特許第6125917号(P6125917)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6125917
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】テープフィーダの部品向き確認システム
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/02 20060101AFI20170424BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20170424BHJP
   H05K 13/08 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   H05K13/02 B
   H05K13/04 B
   H05K13/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-123350(P2013-123350)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2014-241344(P2014-241344A)
(43)【公開日】2014年12月25日
【審査請求日】2016年4月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】富士機械製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】大橋 輝之
(72)【発明者】
【氏名】飯阪 淳
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−356604(JP,A)
【文献】 特開2007−158047(JP,A)
【文献】 特開2006−245483(JP,A)
【文献】 特開2006−245480(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/30;13/00−13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品実装機に供給する部品が収容された部品供給テープをセットしたテープフィーダの部品向き確認システムにおいて、
前記テープフィーダに前記部品供給テープをセットする作業を行う際に該テープフィーダを載置するフィーダセット治具と、
前記フィーダセット治具に載置した前記テープフィーダにセットされた部品供給テープの部品収容部分を視野に収めて撮像するカメラと、
前記カメラで撮像した画像を処理して前記部品供給テープの部品の特徴部分を認識し、その認識結果に基づいて該部品の向きを判定する部品向き判定手段とを備え、
前記部品向き判定手段は、判定した部品の向きが生産ジョブの指定通りであるか否かを判定して、該部品の向きが該生産ジョブの指定と異なる場合には、その旨を前記部品実装機の制御装置へ通知し、
前記部品実装機の制御装置は、前記部品向き判定手段から通知された、前記生産ジョブの指定と異なる向きの部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを該生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正することを特徴とするテープフィーダの部品向き確認システム。
【請求項2】
前記カメラで撮像した画像を処理して、その処理結果に基づいて前記部品供給テープの送りピッチと部品送り位置の情報を取得する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載のテープフィーダの部品向き確認システム。
【請求項3】
前記部品供給テープが巻回されたテープリールには、該部品供給テープの部品を識別する部品識別情報が記録又は記憶された部品識別情報記録部が設けられ、
前記フィーダセット治具には、前記テープリールの部品識別情報記録部から前記部品識別情報を読み取る部品識別情報読取手段が設けられ、
前記カメラで撮像した画像を処理して前記部品供給テープの部品を認識し、その認識結果と前記部品識別情報読取手段により前記テープリールの部品識別情報記録部から読み取った部品識別情報とを照合して前記テープフィーダにセットした部品供給テープの部品が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定する手段を備えていることを特徴とする請求項又はに記載のテープフィーダの部品向き確認システム。
【請求項4】
前記部品向き判定手段の判定結果が生産ジョブの指定と異なる場合に作業者に警告する警告手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のテープフィーダの部品向き確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品実装機に供給する部品が収容された部品供給テープをセットしたテープフィーダの部品向き確認システムに関する発明である。
【背景技術】
【0002】
部品実装機に部品を供給するテープフィーダは、多数の部品を一列に収容した部品供給テープが巻回されたテープリールをセットして使用するようになっている。一般に、部品供給テープに収容されている部品の品種については、その情報をバーコードで記録したバーコードラベルをテープリールに貼着して、そのバーコードをバーコードリーダで読み取って部品の品種を確認するようにしているが、部品の向きについては作業者が目視で確認するようにしている。このため、部品の向きが生産ジョブの指定と異なっている場合でも、作業者が目視で見逃してしまう可能性がある。
【0003】
そこで、特許文献1(特開2004−356604号公報)に記載されているように、部品実装機に部品の向き(極性方向)を判定する部品向き検出装置を搭載したものがある。この部品向き検出装置は、部品実装機にセットしたテープフィーダの部品供給テープに収容された部品を、部品実装機のカメラで撮像して、該部品の上面の極性マークを画像認識して、該部品の向きを判定するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−356604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1では、部品実装機にテープフィーダをセットした後に該部品実装機のカメラで部品を撮像して該部品の向きを判定するようにしているため、テープフィーダに部品供給テープをセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることを作業者が目視で見逃してしまった場合には、部品実装機にテープフィーダをセットした後に該部品実装機の部品向き検出装置によって部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることが判明することになる。このような場合は、部品実装機からテープフィーダを取り外して、該テープフィーダにセットされているテープリール(部品供給テープ)を交換してから該テープフィーダを部品実装機に再セットするという手間のかかる作業を行う必要があり、面倒である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、部品実装機に供給する部品が収容された部品供給テープをセットしたテープフィーダの部品向き確認システムにおいて、前記テープフィーダに前記部品供給テープをセットする作業を行う際に該テープフィーダを載置するフィーダセット治具と、前記フィーダセット治具に載置した前記テープフィーダにセットされた部品供給テープの部品収容部分を視野に収めて撮像するカメラと、前記カメラで撮像した画像を処理して前記部品供給テープの部品の特徴部分を認識し、その認識結果に基づいて該部品の向きを判定する部品向き判定手段とを備え、前記部品向き判定手段は、判定した部品の向きが生産ジョブの指定通りであるか否かを判定して、該部品の向きが該生産ジョブの指定と異なる場合には、その旨を前記部品実装機の制御装置へ通知し、前記部品実装機の制御装置は、前記部品向き判定手段から通知された、前記生産ジョブの指定と異なる向きの部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを該生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正することを特徴とするものである。
【0007】
この場合、前記部品向き判定手段は、判定した部品の向きが生産ジョブの指定通りであるか否かを判定して、該部品の向きが該生産ジョブの指定と異なる場合には、その旨を前記部品実装機の制御装置へ通知し、前記部品実装機の制御装置は、前記部品向き判定手段から通知された、前記生産ジョブの指定と異なる向きの部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを該生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正するようにしているため、部品供給テープをテープフィーダにセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なることが判明した場合でも、テープフィーダにセットされている部品供給テープを交換することなく、該テープフィーダを部品実装機にセットして生産を開始することが可能となり、生産開始後に補正動作により部品の向きを生産ジョブの指定と一致させて該部品を回路基板に正しい向きで実装することができ、部品の向きの間違いに起因する不良品の生産を防止できる
【0008】
本発明は、テープフィーダに部品供給テープをセットする作業を行う際に該テープフィーダを載置するフィーダセット治具と、該フィーダセット治具に載置したテープフィーダにセットされた部品供給テープの部品収容部分を視野に収めて撮像するカメラとを備え、前記部品向き判定手段は、前記カメラで撮像した画像を処理して前記部品供給テープの部品の特徴部分を認識し、その認識結果に基づいて該部品の向きを判定するようにしている。ここで、画像認識する部品の特徴部分は、例えば、部品上面の文字列、記号、マーク、リード、方向性のある部品形状等、部品の向きを特定可能で且つ画像認識可能なものであれば何でも良い。このようにすれば、画像処理技術を用いて部品の向きを精度良く判定することができる。
【0009】
更に、請求項のように、カメラで撮像した画像を処理して、その処理結果に基づいて部品供給テープの送りピッチ(部品配列ピッチ)と部品送り位置(部品供給テープのスプロケット孔の位置に対する部品の相対的な位置)の情報を取得するようにしても良い。このようにすれば、テープフィーダに部品供給テープをセットする作業を行う際に部品供給テープの送りピッチと部品送り位置が生産ジョブの指定通りであるか否かについても確認することができる。
【0010】
また、本発明は、請求項のように、部品供給テープが巻回されたテープリールには、該部品供給テープの部品を識別する部品識別情報が記録又は記憶された部品識別情報記録部が設けられ、フィーダセット治具には、前記テープリールの部品識別情報記録部から前記部品識別情報を読み取る部品識別情報読取手段が設けられ、前記カメラで撮像した画像を処理して前記部品供給テープの部品を認識し、その認識結果と前記部品識別情報読取手段により前記テープリールの部品識別情報記録部から読み取った部品識別情報とを照合して前記テープフィーダにセットした部品供給テープの部品が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定するようにしても良い。ここで、部品識別情報記録部は、部品識別情報をバーコード、2次元コード等で記録したコードラベル等を用いても良いし、部品識別情報のデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。このようにすれば、画像処理による部品認識結果とテープリールの部品識別情報記録部から読み取った部品識別情報とによって、該テープリールに巻回された部品供給テープの部品の品種を2重チェックすることができ、作業ミスによる部品供給テープの付け間違いを確実に防止できる。
【0012】
本発明は、請求項のように、部品向き判定手段の判定結果が生産ジョブの指定と異なる場合に警告手段によって作業者に警告するようにしても良い。このようにすれば、テープフィーダに部品供給テープをセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることが判明した場合に、それを確実に作業者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は本発明の実施例1におけるフィーダセット治具にテープフィーダを載置する作業を説明する斜視図である。
図2図2はフィーダセット治具の斜視図である。
図3図3はフィーダセット治具に付属する部品照合装置の構成を示すブロック図である。
図4図4(a)は部品の向きが生産ジョブの指定通りの場合の部品の拡大平面図、同図(b)は部品の向きが生産ジョブの指定とは異なる場合の部品の拡大平面図である。
図5図5は部品向き判定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
図6図6は本発明に関連する参考例としての実施例2におけるフィーダセット治具にテープフィーダを載置する作業を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態を具体化した実施例1と参考例としての実施例2を説明する。
【実施例1】
【0015】
本発明の実施例1を図1乃至図5に基づいて説明する。
まず、図1及び図2に基づいてフィーダセット治具11の構成を説明する。
フィーダセット治具11のベース台12の上面には、テープフィーダ13を載置するフィーダセット台14が設けられている。フィーダセット台14の上面には、テープフィーダ13を縦置き支持するための断面逆T字溝形のガイド溝15が設けられ、テープフィーダ13の下面側に設けられた断面逆T字形のガイドレール(図示せず)を手前側からガイド溝15に差し込むことで、フィーダセット台14上にテープフィーダ13が縦置き状態に支持され、テープフィーダ13の先端面の位置決めピン20がフィーダセット台14の位置決め穴21に差し込まれることで、フィーダセット台14上でテープフィーダ13の取付位置が位置決めされると共に、テープフィーダ13の先端面のコネクタ22がフィーダセット台14のコネクタ18に差し込み接続されることで、テープフィーダ13に電源が供給される。これにより、作業者がテープフィーダ13のテープ送り操作部を操作することで、テープフィーダ13にセットしたテープリール23から部品供給テープ24を引き出して部品吸着位置へピッチ送り動作できるようになっている。
【0016】
フィーダセット治具11は、該フィーダセット治具11に載置したテープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品吸着位置の部品収容部分(部品供給テープ24のカバーテープが剥離されて部品が露出した部分)をその上方から視野に収めて撮像するカメラ25を備えている。フィーダセット治具11には、カメラ25をXY方向(前後左右方向)に移動させるXYスライド26が設けられ、このXYスライド26にカメラ25が下向きに支持されている。このXYスライド26は、送りねじ機構等により構成され、そのXY移動量を作業者が手動操作するようにしても良いし、モータで駆動するようにしても良い。
【0017】
カメラ25で撮像した画像データは、部品照合用コンピュータ31(図3参照)に取り込まれる。部品照合用コンピュータ31には、キーボード、マウス、タッチパネル等の入力装置32と、各種情報を表示する表示装置33と、各種プログラムやデータを記憶する記憶装置34と、テープリール23に貼着されたバーコードラベル35(部品識別情報記録部)のバーコードを読み取るバーコードリーダ36(部品識別情報読取手段)等が接続されている。テープリール23のバーコードラベル35には、該テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品を識別する部品識別情報(以下「部品ID」と表記する)がバーコードで記録されている。部品IDの記録方法は、バーコードに限定されず、2次元コード等で記録しても良い。或は、部品IDのデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。電子タグを用いる場合は、電子タグと通信可能なリーダを部品識別情報読取手段として用いれば良い。
【0018】
この部品IDをバーコードリーダ36等の部品識別情報読取手段で読み取ることで、テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品種を確認できるが、該部品供給テープ24の部品の向き(極性方向)は確認できない。
【0019】
そこで、本実施例1では、フィーダセット治具11に載置したテープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品吸着位置の部品収容部分(部品露出部分)をその上方からカメラ25の視野に収めて撮像し、その画像を部品照合用コンピュータ31で処理して部品供給テープ24の部品の特徴部分を認識し、その認識結果に基づいて該部品の向きを判定するようにしている。ここで、画像認識する部品の特徴部分は、例えば、部品上面の文字列、記号、マーク、リード、方向性のある部品形状等、部品の向きを特定可能で且つ画像認識可能なものであれば何でも良い。
【0020】
本実施例1では、部品上面の文字列を画像認識して該部品の向きを判定する手法について説明する。予め、テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の向きを特定する文字列(図4に「ABC」で例示)のデータを含む画像認識用部品データが部品IDと関連付けられて記憶装置34に記憶されている。そして、部品照合用コンピュータ31によってフィーダセット治具11に載置したテープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品上面の文字列を画像認識して、その文字列を、該部品の部品IDの画像認識用部品データの文字列と照合して、両者の向きが一致すれば、部品の向きが生産ジョブの指定通りであると判定し、両者の向きが異なれば、部品の向きが生産ジョブの指定と異なると判定する。また、画像認識した文字列が画像認識用部品データの文字列と異なる場合は、部品の品種が生産ジョブの指定と異なると判定する。これらの判定結果は、表示装置33に表示され、作業者に知らされる。部品の向きや品種が生産ジョブの指定と異なる場合は、それを表示装置33の表示や音声によって作業者に警告して、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換するように促す。
【0021】
また、部品の向きが生産ジョブの指定と異なる場合は、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換しても良いし、部品供給テープ24を交換することなく、該テープフィーダ13を部品実装機(図示せず)にセットして生産を開始しても良い。この場合は、部品照合用コンピュータ31の部品向きの判定結果が部品実装機の制御装置(図示せず)へ送信され、供給する部品の向きが生産ジョブの指定と異なることが部品実装機の制御装置に通知される。これにより、部品実装機の制御装置は、生産開始後に部品供給テープ24の部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正して回路基板に実装する。
【0022】
以上説明した本実施例1の部品向き判定の処理は、部品照合用コンピュータ31(部品向き判定手段)によって図5の部品向き判定プログラムに従って次のように実行される。図5の部品向き判定プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、フィーダセット治具11へのテープフィーダ13のセット作業が完了したか否かを判定し、セット作業が完了するまで待機する。このセット作業では、作業者がテープリール23に貼着されたバーコードラベル35をバーコードリーダ36で走査して部品IDを読み取ると共に、該テープリール23をテープフィーダ13に装着して部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットして、該テープフィーダ13をフィーダセット治具11のフィーダセット台14に縦置き状態に載置して、テープフィーダ13の先端面のコネクタ22をフィーダセット台14のコネクタ18に差し込み接続して、テープフィーダ13に電源を供給する。尚、テープリール23をテープフィーダ13にセットする作業は、テープフィーダ13をフィーダセット治具11のフィーダセット台14にセットした状態で行うようにしても良い。また、作業者がセット作業完了後に入力装置32(セット作業完了スイッチ等)を操作してセット作業完了の信号を部品照合用コンピュータ31に入力するようにしても良い。
【0023】
上記ステップ101で、フィーダセット治具11へのテープフィーダ13のセット作業が完了したと判定された時点で、ステップ102に進み、フィーダセット治具11に載置したテープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品吸着位置の部品収容部分(部品露出部分)をその上方からカメラ25の視野に収めて撮像して、その画像データを部品照合用コンピュータ31に取り込む。
【0024】
この後、ステップ103に進み、部品照合用コンピュータ31に取り込んだ画像データを処理して部品供給テープ24の部品上面の文字列を画像認識した後、ステップ104に進み、上記セット作業時に読み取った部品IDの画像認識用部品データの文字列を記憶装置34から読み込む。
【0025】
この後、ステップ105に進み、画像認識した文字列が画像認識用部品データの文字列と一致するか否か(文字列の向きは問わない)を判定し、両者の文字列が一致しないと判定されれば、ステップ112に進み、部品供給テープ24の部品が生産ジョブの指定と異なる(つまり間違った部品の部品供給テープ24がセットされている)と判定する。このような文字列の不一致が発生する原因は、例えば、テープリール23に貼着するバーコードラベル35の貼り間違えや、作業者がテープスプライシングによって間違った部品IDの部品供給テープ24をテープリール23の部品供給テープ24に継ぎ合わせた場合や、作業者が間違った部品IDの部品供給テープ24をテープリール23に巻回した場合に発生する。
【0026】
上記ステップ105で、画像認識した文字列が画像認識用部品データの文字列と一致しないと判定されれば、ステップ112に進み、部品供給テープ24の部品の品種が生産ジョブの指定と異なると判定する。この場合は、ステップ113に進み、間違った部品の部品供給テープ24がセットされていることを、表示装置33の表示や音声によって作業者に警告して、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換するように促す。そして、次のステップ114で、作業者が部品供給テープ24を交換するまで待機し、作業者が部品供給テープ24を交換して再セット作業を完了した時点で、上述したステップ102〜105の処理を再度実行して、交換した部品供給テープ24の部品上面の文字列を画像認識して画像認識用部品データの文字列と一致するか否かを判定する処理を繰り返す。
【0027】
その後、ステップ105で、画像認識した文字列が画像認識用部品データの文字列と一致すると判定されれば、ステップ106に進み、画像認識した文字列の向きが画像認識用部品データの文字列の向きと一致するか否かを判定する。その結果、両者の文字列の向きが一致すると判定されれば、ステップ107に進み、部品供給テープ24の部品の向きが生産ジョブの指定通りと判定して[図4(a)参照]、本プログラムを終了する。
【0028】
これに対し、上記ステップ106で、画像認識した文字列の向きが画像認識用部品データの文字列の向きと一致しないと判定されれば、ステップ108に進み、図4(b)に示すように、部品供給テープ24の部品の向きが生産ジョブの指定と異なると判定する。この場合は、ステップ109に進み、部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることを、表示装置33の表示や音声によって作業者に警告して、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換するように促す。このステップ109の処理が特許請求の範囲でいう警告手段としての役割を果たす。この後、ステップ110に進み、部品供給テープ24を交換するか否かを表示装置33に表示して作業者に問い合わせる。その結果、作業者が入力装置32を操作して、「部品供給テープ24を交換する」を選択すれば、上述したステップ101以降の処理を再度実行して、交換した部品供給テープ24の部品上面の文字列を画像認識して、部品上面の文字列の向きが画像認識用部品データの文字列の向きと一致するか否かを判定する処理を繰り返す。
【0029】
一方、上述したステップ110で、作業者が「部品供給テープ24を交換しない」を選択した場合は、ステップ111に進み、部品向きの判定結果を部品実装機の制御装置へ送信して、供給する部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることを部品実装機の制御装置に通知する。これにより、部品実装機の制御装置は、生産開始後に部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正して回路基板に実装する。
【0030】
以上説明した本実施例1によれば、部品供給テープ24(テープリール23)をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に、該部品供給テープ24の部品の向きを画像処理により判定できるため、部品実装機にテープフィーダ13をセットする前にフィーダセット治具11上で部品を向きを自動判定して作業者がテープフィーダ13にセットした部品供給テープ24の部品の向きを容易に確認することができる。これにより、部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なることが判明した場合には、部品実装機にテープフィーダ13をセットする前に、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換して部品の向きを生産ジョブの指定と一致させてから部品実装機にテープフィーダ13をセットするという簡単な作業を行うだけで良く、作業性を向上できる。
【0031】
しかも、本実施例1では、部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に、該部品供給テープ24の部品の向きが生産ジョブの指定と異なっていることが判明しても、作業者が「部品供給テープ24を交換しない」を選択した場合は、部品向きの判定結果を部品実装機の制御装置へ送信して、供給する部品の向きが生産ジョブの指定と異なることを部品実装機の制御装置に通知して、生産開始後に部品を吸着ノズルに吸着する毎に、該部品の向きを生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正して回路基板に実装するようにしたので、部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なることが判明した場合でも、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24を交換することなく、該テープフィーダ13を部品実装機にセットして生産を開始することが可能となり、生産開始後に補正動作により部品の向きを生産ジョブの指定と一致させて該部品を回路基板に正しい向きで実装することができ、部品の向きの間違いに起因する不良品の生産を防止できる。
【0032】
この場合は、吸着ノズルに部品を吸着する毎に、該部品の向きを生産ジョブの指定と一致させるように該吸着ノズルを回転させて該部品の向きを補正する必要があり、その補正動作の分だけ部品吸着から実装までの時間が長くなって生産性が低下する懸念がある。従って、このような生産性低下を回避するには、部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に部品の向きが生産ジョブの指定と異なることが判明した場合は、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換して部品の向きを生産ジョブの指定と一致させてから部品実装機にテープフィーダ13をセットすることが望ましい。このようにすれば、吸着ノズルに部品を吸着する毎に部品向きの補正動作を行う必要がなく、生産性の低下を回避できる。
【0033】
更に、本実施例1において、次のような部品照合機能を追加しても良い。この部品照合機能は、カメラ25で撮像した画像を処理して部品供給テープ24の部品を認識し、その認識結果とバーコードリーダ36によりテープリール23のバーコードラベル35から読み取った部品IDとを照合して、テープフィーダ13にセットした部品供給テープ24の部品が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定する。このようにすれば、画像処理による部品認識結果とテープリール23のバーコードラベル35から読み取った部品IDとによって、該テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の品種を2重チェックすることができ、作業ミスによる部品供給テープ24の付け間違いを確実に防止することができる。
【0034】
更に、テープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品をカメラ25で撮像して、その画像を処理して、その処理結果に基づいて部品供給テープ24の送りピッチ(部品配列ピッチ)と部品送り位置(部品供給テープ24のスプロケット孔の位置に対する部品の相対的な位置)の情報を取得するようにしても良い。テープリール23のバーコードラベル35等の部品識別情報記録部に、部品IDの他に、生産ジョブで指定された部品供給テープ24の送りピッチと部品送り位置の情報を記録又は記憶しておき、画像処理で取得した送りピッチと部品送り位置と、テープリール23のバーコードラベル35等の部品識別情報記録部から読み取った送りピッチと部品送り位置とを照合してテープフィーダ13にセットした部品供給テープ24の送りピッチと部品送り位置が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定するようにしても良い。このようにすれば、テープフィーダ13に部品供給テープ24をセットする作業を行う際に部品供給テープ24の送りピッチと部品送り位置が生産ジョブの指定通りであるか否かについても確認することができる。
【0035】
また、部品供給テープ24の送りピッチと部品送り位置が生産ジョブの指定と異なっている場合に、画像処理で取得した送りピッチと部品送り位置の情報をテープフィーダ13の制御装置(又は部品実装機の制御装置)へ送信して、テープフィーダ13のテープ送り動作の送りピッチと部品送り位置を補正するようにしても良い。このようにすれば、部品供給テープ24の送りピッチと部品送り位置が生産ジョブの指定とは異なっている場合でも、テープフィーダ13が部品供給テープ24の部品を正確に部品吸着位置へピッチ送りすることができ、送りピッチや部品送り位置のずれによる部品吸着ミスの発生を防止できる。
【実施例2】
【0036】
次に、図6を用いて本発明に関連する参考例としての実施例2を説明する。但し、上記実施例1と実質的に同じ部分については同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0037】
上記実施例1では、テープフィーダ13にセットされた部品供給テープ24の部品をカメラ25で撮像して該部品の特徴部分(文字列等)を画像認識して該部品の向きを判定するようにしたが、本発明の実施例2では、画像処理機能を用いずに部品の向きを判定するために、テープリール23に、部品識別情報記録部及び部品向き情報記録部として機能する情報記録部41が設けられている。この情報記録部41には、テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品を識別する部品IDと、該部品供給テープ24の部品の向きに関する情報(以下「部品向き情報」という)とが記録又は記憶されている。更に、情報記録部41には、部品供給テープ24の送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等も記録又は記憶されている。情報記録部41は、部品IDと部品向き情報等をバーコード、2次元コード等で記録したコードラベル等を用いても良いし、部品IDと部品向き情報等のデータを記憶した電子タグ(RFタグ、ICタグ、電波タグ、無線タグとも呼ばれる)を用いても良い。
【0038】
一方、フィーダセット治具11には、テープリール23の情報記録部41から部品IDと部品向き情報を読み取るリーダ42(部品識別情報読取手段,部品向き情報読取手段)が設けられている。リーダ42は、情報記録部41がバーコード、2次元コード等のコードラベルである場合は、バーコードリーダ等のコードリーダを用いれば良く、情報記録部41が電子タグである場合は、電子タグと通信可能なリーダを用いれば良い。リーダ42による部品IDと部品向き情報等の読み取りは、作業者が手作業で行っても良いし、リーダ42をフィーダセット治具11に固定しておき、フィーダセット治具11にテープフィーダ13をセットしたときに、リーダ42がテープリール23の情報記録部41に対向して自動的に部品IDと部品向き情報を読み取るようにしても良い。
【0039】
本実施例2では、部品供給テープ24をテープフィーダ13にセットする作業を行う際に、リーダ42によりテープリール23の情報記録部41から部品供給テープ24の部品ID、部品向き情報、送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等を読み取って、これらの情報を部品実装機の制御装置(又は生産ラインの生産管理コンピュータ)に送信して、部品供給テープ24の部品の向き、送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定する。或は、部品実装機の制御装置(又は生産ラインの生産管理コンピュータ)から部品照合用コンピュータ31に生産ジョブの指定データを送信して、部品照合用コンピュータ31で、テープリール23の情報記録部41から読み取った部品ID、部品向き情報、送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等が生産ジョブの指定通りであるか否かを判定するようにしても良い。その結果、部品供給テープ24の部品の向き、送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等のいずれかが生産ジョブの指定と異なることが判明した場合は、それを表示装置33の表示や音声によって作業者に警告して、テープフィーダ13にセットされている部品供給テープ24(テープリール23)を交換するように促す。或は、部品供給テープ24の部品の向き、送りピッチ、部品送り位置、フィーダ幅等のいずれかが生産ジョブの指定と異なることが判明しても、作業者が「部品供給テープ24を交換しない」を選択した場合は、判定結果を部品実装機の制御装置へ送信して、生産ジョブの指定と異なることを部品実装機の制御装置やテープフィーダ13の制御装置に通知して、部品供給テープ24の部品の向き、送りピッチ、部品送り位置等を生産ジョブの指定と一致させるように部品実装機の実装動作やテープフィーダ13のテープ送り動作を修正する。
【0040】
以上説明した本実施例2では、テープリール23の情報記録部41に部品IDと部品向き情報を記録又は記憶するようにしたので、フィーダセット治具11に画像処理装置が搭載されていない場合でも、テープリール23に巻回された部品供給テープ24の部品の向きを確認することができ、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
【0041】
尚、本発明は、上記各実施例1,2の構成に限定されず、例えば、フィーダセット治具11の構成を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
11…フィーダセット治具、13…テープフィーダ、14…フィーダセット台、23…テープリール、24…部品供給テープ、25…カメラ、26…XYスライド、31…部品照合用コンピュータ(部品向き判定手段)、32…入力装置、33…表示装置、34…記憶装置、35…バーコードラベル(部品識別情報記録部)、36…バーコードリーダ(部品識別情報読取手段)、41…情報記録部(部品識別情報記録部,部品向き情報記録部)、42…リーダ(部品識別情報読取手段,部品向き情報読取手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6