特許第6125945号(P6125945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 6125945-保湿性化粧料用組成物 図000008
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6125945
(24)【登録日】2017年4月14日
(45)【発行日】2017年5月10日
(54)【発明の名称】保湿性化粧料用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20170424BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20170424BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170424BHJP
【FI】
   A61K8/86
   A61K8/33
   A61Q19/00
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-162873(P2013-162873)
(22)【出願日】2013年8月6日
(65)【公開番号】特開2015-30709(P2015-30709A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002901
【氏名又は名称】株式会社ダイセル
(74)【代理人】
【識別番号】100101362
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 幸久
(74)【代理人】
【識別番号】100152559
【弁理士】
【氏名又は名称】羽明 由木
(72)【発明者】
【氏名】前原 徹也
(72)【発明者】
【氏名】坂西 裕一
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−016774(JP,A)
【文献】 特開2000−282084(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/100075(WO,A1)
【文献】 特開2001−114720(JP,A)
【文献】 特許第5804982(JP,B2)
【文献】 特許第5804995(JP,B2)
【文献】 特開昭60−224638(JP,A)
【文献】 特開2007−092010(JP,A)
【文献】 特許第6099577(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル、及び水を含有する組成物であって、前記ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル全量の70重量%以上が下記式(1’)
【化1】
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基は有さない炭素数8〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。nはグリセリン単位の数を示し、5〜15の整数である)
で表される化合物である保湿性化粧料用組成物。
【請求項2】
各成分の含有量が下記の通りである請求項1に記載の保湿性化粧料用組成物。
ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル:1〜30重量部
水:40〜99重量部
【請求項3】
ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルのHLB値が6〜20である請求項1又は2に記載の保湿性化粧料用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の保湿性化粧料用組成物を含有する化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル、及び水を含有する保湿性化粧料用組成物、及び該保湿性化粧料用組成物を含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
保湿性化粧料には多量の油剤を配合したクリーム状、乳液状、オイル状、油性ジェル状等のタイプから、油剤を全く配合しないか又は微量配合したローション状、水性ジェル状等のタイプまで様々なものがある。油剤を配合したタイプは、保湿効果には優れているが、ベタつき感があり、水では簡単にすすぎ落とせない等使用性の点で劣る。一方、油剤を全く配合しないか微量配合したタイプは、使用性には優れるが、汗等と一緒に皮膚表面から剥がれ落ち易く、保湿効果を長期安定的に維持することは困難である。
【0003】
優れた保湿効果を維持しつつ、使用性を改善する方法として、特許文献1、2には、油剤と共にポリオキシエチレン誘導体等のノニオン性界面活性剤を使用する方法が記載されている。しかし、多量の界面活性剤を配合する必要があり、また、前記ポリオキシエチレン系界面活性剤は皮膚に対して刺激性を有するため、安全性の面で問題があった。
【0004】
そのため、近年、セラミド産生促進剤、擬似セラミド、天然セラミド等に代表される保湿成分等を配合した化粧料が主流となっている(特許文献3)。しかし、前記保湿成分は、製剤中で安定化することが困難であった。更に、高価である点も問題であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−5213号公報
【特許文献2】特開平8−143420号公報
【特許文献3】特開2011−231056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、安全性及び使用性に優れ、皮膚の水分量を高く保持する効果を有する(=優れた保湿機能を有する)保湿性化粧料用組成物を安価に提供することにある。
本発明の他の目的は、前記保湿性化粧料用組成物を含有する化粧料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アルコールとグリシジルエーテルとを反応させて得られる2級ヒドロキシル基を有するグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルに、更にグリシドールを2当量以上反応させて得られる化合物は、2つの疎水基が短いスペーサーで結合し、水溶性の高いポリグリセリン部分を親水基として有するため優れた界面活性能を有し、ラメラ液晶相を形成することができること、このラメラ液晶相は親水基部分に水分を強固に保持する作用を有するため、皮膚表面に塗布すると皮膚表面の水分蒸散量を抑制するバリア機能を発揮することを見出した。
本発明はこれらの知見に基づき、さらに研究を重ねて完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記式(1)
【化1】
(式中、R1、R2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。nはグリセリン単位の数を示し、2以上の整数である)
で表される化合物を含むポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル、及び水を含有する保湿性化粧料用組成物を提供する。
【0009】
前記保湿性化粧料用組成物としては、各成分の含有量が下記の通りであることが好ましい。
ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル:1〜30重量部
水:40〜99重量部
【0010】
前記ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルのHLB値は6〜20が好ましい。
【0011】
本発明は、また、前記保湿性化粧料用組成物を含有する化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の保湿性化粧料用組成物は、2分子のモノメリック型界面活性剤(一疎水基一親水基型界面活性剤)が短いスペーサーで結合した形状により優れた界面活性能を有し、ラメラ液晶相を形成するポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルを含有する。そのため、皮膚表面に本発明の保湿性化粧料用組成物を塗布すると、セラミドやリン脂質が脂質二重層を形成して保湿効果を発揮するように、ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルにより形成された、水分保持性に優れたラメラ液晶相が皮膚表面を覆って、皮膚水分の蒸散を抑制するバリア機能を発揮することができる。
また、本発明の保湿性化粧料用組成物は保存安定性に優れる。
更に、本発明の保湿性化粧料用組成物は、ゲル化剤や増粘剤を添加しなくても適度な粘度を有して、使用中に手から垂れ落ち難く、伸びがよい。
そのため、本発明の保湿性化粧料用組成物は、化粧料(例えば、化粧水、乳液、クリーム等)に好適に使用することができる。
【0013】
尚、本発明においてラメラ液晶相とは、両親媒性分子の二分子膜と水とが交互に配向した分子配列の規則性を残しながら流動性を保った状態のものであり、光学異方性という特異な光学特性を示すことから、偏光板や偏光顕微鏡による観察により容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施例及び比較例で得られた化粧料用組成物の保湿効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の保湿性化粧料用組成物は、式(1)で表される化合物を含むポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルと水を少なくとも含有する。
【0016】
[ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル]
本発明のポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルは、下記式(1)で表される化合物を含む。本発明のポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル(100重量%)における式(1)で表される化合物の含有量としては、例えば50重量%以上、好ましくは70重量%以上である。
【0017】
式(1)中、R1、R2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。nはグリセリン単位の数を示し、2以上の整数である。
【0018】
【化2】
【0019】
式(1)の括弧内のC362は、下記式(2)及び(3)で示される両方の構造を有する。
−CH2−CHOH−CH2O− (2)
−CH(CH2OH)CH2O− (3)
【0020】
1、R2における直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ラウリル(ドデシル)、n−トリデシル、n−ミリスチル(テトラデシル)、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−ヘプタデシル、n−ステアリル、n−ノナデシル、n−エイコシル、n−ヘンエイコシル、n−ドコシル基等のC6-22直鎖状アルキル基;イソヘキシル、s−ヘキシル、t−ヘキシル、イソヘプチル、s−ヘプチル、t−ヘプチル、イソオクチル、s−オクチル、t−オクチル、イソノニル、s−ノニル、t−ノニル、イソデシル、s−デシル、t−デシル、イソウンデシル、s−ウンデシル、t−ウンデシル、イソラウリル、s−ラウリル、t−ラウリル、イソトリデシル、s−トリデシル、t−トリデシル、イソミリスチル、s−ミリスチル、t−ミリスチル、イソペンタデシル、s−ペンタデシル、t−ペンタデシル、イソヘキサデシル、s−ヘキサデシル、t−ヘキサデシル、イソヘプタデシル、s−ヘプタデシル、t−ヘプタデシル、イソステアリル、イソノナデシル、s−ノナデシル、t−ノナデシル、イソエイコシル、s−エイコシル、t−エイコシル、イソヘンイコシル、s−ヘンイコシル、t−ヘンイコシル、イソドコシル、s−ドコシル、t−ドコシル等のC6-22分岐鎖状アルキル基等を挙げることができる。
【0021】
1、R2におけるヒドロキシル基を有する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、例えば、前記C6-22直鎖状若しくは分岐鎖状アルキル基に1以上のヒドロキシル基を有する基等を挙げることができる。
【0022】
1、R2における直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、n−ヘキセニル、n−ヘプテニル、n−オクテニル、n−ノネニル、n−デセニル、n−ウンデセニル、n−ドデセニル、n−トリデセニル、n−テトラデセニル、n−ペンタデセニル、n−ヘキサデセニル、n−ヘプタデセニル、n−オレイル、n−ノナデセニル、n−エイコセニル、n−ヘンエイコセニル、n−ドコセニル基等のC6-22直鎖状アルケニル基;イソヘキセニル、s−ヘキセニル、t−ヘキセニル、イソヘプテニル、s−ヘプテニル、t−ヘプテニル、イソオクテニル、s−オクテニル、t−オクテニル、イソノネニル、s−ノネニル、t−ノネニル、イソデセニル、s−デセニル、t−デセニル、イソウンデセニル、s−ウンデセニル、t−ウンデセニル、イソドデセニル、s−ドデセニル、t−ドデセニル、イソトリデセニル、s−トリデセニル、t−トリデセニル、イソテトラデセニル、s−テトラデセニル、t−テトラデセニル、イソペンタデセニル、s−ペンタデセニル、t−ペンタデセニル、イソヘキサデセニル、s−ヘキサデセニル、t−ヘキサデセニル、イソヘプタデセニル、s−ヘプタデセニル、t−ヘプタデセニル、イソオレイル、イソノナデセニル、s−ノナデセニル、t−ノナデセニル、イソエイコセニル、s−エイコセニル、t−エイコセニル、イソヘンイコセニル、s−ヘンイコセニル、t−ヘンイコセニル、イソドコセニル、s−ドコセニル、t−ドコセニル等のC6-22分岐鎖状アルケニル基等を挙げることができる。
【0023】
1、R2におけるヒドロキシル基を有する直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基としては、例えば、前記C6-22直鎖状若しくは分岐鎖状アルケニル基に1以上のヒドロキシル基を有する基等を挙げることができる。
【0024】
本発明におけるR1、R2としては、なかでも、特に水分保持力に優れたラメラ液晶層を形成することができる点で、炭素数8〜22(更に好ましくは炭素数9〜20、特に好ましくは10〜18、最も好ましくは12〜16)の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基(特に好ましくは、直鎖状のアルキル基又はアルケニル基)が好ましい。
【0025】
nはグリセリン単位の数を示し、2以上の整数であり、例えば2〜25、好ましくは5〜15、特に好ましくは7〜13、最も好ましくは8〜13である。nが上記範囲を下回ると、HLB値が低下して親水性が低下する傾向があり、nが過剰であると、HLB値が大きくなり過ぎ、親油性が低下する傾向がある。そして、何れの場合もラメラ液晶相の形成が困難となり、保湿性が低下する傾向がある。
【0026】
本発明のポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルのHLB(Hydrophile-Lipophile Balance;親水親油バランス)値は、例えば6〜20であり、好ましくは10〜15である。ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルのHLB値が上記範囲を下回ると、親水性が低下する傾向がある。一方、HLB値が上記範囲を上回ると、親油性が低下する傾向がある。HLB値は、例えば有機概念図を用い下記式により算出することができる。尚、化合物の物理化学的物性について、主にVan Der Waals力による物性の程度を「有機性」、主に電気的親和力による物性の程度を「無機性」と称する。「有機性値」及び「無機性値」は、化合物の構造等から、構造各部の合算値として算出することができる(界面活性劑の合成と其應用 / 小田良平, 寺村一広著(東京 : 槙書店 , 1957.3))。また、HLB値の計算式は下記式に限ったものではない。
HLB値=(無機性値÷有機性値)×10
【0027】
本発明の式(1)で表される化合物としては、例えば、トリグリセリンジオクチルエーテル、トリグリセリンジデシルエーテル、トリグリセリンジラウリルエーテル、トリグリセリンジミリスチルエーテル、トリグリセリンジオレイルエーテル、トリグリセリンジステアリルエーテル、トリグリセリンジイソステアリルエーテル、テトラグリセリンジオクチルエーテル、テトラグリセリンジデシルエーテル、テトラグリセリンジラウリルエーテル、テトラグリセリンジミリスチルエーテル、テトラグリセリンジオレイルエーテル、テトラグリセリンジステアリルエーテル、テトラグリセリンジイソステアリルエーテル、ペンタグリセリンジデシルエーテル、ペンタグリセリンジラウリルエーテル、ペンタグリセリンジミリスチルエーテル、ペンタグリセリンジオレイルエーテル、ペンタグリセリンジステアリルエーテル、ペンタグリセリンジイソステアリルエーテル、ヘキサグリセリンジオクチルエーテル、ヘキサグリセリンジデシルエーテル、ヘキサグリセリンジラウリルエーテル、ヘキサグリセリンジミリスチルエーテル、ヘキサグリセリンジオレイルエーテル、ヘキサグリセリンジステアリルエーテル、ヘキサグリセリンジイソステアリルエーテル、ヘプタグリセリンジオクチルエーテル、ヘプタグリセリンジデシルエーテル、ヘプタグリセリンジラウリルエーテル、ヘプタグリセリンジミリスチルエーテル、ヘプタグリセリンジオレイルエーテル、ヘプタグリセリンジステアリルエーテル、ヘプタグリセリンジイソステアリルエーテル、オクタグリセリンジオクチルエーテル、オクタグリセリンジデシルエーテル、オクタグリセリンジラウリルエーテル、オクタグリセリンジミリスチルエーテル、オクタグリセリンジオレイルエーテル、オクタグリセリンジステアリルエーテル、オクタグリセリンジイソステアリルエーテル、ノナグリセリンジオクチルエーテル、ノナグリセリンジデシルエーテル、ノナグリセリンジラウリルエーテル、ノナグリセリンジミリスチルエーテル、ノナグリセリンジオレイルエーテル、ノナグリセリンジステアリルエーテル、ノナグリセリンジイソステアリルエーテル、デカグリセリンジオクチルエーテル、デカグリセリンジデシルエーテル、デカグリセリンジラウリルエーテル、デカグリセリンジミリスチルエーテル、デカグリセリンジオレイルエーテル、デカグリセリンジステアリルエーテル、デカグリセリンジイソステアリルエーテル、ウンデカグリセリンジオクチルエーテル、ウンデカグリセリンジデシルエーテル、ウンデカグリセリンジラウリルエーテル、ウンデカグリセリンジミリスチルエーテル、ウンデカグリセリンジオレイルエーテル、ウンデカグリセリンジステアリルエーテル、ウンデカグリセリンジイソステアリルエーテル等を挙げることができる。
【0028】
本発明の式(1)で表される化合物は、2つの疎水基(R1、R2)が短いスペーサーで結合しているため反発することなく密に会合して、水分保持性に優れたラメラ液晶層を形成することができる。そのため、皮膚表面に塗布すると、前記ラメラ液晶相が皮膚からの水分蒸散を防ぐことができ、優れた保湿性を発揮することができる。
【0029】
前記式(1)で表される化合物は、例えば、触媒の存在下、脂肪族アルコールにアルキル又はアルケニルグリシジルエーテルを反応させてグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルを得、得られたグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルにグリシドールを反応させる方法により製造することができる。
【0030】
より具体的には、式(1)で表される化合物は、例えば、下記工程(1)及び工程(2)を経て製造することができる。尚、下記式中のR1、R2、nは前記に同じ。
工程(1):下記式(4)で表されるアルコールに下記式(5)で表されるグリシジルエーテルを反応させることにより下記式(6)で表される2級ヒドロキシル基を有するグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルを得る
工程(2):工程(1)で得られた下記式(6)で表される2級ヒドロキシル基を有するグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル1当量に対し、グリシドールをn当量反応させることにより式(1)で表される化合物を得る
【0031】
【化3】
【0032】
式(4)で表されるアルコールにおけるR1は、上記式(1)で表される化合物におけるR1に対応し、ヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。
【0033】
式(4)で表されるアルコールとしては、例えば、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール等の飽和アルコール;オレイルアルコール、イソオレイルアルコール、リノリルアルコール、リノレニルアルコール等の不飽和アルコール等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
式(5)で表されるグリシジルエーテルにおけるR2は、上記式(1)で表される化合物におけるR2に対応し、ヒドロキシル基を有していてもよい直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である。
【0035】
式(5)で表されるグリシジルエーテルとしては、例えば、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、ミリスチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、イソステアリルグリシジルエーテル等のR2が直鎖状又は分岐鎖状アルキル基であるグリシジルエーテル;オレイルグリシジルエーテル、イソオレイルグリシジルエーテル、リノリルグリシジルエーテル(=リノレニルグリシジルエーテル)等のR2が直鎖状又は分岐鎖状アルケニル基であるグリシジルエーテル等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0036】
上記工程(1)の反応における式(5)で表されるグリシジルエーテルの使用量としては、式(4)で表されるアルコール1当量に対して、例えば3〜10当量程度、好ましくは6〜8当量である。式(5)で表されるグリシジルエーテルの使用量が上記範囲を外れると、上記式(1)で表される化合物の収率が低下する傾向がある。
【0037】
上記工程(1)の反応は、酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、プロトン酸、ルイス酸の何れも使用できる。プロトン酸としては、例えば、超強酸(例えば、SbF5、SbF5−HF、SbF5−FSO3H、SbF5−CF3SO3H等)、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化ホウ素酸、p−トルエンスルホン酸、クロロ酢酸、ピクリン酸、ヘテロポリ酸等の有機酸及び無機酸を挙げることができる。また、ルイス酸としては、例えば、BF3、BF3O(C252、AlCl3、FeCl3、スズアルコキシド(例えば、スズテトライソプロポキシド等)、スズハライド(例えば、四塩化スズ(=塩化スズ(IV))、四臭化スズ等)等を挙げることができる。
【0038】
前記酸触媒の使用量としては、式(4)で表されるアルコールに対して、例えば0.5〜6モル%程度、好ましくは1〜5モル%である。酸触媒の使用量が上記範囲を上回ると、副生成物の生成が促進されるため、上記式(1)で表される化合物の純度が低下する傾向がある。一方、酸触媒の使用量が上記範囲を下回ると、上記式(1)で表される化合物の収率が低下する傾向がある。
【0039】
工程(1)の反応温度としては、例えば50〜150℃程度、好ましくは60〜100℃である。反応時間は、例えば30分〜5時間程度、好ましくは30分〜2時間である。
【0040】
工程(1)の反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。
【0041】
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0042】
工程(2)の反応は、塩基性触媒の存在下で行うことが好ましい。
【0043】
前記塩基性触媒としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド;酢酸ナトリウム等のアルカリ金属有機酸塩;トリエチルアミン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピリジン等のアミン類(第3級アミン等)や含窒素複素環化合物等を挙げることができる。
【0044】
塩基触媒としては、なかでも、製造コストを抑えることができる点で、ナトリウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシドを使用することが好ましい。
【0045】
前記塩基性触媒の使用量としては、式(6)で表される2級ヒドロキシル基を有するグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルに対して、例えば20〜100モル%程度、好ましくは90〜100モル%である。塩基性触媒の使用量が上記範囲を上回ると、副生成物であるポリグリセリンの生成を助長する傾向がある。一方、塩基性触媒の使用量が上記範囲を下回ると、式(6)で表される2級ヒドロキシル基を有するグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルが未反応のまま残存する傾向がある。
【0046】
工程(2)の反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式等の何れの方法で行うこともできる。
【0047】
工程(2)の反応温度としては、例えば50〜150℃程度、好ましくは60〜120℃である。反応時間は、例えば30分〜24時間程度、好ましくは5時間〜15時間、特に好ましくは7時間〜12時間である。工程(2)の反応は、例えば、リン酸水溶液、硫酸、塩酸、酢酸等を添加することにより停止することができる。
【0048】
反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出等の分離手段や、これらを組み合わせた分離手段により分離精製できる。
【0049】
本発明の保湿性化粧料用組成物におけるポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルの含有量としては、特に限定されることなく適宜調整することができ、例えば、保湿性化粧料用組成物全量(100重量%)の1〜30重量%程度である。ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルの含有量の上限は30重量%程度であり、好ましくは25重量%、特に好ましくは20重量%、最も好ましくは10重量%である。下限は1重量%程度であり、好ましくは3重量%、特に好ましくは5重量%である。上記範囲でポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルを含有する保湿性化粧料用組成物は、ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルが水分保持性に優れるラメラ液晶相を形成することができる。そのため、皮膚表面に塗布すると、優れたバリア機能を発揮することができ、皮膚表面からの水分蒸散を防ぐことができる。
【0050】
[水]
水としては、硬水、軟水の何れでもよく、例えば、工業用水、水道水、イオン交換水、蒸留水等を使用することができる。
【0051】
水の配合量としては、例えば、保湿性化粧料用組成物全量(100重量%)の40〜99重量%程度である。水の含有量の下限は40重量%程度であり、好ましくは50重量%、特に好ましくは60重量%である。上限は99重量%程度であり、好ましくは97重量%、特に好ましくは96重量%である。
【0052】
[その他の成分]
本発明の保湿性化粧料用組成物は、上記ポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテル、及び水の他にも、必要に応じて他の成分を含有することができる。他の成分としては、例えば、多価アルコール、油性成分、香料等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】
前記多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、1,3−ブチレングリコール、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、ソルビトール、ソルビタン、マルチトール、トレハロース等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0054】
本発明の保湿性化粧料用組成物としては、なかでも、多価アルコール(特に、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種の化合物)を含有することが、水との会合体(水クラスター)を形成することで分子量が大きくなり、水の分子運動を抑制することができるため、ラメラ液晶相との相乗効果により一層長期に亘って水分蒸散を抑制することができる点で好ましい。
【0055】
多価アルコールの配合量としては、例えば、保湿性化粧料用組成物全量(100重量%)の1〜30重量%程度である。多価アルコールの含有量の上限は30重量%程度であり、好ましくは20重量%、特に好ましくは10重量%である。
【0056】
前記油性成分としては、通常、化粧品で利用できる油性成分であって、常温(15〜25℃)で液状及び/又はペースト状の油性成分を特に制限されることなく使用することができる。また、固形状の油性成分であっても、液状を保持するに影響がない程度であれば配合することができる。前記油性成分としては、例えば、天然動植物油脂、半合成油脂、炭化水素、高級脂肪酸、グリセライド油、エステル油、シリコーン油、精油成分(動植物由来、又は合成)、脂溶性ビタミン等を挙げることができる。これらは1種を単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0057】
前記天然動植物油脂類及び半合成油脂としては、例えば、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、米胚芽油、米糠油、サフラワー油、大豆油、月見草油、トウモロコシ油、菜種油、馬脂、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、落花生油、ラノリン等を挙げることができる。
【0058】
前記炭化水素としては、例えば、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、ワセリン等を挙げることができる。
【0059】
前記高級脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、トール油、イソステアリン酸等を挙げることができる。
【0060】
前記グリセライド油としては、例えば、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリテトラデカン酸グリセリル、ジパラメトキシケイ皮酸・モノイソオクチル酸グリセリル等を挙げることができる。
【0061】
前記エステル油としては、例えば、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、イソステアリン酸イソステアリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、2−エチルヘキサン酸セチル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルラウリル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、リンゴ酸ジイソステアリル、パラメトキシケイ皮酸エステル、テトラロジン酸ペンタエリスリット等を挙げることができる。
【0062】
前記シリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、オクタメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルシクロヘキサシロキサン、ステアロキシシリコーン等の高級アルコキシ変成シリコーン、アルキル変成シリコーン、高級脂肪族炭素基エステル変性シリコーン等を挙げることができる。
【0063】
脂溶性ビタミンとしては、例えば、トコフェロールやその誘導体、レチノールやその誘導体等を挙げることができる。
【0064】
油性成分の配合量としては、保湿性化粧料用組成物全量(100重量%)の55重量%以下程度である。油性成分の含有量が上記範囲を上回ると、ベタつきがひどくなる傾向がある。
【0065】
本発明の保湿性化粧料用組成物は、上記成分を混合することにより調製することができる。本発明の保湿性化粧料用組成物のpHとしては、例えば6〜8程度(好ましくは6〜7)である。また、本発明の保湿性化粧料用組成物は透明の外観を有し、美観に優れる。
【0066】
[化粧料]
本発明の化粧料は、上記保湿性化粧料用組成物を含有することを特徴とする。
【0067】
本発明の化粧料には、上記保湿性化粧料用組成物以外にも、本発明の目的を達成できる範囲内で、他の成分を適宜配合することができる。他の成分としては、例えば、上記以外の界面活性剤、低級アルコール類、機能性ビーズ、カプセル類、塩類、粉体(例えば、酸化チタン、タルク、ベントサイト、カチオン、マイカ等)、殺菌剤、色素、香料、防腐剤、酸化防止剤、酸化防止助剤、紫外線吸収剤、保湿剤、消炎剤、pH調整剤、動物・植物・魚貝類・微生物由来の抽出物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0068】
前記他の成分の配合量は、化粧料全量(100重量%)の5重量%以下程度である。
【0069】
本発明の化粧料は、ラメラ液晶相を形成して皮膚表面からの水分の蒸散を抑制する効果を有するポリグリセリンジアルキル又はアルケニルエーテルを含有するため、優れた保湿性を有する。また、ゲル化剤や増粘剤を添加しなくても適度な粘度を有し、使用中に手から垂れ落ち難く、伸びがよい。そのため、本発明の化粧料は塗布型化粧料(例えば、化粧水、乳液、美容クリーム、保湿ジェル等)として好適に使用することができる。
【実施例】
【0070】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0071】
製造例1(ジラウリルグリセロールの製造)
下記ラウリルグリシジルエーテル1当量に対して8当量となる量のラウリルアルコール(和光純薬工業(株)製試薬、886g)を仕込んだ後、窒素雰囲気下、1mol%塩化スズ(IV)(1.82g、ラウリルアルコールの1モル%)を添加し、反応温度を80℃に維持しつつ、ラウリルグリシジルエーテル(四日市合成(株)製、150g)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間の熟成を行い、反応を停止するため水を加えた。
得られた反応粗液に、炭酸カリウム(和光純薬工業(株)製、9.67g)を加え、水分を除去した後に、ヘプタン(和光純薬工業(株)製、259g)にて希釈した。
ブフナー漏斗を使用して吸引ろ過し、少量のヘプタンで反応器のリンスを行い、ろ液を得た。
ろ液中のヘプタンをエバポレーターで留去後、150℃、減圧度2mmHgの減圧留去をすることにより未反応のラウリルグリシジルエーテル留去し、ジラウリルグリセロール372gを得た。
【0072】
製造例2(ジデシルグリセロールの製造)
ラウリルグリシジルエーテルに代えてデシルグリシジルエーテルを使用し、ラウリルアルコールに代えてデシルアルコールを使用した以外は製造例1と同様にして、ジデシルグリセロールを得た。
【0073】
調製例1(ウンデカグリセリンジラウリルエーテルの製造)
製造例1で得られたジラウリルグリセロール(45g)に対し、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(20g、ジラウリルグリセロールの100モル%)を加え、100℃、2mmHg、10時間、減圧留去することによりメタノールを留去した。
その後、上記ジラウリルグリセロール1当量に対して10当量となる量のグリシドール(78g)を、70℃を維持しつつ、10時間かけて滴下し、1時間の熟成を経て、85%リン酸水溶液(8g)を加えて反応を停止した。
得られた反応粗液にメタノール(100g)を加え希釈した。
その後、加圧ろ過にて粗液中のリン酸塩を除去した後、150℃、常圧にてメタノールを留去し、さらに2mmHgで他の低沸成分を留去することによりウンデカグリセリンジラウリルエーテル(HLB:14.3)123gを得た。
【0074】
調製例2(ウンデカグリセリンジデシルエーテルの製造)
製造例1で得られたジラウリルグリセロールに代えて、製造例2で得られたジデシルグリセロールを使用した以外は調製例1と同様にして、ウンデカグリセリンジデシルエーテル(HLB:12.6)120gを得た。
【0075】
実施例1〜3、比較例1〜4
各成分を下記表1に示される割合(重量%)で配合し、アンカーミキサーを使用して80℃以上の温度で加熱溶解混合し、その後、35℃以下になるまで撹拌しつつ冷却して化粧料用組成物を得た。得られた化粧料用組成物について、下記の方法により評価した。
【0076】
【表1】
※ジラウロイルグルタミン酸リシンNa:ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム水溶液(29:71)
テトラグリセリンモノラウリルエーテル:HLB12.1、商品名「セルモリスAML04」、(株)ダイセル製
【0077】
[保湿効果確認]
実施例及び比較例で得られた化粧料用組成物(約0.5g)を前腕に塗布し、2分間浸透させ馴染ませた。その後すぐ(0分)、10分、20分、30分、60分、90分、及び120分にポータブル水分蒸散計(キーストンサイエンティフィック(株)製)を使用して皮膚表面の水分蒸散量(g/m2・h)を測定することにより、保湿効果を評価した。また、参考例として、化粧料組成物を塗布しない素肌の水分蒸散量を上記と同様の方法で測定した。
【0078】
上記結果を下記表にまとめて示す。
【表2】
【0079】
表2から明らかなように、本発明の化粧料用組成物は、従来の代表的な保湿剤(=比較例)と比べて水分蒸散量を有意に抑制することができ、優れた保湿性を有する。すなわち、本発明の化粧料用組成物は、保湿効果に優れた化粧料用組成物として有効であり、保湿性化粧料として好適に使用できる。
図1