【実施例1】
【0031】
図2には、本発明に係る熱源装置の一実施例のシステム構成が模式的に示されている。同図において、集熱器1内には、集熱器1内の液体の温度を検出することにより、集熱器1で集熱された液体の温度を検出する集熱器内液温検出手段5が設けられており、集熱器1には、集熱器1を通して、図の矢印Aに示すように、液体を循環させる液体循環通路3が接続されている。液体循環通路3には、液体循環ポンプ4と、シスターン33と、三方弁10と、戻り温検出手段32が設けられている。シスターン33には水位電極34が設けられており、シスターン33には大気開放通路35が接続されている。
【0032】
液体循環通路3は、液−液熱交換器9を介して湯水循環通路(追い焚き循環通路)7に熱的に接続されている。湯水循環通路7は、浴槽27に接続されて浴槽湯水を循環させる通路であり、湯水循環通路7には、風呂温度センサ39が設けられるとともに、補助加熱手段としての補助加熱装置29が接続されている。
【0033】
また、液体循環通路3は、その途中部が貯湯槽2内の下部側に通された貯湯槽内通過通路11を成し、貯湯槽内通過通路11と貯湯槽2とにより液−液熱交換器が形成されており、それにより、液体循環通路3は貯湯槽2と熱的に接続されている。前記戻り温検出手段32は、液体循環通路3の貯湯槽2との熱的接続部(ここでは、貯湯槽内通過通路11)に導入される液体の温度を検出する貯湯槽接続部導入液温検出手段として機能する。なお、液体循環通路3を循環させる液体は、湯水としてもよいし、例えば不凍液等の湯水以外の液体としてもよい。
【0034】
貯湯槽2には、貯湯槽2内の湯水温を検出する貯湯槽内湯水温検出手段6が、貯湯槽2の上下方向に互いに間隔を介して複数(
図2では4個)設けられている。また、貯湯槽2の上部には、貯湯槽2の湯を外部に給湯するための給湯路12が接続され、貯湯槽2の下部には貯湯槽2への給水路13が接続されており、給水路13と給湯路12とは、バイパス通路23と混合弁19を介して接続されている。バイパス通路23には、入水温度を検出するサーミスタ24と逆止弁25とが介設されている。給水路13には、逆止弁26、減圧弁36、水フィルタ37、手動により開閉する給水弁38が設けられている。
【0035】
また、給湯路12には、サーミスタ14、電磁弁15、バキュームブレーカ18、水流センサ20、サーミスタ21,22が設けられており、給湯路12から分岐した分岐通路12aに、排水電磁弁16、圧力逃がし弁17が設けられている。給湯路12の先端側には、前記補助加熱装置29が接続されており、同図には図示されていないが、補助加熱装置29内には、給湯路12を通って補助加熱装置29に導入される湯水を、必要に応じて太陽光の熱を利用せずにガスの燃焼によって加熱して出湯通路28から出湯するようにする補助給湯用の回路と、前記湯水循環通路7を通って循環する湯水を必要に応じて太陽光の熱を利用せずにガスの燃焼によって加熱する補助追い焚き用の回路とが設けられている。
【0036】
つまり、例えば
図3に示すように、補助加熱装置29には、ガス燃焼のバーナ装置52,53が設けられており、バーナ装置52にはガス管55aが、バーナ装置53にはガス管55bがそれぞれ接続されている。バーナ装置52は給湯バーナ装置であり、このバーナ装置52の上側には給湯熱交換器56が設けられている。給湯熱交換器56の入側は管路58を介して前記給湯路12に接続されており、管路58には流量センサ59と入湯水温度センサ60が設けられている。給湯熱交換器56の出側には給湯温度センサ61と出湯通路28が設けられており、出湯通路28は注水通路(注湯水通路)62を介して湯水循環通路7に接続されている。注水通路62には、電磁弁により形成された注水弁(注湯水弁)63と流量センサ64が介設されている。
【0037】
前記バーナ装置53は追い焚きバーナ装置であり、このバーナ装置53の上側には追い焚き熱交換器57が設けられて、湯水循環通路7に設けられている。湯水循環通路7には、湯水循環通路7を通して湯水を循環させる湯水循環ポンプとしての浴槽湯水循環ポンプ(追い焚き循環ポンプ)8と、湯水循環通路7の湯水の流れを検知する流水スイッチ48と、流水スイッチ48に内蔵された風呂温度センサ(図示せず)と、浴槽湯水の水位を圧力変動に基づいて検出する水位センサ49とが設けられている。なお、補助熱源装置29には、空気の給排気用のファン(図示せず)が設けられており、バーナ装置52,53の燃焼時には、このファンが駆動される。
【0038】
浴槽湯水循環ポンプ8を駆動させることにより、
図2、
図3の矢印Cに示すように、湯水循環通路7を通して浴槽湯水が循環し、この浴槽湯水の循環と、
図2の矢印Aに示した液体循環通路3を通しての液体の循環とを行うことにより、液−液熱交換器9を介して、浴槽湯水と液体循環通路3内の液体との熱交換が行われ、集熱器1で集熱した熱を利用した浴槽水の加熱が行われる。なお、この動作についての詳細は、後述する。
【0039】
また、本実施例の熱源装置は、
図1に示す特徴的な制御構成を備えている。この制御構成は、熱源装置(熱源機)本体側に設けられた制御装置41と、制御装置41に信号接続されたリモコン装置40とを有しており、リモコン装置40と制御装置41には、いずれも通信回路(図示せず)が設けられている。この通信回路を介してリモコン装置40と制御装置41とが通信を行うことにより、リモコン装置40の操作に基づく制御装置41の制御が行われ、以下に述べるような各動作が行われる。なお、図の簡略化のために、通信回路を介しての通信構成についての図示は省略し、また、その説明も省略する。
【0040】
リモコン装置40は、例えば浴室や台所に配置されており、リモコン装置40には、報知手段47、選択操作手段48、湯水張り指令操作手段49、情報設定入力操作手段51が設けられ、制御装置41には、注水制御手段42、情報格納部43、時計機構44、集熱利用浴槽水加熱制御手段45、集熱利用貯湯槽湯水加熱制御手段46、補助燃焼制御手段54が設けられている。
【0041】
制御装置41の集熱利用貯湯槽湯水加熱制御手段46は、集熱器内液温検出手段5の検出温度が、貯湯槽内湯水温検出手段6のうち最下部に設けられている貯湯槽内湯水温検出手段6dの検出温度よりも集熱利用貯湯槽加熱設定温度(例えば7℃)以上高いときに、液体循環ポンプ4を駆動させて液体循環通路3内の液体を循環させ、貯湯槽内通過通路11を介して貯湯槽2内の湯水と液体循環通路3内の液体とを熱交換することにより、貯湯槽2内の湯水を加熱する。
【0042】
補助燃焼制御手段54は、補助加熱装置29の燃焼運転制御を行うものであり、具体的には、浴槽湯水循環ポンプ8の駆動制御によって、湯水循環通路7を循環させる湯水の流量を制御しながら、バーナ装置53に供給する燃料ガス量の調整を、図示されていないガス電磁弁やガス比例弁の制御により行い、前記燃焼ファンの駆動制御を行って、ガス燃焼による浴槽湯水の追い焚きを行ったり、バーナ装置52に供給する燃料ガスの調整や燃焼ファンの駆動制御を同様に行って、給湯路12から補助燃焼装置29に導入される湯水の加熱を行ったりする。
【0043】
リモコン装置40の情報設定入力操作手段51は、利用者による手動操作に応じて、例えば浴槽湯水の沸き上げ指定時刻を設定したり、風呂設定温度を設定したり、給湯設定温度を設定したりする手段である。情報設定入力操作手段51によって設定された情報は、制御装置41の情報格納部43に格納される。
【0044】
湯水張り指令操作手段49は、浴槽27への湯水張り指令を行うための操作手段であり、本実施例では、リモコン装置40に設けられた自動スイッチにより湯水張り指令操作手段49が形成されている。自動スイッチが押されると、浴槽27への湯水張り指令が制御装置40の注水制御手段(水張り制御手段)42に加えられる。
【0045】
注水制御手段42は、予め定められた水張り条件を満たしたとき、つまり、予め指定したタイミングに、浴槽27への水張りを行う手段である。注水制御手段42は、水張りを行う際に、混合弁19を開き、給水路13からの水をバイパス通路23を通して補助加熱装置29に導入し、注水弁63を開き、加熱されていない水を湯水循環通路7を介して浴槽27に注水する。注水制御手段42は、このように貯湯槽2を通さないことによって太陽熱利用による加熱が行われておらず、補助加熱装置29内の補助給湯用の回路による加熱も行われていない水を浴槽27に注水して水張りする。水張りの水位は、通常、例えば予め情報設定入力操作手段51で設定された浴槽27の設定水位(風呂設定水位)とする。
【0046】
本実施例において、注水制御手段42による浴槽27への水張りのタイミングは、以下のように指定されている。例えば
図5のステップS1に示されるように、リモコン装置40の自動スイッチ(湯水張り指令操作手段49)が押されることにより湯水張り指令が行われたときに集熱器内液温検出手段5により検出される検出温度が、集熱利用浴槽水加熱用の水張り設定温度(例えば32℃)以上のときに(
図5のステップS2のYes、参照)、注水制御手段42による浴槽27への水張りを行うように指定されている(
図5のステップS3、参照)。この指定条件は情報格納部43に格納されている。
【0047】
なお、注水制御手段42による浴槽27への水張りのタイミングの指定条件はこの条件に限定されるものでなく、適宜設定されるものであり、
参考例として、例えば、湯水張り指令操作手段49の操作に基づく湯水張り指令が行われたときを指定してもよいし、予め定められた設定時刻になったとき(例えば
図5のステップS1t、参照)を指定してもよい。設定時刻になったときに浴槽27への水張りを行うようにする場合は、時計機構44による時間情報を取り込んでタイミングを計るようにする。
【0048】
また、
図5のステップS1’に示されるように、湯水張り指令操作手段49の操作に基づく湯水張り指令が行われてから、貯湯槽内湯水温検出手段6dにより検出される検出温度が予め定められる蓄熱完了判断水温(例えば50℃)以上になったときに(
図5のステップS2’、参照)、浴槽27への水張りを行うことを浴槽27への注水のタイミングの条件として指定して、注水制御手段42によって浴槽27への水張りを行ってもよい。
【0049】
さらに、
図1の破線に示すように、戻り温検出手段32の検出温度を取り込み、湯水張り指令操作手段49の操作に基づく湯水張り指令が行われてから(
図5のステップS1”、参照)、戻り温検出手段32により検出される検出温度が予め定められる蓄熱完了判断液温(例えば80℃)以上になったときに(
図5のステップS2”、参照)、浴槽27への水張りを行うことを浴槽27への注水のタイミングの条件として指定し、注水制御手段42によって浴槽27への水張りを行うようにしてもよい。
【0050】
なお、前述した浴槽への水張りの方法が、
図5のステップS3〜ステップS5に示されている。そして、
図5のステップS6で、前記のように、集熱器内液温検出手段5の検出温度が、貯湯槽内湯水温検出手段6dの検出温度よりも集熱利用貯湯槽加熱設定温度(例えば7℃)以上高いときには、ステップS7から
図6のステップS8に進む。
【0051】
集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、注水制御手段42による浴槽26への水張りの後に、集熱器1で集熱した熱によって浴槽27の水を加熱する。この加熱は、集熱器内液温検出手段5の検出温度が予め定められた集熱利用浴槽水加熱設定温度(例えば60℃)以上であり、かつ、貯湯槽2内が予め定められた満蓄判断設定温度以上の湯で満たされていると判断されたとき(つまり、貯湯槽2内は熱で満たされ、十分な蓄熱がされているので、集熱器1で集めた熱を貯湯槽2へ収熱できないと判断したときであって、例えば、貯湯槽2内の湯水が全て50℃以上となっていると判断されたときであり、貯湯槽内湯水温検出手段6dの検出温度が50℃以上の場合)以降に(
図6のステップS8、S9、参照)、
図6のステップS10で、液体循環ポンプ4を駆動させて液体循環通路3内の液体を循環させると共に、浴槽湯水循環ポンプ8を駆動させて湯水循環通路7内に浴槽湯水を循環させ、液体循環通路3内を通る液体と湯水循環通路7内を通る浴槽湯水とを熱交換して行う。
【0052】
なお、前記情報格納部43には、少なくとも集熱器内液温検出手段5の検出温度と浴槽27の設定水位と風呂設定温度と浴槽27に張られた水の温度とに応じた集熱器1の集熱利用の浴槽27の水加熱時間の制御情報が予め与えられており、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、注水制御手段42によって水張りした浴槽27の設定水位の水が、沸き上げ指定時刻において前記風呂設定温度または該風呂設定温度に近い温度の湯となるように、前記水加熱時間の制御情報に基づいて、液体循環ポンプ4と湯水循環ポンプ8を駆動させ、集熱器1で集熱した熱による浴槽27の水の加熱を行う。
【0053】
つまり、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、注水制御手段42による浴槽26への水張りの後に、前記の如く、集熱器内液温検出手段5の検出温度が前記集熱利用浴槽水加熱設定温度以上であり、かつ、貯湯槽2内が前記満蓄判断設定温度以上の湯で満たされていると判断された以降に、湯水循環通路7を循環させる浴槽湯水を集熱器1で集熱される熱を利用して加熱するが、この加熱開始時刻と前記沸き上げ指定時刻との時間差と、情報格納部43に格納されている浴槽27の水加熱時間の制御情報と、少なくとも集熱器内液温検出手段5の検出温度と浴槽27の設定水位と風呂設定温度と浴槽27に張られた水の温度とに応じ、液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8の駆動制御を以下のように行って、集熱器1で集熱した熱によって浴槽27の水を加熱する。
【0054】
まず、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、情報格納部43に格納されている前記制御情報の水加熱時間と、少なくとも集熱器内液温検出手段5の検出温度と浴槽27の設定水位と風呂設定温度と浴槽27に張られた水の温度(風呂温度センサ39の検出温度)とに応じて、集熱利用の加熱時間を設定する。そして、この集熱利用加熱設定時間よりも前記時間差が大きい場合には、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、前記判断時にすぐに液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8とを駆動させて浴槽水の加熱を行い、前記水加熱時間経過後に液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8とを停止するようにしてもよいし、前記時間差から前記水加熱時間を差し引いた時間が経過したときに液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8とを駆動させて浴槽水の加熱を行い、前記水加熱時間経過したときにちょうど沸き上げ指定時刻となるようにしてもよい。
【0055】
なお、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、例えば液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8を早めに停止する場合には、その停止から沸き上げ指定時刻までの時間に浴槽27の湯が冷める割合も考慮して、特に気温が低い冬等は前記水加熱時間を長めに設定し、気温が高い夏等は前記水加熱時間を短めに設定するというように、気温等の条件に合わせて前記水加熱時間を設定し、気温等の情報も取り込んでその情報にも対応させて、液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8の駆動制御をするとよい(
図6のステップS11〜S13、参照)。例えば、晴れや曇りの日に、昼頃から、集熱器1で集熱した熱によって浴槽水を加熱すると、浴槽水は夕方には例えば65℃といった温度に加熱され、その後、夕方以降に冷めて、例えば午後8時頃には40℃程度の温度になる。なお、湯の沸き上げ指定時刻の5分前になったら、浴槽湯水循環ポンプ8を駆動させる(
図6のステップS14、S15、参照)。
【0056】
一方、前記集熱利用加熱設定時間よりも前記時間差が小さい場合には、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、集熱器内液温検出手段5の検出温度が前記集熱利用浴槽水加熱設定温度以上であり、かつ、貯湯槽2内が前記満蓄判断設定温度以上の湯で満たされていると判断されたときに即座に液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8の駆動制御を行い、集熱器1の集熱利用による浴槽湯水の加熱を行うが、この加熱では沸き上げ指定時刻に風呂設定温度までの加熱を行うことができないことになる。
【0057】
そこで、この場合には、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、補助燃焼制御手段54に浴槽湯水の追い焚き指令を加え、浴槽湯水の沸き上げ指定時刻よりも早い時刻(例えば、補助燃焼制御手段54のバーナ燃焼制御によって、沸き上げ指定時刻に風呂設定温度まで加熱できるような時刻)から、補助熱源装置29を作動させてガス燃焼による追い焚きを行い、沸き上げ指定時刻には風呂設定温度に沸き上げるようにする。
【0058】
なお、例えば晴れの日中は集熱器1の温度が高まり、
図5のステップS6で、集熱器内液温検出手段5の検出温度が、貯湯槽内湯水温検出手段6dの検出温度よりも集熱利用貯湯槽加熱設定温度(例えば7℃)以上高いと判断され、集熱器1の熱利用による貯湯槽2内の湯水の加熱が可能となるが、その後、天候が曇りや雨に変わり、集熱器1の熱利用による貯湯槽2内の湯水の加熱が難しくなる場合がある。
【0059】
そこで、
図8のステップS34、S38の確認動作を設けており、ステップS34で、集熱器内液温検出手段5の検出温度が貯湯槽内湯水温検出手段6dの検出温度よりも集熱利用貯湯槽加熱設定温度(例えば7℃)以上高い状態でなくなったときには(ステップS34のNo、参照)、ステップS35〜S38を経て、ステップS38でNoと判断されたら、ステップS31で補助熱源装置による加熱を行うようにしている。
【0060】
また、浴槽湯水の沸き上げ指定時刻は、利用者によって様々であるが、一般には、夜の時間帯に指定されることが多く、それに対し、集熱器1による集熱は日没までの夕方の時間帯には終了してしまうため、沸き上げ指定時刻ぎりぎりまで集熱器1の集熱利用による浴槽湯水の加熱を行うことは難しい場合が多い。そこで、例えば情報格納部43に毎日の日没時刻の情報を格納し、この情報に基づき、加熱開始時刻と沸き上げ指定時刻との時間差と集熱利用加熱設定時間とを比較する代わりに、加熱開始時刻と日没時刻との時間差と集熱利用加熱設定時間とを比較して、前記のような集熱利用浴槽水加熱制御手段45による液体循環ポンプ4と浴槽湯水循環ポンプ8の駆動制御をするようにしてもよい。
【0061】
いずれの場合も、利用者が入浴するときに、前記風呂温度センサ39の検出温度に基づき、この検出温度が風呂設定温度であったときや風呂設定温度との差が許容範囲内の僅かな値の時には、前記のように、集熱器1で集熱した熱によって加熱された後に冷めた浴槽湯水をそのまま利用して入浴することができる。また、風呂温度センサ39の検出温度が風呂設定温度よりも高いときには、例えば補助加熱装置29から加熱していない水を足して浴槽湯水が風呂設定温度となるようにし(
図7ステップS21、S22、参照)、風呂温度センサ39の検出温度が風呂設定温度よりも低いときには、補助加熱装置29で浴槽湯水の多少の加熱を行ったりすることにより、快適な入浴が可能となる。
【0062】
また、前記注水制御手段42は、湯水張り指令操作手段49の操作に基づく湯水張り指令が行われたときに、集熱器内液温検出手段5により検出される検出温度が前記集熱利用浴槽水加熱用の水張り設定温度よりも低かったときには、湯水張り指令操作手段49の操作日には集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱ができないと判断し、この判断信号をリモコン装置40の報知手段47に加える。
【0063】
報知手段47は、注水制御手段42からの前記判断信号を受けて、湯水張り指令操作手段49の操作日には集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱ができないことの報知と、湯水張り指令操作手段49の操作日には集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱ができないことから、どのようにするかを利用者に決めてもらうための選択情報報知とを行う。この選択情報報知は、前記操作日に浴槽27への水張りを行った後に補助加熱装置29により風呂設定温度に加熱するか、浴槽27への水張りを行わないで代わりに補助加熱装置29によって加熱した湯を注水通路62と湯水循環通路7とを通して浴槽27へ湯張りするか(その場合の湯張りのタイミングはいつにするか)、水張りも湯張りも行わないか、の選択情報報知である。報知手段47は、これらの報知を、音声または表示画面への表示またはその両方によって行う。
【0064】
選択操作手段48は、報知手段47の報知に基づき、湯水張り指令操作手段49の操作日に注水制御手段42による水張りを行うか、浴槽27への水張りを行わないで代わりに補助加熱装置29によって加熱した湯を注水通路62と湯水循環通路7とを通して浴槽27へ湯張りするか、水張りも湯張りも行わないか、を選択操作するための手段であり、適宜のスイッチ等により形成された、利用者の手動による操作手段である。この選択操作手段48により操作が行われると、その操作信号が注水制御手段42に加えられる。
【0065】
注水制御手段42は、選択操作手段48から操作信号が加えられたときには、その操作信号に基づき、水張りも湯張りも行わない操作信号が加えられたときには、水張りを行わず、補助燃焼制御手段54の制御による湯張りも行わないようにする。また、水張りを行う操作信号が注水制御手段42に加えられたときには、注水制御手段42は、例えばこの操作信号が加えられたときに浴槽27への水張りを開始する。そして、水張り終了後には、補助燃焼制御手段54に指令を加え、補助燃焼制御手段54の制御によって、補助熱源装置29により沸き上げ指定時刻には風呂設定温度になるようにバーナ装置53を用いて浴槽の水を追い焚きする。
【0066】
また、水張りを行わないで代わりに湯張りを行う操作信号が加えられたときには、注水制御手段42は、浴槽27への水張りは行わずに、補助燃焼制御手段54に湯張り指令を加え、補助加熱装置29によって加熱した湯を注水通路62と湯水循環通路7とを通して浴槽27へ湯張りするようにする。
【0067】
この湯張りのタイミングも、選択操作手段48の操作により指定されるものであり、選択操作手段48からの操作信号が加えられたときに直ぐに湯張りを行う場合には、操作信号が加えられた直後に補助燃焼制御手段54によって補助加熱装置29を作動開始させ、操作信号が加えられたときから予め定められている設定遅延時間経過後に湯張りを行う場合には、その設定遅延時間経過後に補助燃焼制御手段54によって補助加熱装置29を作動開始させるようにする。また、湯張り開始設定時刻に湯張りを開始するように操作信号が加えられたときには、その湯張り開始設定時刻に補助燃焼制御手段54の制御により補助熱源装置29を作動させて湯張りを開始し、沸き上げ指定時刻に湯張りが完了するように操作信号が加えられたときには、補助燃焼制御手段54の制御によって、風呂設定温度の湯が沸き上げ指定時刻に浴槽27の設定水位まで張られるようにする。
【0068】
さらに、本実施例においては、計画停電による対応(地震と同じように、例えばマンションの給水用ポンプが止まることでトイレ等用の生活用水が止まるので、事前に浴槽へ水を貯める等の対応)も以下のようにすることができる。利用者が計画停電前に湯水張り指令操作手段49を操作すると、このときに集熱器内液温検出手段5により検出される検出温度が、前記集熱利用浴槽水加熱用の水張り設定温度であれば、注水制御手段42による浴槽27への水張りが行われる。なお、
参考例として、湯水張り指令操作手段49を操作したときに水張りを行うように設定すれば、集熱器内液温検出手段5による検出温度に関わらず、操作時に浴槽27への水張りが行われるため、計画停電の可能性に合わせて、設定を変更し、湯水張り指令操作手段49を操作したときに即座に浴槽27への水張りが行われるようにしてもよい。
また、前記水張りを確実とするために、自動スイッチとは別に水張りスイッチを設けるようにしてもよい。これにより、自動スイッチによる湯張りと水張りスイッチによる水張りとを分けることができ、より利便性が向上する。
【0069】
そして、浴槽27への水張りの後に、前記の如く、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、集熱器内液温検出手段5の検出温度が前記集熱利用浴槽水加熱設定温度以上であり、かつ、貯湯槽2内が予め定められた満蓄判断設定温度以上の湯で満たされていると判断されたら、浴槽27の水が沸き上げ指定時刻に風呂設定温度の湯となるように、集熱器1で集熱した熱の利用(集熱利用)によって浴槽27の水を加熱するが、計画停電が実行されると、停電中は、集熱利用による浴槽湯水の加熱ができないため、沸き上げ指定時刻に風呂設定温度まで高めることができないことがある。
【0070】
そこで、この場合は、停電終了後(電力供給復帰後)に、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、情報格納部43に格納された集熱器1の集熱利用の浴槽27の水加熱時間の制御情報と、少なくとも集熱器内液温検出手段5の検出温度と浴槽27の設定水位と風呂設定温度と浴槽27に張られた水の温度に応じて、まず、集熱利用加熱設定時間を求める。なお、停電前に集熱利用の浴槽湯水の加熱が行われたときには、その加熱によって温められているので、その温度を停電終了時に検出し、その温度を浴槽27に張られた水の温度として求める。
【0071】
そして、停電終了後の現在時刻と沸き上げ指定時刻との時間差とに基づき、この時間差よりも前記集熱利用加熱設定時間が大幅に(予め定められた時間であって、例えば120分以上)長い場合には、集熱利用の加熱によっては沸き上げ指定時刻に浴槽湯水を風呂設定温度またはそれに近い温度の湯にできないことになるので、この場合、集熱利用浴槽水加熱制御手段45は、補助燃焼制御手段54に浴槽湯水の追い焚き指令を加えて、補助熱源装置29の作動によって浴槽湯水を追い焚きし、前記沸き上げ指定時刻に浴槽湯水の温度が風呂設定温度または風呂設定温度に近い温度になるようにする。
【0072】
なお、このような制御の代わりに、湯水張り指令操作手段49である自動スイッチを自動的にオフにし、リモコン装置40の報知手段47によって報知するためのアラームを鳴らす等して自動スイッチをオフしたこと(湯水張り指令操作手段49の指令を解除したこと)を利用者に知らせ、利用者によって浴槽27の水を抜いてもらってから、補助熱源装置29の作動によって湯張りを行うようにしてもよい。
【0073】
また、計画停電が予定通り行われなかったときには、湯水張り指令操作手段49の操作指令に伴う動作を通常通り行うようにすればよいが、利用者は、計画停電に対応させて水張りを停電前に行えるように湯水張り指令操作手段49の操作を行ったものの、入浴が不要の場合は、湯水張り操作手段49である自動スイッチをオフにすればよい。
【0074】
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、前記実施例では、湯水循環通路7は、液体循環通路3における貯湯槽内通過通路11の下流側に熱的に接続されていたが、例えば
図4に示すように、湯水循環通路7は、液体循環通路3における貯湯槽内通過通路11の上流側に熱的に接続されてもよい。
【0075】
また、例えば、情報格納部43に気象情報を格納するようにし、湯水張り指令操作手段49が操作されたときに、該湯水張り指令操作手段49の操作日に集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱が可能かどうかを、情報格納部43に格納された気象情報に基づき判断する気象情報対応集熱判断手段を注水制御手段42に設け、その気象情報対応集熱判断手段によって前記操作日に集熱器1の集熱利用による前記浴槽水の加熱が可能であると判断されたときに浴槽27への水張りを行うようにしてもよい。
【0076】
なお、情報格納部43に気象情報を格納する方法は、適宜設定されるものであるが、例えばリモコン装置40の情報設定入力操作手段51の操作によって気象情報を情報格納部43に入力してもよいし、インターネットや携帯電話で受信したメールを転送受信できる機能や気象庁からのデータを受信できる機能を熱源装置の制御装置41に設け、その機能によって気象情報を受信し、受信した気象情報を情報格納部43に格納するようにしてもよい。
【0077】
また、このように、情報格納部43に気象情報を格納し、注水制御手段42に気象情報対応集熱判断手段を設けた場合に、前記気象情報対応集熱判断手段によって、湯水張り指令操作手段49の操作日に集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱が可能でないと判断されたときには、報知手段47によって、湯水張り指令操作手段49の操作日には集熱器1の集熱利用による浴槽水の加熱ができないことの報知と、前記操作日に浴槽への水張りを行った後に補助加熱装置29により風呂設定温度に加熱するか、前記水張りを行わないで代わりに補助加熱装置29によって加熱した湯を注水通路62と湯水循環通路7とを通して前記浴槽へ湯張りするか、水張りも湯張りも行わないかの選択情報報知とを、前記実施例と同様に行うようにしてもよい。
【0078】
この場合も、報知手段47は、これらの報知を、音声または表示画面への表示またはその両方によって行うようにし、さらに、前記実施例に設けた選択操作手段48を設けることにより、前記実施例とほぼ同様の動作により、同様の効果を奏することができる。
【0079】
さらに、前記実施例では、注水制御手段42は、予め指定したタイミングに風呂設定水位までの水張りを行うようにしたが、場合によっては、その風呂設定水位よりも予め定められた値だけ少なめの水位または多めの水位を太陽熱利用の設定水位として水張りしてもよい。例えば、情報格納部43に気象情報を格納しておき、その日の天候によって、集熱器1の集熱利用によって浴槽湯水を加熱することにより、風呂設定温度よりも高めの温度に加熱できる場合には、風呂設定水位よりも少な
めの水位を太陽熱利用の設定水位として水張りを行い、利用者が入浴する時間帯に注水制御手段42が水を注水するようにしてもよいし、利用者が自分で水を足すようにしてもよい。
【0080】
さらに、前記実施例では、集熱器内液温検出手段5を集熱器1内に設けたが、集熱器内液温検出手段は、集熱器1で集熱された液体の温度を検出できる手段であればよく、液体循環通路3の集熱器出口側に近い位置に設けてもよい。
【0081】
さらに、給湯路12の構成およびその補助加熱装置29との接続構成や、湯水循環通路7と補助加熱装置29との接続構成、補助加熱装置29内の詳細なシステム構成等は、前記実施例に示した態様とは限らず、適宜設定されるものであり、例えば補助加熱装置29は石油燃焼式の装置としてもよいし、電気式温水器としてもよい。