の圧力で握られた場合にON状態となる構成としてもよい。
【0025】
緊急時用起動スイッチ17cがON状態となる圧力値は、携帯電話10を利用する人の性別、年齢等によって適宜変更可能である。しかしながら緊急時用起動スイッチ17cは、あくまで緊急時に利用するものであることから、携帯電話10の利用者が筐体Kの側面K1を普通に握った状態でON状態になるのではなく、側面K1を通常よりも強く握った状態でON状態となる圧力値とすることが望ましい。
なお、緊急時用起動スイッチ17cは携帯電話10の筐体Kの外面に備えるのであればよく、特にその配置位置は限定されるものではないが、所定値以上の圧力で握ることを考慮すれば、本実施形態のように筐体Kの側面K1に設けるのがよい。また緊急時用起動スイッチ17cの配置数、配置面積等も本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。
【0026】
これら起動スイッチが押圧されることで、画像撮影部16や通信部13を起動するための信号が起動信号生成部17で生成されて制御部11に送信される。そして制御部11は、受け取った信号の種類に応じて、画像撮影部16や通信部13を起動させて各動作を行わせる。
【0027】
以下において、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aと通常時用通信部起動スイッチ17bとを用いて、画像を撮影、送信する場合の動作の流れを説明する。
【0028】
まず通常時用画像撮影部起動スイッチ17aが押圧された場合には、画像撮影部16を通常に起動させるための通常時用画像撮影部起動信号が起動信号生成部17で作成されて、制御部11に送信される。そして制御部11が通常時用画像撮影部起動信号を受信することで、制御部11は通常時用起動ソフトウェアを実行させる。
本実施形態においては、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを一回押圧することで、携帯電話10の画像撮影部16を起動させて、一般的な携帯電話と同様に、撮影スタンバイ状態となる。そして、もう一度通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押圧することで、シャッターが切られ、静止画像が一枚撮影されて撮影を終了させる。また撮影された画像は、一般的な携帯電話と同様に、記憶部12に記憶される。
なお本実施形態においては、静止画を複数枚撮影する場合は、撮影スタンバイ状態となった後、シャッターとしての通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを撮影したい枚数分押圧する必要がある。しかしながら、このような構成に限るものではない。例えば撮影スタンバイ状態となった後、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを一回押圧することで連続撮影を行い、その後撮影を終了させるような構成としてもよい。また撮影スタンバイ状態となった後、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押し続けることで、連続撮影を行い、スイッチから手を離すことで撮影を終了させるような構成としてもよい。
一方、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを数秒以上(例えば5秒以上)押圧する場合には、動画像の撮影スタンバイ状態となる。そして、もう一度通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押圧することで、動画の撮影が開始される。更にもう一度、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押圧することで、動画の撮影を終了させる。撮影された動画は、一般的な携帯電話と同様に記憶部12で記憶される。
なお本実施形態においては、動画の撮影時と終了時とに、それぞれ通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押圧する構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではない。例えば動画の撮影時に通常時用画像撮影部起動スイッチ17aを押し続けることで動画撮影を継続させることができ、スイッチから手を離すことで動画撮影を終了させるような構成としてもよい。
【0029】
また通常時用通信部起動スイッチ17bが押圧された場合には、通信部13を通常に起動させるための通常時用通信部起動信号が起動信号生成部17で作成されて、制御部11に送信される。そして、制御部11が通常時用通信部起動信号を受信することで、制御部11は通常時用起動ソフトウェアを実行させる。
本実施形態においては、通信部13を起動させて、一般的な携帯電話と同様に、記憶部12に記憶してある静止画像や動画像を選択可能な状態とする。そしてタッチパネル15aや操作ボタン(アイコン)を用いて、送信したい画像と送信先とを選択決定した後、もう一度通常時用通信部起動スイッチ17bを押圧することで、指定した送信先へ指定した画像が送信される。
【0030】
次に
図3を参照しつつ、緊急時用起動スイッチ17cを用いて画像を撮影、送信する場合の動作の流れを説明する。
【0031】
まずステップS1において、緊急時用起動スイッチ17cが一回押圧されると(ステップS1でYes)、制御部11は押圧された秒数の確認を行う(ステップS2)。具体的には、緊急時用起動スイッチ17cが押圧された時間が5秒未満であるか否かの確認を行う。
そして緊急時用起動スイッチ17cが押圧された時間が5秒未満である場合(ステップS2でYes)は、ステップS3以下の静止画像を撮影する場合の処理を制御部11が実行する。
一方、緊急時用起動スイッチ17cが押圧された時間が5秒以上である場合(ステップS2でNo)は、ステップS4以下の動画像を撮影する場合の処理を制御部11が実行する。
なお、ステップS5以下の処理は、撮影する画像の種類を除いて、静止画像と動画像とで同様の動作となるため、以下においては、静止画像を撮影する場合の説明のみを行うものとする。
【0032】
ステップS3において、緊急時用起動スイッチ17cが押圧された時間が5秒未満であることを制御部11が確認すると、制御部11は、画像撮影部16と通信部13とを緊急起動させるための緊急時用画像撮影部起動信号と、緊急時用通信部起動信号とを起動信号生成部17に作成させる。そして作成された緊急時用画像撮影部起動信号と、緊急時用通信部起動信号とが、制御部11へ送信される(ステップS5)。
【0033】
そして作成された緊急時用画像撮影部起動信号と、緊急時用通信部起動信号とを制御部11が受信したか否かの確認が行われる(ステップS6)。なお、この処理において制御部11が信号を受信したことの確認がとれない場合(ステップS6でNo)は、再度ステップ5に戻り処理が行われる。
制御部11が信号を受信したことの確認がとれた場合(ステップS6でYes)は、制御部11が画像撮影部16を起動させる(ステップS7)。次に既述した撮影の流れに沿って画像撮影部16により静止画像の撮影が行われる(ステップS8)。
【0034】
その後、静止画像の撮影ができたか否かの確認が行われる(ステップS9)。具体的には、送信部16fに静止画像が一時的に格納されたか否かの確認が行われる。なお、この処理において送信部16fに静止画像が一時的に格納されたことの確認がとれない場合(ステップS9でNo)は、再度ステップ8に戻り処理が行われる。
静止画像の撮影ができたことの確認がとれた場合(ステップS9でYes)は、送信部16fが静止画像を通信部13へと送信する(ステップS10)。
【0035】
その後、通信部13が静止画像を受信したか否かの確認が行われる(ステップS11)。なお、この処理において通信部13が静止画像を受信したことの確認が取れない場合(ステップS11でNo)は、再度ステップS10に戻り処理が行われる。
通信部13が静止画像を受信したことの確認がとれた場合(ステップS11でYes)は、通信部13が受信した画像を特定の送信先へ送信する(ステップS12)。
【0036】
以上により、緊急時用起動スイッチ17cを用いて静止画像を撮影、送信する場合の動作が終了する。
【0037】
上記のように緊急時起動スイッチ17cを用いた場合には、画像撮影部16による画像の撮影と、通信部13による特定の送信先への画像の送信との二つの動作が、一連の動作として途切れることなく迅速に行われる。
【0038】
次に
図4、
図5を参照して、本発明の実施形態に係る画像登録システム100を説明する。
本画像登録システム100は、携帯電話10において、緊急時用起動スイッチ17cを用いて画像の撮影が行われた場合に、携帯電話10から特定の送信先へと画像を送信すると共に、送信された画像を特定の送信先で保存するためのシステムである。
【0039】
この画像登録システム100は、携帯電話10と、サーバ20と、親族端末30と、関係機関端末40とで構成される。なお、サーバ20と親族端末30と関係機関端末40とは、本実施形態において携帯電話10の特定の送信先となるものである。
また、ここで「親族端末」とは、携帯電話10の利用者1と親族関係にある者が利用する端末を意味する。本実施形態においては、親族端末30として、緊急時起動スイッチの構成を除いて携帯電話10と同様の構成を備えるスマートフォンを用いる構成としてある。
更に「関係機関端末」とは、携帯電話10の利用者1が緊急時起動スイッチ17cを用いて画像の撮影、送信を行った場合に、送信される画像を保存しておくことが望ましい関係にある端末を意味するものである。例えば携帯電話10の利用者1が小学生であり、防犯上の理由で緊急時起動スイッチ17cを利用することを想定する場合には、利用者1が所属している学校の端末や、警察等の捜査機関の端末を関係機関端末40とすることができる。
本実施形態においては、
図4に簡略化して示すように、利用者1を小学生とし、親族端末30を利用者1の母親3が所有する端末、関係機関端末40を利用者1が通う小学校に設置されている端末として、以下の説明を行うこととする。
【0040】
前記サーバ20は、画像登録システム100の運営者が管理するサーバで、画像登録システムを管理、運営する機能を有するものである。また
図4に示すように、電気通信回線50を介して携帯電話10と接続されており、既述した緊急時用起動スイッチ17cを介して画像の撮影、送信が行われた場合に、特定の送信先の一つを構成するものである。
なお、ここで「運営者が管理する」とは、運営者が直接的に管理する場合と、運営者が間接的に管理する場合の両方を含む概念である。より具体的には、運営者が自ら所有するサーバ20で本システムを管理、運用する場合と、第三者が所有するサーバ20を用いて本システムを管理、運用する場合の両方を含む概念である。
【0041】
このサーバ20は、
図5(a)に示すように、主として制御部21と、記憶部22と、通信部23とで構成される。
【0042】
前記制御部21は、画像登録システム100を運営、管理するプログラムやソフトウェアを保有すると共に、本システムを運営、管理するための所定の処理を実行する機能を有するものである。本実施形態においては、緊急時用起動ソフトウェアが実行されて画像を受け取った場合には、受け取った画像を記憶部22に記憶すると共に、親族端末30と関係機関端末40とに送信するソフトウェア等を主として備える。
【0043】
また本実施形態においては、制御部21は、主に以下の処理を行う。
具体的には、携帯電話10において、緊急時用起動スイッチ17cを介して画像の撮影、送信が行われた場合に、受け取った画像を記憶部22に記憶させる処理を行う。この際、サーバ20は、受けとった画像と、携帯電話10に固有の識別番号と、受け取った日時とを紐付けて記憶部22に記憶させることが望ましい。
また受け取った画像を親族端末30と関係機関端末40へと送信する処理を行う。つまり本システムにおいては、緊急時用起動スイッチ17cを介して携帯電話10から画像が送信された場合、まずサーバ20へ画像が送信されて、その後、親族端末30と関係機関端末40とに画像が送信される構成としてある。
【0044】
また本実施形態においては、制御部21は、既述した各処理に加えて、携帯電話10、親族端末30、関係機関端末40が、サーバ20の照合を得ることが必要なデータ(固体識別番号データやパスワード等)についての認証も行う。例えば携帯電話10、親族端末30、関係機関端末40が記憶部22に記憶されている画像の閲覧請求を行った場合等に認証処理を行う構成とすることができる。
【0045】
勿論、本システムを運営、管理するために制御部21が行う処理は、上記に限るものではなく、適宜変更、追加が可能である。
【0046】
前記記憶部22は、携帯電話10、親族端末30、関係機関端末40に関わる情報等、予めサーバ20に記憶させておくデータや、追加・修正のあったデータ等を記憶させておく機能を有するものである。
本実施形態においては、
図5(b)に示すように、記憶部22は、利用者1や利用者1が利用する携帯電話10に関する情報を記憶する利用者データベース22aと、親族端末30や親族端末30を利用する母親3に関する情報を記憶する親族端末情報データベース22bと、関係機関端末40や関係機関端末40を利用する者に関する情報を記憶する関係機関端末情報データベース22cとを備える。
【0047】
前記通信部23は、電気通信回線50を介して携帯電話10、親族端末30、関係機関端末40との間で各種データの送受信を行う機能を有するものである。
【0048】
前記親族端末30は、緊急時用起動スイッチの構成を除き、既述した携帯電話10と同一部材、同一機能の構成を備える。例えば
図4に示すように、ディスプレイ34a、タッチパネル35a、通常時用画像撮影部起動スイッチ37a、通常時用通信部起動スイッチ37b等を備える。従って親族端末30が備える構成の詳細説明は、省略するものとする。
【0049】
前記関係機関端末40は、既述したように、利用者1である小学生が通う学校の端末である。本実施形態においては、学校の端末として、いわゆるデスクトップ型のコンピュータを用いる構成としてある。
この関係機関端末40は、
図5(c)に示すように、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、操作部45とで構成される。また
図4に示すように、制御部41としてハードディスク41aを備え、表示部44としてディスプレイ43aを備え、操作部45としてキーボード45aを備える。
【0050】
なお、緊急時起動スイッチに関する機能と、タッチパネルに関する機能を除いて、制御部41と、記憶部42と、通信部43と、表示部44と、操作部45の各機能は、既述した携帯電話10の制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と同様のものであることから、詳細な説明は省略するものとする。
【0051】
次に
図4を参照して、画像登録システム100の動作の流れを説明する。
【0052】
まず、利用者1が携帯電話10の緊急時起動スイッチ17cを押圧して、画像の撮影と特定の送信先への画像の送信とを行う。
すると撮影された画像は、電気通信回線50を介して、携帯電話10の通信部13からサーバ20へ送信されて、サーバ20の記憶部22に記憶される。
またサーバ20は、受け取った画像を、通信部23から電気通信回線50を介して親族端末30と関係機関端末40とに送信する。
そして親族端末30と関係機関端末40とは、サーバ20から送信された画像を受け取り、各記憶部に記憶させる。
これによって、親族端末30を利用する母親3と関係機関端末40を利用する学校の教師等とが、利用者1が撮影した画像を自由に閲覧可能な状態とすることができる。また利用者1が携帯電話10を破損した場合や紛失した場合でも、親族端末30と関係機関端末40とで撮影した画像を確実に保存することができる。
【0053】
このような構成からなる本発明の実施形態に係る携帯電話10と画像登録システム1000とは、以下の効果を奏する。
【0054】
通常時用起動スイッチ17a、17bと緊急時用起動スイッチ17cとを備える構成とすることで、通常時には、画像の撮影と画像の送信とを通常の操作で行うことができることに加えて、緊急時には、画像の撮影と特定の送信先に対する撮影した画像の送信とを、一連の動作として途切れることなく瞬時に行うことが可能な携帯電話10とすることができる。
【0055】
またサーバ20の構成として、画像を記憶するための記憶部22を備えると共に、緊急時用起動スイッチ17cによる緊急時用起動ソフトウェアが実行されて画像を受け取った場合には、受け取った画像を記憶部22に記憶する構成とすることで、緊急時に携帯電話10で撮影した画像を、携帯電話10以外の他の保存先で確実に保存可能なシステムを構築することができる。
よって利用者1である小学生が不審者に遭遇した場合においては、緊急時用起動スイッチ17cの一つのボタンを一度押圧するだけで、不審者の画像の撮影と、親族端末30と関係機関端末40への撮影した画像の送信とを、瞬時に完了することができる。従って母親3や学校の教師等が、不審者の情報を即座に共有可能なシステムを実現することができる。また不審者が利用者1の携帯電話10を破損したり、破棄したりした場合においても、親族端末30や関係機関端末40に画像が確実に保存されるシステムとすることができる。よって証拠の隠滅を確実に防止できるシステムを実現できることで、犯罪抑止効果を飛躍的に高めることができる携帯電話10及び画像登録システム100とすることができる。つまり、防犯上極めて有益な携帯電話10及び画像登録システム100とすることができる。
【0056】
また携帯電話10の筐体Kの外面に緊急時用起動スイッチ17cを設ける構成とすることで、緊急時用起動スイッチ17cを容易且つ迅速にON状態にすることが可能な携帯電話10とすることができる。
【0057】
更に筐体Kの外面を所定値以上の圧力で握った場合にON状態となる圧力スイッチで緊急時用起動スイッチ17cを構成することで、緊急時用起動スイッチ17cを一段と容易且つ迅速にON状態にすることが可能な携帯電話10とすることができる
【0058】
次に
図6を参照して、本発明の実施形態に係る携帯電話10の変形例を説明する。
本変形例は、既述した本発明の実施形態に係る携帯電話10に対して、緊急時用起動スイッチ17cの構成を変形したものである。その他の構成は、既述した本発明の実施形態に係る携帯電話10と同様であることから、同一部材、同一機能を果たすものには、同一番号、同一アルファベットを付し、以下詳細な説明は省略するものとする。
【0059】
本変形例においては、筐体Kの一対の側面K1に、それぞれ一つ設けた押しボタンスイッチで緊急時用起動スイッチ17dを形成する構成としてある。加えて、二つの押しボタンスイッチを同時に押圧した場合に、制御部11が、画像撮影部16と通信部13とを緊急起動させるための緊急時用画像撮影部起動信号と、緊急時用通信部起動信号とを起動信号生成部17に作成させる構成としてある。
このような構成とすることで、緊急時用起動スイッチ17dを一段と容易且つ迅速にON状態にすることができることに加えて、緊急時用起動スイッチ17dの誤作動を効果的に防止することができる。
【0060】
なお、既述した本発明の実施形態においては、携帯電話10としてスマートフォンを用いる構成としたが、必ずしもこのような構成に限るものではなく、スマートフォン以外の他の携帯電話を用いる構成としてもよい。つまり本発明における「携帯電話」とは、通話機能に加えて、静止画像や動画
像を撮影できる機能と、撮影した画像を第三者の携帯電話等の電子機器に送信できる機能とを少なくとも備えるものであれば、如何なる携帯電話も含む概念である。
【0061】
また既述した本発明の実施形態においては、静止画像と動画像との撮影種類を切り替えるための構成として、緊急時用起動スイッチ17c(緊急時用起動スイッチ17d)を5秒未満で一回押圧した場合には静止画像の撮影を行い、5秒以上で一回押圧した場合には動画像の撮影を行う構成としたが、このような構成に限るものではなく、静止画像と動画像との切り替えができる構成であれば、如何なる構成であってもよい。例えば静止画像と動画像との撮影の切り替えを、緊急時用起動スイッチ17c(緊急時用起動スイッチ17d)を押圧する回数で切り替える構成としてもよい。
また静止画像と動画像との撮影は、必ずしも切り分けて実行することが必要なものではない。例えば緊急時用起動スイッチ17c(緊急時用起動スイッチ17d)を押圧することで、まず静止画像の撮影を行い、その後、自動的に動画像の撮影に移行した後、撮影を終了させるような構成としてもよい。またその逆に、まず動画像の撮影を行い、その後に自動的に静止画像の撮影に移行した後、撮影を終了させるような構成としてもよい。
【0062】
また緊急時用起動スイッチ17c、17dの構成も、既述した歪みスイッチと、押しボタンスイッチに限るものではなく、他のスイッチを用いる構成としてもよい。
【0063】
本実施形態においては、画像撮影手段と送信手段とを通常起動させる通常時用起動スイッチとして、通常時用画像撮影部起動スイッチ17aと通常時用通信部起動スイッチ17bとの二つのスイッチを設ける構成とした。しかしながら、画像撮影手段と送信手段とを通常起動させる通常時用起動スイッチの構成や、数は本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。例えば通常時用起動スイッチ17a、17bをタッチパネル上に表示されるアイコンとすることも可能である。
【0064】
また緊急時用起動スイッチ17c(緊急時用起動スイッチ17d)を介して携帯電話10から画像が送信される特定の送信先も、本実施形態のものに限るものではなく、適宜変更可能である。例えば警察等の捜査機関とすることができる。また日本国内の送信先に限らず、海外の送信先に画像を送信するような構成であってもよい。このような構成とすることで、一段と有益なシステムとすることができる。
【0065】
つまり本発明の携帯電話及び携帯電話を利用した画像登録システムは、瞬時に画像を撮影することができると共に、撮影した画像を瞬時に特定の送信先へ送信し、確実に保存することができることから、不審者による犯罪、強盗、痴漢、暴力事件の現場等、各種犯罪現場での証拠保全に有効に利用することができる。また災害発生時における記録にも有効に利用することができる。更に野生動物植物の貴重な一瞬の映像の撮影にも有効に利用することができる。従って瞬時に画像の撮影が必要で、撮影した画像を確実に保存しておく必要がある、あらゆる場面で有効に利用できる携帯電話及び携帯電話を利用した画像登録システムとすることができる。
【課題】通常時には画像の撮影と送信とを通常操作で行うことができ、緊急時には画像の撮影と画像の送信とを一連の動作で迅速に行うことができる携帯電話の提供、及び緊急時に携帯電話で撮影した画像を携帯電話以外の他の保存先で容易且つ確実に保存可能な画像登録システムの提供を課題とする。
【解決手段】画像撮影手段と、送信手段と、制御手段と、起動信号生成手段を少なくとも備える携帯電話であって、起動信号生成手段は、画像撮影手段と送信手段とを通常起動させる1乃至複数の通常時用起動スイッチと、画像撮影手段と送信手段とを緊急起動させる緊急時用起動スイッチとを少なくとも備え、制御手段は、画像撮影手段と送信手段とを通常通り起動させる通常時用起動ソフトウェアと、画像撮影手段で画像を撮影すると共に送信手段でその画像を登録してある特定の送信先へ送信する緊急時用起動ソフトウェアとを備える。